JP2000140693A - 電気集じん機および無声放電電流の調整方法 - Google Patents

電気集じん機および無声放電電流の調整方法

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吉弘 川田
Yoshiyasu Ebara
由泰 江原
Akio Zukeran
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Takeo Takahashi
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Takeshi Takamatsu
武史 高松
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Kazumi Kawakami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に富み、空気中の浮遊粒子、有害ガス
並びに漏れイオンによるダストの影響を極力抑えるこ
と。 【解決手段】 電気集じん機の無声放電式帯電部10に
おいて、マイナスとプラスの両イオンを混在するプラズ
マ柱を生成することによって、空気中の浮遊粒子と有害
ガスを同時に除去すると共に、その無声放電式帯電部1
0からの漏れイオンとして、その両方のイオンが混在し
たものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトンネル内
の空気を浄化する電気集じん機および無声放電電流の調
整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車トンネル内の空気は、自動車から
排出される煤煙、自動車の走行に伴って生じるタイヤや
道路アスファルトの摩耗粉塵などのサブミクロンオーダ
の浮遊微粒子で汚染されている。
【0003】そこで、この汚染空気を清浄化するため
に、2段式電気集じん機(以下、単に集じん機という)
を用いた空気清浄化設備が実用化され、高速道路トンネ
ルなどで稼動している。
【0004】図18は、従来型の電気集じん機の集じん
原理を示す。
【0005】この集じん機は、帯電部1と集じん部2か
ら構成されている。帯電部1には、上下のプラスの電極
板3a,3bと、これら電極間に配置されたマイナスの
細い放電線4とが設けられている。集じん部2には、上
下のプラスの集じん極板5a,5bと、これら極板間に
配置されたマイナスの高圧極6とが設けられている。
【0006】煤塵は、帯電部1の放電線4によってマイ
ナスに帯電されて集じん部2に入る。集じん部2に入っ
たマイナスに帯電された煤塵は、静電界によって力を受
け、極板方向に移動して集じん極板5a,5b上に捕集
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】帯電部1において細い
放電線4が使われているが、この細い放電線4が運転時
間の経過に伴って劣化し、断線故障を引き起こすことに
なるという問題がある。
【0008】また、集じん部2の風下には、集じん部2
で補捉できなかったマイナスイオン(いわゆる、漏れイ
オン)が漏れ出てくるが、この漏れイオンが原因でトン
ネル壁面がダストで汚れるという問題がある。
【0009】すなわち、本坑内の空間粉塵濃度は、集じ
ん機風下の方が風上に比較して、約1桁薄いにもかかわ
らず、トンネル壁面の汚れは、集じん機風下の方が早く
汚れるという問題がある。この1つの原因としては、マ
イナスまたはプラスに帯電された漏れイオンによって、
トンネル壁面近傍に向かう空間電荷電界が生じるためと
考えられる。
【0010】そこで、本発明の目的は、耐久性に富み、
空気中の浮遊粒子、有害ガス並びに漏れイオンによるダ
ストの影響を極力抑えることが可能な電気集じん機およ
び無声放電電流の調整方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、稼動時間が長
くなっても、集じん率および有害ガス除去率を低下させ
ることなく一定に保つことが可能な電気集じん機および
無声放電電流の調整方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気中に浮遊
する粒子に帯電部にて電荷を与え、該電荷が与えれた粒
子に集じん部で電界を加えることによって集じんを行う
電気集じん機であって、前記帯電部を、マイナスイオン
とプラスイオンの両方の粒子が同時に存在するプラズマ
