JP2000139476A - 2―アミノチアゾリン―4―カルボン酸ラセミ化酵素及びそれをコ―ドする遺伝子 - Google Patents

2―アミノチアゾリン―4―カルボン酸ラセミ化酵素及びそれをコ―ドする遺伝子

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JP2000139476A
JP2000139476A JP11097428A JP9742899A JP2000139476A JP 2000139476 A JP2000139476 A JP 2000139476A JP 11097428 A JP11097428 A JP 11097428A JP 9742899 A JP9742899 A JP 9742899A JP 2000139476 A JP2000139476 A JP 2000139476A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 特定の塩基配列を有する2-アミノチア
ゾリン-4-カルボン酸(ATC)ラセミ化酵素遺伝子、該遺
伝子をDNA断片をベクターDNAに含んでなる組み換
え体DNA、該組み換え体DNAを含む形質転換体また
は形質導入体、及び前記形質転換体または形質導入体を
用いて2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセミ化酵
素を製造する方法。 【効果】 この発明によりATCラセミ化酵素を大腸菌や
シュードモナスなどの微生物により効率的に生産するこ
とができ、該酵素を用いて効率的にL-システイン及びL
-シスチンを合成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2-アミノチアゾリン-
4-カルボン酸ラセミ化酵素遺伝子、組み換え体DN
A、形質転換体または形質導入体、2-アミノチアゾリ
ン-4-カルボン酸ラセミ化酵素、該酵素の製造法及び該
酵素を用いたL−システインまたはL−シスチンの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DL-2-アミノチアゾリン-4-カルボン
酸(以下、DL-ATCと略す)をL-システインに変換する微
生物の代表として、シュードモナス属(特開昭51-70881
号公報)に属する細菌が知られており、従来からその菌
体がL-システイン合成反応にそのまま用いられている
(特公昭53-25037号公報)。DL-ATCを効率よくL-システ
インに変換するには、DL-ATCのラセミ化が必要であり、
上記の細菌では酵素的にDL-ATCのラセミ化が起こってい
ると考えられる。しかし、これら従来の細菌はラセミ化
酵素の生産量が十分でなく、DL-ATCを原料としたL-シス
テインの生産効率が良くなかった。また、上記酵素の単
離はもとよりその遺伝子のクローニングについても未だ
報告がない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、2-
アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセミ化酵素遺伝子及
び該遺伝子を発現させることにより2-アミノチアゾリ
ン-4-カルボン酸ラセミ化酵素を製造する方法及び該酵
素を用いてL−システインまたはL−シスチンを製造す
る方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、ラセミ化酵素を持つ細菌から、そ
の遺伝子をクローニングし、遺伝的増幅、転写及び翻訳
活性を高めることにより、目的の酵素生産量を高めるべ
く鋭意研究を行い本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、下記の制限酵素開列地図を有し、かつ、
塩基対が4.8kbである2-アミノチアゾリン-4-カルボン
酸ラセミ化酵素遺伝子を含有するDNA断片である。
【0005】
【化2】
【0006】さらに本発明は、以下(a)または(b)
のタンパク質をコードする2-アミノチアゾリン-4-カ
ルボン酸ラセミ化酵素遺伝子である。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタン
パク質 (b)アミノ酸配列(a)において1もしくは複数のア
ミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列か
らなり、かつ2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセ
ミ化酵素活性を有するタンパク質 上記遺伝子の具体例として、配列番号1に記載された第
191番目から第937番目の塩基配列を有する遺伝子
が挙げられる。
