JP2000138368A - Iii−v族化合物半導体の気相成長方法及び高電子移動度トランジスタの製造方法 - Google Patents

Iii−v族化合物半導体の気相成長方法及び高電子移動度トランジスタの製造方法

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JP2000138368A
JP2000138368A JP30873498A JP30873498A JP2000138368A JP 2000138368 A JP2000138368 A JP 2000138368A JP 30873498 A JP30873498 A JP 30873498A JP 30873498 A JP30873498 A JP 30873498A JP 2000138368 A JP2000138368 A JP 2000138368A
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electron mobility
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Hisataka Nagai
久隆 永井
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高電子移動度トランジスタ用ウェハにおいて、
そのキャリア供給層中のδドープ層のシートキャリア濃
度のばらつきを小さくする。 【解決手段】チャネル層3の上にキャリア供給層7とし
てAlGaAs層4を気相成長する途中で、その成長原
料のうちIII 族原料の供給を一時中断し、適当な希釈用
ガスの雰囲気中でドーパント原料及びV族原料のみを供
給してδドープ層5を結晶成長し、その後、ドーパント
原料の供給をストップし、60秒以上のインターバル時
間の経過後に再度AlGaAs層6を気相成長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、δドープ層を有す
るIII −V族化合物半導体の気相成長方法及び高電子移
動度トランジスタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタの性能を向上させるために
は、より多くの多数キャリアをより高速に伝達できる材
質を用いることが重要である。GaAs(ガリウム砒
素)やInGaAs(インジウムガリウム砒素)は、S
i(シリコン)に比べて、電子移動度が高いという特長
がある。この特長をいかして、GaAsやInGaAs
は、高速デバイスに多く用いられている。代表例として
高電子移動度トランジスタHEMT(High EIectron Mo
bility Transistor )が挙げられる。
【0003】HEMTのおおまかな構造を図7に示す。
HEMTは、基板上に結晶成長されたバッファ層、チャ
ネル層、キャリア供給層、及びコンタクト層よりなる。
コンタクト層は、電極を形成するための層である。キャ
リア供給層は、自由電子を発生し、チャネル層へ供給す
るための層である。チャネル層は、自由電子が流れる層
であり、高純度である必要がある。バッファ層は、基板
上の残留不純物によるデバイス特性劣化を防ぐ働きがあ
る。
【0004】一方、トランジスタの性能を向上させるに
は、上記のように材質を考慮するだけでなく、より多く
の多数キャリアをより高速に伝達できる構造とするこ
と、即ち、キャリア濃度と移動度とを同時に高めること
が大切である。一般に、半導体のキャリア濃度を高める
ためには、ドーパントと呼ばれる不純物を半導体に添加
(ドープ)する必要がある。ところが、半導体中にドー
プしたドーパントは、半導体中にキャリアを放出した
後、帯電してイオン化不純物となり、多数キャリアの走
行を妨げるため、キャリア濃度を高めようと多くのドー
パントを添加すると多数キャリアの移動度は、かえって
低下してしまうという問題点がある。
【0005】この観点からHEMTの特性を向上する方
法としては、キャリア供給層を薄層化すればよいことが
分かっている。キャリア供給層の厚さを1原子層または
数原子層以下まで薄層化した層は、δドープ層と呼ば
れ、キャリア走行内に溜まる電子の濃度をその移動度の
大幅な低下なしに高めることができることから、δドー
プ(デルタドーピング法)を用いたHEMTは高い特性
が期待できるものである。
【0006】この場合のHEMTの基本構造を図6に示
す。このHEMTは、GaAs基板1上に、i−GaA
sバッファ層2と、i−InGaAsチャネル層3と、
i−AlGaAs層4、δドープ層5及びi−AlGa
As層6からなるキャリア供給層7と、そしてn−Ga
Asコンタクト層8を成長させた構造を有する。この図
6のHEMTでは、ドーパント原子は、キャリア供給層
の一部のδドープ層5にのみ極高濃度で分布している。
なお、n−、i−は、エピタキシャル層が、それぞれn
型、半絶縁性(アンドープ)であることを表している。
【0007】従来、このδドープ層5の形成は、アンド
