JP2000136336A - 水性インキ - Google Patents

水性インキ

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JP2000136336A
JP2000136336A JP31279398A JP31279398A JP2000136336A JP 2000136336 A JP2000136336 A JP 2000136336A JP 31279398 A JP31279398 A JP 31279398A JP 31279398 A JP31279398 A JP 31279398A JP 2000136336 A JP2000136336 A JP 2000136336A
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molecule
acid
polyurethane
amino group
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JP31279398A
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Seiji Tanimoto
征司 谷本
Mitsuru Kato
充 加藤
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐水性、耐溶剤性等に優れたインキを得るこ
と。 【解決手段】水性媒体中において、分子中にイソシアネ
ート基を有するポリウレタンプレポリマーに、(a)分
子中にアミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル基か
ら選ばれる少なくとも一種の官能基を有するビニルアル
コール系重合体、および(b)分子中にアミノ基または
水酸基を有する低分子化合物を反応させて得たポリウレ
タン系エマルジョンからなる水性インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れたインキ膜物
性を得ることができるポリウレタン系エマルジョンを含
有する水性インキ、とくに印刷用に好適なインクに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】各種プラスチックフィルム、金属箔など
に用いられる印刷インキには、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ニトロセルロース、ポリエステル等の樹脂がバイン
ダーとして使用されている。これらの樹脂は単独もしく
は併用され、有機溶剤に溶解させて使用されている。こ
の溶剤型インキにおいては、バインダー自身が耐水性を
有しており、イソシアネート化合物やエポキシ化合物を
使用して架橋したインキ膜を得ることで、耐溶剤性や耐
薬品性などの優れた物性を発現している。しかし、これ
らの印刷インキは、有機溶剤による火災の危険性があ
り、また、大気を汚染するという問題点を有している。
そのため、有機溶剤型インキに代わる耐溶剤性、耐水性
等に優れた水性印刷インキの開発が盛んに行われてい
る。水性印刷インキにおいては、バインダーとしてスチ
レン−マレイン酸共重合樹脂 、スチレン−アクリル共
重合樹脂、アクリル樹脂などが一般的に用いられてい
る。しかし、これらの樹脂からなるバインダーを使用し
た水性インキを用いて印刷を行うと、印刷物の耐水性、
耐溶剤性等の物性は実用上極めて低いレベルであるとい
う問題点が指摘されている。水性印刷インキ中にエポキ
シ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物等
の架橋剤を添加し、架橋させることによりある程度の物
性が得られることが分かっているが、十分とはいえな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、上記の如き問題がない優れた耐水性、耐
溶剤性等を有するポリウレタン系水性印刷インキを提供
することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の好
ましい性質を有する水性インク、とくに印刷インキを開
発すべく鋭意研究を重ねた結果、水性媒体中において、
分子中にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポ
リマーに、(a)分子中にアミノ基、一級水酸基および
アセトアセチル基から選ばれる少なくとも一種の官能基
を有するビニルアルコール系重合体、および(b)分子
中にアミノ基または水酸基を有する低分子化合物を反応
させて得たポリウレタン系エマルジョン(A)からなる
水性印刷インキ、またはポリウレタン系エマルジョン
(A)とアジリジン基、エポキシ基、オキサゾリン基、
オキサジン基、イソシアネート基およびカルボジイミド
基から選ばれる官能基を分子内に二個以上有する化合物
(B)からなるものが、目的とする性能を備えた水性イ
ンキ、とくに水性印刷インクであることを見出し、本発
明を完成させるにいたった。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリウレタン
系エマルジョン(A)は、代表的には分子中にイソシア
ネート基を有するポリウレタンプレポリマーを水性媒体
中に乳化させる際に、あるいは乳化させた後に、(a)
分子中にアミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル基
から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するビニルア
ルコール系重合体、および(b)分子中にアミノ基また
は水酸基を有する低分子化合物を、同時にまたは別途に
添加し、反応させて得られるポリウレタン系エマルジョ
ンである。
【0006】本発明に用いられるポリウレタンプレポリ
マーは、実質的に、高分子ポリオール、有機ジイソシア
ネートおよび必要に応じて鎖伸長剤を、溶媒の存在下ま
たは不存在下で反応させて得られた、分子中にイソシア
ネート基を1個以上有するポリウレタンである。
【0007】ポリウレタンプレポリマーの製造に用いう
る高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカ
ーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールなどを
挙げることができ、ポリウレタンプレポリマーはこれら
の高分子ポリオールの1種または2種以上を用いて形成
されていることができる。
【0008】ポリウレタンプレポリマーの製造に用いる
ポリエステルポリオールは、例えば、常法に従って、ポ
リカルボン酸、そのエステル、無水物などのエステル形
成性誘導体などのポリカルボン酸成分とポリオール成分
を直接エステル反応させるかまたはエステル交換反応さ