【0007】さらに本発明は、上記の2-アミノチアゾ
リン-4-カルボン酸ラセミ化酵素遺伝子または該遺伝子
のDNA断片をベクターDNAに含んでなる組み換え体
DNAである。さらに本発明は、上記組み換え体DNA
を含む形質転換体または形質導入体。である。
【0008】さらに本発明は、上記形質転換体または形
質導入体を培地に培養し、培養物より2-アミノチアゾ
リン-4-カルボン酸ラセミ化酵素を採取することを特徴
とする2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセミ化酵
素の製造法である。さらに本発明は、以下(a)または
(b)のタンパク質からなる2-アミノチアゾリン-4-
カルボン酸ラセミ化酵素である。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタン
パク質 (b)アミノ酸配列(a)において1もしくは複数のア
ミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列か
らなり、かつ2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセ
ミ化酵素活性を有するタンパク質 さらに本発明は、DL-2-アミノチアゾリン-4-カルボ
ン酸に請求項2又は7の2-アミノチアゾリン-4-カル
ボン酸ラセミ化酵素を作用させてL−システインまたは
L−シスチンを製造することを特徴とするL−システイ
ンまたはL−シスチンの製造方法である。以下、本発明
について詳細に説明する。本発明でラセミ化されるATC
は、以下の式(I)で示されるものである。
【0009】
【化3】
【0010】なお、本発明でラセミ化される化合物はAT
Cのみならず、ATC誘導体も含まれる。ATC誘導体の例と
しては、式(II)に示した、チアゾリン環を持つ光学異
性体全般が含まれる。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1、R2はそれぞれメチル基、エ
チル基、ブロピル基又はブチル基等を示す) 本発明のATCラセミ化酵素をコードする遺伝子のドナー
微生物としては、本酵素を生産するものであればいずれ
の微生物でもよいが、例えばDL-ATCをL-システインに変
換する能力を持つ細菌であるシュードモナス・オバリス
(Pseudomonasovalis) BS株が挙げられる。そして、我
々はこの細菌からATCのラセミ化酵素をコードする遺伝
子をクローニングした。
【0013】(1)ATCラセミ化酵素遺伝子の変異株の
作製 シュードモナス・オバリス BS株(FERM P-16965) をニ
トロソグアニジンで処理することにより突然変異を誘発
した。変異誘発処理をほどこした菌のなかから、DL-AT
Cを唯一の窒素源として生育できるが、D-ATCを唯一の窒
素源として生育できない変異株をスクリーニングした。
スクリーニングの結果上記の性質をもつ変異株MM7 を分
離し、ATCラセミ化酵素をコードする遺伝子の変異株と
した。
【0014】(2)遺伝子のクローニング シュードモナス・オバリスBS株(FERM P-16965) からカ
レント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオ
ロジー(Current Protocols in Molecular Biology),ユ
ニット2,4 の方法によりゲノムDNAを調製し、このゲ
ノムDNAを制限酵素Sau 3AI により部分分解した。得
られるDNA断片を、制限酵素BamHIで切断してフォス
ファターゼ処理したプラスミドベクターpME294(Antoni
e van Leeuwenhoek 54:567-573(1988))にライゲーショ
ンした。この組換え体DNAを用いて、ATCラセミ化酵
素遺伝子の変異株(MM7)を形質転換し、得られた形質
転換株をD-ATCを唯一の窒素源とする寒天培地にまい
た。目的の遺伝子を含む組換え体DNAをもつ形質転換
株は、D-ATCをL-ATCに変換し、L-ATCを窒素源として利
用し、上記の寒天培地で生育し、コロニーを形成するの
で容易に分離できる。この選択培地上に形成されたコロ
ニーから、形質転換株を培養し、プラスミドDNAを調
製した結果、約4.8キロ塩基の大きさの挿入DNA部
分を持つプラスミドが得られた。このプラスミドをpMM7
17と命名した。
【0015】(3)塩基配列の決定 プラスミドpMM717を種々の制限酵素で消化することによ
り、得られた挿入DNA部分の制限酵素地図を作製し
た。解析の結果をもとにして、pMM717を制限酵素EcoRI
とClaIで消化して得られた約3.5キロ塩基のDNA断
片をプラスミドベクターpBluescriptII(ストラタジー