ープのAlGaAs層4の成長の途中で、この成長の原
料となる各元素の供給を一時中断し、適当な雰囲気中で
ドーパント原子であるSi元素のみを供給し、その後、
Si元素の供給をストップし、再度アンドープのAlG
aAs層6を成長させるという気相成長方法で行ってい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術においては、δドープ層におけるウェハ面内のシート
キャリア濃度のばらつきには、考慮が払われておらず、
上記気相成長方法で成長した場合、シートキャリア濃度
のばらつきが大きいことを本発明者は見い出した。δド
ープ層におけるウェハ面内のシートキャリア濃度のばら
つきが大きいと、それから得られるHEMTデバイスの
特性のばらつきも大きくなってしまい、歩留まりが低下
してしまうという問題がある。
【0009】一般に、シートキャリア濃度のばらつきを
小さくするためには、基板を加熱しているヒータの温度
を変更しなければならない。ヒータの温度を変更する
と、シートキャリア濃度以外の厚さやキャリア濃度の特
性が変化してしまうという問題があり、また、ヒータ温
度の最適化作業に時間がかかるため生産性が低下してし
まうという問題もある。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、δドープのシートキャリア濃度のばらつきを小さく
することが可能なIII −V族化合物半導体の気相成長方
法及び高電子移動度トランジスタの製造方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のIII −V族化合物半導体の気相成長方法
は、加熱された基板上に、III 族原料及びV族原料を供
給してIII −V族化合物半導体を気相成長する途中で、
III 族原料の供給を一時中断し、ドーパント原料、V族
原料及び希釈用ガスを供給してδドープ層を結晶成長
し、その後、再びIII族原料及びV族原料を供給してIII
−V族化合物半導体を気相成長する方法において、δ
ドープ層成長終了直後にドーパント原料を供給せずに、
ドーパントの分布を均一化させるインターバル時間を設
けるようにしたものである(請求項1)。
【0012】また、本発明による高電子移動度トランジ
スタの製造方法は、チャネル層の上にキャリア供給層と
してAlGaAs層を気相成長する途中で、その成長原
料のうちIII 族原料の供給を一時中断し、適当な希釈用
ガスの雰囲気中でドーパント原料及びV族原料のみを供
給してδドープ層を結晶成長し、その後、ドーパント原
料の供給をストップし、60秒以上のインターバル時間
の経過後に再度AlGaAs層を気相成長するものであ
る(請求項5)。
【0013】請求項1記載のIII −V族化合物半導体の
気相成長方法または請求項5記載の高電子移動度トラン
ジスタの製造方法において、ドーパント原料としては、
SiH4 (モノシラン)、Si2 6 (ジシラン)また
はH2 Se(セレン化水素)を用いる(請求項2、請求
項6)。
【0014】また、請求項1または2記載のIII −V族
化合物半導体の気相成長方法または請求項5または6記
載の高電子移動度トランジスタの製造方法において、V
族原料としては、AsH3 (アルシン)、As(C
3 3 (トリメチル砒素)、TBA(ターシャリーブ
チルアルシン)、PH3 (ホスフィン)またはTBP
(ターシャリーブチルホスフィン)を用いることができ
る(請求項3、請求項7)。
【0015】請求項1、2または3記載のIII −V族化
合物半導体の気相成長方法または請求項5、6または7
記載の高電子移動度トランジスタの製造方法において、
希釈用ガスとしては、H2 (水素)、N2 (窒素)また
はAr(アルゴン)を用いることができる(請求項4、
請求項8)。
【0016】次に作用について述べる。
【0017】δドープ層のシートキャリア濃度を求める
ため、図3のように、GaAs基板上で、δドープ層
を、厚さ1000nm、キャリア濃度1×1015cm-3以下
のi−GaAsと、厚さ100nm、キャリア濃度1×1
15cm-3以下のi−GaAsで挟んだ構造の結晶を作製
し、そのδドープ層のシートキャリア濃度を測定した。
シートキャリア濃度の測定には、van der Pauw法を用い
た。なお、図3において結晶成長のことをエピタキシャ
ルと言う。エピタキシャル層名称のi−は、エピタキシ
ャル層が半絶縁性(アンドープ)であることを表してい
る。厚さの単位はnmである。キャリア濃度の単位はcm-3
である。ただし、δドープ層のシートキャリア濃度の単
位はcm-2である。
【0018】測定結果を図4に示す。図4中、○印のプ
ロットは従来技術の場合を、●印のプロットは本発明の
場合を示す。ばらつきは、 [ばらつき=(最大値−最小値)÷(最大値十最小値)
×100] で求めた。
【0019】従来技術つまりインターバル時間を置かな
い気相成長方法では、図4に○印のプロットで示したよ
うに、δドープのシートキャリア濃度のばらつきは、±
