JP2000131606A - バックフォーカスの長い広角レンズ - Google Patents
バックフォーカスの長い広角レンズInfo
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- JP2000131606A JP2000131606A JP10301050A JP30105098A JP2000131606A JP 2000131606 A JP2000131606 A JP 2000131606A JP 10301050 A JP10301050 A JP 10301050A JP 30105098 A JP30105098 A JP 30105098A JP 2000131606 A JP2000131606 A JP 2000131606A
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Abstract
角60°以上、Fナンバーが2.8程度の明るく、色収
差、ディストーションが良好に補正された超高画素の撮
像素子を用いたビデオカメラやデジタルスチルカメラ用
の広角レンズ。 【解決手段】 全体として負のパワーを持つ第1レンズ
群と、絞りと、全体として正のパワーを持つ第2レンズ
群とからなり、第1レンズ群は、少なくとも1つの正レ
ンズを含み全体として負のパワーを持つ第1−1レンズ
群と、少なくとも1つの負レンズを含み全体として正の
パワーを持つ第1−2レンズ群で構成され、無限遠から
近距離にフォーカスを行う際、第1−2レンズ群を物体
側から像側へ光軸方向に移動させることによりフォーカ
シングを行うバックフォーカスの長い広角レンズ。
Description
が非常に長く、無限遠物点から至近に至るまで色収差、
ディストーションが良好に補正され、特に近年の超高画
素化した撮像素子を用いたビデオカメラやデジタルスチ
ルカメラ等に適した広角レンズ、及び、そのフォーカシ
ング方法に関するものである。
ズは、撮影レンズと撮像素子との間に光学ローパスフィ
ルタ、赤外カットフィルタ等を配置させるため、長いバ
ックフォーカスを必要とする。さらに、RGB等の色毎
に撮像素子を用いたいわゆる多板式カメラは、撮像素子
の前側にカラー色フィルタを用いたいわゆる単板式カメ
ラと比較して、色分解プリズムを用いるため、より長い
バックフォーカスが必要となる。そのため、撮影レンズ
の構成は負の前群と正の後群のレトロフォーカス型とな
るものが一般的であるが、開口絞りを挟んでレンズのパ
ワー配置が非対称になるため、歪曲収差、非点収差やコ
マ収差等の軸外収差の発生量が大きい。特に広角レンズ
の場合、焦点距離の2倍以上の長いバックフォーカスが
必要となるため、前後群のパワーをより強くしなければ
ならなくなり、軸外収差等の補正が非常に困難となる。
軸上色収差は開口絞りより物体側にある前群で正の色収
差を、開口絞りより像側にある後群で負の色収差を発生
させる。また、倍率色収差に関しては、前群で負の色収
差を、後群においても負の色収差を発生させる。そのた
め、軸上色収差は前後群である程度補正することが可能
であるが、倍率色収差の補正ができない。そこで、従来
のレトロフォーカスタイプの撮影レンズは、それぞれの
群を正負複数枚のレンズで構成し、各群内で軸上色収差
と倍率色収差の発生量を小さく保ち、目標性能を達成し
ようとしている。
3−81309号や特開昭63−81310号、特開昭
63−81311号、特開平7−181376号、特開
平7−27973号、特開平10−54934号等で提
案されている。
関して、一般的には全群繰り出しあるいは撮影レンズの
一部を繰り出す方式がある。しかし、バックフォーカス
が非常に長い広角レンズの場合、撮影距離が至近になる
程収差変動が著しく発生してしまう。そのため、撮影レ
ンズの中の一部を光軸方向に移動させるインナーフォー
カス方式やリアフォーカス方式があり、収差変動の少な
いレンズ群を適切に選ぶことにより、良好な結像性能を
確保しつつ、より至近撮影を可能にすることができる。
また、全群繰り出しと比較してフォーカス群を軽量化で
きるという利点がある。このようなフォーカス方法を用
いた広角レンズは、例えば特開昭63−149618
号、特開平4−118612号等で提案されている。
により、固体撮像素子は年々小型高精細化が進み、現状
では1画素の大きさが数μm程度となっており、特にデ
ジタルカメラ市場に用いられるCCD等の撮像素子はメ
ガピクセルのものが主流となりつつある。今後さらに高