柱を生成するプラズマ柱生成手段から構成することによ
って、電気集じん機を構成する。
【0013】ここで、前記プラズマ柱生成手段は、無声
放電を行う無声放電式帯電部によって構成することがで
きる。
【0014】前記無声放電式帯電部は、誘電体間に金属
電極を埋め込んだ電極板を複数枚有し、該複数枚の電極
板を空気流れ方向に沿って配置することができる。
【0015】前記プラズマ柱生成手段により生成された
前記両方の粒子を、前記集じん部からの漏れイオンとし
て用いることができる。
【0016】本発明は、空気中に浮遊する粒子に帯電部
にて電荷を与え、マイナスイオンとプラスイオンの両方
の粒子が混在するプラズマ柱を生成する過程に際して、
前記帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持す
るように、該帯電部に供給される電力を調整する放電電
流調整工程を具えることによって、無声放電電流の調整
方法を提供する。
【0017】前記放電電流調整工程は、前記帯電部に印
加される電圧を段階的に変化させることによって、該帯
電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持すること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0019】[第1の例]まず、本発明の第1の実施の
形態を、図1〜図13に基づいて説明する。
【0020】図1は、本発明に係る電気集じん機におけ
る帯電部の構造を示す。なお、本装置は、帯電部と集じ
ん部とから構成されるが、周知の集じん部の説明につい
ては後述する。
【0021】本装置の帯電部は、無声放電式帯電部10
により構成される。ここでいう無声放電とは、オゾナイ
ザ放電のことをいう。
【0022】図1の無声放電式帯電部10において、1
1は、放電極板である。複数枚(この例では、4枚)の
放電極板11は、連結棒12によって4ヶ所において位
置決めされている。このように放電極板11を組み立て
ることにより、互いに並列配置された平行平板型の構造
体として構成することができる。なお、連結棒12は、
絶縁材料や金属材料を用いて構成できるものであり、特
に限定されるものではない。
【0023】また、隣接する放電極板11の間は、交流
高電圧を印加するための連結リード14によって接続さ
れている。この連結リード14には、その交流高電圧を
供給するための交流高圧電源13が接続されている。
【0024】このような無声放電式帯電部10の放電極
板11の間に矢印A方向から煤塵を含んだ空気を流す
と、放電極板11間においてプラスとマイナスの両極性
の電荷が作成され、この両極性の電荷をもった煤塵空気
が矢印B方向へ流れ出る。
【0025】図2は、無声放電式帯電部10の放電極板
11の構成例を示す。放電極板11は、金属電極(箔で
もよい)11cを2枚の誘電体板11a,11bにより
挟んで一体にして構成されている。金属電極11cに
は、電位を与えるための電位リード11dが引き出され
ている。
【0026】(集じんの原理)次に、本装置の集じん原
理を、図3に基づいて説明する。
【0027】本装置は、無声放電を行う前述した無声放
電式帯電部10と、集じん部20とから構成される。集
じん部20は、両側に配置されたプラスの集じん極板2
1および接地集じん極板22と、これら極板21,22
の間に配置されたマイナスの高圧極板23とからなって
いる。
【0028】今、無声放電式帯電部10において、交流
高圧電源13を印加することによって、いわゆる平行平
板を構成する各放電極板11間の空間部には、マイナス
イオンとプラスイオンとが同時に存在するプラズマ柱3
0が多数並列に発生・消滅を繰り返す状況となる。
【0029】このようなプラズマ柱30が存在する帯電
部空間に、煤塵粒子40を含んだ空気を流入させる。こ
れにより、煤塵粒子40は、プラズマ柱30内を通過す
る間に、プラス、もしくは、マイナスの電荷を帯びた荷
電粒子50の状態で帯電部空間から抜け出てくる。
【0030】この帯電部空間で生成されたプラズマ柱3
0を用いて、浮遊粒子40のみならず、有害ガスを含む
ガス成分を除去することができる。このとき、帯電によ
って浮遊粒子40を除去でき、放電化学反応によって有
害ガスを含むガス成分を除去することができる。また、
付随的な効果として、脱臭、殺菌も行うことができる。
【0031】そして、それらプラス、マイナスの荷電粒
子50は、集じん部20に導かれる。このとき、集じん
部20では、マイナスの荷電粒子50は、集じん部20