6.1と大きくなってしまう。このように、δドープの
シートキャリア濃度のばらつきが大きいと、HEMTデ
バイスの特性のばらつきも大きくなってしまい、歩留ま
りが低下してしまうという問題がある。
【0020】既に指摘したように、δドープのシートキ
ャリア濃度のばらつきを小さくするために、基板を加熱
しているヒータの温度を変更したのでは、シートキャリ
ア濃度以外の厚さやキャリア濃度の特性が変化してしま
う。また、ヒータ温度の最適化作業により生産性が低下
してしまうという問題がある。
【0021】これに対し、本発明のインターバル時間を
置いた気相成長方法では、図4に●印のプロットで示し
たように、δドープのシートキャリア濃度のばらつきを
±1.3と小さく抑えることができ、これらの問題を解
決することができる。
【0022】本発明の要点は、δドープのシートキャリ
ア濃度のばらつきを小さくするために、δドープ成長直
後にインターバルを設けたところにある。インターバル
とは、基板にドーパント原料を供給しないことである。
一般的に、層の変わり目で、原料流量を変更しなければ
ならない場合にインターバル時間を約数秒設け、インタ
ーバル時間中に原料流量を変更することがあるが、図5
に示したように、本発明では、δドープ成長直後に60
秒以上インターバル時間を設けることにより、δドープ
のシートキャリア濃度のばらつきを大幅に小さくするこ
とができた。なお、インターバル中でも、熱によるウェ
ハ表面の荒れを防ぐためにV族原料は供給している。
【0023】δドープのシートキャリア濃度のばらつき
とδドープ成長直後のインターバル時間との関係を図5
に示した。インターバルがない場合には、ばらつきが±
6.1と大きいが、インターバル時間を60秒以上にす
ると、ばらつきが±2%以下と非常に小さくなる。
【0024】δドープするための原料としてn型ドーパ
ントのSiH4 、Si2 6 、H2Seがある。SiH
4 とSi2 6 を原料とするとSiがδドープされる
が、Siは、拡散しにくいという特徴があり、ドーパン
トとして優れている。また、H2 Seを原料とするとS
eがδドープされるが、Seは、VI族元素であるため
III −V族化合物半導体にドービングした場合、必ず、
n型になるという特徴があり、n型ドーパントとして非
常に優れている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態に
基づいて説明する。
【0026】本発明のIII −V族化合物半導体の気相成
長方法では、δドープのシートキャリア濃度のばらつき
を小さくするために、δドープ成長直後に原料を供給し
ないインターバルを設ける。図5に示したように、イン
ターバル時間は60秒以上にするとδドープのシートキ
ャリア濃度のばらつきを大幅に小さくすることができ
る。なお、インターバル中でも、熱によるウェハ表面の
荒れを防ぐためにV族原料は供給しておく。
【0027】δドープするための原料としてn型ドーパ
ントのSiH4 、Si2 6 、H2Seがある。SiH
4 とSi2 6 を原料とするとSiがδドープされる
が、Siは、拡散しにくいという特徴がある。ドーパン
トがチャネル層へ拡散するとチャネル層の自由電子がド
ーパントによって散乱され、自由電子の移動度を低下す
るため、デバイスの特性か劣化してしまう。即ち、拡散
しにくいSiは、ドーパントとして非常に優れている。
また、H2 Seを原料とするとSeがδドープされる
が、Seは、VI族元素であるため、III −V族化合物
半導体にドーピングした場合、必ず、n型になるという
特徴があり、n型ドーパントとして非常に優れている。
【0028】本発明を図3のδドープ測定用構造のエピ
タキシャルウェハに適用した例について説明する。δド
ープ測定用エピタキシャルウェハは、δドープのシート
キャリア濃度を測定するために、δドープ層をi−Ga
Asで挟んだ構造となっている。i−GaAs層のキャ
リア濃度は、1×10l5cm-3以下と低く、測定したシー
トキャリア濃度は、δドープ層のシートキャリア濃度で
ある。
【0029】図3のδドープ測定構造エピタキシャルウ
ェハ成長時の基板温度は700℃、成長炉内圧力は76
Torr、希釈用ガスは水素である。基板には、GaAs基
板を用いた。i−GaAs層の成長には、Ga(C
3 3 (トリメチルガリウム)とAsH3 (アルシ
ン)を用いた。Ga(CH3 3 の流量は10.5cm3
/分である。AsH3 の流量は315cm3 /分である。
δドープ層の成長には、Si 2 6 (ジシラン)とAs
3 (アルシン)を用いた。Si2 6 の流量は2.5
×10-3cm3 /分、AsH3 の流量は300cm3 /分で
ある。δドープ層成長直後のインターバル時間中は、A
sH3 を300cm3 /分流した。得られたδドープ層の
シートキャリア濃度を、van der Pauw法を用いて測定し
た。測定結果を図4に示す。
【0030】従来技術では、図4に○印で示したよう
に、δドープのシートキャリア濃度のばらつきが±6.