密度化が進むため、より高性能のレンズが必要とされ
る。また、業務用途の市場においてもデジタルカメラが
開発されている。その場合、銀塩カメラの画質と同等又
はそれ以上の画質が強く望まれるため、撮像素子の1画
素の大きさは従来のCCDと同様にして撮像素子の有効
面積をより大きくすることで画素数を増やし、さらなる
高画素化を図るようになっている。当然、撮影レンズの
イメージサークルはそれに伴って大きくなり、同等の結
像性能が広範囲にわたり要求される。例えば特開昭63
−81309号や特開昭63−81310号、特開昭6
3−81311号、特開平7−181376号、特開平
7−27973号等に記載されている広角レンズは、バ
ックフォーカスが十分確保されているものの、諸収差の
補正が十分ではなく、近年の高画素化した撮像素子を用
いたカメラには用いることができない。
板式カメラは、通常の単板式カメラと比較しても非常に
長いバックフォーカスが必要になるため、負の前群及び
正の後群それぞれのパワーを大きくするか、あるいは、
前後群の間隔を大きくする必要がある。前者の場合は軸
外収差の悪化を招き、特にディストーションと倍率色収
差の補正が非常に困難となる。業務用途の市場ではディ
ストーションをかなり小さく抑えられることが望まれて
いる。倍率色収差に関しても、3板式の場合は色ずれが
顕著になるため、より小さく抑えることが望まれてい
る。また、後者の場合はレンズ全長が大きくなってしま
う欠点がある。特開平7−181376号に関しては、
諸収差は良好に補正されているが、ディストーションが
最周辺で5%あるいはそれ以上あり好ましくなく、さら
には、バックフォーカスが十分確保できていない。ま
た、特開平10−54934号に関しては、バックフォ
ーカスを十分確保しているものの、倍率色収差が大き
く、画質劣化の大きな原因となる。
上述したように、長いバックフォーカスの広角レンズの
場合、リアフォーカス方式やインナーフォーカス方式が
有効であるが、その場合、非点収差やコマ収差等の軸外
収差の変動が大きくなる。例えば特開昭63−1496
18号の広角レンズは、最も像側の1つ以上の正レンズ
をフォーカス群としたリアフォーカス方式をとってい
る。この広角レンズは、無限遠から至近にフォーカシン
グを行うと、前記フォーカス群に入射する軸外光線の光
線高の変化が至近撮影になるに従い大きくなり、さらに
は、軸外光束の光線高が高いため、非点収差やコマ収
差、ディストーションの変動が大きくなってしまう。そ
のため、フォーカシングによる性能劣化が著しく、近年
の高画素化した撮像素子を用いたカメラには用いること
ができない。また、特開平4−118612号の広角レ
ンズは、フォーカス群が2つ別々に移動する方法をとっ
ている。この実施例は収差変動は小さいが、フォーカス
群が大きく、鏡枠の機械的な強度を強くしなければなら
ない。また、レンズ保持枠も大きくなり、結果的にフォ
ーカシング群を移動させる駆動力が大きくなってしま
う。そのため、自動焦点調節を行う場合には不利とな
る。これらのことを考慮すると、フォーカス群は小型軽
量でかつ移動量が少ない方法が望まれる。
みてなされたものであり、その目的は、バックフォーカ
スが焦点距離の2倍以上と非常に長く、画角60°以
上、Fナンバーが2.8程度と明るく、色収差、ディス
トーションが良好に補正された、特に近年の超高画素の
撮像素子を用いたビデオカメラやデジタルスチルカメラ
等に適した広角レンズを提供することである。
至近に至るまで収差変動を極力小さくし、レンズ鏡筒が
簡単な構造で、かつ、フォーカス群の軽量化を行った広
角レンズを提供することである。
明のバックフォーカスの長い広角レンズは、物体側から
順に、全体として負のパワーを持つ第1レンズ群と、絞
りと、全体として正のパワーを持つ第2レンズ群とから
なり、前記第1レンズ群は、少なくとも1つの正レンズ
を含み全体として負のパワーを持つ第1−1レンズ群
と、少なくとも1つの負レンズを含み全体として正のパ
ワーを持つ第1−2レンズ群で構成され、以下の条件式
を満足することを特徴とするものである。 (1) 1.5<D/f<5.0 (2) −10.0<f12/f11<−2.8 ただし、D:無限遠物体にフォーカス時の第1レンズ群
の最も像側の面と第2レンズ群の最も物体側の面との距
離、f:全系のd線の焦点距離、f11:第1−1レンズ
群のd線の焦点距離、f12:第1−2レンズ群のd線の
焦点距離、である。
スの長い広角レンズは、物体側から順に、全体として負
