JP2000129122A - 成形用ポリアミド組成物 - Google Patents

成形用ポリアミド組成物

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JP2000129122A
JP2000129122A JP10302833A JP30283398A JP2000129122A JP 2000129122 A JP2000129122 A JP 2000129122A JP 10302833 A JP10302833 A JP 10302833A JP 30283398 A JP30283398 A JP 30283398A JP 2000129122 A JP2000129122 A JP 2000129122A
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Shigeo Ishizuka
重男 石塚
Tomoo Tanaka
友雄 田中
Ryuichi Hayashi
隆一 林
Reiko Koshida
れい子 越田
Shigemi Une
成実 宇根
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Du Pont KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い靭性を備え、高温高湿環境における剛
性、耐薬品性および表面外観に優れた薄肉部を有する成
形品および自動車用コネクタを得ることができるポリア
ミド組成物の提供。 【解決手段】 A.ポリアミドを構成するモノマ−成分
中の芳香族モノマ−が30モル%以上であり、融点が2
80〜320℃であり、且つガラス転移温度が95〜1
15℃である半芳香族ポリアミド100重量部と、B.
カルボン酸またはカルボン酸無水物によりグラフト変性
された変性ポリオレフィンを主成分とする耐衝撃剤1〜
70重量部とを含有する薄肉部を有する成形品および自
動車コネクタ用ポリアミド組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉部を有する成
形品、および自動車用電気コネクタなどの成形材料とし
て使用されるポリアミド組成物に関し、さらに詳しく
は、高い靭性を備え、高温高湿環境における剛性、耐薬
品性および表面外観に優れた薄肉部を有する成形品およ
び自動車用電気コネクタの成形材料として使用されるポ
リアミド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】苛酷な条件下で使用される電気・ 電子機
器類や自動車関連部品、特にエンジン部に近い環境で使
用される部品には高い物性、安定した寸法、耐熱性、耐
薬品性が要求される。
【0003】こうした部品は本来の機能を保持しつつ部
品寸法はより小さく、より薄く設計されつつあり、また
高い信頼性、低コストを実現するためにより高いレベル
の寸法安定性や、部品の高い生産性が要求される。
【0004】エンジニアリングプラスチックスはこうし
た部品を生産する材料として最適であり、その用途は広
がっている。このような用途の例としては、例えばモー
ターインシュレータ、コイルボビン等の薄肉の電気用、
電子用部品、薄肉部を有する精密ギアパーツ、ベアリン
グリテナーやリテナーハウジング等が挙げられる。高温
高湿下、例えば自動車のエンジンルーム内で使用される
クリップ類、バンド類、スナップフィットを必要とする
部品、各種シール材、ハウジング材等が例として挙げら
れる。エンジニアリングプラスチックスの用途は、その
多くの場合射出成形によって部品に成形されるため、材
料本来の有する物性とともに射出成形時の寸法安定性、
生産性が重要である。
【0005】また、自動車用電気コネクタは、他の電気
・電子機器において使用される電気コネクタと異なり、
組立工程が特に複雑であり、部品点数も多く、さらに工
程中に部品の輸送も伴なうため、高い靭性が要求され
る。また、エンジンルームは非常に高温であるため、自
動車用電気コネクタには高温剛性が要求され、その上、
電気コネクタを含む自動車部品は様々な気候に対応でき
るものでなければならず、温度変化、湿度変化に対応で
きるものでなければならない。さらにまた、エンジンル
ームにおいては、エンジンオイル、ロングライフクーラ
ント(LLC)、バッテリー液、ウィンドーウォッシャ
ー液など種々の薬品が使用されるため、電気コネクタは
耐薬品性でなければならない。このように自動車用電気
コネクタは、他の電気・電子機器の電気コネクタと異な
る様々な特性が要求される。
【0006】高い高温剛性、耐薬品性、耐湿度安定性を
有するエンジニアリングプラスチックス射出成形用材料
として、芳香族モノマー成分を構成要素の一部に含む半
芳香族ポリアミドが広く使用されるようになってきた。
自動車用電気コネクタの成形材料としては、半芳香族ポ
リアミド組成物が使用されている。
【0007】半芳香族ポリアミドは脂肪族ポリアミドと
比べてガラス転移温度が高く高温剛性に優れ、吸水によ
る機械的特性の低下も低い優れたポリアミドとして知ら