せることによって得られる。
【0009】ポリウレタンプレポリマーの製造に用いら
れるポリエステルポリオールの製造原料であるポリカル
ボン酸成分としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−
メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチル
ペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメ
チルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの脂
肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式
ジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸などのト
リカルボン酸;それらのエステル形成性誘導体などを挙
げることができ、これらのうち1種または2種以上を用
いることができる。そのうちでも、ポリエステルポリオ
ールは、ポリカルボン酸成分として、脂肪族カルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体から主としてなり、場
合により少量の3官能以上のポリカルボン酸またはその
エステル形成性誘導体を含むものを用いて製造されたも
のであることが好ましい。
【0010】ポリウレタンプレポリマーの製造に用いら
れるポリエステルポリオールの製造原料であるポリオー
ル成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,7−
ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオ
ール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオー
ル;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオ
ールなどの脂環式ジオール;グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ブタントリオール、ヘキサントリオール、
トリメチロールブタン、トリメチロールペンタンなどの
トリオール、ペンタエリスリトールなどのテトラオール
などを挙げることができ、これらのうち1種または2種
以上を用いることができる。そのうちでも、ポリエステ
ルポリオールは、ポリオール成分として、脂肪族ポリオ
ールからなり、場合により少量の3官能以上のポリオー
ルを含むポリオール成分を用いて製造されたものである
ことが好ましい。
【0011】ポリウレタンプレポリマーの製造に用いう
るポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリ
オールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネ
ート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合
物との反応により得られる。ポリカーボネートポリオー
ルを構成するポリオールとしては、ポリエステルポリオ
ールの構成成分として先に例示したポリオールを用いる
ことができる。また、ジアルキルカーボネートとしては
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを、
アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネート
などを、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカ
ーボネートなどを挙げることができる。
【0012】ポリウレタンプレポリマーの製造に用いう
るポリエステルポリカーボネートポリオールとしては、
例えば、ポリオール、ポリカルボン酸およびカーボネー
ト化合物を同時に反応させて得られたもの、予め製造し
ておいたポリエステルポリオールとカーボネート化合物
を反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリカ
ーボネートポリオールとポリオールおよびポリカルボン
酸を反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリ
エステルポリオールおよびポリカーボネートポリオール
を反応させて得られたものなどを挙げることができる。
【0013】また、ポリウレタンプレポリマーの製造に
用いうるポリエーテルポリオールの例としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどを挙げることができ、これ
らの1種または2種以上を用いることができる。
【0014】高分子ポリオール成分の数平均分子量は5
00〜10000であることが必要であり、700〜5
000であるのが好ましく、750〜4000であるの
がさらに好ましい。数平均分子量が500〜10000
の範囲から外れる高分子ポリオールを用いて製造された
ポリウレタンプレポリマーを使用する場合は、得られる
水性印刷インキ組成物の耐水性、耐溶剤性などが低下し
たものとなりやすい。
【0015】さらに、高分子ポリオールは、1分子当た
りの水酸基の数fが2.0≦f≦4.0の範囲であるこ
とが好ましい。より好ましくは2.0≦f≦3.0の範
囲である。1分子当たりの水酸基数fが前記した2.0
≦f≦4.0の範囲にある高分子ポリオールを用いて得
られたポリウレタンプレポリマーを本発明のポリウレタ
ン系エマルジョンで使用すると、得られる水性印刷イン
キの耐水性、耐溶剤性が良好になる。
【0016】有機ジイソシアネート成分としては、通常
のポリウレタン系エマルジョンの製造に従来から用いら
れている有機ジイソシアネートのいずれもが使用できる
が、分子量500以下の脂環式ジイソシアネート、脂肪
族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートのうち1
種または2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシ
アネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどを挙げる
ことができ、これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0017】本発明のポリウレタンプレポリマーの製造
には、必要に応じて鎖伸長剤成分を用いることができ
る。用いうる鎖伸長剤成分としては、通常のポリウレタ
ン系エマルジョンの製造に従来から用いられている鎖伸
長剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基と反
