JP2000129247A - 表面処理剤、表面処理剤組成物、表面処理方法、および処理基材 - Google Patents

表面処理剤、表面処理剤組成物、表面処理方法、および処理基材

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JP2000129247A
JP2000129247A JP10308980A JP30898098A JP2000129247A JP 2000129247 A JP2000129247 A JP 2000129247A JP 10308980 A JP10308980 A JP 10308980A JP 30898098 A JP30898098 A JP 30898098A JP 2000129247 A JP2000129247 A JP 2000129247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材表面に優れた撥水性と水滴転落性を付与で
きる表面処理剤組成物を提供する。 【解決手段】[(CH33 SiO[(CH32 Si
O]m3 Si(CH22 SiCl33 等の加水分
解性シラン化合物および/または該化合物の部分加水分
解生成物からなる表面処理剤、該表面処理剤を含む表面
処理剤組成物、該組成物による処理方法、および該処理
方法によって得られた処理基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面に優れた
撥水性および水滴転落性等を付与しうる特定の化合物か
らなる表面処理剤、該表面処理剤を含む表面処理剤組成
物、該組成物による処理方法、および該処理方法により
得られた処理基材に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス、プラスチックス、セラミック
ス、金属等の各種基材、また、表面処理層を有する各種
基材においては、水による悪影響が基材表面に生じるこ
とが問題になっている。
【0003】たとえば、電車、自動車、船舶、航空機等
の輸送機器における外板、窓ガラスや鏡等の外装部材、
計器盤表面等の内装部材等の表面は、常に清浄であるこ
とが望ましいが、雨滴とともにほこりや汚れ等が付着し
たり、大気中の湿度や温度の影響で水分が付着すると、
その外観が損なわれる問題がある。またその表面が、人
が直接触れる表面や視覚に入る表面であると、不快感の
原因になり、衛生上の問題も生じる。また、輸送機器物
品の機能を著しく低下させる問題もある。特に輸送機器
用物品が、透明性や透視性を要求される物品(たとえ
ば、窓ガラス、鏡等)である場合に、透明性や透視性の
低下は問題である。
【0004】基材表面を清浄にする手段(たとえば、拭
きとり、ワイパー等による除去手段。)は、基材表面に
微細な傷を付けることがある。また、異物粒子が基材表
面に存在すると、除去手段により基材表面の傷が著しく
なる問題もある。また、基材がガラス基材である場合に
は、表面に付着した水分中にガラス成分が溶出し、表面
が浸食される(いわゆる焼けを生じる)問題もあり、焼
けを除去するために強く摩擦すると、ガラス表面に微細
な凸凹が生じる問題がある。また、焼けが激しく生じた
ガラスや、表面に微細な凸凹を生じたガラスは、透視性
能が低下し、表面で光が散乱する問題がある。
【0005】また、水や水に伴われるほこりや汚れは、
損傷、汚染、着色、腐食等を促進させ、輸送機器物品の
電気特性、機械特性、光学的特性等を変化させる問題も
ある。この問題は、建築・建装用物品、電気・電子機器
用物品等でも問題になっている。上記問題を解決する目
的で、従来より、水滴の付着を防ぎその悪影響を排除す
る性質(以下この性質を撥水性という。)を基材表面に
付与する提案がなされている。たとえば、シリコーン系
ワックス、オルガノシロキサン化合物、または界面活性
剤等からなる表面処理剤を、基材直接に塗布する提案が
ある。
【0006】具体的には、アルキルポリシロキサン、お
よび酸からなる表面処理剤(特公昭50−15473
号)、有機溶媒および金属ハロゲン化物からなる表面処
理剤(特開昭55−9652号)、塩素原子を含有する
シロキサン化合物を含有する表面処理剤(特開昭55−
78080号、55−90580号)、アミノ変性シリ
コーンオイルと界面活性剤とを含有する表面処理剤(特
開平5−301742号)、末端にペルフルオロアルキ
ル部分を有する化合物を含む表面処理剤(特開平2−1
38262、特開平2−248480)、フルオロアル
キルシラン、不溶性微粉末、アルコール系溶剤、および
酸またはアルカリからなる表面処理剤(特開平8−27
7388)等が挙げられる。
【0007】しかし、従来の表面処理剤は、塗布時にム
ラが発生しやすい、基材への付着性が不足し効果の持続
性に劣る、および基材の種類や適用条件等が限定され
る、等の問題があった。また、フルオロアルキルシラン
を含む表面処理剤においては、水滴転落性が低いために
水を効率的に除去することはできない問題があった。
【0008】また、使用された物品や他の物品に組み込
まれた基材に、撥水性、水滴転落性を付与するために表
面処理剤を使用する場合には、常温で直接塗布するだけ
で効果を発現することが実用上の条件になる。たとえ
ば、市販の自動車用フロントガラスに処理を行う場合、
フロントガラスを全て入れ替えて処理することは、実際
にはできない。また、塗布後に自動車全体を焼成するこ
とも、実際にはできない。これに対して、従来より提案
された処理剤は、常温での直接塗布では充分な性能を発
揮しない問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
撥水剤が有する欠点を解消し、多種類の基材に対して優
れた撥水性、特に優れた水滴転落性を付与しうる表面処
理剤、および該表面処理剤による処理方法、および処理
基材を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決するためになされたものであり、下式1で表される加
水分解性シラン化合物および/または該加水分解性シラ
ン化合物の部分加水分解生成物からなる表面処理剤、該
表面処理剤を含む表面処理剤組成物、該組成物により処
理方法、該処理方法により得られた処理基材に関する。
【0011】
【化2】
【0012】ただし、式1中の記号は以下の意味を示
す。 R1 〜R5 :それぞれ、同一であっても異なっていても
よい1価有機基。 Q1 :2価有機基。 X1 、X2 、X3 :それぞれ同一であっても異なってい
てもよく、加水分解性基またはイソシアネート基。 m:0以上の整数。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明の加水分解性シラン
化合物(式1)について説明する。本明細書における有
機基とは、炭素原子を含む基を意味する。
【0014】R1 〜R5 は、それぞれ、同一であっても
異なっていてもよい1価有機基である。R1 〜R5 とし
ては、炭化水素基または1価含フッ素有機基が好まし
い。
【0015】炭化水素基としては、アルキル基が好まし
く、特に炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキ
ル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、またはs−ブチル基が好ましく、特にメチル基が好
ましい。1価含フッ素有機基としては、下式Aで表され
る基が好ましい。
【0016】−Q2 −Rf ・・・式A ただし、式A中の記号は、以下の意味を示す。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
リフルオロ炭化水素基。 Q2 :2価有機基。
【0017】基(式A)におけるRf は、エーテル性酸
素原子を含んでいてもよい1価ポリフルオロ炭化水素基
を示す。
【0018】エーテル性酸素原子を含まない1価ポリフ