れている。
【0008】これらの半芳香族ポリアミドは、その特質
を発揮させるために、比較的高い(約100〜約150
℃)金型温度にて射出成形される。金型温度が低い場合
には成形品表面では十分なポリアミドの結晶化が期待で
きず、成形後の表面あれ、寸法の変動、物性の低下等が
おこる。こうした問題点は薄肉部を有する成形品におい
て顕著に表れていた。
【0009】比較的低い金型温度(約80〜約100
℃)にても成形可能な半芳香族ポリアミドは存在し、薄
肉部を有する成形品に使用される場合もあるが、この場
合高温剛性、耐薬品性、特に耐湿度性の低下が避けられ
なかった。
【0010】また一方で、自動車用電気コネクタは、多
極である場合が多く、極間の導通を防止するための仕切
り壁を必要とすることから、その形状が複雑となり、同
時に小型化への要求から薄肉部も多く、その成形材料は
良流動性や離型性など、成形面においても容易であるこ
とが要求される。しかしながら、半芳香族ポリアミドは
融点や粘度が高いために成形しにくいという欠点もあ
る。
【0011】半芳香族ポリアミドの成形性を改良するた
め、半芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドとの配合物
も知られており(特開平7−216223号公報)、こ
のような樹脂配合物からは優れた自動車用電気コネクタ
が得られるが、吸水時の剛性についてはさらなる改良が
望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、薄肉
部分を有するような部品の成形に際しても良好な成形性
を有し、成形後の表面あれ、寸法変化、物性の低下等が
少なく、かつ半芳香族ポリアミドに特徴的な高い高温剛
性、耐薬品性、耐湿度性を有するポリアミド樹脂組成物
および自動車用電気コネクタを提供することができるポ
リアミド組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ある種
の半芳香族ポリアミドと変性ポリオレフィンを主成分と
する耐衝撃剤とを含有するポリアミド組成物において、
半芳香族ポリアミドの融点およびガラス転移温度を指標
として構成成分および成分比を選択することにより、薄
肉部を有する成形品成形材料として好適なポリアミド組
成物および自動車用電気コネクタの成形材料として好適
なポリアミド組成物を提供できることを見出した。
【0014】すなわち、本発明の第1の態様に従う薄肉
部を有する成形品成形用ポリアミド組成物は、A.ポリ
アミドを構成するモノマー成分中の芳香族モノマーが3
0モル%以上であり、融点が280〜320℃であり、
且つガラス転移温度が95〜115℃である半芳香族ポ
リアミド100重量部と、B.カルボン酸またはカルボ
ン酸無水物によりグラフト変性された変性ポリオレフィ
ンを主成分とする耐衝撃剤1〜70重量部とを含有する
ことを特徴とする。
【0015】本発明の第2の態様に従う薄肉部を有する
成形品成形用ポリアミド組成物は、前記半芳香族ポリア
ミドが、ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳香族
モノマーが30モル%以上であり、ジカルボン酸成分
が、テレフタル酸、テレフタル酸とイソフタル酸との混
合物であり、ジカルボン酸成分中イソフタル酸が40モ
ル%以下である混合物、テレフタル酸とアジピン酸との
混合物、および、テレフタル酸とイソフタル酸とアジピ
ン酸との混合物であり、ジカルボン酸成分中イソフタル
酸とアジピン酸とが併せて40モル%以下である混合物
から成る群より選択され、ジアミン成分が、ヘキサメチ
レンジアミン、およびヘキサメチレンジアミンと2−メ
チルペンタメチレンジアミンとの混合物から成る群より
選択され、融点が280〜320℃であり、且つガラス
転移温度が95〜115℃である半芳香族ポリアミドで
あることを特徴とする。
【0016】本発明の第3の態様に従う自動車用電気コ
ネクタ成形用ポリアミド組成物は、A.ポリアミドを構
成するモノマー成分中の芳香族モノマーが30モル%以
上であり、融点が280〜320℃であり、且つガラス
転移温度が95〜115℃である半芳香族ポリアミド1
00重量部と、B.カルボン酸またはカルボン酸無水物
によりグラフト変性された変性ポリオレフィンを主成分
とする耐衝撃剤1〜70重量部とを含有することを特徴
とする。
【0017】本発明の第4の態様に従う自動車用電気コ
ネクタ成形用ポリアミド組成物は、前記半芳香族ポリア
ミドが、ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳香族
モノマーが30モル%以上であり、ジカルボン酸成分
が、テレフタル酸、テレフタル酸とイソフタル酸との混
合物であり、ジカルボン酸成分中イソフタル酸が40モ
ル%以下である混合物、テレフタル酸とアジピン酸との
混合物、および、テレフタル酸とイソフタル酸とアジピ
ン酸との混合物であり、ジカルボン酸成分中イソフタル
酸とアジピン酸とが併せて40モル%以下である混合物