1%と大きくなってしまう。このように、δドープのシ
ートキャリア濃度のばらつきが大きいと、δドープを用
いるHEMTやFETなどのデバイスにおいて、その特
性のばらつきも大きくなってしまい、デバイスの歩留ま
りが低下してしまう。しかし、本発明を用いた図3の構
造のウェハの場合、図4の●印で示したように、シート
キャリア濃度のばらつきを±1.3%と大幅に小さくす
ることができた。
【0031】本発明では、δドープ成長直後にインター
バルを設けることにより、δドープのシートキャリア濃
度のばらつきを小さくする。このシートキャリア濃度の
ばらつきのインターバル時間依存性を図5に示した。
【0032】図5からは、インターバル時間を60秒以
上とすると、ばらつきが±約2%以下となり、大幅に改
善していることが分かる。シートキャリア濃度のばらつ
きは、原料の分解状態や基板温度に大きく左右される
が、δドープ成長直後にインターバル時間を設けること
により、ウェハ表面のドーパント原子がウェハ表面を移
動、もしくは、インターバル時間中に流しているV族原
料との反応の効果により、ドーパント原子の分布が均一
化し、ウェハ面内のシートキャリア濃度のばらつきが小
さくなるようである。
【0033】通常、シートキャリア濃度のばらつきは、
原料の分解状態や基板温度によって決まるため、シート
キャリア濃度のばらつきを改善するためには、基板を加
熱しているヒータの温度を変更しなければならない。ヒ
ータの温度を変更すると、シートキャリア濃度以外の厚
さやキャリア濃度の特性が変化してしまうので、ヒータ
温度の最適化作業により生産性が低下してしまうという
問題がある。これに対し、本発明では、ヒータの温度を
変更することなく、δドープのシートキャリア濃度のば
らつきを小さくことができる。
【0034】
【実施例】本実施例に係るδドープを用いたHEMTの
構造を図2に示した。結晶成長のことをエピタキシャル
と言う。エピタキシャル層名称のn−、i−は、エピタ
キシャル層が、それぞれn型、半絶縁性(アンドープ)
であることを表している。厚さの単位はnmである。キャ
リア濃度の単位はcm-3である。ただし、δドープのシー
トキャリア濃度の単位はcm-2である。
【0035】図2に示したHEMTエピタキシャルウェ
ハの成長方法を以下に述べる。本実施例では、エピタキ
シャル成長させる手段として、原子レベルで微細な成長
制御が可能なMOVPE法(有機金属気相成長法)を採
用した。
【0036】半絶縁性GaAs基板1上に、バッファ層
2として、i−GaAs(厚さ500nm、キャリア濃度
1×1015cm-3以下)、i−Al0.28GaAs(厚さ2
50nm、キャリア濃度1×1016cm-3以下)、i−Ga
As(厚さ50nm、キャリア濃度1×1015cm-3
下)、i−Al0.28GaAs(厚さ50nm、キャリア濃
度1×1016cm-3以下)、i−Al0.25GaAs(厚さ
50nm、キャリア濃度1×1016cm-3以下)を順次設
け、更に、チャネル層3としてi−In0.20GaAs
(厚さ20nm、キャリア濃度1×1016cm-3以下)を設
ける。その上に更に、キャリア供給層7として、i−A
0.25GaAs層4(厚さ10nm、キャリア濃度1×1
16cm-3以下)、δドープ層5(キャリア濃度5×10
12cm-2)、i−Al0.25GaAs層6(厚さ10nm、キ
ャリア濃度1×1016cm-3以下)を設け、その上にコン
タクト層8としてn−GaAs(厚さ100nm、キャリ
ア濃度3×1018cm-3)を設けた。
【0037】バッファ層2のi−GaAsを成長する場
合には、Ga原料のGa(CH3 3 (トリメチルガリ
ウム)とAs原料のAsH3 (アルシン)を基板に供給
する。なお、Ga原料として他にGa(CH3 CH2
3 (トリエチルガリウム)がある。As原料として他に
As(CH3 3 (トリメチル砒素)、TBA(ターシ
ャリーブチルアルシン)がある。
【0038】バッファ層2のi−Al0.28GaAsを成
長する場合には、Ga(CH3 3、AsH3 、及びA
l原料のAl(CH3 3 (トリメチルアルミニウム)
を基板に供給する。なお、Al原料として他にAl(C
3 CH2 3 (トリエチルアルミニウム)がある。A
0.28GaAsとは、Al0.28Ga0.72Asを略したの
もであり、AlとGaの比が0.28:0.72であることを意
味する。
【0039】チャネル層3のi−In0.20GaAsを成
長する場合には、Ga(CH3 3、AsH3 、及びI
n原料のIn(CH3 3 (トリメチルインジム)を基
