JP2000133269A - 二次電池の電極用導電助剤、二次電池の電極及び二次電池 - Google Patents

二次電池の電極用導電助剤、二次電池の電極及び二次電池

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JP2000133269A
JP2000133269A JP10307048A JP30704898A JP2000133269A JP 2000133269 A JP2000133269 A JP 2000133269A JP 10307048 A JP10307048 A JP 10307048A JP 30704898 A JP30704898 A JP 30704898A JP 2000133269 A JP2000133269 A JP 2000133269A
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conductive
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Takashi Watanabe
貴志 渡邉
Hiroyuki Nakatani
博之 中谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水系二次電池、特に非水系のリチウム二次
電池に用いる、高いイオン伝導性及び電子伝導性並びに
結着能を併せ持った電極用導電助剤、これを用いた二次
電池の電極及び二次電池を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示される化合物から
なる二次電池の電極用導電助剤、及びこの導電助剤と電
極電極活物質とが含有された膜が集電体上に形成されて
いる二次電池用電極、並びに正極又は負極が前記電極で
ある二次電池。 (式中、Rは1〜20の繰り返し単位を有する一価のイ
オン伝導性有機基であり、XはNH、S、O又はSeを
表す。nは1〜10, 000の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二次電池、特に非水
系のリチウム二次電池等に使用できる、高いイオン伝導
性及び電子伝導性と共にバインダーとしての結着能を併
せ持った二次電池の電極用導電助剤、二次電池の電極及
び二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】二次電池、特にリチウムイオンを用いた
二次電池の電極は、正極の活物質として、主にLiCo
O2 やLiNiO2 等の複合酸化物が用いられ、負極の
活物質として、主にカーボン粉末や異方性ピッチを焼成
した炭素化合物、高分子繊維、芳香族化合物等が用いら
れている。
【0003】電極を製造する方法としては、電極活物質
を結着剤(バインダー樹脂とも称される) 及び溶剤と共
に混合してペーストを作成し、集電体である金属泊に塗
着、乾燥する手法が一般的に用いられている。
【0004】例えば特開平6−215761号公報に
は、銅箔の両面に、負極活物質としての黒鉛粉末に、ポ
リ四フッ化エチレン分散液及びスチレン−ブタジエンゴ
ム分散液等のバインダー樹脂に分散させてペースト状に
したものを塗着して負極の電極板とし、一方、金属箔の
両面に、正極活物質としてのLiCoO2 をポリ四フッ
化エチレン分散液等のバインダー樹脂に分散させてペー
スト状にしたものを塗着して正極の電極板とした、非水
電解液系リチウム二次電池が開示されている。
【0005】しかし、上記従来のリチウム二次電池にお
けるバインダー樹脂は、フッ素系有機重合体やスチレン
−ブタジエンゴム等のいずれも電気的な良導体ではな
く、又、イオン伝導能が特に優れているわけでもなかっ
た。イオン伝導能が不充分であると、リチウムイオンに
とって、電極領域における抵抗が大きくなってしまうと
いう問題点があった。
【0006】又、非水系電解液の他に、高分子電解質も
使用され得るが、これらのバインダー樹脂は、イオン伝
導層である高分子電解質との相性が考慮されているわけ
でもなかった。従って、電極領域と高分子電解質領域の
間には界面が形成されてしまうおそれがあり、不可逆な
反応が助長されやすく、電池としてのサイクル特性を損
なう可能性があった。
【0007】更に、電極活物質から集電体への電子伝達
を充分に行うには、LiCoO2 等の電極活物質や黒鉛
粉末等と集電体とがそれぞれ接触している必要がある
が、バインダー樹脂によってこれらを結合させているた
め、添加するバインダー樹脂の量が多すぎると、これら
の接触が不充分となり、従って電子伝達能も充分ではな