から成る群より選択され、ジアミン成分が、ヘキサメチ
レンジアミン、およびヘキサメチレンジアミンと2−メ
チルペンタメチレンジアミンとの混合物から成る群より
選択され、融点が280〜320℃であり、且つガラス
転移温度が95〜115℃である半芳香族ポリアミドで
あることを特徴とする。
【0018】本発明で特定した範囲のポリアミド組成物
を成形して得られた薄肉部を有する成形品は、寸法変
化、物性の低下等が少なく、かつ半芳香族ポリアミドに
特徴的な高い高温剛性、耐薬品性、耐湿度性を兼ね備
え、モーターインシュレーター、コイルボビン、精密ギ
アパーツ、ベアリングリテナー、リテナーハウジング、
クリップ類、バンド類、スナップフィットを有する用
途、シール材、ハウジング等の用途に好適な特性を有す
る。
【0019】また、本発明で特定した範囲のポリアミド
組成物を成形して得られた自動用電気コネクタは、吸水
時の端子保持力の保持率が高く、高温荷重下変形が少な
く、自動車用電気コネクタ成形品として好適な特性を有
する。
【0020】
【発明の実施の形態】薄肉部を有する成形品を成形する
ために好適に使用されるポリアミド組成物および自動車
用電気コネクタを成形するために好適に使用されるポリ
アミド組成物は、A.ポリアミドを構成するモノマー成
分中の芳香族モノマーが30モル%以上であり、融点が
280〜320℃であり、且つガラス転移温度が95〜
115℃である半芳香族ポリアミド100重量部と、
B.カルボン酸またはカルボン酸無水物によりグラフト
変性された変性ポリオレフィンを主成分とする耐衝撃剤
1〜70重量部とを含有する組成物である。
【0021】半芳香族ポリアミドの融点およびガラス転
移温度を指標として構成成分および成分比を選択するこ
とにより、寸法変化、物性の低下等が少なく、かつ半芳
香族ポリアミドに特徴的な高い高温剛性、耐薬品性、耐
湿度性を兼ね備えた薄肉部を有する成形品を成形するこ
とができる。特に自動車用コネクタについては吸水時の
端子保持力の保持率が75%以上、高温荷重下変形が1
mm以下となる自動車用電気コネクタを成形することが
できる。
【0022】ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳
香族モノマーは、30モル%以上含まれなければならな
い。好ましくは32モル%以上、さらに好ましくは32
モル%以上40モル%以下である。芳香族モノマーの含
有量が30モル%よりも少ないと、高温剛性および吸水
時の機械的特性が低下してしまう。
【0023】芳香族モノマーは、具体的には、芳香族ジ
アミン、芳香族カルボン酸、芳香族アミノカルボン酸が
挙げられる。芳香族ジアミンとしては、例えば、パラフ
ェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、メタフ
ェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、メタキシレ
ンジアミンなどが、芳香族ジカルボン酸としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチ
ルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが、また
芳香族アミノカルボン酸としては、例えば、パラアミノ
安息香酸などが挙げられ、これらの芳香族モノマーは単
独でもまた二種類以上を組み合わせて用いることができ
る。中でも、テレフタル酸またはテレフタル酸とイソフ
タル酸との混合物が好適に用いられる。
【0024】半芳香族ポリアミドの他の構成成分は、脂
肪族ジカルボン酸、脂肪族アルキレンジアミン、脂環式
アルキレンジアミン、脂肪族アミノカルボン酸などであ
る。
【0025】脂肪族ジカルボン酸成分としては、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸などを
挙げることができ、これらは単独でも、二種類以上を組
み合わせて用いてもよい。アジピン酸が好適に使用され
る。
【0026】脂肪族アルキレンジアミン成分は、直鎖状
であっても分岐鎖状であってもよい。具体的には、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノ
オクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミ
ノデカン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エ
チルテトラメチレンジアミンなどを挙げることができ、
これらは単独でも、二種類以上を組み合わせて用いても
よい。
【0027】脂環式アルキレンジアミン成分としては、
1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4´−ジア
ミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシルメタン、イ
ソフォロンジアミン、ピペラジンなどを挙げることがで