応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量
300以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4
−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジ
オール類;トリメチロールプロパン等のトリオール類;
ペンタエリスリトール等のペンタオール類;ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびそ
の誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キ
シレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチルアルコ
ール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコー
ル類などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上
を用いることができる。
【0018】ポリウレタンプレポリマーの製造は、従来
から公知の方法で行うことができ、30〜150℃の温
度条件下で、有機溶媒の存在下または不存在下で行うこ
とができる。この際用いることができる有機溶媒として
は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類;トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、エマルジョン
製造後の溶媒除去の容易性を考慮すると、アセトン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル等の沸点が100℃未満
の溶媒がより好ましい。また、プレポリマー製造後に、
粘度低下等を目的として、上記の有機溶媒を添加、ある
いは追加しても良い。
【0019】ポリウレタンプレポリマーの製造の際に
は、必要に応じて反応触媒を添加することができ、この
ような触媒としては、例えば、オクチル酸スズ、モノブ
チルスズトリアセテート、モノブチルスズモノオクチレ
ート、モノブチルスズモノアセテート、モノブチルスズ
マレイン酸塩、ジブチルスズジアセテート、ジブチルス
ズジオクトエート、ジブチルスズジステアレート、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズマレイン酸塩など
の有機スズ化合物;テトライソプロピルチタネート、テ
トラ−n−ブチルチタネートなどの有機チタン化合物;
トリエチルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルア
ミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミン、トリエチレンジアミンなどの3級アミンなどを挙
げることができる。
【0020】ポリウレタンプレポリマーの製造にあたっ
ては、高分子ポリオールおよび鎖伸長剤が有している活
性水素原子の全量に基づいて、活性水素原子1当量当た
りのイソシアネート基当量の比(R)が、1.05≦R
≦3.0の範囲で使用するのが好ましく、1.1≦R≦
2.5の範囲で使用するのがより好ましい。Rが1.0
5未満である場合には、後述するビニルアルコール系重
合体との反応性が低下し、耐熱性、耐溶剤性等が十分に
改善されず、またプレポリマーの粘度が高いために水中
への乳化が困難である。Rが3.0を越える場合には、
後述するビニルアルコール系重合体やアミノ基または水
酸基を有する低分子化合物との反応の際にエマルジョン
が不安定化してゲル化しやすくなる。
【0021】次にポリウレタンプレポリマーを水性媒体
中に乳化させるが、この方法として(1)ポリウレタン
プレポリマー分子中に親水性基を導入して、プレポリマ
ー自身に自己乳化性を付与する方法、(2)界面活性剤
を用いて、ポリウレタンプレポリマーを強制乳化させる
方法が挙げられる。
【0022】ポリウレタンプレポリマー分子中への親水
性基の導入は、上記プレポリマー反応において、親水性
基を有する活性水素原子含有化合物を併用することによ
り達成される。親水性基を有する活性水素原子含有化合
物としては、分子内に水酸基またはアミノ基等の活性水
素原子を1個以上含有し、且つカルボン酸基、スルホン
酸基、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアニオン性基;
ポリオキシエチレン基等のノニオン性基;三級アミノ
基、四級アンモニウム塩等のカチオン性基から選ばれる
1種以上の親水性基を有する化合物が挙げられる。例え
ば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメ
チロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボ
ン酸基含有化合物およびこれらの誘導体;1,3−フェ
ニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジア
ミノトルエン−5−スルホン酸等のスルホン酸基含有化
合物およびこれらの誘導体;分子量200〜10,00
0のポリオキシエチレングリコールおよびそのモノアル
キルエーテル等のノニオン性基含有化合物;3−ジメチ
ルアミノプロパノール等の三級アミノ基含有化合物およ
びこれらの誘導体等が挙げられる。さらに、上記の親水
性基を有する活性水素原子含有化合物を共重合して得ら
れるポリエステルポリオールまたはポリエステルポリカ
ーボネートポリオールを用いることもできる。この中で
も、2,2−ジメチロールプロピオン酸を用いてポリウ
レタンプレポリマーを製造し、プレポリマー反応終了後
にトリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の塩基性物質を添加してカルボ
ン酸塩に変換する方法が好ましい。
【0023】また、界面活性剤を用いてポリウレタンプ
レポリマーを強制乳化させる場合には、ポリウレタンプ
レポリマーは上記の親水性基を有していなくても良い。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノ
ニオン性界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸
ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸
ナトリウム等のアニオン性界面活性剤等を用いることが
できる。この中でも、HLB値が6〜20のノニオン性
界面活性剤を用いるのが好ましい。
【0024】ポリウレタンプレポリマーの乳化は、上記
の2方法のいずれかまたは両者を用いて、ホモミキサ
ー、ホモジナイザー等の乳化分散装置を用い行われる。
この際、ポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基
