JP2000141570A - 離型用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

離型用積層ポリエステルフィルム

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JP2000141570A
JP2000141570A JP10321849A JP32184998A JP2000141570A JP 2000141570 A JP2000141570 A JP 2000141570A JP 10321849 A JP10321849 A JP 10321849A JP 32184998 A JP32184998 A JP 32184998A JP 2000141570 A JP2000141570 A JP 2000141570A
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Shigeo Uchiumi
滋夫 内海
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光板、位相差板等の液晶表示板保護用、セ
ラミック離型用等、各種用途に用いることができる、オ
リゴマー析出量が極めて少なく、透明性良好な離型フィ
ルムを提供する。 【解決手段】 3層以上の積層ポリエステルフィルムか
らなり、クロロホルムでフィルム表面から抽出される低
分子量体抽出量が15mg/m2 未満であることを特徴
とする離型用積層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型用積層ポリエ
ステルフィルムに関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する
場合がある)に用いられる、偏光板、位相差板等の液晶
表示用保護用、セラミック離型用等として好適な各種離
型フィルム用途に用いられる積層ポリエステルフィルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(以下、PETフィルムと略記する場合がある)を
基材とする離型フィルムが、液晶表示板保護用、セラミ
ック離型用等に各種使用されてきた。しかるに特に液晶
表示板保護用途において、フィルムの異物および高温下
離型層表面または離型層が設けられていない面に析出す
るオリゴマー等の低分子量物が、液晶等の製造工程内に
おいて各種不具合を生じることが指摘されている。
【0003】より具体的に言えば、例えば離型フィルム
が、液晶表示板保護用として用いられた場合に異物があ
ると、液晶の偏光板、位相差板製造時の検査工程で、液
晶欠陥とフィルム異物を区別できないために、良品を不
良として落とすことにより生産性の低下を招く不具合を
生ずることとなる。また、粘着剤層を介して離型フィル
ムと偏光基材が貼り合わされてロール上に巻き取られる
工程等のうち、特に粘着剤塗布後の乾燥工程において、
オリゴマー等の低分子量物等が析出しやすくなる。離型
層表面に析出してくるこのオリゴマー等の低分子量物
が、貼り合わせている相手方粘着剤層表面へ転着してし
まうと、オリゴマー等が付着した粘着剤層付きの偏光基
材をガラス基板と貼り合わせてLCDを製造した際に、
その輝度が低下する等の不具合を生じる場合がある。
【0004】近年、LCDのプライスの低下と視認性向
上の要求の高まりとともに、上記問題点の改良が一層強
く求められるようになってきた。一方、非粘着用途とし
て、例えばセラミック離型用途が挙げられる。その製造
工程では、離型面にセラミックスラリーを塗布した後、
乾燥工程で乾燥されたグリーンシートが離型フィルムに
積層した状態のままロール上に巻き取られる工程等が存
在する。このスラリー塗布後の乾燥工程でオリゴマー等
低分子量物が析出すると思われるが、この析出物が、離
型面と接するグリーンシート表面に転着し、このグリー
ンシート同士を積層して作成されたセラミック積層コン
デンサーの場合にシート間接着力が低下する等の不具合
を発生させる。
【0005】また、離型層が設けられていない面から発
生したオリゴマー等も、今度は搬送用ロールのロール表
面に転着することにより、加工を継続した際に、ロール
汚れを発生させる等の問題を引き起こす。近年、製造コ
ストの低減を目的として、製造工程の高速化がはかられ
ているが、これにより特に乾燥工程での乾燥温度をより
高く設定する傾向が強まっており、上述のオリゴマー等
低分子量物が析出しやすい状況になってきているのが現
状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、偏光板、
位相差板等の液晶表示板保護用、セラミック離型用等、
各種用途に用いることができる、オリゴマー析出量が極
めて少なく、透明性良好な離型フィルムを提供すること
にある。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の構成のポリエステルフィ
ルムを採用すれば、上記課題を容易に解決できることを
見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明の要旨は、3層以上の積層ポリエステルフィルムから