のパワーを持つ第1レンズ群と、絞りと、全体として正
のパワーを持つ第2レンズ群とからなり、前記第1レン
ズ群は、少なくとも1つの正レンズを含み全体として負
のパワーを持つ第1−1レンズ群と、少なくとも1つの
負レンズを含み全体として正のパワーを持つ第1−2レ
ンズ群で構成され、無限遠から近距離にフォーカスを行
う際、前記第1−2レンズ群を物体側から像側へ光軸方
向に移動させることによりフォーカシングを行うことを
特徴とするものである。
明する。レトロフォーカスタイプの撮影レンズの場合、
開口絞りを挟んで非対称なパワー配置となっているた
め、倍率色収差やディストーションの補正が非常に困難
となる。そのため、前後群をそれぞれ正負複数枚のレン
ズ構成にすることで各群の収差の発生量を極力小さくす
ることが望ましい。特に第1群は、十分なバックフォー
カスを確保しつつ、倍率色収差とディストーションを良
好に補正することを目的として、負のパワーを持つ1−
1群の像側に正のパワーを持つ1−2群を配している。
さらに、1−1及び1−2群内で収差の発生量を極力小
さく抑えるために、1−1群内には少なくとも1枚の正
レンズを、1−2群内には少なくとも1枚の負レンズを
配することが望ましい。
ような構成の広角レンズの倍率色収差及びディストーシ
ョンを極めて良好に補正するための条件式であり、第1
群と第2群との間隔と、第1群の1−1群及び1−2群
のパワー配分を規定したものである。条件式(1)の下
限の1.5を越えると、前後群の間隔が狭くなるため、
レンズ全長の短縮化は図られるが、長いバックフォーカ
スを確保するためには各群の、特に1−1群の負のパワ
ーを強くしなければならなくなり、レトロフォーカスタ
イプの非対称性なパワー配置がより顕著となると同時
に、軸外光線高が非常に高いため、非点収差、コマ収差
等の軸外収差の補正が非常に困難となる。条件式(1)
の上限の5.0を越えると、レンズ全長が非常に長くな
るため好ましくない。また、条件式(2)の下限の−1
0.0を越えると、1−2群のパワーが弱くなり、所望
の倍率色収差及びディストーションの補正ができなくな
る。条件式(2)の上限の−2.8を越えると、1−2
群のパワーが強くなり、第1群の負のパワーが弱くなる
ため、バックフォーカスの確保ができなくなり好ましく
ない。
範囲であることが望ましい。 (4) 2.3<D/f<4.0 (5) −9.0<f12/f11<−3.0 この範囲内であれば、さらに倍率色収差及びディストー
ションを良好に補正することが可能である。
近距離にフォーカスを行う際、第1−2レンズ群を物体
側から像側へ光軸方向に移動させることによりフォーカ
シングを行うことを特徴とする広角レンズである。イン
ナーフォーカス方式の場合、例えばフォーカシング群よ
り物体側の群が略アフォーカル系であれば、フォーカシ
ングの際、球面収差の変動が小さく抑えられる。しか
し、軸外光束は光軸に対してある程度の角度を有してい
るため、フォーカシング群の移動により入射光線高が変
化してしまい、像面湾曲、コマ収差の変動が大きくなっ
てしまう。
パワーの1−1レンズ群と正パワーの1−2レンズ群で
構成し、1−2群を像側へ移動させることで第1群のパ
ワーを弱め、フォーカシングを行っている。その場合、
全体繰り出しと比較してフォーカス群の移動量が小さく
することができ、また、前後群の間隔がある程度確保さ
れているため、フォーカス群の移動スペースを十分確保
することができる。さらに至近にフォーカシングを行う
場合、負パワーの1−1レンズ群で軸外光束を光軸と略
平行にでき、1−2群を光軸方向に移動させても軸外光
線の光線高の変化を小さくすることができるため、像面
湾曲、コマ収差等の軸外収差の変動を小さく抑えること
が可能となる。
又は両方の条件式を満足することが望ましい。理由に関
しては上述したが、特に(2)の条件式に関しては、フ
ォーカシングの際、条件式(2)の下限を越えると、1
−2群のパワーが弱くなり、フォーカス群の移動距離が
大きくなってしまう。そのため、結果的に収差変動が大
きくなり、所望の結像性能が得られなくなってしまう。
また、それに合わせて1−1群のパワーを弱くすると、
軸外光束が光軸に対して略平行にできなくなり、フォー
カシングの際、フォーカス群に入射する軸外光線高が大
きく変化してしまい、軸外収差の変動を大きくしてしま
う。また、条件式(2)の上限を越えると、1−2群の
パワーが非常に強くなり、フォーカス群の移動量が極め