と水との反応を抑制するため、乳化温度は40℃以下で
あることが好ましく、30℃以下であることがより好ま
しい。
【0025】乳化して得られるエマルジョンの粒子径に
特に制限はないが、通常0.1μm〜100μmの粒径に分散さ
せて用いられる。粒径がこの範囲をはずれると、エマル
ジョンの安定性に問題が生じる懸念がある。
【0026】本発明で用いるポリウレタン系エマルジョ
ン(A)は、ポリウレタンプレポリマーの乳化と同時
に、または乳化後、アミノ基、一級水酸基あるいはアセ
トアセチル基を有するビニルアルコール系重合体、およ
び分子中にアミノ基および一級水酸基から選ばれる活性
水素原子を有する低分子化合物を添加、反応させて得ら
れる。ビニルアルコール系重合体および活性水素原子含
有低分子化合物の添加は、同時に行っても良く、また別
途に行っても良い。
【0027】本発明に用いられる、分子中にアミノ基、
一級水酸基あるいはアセトアセチル基を有するビニルア
ルコール系重合体としては、分子内にアミノ基、一級水
酸基あるいはアセトアセチル基を含有するビニルアルコ
ール系重合体であれば特に制限はない。アミノ基として
は一級または二級アミノ基が好適である。アミノ基、一
級水酸基あるいはアセトアセチル基を有するビニルアル
コール系重合体の製造方法としては、例えば、 (1)ビニルホルムアミド、メチルビニルアセトアミ
ド、ヒドロキシメチルメタアクリレート、ヒドロキシエ
チルメタアクリレート等の、一級アミノ基または二級ア
ミノ基あるいは一級水酸基を有するエチレン性不飽和単
量体、または加水分解等によりアミノ基あるいは一級水
酸基を生成しうる官能基を有するエチレン性不飽和単量
体と、酢酸ビニルとを共重合させた後、けん化する方
法; (2)アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有
する単量体と酢酸ビニルとを共重合させて得られたポリ
マーの側鎖のエポキシ基に、一級アミノ基または二級ア
ミノ基あるいは一級水酸基を有するメルカプタンを水酸
化ナトリウム等を触媒として付加反応させた後、けん化
する方法; (3)ポリビニルアルコールの水酸基と反応しうる官能
基を分子内に有し、且つ一級または二級アミノ基あるい
は一級水酸基を有する化合物をビニルアルコール系重合
体に反応させる方法; (4)メルカプト基を有するビニルアルコール系重合体
の存在下で、一級アミノ基または二級アミノ基あるいは
一級水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を重合させ
る方法; (5)ポリビニルアルコールの水酸基に固気反応により
ジケテンを反応させる方法;等が挙げられる。
【0028】ビニルアルコール系重合体は、分子内にア
ミノ基、一級水酸基あるいはアセトアセチル基以外の官
能基を有していても本発明の効果を損なわない限り差し
支えない。そのような官能基を与える単量体単位として
は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル
酸、(無水)フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)
イタコン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、
ビニルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、メタクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸
スルホプロピル、およびそれらのアルカリ塩、アクリル
アミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリ
ルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロ
リド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラ
フルオロエチレン等が挙げられる。また、チオール酢
酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物存在下
で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体を重合する
ことによって得られる末端に官能基を有するポリマーで
も良い。
【0029】本発明のポリウレタン系エマルジョン
(A)を構成する、分子中にアミノ基、一級水酸基およ
びアセトアセチル基から選ばれる少なくとも一種の官能
基を有するポリビニルアルコール系重合体の官能基の含
有量は、特に制限はなく、重合度等により好適な範囲が
変化するが、一般に、0.1〜15モル%が好ましく、
0.2〜10モル%がより好ましい。0.1モル%より
も場合には、ポリウレタンプレポリマーとの反応性が低
下し、耐水性、耐溶剤性等が十分に改善されない。ま
た、15モル%を越える場合には、ポリウレタンプレポ
リマーとの反応の際にエマルジョンが不安定化し、系が
ゲル化しやすくなる。
【0030】ビニルアルコール系重合体のケン化度は、
50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ま
しく、70モル%以上がさらに好ましい。ケン化度が5
0モル%未満の場合には、得られる印刷インキの耐熱
性、耐溶剤性等が不十分である。また、ビニルアルコー
ル系重合体の分子量は、JIS法による粘度平均分子量
が、2,000〜200,000であるのが好ましく、
4,000〜100,000であるのがより好ましい。
分子量が2,000未満の場合には、得られる印刷イン
キあるいは印刷インキ組成物の耐熱性、耐溶剤性等が不
十分であり、分子量が200,000を越える場合に
は、ポリウレタンプレポリマーとの反応の際にエマルジ
ョンが不安定化し、系がゲル化しやすくなる。
【0031】ビニルアルコール系重合体の添加量は、ポ
リウレタンプレポリマー100重量部に対し、0.2〜
20重量部、好ましくは0.5〜15重量部である。添
加量が0.2重量部未満の場合には、得られる印刷イン
キあるいは印刷インキ組成物の耐熱性、耐溶剤性等が不
十分であり、添加量が20重量部を越える場合には、ポ
リウレタンプレポリマーとの反応の際にエマルジョンが
不安定化し、系がゲル化しやすくなる。また、ポリビニ
ルアルコール系重合体の添加は、通常水溶液にして行う
が、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類等の有機溶媒と
水の混合溶媒に溶解させて添加しても良い。
【0032】本発明で用いられる、分子中にアミノ基ま
たは水酸基を有する低分子化合物としては、イソシアネ
ート基と反応し得る活性水素原子をもつアミノ基または
水酸基を分子中に有する分子量300以下の低分子化合