なり、クロロホルムでフィルム表面から抽出される低分
子量体抽出量が15mg/m2未満であることを特徴と
する離型用積層ポリエステルフィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にいう積層フィルムとは、例えば全ての層が押出
機の口金から共溶融押出しされる、いわゆる共押出法に
より押出された未延伸フィルムが、延伸および熱処理さ
れたものが挙げられる。以下、積層フィルムとして、共
押出3層フィルムについて説明するが、本発明の要旨を
越えない限り、本発明は共押出3層フィルムに限定され
るものではなく、4層以上の多層であってもよい。また
表裏の層が異なるA/B/Cの3種3層フィルムも好ま
しいが、なかでも表層の両面が同一の2種3層フィルム
が特に好適に実施される。
【0009】本発明の積層フィルムの各層を構成するポ
リエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステ
ルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリ
エステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチ
レンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフ
タレート単位を有するポリエステルを指す。さらに、上
記の範囲を逸脱しない限りにおいて、他の第三成分を含
有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、
テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以
外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、
セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、オキ
シカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸
等)を用いることができる。一方、グリコール成分とし
ては、エチレングリコール成分以外に、例えばジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二
種以上を用いることができる。
【0010】本発明の積層フィルムにおいて、両表層を
形成する層は、粒子を含有することが好ましい。本発明
においては、加工中のフィルム傷等による微小ブツ低減
のためにも、フィルムに滑り性を付与することが好まし
く、積層化した上でその両表層ともに粒子を含有してい
ることが好ましい。本発明で用いる粒子の例としては、
炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリ
ン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、
フッ化カルシウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無
機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機
粒子、およびポリエステル重合時に生成させる析出粒子
等を挙げることができる。
【0011】かかる粒子の中でも、特に微小ブツの低減
および透明性と滑り性を得るために、架橋高分子粒子ま
たはシリカ粒子が好ましく用いられる。特にシリカ粒子
の中でも、商品名がサイリシア、サイロイド、サイロブ
ロック等である、単分散球状でないシリカ粒子が推奨さ
れる。これは、ポリエステルとの親和性や、屈折率の点
で好ましい特性を有するため、微小ブツを増加させるこ
となく透明性、滑り性を向上させるとともに粒子の脱落
が少ないためである。
【0012】表層に含有させる粒子は、一種類でもよい
が、二種類以上を同時に配合させてもよい。架橋高分子
粒子またはシリカ粒子とそれ以外の粒子を同時に含有察
せる場合には、架橋高分子粒子およびシリカ粒子の含有
量の合計が、それ以外の粒子の含有量よりも多いことが
好ましい。表層に含有されるかかる粒子は、その平均粒
径が0.01〜3.0μm、さらには0.1〜3.0μ
mであり、その含有量が0.01〜3.0重量%、さら
には0.03〜0.25重量%であることが推奨され
る。平均粒径が0.01μm未満の粒子では、突起形成
能が不十分のため、ヘーズを高くする割にはフィルムの
滑り性に寄与しない傾向がある。一方、平均粒径が3.
0μmを超えると、フィルムに必要以上に大きな突起を
形成してしまう傾向があり、例えば粒子を核としてオリ
ゴマーが結晶化して大きな異物を形成してしまう等の問
題を引き起こす可能性がある。また、粒子量が0.01
重量%未満では、表層に形成される突起数が不足し、フ
ィルムの滑りが不足したり、フィルム製造時およびフィ
ルム加工時に傷が生じてブツとなったり、透明性を悪化
させたり、傷を起点にオリゴマーが成長したりする場合
がある。一方、粒子量が3.0重量%を超えると、粒子
の脱落が増えたり、ブツや透明性が悪化したりすること
がある。
【0013】また、表層以外の層中の粒子の含有量は、