ン)にサブクローニングした。サブクロ−ニングされた
挿入DNA部分を、種々の合成DNAをプライマーとし
て用いて、ジデオキシ法によって塩基配列を決定した。
この結果、5-置換ヒダントインラセミ化酵素をコードす
る遺伝子( 特開平4-271784号公報) とアミノ酸配列レ
ベルで約23%の同一アミノ酸をもつオープンリーディン
グフレーム(ORF1)の存在が確認された。
【0016】上記決定した全塩基配列を配列番号1に、
次いでこの塩基配列によって翻訳されるポリペプチドの
アミノ酸配列を配列番号2に記載する。なお、配列番号
2に示されるアミノ酸配列において、1もしくは複数個
の、好ましくは1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換
若しくは付加されており、かつ2-アミノチアゾリン-4
-カルボン酸ラセミ化酵素活性をもたらす2-アミノチア
ゾリン-4-カルボン酸ラセミ化酵素をコードする遺伝子
は、全て本発明に含まれる。
【0017】そして、配列番号2に示されるアミノ酸配
列において、1もしくは複数個の、好ましくは1若しく
は数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてお
り、かつ2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセミ化
酵素活性をもたらす2-アミノチアゾリン-4-カルボン
酸ラセミ化酵素をコードする遺伝子を得るには、如何な
る方法でもよく、例えば、遺伝子に点変異または欠失変
異を生じさせるための周知技術である部位特定変異誘導
法;遺伝子を選択的に開裂し、次いで選択されたヌクレ
オチドを除去または付加し、遺伝子を連結する方法;オ
リゴヌクレオチド変異誘導法などがある。
【0018】(4)プラスミドpMM717がコードする変換
能 プラスミドpMM717を制限酵素SmaIで消化し、その結果生
じた約2.6キロ塩基のDNA断片をSmaIで消化した大
腸菌の発現ベクターpTrc99A(アマシャム・ファルマシ
ャバイオテク)にライゲーションした。ライゲーション
の結果できたプラスミド(pTmm208)で大腸菌JM109を形
質転換し、アンピシリン耐性を指標にして形質転換株を
得た。pTmm208にはベクター上のtrcプロモーターと順方
向にORF1が含まれ、その形質転換株を培養し、培養液に
イソプロピルβ-Dチオガラクトピラノシド(IPTG)を加
えることによってORF1の発現を誘導することができた。
ORF1の発現を誘導した菌株の粗抽出液中にはD-ATCをL-A
TCに変換する活性が存在していた。また、この粗抽出液
をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で解析したとこ
ろ、分子量約25,000ダルトンのタンパク質が過剰発現し
ているのが観察された。上記の結果より、ORF1にコード
されているのはATCラセミ化酵素であることが示され
た。また、ORF1のアミノ酸配列をもとにして算出された
分子量は26,379ダルトンであり、電気泳動で観察された
過剰発現タンパクの分子量とほぼ同一であった。
【0019】(5)ATCラセミ化酵素遺伝子を用いた該
酵素の製法 本発明のATCラセミ化酵素遺伝子を含むDNA断片とベ
クターDNAとの組換え体DNAを導入したEscherchia
coli JM109(pTmm208)(FERM P-16966)などの微生物を適
当な培地で培養し、D-ATCあるいはL-ATCを添加すればラ
セミ体のATCが得られる。また、該微生物からATCラセミ
化酵素を調製して、酵素反応を行っても同様である。ま
た、本発明の方法をLシステイン又はLシスチンの合成
系に応用することも可能である。DL-ATCを基質として、
ATCラセミ化酵素の活性を利用して、効率的にD-ATCをL-
ATCに変換し、L-ATCをLシステインに変換する酵素群
(またはその酵素群を含む微生物及びその抽出液)と組
み合わせてLシステインまたはLシスチンを合成するも
のである。例えば、DL-ATCよりLシステインを合成する
能力のある微生物にこの遺伝子を導入することにより、
そのLシステインの生産能を向上させることができる。
【0020】上記大腸菌の培養法は一般微生物の好気的
培養で採用される方法と同じであるが、通常は、液体培
地による振盪培養法または通気攪拌培養法などが好まし
い。また、培地における、炭素源としてはグルコース、
グリセロール、シュークロース、ガラクトース、デンプ
ン等、窒素源として酵母エキス、ペプトン、肉エキス、
コーンスティプリカー等が用いられる。無機塩類として
燐酸第一カリウム、燐酸第二カリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、