て少なくなり、機械的な位置出し及びその制御ができな
くなり好ましくない。
(4)及び(5)の範囲であることが望ましい。その範
囲内であればフォーカシングの際の収差変動を極めて小
さくすることが可能となる。
の条件式を満足することが望ましい。 (3) 3.0<{Σ(νdi×Φi ) }/Φ<20.0 ただし、νdi:第1−2レンズ群のi番目にあるレンズ
のd線のアッベ数、Φi:第1−2レンズ群のi番目に
あるレンズのd線のパワー、Φ:全系のd線のパワー、
である。
第1群で極力発生させないための条件式で、特にフォー
カシング時の色収差の変動を極力抑えるための条件式で
あり、1−2群の正レンズ群の等価アッベ数と負レンズ
群の等価アッベ数の差を表わしている。上述したよう
に、レトロフォーカスタイプの広角レンズの色収差は、
各群内で極力発生量を抑えることが望ましい。そのた
め、負パワーの第1群は一般的には低分散の負レンズと
高分散の正レンズを組み合わせる。しかし、本発明の広
角レンズの場合、1−2群内で色収差を極力小さく抑え
る必要がある。そのため、1−2群内の正レンズは負レ
ンズよりも低い分散特性を持つ硝材が必要となる。その
ため、条件式(3)の範囲内であることが望ましい。条
件式(3)の上限の20.0を越えると、1−2群内で
発生する倍率色収差を補正することが困難となり、ま
た、フォーカシングの際に倍率色収差が大きく変動して
しまう。また、1−1群と1−2群で軸上色収差が補正
過剰となり、結果的に後群で発生する軸上色収差も補正
できなくなり好ましくない。また、条件式(3)の下限
の3.0を越えると、1−2群内では色収差が小さくな
るが、第1群内で倍率色収差を極力小さく抑えることが
できなくなり好ましくない。したがって、条件式(3)
の範囲内であれば、色収差を良好に補正することが可能
となる。
(6)の範囲であることが望ましい。
バランス良く補正することが可能である。
レンズと撮像素子の間に色分解プリズム、光学ローパス
フィルタ、赤外カットフィルタ等を配置するためのバッ
クフォーカスを十分確保するために、以下の条件式の何
れか又は両方を満足することが望ましい。 (7) −8.00<f1 /f<−2.00 (8) 2.40<f2 /f<3.30 ただし、f1 :第1群の焦点距離、f2 :第2群の焦点
距離、である。
保ちながらも非常に長いバックフォーカスを確保するた
めの条件式で、全系の焦点距離に対する前後群の焦点距
離を規定するものである。条件式(7)は第1群の焦点
距離を規定するもので、上限の−2.00を越えると、
十分なバックフォーカスを確保することは可能である
が、非対称なパワー配分がより顕著となり、コマ収差、
非点収差、ディストーション等の軸外収差が悪化し、補
正が非常に困難となる。さらに、第1群で発生する倍率
色収差の増加も招くことになる。また、下限の−8.0
0を越えると、第1群のパワーが非常に弱くなり、十分
なバックフォーカスを確保できなくなり、本発明の属す
る技術分野の撮影レンズとしては好ましくない。条件式
(8)は第2群の焦点距離を規定するもので、上限の
3.30を越えると、第2群のパワーが弱くなり、所望
の仕様を得るためには、第1群のパワーも弱くしなけれ
ばならなく、レンズ全長が非常に長くなってしまう。条
件式(8)の下限の2.40を越えると、第2群のパワ
ーが大きくなり、球面収差が大きく補正不足になると同
時に、コマ収差、像面湾曲の補正が困難となる。
することで球面収差及び軸外収差を良好に保ちながら、
十分なバックフォーカスを確保することが可能となる。
条件式(9)及び(10)の範囲内であることが望まし
い。 (9) −6.00<f1 /f<−2.15 (10)2.40<f2 /f<3.00 この範囲内であれば、さらに単色収差、色収差を良好に
補正しながらバックフォーカスを十分確保することが可
能である。
式の範囲内のバックフォーカスを有す得ることが望まし
い。 (11)2.0<fB /f<4.0 ただし、fB :空気換算のバックフォーカス、である。
像側に配置される色分解プリズム、光学ローパスフィル
タ、赤外カットフィルタ等を挿入するために必要なバッ
クフォーカスを規定するための条件式である。条件式
(11)の上限の4.0を越えると、前後群のパワーを
より強める必要があり、収差補正が非常に困難となる。
また、撮像装置そのものが大きくなり好ましくない。ま
た、条件式(11)の下限の2.0を越えると、上述し
た光学部材が挿入できなくなり、やはり好ましくない。
したがって、本発明の広角レンズは条件式(11)の範