くなる。一方、接触を増やすためにバインダー樹脂の量
を減らすと、活物質の剥離を招来し易い。
【0008】一方、「ジャーナル・オブ・エレクトロケ
ミカル・ソサイエティ」(J.Electrochem.Soc.)第142
巻(No.12) 、4190頁、1995年には、LiMn2
O4とポリピロールを複合化した電池を用いた二次電池
の例が記載されているが、特に、電子伝達能は改善され
ているものの、イオン伝導を担う領域が形成されていな
いので、イオン伝導能が十分とは言えないものであっ
た。
【0009】又、「マクロモレキュールズ」(Macromole
cules)、第28巻、6250頁、1995年には、側鎖にオリゴエ
チレンオキシドを導入したポリピロールを電極活物質と
して用いた二次電池の例が記載されているが、導電性ポ
リマーを電極活物質として用いた場合はサイクル特性に
問題があり、また電解重合により上記ポリピロールを得
ているため、大面積の電極をつくるのは困難であり、従
って出力特性の不十分なものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
非水系のリチウム二次電池の問題点を解決するもので、
その目的とするところは、非水系二次電池、特に非水系
のリチウム二次電池に用いる、高いイオン伝導性及び電
子伝導性並びに結着能を併せ持った電極用導電助剤、こ
れを用いた二次電池の電極及び二次電池を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載発明では、下記一般式(1)で示され
る化合物からなることを特徴とする二次電池電極用導電
助剤が提供される。
【0012】
【化3】 (式中、Rは1〜20の繰り返し単位を有する一価のイ
オン伝導性有機基であり、XはNH、S、O又はSeを
表す。nは1〜10, 000の整数を表す。)
【0013】請求項2記載発明では、下記一般式(2)
で示される化合物からなることを特徴とする二次電池の
電極用導電助剤が提供される。
【化4】 (式中、Rは、1〜20の繰り返し単位を有する一価の
イオン伝導性有機基であり、XはNH、S、O又はSe
を表す。l、mはともに1以上の自然数であり、l+m
は2〜10,000の整数を表す。)
【0014】請求項3記載発明では、集電体上に電極活
物質及び請求項1又は2記載の二次電池の電極用導電助
剤が含有された塗膜が形成されていることを特徴とする
二次電池の電極が提供される。請求項4記載発明では、
正極及び/又は負極が請求項3記載の二次電池の電極で
あることを特徴とする二次電池が提供される。
【0015】以下、本発明を更に詳細に説明する。請求
項1記載発明における一般式(1)で示される化合物に
おいて、nは1〜10,000である。nは1以上なら
ば、高いイオン伝導性及び電子伝導性並びに、バインダ
ーとしての結着能を発現させることができ、10,00
0を超えると、バインダーとして固くなりすぎ、充放電
時のサイクル劣化の原因になる。好ましくは、5〜5,
000であり、更に好ましくは、10〜1,000であ
る。10未満では、バインダーとして柔らかすぎる。
【0016】上記Rは、イオン伝導性有機基である。本
明細書中、イオン伝導性有機基とは、その末端を水素に
置き換えた化合物の単体でのイオン伝導率が10-7(S/c
m) 以上である有機基をいう。
【0017】上記イオン伝導性有機基としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリア
ミド等の誘導体の他、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリアミド等の残基、
及びこれらの誘導体の残基の他、例えば、−CH( CH
3 ) CH2 〔OCH( CH3 ) CH2 〕x(OCH2 CH
2 )y〔OCH( CH3 ) CH2 〕z −(x,y,z は1以上
30未満の整数)のごとく、イオン伝導性の良好な1種
又は2種以上のモノマーより形成された繰り返し単位を
含有した有機基等が挙げられる。
【0018】上記で使用されるモノマーとしては、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メ
タ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、スルホン酸ナトリウムエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−イソ
プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリル酸ナトリウム、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘ
キサヒドロフタル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラク
トンモノアクリレート、エチレンオキサイド(EO)変
性リン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、p
−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスル
ホン酸、(メタ)アクリル酸エチルスルホン酸などが挙
げられる。
【0019】更に、(ポリ)エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート(新中村化学社製;商品名NKエステ
ルA−200、A−400、A−600、A−100
0、4G、9G、14G、23G、共栄社化学社製;ラ
イトエステル4EG、9EG、14EG、9EG−A、
14EG−A等)、(ポリ)エチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート(新中村化学社製;NKエステル
AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、A
MP−90G、共栄社化学社製;ライトエステルMC、
130MA、041MA等)、エトキシ化ポリプロピレ
ングリコールジメタクリレート(新中村化学社製;商品
名NKエステル1206PE)等が挙げられる。
【0020】上記Rは、例えば、―CH2 O( CH2 C
H2 O) k CH2 (繰り返し単位数k が1〜20)等の
イオン伝導性有機基であることが好ましい。より好まし
くは、3〜10の繰り返し単位 (k)を有するものであ
る。繰り返し単位が3未満では、リチウムイオンとの相
互作用が低下し、良好なイオン伝導が得られにくい。繰
り返し単位が10を超えると、相対的に複素環の存在量
が減少し、電子伝達能が低下する。
【0021】本発明の導電助剤において、複素環の部分
は、電子伝達を担う。ポリピロール、ポリチオフェンな
どは導電性ポリマーとしてよく知られており、バインダ
ー中にこのような構造が存在することで、電極活物質と
集電体との電子伝達能を向上させることができる。Xは
その電気伝導度の点でNHが好ましく用いられる。
【0022】本発明の導電助剤において、Rの部分は、
イオン伝導と、バインダーとしての結着能を担う。この
部分にイオン伝導性及びバインダーとしての結着性を有
する有機基を適用することで、リチウムイオンの電極活
物質への進入、電極活物質からの排出を制限することな
く、バインダーとしての結着性を発現させることが可能
になる。
【0023】請求項2記載発明における一般式(2)で
示される化合物において、l、mはともに1以上の自然
数であり、l+mは2〜10,000の整数である。こ
れは、一般式(1)で示される化合物においてnを限定
したのと同様の考え方に基づいて限定されたものであ
る。又、l又はmが2以上の場合は、繰り返し単位がブ
ロック的に結合していても良く、ランダムに結合してい
ても良い。その他、R、X等は一般式(1)で示される
化合物と同様である。
【0024】本発明の導電助剤は、イオン伝導性能を担
う部位を有することで、正極−負極間のイオン移動媒体
である高分子電解質との相性が良いため、各層間の密着
性にも優れる。本発明の導電助剤は、二次電池電極材と
して好適に用いられる。得られた二次電池電極を用いて
所期の性能を備えた二次電池が得られる。
【0025】本発明の導電助剤を用いて、正極を製造す
る方法としては特に限定されず、例えば、1モルdm-3
のHClO4の水溶液に活物質となるLiMn2 O4 を
所望量懸濁させ、その懸濁溶液に数十分間窒素ガスをバ
ブリングしたのち、本発明の導電助剤を形成するモノマ
ーを徐々に添加する。これによって得られた固体を集電
体上にプレスする方法が挙げられる。
【0026】本発明の導電助剤の添加量としては、電極
活物質100重量部に対して、1〜25重量部が好まし
い。上記電極活物質としては特に限定されず、例えば、
正極活物質としては、LiMn2 O4 やα−MnO2 、
β−MnO2 、更にはこれらのMnの一部を、Co及び
Ni等の他元素で置換した複合酸化物等が挙げられる。
【0027】負極を製造する方法としては、例えば、負
極活物質としては、カーボン粉末や異方性ピッチを焼成
した炭素化合物、高分子繊維、芳香族化合物等が挙げら
れ、リチウム金属の場合はそのまま負極電極として用い
るが、炭素系活物質はイオン伝導性を有する高分子化合