硫酸第二鉄、硫酸マンガンなどが用いられる。また、本
酵素の誘導基質となる DL-ATCを含む場合がある。培養
条件は、初発pH7〜9、温度20〜42℃、培養時間
4〜24である。
【0021】培養終了後、該培養物からATCラセミ化酵
素の採取は通常の酵素採取手段を用いて得ることができ
る。例えば、常法により菌体を超音波破砕処理等で破砕
するか、または、レゾチーム等の溶菌酵素を用いて菌体
を溶解して酵素を抽出する。そして、得られる粗酵素を
イオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過による各種ク
ロマトグラフィーを用いて精製する。
【0022】
〔実施例1〕
(1)ATCラセミ化酵素遺伝子変異株の作製 Pseudomonas ovalis BS 株を5mlのLB培養液[LB Broth
Base (GIBCO BRL)からなる液体培地(蒸留水使用、pH
7.4)]において30℃で一晩培養し、遠心処理により集菌
し、培養液を捨てて5mlの0.15 M NaClに菌体を懸濁し
た。さらに遠心処理し、上澄みを捨てた後、0.01mg/ml
のニトロソグアニジンを含んだ0.15 M NaClに懸濁し
た。室温で15分間放置し、遠心処理後上澄みを捨てた。
5mlの0.15 MNaClに菌体を懸濁し、菌液を希釈後1.5%
の寒天を含むLB培地に撒き、5000個以上のコロニーを得
た。得られたコロニーをDL-ATC又はD-ATCを唯一の窒素
源とするM9最小培地(カレント・プロトコールズ・イ
ン・モレキュラー・バイオロジー(Current Protocols i
n Molecular Biology)ユニット1.1)にレプリカした。
上記の培地の組成を以下に示す。
【0023】0.6% Na2HPO4 0.3% KH2PO4 0.05% NaCl 0.2% DL-ATC又はD-ATC 1 mM MgSO4 0.2% Glucose 1.5%寒天
【0024】約3000個のコロニーをレプリカし、D-ATC
入りの培地で生育せず、DL-ATC入りの培地で生育する菌
を単離した。この菌株をMM7と命名した。MM7はAT
Cラセミ化酵素遺伝子に変異を持ち、D-ATCをL-ATCに変
換できないためにD-ATCを唯一の窒素源とするM9最小
培地で生育できなかったものと考えられる。
【0025】(2)Pseudomonas ovalis BS 株の染色体
DNAの調製 LB培養液20 ml を100ml 容の三角フラスコにいれ、12
0℃で15分間、滅菌処理を行った。これにシュードモナ
ス・オバリスBS株の保存スラントより1白金耳接種
し、30℃で20時間振盪培養した。培養終了後、培養液か
ら5000rpm, 10分の遠心分離処理により菌体を分離し、
該菌体からカレント・プロトコールズ・イン・モレキュ
ラー・バイオロジー(Current Protocols in Molecular
Biology)ユニット2.4に記載の方法に従って、染色体D
NAを得た。
【0026】次にこの染色体DNA0.2mgを制限酵素Sau
3AI(宝酒造)0.2ユニットと供に、50mMトリスー塩酸緩
衝液(100 mM NaCl及び10 mM MgSO4含有)(pH 7.4)に
混合し、37℃で1時間反応させて、DNAの部分消化を
行った。反応終了後、反応液を0.7%アガロースゲル電
気泳動にかけ、約6kbから10kbに相当するDNAのバン
ドを切り出した。ゲル中にDNAをQIAEX II Gel Extra
ction Kit(QIAGEN製)を使用して抽出、精製し、5μg
の染色体DNA断片を得た。
【0027】(3)プラスミドベクターpME294(Antonie
van Leeuwenhoek 54:567-573 (1988))を利用したシュ
ードモナス・オバリスBS菌株の染色体DNAライブラ
リーの作製及びATCラセミ化酵素遺伝子を含むDNA断
片の検索 プラスミドベクターpME2942μg及び制限酵素BamHI(宝
酒造)1ユニットを50mMトリスー塩酸緩衝液(100 mM Na
Cl及び10 mM MgSO4含有)(pH 7.4)に混合し、37℃で
2時間反応させて消化液を得た。反応後常法により、フ
ェノール抽出処理し、エタノール沈殿処理して、BamHI
で消化されたプラスミドベクターpME294を得た。
【0028】次いで、このBamHIで消化されたプラスミ
ドベクターpME294のDNA断片100ngと、上記項目
(2)で得られたSau3AIで部分消化された染色体DNA
断片200ngを混合し、DNAライゲーションキット(宝
酒造)を用いて、常法に従ってDNAを連結させた。こ
のようにして得た組み換え体プラスミドDNA含有液を
カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイ
オロジー(Current Protocolsin Molecular Biology)ユ
ニット1.8に記載の方法に従って、MM7にエレクトロ
ポリーション(electroporation)によって導入した。
エレクトロポレーション後に形質転換液をLB培地に塗布
し、37℃で24時間静置培養した。生じたコロニーを新た
なLB培地と上記項目(1)で述べたD-ATCを唯一の窒素
源とするM9最小培地にレプリカし、約4000のコロニー
より、D-ATCを唯一の窒素源とするM9最小培地でも生
育するコロニーを1つ得た。
【0029】(4)ATCラセミ化酵素遺伝子の塩基配列
の解析及びATCラセミ化酵素遺伝子の検索 上記項目(3)で得られたコロニーよりカレント・プロ
トコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Curre
nt Protocols in Molecular Biology)ユニット1.6に記
載の方法に従ってプラスミドを抽出、精製し、pME294の
BamHIサイトに4.8kbの挿入DNA断片をもつプラスミド
pMM717が得られた。pMM717をEcoRI とClaIで消化するこ
とにより、約3.5kbの挿入部分のDNA断片が得られ、
そのDNA断片を大腸菌のプラスミドベクターpBluescr
ipt II(ストラタジーン)にサブクローニングした。サ
ブクローニングした得られたプラスミドを鋳型にして、
それぞれのDNA断片の塩基配列の決定を行った。塩基
配列の決定は種々の合成DNAをプライマーとして、ビ
ッグダイ・ターミネーター・サイクルシークエンシング
・レディーリアクション・キット(BigDye Terminator
Cycle Sequencing Ready Reaction Kit)(パーキンエル
マー・アプライド・バイオシステムズ社製)及びDNA
シークエンサー(パーキンエルマー・アプライド・バイ
オシステムズ社製)を用いて、常法に従って行った。
【0030】シュードモナス・オバリスBS株由来のAT
Cラセミ化酵素遺伝子を含む4.8kbのDNA断片の全塩基
配列を解析したところ、3つのオープンリーディングフ
レームが確認された。そのうちの1つで、248個のア
ミノ酸をコードする747塩基で構成されたオープンリ
ーディングフレーム(ORF1)のアミノ酸一次配列が、5
-置換ヒダントインラセミ化酵素をコードする遺伝子
(特開平4−271784号公報)のアミノ酸一次配列と約23
%の同一性を持つことが確認された。
【0031】得られたシュードモナス・オバリスCBS
菌株のATCラセミ化酵素遺伝子及びその近傍の塩基配列
を配列番号1に、また塩基配列から翻訳されるポリペプ
チドのアミノ酸一次配列を配列番号2にそれぞれ示し
た。また、得られた塩基配列を基にして、pMM717にクロ
ーニングされたシュードモナス・オバリスBS株由来の
4.8kbのDNA断片の制限酵素地図を作成した。この制
限酵素地図と次のとおりである。
【0032】
【化5】
【0033】この制限酵素地図上でORF1は約1.6 kbのEc
oRI-BamHI 断片上にBamHI からEcoRI の方向に存在す
る。プラスミドpMM717を制限酵素SmaI( 宝酒造) で消化
し、その結果生じた約2.6キロ塩基のDNA断片(BamH
I/Sau3AI 近傍のベクター側にもSmaIが存在する。) を
同じくSmaIで消化した大腸菌の発現ベクターpTrc99A
(アマシャム・ファルマシャバイオテク)にライゲーシ
ョンした。この約2.6キロ塩基のDNA断片中にはORF
1のみが含まれ、他のオープンリーディングフレームは
含まれていない。ライゲーションの結果得られたプラス
ミド(pTmm208)で大腸菌JM109を形質転換し、アンピシ
リン耐性を指標にして形質転換体を得た。pTmm208には
ベクター(pTrc99A)上のtrcプロモーターと順方向にOR
F1が挿入され、培養液にイソプロピルβ-D チオガラク
トピラノシド(IPTG)を加えることによってORF1の発現
を誘導することができる。形質転換によって得られたEs
cherchia coli JM109(pTmm208)(FERM P-16966)をLB培養
液5ml中で培養液の600nmでの吸光度が0.3(初期対数増
殖期)になるまで振とう培養した( 温度37℃)。この
時点で培養液に1 mMのIPTGを加え、さらに4時間振とう
培養を続けた。培養後、遠心処理により菌体を回収し、
菌体を1mlの20mMトリス塩酸バッファー(pH7.5)、2.
5mM ジチオスレイトールに懸濁し、超音波処理により菌
体を破砕した。菌体破砕液を遠心し、その上清をATCラ
セミ化酵素を含む粗抽出液とした。この粗抽出液を0.02
%のD-ATCを含む20mMトリス塩酸バッファー(pH7.