囲内のバックフォーカスを有することが望ましい。
最も物体側のレンズが正レンズであることが望ましい。
最も物体側のレンズは、軸外光束が最も高いため、その
正レンズと像側の負レンズとの空気レンズの作用により
高次のディストーション及び倍率色収差を発生させるこ
とができ、全系として良好にディストーション及び倍率
色収差を補正することが可能となる。
条件式を満足することが望ましい。 (12)0.6<(R2f+R2b)/(R2f−R2b)<5.0 ただし、R2f:1−2群の最も物体側にある面の曲率半
径、R2b:1−2群の最も像側にある面の曲率半径、で
ある。
差変動を極力小さく抑えるための条件式で、1−2群の
仮想シェープファクタを規定する条件式である。条件式
(12)の上限の5.0を越えると、その2つの曲率が
非常に近くなり、1−2群のパワーが弱くなるためフォ
ーカシングの移動量が大きくなってしまう。また、その
2つの曲率半径を大にした場合、軸上マージナル光線の
1−2群に入射する角度が大きくなり、フォーカシング
の際、球面収差の変動が大きくなると共に、像側の面で
補正しているディストーション、倍率色収差及びペッツ
バール和が補正不足となる。また、その2つの曲率半径
を小にした場合、1−2群に入射する軸外光束の入射角
が大きくなり、コマ収差が悪化し好ましくない。また、
像側の面のパワーが非常に強くなるので、フォーカシン
グの際、メリディオナル面の変動が大きくなり好ましく
ない。条件式(12)の下限の0.6を越えると、1−
2群のパワーが強くなり、バックフォーカスの確保が非
常に困難となり、また、軸外光束のフォーカス群への入
射角が大きくなり軸外収差の変動が大きくなってしま
う。
(13)の範囲内であることが望ましい。 (13)0.9<(R2f+R2b)/(R2f−R2b)<3.5 また、本発明の撮像装置の構成は、以上の少なくとも何
れかの広角レンズを用いた撮像装置である。以上で説明
してきた広角レンズを用いることにより、近年の超高画
素化した撮像素子を用いた撮像装置を提供することがで
きる。
カスの長い広角レンズの各実施例について説明する。以
下の実施例1から5の広角レンズの断面図をそれぞれ図
1〜図5に示す。各図中、(a)は無限遠撮影時、
(b)は撮影倍率β=1/30、(c)は撮影倍率β=
1/20(実施例1、3)若しくは1/10(実施例
2、4)の時の断面図である。また、実施例1の無限遠
撮影時の収差図を図6に、撮影倍率β=1/30の時の
収差図を図7に、撮影倍率β=1/20の時の収差図を
図8に示す。図6〜図8において、SAは球面収差、A
Sは非点収差、DTは歪曲収差、CCは倍率色収差、C
Mはコマ収差を示す。図中、“FIY”は像高を示す。
他の実施例も実施例1と同等の収差上の性能であるた
め、図示は省いた。なお、実施例1の断面図(図1)の
最も像側にある4枚の平行平板11〜14は、それぞれ
色分解プリズム、赤外カットフィルタ、ローパスフィル
タ等を想定したもので、以下全ての実施例においても同
様である。
に、物体側から順に、全体として負のパワーの第1−1
群が、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、物体
側の凸面を向けた2枚の負メニスカスレンズ、両凹レン
ズの4枚構成、全体として正パワーの第1−2群が、両
凹レンズと両凸レンズの2枚構成、全体として正パワー
の第2群が、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、像
側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、像側に凸面を向
けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズと両
凸レンズの接合レンズ、及び、両凸レンズの6群8枚構
成で、レンズ全系で12群14枚構成となっている。フ
ォーカス方式は、無限遠撮影から近距離撮影にかけて第
1−2群を像側に繰り込むことによりフォーカシングを
行っている。フォーカシング群の移動量は1.9mmと
非常に少なく、撮影距離が無限遠から至近約300mm
まで略収差変動を極めて小さく抑えることが可能となっ
ている。またフォーカシング群は負レンズと正レンズの
2枚のみとなっているため、フォーカシング群の軽量化
も図られ、結果的にレンズ保持枠の簡素化も可能とな
る。
に、物体側から順に、全体として負のパワーの第1−1