物を用いるのが好ましい。また、アミノ基としては一級
または二級アミノ基が、水酸基としては一級水酸基が好
適である。例えば、ジエチレントリアミン等のトリアミ
ン類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペ
ラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレ
ンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;エチ
ルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モルホリン
等のモノアミン類;アミノエチルアルコール、アミノプ
ロピルアルコールなどのアミノアルコール類;エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキ
サンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフ
タレート、キシリレングリコールなどのジオール類など
が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0033】分子中にアミノ基または一級水酸基を有す
る低分子化合物の添加量としては、低分子化合物のアミ
ノ基または水酸基中の活性水素原子の量が、ポリウレタ
ンプレポリマーのイソシアネート基1当量あたり、0.
70〜1.20当量であるのが好ましく、0.75〜
1.15当量であるのがより好ましく、0.80〜1.
10当量であるのがより好ましい。活性水素原子の量
が、0.70当量未満または1.20当量を越える場合
には、ポリウレタンエマルジョンの重合度が十分に上が
らず、耐水性や耐溶剤性が不十分となる。
【0034】本発明で用いられるポリウレタン系エマル
ジョンは、通常、固形分濃度が約20〜65重量%に調
整されるが、これに限定されるものではない。また、プ
レポリマー製造において有機溶媒を用いた場合には、必
要に応じて、蒸留分離あるいはストリッピングをするこ
とにより有機溶媒を除去することができる。
【0035】本発明で用いられるポリウレタン系エマル
ジョン(A)は、一般的に、ポリウレタン単位とポリビ
ニルアルコール単位が下記の一般式化1〜3で表される
構造単位で結合されたポリマーを含有していると考えら
れ、それが本発明の印刷インキの性能発現に寄与してい
ると想定される。
【0036】
【化1】
【0037】
【化2】
【0038】
【化3】
【0039】本発明の水性印刷インキは、上記(A)と
アジリジン基、エポキシ基、オキサゾリン基、オキサジ
ン基、イソシアネート基およびカルボジイミド基から選
ばれる官能基を分子内に二個以上有する化合物(B)を
併用することにより、さらに高度の水性印刷インクが得
られる。(B)としては、水溶性のものや水分散性のも
のが好ましく用いられる。
【0040】一例として、エポキシ基を分子内に二個以
上有する化合物としては、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAジβメチルグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テト
ラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシジルエーテ
ル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ブロム化ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、クロル化ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキ
レンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ノボラ
ックグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジ
グリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、エポ
キシウレタン樹脂等のグリシジルエーテル型;P−オキ
シ安息香酸グリシジルエーテル・エステル等のグリシジ
ルエーテル・エステル型;フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、アクリル
酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエス
テル等のグリシジルエステル型;グリシジルアニリン、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリ
シジルイソシアヌレート、トリグリシジルアミノフェノ
ール等のグリシジルアミン型;エポキシ化ポリブタジエ
ン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂;
3,4エポキシ−6メチルシクロヘキシルメチル−3,4
エポキシ−6メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ
シクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エ
ポキシ−6メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、
ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタ
ジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペン
チル)エーテル、リモネンジオキサイド等の脂環族エポ
キシ樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリンなどがあげら
れる。
【0041】アジリジン基を分子内に有する化合物とし
ては、2,4,6−トリス(1’−アジリジニル)−
1,3,5−トリアジン、ω−アジリジニルプロピオン
酸−2,2’−ジヒドロキシメチル−ブタノール−トリ
エステル、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニル
アミノ)ジフェニルメタン等があげられる。
【0042】オキサゾリン基あるいはオキサジン基を分
子内に有する化合物としては、2、2’−エチレンビス
(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス
(2−オキサゾリン)、2、2’−エチレンビス(2−
オキサジン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オ
キサジン)や、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イ