ルオロ炭化水素基(以下、1価ポリフルオロ炭化水素基
と記す。)とは、1価炭化水素基の水素原子の2個以上
がフッ素原子に置換された基をいい、ポリフルオロアル
キル基が好ましい。
【0019】1価ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素原
子の割合は、(1価ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素
原子数)/(1価ポリフルオロ炭化水素基に対応する同
一炭素原子数の炭化水素基中の水素原子数)×100
(%)で表現した場合に60%以上であるのが好まし
く、特には80%以上が好ましく、さらには実質的に1
00%である場合、すなわち1価炭化水素基の水素原子
の実質的に全てがフッ素原子に置換された「1価ペルフ
ルオロ炭化水素基」であるのが好ましい。
【0020】また、1価ポリフルオロ炭化水素基は、直
鎖構造であっても、分岐構造であってもよく、直鎖構造
が特に好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分の
炭素原子数1〜3程度の短鎖であるのが好ましく、分岐
部分が1価ポリフルオロ炭化水素基の末端部分に存在し
ている構造が好ましい。1価ポリフルオロ炭化水素基の
炭素数は1〜18が好ましく、特に4〜12が好まし
い。
【0021】さらに、1価ポリフルオロ炭化水素基は、
ポリフルオロアルキル基が好ましく、ペルフルオロアル
キル基が好ましい。ポリフルオロアルキル基の炭素数は
1〜18が好ましく、特に4〜12が好ましい。
【0022】1価ポリフルオロ炭化水素基の具体例とし
ては、以下に示す例が挙げられる。なお、以下の具体例
中には、それぞれの構造異性の基に相当する基も含まれ
る。C49 −[ただし、F(CF24 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2
CF(CF3 )−等の構造異性の基を含む]、C511
−{ただし、F(CF25 −、(CF32 CF(C
22 −、(CF33 CCF2 −、F(CF23
CF(CF3 )−等の構造異性の基を含む}、C613
−{ただし、F(CF23 C(CF32 −等の構造
異性の基を含む}、C817−、C1021−、C1225
−、C1429−、C1633−、C1837−、C20
41−、(CF32 CF(CF2s −(sは0または
1以上の整数)、HCt2t−(tは0または1以上の
整数)。
【0023】また、エーテル性酸素原子を含む1価ポリ
フルオロ炭化水素基とは、上記の1価ポリフルオロ炭化
水素基中の炭素−炭素結合間、または、上記の1価ポリ
フルオロ炭化水素基とQ2 との間にエーテル性酸素原子
が挿入された基をいい、1価ポリフルオロ炭化水素基中
の炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入された
基が好ましい。
【0024】エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオ
ロ炭化水素基としては、ポリフルオロオキシアルキレン
部分を含む基が好ましく、特にペルフルオロオキシアル
キレン部分を含む基が好ましく、とりわけ、ペルフルオ
ロオキシアルキレン部分を含み、かつ、末端がペルフル
オロアルキル基である基が好ましい。該ペルフルオロオ
キシアルキレンとしては、ペルフルオロオキシメチレ
ン、ペルフルオロオキシエチレン、ペルフルオロオキシ
プロピレン、またはペルフルオロオキシブチレン等が挙
げられる。
【0025】エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオ
ロ炭化水素基の具体例としては、以下に示す例が挙げら
れる。
【0026】
【化3】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、F
[CF(CF3 )CF2 O]u CF(CF3 )CF2
2 −(uは1以上の整数)、F[CF(CF3 )CF
2 O]y CF(CF3 )−(yは1以上の整数)、F
(CF2 CF2 CF2 O)v CF2 CF2 −(vは1以
上の整数)、(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −(w
は1以上の整数)。
【0027】加水分解性シラン化合物(式1)として
は、表面処理剤の水滴転落性が向上することから、R1
〜R5 の全てがメチル基である加水分解性シラン化合物
(式1)、または、R1 またはR5 が下式Aで表される
基でありかつR2 〜R4 の全てが炭化水素基(好ましく
はメチル基)である場合の加水分解性シラン化合物(式
1)が好ましい。
【0028】式A中のQ2 は、2価有機基であり、2価
炭化水素基、または2価炭化水素基の炭素−炭素結合間
にエーテル性酸素原子が挿入された基が好ましい。2価
炭化水素基としては、アルキレン基が好ましく、直鎖ま
たは分岐のいずれの構造であってもよく、−(CH2
i −(ここで、iは1〜20の整数、好ましくは4〜8
の整数である。)で表される直鎖アルキレン基が好まし
い。分岐構造である場合には、分岐部分の炭素原子数が
1〜3程度の短鎖であるものが好ましい。
【0029】2価炭化水素基の炭素−炭素結合間にエー
テル性酸素原子が挿入された基としては、上記アルキレ
ン基の炭素−炭素結合間の1か所にエーテル性酸素原子
が挿入された基が好ましい。
【0030】基(式A)としては、下式A1 、下式A
2 、または下式A3 で表される基が好ましい。ただし、
式A1 、式A2 、および式A3 中の記号は、下記の意味
を示す。 Rf1、Rf3:それぞれ独立に、1価ポリフルオロ炭化水
素基。 Rf2:エーテル性酸素原子を含む1価ポリフルオロ炭化
水素基。 X1 、X2 、X3 、X4 、およびX5 :それぞれ独立
に、2価炭化水素基。
【0031】
【化4】 Rf1−X1 − ・・・式A1f2−X2 −O−X3 −・・・式A2f3−X4 −O−X5 −・・・式A3
【0032】Rf1、Rf2、Rf3は、それぞれ、上記のエ
ーテル性酸素原子を含んでいてもよい1価ポリフルオロ
炭化水素基の好ましい態様として説明した基が好まし
い。X1 、X2 、X3 、X4 、およびX5 は、それぞれ
独立に、−(CH2h −(ここで、hは1〜10の整
数、好ましくは2〜4の整数である。)で表される直鎖
のアルキレン基が好ましい。
【0033】さらに、基(式A)は、下式A10、下式A
20、または下式A30で表される基であるのが好ましい。
ただし、式A10、式A20、および式A30中の記号は、下
記の意味を示す。
【0034】 d:1〜18の整数、好ましくは6〜12の整数。 e:0〜10の整数、好ましくは1〜5の整数。 g:1〜18の整数、好ましくは4〜12の整数。 X1 、X2 、X3 、X4 、X5 :それぞれ独立に、2価
炭化水素基、好ましくは直鎖アルキレン基。
【0035】
【化5】 Cd2d+1−X1 − ・・・式A10 F[CF(CF3 )CF2 O]e CF(CF3 )−X2 −O−X3 − ・・・式A20g2g+1−X4 −O−X5 −・・・式A30
【0036】式A10の具体例を挙げる。下式中のペルフ
ルオロアルキル基は、直鎖構造であるのが好ましい。C
49 −(CH22 −、C49 −(CH23 −、
49 −(CH24 −、C511−(CH22
−、C511−(CH23 −、C613−(CH2
2 −、C817−(CH22 −、C817−(CH
23 −、C817−(CH24 −、C919−(C
22 −、C919−(CH23 −、C1021
(CH22 −。
【0037】式A20の具体例を挙げる。
【0038】
【化6】F[CF(CF3 )CF2 O]2 CF(CF
3 )CH2 O(CH23 −、F[CF(CF3 )CF
2 O]4 CF(CF3 )CH2 O(CH23 −、F