の静電界の作用によって接地集じん極板22の方へ移動
して大部分が捕集され、残りの一部分が集じん部20か
ら漏れ出ていく。一方、プラスの荷電粒子50は、集じ
ん部20の静電界の作用によって空間内に配置された高
圧極板23の方へ移動して大部分が捕集され、残りの一
部分が集じん部20から漏れ出ていく。
【0032】このような捕集により、集じん部20にお
いて荷電粒子50のうちの約80%が取り除かれ、残り
の約20%が漏れイオンとして外部の風下へ流れ出る。
【0033】このように電気集じん機の集じん部20の
風下には、漏れイオンを含む空気が排出される。しか
し、この空気中の漏れイオンには、マイナスとプラスの
両方のイオンが混在した状態なので、この種の荷電粒子
によって例えばトンネル壁面に向けて移動するための物
理的な力となる空間電界が小さくなる。その結果、トン
ネル壁面に付着する漏れイオンの量を従来の方式に比べ
て極力減らすことができるため、トンネル壁面の汚れる
速度を従来よりも遅くすることが可能となる。
【0034】また、本例の無声放電式帯電部10は、平
行平板型により構成したので、従来の細い放電線4のよ
うに運転時間の経過とともに劣化して断線を起こすとい
った、劣化の頻度を早めるというような事態も解消する
ことが可能となる。
【0035】(変形例)次に、本発明の変形例を、図4
および図5に基づいて説明する。
【0036】図4は、帯電部の変形例を示す。帯電部
は、放電極板11と金属板15とを交互に複数枚配置す
ることによって構成される。なお、その他の連結棒1
2、交流高圧電源13、連結リード14の接続方法は前
述した図1の構成と同様であり、その説明は省略する。
【0037】図5は、放電極板11は、母材となる誘電
体板11aの片面に金属電極11cを貼り付けることに
よって構成される。誘電体板11aとしては、例えばセ
ラミック材を用いることができる。金属電極11cは、
周知のスパッタリング法(Cuメッキ等)や高温焼付け
の手法によって取り付けることができる。なお、金属1
1cには、電位リード11dが接続されている。
【0038】このように放電極板11と金属電極11c
を有する誘電体板11aとが交互に配置された帯電部に
矢印A方向から煤塵を含んだ空気を流すと、放電極板1
1と金属電極11cとの間においてプラスとマイナスの
両極性の電荷が作成され、この両極性の電荷をもった煤
塵空気が矢印B方向へ流れ出ることになる。
【0039】(実験例)以下、本発明に係るプラズマ柱
生成手段を用いて得られる各種の実験例を、図6〜図1
3に基づいて説明する。
【0040】(集じん率の時間特性の比較例)本発明に
係る無声放電型の電気集じん機の集じん率を、コロナ放
電型の集じん率と比較する。
【0041】図6は、コロナ放電型の電気集じん機の集
じん率の時間特性を示す。図7は、本発明に係る無声放
電型の電気集じん機の集じん率の時間特性を示す。
【0042】図6に示すコロナ放電型では、電気集じん
機の稼動時間の経過に対して、粒径5μm以上の集じん
率は著しく低下する。
【0043】これに対して、図7に示す無声放電型で
は、電気集じん機の稼動時間の経過に対し、集じん率は
ほぼ一定である。これは、コロナ放電に比べ、無声放電
型では注入電力を大きくできることが原因であると考え
られる。
【0044】(集じん率の粒径特性)図8は、無声放電
型の電気集じん機の集じん率の粒径特性を示す。いずれ
の粒径においても、集じん率は高く、微粒子に対して、
高集じん率化が可能であることがわかる。
【0045】(NOx除去率の放電電力特性)有害ガス
は、励起および解離などによって生成されたラジカルと
の間の反応によって、酸化または還元されて無害とな
る。また、放電空間の拡大等によって、有害ガスの直接
解離による還元反応も増加する。
【0046】図9は、無声放電型の電気集じん機におけ
る有害ガス除去率の放電電力特性を示す。
【0047】この場合、処理対象ガスは、自動車排気ガ
ス中、自動車道路および自動車道路トンネル内において
代表的な有害ガス成分であるNOxとした。NOx除去
率は、放電電力の増加に対して向上し、無声放電型の電
気集じん機によって、NO,NO2共にほとんど除去す
ることができる。
【0048】(オゾン濃度の放電電力特性)図10は、
無声放電型式帯電部10の下流側におけるオゾン
(O3)濃度の放電電力特性を示す。
【0049】無声放電は、その放電形態のため、O3
生成する。無声放電電力が増加するに従い、O3濃度が
増加している。O3には、殺菌および脱臭効果があるこ