表層の含有量以下であることが好ましく、実質的に粒子
を含まないことが特に好ましい。また、フィルム全体の
ポリエステルに対する粒子の含有量は、0.25重量%
以下が好ましい。さらに好ましくは0.20重量%以下
である。フィルム全体のポリエステルに対する粒子の含
有量が0.25重量%を超えると、フィルムの透明性が
損なわれる傾向がある。
【0014】表層以外の層に自己リサイクル原料および
/または他のリサイクル原料を使用することは、本願発
明の範囲を逸脱しない限りにおいて許容されるが、好ま
しくはブツの低減のためにバージン原料とするのが良
い。本発明のフィルムの表層の厚みは、通常0.005
〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、特に好ましく
は1.0〜3μmである。表層の厚みが10μmを超え
ると、フィルムの透明性を悪化させるたり、フィルムの
微小ブツの低減効果に劣ったりすることがある。一方、
表層の厚みが0.005μm未満では、オリゴマーの低
減効果に劣る傾向がある。
【0015】本発明の積層フィルムの全体のヘーズは、
0.5%を超え7.0%未満が好ましい。0.5%以下
では、フィルムの作業性に劣る傾向があり、7.0%以
上では、フィルムの透明性に劣る傾向がある。さらに好
ましくは、1.2〜5%、最も好ましくは1.5〜4%
である。本発明における積層ポリエステルフィルムには
上記以外の添加剤として、必要に応じて、帯電防止剤、
安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防
止剤、着色剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤等を配合する
ことは、本願特許の目的を損なわない範囲であれば問題
ない。
【0016】本発明の積層フィルムは、幅1m長さ10
mにわたって測定したときの目視で検出できる微小ブツ
の個数が、20個/m2 以下であることが好ましい。さ
らに好ましくは15個/m2 、最も好ましくは7個/m
2 である。この微小ブツが20個/m2 を超えると、液
晶表示用偏光フィルムの検査の際に、製品に混入してい
る異物と間違え良好品を欠陥品として処理して欠陥品の
流出率が増加する傾向がある。
【0017】本発明の積層ポリエステルフィルムの表面
を形成する層は、クロロホルム溶媒による低分子量体抽
出量が、後に定義する方法において15mg/m2
満でなければならない。この抽出量が、15mg/m2
以上では、離型用として実用的ではない。かかる抽出量
は、好ましくは10mg/m2 未満、さらに好ましくは
8mg/m2 未満である。
【0018】抽出される上記低分子量体は、環状三量体
を主とする環状オリゴマー、線状二量体および線状三量
体を主とする線状オリゴマー、テレフタル酸、テレフタ
ル酸モノグリコールエステル等を包含している。このよ
うな低分子量体抽出量の少ないポリエステルフィルム層
を形成する方法としては、特開昭48−101462号
公報、特開昭49−32973号公報等に開示されてい
るように、一旦重合したチップをさらに固相で重合する
ことにより、チップの状態でオリゴマー等の低分子量体
を減少させ、これらの原料を用いて製膜する方法や、溶
剤を用いてチップ中のオリゴマー等の低分子量体を除去
して製膜する方法や、二軸延伸熱固定したフィルムから
溶剤を用いてオリゴマー等の低分子量体を抽出除去する
方法が好適である。
【0019】特に前者の固相重合操作を付加する方法で
は、フィルムへの押出工程での温度が高く時間が長い
と、熱的な平衡関係で、折角減少したオリゴマー等の低
分子量体が増加してしまうことになるので、できるだけ
低温でかつ短時間で押し出すことが好ましい。一方、二
軸延伸熱固定したフィルムからの、低分子量体の抽出量
は、フィルムの面配向度に依存することも判明した。よ
って蒸着される面を構成する表層の面配向度は、0.1
60を超えることが好ましい。
【0020】さらに好ましくは、露出する表層を主とし
てポリエチレンナフタレートとすることが好ましい。こ
こで言う主としてとは、ポリエステル中のポリエチレン
ナフタレートの量が80モル%以上のものを言う。20
モル%以下の他のポリエステルをブレンドしてもよい
し、共重合してもよいし、他のポリマーを含有してもよ
い。
【0021】また、本発明のフィルムは、偏光フィルム
製造の加工時熱がかかるため、当然収縮率が低いことが
好ましい。そのため、本発明のフィルムの平均屈折率
は、1.600を超えることが好ましい。さらに好まし
くは、1.6030を超えるものである。さらに、偏光
フィルムの異物の検査を容易にするためには、フィルム
面内の複屈折率(Δn)が0(ゼロ)に近い方が好まし
く、0.020以下、特に好ましくは0.010以下が
推奨される。
【0022】次に、本発明の積層ポリエステルフィルム
の製造方法を具体的に説明する。本発明において、積層
フィルムを得る方法としては、共押出法が好ましく採用
される。以下、この共押出法による積層化の例について
説明する。まず、それぞれの層を構成するポリエステル
原料を、共押出積層用押出装置に供給する。その際、少
なくとも蒸着面を構成する表層には、固相重合してオリ
ゴマー等の低分子量体を減少させた原料を必要量供給す