5)、2.5mM ジチオスレイトールに十分の一量加え、ATC
ラセミ化酵素活性測定用反応液とした。この反応液を30
℃で保温し、一定時間ごとにサンプリングし、5%TC
Aをサンプルと等量加えて反応を停止させたあと、遠心
して変性したタンパクを沈殿させた。遠心後の上清の比
旋光度を測定しATCラセミ化酵素の活性とした。ATCラセ
ミ化酵素活性の経時的変化を図1に示した。D-ATCの比
旋光度はラセミ化反応の進行によって反応開始後1時間
で0になり、反応液中の約半数のD-ATC分子がL-ATCに変
換されたことがわかる。上記の結果より、ORF1の発現を
誘導した菌株の粗抽出液中にはD-ATCをL-ATCに変換する
活性が存在していた。また、この粗抽出液をSDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動で解析したところ、分子量約
25,000ダルトンのタンパク質が過剰発現しているのが観
察された。従って、ORF1にコードされているのはATCラ
セミ化酵素であることが証明された。また、ORF1のアミ
ノ酸を基にして算出された分子量は26,379ダルトンであ
り、電気泳動で観察された過剰発現タンパクの分子量と
ほぼ同一であった。
【0034】〔実施例2〕 大腸菌で過剰発現させたATCラセミ化酵素を含む粗抽出
液を用いたLシステイン及びLシスチンの合成 実施例1と同様にして調製したATCラセミ化酵素を含む
大腸菌の粗抽出液と、DL-ATCをLシステインに変換する
能力のあるシュードモナス・オバリスBS株の粗抽出液
(特公昭54-2272に述べられた方法で調製したもの)を
混合してL-システインとL-シスチンの合成量を測定し
た。コントロールとして、ラセミ化酵素を含まない大腸
菌粗抽出液とシュードモナス粗抽出液を混合した反応液
を用いた。L-システイン及びL-シスチンの合成反応は
以下の反応系で行った。
【0035】 20mM Tris-HCl (pH 8.0) 5mM MgSO4 5mM MnSO4 2.5mM ヒドロキシルアミン 1mM DTT 1% DL-ATC 176 mg シュードモナス粗抽出液 88 mg 大腸菌粗抽出液
【0036】反応は30℃で行い、経時的に反応液の一
部をサンプリングし、最終濃度で1Nになるように塩酸
を加えて反応を停止させると同時に、不溶性のL-シス
チンを可溶化した。その後4%N-エチルマレイミドを反
応液と等量加え、一晩放置した。合成されたL-システ
イン及びL-シスチンはニンヒドリン法で定量した。そ
の結果、図2に示すとおりATCラセミ化酵素を高発現さ
せた大腸菌の粗抽出液を含むサンプルでは、Lシステイ
ン合成の反応が速く進むことが明らかになった。なお、
図2において、白抜きの四角で示された折れ線はATCラ
セミ化酵素を高発現させた大腸菌粗抽出液とシュードモ
ナスの粗抽出液を混合した時のL-システイン合成量を、
白抜きの円で示された折れ線はラセミ化酵素を含まない
大腸菌粗抽出液とシュードモナス粗抽出液を混合した時
のL-システイン合成量をそれぞれ表す。図2の結果は、
シュードモナスのLシステイン合成の反応において、AT
Cラセミ化の反応が律速になっている可能性を示してい
る。よって、本発明で得られたATCラセミ化酵素を高発
現させることにより、Lシステイン合成の効率化をはか
ることが可能だと考えられる。
【0037】
【発明の効果】本発明により、ATCラセミ化酵素の遺伝
子、該遺伝子を含む組み換え体DNA、該組み換え体DNAを
含む形質転換体または形質導入体及びATCラセミ化酵素
の製造法を提供する。また、この発明によりATCラセミ
化酵素を大腸菌やシュードモナスなどの微生物により効
率的に生産することができ、該酵素及び該酵素高発現株
を用いて効率的にL-システイン及びL-シスチンを合成
することができる。
【0038】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Shiba 、Toshikazu Shiba 、Toshie <120> A racemase for 2-aminothiazoline-4-carboxylic acid and a gene enco rding racemase <130> P99-0002 <160> 2 <210> 1 <211> 1140 <212> DNA <213> Pseudomonas <400> 1 cgaagcggcc atcggcgcgc tggagcaggc acttttggcg gtgcagcagc cctgacgggc 60 tcagtacgat gaagcaacaa ttcatcgcca ggcgcaatga atccagcgag atacaccatt 120 agttgagcgt ttgtcctggg tctatgatgc ccatcgccag ttcgattgca ggtatcaccg 180 ggagagtgtc 190 atg aaa cat cat cag acg ggc att gac att gat aac gtc gag cag cac 238 Met Lys His His Gln Thr Gly Ile Asp Ile Asp Asn Val Glu Gln His 1 5 10 15 cgc ccg cgt att ggc ttg att gcg ttg gcg tcg gat gtc ttg gtc gaa 286 Arg Pro Arg Ile Gly Leu Ile Ala Leu Ala Ser Asp Val Leu Val Glu 20 25 30 cgt gat ttc tgg cgc atg gcg ctg gtg gca gac gtt gat atc gtc acc 334 Arg Asp Phe Trp Arg Met Ala Leu Val Ala Asp Val Asp Ile Val Thr 35 40 45 aca aga att gct cag tcc atg ccg ctg acc ccg caa acg ctg gcg aaa 382 Thr Arg Ile Ala Gln Ser Met Pro Leu Thr Pro Gln Thr Leu Ala Lys 50 55 60 