群が、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、物体
側の凸面を向けた2枚の負メニスカスレンズ、両凹レン
ズの4枚構成、全体として正パワーの第1−2群が、両
凹レンズと両凸レンズの接合レンズの1群2枚構成、全
体として正パワーの第2群が、両凸レンズと両凹レンズ
の接合レンズ、像側に凸面を向けた正メニスカスレン
ズ、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レン
ズ、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズ、及び、両凸
レンズの6群8枚構成で、レンズ全系で11群14枚構
成となっている。フォーカス方式は、無限遠撮影から近
距離撮影にかけて第1−2群を像側に繰り込むことによ
りフォーカシングを行っている。この実施例では、フォ
ーカス群(第1−2群)は接合レンズになっており、こ
の場合、フォーカシング群の偏心の効きが非常に弱くな
るため、組み立ての際の利点となる。
短縮化を行った例であり、レンズ構成は実施例1と略同
様で、最も像側の接合レンズが、像側の凸面を向けた正
メニスカスレンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレ
ンズの接合レンズとなっている。すなわち、図3に示す
ように、物体側から順に、全体として負のパワーの第1
−1群が、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、
物体側の凸面を向けた2枚の負メニスカスレンズ、両凹
レンズの4枚構成、全体として正パワーの第1−2群
が、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レ
ンズの2枚構成、全体として正パワーの第2群が、両凸
レンズと両凹レンズの接合レンズ、像側に凸面を向けた
正メニスカスレンズ、像側に凸面を向けた負メニスカス
レンズ、両凸レンズ、像側の凸面を向けた正メニスカス
レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合
レンズ、及び、両凸レンズの6群8枚構成で、レンズ全
系で12群14枚構成となっている。この実施例のよう
に、全長をある程度短縮化した場合でも、良好な結像性
能が達成可能である。
に、物体側から順に、全体として負のパワーの第1−1
群が、凸平正レンズ、物体側の凸面を向けた負メニスカ
スレンズ、両凹レンズの3枚構成、全体として正パワー
の第1−2群が、両凹レンズと両凸レンズの2枚構成、
全体として正パワーの第2群が、両凸レンズと両凹レン
ズの接合レンズ、両凸レンズと像側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズの接合レンズ、両凸レンズ、物体側に凸
面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズの接合レン
ズの4群7枚構成で、レンズ全系で9群12枚構成とな
っている。レンズ枚数を削減した場合でも、至近撮影距
離が約122mmまで良好な結像性能が達成できてい
る。
レンズ系全長の短縮化を行ったのものである。レンズ構
成は実施例1と略同様であり、良好な結像性能を得られ
ている。すなわち、図5に示すように、物体側から順
に、全体として負のパワーの第1−1群が、物体側に凸
面を向けた正メニスカスレンズ、物体側の凸面を向けた
3枚の負メニスカスレンズの4枚構成、全体として正パ
ワーの第1−2群が、物体側の凸面を向けた負メニスカ
スレンズと両凸レンズの2枚構成、全体として正パワー
の第2群が、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、像
側に凸面を向けた正メニスカスレンズ、像側に凸面を向
けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズと両
凸レンズの接合レンズ、及び、両凸レンズの6群8枚構
成で、レンズ全系で12群14枚構成となっている。
示す。なお、表中、記号は上記の他、f は全系の焦点距
離、Fno はFナンバー、ωは半画角、fbは空気換算のバ
ックフォーカス、IHは像高、Ndは各レンズのd線の屈折
率、νd はd線のアッベ数、OBJ は物体距離、STO は開
口絞りを表す。また、INF は無限大を表す。
