JP2000130357A - 液圧モータ・ポンプのローラ保持リングの製造方法 - Google Patents

液圧モータ・ポンプのローラ保持リングの製造方法

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JP2000130357A
JP2000130357A JP30824098A JP30824098A JP2000130357A JP 2000130357 A JP2000130357 A JP 2000130357A JP 30824098 A JP30824098 A JP 30824098A JP 30824098 A JP30824098 A JP 30824098A JP 2000130357 A JP2000130357 A JP 2000130357A
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roller
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holding ring
ring
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Seiji Minegishi
清次 峯岸
Tetsuzo Ishikawa
哲三 石川
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラ保持孔内におけるローラの滑り回転を
良くする。 【解決手段】 内周に半円状のローラ保持孔を有するロ
ーラ保持リングと、各ローラ保持孔に回転可能に嵌合さ
れたローラとから内歯歯車が構成され、該内歯歯車に外
歯歯車が内接噛合され、両歯形間に形成された空間の容
積変化を利用してモータ作用あるいはポンプ作用を得る
ようにした液圧モータ・ポンプのローラ保持リングの製
造方法であって、ローラ保持リング基材151の内径φ
DAを仕上径まで加工する前に、リング基材に対してロ
ーラ保持孔131aを全円孔として切削加工し、該ロー
ラ保持孔131aの内面をローラバニッシング加工によ
り表面仕上げした後、ローラ保持リングの内径を仕上径
まで拡大加工して、半円状のローラ保持孔を有するロー
ラ保持リングを得る。こうすることで、ローラ保持孔と
ローラの間を流体潤滑に近い状態で潤滑できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内歯歯車と外歯歯
車の両歯形間に形成される空間の容積変化を利用してモ
ータ作用あるいはポンプ作用を得るようにした液圧モー
タ・ポンプにおいて、その内歯歯車の一部を構成するロ
ーラ保持リングの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、この種の液圧モータ・ポンプの例
として、図9、図10を参照しながら公知のトロコイド
形油圧モータについて説明する。
【0003】このトロコイド形油圧モータは、出力機構
部Aと変位機構部Bとバルブ機構部Cの3つの部分より
なる。出力機構部Aは、ベアリング1で回転自在に支持
された出力軸2を有する。変位機構部Bは、内歯歯車3
と、それに内接噛合する外歯歯車4とを有しており、両
歯車の歯形間に容積変化室11を形成している。バルブ
機構部Cは、回転することで圧油の流路を切り換えるバ
ルブプレート5を有しており、ポンプより供給された圧
油を変位機構部Bの容積変化室11に分配供給すると共
に、戻り側の油を容積変化室11から回収する役目を果
たす。
【0004】出力機構部Aと変位機構部Bの間は第1伝
動軸6により回転力が伝達され、変位機構部Bとバルブ
機構部Cの間は第2伝動軸7により回転力が伝達され
る。そのために、第1伝動軸6の両端は、遊合スプライ
ン61、62により出力機構部Aの出力軸2及び変位機
構部Bの外歯歯車4にそれぞれ係合している。また、第
7伝動軸2の両端は、遊合スプライン71、72により