(CF2 CF2 CF2 O)2 CF2 CF2 CH2 O(C
23 −。
【0039】式A30の具体例を挙げる。ただし、下式中
のペルフルオロアルキル基は直鎖構造であるのが好まし
い。
【0040】
【化7】C49 −(CH22 −O−(CH23
−、C613−(CH22 −O−(CH23 −、C
817−(CH22 −O−(CH23 −、C817
−(CH23 −O−(CH23 −。
【0041】Q1 は2価有機基であり、2価炭化水素
基、2価炭化水素基の炭素−炭素結合間や末端に、ヘテ
ロ原子またはヘテロ原子含有基を有する基をいう。ヘテ
ロ原子としては、エーテル性酸素原子、またはチオエー
テル性硫黄原子が好ましい。ヘテロ原子含有基として
は、−NH−、−CO−、−SO2 −、−CONH−等
の基が挙げられる。
【0042】Q1 としては、−CH2 CH2 −−CH2
OCH2 CH2 CH2 −、−CONHCH2 CH2 CH
2 −、−CONHCH2 CH2 NHCH2 CH2 CH2
−、−SO2 NHCH2 CH2 CH2 −、または−CH
2 CH2 OCONHCH2 CH2 CH2 −等の基が挙げ
られる。
【0043】加水分解性シラン化合物(式1)のX1
2 、およびX3 は、それぞれ加水分解性基またはイソ
シアネート基を示す。本明細書においては、イソシアネ
ート基と加水分解性基とは区別する。
【0044】加水分解性基としては、つぎの例が挙げら
れる。塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子。メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基。−O−
N=C(R20)(R21)(ただし、R20、R21はそれぞ
れ独立に、炭素数1〜7のアルキル基であり、メチル
基、エチル基、またはプロピル基が好ましい。)で表さ
れるケトオキシム基であり、その例としてはジメチルケ
トオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等が挙げら
れる。アセトキシ基等のアシルオキシ基。N−ブチルア
ミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等のアミノ基。N−
メチルアセトアミド基等のアミド基。N,N−ジメチル
アミノオキシ基等のアミノオキシ基.プロペニルオキシ
基、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基、
シクロヘキセニルオキシ基等のアルケニルオキシ基。
【0045】X1 、X2 、およびX3 は、それぞれ水滴
転落性、作業性および経済的観点から、それぞれ、塩素
原子、炭素数1〜3の低級アルコキシ基、またはイソシ
アネート基であるのが好ましく、特に、塩素原子、メト
キシ基、エトキシ基、またはイソシアネート基が好まし
い。X1 、X2 、およびX3 は、それぞれ同一であって
も異なっていてもよく、同一であるのが好ましい。
【0046】mは0以上の整数であり、水滴転落性の観
点から1以上の整数が好ましく、特に1〜10の整数が
好ましく、特に1〜4の整数が好ましい。また、本発明
の表面処理剤中には、mの数が異なる2種以上の化合物
が含まれていてもよい。
【0047】また、式1中に3つ存在する下式1Aで表
される基は、同一構造の基の3つからなっていても、2
または3種の基からなっていてもよく、1種または2種
の基からなるか、それらの混合物であるのが好ましい。
【0048】
【化8】
【0049】加水分解性シラン化合物(式1)の具体例
としては、つぎの化合物が挙げられる。ただし、下式中
のmは上記と同じ意味を示し、xは0〜3の整数、yは
0〜3の整数でありかつ(x+y)は3である。
【0050】
【化9】 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2SiCl3 、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2SiCl3、 [(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2SiCl3、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(H(CH2)8)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2SiCl3、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2Si(OCH3)3 、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2Si(OCH3)3、 [F(CF2)8(CH2)3(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2Si(OCH3)3、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(H(CH2)8)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2Si(OCH3)3、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2Si(OCH2CH3)3、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2Si(OCH2CH3)3 、 [(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2Si(OCH2CH3)3 、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(H(CH2)8)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2Si(OCH2CH3)3 、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(F(CF2)4(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2SiCl3、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(F(CF2)4(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- -(CH2)2Si(OCH3)3、 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2Si(NCO)3
【0051】本発明の表面処理剤とは、加水分解性シラ
ン化合物(式1)の1種以上、加水分解性シラン化合物
(式1)の1種以上と加水分解性シラン化合物(式1)
の加水分解生成物、または加水分解性シラン化合物(式
1)の加水分解生成物からなる。なお、加水分解性シラ
ン化合物(式1)の加水分解生成物は、通常の場合、1
種以上の化合物の混合物である。
【0052】加水分解性シラン化合物(式1)の部分加
水分解生成物とは、加水分解性シラン化合物(式1)が
水と反応して部分的に加水分解縮合した化合物を意味す
る。たとえば、加水分解性シラン化合物(式1)におけ
る加水分解性基またはイソシアネート基の一部または全
部が水との反応によりOH基等に変化した化合物の2分
子以上が、脱水縮合した生成物が例示されうる。
【0053】加水分解性シラン化合物(式1)を加水分
解する方法としては従来より公知の方法が採用できる。
たとえば、(方法1):加水分解性シラン化合物(式
1)と水とを単に混ぜる方法、(方法2):加水分解性
シラン化合物(式1)と水を酸の存在下で反応させる方
法、(方法3):加水分解性シラン化合物(式1)と水
をアルカリの存在下で反応させる方法が挙げられる。こ