る。かくして、3台以上のマルチマニホールドまたはフ
ィードブロックを用いて積層化し、スリット状のダイか
ら3層以上の溶融シートとして押し出す。その際、それ
ぞれの層の厚みはメルトラインに設置したギヤポンプ等
の定量フィーダーによるポリマーの流量の調節により設
定することができる。
【0023】次に、このダイから押出された溶融シート
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下で急冷固化
し、実質的に非晶質の未配向シートを得る。この際、シ
ートの平面性や厚さ斑を向上させるため、シートと回転
冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明
においては、静電印加密着法および/または液体塗布密
着法が好ましく用いられる。
【0024】本発明においては、かくして得られたシー
トについて2軸方向に延伸してフィルム化する。具体的
な延伸条件としては、前述の未延伸シートを、通常70
〜150℃、好ましくは75〜140℃の温度範囲で、
まず一方向、好ましくはロール延伸方向に通常3.0〜
7.0倍、好ましくは3.2〜6.0倍に1段もしくは
多段で延伸する。次に、一段目と直行する方向、好まし
くはテンター方向に、通常75〜150℃、好ましくは
80〜140℃の温度範囲で、通常3.2〜7.0倍、
好ましくは3.5〜6.0倍延伸し、2軸に配向したフ
ィルムを得る。なお、一方向の延伸を多段で2段階以上
行うのも好適な方法であるが、当然その際も最終的な延
伸倍率が上記した範囲内となることが好ましい。
【0025】また、前記未延伸シートを、面積倍率が1
0〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能で
ある。かくして得られた二軸配向フィルムは、通常、1
50〜250℃で30%以内の伸長、制限収縮、または
定長下で1秒から5分間程度熱処理される。また、二軸
延伸後熱処理する前に、110〜180℃の温度で縦お
よび/または横方向に1.05〜2.5倍再延伸を行う
ことも可能である。
【0026】本発明においては、上記製膜工程内で、水
系すなわち水溶液または水分散体の塗布液を塗布し、フ
ィルム表面に塗布層を設けることも可能である。塗布層
を設ける方法としては、未延伸シート表面に塗布液を塗
布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を
塗布して乾燥する方法等が挙げられるが、装置の簡便さ
から後者が推奨される。さらに必要に応じて、前述の塗
布方法を併用したものも採用可能である。すなわち、未
延伸シートに第1層を塗布して乾燥後、一軸方向に延伸
し、その後さらに第2層を塗布して熱固定により乾燥さ
せる等の方法である。
【0027】かくして得られたフィルムは、例えば粘着
剤を塗布した偏光フィルムと貼り合わせて検査した後、
液晶に組み込まれる。本発明においては、フィルムの厚
みは、通常10〜75μm、好ましくは20〜40μm
の範囲から選ばれる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例における種々の物性および特性の測定方法、定義等は
下記のとおりである。実施例および比較例中に「部」と
あるのは「重量部」の意味である。 (1)低分子量抽出法 縦30mm×横40mmのサイズのフィルム片を、30
℃に設定した15mlのクロロホルム溶液中に20分間
静置して浸し、低分子量体を抽出し、抽出物を日本分光
工業(株)製可視紫外分光光度計を用いて測定した。2
46nmの波長で示されるピークの吸光度から低分子抽
出量を求めた。同一サンプルにて3点測定して、その平
均を求めた。 (2)面配向度(ΔP)、平均屈折率(nave )、およ
び複屈折率(Δn) アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルム面内の
屈折率の最大値nγ、それに直角の方向の屈折率nβ、
フィルムの厚さ方向の屈折率nα、およびフィルムの縦
方向の屈折率n(縦)およびフィルムの横方向の屈折率
n(横)を測定し、次式より面配向度を算出した。な
お、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃に
て測定した。
【0029】
【数1】ΔP=(nγ+nβ)/2−nα nave =(nα+nβ+nγ)/3 Δn=n(縦)−n(横) (3)加工評価 得られた二軸延伸熱固定フィルムを粘着剤を介して偏光
板と貼り合わせ、偏光板を作成し、オリゴマーによる異
物の生成を判定した。
【0030】異物が全く見られないものを◎、全面に生
成しているものを×として、その中間を程度に応じて
△、○とした。 実施例1 (ポリエステルフィルムの製造)平均粒径1.45μ
m、吸油性310ml/100gの無定型二酸化ケイ素
粒子0.6部を含有する極限粘度0.65のチップをポ
リエチレンテレフタレート(I)とし、常法により得ら
れた実質的に粒子を含まない極限粘度0.60のチップ
をポリエステル原料(II)とし、このポリエステル原料
を回転型真空重合装置で、真空度0.3mmHg、22
5℃15時間固相重合して、低分子量物の含有量を0.