ソプロペニルー2ーオキサゾリン等の不飽和オキサゾリ
ンあるいはオキサジン化合物と他の不飽和化合物の重合
により得られる重合体等があげられる。
【0043】イソシアネート基を分子内に有する化合物
としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、1,6
−ヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート−
(1,4)、1ーメチルシクロヘキサン−2,4−ジイ
ソシアネート、1−メチルシクロヘキサン−2,6−ジ
イソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネー
ト、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−ト
ルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート等があげられる。 また、カルボジイミド基を有す
る化合物としては、通常のカルボジイミド化合物、たと
えば、日清紡製の「カルボジライトV−01,02,0
3,04,06」、「カルボジライトHMV−8C
A」、「カルボジライト10M−SP」、「カルボジラ
イトIM−25P」、「カルボジライト9010」、
「カルボジライト9010 ST」等があげられる。
【0044】本発明の水性印刷インキは、分子中にイソ
シアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを水中
に乳化させる際に、あるいは乳化させた後に、(a)分
子中にアミノ基、一級水酸基あるいはアセトアセチル基
を有するビニルアルコール系重合体、および(b)分子
中にアミノ基、水酸基から選ばれる活性水素原子を有す
る低分子化合物を、同時にまたは別途に添加し、反応さ
せて得られるポリウレタン系エマルジョン(A)とアジ
リジン基、エポキシ基、オキサゾリン基、オキサジン
基、イソシアネート基あるいはカルボジイミド基から選
ばれる官能基を分子内に二個以上有する化合物(B)か
らなる。(A)と(B)の配合量は、固形分換算で
(A)100重量部に対して(B)0.1〜70重量部
が好ましく、(B)0.2〜50重量部がより好まし
い。この範囲を逸脱すると、硬化が不十分であったり、
皮膜が脆化するなどの問題がある。
【0045】本発明の水性印刷インキは、前記(A)お
よび(B)以外にも、必要に応じて水性エマルジョンを
配合することができる。水性エマルジョンとしては特に
制限はないが、従来公知のウレタンディスパージョン、
酢酸ビニル重合体エマルジョン、酢酸ビニル−(メタ)
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニ
ル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョ
ン、エチレン−塩化ビニル共重合体エマルジョン、エチ
レン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体エマルジョン、
エチレン−酢酸ビニル−第3級カルボン酸ビニルエステ
ル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸エステル
(共)重合体エマルジョン、スチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体エマルジョン、スチレン−ブタジ
エン共重合体エマルジョン、スチレンー(メタ)アクリ
ル酸エステル−ブタジエン共重合体エマルジョン等の酢
酸ビニル系樹脂エマルジョン、(メタ)アクリル酸エス
テル系エマルジョン、ジエン系樹脂エマルジョンがあげ
られる。
【0046】また、必要に応じて、その乾燥性、セット
性、粘度、造膜性などを調整するために、トルエン、パ
ークレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなど
の各種有機溶剤、でんぷん、変性でんぷん、酸化でんぷ
ん、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、無水
マレイン酸/イソブテン共重合体、無水マレイン酸/ス
チレン共重合体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテ
ル共重合体などの水溶性高分子や尿素/ホルマリン樹
脂、尿素/メラミン/ホリマリン樹脂、フェノール/ホ
リマリン樹脂などの熱硬化性樹脂、さらに、クレー、カ
オリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉、酸化チタンな
どの充填剤、小麦粉などの増量剤、ホウ酸、硫酸アルミ
ニウムなどの反応促進剤、あるいはその他、消泡剤、分
散剤、凍結防止剤、防腐剤、防錆剤などの各種添加剤を
も適宜添加することができる。また、インクには、目的
に応じて、色素成分である顔料が用いられる。
【0047】本発明の水性印刷インキは、広範な用途に
利用でき、例えば、ポリエステル、塩ビ、ポリオレフィ
ン、ナイロン等の各種プラスチックフィルム、金属など
に用いることができる。
【0048】本発明の水性印刷インキを前記の用途に使
用すると、例えば金属表面に本発明の水性印刷インキ組
成物を塗布した場合、上述のように架橋剤の配合によっ
て架橋密度の高いインキ膜が形成されるので、従来のポ
リウレタンエマルジョン系水性印刷インキ組成物に比較
して、耐水性、耐溶剤性等に優れているので、インキ膜
の膜厚を低減できる。
【0049】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお以下の実施例及び比較例において「部」
および「%」は、特に断らない限り重量基準を意味す
る。
【0050】実施例および比較例中、略号は下記を表わ
す。 PMPA2150:数平均分子量2150のポリエステルジオール(
3−メチルー1,5ペンタンジオールとアジピン酸を反応
させて製造) PMPA3600:数平均分子量3600のポリエステルジオール(
3−メチルー1,5ペンタンジオールとアジピン酸を反応
させて製造) PTMG2000:数平均分子量2000のポリテトラメチレングリ
コール PCL2000:数平均分子量2000のポリカプロラクトングリ
コール IPDI:イソフォロンジイソシアネート HMDI:メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネー
ト) TDI:2,4−トリレンジイソシアネート DMPA:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 TEA:トリエチルアミン DETA:ジエチレントリアミン IPDA:イソフォロンジアミン EDA:エチレンジアミン MEK:2−ブタノン
【0051】製造例1 3リットル三ツ口フラスコに、PMPA2150 537.