とは良く知られている。このため、処理ガス中に細菌や
臭いの成分が含まれている場合、浮遊粒子および有害ガ
スと同時に、これらも除去することが可能である。
【0050】以上の実験結果から、無声放電が浮遊粒
子、有害ガスおよび殺菌、脱臭の同時処理に有効である
ことが明らかである。
【0051】(集じん率の流速特性)図11は、無声放
電型の電気集じん機における集じん率の流速特性を示
す。
【0052】流速の増加に対して、集じん率は低下する
が、流速9m/sの高流速条件においても、集じん率は
70%である。ただし、対象粒径は、0.3〜0.5μ
mである。この測定結果より、高流速条件下における無
声放電型の電気集じん機の有効性が明らかである。
【0053】(NOx除去率の流速特性)図12は、N
O、および、NO2除去率の流速特性を示す。
【0054】NO除去率は、流速に対して一定であり、
ほぼ100%である。NO2除去率は、流速の増加に対
して低下している。この測定結果より、NO除去率に対
して、NO2除去率は低いものの、無声放電型の電気集
じん機を用いることによって、数m/sの高流速におい
てもNOとNO2が除去されることが明らかである。
【0055】図13は、電気集じん機の下流におけるN
Ox濃度の流速特性を示す。
【0056】流速に対して、NO濃度は、ほぼ0ppm
である。NO2濃度は、流速が大きくなるに従って増加
する。しかし、流速の低下に対して、0.05ppm以
下で飽和する。この結果は、無声放電型の電気集じん機
を用いることによって、NOx濃度を環境基準値の0.
06ppm以下にすることが可能である。
【0057】[第2の例]次に、本発明の第2の実施の
形態を、図14〜図17に基づいて説明する。なお、前
述した第1の例と同一部分については、その説明を省略
し、同一符号を付す。
【0058】(無声放電電流の調整方法)本例は、前述
した第1の例で説明した電気集じん機の無声放電式帯電
部10における無声放電電流の調整方法に関するもので
ある。
【0059】(背景)まず、無声放電電流を調整する理
由を、図14および図15に基づいて説明する。
【0060】無声放電型の電気集じん機では、あらゆる
環境の変化に対して、その性能は高く維持されなければ
ならない。特に、放電電流が稼動時間に対して一定であ
ることは、最も基本であり、重要なことでもある。
【0061】図14は、無声放電電極の表面が清潔な状
態において、電気集じん機を稼動させたときの無声放電
電流の時間特性を示す。
【0062】放電電流は、稼動初期においては最大値I
1を示し、T0→T1の時間経過に従って、I2→I3と低
下していき、定常値となる。
【0063】図15(a)〜(c)は、図14中の
(I)〜(III)の放電状態に対する放電電流の影響を
モデルとして示したものである。
【0064】図15(a)は、図14の(I)に対応す
るものであり、電気集じん機の稼動開始直後の状態を示
すものであり、放電電流は十分に流れている。この放電
電流は、視覚的には発光又はプラズマ柱30として観測
され、その量は多い。
【0065】図15(b)は、図14の(II)に対応す
るものであり、稼動時間の経過に対して、放電電流は低
下する。このため、放電発光およびプラズマ柱30の量
も低下する。
【0066】図15(c)は、図14の(III)に対応
するものであり、さらに時間が経過すると、放電電流値
は低下すると共に、一定となる。このことは、発光およ
びプラズマ柱30の量がさらに低下し、微弱な放電を持
続することを示している。また、この領域では、放電電
圧などの初期設定にも依存するが、放電が停止する場合
もある。
【0067】無声放電型の電気集じん機において、浮遊
粒子は帯電によって除去され、有害ガスは解離などの放
電化学反応によって除去される。このことから、浮遊粒
子および有害ガスの除去には、放電空間中の電子やイオ
ン、すなわち電流値に大きく依存する。
【0068】図14に示したように、放電電流が稼動時
間に対して低下するということは、無声放電型の電気集
じん機の性能が著しく低下することを意味している。こ
れにより、放電電流値を維持する有効な手段が必要とな
る。
【0069】言い替えると、無声放電電流は、時間の経
過に従って低下し、飽和する。このため、電気集じん機
の稼動時間の経過に従い、放電電力(注入電力)が低下
し、集じん率およびNOx除去率が低下する。従って、
適当な手段によって、任意の放電電流を維持する手法が
必要となる。
【0070】この放電電流を維持する手法の1つとし