れら方法1〜3における加水分解性シラン化合物(式
1)は、1種であっても2種以上であってもよい。
【0054】本発明の表面処理剤においては、液寿命、
膜物性等の観点から、方法2により加水分解を行うのが
好ましい。加水分解性シラン化合物(式1)に添加する
水の量に限定はないが、加水分解性シラン化合物(式
1)中に存在するX1 〜X3 の総量に対して1〜50倍
モルが好ましく、特に1〜10倍モルが水滴転落性およ
び液寿命の点で好ましい。方法2における酸としては、
硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、または酢酸等が
好ましい。酸の量は、水の量に対して0.005〜10
重量%が好ましい。酸量が多すぎると、作業時に取扱い
上の問題が生じるおそれがある。
【0055】加水分解反応においては、有機溶剤の存在
下で実施するのが好ましい。有機溶剤の存在下で加水分
解反応を実施して。部分加水分解生成物と有機溶剤を含
む表面処理剤組成物として、それをそのまま用いるのが
好ましい。有機溶剤の量は、加水分解性シラン化合物
(式1)が表面処理剤組成物中に0.05〜10重量%
となる量とするのが好ましい。また、表面処理剤組成物
となった場合においても、部分加水分解生成物の量が表
面処理剤組成物中に0.05〜10重量%となる量に調
製するのが好ましい。
【0056】また、加水分解性シラン化合物(式1)を
加水分解しない場合においても、有機溶剤と加水分解性
シラン化合物(式1)とを含む表面処理剤組成物とする
のが好ましい。その場合の有機溶剤量も、加水分解性シ
ラン化合物(式1)が表面処理剤組成物中に0.05〜
10重量%となる量とするのが好ましい。
【0057】本発明の表面処理剤そのまま基材に処理し
てもよいが、有機溶剤とともに表面処理剤組成物とする
ことにより、処理時の作業性が向上し、優れた基材表面
処理剤となる。有機溶剤は、基材の耐溶剤性、基材の大
きさ(溶剤の蒸発速度)、経済性等を高慮して適宜変更
しうる。たとえば、アルコール系溶剤、セロソルブ系溶
剤、カルビトール系溶剤、酢酸エステル系溶剤、ケトン
系溶剤、エステル系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、
炭化水素系溶剤等が好ましく、特にアルコール系溶剤、
酢酸エステル系溶剤、または炭化水素系溶剤が好まし
い。また、有機溶剤は1種であっても2種以上であって
もよい。2種以上である場合には、炭化水素系溶剤とア
ルコール系溶剤の混合溶剤、または炭化水素溶剤と酢酸
エステル系溶剤の混合溶剤が好ましい。
【0058】該表面処理剤組成物中には目的に応じて他
の添加剤を加えてもよい。他の添加剤は、加水分解性シ
ラン化合物(式1)や加水分解性シラン化合物(式1)
の加水分解生成物との反応性、相溶性を考慮して選択す
ればよく、たとえば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、
チタニア、スズ等の金属酸化物の超微粒子や各種樹脂等
が挙げられる。着色が必要である場合には、染料、顔料
等が挙げられる。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を
添加してもよい。導電性、帯電防止性等を付与したい場
合には、目的に応じた抵抗値の得られる材料[たとえ
ば、酸化スズ、ITO(In23 −SnO2 )、酸化
亜鉛等]等が挙げられる。他の添加剤の量は目的により
適宜変更でき、表面処理剤中に0.01〜20重量%が
好ましい。他の添加剤の過剰な添加は、本発明の被膜の
水滴転落性、耐摩耗性を低下させるため好ましくない。
【0059】また、他の添加剤として、従来より公知の
他の撥水材料を添加することも可能である。従来公知の
撥水材料としては、ジメチルポリシロキサン、および反
応性シリコーンオイル等のシロキサン系化合物、下式5
で表わされるシラン化合物が化合物が挙げられる。
【0060】
【化10】 (R8a (R9b (R10cSi(X204-a-b-c ・・・式5
【0061】ただし、式5中の記号は以下の意味を示
す。 R8 〜R10:それぞれ同一であっても異なっていてもよ
く、炭素数1〜16の1価有機基であり、1つ以上は、
炭素数6〜12のアルキル基または前記式Aで表される
基であるのが好ましい。 a、b、c:それぞれ独立に、0、1、2または3であ
りかつ(a+b+c)は0、1、2または3。(a+b
+c)は、0または1であるのが好ましい。 X20:反応性基であり、加水分解性基またはイソシアネ
ート基が好ましい。 シラン化合物(式5)としては、下式5a、下式5b、
または下式5cで表される化合物が好ましい。
【0062】
【化11】 式5a:F(CF2n (CH22 Si(X203
【0063】(ただし、nは1〜16の整数を示し、4
〜16の整数が好ましく、特に6〜12の整数が好まし
い。)、 式5b:H(CH28 Si(X203 、 式5c:Si(X204
【0064】本発明の表面処理剤組成物は、通常、基材
に塗布し、乾燥させることによって処理される。該処理
にあたっては、特別な前処理は必要ないが、目的に応じ
て行ってもよい。前処理としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム水溶液等によるアルカリ処理、フッ酸、
塩酸水溶液による酸処理、またはプラズマ照射、コロナ
放電等による放電処理、酸化セリウム、アルミナ等の各
種研磨剤による研磨処理またはブラスト処理等が挙げら
れる。
【0065】本発明の表面処理剤組成物は、はけ塗り、
流し塗り、回転塗布、浸漬塗布、スプレー塗布、スキー
ジ塗布、または印刷塗布等の方法によって基材表面に処
理するのが好ましい。本発明の表面処理剤組成物は、常
温(10〜35℃程度)で大気中で乾燥させるのみで、
優れた性能を発現する経済性に優れる。また、早く乾燥
させたい場合や効果の持続性を高めたい場合には、加熱
処理してもよい。加熱条件は、基材の耐熱性を考慮して
選択され、36〜400℃程度が好ましく、特に60〜
400℃程度が好ましい。また、加熱時間は、1〜60
分程度が好ましい。
【0066】本発明の表面処理剤組成物によって得られ
る被膜の厚さは特に限定されず、極力薄いものであるこ
とが好ましい。膜厚は、単分子膜〜2μmが好ましく、
特に単分子膜〜0.1μmが好ましい。膜厚は、表面処
理剤組成物に含まれる成分の濃度、塗布条件、加熱条件
等により適宜制御できる。
【0067】本発明の表面処理剤組成物を処理する基材
としては特に限定されず、たとえば、ガラス、プラスチ
ックス、金属、セラミックス、その他の無機材料や有機
材料またはその組み合わせ(複合材料、積層材料等)等
が挙げられる。
【0068】また、基材の表面は基材そのものの表面で
あってもよく、塗装金属等の塗膜表面や表面処理ガラス
の表面処理層表面(たとえば、ゾルゲル膜、スパッタ
膜、CVD膜、蒸着膜等が設けられた表面)など、基材
表面に存在する基材とは異なる材質の表面であってもよ
い。基材の形状としては任意の形状であり、平面、全面
に曲率を有する表面、または部分的に曲率を有する表面
等が挙げられる。
【0069】本発明の表面処理剤組成物は常温処理であ
っても、優れた性能を発現するため、すでに何らかの用
途に使用されている基材に処理して、基材表面に撥水性
や水滴転落性を付与することもできる。また、処理条件
により、撥油性、潤滑性、離型性、低反射性、および電
気絶縁性等の機能も付与できる。加水分解性シラン化合
物(式1)から形成される被膜は、透明性に優れること
から、基材そのものの外観を損なうことがない利点があ
る。また、該被膜は、耐薬品性および耐摩耗性にも優れ
ており、従来にない幅広い分野で応用できる。
【0070】本発明の表面処理剤組成物が処理できる基
材の例としては、以下の基材が例示できる。
【0071】自動車、船舶、航空機等の窓、鏡、車体、
建築用の窓、各種鏡、光学レンズ、眼鏡レンズ、ガラス