5g、IPDI 111.1g、DMPA 6.71g
を秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2hr撹拌して
系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端
のプレポリマーを得た。これにMEK 202.9gを
加えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下
げ、TEA 5.06gを加えて10分間撹拌を行っ
た。次いで、乳化剤としてエマルゲン985(花王製,
ノニオン系界面活性剤)14.5gを蒸留水 420g
に溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサ
ーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにアミノ基含有ポ
リビニルアルコール(ビニルホルムアミドと酢酸ビニル
を共重合した後けん化して得たポリビニルアルコール:
重合度350、けん化度98.5mol%、一級アミノ
基含有量1.5mol%) 34.0g、DETA
7.58gおよびIPDA 12.52gを蒸留水 6
52gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間
撹拌して反応を行った。その後、MEKをロータリーエ
バポレーターにより除去して固形分重量40wt%のポ
リウレタン系エマルジョンを得た。
【0052】製造例2 3リットル三ツ口フラスコに、PMPA3600 540.
0g、IPDI 80.0g、DMPA 6.04gを
秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2hr撹拌して系
中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端の
プレポリマーを得た。これにMEK 191.4gを加
えて均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下
げ、TEA 4.55gを加えて10分間撹拌を行っ
た。次いで、乳化剤としてエマルゲン985(花王製,
ノニオン系界面活性剤)19.1gを蒸留水 397g
に溶解した水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサ
ーで1分間撹拌して乳化した後、直ちにアミノ基含有ポ
リビニルアルコール(アリルグリシジルエーテルと酢酸
ビニルを共重合した後、2−アミノチオフェノールをN
aOHを触媒として付加し、さらにけん化することによ
り得たポリビニルアルコール:重合度500、けん化度
97.5mol%、一級アミノ基変性量1.0mol
%)64.1gを蒸留水 420gに溶解した水溶液を
加えてホモミキサーで30秒間撹拌し、次いでDETA
10.21gを蒸留水240gに溶解した水溶液を加
えてホモミキサーで1分間撹拌して反応を行った。その
後、MEKをロータリーエバポレーターにより除去して
固形分重量40wt%のポリウレタン系エマルジョンを
得た。
【0053】製造例3 3リットル三ツ口フラスコに、PTMG2000 250.
0g、PCL2000250.0g、HMDI 11
8.1g、DMPA 6.71gを秤取し、乾燥窒素雰
囲気下、80℃で2hr撹拌して系中の水酸基を定量的
に反応させ、イソシアネート末端のプレポリマーを得
た。これにMEK 188.7gを加えて均一に撹拌し
た後、40℃にフラスコ内温度を下げ、TEA 5.0
6gを加えて10分間撹拌を行った。次いで、乳化剤と
してエマルゲン985(花王製,ノニオン系界面活性
剤)6.7gおよびエマルゲン930(花王製,ノニオ
ン系界面活性剤)6.7gを蒸留水 392gに溶解し
た水溶液を前記プレポリマーに加えホモミキサーで1分
間撹拌して乳化した後、直ちにアミノ基含有PVA(メ
チルビニルアセトアミドと酢酸ビニルを共重合した後、
けん化することにより得たポリビニルアルコール:重合
度750、けん化度87.5mol%、二級アミノ基変
性量2.5mol%)32.2g、DETA 6.81
gおよびIPDA5.62gを蒸留水 620gに溶解
した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌して反応
を行った。その後、MEKをロータリーエバポレーター
により除去して固形分重量40wt%のポリウレタン系
エマルジョンを得た。
【0054】製造例4 3リットル三ツ口フラスコに、PMPA2150 537.