物例えば、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキ
シドまたはその誘導体をバインダーとして使用し、電極
活物質及び溶剤とともに混合してペーストを作成し、こ
れを集電体である銅箔等の金属箔に塗着、乾燥する方法
が採用される。
【0028】上記溶剤としては、特に限定されず、例え
ば、カルボキシメチルセルロース水溶液等が挙げられ
る。本発明においては、上記ペースト中にカーボンや金
属粉末、金属酸化物粉末等を更に混合して、電子伝導性
を高めることも可能である。
【0029】本発明の導電助剤は、高いイオン伝導性と
電子伝導性及びバインダーとしての結着能を有している
ので、使用に当たって、その添加量を制限することがな
く、バインダーとして用いれば、必要にして充分な量を
使用する事ができ、諸性能を更に向上させることが期待
できる。
【0030】(作用)本発明の導電助剤は、2つの部分
からなり、1つは、Rの部分で、イオン伝導能と、バイ
ンダーとしての結着能を持ち、リチウムイオンの電極活
物質への進入、電極活物質からの排出を制限することな
く、バインダーとしての結着性を発現させることを可能
にする。もう1つは、複素環の部分であり、ポリピロー
ル、ポリチオフェンなどは導電性ポリマーとしてよく知
られており、バインダー中にこのような構造が存在する
ことで、電極活物質と集電体との電子伝達を向上させる
ことができる。これらより本発明の導電助剤を電池に適
用した場合、高容量、高エネルギー密度であり、良好な
サイクル特性を示すリチウムイオン系ポリマーバッテリ
ーを提供することが可能となるのである。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。 (実施例1)この実施例では、図1に模式断面図で示す
ような試験電池Aを作製した。
【0032】<モノマーの合成>先ず本発明の導電助剤
を形成するためのモノマーを、以下の通り合成した。無
水塩化アルミニウムをジクロロエタンに懸濁させ、その
溶液にクロロアセチルクロリドを滴下し、25℃1時間
反応させ、さらにN- トシルピロールのジクロロエタン
溶液を加え、更に、25℃1時間反応させた。0.5 規定
の塩酸で反応を止め、溶液を濃縮し、その後シリカゲル
クロマトグラフィーで精製した。
【0033】これにより3-(クロロアセチル)-1-トシル
ピロールが得られた。さらにこれに臭化リチウムをアル
ゴン気流下24時間145 ℃で反応させ、冷やした後、5
規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え、24時間撹拌
し、その後、抽出、分離、精製を行い、3-[( 2- メト
キシエトキシ)-アセチル] ピロールを得た。更に、これ
に水素化アルミニウムリチウムと3−[(2−メトキシエ
トキシ) アセチル] ピロールをTHF 中で反応させ、これ
を分離精製し、目的のモノマーとして3−( 3, 6−ジ
オキサヘプチル) ピロールを得た。
【0034】<正極の作製>正極活物質としてのLiM
n2 O4 の粉末75重量部に対し、一般式(1)で示さ
れる化合物において、Rが―CH2 OCH2 CH2 OC
H3 で、XがNHでn=200のものを25重量部の割
合となる様に、前記化合物の存在下に1モルdm-3HC
lO4 の水溶液に活物質となるLiMn2 O4 を懸濁さ
せ、その懸濁溶液に数十分間窒素ガスを通気したのち、
本発明の導電助剤を形成するためのモノマーを徐々に添
加した。
【0035】得られた複合体を、厚さ0.03mmのア
ルミ箔集電体の片面にプレスした片面正極板(図1にお
いてアルミ集電体11とその片面に形成された正極活物
質層12とからなる)10aと、アルミ箔集電体の両面
上にプレスした両面正極板(アルミ集電体11とその両
面に形成された正極活物質層12とからなる)10bと
をそれぞれ1枚ずつ作成し、厚さ0.17mm、幅40
mm、長さ250mmの電極板を作成した。尚、この片
面正極板10a及び両面正極板10bには、正極リード
線40を取り付けた。
【0036】<負極の作製>電池の負極活物質として、
ピッチを約3000℃で焼成して作成したメソカーボン
小球体100重量部、ポリエチレングリコールジアクリ
レート( 分子量:5000) とポリエチレングリコール
モノアクリレート( 分子量:400) とを6:4の重量
比率で混合したもの7重量部、リチウム塩1重量部、
1,2−ジメトキシエタン10重量部及びγ−ブチロラ
クトン10重量部を混合したものを、乾燥不活性ガス雰
囲気中、8:2の重量比率で混合した。
【0037】これを厚さ0.03mmの銅箔上にスクリ