板に供給する。In0.20GaAsとは、In0.20Ga
0.80Asを略したのもであり、InとGaの比が0.20:
0.80であることを意味する。
【0040】キャリア供給層7は、次のようにして成長
させた。
【0041】i−Al0.25GaAs層4を成長する場合
には、Ga(CH3 3 (トリメチルガリウム:TM
G)、AsH3 (アルシン)、及びAl原料のAl(C
3 3 (トリメチルアルミニウム:TMA)を基板に
供給する。なお、Al原料として他にAl(CH3 CH
2 3 (トリエチルアルミニウム)がある。Al0.25
aAsとは、Al0.25Ga0.75Asを略したのもであ
り、AlとGaの比が0.25:0.75であることを意味す
る。
【0042】図1に示すように、膜厚10nmのi−Al
0.25GaAs層4を設けたところで、トリメチルガリウ
ム(TMG)とトリメチルアルミニウム(TMA)の供
給を一時停止し、アルシンガス(AsH3 )雰囲気中で
n型ドーパントとなるSiのジシラン(Si2 6 )の
供給を所定時間t、例えば30秒間行って、δドープ層
5の形成を行った。Si2 6 の流量は2.5×10-3
cm3 /分、AsH3 の流量は300cm3 /分である。
【0043】次いで、ジシラン(Si2 6 )の供給を
停止し、その直後、即ち、δドープ層5の形成された直
後から60秒以上のインターバル時間Tが経過するのを
待つ。その後、再びTMG、TMA及びAsH3 (アル
シン)の供給を再開し、i−AlGaAs層6の形成を
行った。膜厚は50nmである。このδドープ層成長直後
のインターバル時間T中は、AsH3 を300cm3 /分
流した。
【0044】なお、i−AlGaAs層4、6のAl組
成比は、共に0.25であり、同一の成長条件である。ま
た、全ての層の成長中、基板温度は700℃一定に保っ
た。また、成長炉内圧力は76Torr、希釈用ガスは水素
である。
【0045】n−GaAsコンタクト層8を成長する場
合には、Ga(CH3 3 、AsH3 及びn型ドーパン
トを基板に供給する。n型ドーパントの元素としては、
SiやSe(セレン)がある。Si原料としては、Si
4 (モノシラン)、Si26 (ジシラン)がある。
Se原料としては、H2 Se(セレン化水素)がある。
【0046】上記方法により製造されたHEMTは、δ
ドープのシートキャリア濃度のばらつきが小さかった。
よって、本実施例のHEMTの製造方法によれば、デバ
イス特性のばらつきを小さくしてデバイスの歩留まりを
向上させ、生産性を向上することができる。
【0047】<変形例> (1)上記実施例では、δドープ成長の際、V族原料で
あるAsH3 (アルシン)を基板上に供給したが、δド
ープ成長の際、V族原料を基板上に供給しないようにす
ることもできる。
【0048】(2)また、上記実施例では、δドープ成
長の際、III 族原料の供給を完全に停止したが、δドー
プ成長終了直後に、III 族原料を基板上に0.1cm3
分以下と非常に少量供給することもできる。なお、通
常、III 族原料の供給量は約10cm3 /分である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明の気相成長方
法によれば、δドープ成長した直後にインターバル時間
を60秒以上設けているので、ヒータ温度を変更するこ
となく、δドープ層のシートキャリア濃度のばらつきを
小さく抑えることができる。
【0050】また、本発明の高電子移動度トランジスタ
の製造方法によれば、δドープ成長した直後にインター
バル時間を60秒以上設けて、δドープ層のシートキャ
リア濃度のばらつきを小さく抑えているので、デバイス
の特性のばらつきも小さくなる。デバイス特性のばらつ
きを小さくできると、デバイスの歩留まりを向上するこ
とができ、生産性を向上することができる。
【0051】また、インターバル時間中でも、V族原料
は、供給するようにしているので、熱によるウェハ表面
の荒れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るHEMTの製造方法を
示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係るHEMTの縦断面構造
を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るシートキャリア濃度測
定用ウェハの構造を示す図である。
【図4】図3のウェハにおけるδドープ層のシートキャ
リア濃度のウェハ面内分布図である。