変位機構部Bの外歯歯車4及びバルブ機構部Cのバルブ
プレート5にそれぞれ係合している。
【0005】ここで、第1伝動軸6は、変位機構部Bで
発生する外歯歯車4の揺動回転のうち、揺動成分を取り
除いて自転成分のみを回転力として出力軸2に取り出す
役目を果たす。また、第2伝動軸7は、変位機構部Bで
発生する外歯歯車4の揺動回転のうち、揺動成分を取り
除いて自転成分のみを回転力としてバルブプレート5に
取り出す役目を果たす。
【0006】変位機構部Bの構成要素の一つである内歯
歯車3は、内周に軸線方向に沿った複数の半円状のロー
ラ保持孔31を有するローラ保持リング32と、各ロー
ラ保持孔31に嵌合され且つローラ保持孔31から露出
した部分で円弧状歯形を形成するローラ33とから構成
されている。また、外歯歯車4の歯形としてはトロコイ
ド歯形が採用されており、外歯歯車4の歯数は内歯歯車
3の歯数より1個少なく設定されている。さらに内歯歯
車3の中心O1に対して外歯歯車4の中心O2は偏心し
ており、外歯歯車4と内歯歯車3は、歯形の接触点によ
り内歯歯車3の歯数(図示例の場合7個)と同数の容積
変化室11を形成している。
【0007】次に作用を述べる。
【0008】バルブ機構部Cを介して圧油を変位機構部
Bの所定の容積変化室11に選択的に送ると、容積変化
室11が順次容積変化(膨張及び収縮)してゆき、外歯
歯車4が内歯歯車3の中心O1の周りに揺動回転する。
この回転力は、外歯歯車4から第1伝動軸6を介して出
力軸2に伝達され、偏心運動を伴わない自転成分のみが
出力軸2から外部に取り出される。
【0009】なお、このモータをポンプとして使用する
場合は、上記と逆に、出力軸2に回転動力を与えること
で、容積変化室11の容積変化によって、バルブプレー
ト5を通して圧油が外部に取り出される。
【0010】以上のトロコイド形油圧モータ(ポンプ)
では、内歯歯車3と外歯歯車4は、互いに内接噛合する
ことにより、動力の伝達と容積変化室11を区画する機
能を果たす。動力伝達だけの機能を果たすためであれ
ば、内歯歯車3の個々の歯形と外歯歯車4の歯形のうち
の一部のみが内接噛合していれば十分であるから、例え
ば外歯歯車4の歯形曲線を修正して、外歯歯車4の歯形
の凹部のみを内歯歯車3の歯形と噛合させるようにし
て、強度の保持や摩耗の低減を図ることも可能である
が、モータあるいはポンプとして使用する場合には、容
積変化室11を厳密に区画する機能も要求されるため、
個々の歯形は常に噛合していなければならない。
【0011】従って、歯形同士の接触部分が多いゆえ
に、小形化及び高圧化を達成するためには、噛み合い部
分や摺動部分を持つ部品のうち、外歯歯車は高力特性を
有し、内歯歯車は高硬度特性を有するように作らなけれ
ばならず、そのために通常は、外歯歯車及び内歯歯車と
もに、比較的高い摩擦係数を有する金属材料で製作して
いる。しかし、このことは動力変換効率の低下及び使用
流体の温度上昇につながる要因になっていた。
【0012】そこで、歯形の表面に低摩擦材料を内張り
することや、歯形の表面にニッケルの薄い無電解皮膜を
付けて摩擦係数を低下させることが提案されているが、
未だ十分に摩耗の問題は解決されないのが実情であっ
た。
【0013】一方、従来では、油圧機器の摺動部分に燐
酸塩皮膜等の化成処理皮膜を形成して、摺動部分の摩擦
係数を低下させることが知られている。この化成処理皮
膜はそれ自体が低摩擦係数ではなく、微小な凹凸に多量
の潤滑油を保持しているために低摩擦係数となるもので
ある。
【0014】トロコイド形油圧モータの歯形の噛み合い
部や摺動接触面に上記公知の化成処理皮膜を形成するこ
とも考えられるが、化成処理皮膜はそれ自体が非常に摩
耗しやすく、皮膜が短時間で剥がれてしまう欠点があ
る。
【0015】そこで、本出願人は、トロコイド形油圧モ
ータ・ポンプの外歯歯車と内歯歯車の歯形の接触面の摩
擦係数を小さくし、且つ、動力損失の低減を達成するこ