て、初期電圧と電流を高く設定し、任意の電流値に安定
させる手法がある。しかし、この手法では、初期電圧と
電流が非常に大きくなるため、電極表面に設置された誘
電体の絶縁強度を大きくしなければならない。
【0071】そこで、本例では、放電電流を稼動時間に
対して一定に保つ手法として、印加電圧を段階的に昇圧
する調整方法を提案するものである。
【0072】(具体的な調整方法)次に、印加電圧を段
階的に昇圧する調整方法を、図16および図17に基づ
いて説明する。
【0073】図16は、無声放電電流を調整する測定回
路を示す。
【0074】無声放電型帯電部10を構成する一方の放
電極板11は交流高圧電源13に接続され、他方の放電
極板11はコンデンサ100に接続されている。コンデ
ンサ100および交流高圧電源13の他端は、アースさ
れている。
【0075】交流高圧電源13には分圧抵抗R1,R2
が接続され、分圧抵抗R1,R2間の接続点Pと、コン
デンサ100の両端の接続点Q,Rには、オシロスコー
プ101が接続されている。
【0076】放電電流(すなわち、無声放電電流)は、
分圧抵抗R1,R2およびコンデンサ100を用いたリ
サジュー図形により、オシロスコープ101で観察する
ことによって、時間平均値として測定することができ
る。
【0077】図17は、上記図16の測定回路を用い、
印加電圧を段階的に昇圧して測定した場合における、電
圧および放電電流の時間特性を示す。
【0078】印加電圧の初期値がV1であるとき、放電
電流はほぼ最大のI1となる。そして、印加電圧を稼動
時間の経過に対して除々に昇圧し、約Vsで一定に保
つ。このように印加電圧を段階的に昇圧させた場合、放
電電流は、稼動時間の経過に対して、I3まで著しく低
下することなく、目標値であるIsに収束する。
【0079】放電電流は、任意の電流設定が可能であ
り、1例として、設定電流値Isを0.4mAとした場
合、印加電圧を時間の経過に対して昇圧することによっ
て、放電電流は0.4mAの値に収束する。
【0080】上述したように、印加電圧を段階的に昇圧
することによって、稼動時間の経過に伴う放電電流値の
低下を防止することができると共に、誘電体の絶対強度
に関わらず、任意の電流値に設定することが可能とな
る。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、電気集じん機の無声放
電式帯電部によってマイナスとプラスの両イオンを混在
するプラズマ柱を生成するようにしたので、電気集じん
機の風下に漏れ出た空気中の漏れイオンも、マイナスと
プラスの両イオンが混在することになり、これにより、
周囲壁面等への空間電荷電界を小さくすることができ、
トンネル壁面の汚れを防止することができる。
【0082】また、本発明によれば、電気集じん機の帯
電方式を無声放電としたので、放電プラズマ空間の拡大
により放電化学反応が促進され、空気中の浮遊粒子と有
害ガスを同時に除去することが可能となり、加えて、脱
臭、殺菌効果も期待することができる。
【0083】さらに、本発明によれば、無声放電式帯電
部を平行平板型として構成したので、耐久性に優れた装
置を作成することができる。
【0084】さらにまた、本発明によれば、帯電部に印
加される電圧を段階的に変化させ、帯電部にて生成され
るプラズマ柱を一定量に維持するようにしたので、放電
電流を任意の値に設定することができ、これにより、集
じん率および有害ガス除去率を安定にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電気集じん機
の無声放電式帯電部の構成を示す斜視図である。
【図2】無声放電式帯電部の放電極板の構成を示す斜視
図である。
【図3】電気集じん機の集じん原理を示す説明図であ
る。
【図4】放電極板と金属板とが交互に配置された帯電部
の変形例を示す斜視図である。
【図5】図4の放電極板の構成を示す斜視図である。
【図6】コロナ放電型の電気集じん機における集じん率
の時間特性を示す特性図である。
【図7】無声放電型の電気集じん機における集じん率の
時間特性を示す特性図である。
【図8】集じん率の粒径特性を示す特性図である。
【図9】有害ガス除去率の放電電力特性を示す特性図で
ある。
【図10】オゾン濃度に対する無声放電電力特性を示す
特性図である。
【図11】集じん率の流速特性を示す特性図である。
【図12】有害ガス除去率の流速特性を示す特性図であ
る。
【図13】電気集じん機の下流におけるNOx濃度の流
速特性を示す特性図である。