容器、テレビのブラウン管、液晶画面、太陽電池カバー
ガラス、タッチパネル、ホットプレート、電子レンジや
炊飯器等の電子・電化製品、化粧品粉体、繊維製品、布
製品、皮革製品、木材製品、石材製品、紙製品、印刷機
の版やノズル、塗料用成分、衛生陶器、食器、花器、水
槽、サッシ、または農業用シート。
【0072】本発明の表面処理剤組成物を処理する基材
としては、透明な材料からなる基材が好ましく、特にガ
ラスが好ましい。また、処理基材は物品中に装着されて
いてもよい。本発明の処理基材が装着された物品として
は、輸送機器用物品、または建築・建装用等が好まし
い。
【0073】輸送機器用物品としては、電車、バス、ト
ラック、自動車、船舶、航空機等の輸送機器における外
板、窓ガラス、鏡、視界確保用(CCD)レンズ、表示
機器表面材等の外装部材、計器盤表面材等の内装部材、
またはその他の輸送機器用物品等が挙げられる。
【0074】輸送機器用物品としては、本発明の表面処
理剤組成物で処理された自動車用の窓ガラス等のように
表面処理された基材のみからなるもの、本発明の表面処
理剤組成物で処理されたガラス鏡が組み込まれた自動車
用バックミラー部材からなるもの、が挙げられる。さら
に、輸送機器用物品としては、電車のボディ、窓ガラ
ス、パンタグラフ等、自動車、バス、トラック等のボデ
ィ、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ミラ
ー、バンパー等、船舶、航空機等のボディ、または窓ガ
ラス等が例示できる。
【0075】本発明の表面処理剤組成物で処理された処
理基材や処理物品においては、撥水性により表面に付着
する水滴がはじかれ、また、走行にともなって受ける風
圧との相互作用によって、表面上を急速に移動し、水滴
としてとどまることなく、水分が誘発する悪影響を排除
できる。特に、窓ガラス等の透視野部に処理した場合に
は、水滴の飛散により視野の確保が容易になる利点があ
る。また、本発明の表面処理剤組成物より形成された被
膜は、水滴転落性に優れ、低速走行時、または停止時で
も水滴が移動する利点がある。また、処理基材表面の水
滴が氷結する低温下でも、氷結しにくく、氷結したとし
ても解凍が著しく早い。さらに、水滴の付着がほとんど
ないため、定期的清浄作業の回数を減らすことができ、
清掃も容易である利点がある。
【0076】本発明の処理基材が装着された建築・建装
用物品としては、窓ガラス板や窓ガラス等の窓材、屋根
用ガラス板やガラス屋根等の屋根、ドア用ガラス板やそ
れが装着されたドア、間仕切り用ガラス板、温室用ガラ
ス板、温室、透明プラスチック板やそれを有する建築用
物品(窓材、屋根材など)、セラミックスやセメントや
金属等からなる壁材、鏡やそれを有する家具、陳列棚や
ショーケース用のガラス等の建築物に取り付ける物品が
挙げられる。また、家具、什器などの建築用物品、建築
用物品を構成するガラス窓等の基材が挙げられる。
【0077】本発明の表面処理剤組成物が処理された建
築・建装用物品においては、撥水性により表面に接触し
た水がはじかれ、付着し難く、たとえ付着してもその量
は少なく、また、付着した水滴の除去も容易である。ま
た、水滴が氷結するような環境下でも氷結せず、氷結し
たとしても解凍は著しく容易である。さらには、水滴の
付着がほとんどないため、定期的清浄作業回数を低減で
き、しかも清浄は容易であり、美観保護の観点からも有
利である。
【0078】
【実施例】以下に本発明を例を挙げて具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。実施例における各
種評価方法は以下のとおりである。 [撥水性]水の接触角(単位:度)を測定した。 [水滴転落性]水平(角度0度)に保持した平板状のサ
ンプル基材に50μlの水滴を滴下後、サンプル基材を
傾けていき、水滴が転がり始めたときの基材と水平面と
の角度(単位:度)を読み取った。
【0079】[水滴残存性]垂直に立てたサンプルに対
して20cmの距離に保持したノズルから水を全面に1
時間スプレーした後、サンプル表面に残存する水滴を肉
眼で観察し、以下の基準で評価した。 A:サンプル表面に水滴がまったく残らない、 B:サンプル表面に水滴が少し残る、 C:サンプル表面に水滴がかなり残る、 D:サンプル表面で水滴が濡れ広がる。
【0080】[撥水耐久性の評価]沸騰水中に6時間浸
漬した後の、撥水性、水滴転落性、水滴残存性を評価し
た。
【0081】[合成例1]撹拌器、温度計を備えた20
0ccの4つ口フラスコを、充分に窒素置換し、下式で
表される化合物(ただしmの平均値は2.5)を100
g入れた。
【0082】
【化12】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3SiCH=CH2
【0083】温度を90℃に昇温した後、HSiCl3
15.4gと塩化白金酸(白金換算で2ppmになるよ
うに溶解)との混合物を、4つ口フラスコ中に滴下ロー
トから滴下した。反応の進行とともに、内温が100℃
まで上昇したことが観察された。1時間撹拌後、ガスク
マトグラフィー(以下、GCと記す。)により、HSi
Cl3 の消失を紫外線吸収スペクトル(IR)により確
認後、4時間後に反応を停止した。得られた生成物を核
磁気共鳴スペクトル(NMR)、IRにより分析した結
果、下式で表される構造(ただしmの平均値は2.5)
であることを確認した。
【0084】
【化13】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2SiCl3
【0085】[合成例2]撹拌器、温度計を備えた20
0ccの4つ口フラスコを、充分に窒素置換し、下式で
表される化合物(ただしmの平均値は8)を100g入
れた。
【0086】
【化14】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3SiCH=CH2
【0087】温度を90℃に昇温した後、HSiCl3
6.5gと塩化白金酸(白金換算で2ppmになるよう
に溶解)との混合物を、4つ口フラスコ中に滴下ロート
から滴下した。反応の進行とともに、内温が100℃ま
で上昇したことが観察された。1時間撹拌後、GCによ
り、HSiCl3 の消失をIRにより確認後、4時間後
に反応を停止した。得られた生成物をNMR、IRによ
り分析した結果、下式で表される構造(ただしmの平均
値は8)であることを確認した。
【0088】
【化15】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2SiCl3
【0089】[合成例3]撹拌器、温度計を備えた20
0ccの4つ口フラスコを、充分に窒素置換し、下式で
表される化合物(ただしmの平均値は2.5、xの平均
値は2、yの平均値は1)を100g入れた。
【0090】
【化16】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(F(CF2)8)(CH2)3
(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySiCH=CH2
【0091】温度を90℃に昇温した後、HSiCl3
10.2gと塩化白金酸(白金換算で2ppmになるよ
うに溶解)との混合物を、4つ口フラスコ中に滴下ロー
トから滴下した。反応の進行とともに、内温が100℃
まで上昇したことが観察された。1時間撹拌後、GCに
より、HSiCl3 の消失をIRにより確認後、4時間
後に反応を停止した。得られた生成物をNMR、IRに
より分析した結果、下式で表される構造(ただしmの平
均値は2.5、xの平均値は2、yの平均値は1)であ
ることを確認した。
【0092】
【化17】 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]ySi- −(CHSi
Cl
【0093】[合成例4]撹拌器、温度計を備えた20