とのできる接触面を提供することを目的にして、特公平
3−3075号公報(特許1645246号)に示され
るような、歯形の研削目の歯筋方向及び該研削目の歯筋
方向と交差する方向に凹凸面が形成された接触面と、こ
の凹凸の高さよりも低い膜厚で前記接触面に形成された
化成処理皮膜とからなる歯形の接触面を提案した。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、公知のこれら
の方法はいずれも、外歯歯車と内歯歯車の歯形の接触面
の摩擦係数を小さくすることに注目したものであり、ロ
ーラ保持孔に対するローラの滑り回転を良くする(液体
潤滑させる)という発想を持つものではなかった。
【0017】したがって従来では、ローラ保持孔は、ブ
ローチ加工、もしくは図11に示すような小径砥石40
を用いた研削加工によって加工しているのみで、特別な
仕上げ加工を施しているわけではなかった。
【0018】具体的に言うと、従来公知のブローチによ
る切削は、加工の最終工程までが切削(素材の剪断加
工)によるので、図12に示すように、ローラ保持孔3
1の周方向の粗さは、ブローチの摩耗状態と切れ味によ
っても異なるが、おおよそ5〜10μm程度が限界であ
った。同様に、図11の研削加工によっても、加工の最
終工程までが素材の剪断加工によるので、図13に示す
ように、ローラ保持孔31の周方向の粗さは、おおよそ
1〜2μm程度が限界であった。
【0019】そのため、外歯歯車4と内歯歯車3の噛み
合いに伴ってローラ保持孔31内でローラ33が滑り回
転するときの摩擦損失が大きくなり、それが、特に起動
時の効率を低下させたり、部品寿命を短くしたり、騒音
を増大させたりする要因になっていた。
【0020】本発明は、上記事情を考慮し、ローラ保持
孔内におけるローラの滑り回転を良くし、ローラとロー
ラ保持孔間の摩擦損失を低減することにより、効率の向
上、長寿命化、低騒音化を図ることのできる、油圧モー
タ・ポンプの内接歯車の一部を構成するローラ保持リン
グの製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、外歯歯車と内
歯歯車の動力伝達特性を考察し、外歯歯車の歯形と内歯
歯車の歯形(ローラ)との噛み合いはほとんどが転がり
接触であるが、ローラとローラ保持孔の間は滑り接触で
あることに着目し、ローラとローラ保持孔との間の潤滑
を、より流体潤滑に近づけることにより、高効率と長寿
命と低騒音とを低コストで実現するようにしたものであ
る。
【0022】即ち、請求項1の発明は、内周に軸線方向
に沿った複数の半円状のローラ保持孔を有するローラ保
持リングと、前記各ローラ保持孔に回転可能に嵌合され
且つ前記ローラ保持孔から露出した部分で円弧状歯形を
形成するローラとから内歯歯車が構成されており、該内
歯歯車に、前記円弧状歯形に対応する歯形を有した外歯
歯車が内接噛合され、両歯形間に形成された空間の容積
変化を利用してモータ作用あるいはポンプ作用を得る液
圧モータ・ポンプの前記ローラ保持リングの製造方法に
おいて、前記ローラ保持孔を切削加工する工程と、該ロ
ーラ保持孔の内面をローラバニッシング加工により塑性
加工仕上げする工程とを、含むことにより、上記課題を
解決したものである。
【0023】ここで、ローラバニッシング加工とは、滑
らかな表面をもつ転圧ローラをローラ保持孔の内面に押
し付けながら回転させ、ローラ保持孔の内面に塑性変形
と加工硬化を生じさせながら、ローラ保持孔の内面を滑
らかな仕上面に加工する方法である。
【0024】このローラバニッシング加工を行うことに
より、ローラ保持孔の内面の凹凸の高さを0.5μm未
満にすることができると共に、ローラ保持孔の表面の金
属組織を緻密にすることができて、結果的に、高効率と
長寿命を実現することができる。
【0025】なお、他の1つの方法として、例えばブロ
ーチ加工における打抜き工具の最終段に径が大きめの鏡
面部分を形成しておき、この大きめの径とされた鏡面の