き、これらは単独でも、二種類以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0028】脂肪族アミノカルボン酸成分としては、6
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などを挙げることができ、これらの
原料としてはそれぞれ対応する環状のラクタムを用いて
もよい。また、これらは単独でも、二種類以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0029】ポリアミドを構成するモノマー成分中の芳
香族モノマーが30モル%以上である半芳香族ポリアミ
ドの具体的な構成成分および成分比は、半芳香族ポリア
ミドの融点が280℃〜320℃であり、且つガラス転
移温度が95℃〜115℃となるように決定される。さ
らに前記した原料モノマーの中から半芳香族ポリアミド
の具体的な構成成分および成分比を決めることにより、
電気コネクタの吸水時の端子保持力の保持率が75%以
上、高温荷重下変形が1mm以下となる所期のポリアミ
ド組成物が得られる。
【0030】ここで、端子保持力とは、剛性の指標であ
り、温度23±2℃、湿度50±5%の雰囲気で、ハウ
ジングに約100mmの長さの電線を圧着した端子を図
2のように固定し、電線を軸方向に約100mm/分の
一定速度で引張り、端子がハウジングの係止部2から抜
けるときに測定された荷重(N)である。
【0031】また、吸水時の端子保持率とは、吸水時の
剛性の指標であり、初期の端子保持力に対する、吸水処
理(温度30〜40℃、相対湿度95%の環境下に10
0〜200時間放置)を施した電気コネクタハウジング
を用いて同一の試験方法により測定された端子保持力を
百分率で表した値である。
【0032】吸水時の端子保持力の保持率が75%より
小さいと、吸水時に端子の脱離が起こってしまう。吸水
時の端子保持率は、好ましくは85%以上である。
【0033】また、高温時荷重下変形とは、高温剛性の
指標であり、温度23±2℃、湿度50±5%の雰囲気
で電気コネクタのオスハウジングフード部に50gの荷
重をかけ、150℃で1時間放置した後、荷重を除去
し、温度23±2℃、湿度50±5%の雰囲気で15分
放置した後に測定したフード部の変形量の値である。
【0034】高温荷重下変形が1mmより大きいと、高
温時での繰り返しの勘合が不能になり好ましくない。高
温荷重下変形は、好ましくは0.7mm以下である。
【0035】耐衝撃剤は、カルボン酸またはカルボン酸
無水物によりグラフト変性された変性ポリオレフィンを
主成分とし、他のエラストマーを含有してもよい。カル
ボン酸またはカルボン酸無水物によりグラフト変性され
た変性ポリオレフィンを主成分とした耐衝撃剤として
は、具体的には、エチレン・α−オレフィンからなるエ
ラストマー、エチレン・プロピレン・ジエン類からなる
エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオ
レフィンおよびそれらのコポリマーやポリオレフィンコ
ポリマーのアイオノマーなどを挙げることができる。
【0036】エチレン・α−オレフィンからなるエラス
トマーとは、例えばエチレン・プロピレン、エチレン・
メチルペンテン、エチレン・オクテン共重合体などであ
る。
【0037】エチレン・プロピレン・ジエン類なるエラ
ストマーとは、例えばエチレン/プロピレン/1,4−
ヘキサジエン−g−無水マレイン酸;エチレン/プロピ
レン/1,4−ヘキサジエンとエチレン/無水マレイン
酸との混合物;エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサ
ジエンとエチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン
−g−無水マレイン酸との混合物;エチレン/プロピレ
ン/1,4−ヘキサジエン/ノルボルナジエン−g−無
水マレイン酸フマル酸;エチレン/1,4−ヘキサジエ
ン/ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸モノエチル
エステル;エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエ
ン/ノルボルナジエン−g−フマル酸;エチレン/プロ
ピレン/1,4−ヘキサジエンとエチレン/無水マレイ
ン酸モノエチルエステルとの混合物;エチレン/プロピ
レン/1,4−ヘキサジエンとエチレン/マレイン酸モ
ノブチルとの混合物;エチレン/プロピレン/1,4−
ヘキサジエンとエチレン/無水マレイン酸との混合物な
どである。
【0038】ポリオレフィンコポリマーのアイオノマー
は、例えば、エチレン単位、α,β−エチレン性不飽和
カルボン酸の誘導体単位、およびエステル単位からなる
アイオノマーであり、さらに具体的には、α,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸の誘導体単位が、炭素数3〜8
個のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸であって、金
属イオンの中和によりイオン化されたカルボン酸基を有
するモノカルボン酸、金属イオンの中和によりイオン化
されたカルボン酸基とエステル基を有するジカルボン酸
からなる群から選ばれる1以上のα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸の誘導体であり、エステル単位が炭素数
4〜22のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルであるアイオノマーである。
【0039】耐衝撃剤は、単独でも、また二種以上を混
合して用いてもよい。
【0040】本発明のポリアミド組成物における耐衝撃
剤の含有量は、半芳香族ポリアミド100重量部当り、
1〜70重量部である。1重量部より少ないと薄肉部を
有する成形品および自動車用電気コネクタに要求される
靭性を得ることができず、一方、70重量部より多い
と、薄肉部を有する成形品におよび自動車用電気コネク
タに要求される高温剛性を保つことができなくなる。好
ましくは5〜35重量部であり、さらに好ましくは10
〜25重量部である。
【0041】融点は、280℃より低いと薄肉部を有す
る成形品および自動車用電気コネクタとしての耐熱性が
不十分となり、一方、320℃より高いと成形時に組成
物の分解ガスが発生してしまう。好ましくは、295℃
〜310℃である。
【0042】また、ガラス転移温度は、95℃より低い
と高温高湿時の剛性が薄肉部を有する成形品および自動
車用電気コネクタとして不十分となり、部品の変形等の
問題がおきる。一方、115℃より高いと、通常の薄肉
部を有する成形品および自動車用電気コネクタを成形す
るような成形条件を用いた場合、薄肉部において樹脂が
急冷された際に材料の結晶化が充分に完了しない。この
部分が後に高温にさらされると後結晶がおき、部品の変
形や表面にひけが生じ、外観不良を起こす。部品寸法も
後結晶により変化する。また部品形状が複雑であり、金
型温度が材料のガラス転移温度に近い場合には離型不良
が起きる。
【0043】結晶化を完了させる為には金型温度をより
高くし、冷却時間を充分長くとれば良いが、生産性はそ
こなわれてしまい、成形品のコストは高くなる。
【0044】モーターインシュレーター、コイルボビ
ン、精密ギアパーツ、ベアリングリテナー、リテナーハ
ウジング、クリップ類、バンド類、スナップフィットを
要する用途、シール材、ハウジング等の用途で薄肉部を
有する高性能な成形品をより高い効率で生産するために
は、95℃〜115℃の範囲より好ましくは95℃〜1
10℃のガラス転移温度を有する半芳香族ポリアミド樹
脂を使用することが重要である。
【0045】ここで薄肉部とは通常約3mm以下である
が、厚みが2mm以下の部分では本発明で記述されている
半芳香族ポリアミド樹脂を使用する効果が顕著になる。
【0046】自動車用電気コネクタはその形状が複雑で
薄肉部を多く有するため、次のような問題点がある。す
なわち、結晶化速度が遅く結晶化が不十分となり高温に
さらされると、薄肉部では後結晶化による変形が起こ
る、複雑な形状の成形後に結晶化速度が遅く表面にひけ
が生じ、成形品表面の外観不良を起こす、複雑な形状
で、且つ薄肉部では成形金型表面と樹脂との密着性が増
すことにより離型性が悪くなる。
【0047】尚、ガラス転移温度は、ASTM D79
0(−92)で使用される3.2mm×13mm×13
0mmの試験片を用いて動的粘弾性測定装置(DMA)
にて測定された値である。
【0048】薄肉部を有する成形品および自動車用電気
コネクタを成形するためにさらに好適に使用されるポリ
アミド組成物は、A.ポリアミドを構成するモノマー成
分中の芳香族モノマーが30モル%以上であり、ジカル
ボン酸成分が、テレフタル酸、テレフタル酸とイソフタ
ル酸との混合物であり、イソフタル酸がジカルボン酸成
分中40モル%以下である混合物、テレフタル酸とアジ
ピン酸との混合物であり、アジピン酸がジカルボン酸成
分中40モル%以下である混合物、および、テレフタル
酸とイソフタル酸とアジピン酸との混合物であり、ジカ
ルボン酸成分中イソフタル酸とアジピン酸とが併せて4
0モル%以下である混合物から成る群より選択され、ジ
アミン成分が、ヘキサメチレンジアミン、およびヘキサ
メチレンジアミンと2−メチルペンタメチレンジアミン
との混合物から成る群より選択され、融点が280〜3
20℃であり、且つガラス転移温度が95〜115℃で
ある半芳香族ポリアミド100重量部と、B.カルボン
酸またはカルボン酸無水物によりグラフト変性された変
性ポリオレフィンを主成分とする耐衝撃剤1〜70重量
部とを含有する。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分
は、30モル%以下であることが好ましい。本発明のポ
リアミド組成物における耐衝撃剤の含有量は、1〜70
重量部である。1重量部より少ないと薄肉部を有する成
形品および自動車用電気コネクタに要求される靭性を得
ることができず、一方、70重量部より多いと、薄肉部