0ccの4つ口フラスコを、充分に窒素置換し、下式で
表される化合物(ただしmの平均値は2.5)を100
g入れた。
【0094】
【化18】 [(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]3SiCH=CH2
【0095】温度を90℃に昇温した後、HSiCl3
6.1gと塩化白金酸(白金換算で2ppmになるよう
に溶解)との混合物を、4つ口フラスコ中に滴下ロート
から滴下した。反応の進行とともに、内温が100℃ま
で上昇したことが観察された。1時間撹拌後、GCによ
り、HSiCl3 の消失をIRにより確認後、4時間後
に反応を停止した。得られた生成物をNMR、IRによ
り分析した結果、下式で表される構造(ただしmの平均
値は2.5)であることを確認した。
【0096】
【化19】[(F(CF2)8(CH2)3)(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m]3S
i(CH2)2SiCl3
【0097】[合成例5]撹拌器、温度計を備えた20
0ccの4つ口フラスコを、充分に窒素置換し、下式で
表される化合物(ただしmの平均値は2.5、xの平均
値は2、yの平均値は1)を100g入れた。
【0098】
【化20】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(H(CH2)8(C
H3)2)SiO[(CH3)2SiO]m]ySiCH=CH2
【0099】温度を90℃に昇温した後、HSiCl3
13.8gと塩化白金酸(白金換算で2ppmになるよ
うに溶解)との混合物を、4つ口フラスコ中に滴下ロー
トから滴下した。反応の進行とともに、内温が100℃
まで上昇したことが観察された。1時間撹拌後、GCに
より、HSiCl3 の消失をIRにより確認後、4時間
後に反応を停止した。得られた生成物をNMR、IRに
より分析した結果、下式で表される構造(ただしmの平
均値は2.5、xの平均値は2、yの平均値は1)であ
ることを確認した。
【0100】
【化21】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]x[(H(CH2)8)(CH3)2
SiO[(CH3)2SiO]m]ySi(CH2)2SiCl3
【0101】[合成例6]撹拌器、温度計を備えた20
0ccの4つ口フラスコを、充分に窒素置換し、下式で
表される化合物(ただしmの平均値は2.5)を100
g入れた。
【0102】
【化22】[(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3SiCH=CH2
【0103】温度を90℃に昇温した後、HSiCl3
17.2gと塩化白金酸(白金換算で2ppmになるよ
うに溶解)との混合物を、4つ口フラスコ中に滴下ロー
トから滴下した。反応の進行とともに、内温が100℃
まで上昇したことが観察された。1時間撹拌後、GCに
より、HSi(OC253 の消失をIRにより確認
後、4時間後に反応を停止した。得られた生成物をNM
R、IRにより分析した結果、下式で表される構造(た
だしmの平均値は2.5)であることを確認した。
【0104】
【化23】 [(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m]3Si(CH2)2Si(OCH2CH3)3
【0105】[例1](実施例) 温度計、撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、酢酸
ブチル97.00g、合成例1で得た化合物を3.00
g入れ、25℃で1昼夜撹拌し表面処理剤組成物組成物
を調製した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm
×10cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表
面に、調製した表面処理剤組成物を1ccを滴下し、テ
ィッシュペーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広
げ、大気中で乾燥してサンプル基材1を得た。サンプル
基材1の評価結果を表1に示す。
【0106】[例2](実施例) 温度計、撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、酢酸
ブチル97.00g、合成例2で得た化合物を3.00
g入れ、25℃で1昼夜撹拌し表面処理剤組成物を調製
した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm×10
cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表面に調
製した表面処理剤組成物の1ccを滴下し、ティッシュ
ペーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、大気
中で乾燥してサンプル基材2を得た。サンプル基材2の
評価結果を表1に示す。
【0107】[例3](実施例) 温度計、撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、酢酸
ブチル97.00g、合成例3で得た化合物を3.00
g入れ、25℃で1昼夜撹拌し表面処理剤組成物を調製
した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm×10
cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表面に調
製した表面処理剤組成物を1ccを滴下し、ティッシュ
ペーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、大気
中で乾燥してサンプル基材3を得た。サンプル基材3の
評価結果を表1に示す。
【0108】[例4](実施例) 温度計、撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、酢酸
ブチル97.00g、合成例4で得た化合物を3.00
g入れ、25℃で1昼夜撹拌し表面処理剤組成物を調製
した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm×10
cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表面に、
調製した表面処理剤組成物を1ccを滴下し、ティッシ
ュペーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、大
気中で乾燥してサンプル基材4を得た。サンプル基材4
の評価結果を表1に示す。
【0109】[例5](実施例) 温度計、撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、酢酸
ブチル97.00g、合成例5で得た化合物を3.00
g入れ、25℃で1昼夜撹拌し表面処理剤組成物を調製
した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm×10
cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表面に、
調製した表面処理剤組成物を1ccを滴下し、ティッシ
ュペーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、大
気中で乾燥してサンプル基材5を得た。サンプル基材5
の評価結果を表1に示す。
【0110】[例6](実施例) 温度計、撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、2−
プロパノール93.00g、合成例6で得た化合物の
3.41gを入れ、25℃で10分間撹拌した。次に
0.6重量%硝酸水溶液3.59gを徐々に滴下した。