5g、TDI 87.1g、DMPA 6.71gを秤
取し、乾燥窒素雰囲気下、70℃で2hr撹拌して系中
の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末端のプ
レポリマーを得た。これにMEK 194.6gを加え
て均一に撹拌した後、40℃にフラスコ内温度を下げ、
TEA 5.06gを加えて10分間撹拌を行った。次
いで、乳化剤としてエマルゲン985(花王製,ノニオ
ン系界面活性剤)16.5gおよびアセトアセチル基含
有ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコールに固気
反応によりジケテンを反応させて得たポリビニルアルコ
ール:重合度1000、けん化度97.5mol%、ア
セトアセチル基含有量5mol%)32.4gを蒸留水
520gに溶解した水溶液を前記プレポリマーに加え
ホモミキサーで1分間撹拌して乳化した後、直ちに、D
ETA 7.59gおよびEDA 4.42gを蒸留水
494gに溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1
分間撹拌して反応を行った。その後、MEKをロータリ
ーエバポレーターにより除去して固形分重量40wt%
のポリウレタン系エマルジョンを得た。
【0055】製造例5 3リットル三ツ口フラスコに、PMPA2150 537.
5g、IPDI 194.5g、DMPA 33.53
g、MEK 249.1gを秤取し、乾燥窒素雰囲気
下、60℃で8hr撹拌して系中の水酸基を定量的に反
応させ、イソシアネート末端のプレポリマーを得た。そ
の後、40℃にフラスコ内温度を下げ、TEA 25.
30gを加えて30分間撹拌を行った。次いで、蒸留水
720.0gを加えて撹拌を行いポリウレタンプレポ
リマーを水中に乳化させた後、直ちに、一級水酸基含有
ポリビニルアルコール(アリルグリシジルエーテルと酢
酸ビニルを共重合した後、2−メルカプトエタノールを
NaOHを触媒として付加し、さらにけん化することに
より得たポリビニルアルコール:重合度500、けん化
度97.5mol%、一級水酸基変性量1.0mol
%)41.8g、DETA 17.02gおよびIPD
A 14.05gを蒸留水 576gに溶解した水溶液
を加えてホモミキサーで1分間撹拌して反応を行った。
その後、MEKをロータリーエバポレーターにより除去
して固形分重量40wt%のポリウレタン系エマルジョ
ンを得た。
【0056】比較製造例1 製造例1において、アミノ基含有ポリビニルアルコール
を用いないこと以外は、製造例1と同様にしてポリウレ
タン系エマルジョンを得た。
【0057】実施例1〜10、比較例1〜3 表1に示す配合組成において水性印刷インキ組成物を調
製し、各印刷インキの性能を厚さ20μmのコロナ放電
処理した延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ放電処理
面に膜厚5μmとなるように塗布した。この試験片の評
価を下記方法により行った。結果を表2に示す。 (耐水性)60℃の温水に試験片を30分間浸漬した
後、インキ膜の表面状態を観察した。 ○:印刷色が鮮明、△:印刷色が部分的に不鮮明、×:
印刷色が不鮮明 (耐溶剤性)エタノールを試験片の印刷表面にたらし、
30分後に脱脂綿でこすり表面状態を観察した。 ○:30回こすってもインキ膜保持、△:10〜30回
でインキ膜消失、×:10回以下でインキ膜消失
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明の水性印刷インキ組成物は、ポリ
エステル、ナイロン、塩化ビニル系樹脂等の各種プラス
チック、各種金属など広範な用途に利用でき、耐水性、
耐溶剤性等に優れたインキ膜を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AE04 AE05 BC20 BC31 BC32 BC44 BC50 BC52 BC53 CA03 CA06 EA38 EA39 FA01 FA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中において、分子中にイソシア
    ネート基を有するポリウレタンプレポリマーに、(a)
    分子中にアミノ基、一級水酸基およびアセトアセチル基
    から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するビニルア
    ルコール系重合体、および(b)分子中にアミノ基また
    は水酸基を有する低分子化合物を反応させて得たポリウ
    レタン系エマルジョンからなる水性インキ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリウレタン系エマルジ
    ョン(A)とアジリジン基、エポキシ基、オキサゾリン
    基、オキサジン基、イソシアネート基およびカルボジイ
    ミド基から選ばれる官能基を分子内に二個以上有する化
    合物(B)からなる水性インキ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279151A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Printing Bureau Ministry Of Finance 水性印刷インキと、これを用いた印刷物及びその製造方法
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JP2005290044A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Ink & Chem Inc インクジェット記録用水性インク

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