ctc gag gac ggc ctg ccg gac gcc gta cgt ctg ctg ttg ccc gag gcc 430 Leu Glu Asp Gly Leu Pro Asp Ala Val Arg Leu Leu Leu Pro Glu Ala 65 70 75 80 gga ctg gat gcg att gtc ttt gcc tgt acc tcc ggc tcc gcg att atc 478 Gly Leu Asp Ala Ile Val Phe Ala Cys Thr Ser Gly Ser Ala Ile Ile 85 90 95 ggg ccg gcg aaa att gcc cgc cat att gca gcg att cgc ccc ggt gtg 526 Gly Pro Ala Lys Ile Ala Arg His Ile Ala Ala Ile Arg Pro Gly Val 100 105 110 gcg act acc aac ccg gcc acg gca gcg gtc gag gcg cta agg cac ctg 574 Ala Thr Thr Asn Pro Ala Thr Ala Ala Val Glu Ala Leu Arg HIs Leu 115 120 125 ggc tgc cgc aga atc gca ttc att gcg ccg tac acc gag gat gtc gcg 622 Gly Cys Arg Arg Ile Ala Phe Ile Ala Pro Tyr Thr Glu Asp Val Ala 130 135 140 caa atc acc agc ggt gta ttc agc gat gcg ggt ttt agt ttt tct gat 670 Gln Ile Thr Ser Gly Val Phe Ser Asp Ala Gly Phe Ser Phe Ser Asp 145 150 155 160 cgg gta tgt ttt ggt ctg caa agc gat gtc gag atc gcc acc cca ggg 718 Arg Val Cys Phe Gly Leu Gln Ser Asp Val Glu Ile Ala Thr Pro Gly 165 170 175 ttg gag cat tat ctt cgc gcc atc gcc gag atg gat acc gcg aca gcg 766 Leu Glu His Tyr Leu Arg Ala Ile Ala Glu Met Asp Thr Ala Thr Ala 180 185 190 gat gcg att ttt ctg tcc tgc act acc gcg gca aca ctg gac ttg atc 814 Asp Ala Ile Phe Leu Ser Cys Thr Thr Ala Ala Thr Leu Asp Leu Ile 195 200 205 gca ccg ctt gag gcg cac acg ggc ctg ccg gtc att acc tcg aat cag 862 Ala Pro Leu Glu Ala His Thr Gly Leu Pro Val Ile Thr Ser Asn Gln 210 215 220 gca gcg ttc tgg cac acg ctg cag ttg atg ggg cgg acc gcg ccg ttg 910 Ala Ala Phe Trp His Thr Leu Gln Leu Met Gly Arg Thr Ala Pro Leu 225 230 235 240 cca ggc ctg ggt aaa ttg ttg gcc tagcgc cagcgcccaa gcccttgtca 960 Pro Gly Leu Gly Lys Leu Leu Ala 245 gctcacatcg agctgcaagg cattgcgcag tgtggtgagc aactggtgga cgatcacagg 1020 tggctcgctg tgcgccgttt cgaagcgtcc gtgcaccctg ggcagttgcg gcagccgcgg 1080 atgctggagt ttcagcagat cgtccgggca gtcttcctcg ggaatggcgg cgatcgccag 1140 <211> 2 <211> 248 <212> PRT <213> Pseudomonas <400> 2 Met Lys His His Gln Thr Gly Ile Asp Ile Asp Asn Val Glu Gln His 1 5 10 15 Arg Pro Arg Ile Gly Leu Ile Ala Leu Ala Ser Asp Val Leu Val Glu 20 25 30 Arg Asp Phe Trp Arg Met Ala Leu Val Ala Asp Val Asp Ile Val Thr 35 40 45 Thr Arg Ile Ala Gln Ser Met Pro Leu Thr Pro Gln Thr Leu Ala Lys 50 55 60 Leu Glu Asp Gly Leu Pro Asp Ala Val Arg Leu Leu Leu Pro Glu Ala 65 70 75 80 Gly Leu Asp Ala Ile Val Phe Ala Cys Thr Ser Gly Ser Ala Ile Ile 85 90 95 Gly Pro Ala Lys Ile Ala Arg His Ile Ala Ala Ile Arg Pro Gly Val 100 105 110 Ala Thr Thr Asn Pro Ala Thr Ala Ala Val Glu Ala Leu Arg HIs Leu 115 120 125 Gly Cys Arg Arg Ile Ala Phe Ile Ala Pro Tyr Thr Glu Asp Val Ala 130 135 140 Gln Ile Thr Ser Gly Val Phe Ser Asp Ala Gly Phe Ser Phe Ser Asp 145 150 155 160 Arg Val Cys Phe Gly Leu Gln Ser Asp Val Glu Ile Ala Thr Pro Gly 165 170 175 Leu Glu His Tyr Leu Arg Ala Ile Ala Glu Met Asp Thr Ala Thr Ala 180 185 190 Asp Ala Ile Phe Leu Ser Cys Thr Thr Ala Ala Thr Leu Asp Leu Ile 195 200 205 Ala Pro Leu Glu Ala His Thr Gly Leu Pro Val Ile Thr Ser Asn Gln 210 215 220 Ala Ala Phe Trp His Thr Leu Gln Leu Met Gly Arg Thr Ala Pro Leu 225 230 235 240 Pro Gly Leu Gly Lys Leu Leu Ala 245