角レンズは例えば次のように構成することができる。 〔1〕 物体側から順に、全体として負のパワーを持つ
第1レンズ群と、絞りと、全体として正のパワーを持つ
第2レンズ群とからなり、前記第1レンズ群は、少なく
とも1つの正レンズを含み全体として負のパワーを持つ
第1−1レンズ群と、少なくとも1つの負レンズを含み
全体として正のパワーを持つ第1−2レンズ群で構成さ
れ、以下の条件式を満足することを特徴とするバックフ
ォーカスの長い広角レンズ。
の最も像側の面と第2レンズ群の最も物体側の面との距
離、f:全系のd線の焦点距離、f11:第1−1レンズ
群のd線の焦点距離、f12:第1−2レンズ群のd線の
焦点距離、である。
パワーを持つ第1レンズ群と、絞りと、全体として正の
パワーを持つ第2レンズ群とからなり、前記第1レンズ
群は、少なくとも1つの正レンズを含み全体として負の
パワーを持つ第1−1レンズ群と、少なくとも1つの負
レンズを含み全体として正のパワーを持つ第1−2レン
ズ群で構成され、無限遠から近距離にフォーカスを行う
際、前記第1−2レンズ群を物体側から像側へ光軸方向
に移動させることによりフォーカシングを行うことを特
徴とするバックフォーカスの長い広角レンズ。
満足することを特徴とするバックフォーカスの長い広角
レンズ。
の最も像側の面と第2レンズ群の最も物体側の面との距
離、f:全系のd線の焦点距離、f11:第1−1レンズ
群のd線の焦点距離、f12:第1−2レンズ群のd線の
焦点距離、である。
て、以下の条件式を満足することを特徴とするバックフ
ォーカスの長い広角レンズ。
のd線のアッベ数、Φi:第1−2レンズ群のi番目に
あるレンズのd線のパワー、Φ:全系のd線のパワー、
である。
広角レンズを用いたことを特徴とする撮像装置。
の広角レンズは、バックフォーカスが焦点距離の2倍以
上と非常に長く、画角60°以上、Fナンバーが2.8
程度と明るく、色収差、ディストーションが良好に補正
された、特に近年の超高画素の撮像素子を用いたビデオ
カメラやデジタルスチルカメラ等に適した広角レンズを
提供することができる。また、無限遠物点から至近に至
るまで収差変動を極力小さくし、レンズ鏡筒が簡単な構
造で、かつ、フォーカス群の軽量化を行った広角レンズ
及びその広角レンズを用いた撮像装置を提供することが
できる。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
赤外カットフィルタ、ローパスフィルタ等)
Claims (3)
- 【請求項1】 物体側から順に、全体として負のパワー
を持つ第1レンズ群と、絞りと、全体として正のパワー
を持つ第2レンズ群とからなり、前記第1レンズ群は、
少なくとも1つの正レンズを含み全体として負のパワー
を持つ第1−1レンズ群と、少なくとも1つの負レンズ
を含み全体として正のパワーを持つ第1−2レンズ群で
構成され、以下の条件式を満足することを特徴とするバ
ックフォーカスの長い広角レンズ。 (1) 1.5<D/f<5.0 (2) −10.0<f12/f11<−2.8 ただし、D:無限遠物体にフォーカス時の第1レンズ群
の最も像側の面と第2レンズ群の最も物体側の面との距
離、f:全系のd線の焦点距離、f11:第1−1レンズ
群のd線の焦点距離、f12:第1−2レンズ群のd線の
焦点距離、である。 - 【請求項2】 物体側から順に、全体として負のパワー
を持つ第1レンズ群と、絞りと、全体として正のパワー
を持つ第2レンズ群とからなり、前記第1レンズ群は、
少なくとも1つの正レンズを含み全体として負のパワー
を持つ第1−1レンズ群と、少なくとも1つの負レンズ
を含み全体として正のパワーを持つ第1−2レンズ群で
構成され、無限遠から近距離にフォーカスを行う際、前
記第1−2レンズ群を物体側から像側へ光軸方向に移動
させることによりフォーカシングを行うことを特徴とす
るバックフォーカスの長い広角レンズ。 - 【請求項3】 請求項2において、以下の条件式を満足
することを特徴とするバックフォーカスの長い広角レン
ズ。 (1) 1.5<D/f<5.0 (2) −10.0<f12/f11<−2.8 ただし、D:無限遠物体にフォーカス時の第1レンズ群
の最も像側の面と第2レンズ群の最も物体側の面との距
離、f:全系のd線の焦点距離、f11:第1−1レンズ
群のd線の焦点距離、f12:第1−2レンズ群のd線の
焦点距離、である。
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