5%以下とした極限粘度0.75のものをポリエステル
原料(III )とした。表層として、ポリエステル(I)
を30部、ポリエステル(III )を70部混合したもの
(ポリエステルA)を用い、一方、中間層にはポリエス
テル(II)を単独(ポリエステルB)で用いた。
【0031】これらを別々の押出機から厚み方向にA/
B/Aの順の積層となるように280〜300℃の温度
で口金より押出し、静電密着法を併用しつつ冷却ドラム
上に急冷キャストし、未延伸フィルムを得た。この際、
表層は二軸延伸機を用いて押し出した。次に、得られた
シートを、IRヒーターを用いて、105℃で2.7倍
縦方向に延伸した後、さらに同じく縦方向に95℃にて
1.2倍延伸した後、今度は横方向に110℃で4.0
倍延伸した後、230℃で熱処理を施し、基材のポリエ
ステルフィルムの厚さ38μmの二軸延伸フィルムを得
た。その際のフィルムの厚さ構成は、3.5μm/31
μm/3.5μmのA/B/Aの2種3層フィルムであ
った。
【0032】かくして得られたフィルムの全体ヘーズは
2.9%、ΔPは0.166、Δnは−4×10-3であ
り、表層からの低分子量体の抽出量は9mg/m2 であ
った。一方、B層(中間層)の抽出量は19mg/m2
であった。このフィルムの片面に上述の方法で貼り合わ
せをし、加工評価をしたところ○であった。また、この
時の微小ブツは2個/m2 であった。
【0033】実施例2 実施例1において、B層をポリエチレンナフタレート単
体とする以外は全く実施例1と同様にして、38μmの
フィルムを製膜した。得られたフィルムの全体ヘーズは
2.8%、そのΔPは0.263、Δnは−3×10-3
であった。抽出量は、表層は、4mg/m2 、中間層は
19mg/m2 であった。このフィルムの加工評価は◎
であった。また、微小ブツは4個/m2であった。
【0034】実施例3 実施例2において、A層もポリエチレンナフタレートと
し、縦延伸を135℃で3.7倍、横延伸を同じく13
5℃で4.0倍とする以外は実施例2と全く同様にして
38μのA/B/Aのフィルムを得た。得られたフィル
ムのヘーズは3.0%、ΔPは0.265、Δnは−9
×10-3であった。表層からの抽出量は0mg/m2
きわめて良好なものであった。また、微小ブツは6個/
2 であった。
【0035】比較例1 実施例1において、ポリエステル(I)を30部、ポリ
エステル(II)を70部を混合してポリエステルA用原
料とする以外は、全く実施例1と同様にしてフィルムを
作成した。得られたフィルムの低分子量体の抽出量は、
19mg/m2であった。その性能を評価したところ、
加工評価が×であった。また、微小ブツは23個/m2
であった。
【0036】
【発明の効果】本発明のフィルムは、偏光板、位相差板
等の液晶表示板保護用、セラミック離型用等、各種用途
に用いることができる、オリゴマー析出量が極めて少な
く、透明性良好な離型フィルムであり、本発明の工業的
価値は高い。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20A AA20C AA20H AK41A AK41B AK41C AK42A AK42B AK42C AL05A AL05C BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 BA26 BA27 EH20 EJ38 GB15 GB41 GB90 JA06A JA06B JA06C JA20A JA20C JL14 JN01 YY00A YY00C 4J002 CF061 CF081 DE137 DE147 DE237 DG047 DH047 DJ007 DJ017 DJ037 EH146 GP00 GT00 4J029 AA03 AB07 AC01 AC02 AD01 AE03 BA03 CB06A CC06A KD01 KD02 KD05 KD07 KE12 KH05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3層以上の積層ポリエステルフィルムか
    らなり、クロロホルムでフィルム表面から抽出される低
    分子量体抽出量が15mg/m2 未満であることを特徴
    とする離型用積層ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 露出する表層の少なくとも一方の層が、
    主としてポリエチレンナフタレートからなることを特徴
    とする請求項1記載の離型用積層ポリエステルフィル
    ム。
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