【図面の簡単な説明】
【図1】ATCラセミ化酵素(ORF1)を高発現させた大腸
菌粗抽出液によるD-ATCのラセミ化の経時変化を示す
図。
【図2】ATCラセミ化酵素を高発現させた大腸菌粗抽出
液によるシュードモナスの粗抽出液のL-システイン合成
効率の促進を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:38) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/90 C12R 1:19) Fターム(参考) 4B024 AA03 BA07 CA03 DA06 EA04 GA11 GA25 HA01 4B050 CC03 DD02 LL05 4B064 AE14 AE15 CA02 CA19 CA21 CC24 DA16 4B065 AA26X AA41X AA41Y AB01 AC14 BA02 BA16 CA17 CA27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の制限酵素開列地図を有し、かつ、
    塩基対が4.8kbである2-アミノチアゾリン-4-カルボン
    酸ラセミ化酵素遺伝子を含有するDNA断片。 【化1】
  2. 【請求項2】 以下(a)または(b)のタンパク質を
    コードする2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセミ
    化酵素遺伝子。 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタン
    パク質 (b)アミノ酸配列(a)において1もしくは複数のア
    ミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列か
    らなり、かつ2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセ
    ミ化酵素活性を有するタンパク質
  3. 【請求項3】 配列番号1に記載された第191番目か
    ら第937番目の塩基配列を有することを特徴とする請
    求項1記載の2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセ
    ミ化酵素遺伝子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の2-アミノチアゾ
    リン-4-カルボン酸ラセミ化酵素遺伝子または該遺伝子
    をDNA断片を含むベクターDNAに含んでなる組み換
    え体DNA。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の組み換え体DNAを含む
    形質転換体または形質導入体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体または形質導
    入体を培地に培養し、培養物より2-アミノチアゾリン-
    4-カルボン酸ラセミ化酵素を採取することを特徴とす
    る2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセミ化酵素の
    製造法。
  7. 【請求項7】 以下(a)または(b)のタンパク質か
    らなる2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセミ化酵
    素 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタン
    パク質 (b)アミノ酸配列(a)において1もしくは複数のア
    ミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列か
    らなり、かつ2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸ラセ
    ミ化酵素活性を有するタンパク質
  8. 【請求項8】 DL-2-アミノチアゾリン-4-カルボン
    酸に請求項2又は7の2-アミノチアゾリン-4-カルボ
    ン酸ラセミ化酵素を作用させてL−システインまたはL
    −シスチンを製造することを特徴とするL−システイン
    またはL−シスチンの製造方法。
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US7248060B2 (en) 2004-09-03 2007-07-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Test apparatus for evaluating electrical properties of liquid toner and test method for the same
CN106596749A (zh) * 2016-06-07 2017-04-26 湖北远大生物技术有限公司 一种同时测定酶促反应液中dl‑atc、l‑半胱氨酸和l‑胱氨酸含量的方法

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