【図14】放電電流の時間特性を示す特性図である。
【図15】図6に対応した放電状態に対する放電電流の
影響を示す説明図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態である無声放電電
流の調整を行うための測定回路を示す回路図である。
【図17】印加電圧に対する無声放電電流の調整方法を
示す特性図である。
【図18】従来における電気集じん機の集じん原理を示
す説明図である。
【符号の説明】
10 無声放電式帯電部 11 放電極板 12 連結棒 13 交流高圧電源 14 連結リード 15 金属板 20 集じん部 30 プラズマ柱 40 煤塵粒子 50 荷電粒子 100 コンデンサ 101 オシロスコープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B03C 3/68 B03C 3/68 Z (72)発明者 川田 吉弘 神奈川県横浜市泉区和泉町3274番地 (72)発明者 江原 由泰 東京都港区高輪1丁目23番3号 (72)発明者 瑞慶覧 章朝 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 高橋 武男 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 高松 武史 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 和田 晃 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 川上 一美 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気中に浮遊する粒子に帯電部にて電荷
    を与え、該電荷が与えれた粒子に集じん部で電界を加え
    ることによって集じんを行う電気集じん機であって、 前記帯電部は、マイナスイオンとプラスイオンの両方の
    粒子が同時に存在するプラズマ柱を生成するプラズマ柱
    生成手段からなることを特徴とする電気集じん機。
  2. 【請求項2】 前記プラズマ柱生成手段は、無声放電を
    行う無声放電式帯電部によって構成されることを特徴と
    する請求項1記載の電気集じん機。
  3. 【請求項3】 前記無声放電式帯電部は、誘電体間に金
    属電極を埋め込んだ電極板を複数枚有し、該複数枚の電
    極板を空気流れ方向に沿って配置したことを特徴とする
    請求項2記載の電気集じん機。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ柱生成手段により生成され
    た前記両方の粒子を、前記集じん部からの漏れイオンと
    して用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の電気集じん機。
  5. 【請求項5】 空気中に浮遊する粒子に帯電部にて電荷
    を与え、マイナスイオンとプラスイオンの両方の粒子が
    混在するプラズマ柱を生成する過程に際して、 前記帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持す
    るように、該帯電部に供給される電力を調整する放電電
    流調整工程を具えたことを特徴とする無声放電電流の調
    整方法。
  6. 【請求項6】 前記放電電流調整工程は、前記帯電部に
    印加される電圧を段階的に変化させることによって、該
    帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持するこ
    とを特徴とする請求項5記載の無声放電電流の調整方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006192013A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 空気清浄装置
KR100701400B1 (ko) * 2005-11-01 2007-03-28 재단법인 포항산업과학연구원 오일 미스트 제거를 위한 저온플라즈마 예비 하전 장치
CN102371001A (zh) * 2010-08-23 2012-03-14 高斯明 双地极气体净化高能电场装置及气体高能放电净化方法

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