ーンコーティングによりキャストした。その後、乾燥不
活性ガス雰囲気中、電子線量15Mradの電子線を照
射することにより上記複合負極を硬化させた。この操作
を集電体の片面に行なって片面負極板(図1において銅
集電体21とその片面に形成された負極活物質層22と
からなる)20aと、集電体の両面に行なって両面負極
板(銅集電体21とその両面に形成された負極活物質層
22とからなる)20bとをそれぞれ1枚ずつ作成し、
厚さ0.19mm、幅40mm、長さ250mmの電極
板を作成した。尚、この片面負極板20a及び両面負極
板20bには、負極リード線50を取り付けた。
【0038】<電池の作製>エトキシ化ポリプロピレン
グリコールジメタクリレート(新中村化学社製;商品名
NKエステル1206PE)40重量部、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート(新中村化学社製;商品名
NKエステル9G)25重量部、平均分子量が約100
0のポリエチレンオキサイド25重量部、リチウム化合
物としてヘキサフルオロりん酸リチウム5重量部、及
び、硬化剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)0.3重量部を窒素置換雰囲気下で混合し、高分子
電解質の粘性溶液を作成した。
【0039】片面正極板10aの正極活物質層12上に
上記粘性溶液を塗布し、これに上記粘性溶液で満たされ
た槽に浸漬して得られた両面負極板20bを重ね、次
に、上記粘性溶液で満たされた槽に浸漬して得られた両
面正極板10bを重ね、最後に、片面負極板20aを重
ねて、窒素置換雰囲気下で80℃で2時間かけて熱硬化
させてそれぞれの間に高分子固体電解質層30を形成
し、正極同士及び負極同士のリード線40及び50を束
ねて、組電池を得た。
【0040】内側にポリフッ化ビニリデンがラミネート
されているアルミ製パックからなる電池ケース60の中
に、不活性ガスとともにこの組電池を封入し、束ねたリ
ード線の一部をを外に出し、開口部を熱融着することに
よって、図1に示すような試験電池Aを作製した。
【0041】<電池の評価>試験電池Aの評価は、充電
電圧4.0V、充電時間1時間での低電圧充電を行い、
制限電流を600mAとした。放電は、放電電流500
mA、放電終止電圧1.5Vの低電流放電を行い、20
℃の環境下で充放電を繰り返すサイクル試験を行った。
横軸にサイクル数、縦軸に容量(mAh)を表したグラ
フ上に結果を示し、図2とした。
【0042】(実施例2)実施例1において、モノマー
に3−( 3, 6−ジオキサヘプチル) ピロールとピロー
ル用い、Rが―CH2OCH2CH2OCH3で、Xが
NHでm=100、かつl=100の(2)式で示され
る導電助剤を用いた以外は、実施例1と同様にして試験
電池Aを作製し、同様の評価を行い、結果を図2に示し
た。 (実施例3)実施例1において、モノマーに実施例1と
同様にして合成した3−( 3, 6,9−トリオキサデカ
ニル) ピロールを用い、Rが―CH2O( CH2CH2
O)2CH3で、XがNHでn=200の(1)式で示さ
れる導電助剤を用いた以外は、実施例1と同様にして試
験電池Aを作製し、同様の評価を行い、結果を図2に示
した。
【0043】(実施例4)実施例1においてモノマーに
3−( 3, 6, 9−トリオキサデカニル) ピロールとピ
ロール用い、Rが―CH2OCH2CH2OCH3で、
XがNHでm=140、かつl=60の(2)式で示さ
れる導電助剤を用いた以外は、実施例1と同様にして試
験電池Aを作製し、同様の評価を行い、結果を図2に示
した。 (実施例5)実施例1においてモノマーに3−( 3,
6, 9−トリオキサデカニル) ピロールとピロール用
い、Rが―CH2OCH2CH2OCH3で、XがNH
でm=100、かつl=100の(2)式で示される導
電助剤を用いた以外は、実施例1と同様にして試験電池
Aを作製し、同様の評価を行い、結果を図2に示した。
【0044】(比較例1)実施例1において、モノマー
にピロールを用い、得られた固体がLiMn2 O475
重量部ポリピロール15重量部となるようにし、これに
にバインダーとしてテフロン(C−55:旭硝子社製)
10重量部を加え、プレスして電極を作製した以外は、
実施例1及び実施例3と同様にして試験電池を作製し、
同様の評価を行い、結果を図2に示した。 (比較例2)正極活物質としてLiMn2 O4を75重
量部使用し、導電剤としてアセチレンブラック20重量
部を使用し、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン樹