最終段にてピン保持孔の内面をつぶすようにして塑性加
工する方法も考えられるが、この方法では前記打抜き工
具を軸方向に移動するときに内面を軸方向に沿って加工
するだけなため、十分な効果が得られないことが確認さ
れている。本発明では切削の後、ローラバニシングにて
鏡面加工しているため、良好な鏡面が得られる。
【0026】ところで、塑性加工によってローラ保持孔
の内面を仕上げするために、ローラバニシング加工によ
って「半径状の」内面を仕上げしようとした場合、この
加工法は切削加工とは異なり、該半円状の内面を正確な
芯を出しながら加工することが極めて難しいという問題
がある。そのため、表面粗さの点では滑らかさを確保で
きても、そのままではこの種のポンプモータのローラ保
持孔に要求される正確な(寸法の)半円に仕上げること
はできない。
【0027】そこで、請求項2の発明は、内周に軸線方
向に沿った複数の半円状のローラ保持孔を有するローラ
保持リングと、前記各ローラ保持孔に回転可能に嵌合さ
れ且つ前記ローラ保持孔から露出した部分で円弧状歯形
を形成するローラとから内歯歯車が構成されており、該
内歯歯車に、前記円弧状歯形に対応する歯形を有した外
歯歯車が内接噛合され、両歯形間に形成された空間の容
積変化を利用してモータ作用あるいはポンプ作用を得る
液圧モータ・ポンプの前記ローラ保持リングの製造方法
において、前記ローラ保持孔を全円孔として包含し得る
内径(零を含む)のローラ保持リング基材に対して前記
ローラ保持孔を全円孔として切削加工する工程と、該切
断加工工程後に各ローラ保持孔の内面をローラバニッシ
ング加工により塑性加工仕上げする工程と、該塑性加工
仕上げ工程後に前記ローラ保持リング基材の内径を仕上
径まで拡大加工することにより、全円孔として内面仕上
げした前記各ローラ保持孔のリング内周側部分を開口し
て、前記半円状のローラ保持孔とする工程と、を含むこ
とにより、上記課題を解決した。
【0028】また、請求項3の発明は、内周に軸線方向
に沿った複数の半円状のローラ保持孔を有するローラ保
持リングと、前記各ローラ保持孔に回転可能に嵌合され
且つ前記ローラ保持孔から露出した部分で円弧状歯形を
形成するローラとから内歯歯車が構成されており、該内
歯歯車に、前記円弧状歯形に対応する歯形を有した外歯
歯車が内接噛合され、両歯形間に形成された空間の容積
変化を利用してモータ作用あるいはポンプ作用を得る液
圧モータ・ポンプの前記ローラ保持リングの製造方法に
おいて、前記ローラ保持リングの内周側に開口した半円
状のローラ保持孔を切削加工する工程と、該切削工程後
にローラ保持リングの内周に、自身の外周にローラ保持
孔に対応する半円孔が形成された円形のガイドを嵌める
ことで、該ガイドの外周に形成した半円孔とローラ保持
リング側の半円状のローラ保持孔とで全円孔を構成する
工程と、該ガイド嵌合工程後に、前記ガイド及びローラ
保持リングの合体によってできる前記全円孔の内面を、
ローラバニッシング加工により塑性加工仕上げする工程
と、該塑性加工仕上げ工程後に、前記ガイドをローラ保
持リングから取り外す工程と、を含むことにより、上記
課題を解決した。
【0029】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かにおいて、更に、前記ローラ保持リングのローラバニ
ッシング加工終了後に、前記ローラ保持孔の内面に対し
て化成処理皮膜を形成する工程を含むことにより、上記
課題を解決したものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0031】本実施形態の油圧ポンプ・モータの見かけ
上の構成は、図9、図10に示したものとほとんど変わ
らず、変わる点は、内歯歯車3を構成するローラ保持リ
ング32の細部の構成と、その製造方法である。そこ
で、まず、ローラ保持リング132、232(本案のロ
ーラ保持リングは、従来のローラ保持リングの符号と下