【図5】図3のウェハにおけるδドープ層のシートキャ
リア濃度のインターバル時間依存性を示した図である。
【図6】従来のδドープ層を有するHEMTの縦断面図
である。
【図7】従来の一般的HEMTの縦断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 チャネル層 4 i−AlGaAs層 5 δドープ層 6 i−AlGaAs層 7 キャリア供給層 8 コンタクト層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01L 21/205 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE45 BE46 DB08 DB09 EB10 EF03 4K030 JA07 JA11 JA20 LA14 5F045 AA04 AB09 AC01 AC07 AC15 AC16 AD11 AE25 AF04 BB08 BB16 CA07 DA53 DA58 EE18 5F102 GB01 GC01 GD01 GJ05 GK08 GL04 GM06 GM08 GN05 GQ01 HC01 HC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱された基板上に、III 族原料及びV族
    原料を供給してIII −V族化合物半導体を気相成長する
    途中で、III 族原料の供給を一時中断し、ドーパント原
    料、V族原料及び希釈用ガスを供給してδドープ層を結
    晶成長し、その後、再びIII族原料及びV族原料を供給
    してIII −V族化合物半導体を気相成長する方法におい
    て、δドープ層成長終了直後にドーパント原料を供給せ
    ずに、ドーパントの分布を均一化させるインターバル時
    間を設けることを特徴とするIII −V族化合物半導体の
    気相成長方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のIII −V族化合物半導体の
    気相成長方法において、ドーパント原料としてSi
    4 、Si2 6 またはH2 Seを用いることを特徴と
    するIII−V族化合物半導体の気相成長方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のIII −V族化合物
    半導体の気相成長方法において、V族原料としてAsH
    3 、As(CH3 3 、TBA、PH3 またはTBPを
    用いることを特徴とするIII −V族化合物半導体の気相
    成長方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載のIII −V族化
    合物半導体の気相成長方法において、希釈用ガスとして
    2 、N2 またはArを用いることを特徴とするIII −
    V族化合物半導体の気相成長方法。
  5. 【請求項5】チャネル層の上にキャリア供給層としてA
    lGaAs層を気相成長する途中で、その成長原料のう
    ちIII 族原料の供給を一時中断し、適当な希釈用ガスの
    雰囲気中でドーパント原料及びV族原料のみを供給して
    δドープ層を結晶成長し、その後、ドーパント原料の供
    給をストップし、60秒以上のインターバル時間の経過
    後に再度AlGaAs層を気相成長することを特徴とす
    る高電子移動度トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の高電子移動度トランジスタ
    の製造方法において、ドーパント原料としてSiH4
    Si2 6 またはH2 Seを用いることを特徴とする高
    電子移動度トランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の高電子移動度トラ
    ンジスタの製造方法において、V族原料としてAs
    3 、As(CH3 3 、TBA、PH3 またはTBP
    を用いることを特徴とする高電子移動度トランジスタの
    製造方法。
  8. 【請求項8】請求項5、6または7記載の高電子移動度
    トランジスタの製造方法において、希釈用ガスとしてH
    2 、N2 またはArを用いることを特徴とする高電子移
    動度トランジスタの製造方法。
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