脂(呉羽化学社製)を5重量部使用し、N- メチルピロ
リドンでこれらの材料を分散し、集電体に塗布乾燥した
以外は、実施例1と同様にして試験電池を作製し、同様
の評価を行い、結果を図2に示した。
【0045】図2から、実施例1〜5で得られた試験電
池は比較例1及び2で得られた試験電池に比して、容量
及びサイクル特性にすぐれていることが明らかである。
【0046】
【発明の効果】本発明の二次電池の電極用導電助剤は、
上述の構成となされ、一般式(1)又は(2)で示され
る化合物からなるので、非水系二次電池、特に非水系の
リチウム二次電池に用いられて、良好な電子伝達機能及
び良好なイオン伝導機能、並びに、バインダーとしての
結着能を併わせ持った高分子固体電解質性導電助剤を提
供することができる。また、これと電極活物質とを用い
ることによって、集電体上に電極活物質及び本発明導電
助剤が含有された塗膜が形成された二次電池の電極が提
供されるので、電極活物質から集電体への電子伝達、リ
チウムイオンの電極活物質への進入、及び、電極活物質
からの排出の効率を向上でき、バインダーとしての結着
性及び高分子電解質との界面特性が良好になる。更にか
かる電極(正極及び/又は負極)を電池に適用した場
合、高容量、高エネルギー密度であり、良好なサイクル
特性を示すリチウムイオン系ポリマーバッテリーを提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で作製した試験電池の模式断
面図。
【図2】実施例及び比較例でのサイクル試験の結果を示
すグラフ。
【符号の説明】
10a 片面正極板 10b 両面正極板 11 アルミ箔集電体 12 正極活物質層 20a 片面負極板 20b 両面負極板 21 銅箔集電体 22 負極活物質層 30 高分子固体電解質層 40 正極リード線 50 負極リード線 60 電池ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 AA06 AA08 BB01 BB14 BC05 BD00 BD03 5H029 AJ03 AJ05 AJ11 AJ14 AK02 AK03 AL06 AL08 AL12 AM01 AM16 BJ04 BJ12 DJ08 DJ11 EJ11 HJ02 HJ12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される化合物から
    なることを特徴とする二次電池の電極用導電助剤。 【化1】 (式中、Rは1〜20の繰り返し単位を有する一価のイ
    オン伝導性有機基であり、XはNH、S、O又はSeを
    表す。nは1〜10, 000の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で示される化合物から
    なることを特徴とする二次電池の電極用導電助剤。 【化2】 (式中、Rは、1〜20の繰り返し単位を有する一価の
    イオン伝導性有機基であり、XはNH、S、O又はSe
    を表す。l、mはともに1以上の自然数であり、l+m
    は2〜10,000の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 集電体上に電極活物質及び請求項1又は
    2記載の二次電池の電極用導電助剤が含有された塗膜が
    形成されていることを特徴とする二次電池の電極。
  4. 【請求項4】 正極及び/又は負極が請求項3記載の二
    次電池の電極であることを特徴とする二次電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116475A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Adeka Corp 新規重合体及び該重合体を用いた非水電解液二次電池
US7883798B2 (en) 2001-07-19 2011-02-08 Samsung Sdi Co., Ltd. Active material for battery and method of preparing the same
JP2013227578A (ja) * 2013-05-09 2013-11-07 Adeka Corp 新規重合体及び該重合体を用いた非水電解液二次電池
WO2023054367A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 日産化学株式会社 電極形成用組成物

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