2桁が同一の符号で示す)の製造方法についての実施形
態を説明する。
【0032】一般に、この種の液圧モータ・ポンプの場
合、噛み合い部分や摺動接触面は高強度部材で高精度に
加工されていなければならないため、内歯歯車のローラ
保持リング132、232は、JIS G5502で規
定される球状黒鉛鋳鉄、JIS G4051で規定され
る機械構造用炭素鋼、あるいは、焼結された鉄系金属の
成型体により製作される。
【0033】図1〜図5を用いて第1実施形態の製造方
法を述べる。
【0034】この製造方法では、第1工程で、図1に示
すように、ローラ保持リング基材151に適当数のボル
ト孔152を明ける。ここでのローラ保持リング基材1
51の内径φDAは、仕上径φDB(図5)よりも小径
に設定されている。極端な場合は中心に孔がない(内径
φDA=0)ローラ保持リング基材を用意してもよい。
そして、このローラ保持リング基材151に対して、図
2に示すように、ローラ保持孔131aを全円孔として
ドリル等で切削加工する。ここでは、ドリル加工後に、
リーマ加工またはファインボーリング加工を行うのがよ
い。
【0035】次の工程では、全円孔として穿設した各ロ
ーラ保持孔131aの内面を、図3及び図4に示すよう
に、ローラバニッシング加工により仕上げる。具体的に
は、滑らかな表面をもつテーパ状の転圧ローラ155
を、テーパ状のマンドレル156でローラ保持孔131
aに押し込み、その状態で回転させることにより、ロー
ラ保持孔131aの内面に材料の降伏点を超える圧力を
加えて、塑性変形と加工硬化を生じさせながら、ローラ
保持孔131aの内面を滑らかな仕上面に塑性加工す
る。
【0036】なお、マンドレル156のテーパと転圧ピ
ン155のテーパは互いに逆方向とされ、それぞれの軸
心CL1とCL2は平行ではなく、(転圧ローラ155
の最外周ラインがローラ保持孔131aと平行となるよ
うに)転圧ローラ155の軸心CL2が若干傾けられて
いる。
【0037】そして、最後の工程で、図5に示すよう
に、ローラ保持リング基材151の内径をφDAから仕
上径φDBに拡大加工することにより、全円孔として内
面仕上げした各ローラ保持孔131aのリング内周側部
分を開口して、半円状のローラ保持孔131を有したロ
ーラ保持リング132を得る。
【0038】このローラ保持リング132によれば、転
圧されたローラ保持孔131の内面の周方向表面粗さ
を、図6に示すように、容易に0.1〜0.5μmにす
ることができ、しかも正確な寸法の半円を得ることがで
きる。従って、このローラ保持リング132を組み込ん
で、図9、図10のような内接歯車モータ・ポンプを製
作した場合、ローラ33とローラ保持孔131との間
に、流体潤滑状態を形成することができ、ローラ33の
滑り回転を良くすることができる。この結果、外歯歯車
4とより良好なころがり接触を維持できるようになり、
高効率、長寿命、低騒音のトロコイド油圧ポンプモータ
を低コストで得ることができる。
【0039】なお、外歯歯車4の歯形形状については、
トロコイド歯形以外に円弧状歯形であってもよい。
【0040】次に、図7、図8を用いて第2実施形態の
製造方法を述べる。
【0041】この製造方法では、第1工程で、図7に示
すように、ローラ保持リング基材251に適当数のボル
ト孔252を明けると共に、該リング基材251の内径
を仕上径D2に加工し、このローラ保持リング基材25
1に対して、半円状のローラ保持孔231aを、ローラ
保持リング基材251の内周側からブローチ加工ないし
は研削加工によって加工する(例えば図11参照)。
【0042】次の工程では、図8に示すように、ローラ
保持リング基材251の内周に円形のガイド255を嵌
める。このガイド255には自身の外周にローラ保持孔
231aに対応する半円孔256が形成されており、該
ガイド255の外周に形成した半円孔256とローラ保
持リング基材251側の半円状のローラ保持孔231a
とで全円孔257を構成する。