滴下終了後、25℃で3昼夜撹拌を継続し表面処理剤組
成物を調製した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10
cm×10cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラ
ス表面に、調製した表面処理剤組成物を1ccを滴下
し、ティッシュペーパーで自動車ワックスがけの要領で
塗り広げ、大気中で乾燥してサンプル基材6を得た。サ
ンプル基材6の評価結果を表1に示す。
【0111】[比較例1]温度計、撹拌機が装着された
ガラス製反応容器に、酢酸ブチル97.00g、100
センチストークスの粘度を有するポリジメチルシロキサ
ン(末端トリメチル)を3.00g入れ、25℃で1昼
夜撹拌し表面処理剤組成物を調製した。あらかじめ研磨
洗浄されたサイズ10cm×10cm(厚さ3.5m
m)のソーダライムガラス表面に、調製した表面処理剤
組成物Aを1ccを滴下し、ティッシュペーパーで自動
車ワックスがけの要領で塗り広げ、大気中で乾燥してサ
ンプル基材Aを得た。サンプル基材Aの評価結果を表1
に示す。
【0112】[比較例2]温度計、撹拌機が装着された
ガラス製反応容器に、酢酸ブチル97.00g、H(C
28 SiCl3 の3.00gを入れ、25℃で1昼
夜撹拌し表面処理剤組成物を調製した。あらかじめ研磨
洗浄されたサイズ10cm×10cm(厚さ3.5m
m)のソーダライムガラス表面に、調製した表面処理剤
組成物を1ccを滴下し、ティッシュペーパーで自動車
ワックスがけの要領で塗り広げ、大気中で乾燥してサン
プル基材Bを得た。サンプル基材Bの評価結果を表1に
示す。
【0113】[比較例3]温度計、撹拌機が装着された
ガラス製反応容器に、酢酸ブチル97.00g、C8
1724 SiCl3 3.00gを入れ、25℃で1昼
夜撹拌し表面処理剤組成物を調製した。あらかじめ研磨
洗浄されたサイズ10cm×10cm(厚さ3.5m
m)のソーダライムガラス表面に、調製した表面処理剤
組成物を1ccを滴下し、ティッシュペーパーで自動車
ワックスがけの要領で塗り広げ、大気中で乾燥してサン
プル基材Cを得た。サンプル基材Cの評価結果を表1に
示す。
【0114】
【表1】
【0115】[例7〜12](実施例) サンプル基材1〜6を、それぞれ表2に示す薬品に24
時間浸漬し、浸漬後の撥水性、水滴転落性を評価した。
結果を表2および表3に示す。
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】[例13〜18](実施例) サンプル基材1〜6を、それぞれサンプルを荷重1kg
でネル布にて1500回往復摩耗した。摩耗試験後の撥
水性、水滴転落性を評価した結果を表4に示す。
【0119】
【表4】
【0120】[例19〜24](実施例) サンプル基材1〜6を、それぞれ250℃で30分加熱
した後に、撥水性、水滴転落性を評価した結果を表5に
示す。
【0121】
【表5】
【0122】[例25](実施例) 温度計および撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、
酢酸ブチル99.00g、Si(NCO)4 1.00g
を入れ、25℃で1昼夜撹拌を継続して前処理液1を調
製した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm×1
0cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表面
に、調製した前処理液1を1cc滴下し、ティッシュペ
ーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、さらに
25℃、湿度50%の環境下に1時間放置した。次に、
前処理液1で処理された基材を用いて例1と同様の方法
でサンプル基材7を作成した。サンプル基材7の評価結
果を表6に示す。
【0123】[例26](実施例) 温度計および撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、
エチルアルコール78.80g、Si(OC254
10.40gを入れ、25℃で10分間撹拌した。次に
0.6重量%硝酸水溶液10.80gを徐々に滴下し
た。滴下終了後、25℃で1昼夜撹拌を継続し前処理液
2を合成した。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10c
m×10cm(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス
表面に前処理液2を1cc滴下し、ティッシュペーパー
で自動車ワックスがけの要領で塗り広げた後、250℃
で30分間加熱した。次に、前処理液2で処理された基
材を用いて例1と同様の方法でサンプル基材8を作成し
た。サンプル基材8の評価結果を表6に示す。
【0124】
【表6】
【0125】[例27](実施例) 温度計および撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、
2−プロパノール93.00g、合成例6で得た化合物
を2.39gおよびテトラエトキシシランを1.02g
入れ、25℃で10分間撹拌した。次に0.6重量%硝
酸水溶液3.58gを徐々に滴下した。滴下終了後、2
5℃で3昼夜撹拌を継続し表面処理剤組成物を調製し
た。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm×10c
m(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表面に、調
製した表面処理剤組成物を1ccを滴下し、ティッシュ
ペーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、大気
中で乾燥してサンプル基材9を得た。サンプル基材9の
評価結果を表7に示す。
【0126】[例28](実施例) 温度計および撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、
2−プロパノール93.00g、合成例6で得た化合物
を2.39gおよびテトラエトキシシランを1.02g
入れ、25℃で10分間撹拌した。次に0.6重量%硝
酸水溶液3.58gを徐々に滴下した。滴下終了後、2
5℃で3昼夜撹拌を継続し表面処理剤組成物を調製し
た。あらかじめ研磨洗浄されたサイズ10cm×10c
m(厚さ3.5mm)のソーダライムガラス表面に、調
製した表面処理剤組成物を1ccを滴下し、ティッシュ
ペーパーで自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、25
0℃で30分間加熱しサンプル基材10を得た。サンプ
ル基材10の評価結果を表7に示す。
【0127】[例29](実施例) 温度計および撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、
2−プロパノール93.00g、合成例6で得た化合物
を1.71gおよびF(CF28 (CH22 Si
(OCH33 を1.71g入れ、25℃で10分間撹
拌した。次に0.6重量%硝酸水溶液3.58gを徐々
に滴下した。滴下終了後、25℃で3昼夜撹拌を継続し
表面処理剤組成物を調製した。あらかじめ研磨洗浄され
たサイズ10cm×10cm(厚さ3.5mm)のソー
ダライムガラス表面に、調製した表面処理剤組成物を1
ccを滴下し、ティッシュペーパーで自動車ワックスが
けの要領で塗り広げ、大気中で乾燥してサンプル基材1
1を得た。サンプル基材11の評価結果を表7に示す。
【0128】[例30](実施例) 温度計および撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、
酢酸ブチル97.00g、合成例1で得た化合物を0.