【0043】そして、次の工程で、ガイド255及びロ
ーラ保持リング基材251の合体によってできる全円孔
257に対して、図3、図4と同様のローラバニッシン
グ加工を施すことにより、全円孔257の内面を仕上げ
る。
【0044】そして、仕上げが完了した段階で、最後に
ガイド255をリング基材251から取り外すことによ
り、半円状のローラ保持孔231を有したローラ保持リ
ング232を得る。
【0045】この方法によっても、図6と同様のローラ
保持孔231の表面粗さと正確な半円寸法を得ることが
でき、内接歯車モータ・ポンプに組み込んだ際に同様の
効果を奏する。
【0046】なお、このようにして加工されたローラ保
持リング132、232の全体、あるいはローラ保持孔
131、231部分のみに燐酸塩皮膜(化成処理皮膜)
を形成してもよい。そうすると、表面粗さは若干荒れて
くる(悪くなる)が、燐酸塩の性質により多量の潤滑油
を保持することができ、焼き付きにくくすることができ
る。また、化成処理段階において、ローラ保持孔13
1、231の表面が平滑なので、凹凸部分での燐酸塩の
成長がなくなり、薄い皮膜による初期焼き付き防止と表
面粗さの改善による流体潤滑の確保の両立が可能にな
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ローラ保持孔とローラの間に流体潤滑状態を作り出すこ
とができるので、ローラの滑り回転を良くすることがで
きる。特に、同じ油温であれば、高い荷重までローラと
ローラ保持孔の間に油膜を確保することができ、同じ荷
重であれば、高温領域までローラとローラ保持孔の間に
油膜を確保することができる。従って、停止状態からの
起動効率と運転状態での動的効率の両方を向上させるこ
とができる。さらに、潤滑の改善により、部品寿命が延
びると共に、騒音を減らすこともできる。また、ローラ
保持孔の仕上げ精度を上げるという簡単な構成で、コン
パクト性を維持しながら、大出力化を達成することがで
きる。また、化成処理皮膜を施した場合は、初期の焼き
付き防止と表面粗さ改善による流体潤滑の確保の両立が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のローラ保持リングの製
造方法の説明に使用するローラ保持リング基材の平面図
【図2】同ローラ保持リング基材に対して全円孔として
のローラ保持孔を形成した状態を示す平面図
【図3】全円孔として穿設したローラ保持孔にローラバ
ニッシング加工を施している状態を示す側断面図
【図4】図3のIV−IV矢視断面図
【図5】前記ローラ保持リング基材の内径を拡大するこ
とによって完成した、半円状のローラ保持孔を有するロ
ーラ保持リングの平面図
【図6】バニッシング加工して得たローラ保持孔の周方
向の表面粗さを示す図
【図7】本発明の第2実施形態のローラ保持リングの製
造方法の説明に使用するローラ保持リング基材の加工後
の平面図
【図8】ローラ保持リングの内周に円形のガイドを嵌め
ることで、ローラバニッシング加工の可能な全円孔状の
ローラ保持孔を形成した状態を示す平面図
【図9】ここで問題とする内接歯車モータ・ポンプの従
来例として示すトロコイド形油圧モータの断面図
【図10】図9のX−X矢視断面図
【図11】従来のローラ保持孔の加工方法の説明図
【図12】ブローチ加工した場合の従来のローラ保持孔
の周方向の表面粗さを示す図
【図13】研削加工した場合の従来のローラ保持孔の周
方向の表面粗さを示す図
【符号の説明】
3…内歯歯車 4…外歯歯車 11…容積変化室 31,131,131a,231,231a…ローラ保
持孔 32,132,232…ローラ保持リング 33…ローラ 151,251…ローラ保持リング基材 255…ガイド 256…半円孔 257…全円孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周に軸線方向に沿った複数の半円状のロ