68gおよびF(CF28 (CH22 Si(NC
O)3 を2.73g入れ、25℃で1昼夜撹拌し表面処
理剤組成物を調製した。あらかじめ研磨洗浄されたサイ
ズ10cm×10cm(厚さ3.5mm)のソーダライ
ムガラス表面に、調製した表面処理剤組成物を1ccを
滴下し、ティッシュペーパーで自動車ワックスがけの要
領で塗り広げ、大気中で乾燥してサンプル基材12を得
た。サンプル基材12の評価結果を表7に示す。
【0129】[例31](実施例) 温度計および撹拌機が装着されたガラス製反応容器に、
酢酸ブチル97.00g、合成例1で得た化合物を2.
73gおよびSi(NCO)4 を0.68g入れ、25
℃で1昼夜撹拌し表面処理剤組成物を調製した。あらか
じめ研磨洗浄されたサイズ10cm×10cm(厚さ
3.5mm)のソーダライムガラス表面に、調製した表
面処理剤組成物を1ccを滴下し、ティッシュペーパー
で自動車ワックスがけの要領で塗り広げ、大気中で乾燥
してサンプル基材13を得た。サンプル基材13の評価
結果を表7に示す。
【0130】
【表7】
【0131】[例32](実施例) 例1の方法で自動車用フロント合わせガラス表面に処理
を行った後、該合わせガラスを自動車に装着した。この
自動車を3ヶ月間実際に使用して、フロント表面での汚
れ、ほこりの付着状態、また、雨天時においては水滴の
付着状態を肉眼で観察した。その結果、汚れ、ほこりの
付着、水滴の付着による水垢の発生は見られず、まれに
それらの発生があってもティッシュペーパーを用いて軽
く拭けば容易に除去できた。また、雨天時には、表面で
水滴がはじかれ、走行による風圧との相互作用により水
滴は速やかに移動し、ワイパーを使用することなく、視
野が確保された。また、停車時においても水滴の転がり
性がよいため、水滴が自重により転落して、ワイパーを
用いなくても視野が確保できた。さらに、0℃での走行
テストにおいて、未処理のフロント合わせガラスに付着
する水滴は氷結したのに対して、処理したフロントガラ
スでの氷結はまったくみられなかった。
【0132】[例33](実施例) 例32においてフロント合わせガラスをサイドガラス、
リアガラス、サイドミラーに変更して行ったところ、例
32と同様の効果が確認できた。
【0133】[例34](実施例) すでに常用して3年が経過した自動車用フロントガラス
の表面を酸化セリウム水溶液で研磨し、水洗し乾燥し
た。洗浄したフロント合わせガラスを基材として例1の
方法で処理した。この自動車において、例32と同様の
走行試験を実施したところ、同様の効果が確認された。
【0134】
【発明の効果】本発明の表面処理剤を含む表面処理剤組
成物は、以下の優れた効果を基材表面に付与する。 (1)基材表面に、優れた撥水性および優れた水滴転落
性を付与するため、水のもたらす悪影響を排除できる。
また、洗浄の簡略化も図れる。 (2)撥水性および水滴転落性の持続性に優れ、半永久
的に使用可能である。 (3)耐薬品性に優れる。したがって、海水が直接触れ
る船舶の透視野部においても効果を発揮する。 (4)特殊な前処理を必要しないことから、経済的効果
が高い。 (5)常温処理でもその特性を発現するため、汎用性お
よび経済性に優れ、リペア用としても使用できる。ま
た、適用される基材の種類も広範囲にわたる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小寺 真美 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4H020 BA36

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式1で表される加水分解性シラン化合物
    および/または該加水分解性シラン化合物の部分加水分
    解生成物からなる表面処理剤。 【化1】 ただし、式1中の記号は以下の意味を示す。 R1 〜R5 :それぞれ、同一であっても異なっていても
    よい1価有機基。 Q1 :2価有機基。 X1 、X2 、X3 :それぞれ同一であっても異なってい
    てもよく、加水分解性基またはイソシアネート基。 m:0以上の整数。
  2. 【請求項2】R1 もしくはR5 が下式Aで表される基で
    ありかつR2 、R3 、およびR4 が1価炭化水素基であ
    る、または、R1 〜R5 の全てがメチル基である、請求
    項1に記載の表面処理剤。 −Q2 −Rf ・・・式A ただし、式A中の記号は、以下の意味を示す。 Rf :エーテル性の酸素原子を含んでいてもよい1価ポ
    リフルオロ炭化水素基。 Q2 :2価有機基。
  3. 【請求項3】Q1 がジメチレン基である請求項1または
    2に記載の表面処理剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理
    剤、および、有機溶剤を含む表面処理剤組成物。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の表面処理剤組成物により
    基材表面を処理することを特徴とする基材処理方法。
  6. 【請求項6】基材表面を処理した後、乾燥する請求項5
    に記載の基材処理方法。
  7. 【請求項7】基材表面が、ガラス表面である請求項5ま
    たは6に記載の基材処理方法。
  8. 【請求項8】基材表面が、式1で表される化合物以外の
    加水分解性シラン化合物であらじめ処理された表面であ
    る請求項5〜7のいずれかに記載の基材処理方法。
  9. 【請求項9】請求項5〜8のいずれかに記載の基材処理
    方法により得られた処理された処理基材。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の処理基材が搭載された
    部材。
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