    ーラ保持孔を有するローラ保持リングと、前記各ローラ
    保持孔に回転可能に嵌合され且つ前記ローラ保持孔から
    露出した部分で円弧状歯形を形成するローラとから内歯
    歯車が構成されており、該内歯歯車に、前記円弧状歯形
    に対応する歯形を有した外歯歯車が内接噛合され、両歯
    形間に形成された空間の容積変化を利用してモータ作用
    あるいはポンプ作用を得る液圧モータ・ポンプの前記ロ
    ーラ保持リングの製造方法において、 前記ローラ保持孔を切削加工する工程と、 該ローラ保持孔の内面をローラバニッシング加工により
    塑性加工仕上げする工程と、 を、含むことを特徴とする液圧モータ・ポンプのローラ
    保持リングの製造方法。
  2. 【請求項2】内周に軸線方向に沿った複数の半円状のロ
    ーラ保持孔を有するローラ保持リングと、前記各ローラ
    保持孔に回転可能に嵌合され且つ前記ローラ保持孔から
    露出した部分で円弧状歯形を形成するローラとから内歯
    歯車が構成されており、該内歯歯車に、前記円弧状歯形
    に対応する歯形を有した外歯歯車が内接噛合され、両歯
    形間に形成された空間の容積変化を利用してモータ作用
    あるいはポンプ作用を得る液圧モータ・ポンプの前記ロ
    ーラ保持リングの製造方法において、 前記ローラ保持孔を全円孔として包含し得る内径のロー
    ラ保持リング基材に対して前記ローラ保持孔を全円孔と
    して切削加工する工程と、 該切削加工工程後に各ローラ保持孔の内面をローラバニ
    ッシング加工により塑性加工仕上げする工程と、 該塑性加工仕上げ工程後に前記ローラ保持リング基材の
    内径を仕上径まで拡大加工することにより、全円孔とし
    て内面仕上げした前記各ローラ保持孔のリング内周側部
    分を開口して、前記半円状のローラ保持孔とする工程
    と、を含むことを特徴とする油圧モータ・ポンプのロー
    ラ保持リングの製造方法。
  3. 【請求項3】内周に軸線方向に沿った複数の半円状のロ
    ーラ保持孔を有するローラ保持リングと、前記各ローラ
    保持孔に回転可能に嵌合され且つ前記ローラ保持孔から
    露出した部分で円弧状歯形を形成するローラとから内歯
    歯車が構成されており、該内歯歯車に、前記円弧状歯形
    に対応する歯形を有した外歯歯車が内接噛合され、両歯
    形間に形成された空間の容積変化を利用してモータ作用
    あるいはポンプ作用を得る液圧モータ・ポンプの前記ロ
    ーラ保持リングの製造方法において、 前記ローラ保持リングの内周側に開口する半円状のロー
    ラ保持孔を切削加工する工程と、 該切削工程後にローラ保持リングの内周に、自身の外周
    にローラ保持孔に対応する半円孔が形成された円形のガ
    イドを嵌めることで、該ガイドの外周に形成した半円孔
    とローラ保持リング側の半円状のローラ保持孔とで全円
    孔を構成する工程と、 該ガイド嵌合工程後に、前記ガイド及びローラ保持リン
    グの合体によってできる前記全円孔の内面を、ローラバ
    ニッシング加工により塑性加工仕上げする工程と、 該塑性加工仕上げ工程後に、前記ガイドをローラ保持リ
    ングから取り外す工程と、 を含むことを特徴とする液圧モータ・ポンプのローラ保
    持リングの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、更に、 前記ローラ保持リングのローラバニッシング加工終了後
    に、前記ローラ保持孔の内面に対して化成処理皮膜を形
    成する工程を含むことを特徴とする液圧モータ・ポンプ
    のローラ保持リングの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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