を有する成形品および自動車用電気コネクタに要求され
る高温剛性を保つことができなくなる。好ましくは5〜
35重量部であり、さらに好ましくは10〜25重量部
である。
【0049】本発明のポリアミド組成物は、さらに、熱
安定剤を含有することが好ましい。熱安定剤の中でも、
銅含有化合物が好ましく、ヨウ化銅や臭化銅などのハロ
ゲン化銅が特に好ましい。通常ポリアミド組成物中銅含
有量として、10〜1000ppmとなるように添加さ
れる。アルキルハロゲン化合物が熱安定補助剤として通
常さらに添加される。
【0050】また、本発明のポリアミド組成物には、フ
ェノール系酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤と
熱安定剤を併用してもよい。
【0051】フェノール系酸化剤としては、トリエチレ
ングリコール・ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,
6−ヘキサンジオール・ビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネー
ト−ジエチルエステル、N,N′−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンな
どを挙げることができ、中でも、ペンタエリスリチル・
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサ
メチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマミド)が好ましい。
【0052】フェノール系酸化剤とともに、リン系やイ
オウ系の酸化防止補助剤を添加してもよい。リン系酸化
防止補助剤としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−
テトラキス(1,1−ジメチルエテル)ジベンゾ[d,
f][1,3,2]ジオキサフォスフェビン6−イル]
オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テ
トラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f]
[1,3,2]ジオキサフォスフェビン6−イル]オキ
シ]−エチル]エタナミン、ビス(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイトなどを挙げることができ、中でも2−[[2,
4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエテル)
ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェ
ビン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,
4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジ
ベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェビ
ン6−イル]オキシ]−エチル]エタナミンが好まし
い。
【0053】イオウ系酸化防止補助剤としては、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テト
ラキス [メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネー
ト]メタンなどを挙げることができる。本発明の芳香族
ポリアミド組成物は、その特性を損なわない程度で上記
成分に加えて、無機充填剤、難燃剤、可塑剤、核剤、染
料、顔料、離型剤などの添加剤を配合することができ
る。
【0054】
【実施例】本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明
は本実施例にのみ限定されるものではない。
【0055】実施例および比較例において使用された半
芳香族ポリアミドの構成成分、構成比、融点、およびガ
ラス転移温度を表1および表5に示す。
【0056】
【表1】
【0057】(実施例1〜7、比較例1〜5)表2に示
す芳香族ポリアミドおよび耐衝撃剤を二軸スクリュー押
出機(W&P社製ZSK−40)で溶融混練し、水冷
後、ペレットを製造した。得られたペレットを用いて
3.2mm×13mm×130mmの試験片を成形し、
成形された試験片を用いて、ASTM D790−92
に準じて曲げ弾性率を測定した。さらに、試験片を温度
80℃、湿度95%の環境下に100時間放置した後
に、曲げ弾性率を測定した。結果を表2に示す。
【0058】実施例1〜2と比較例1〜2とを比較する
と、芳香族モノマーの含有量が本発明により特定した含
有量より低く、ガラス転移温度も低い半芳香族ポリアミ
ドを使用すると、高温高湿度にさらされた時には曲げ弾
性率が著しく低下してしまうことがわかる。すなわち、
薄肉部を有する成形品として要求される剛性を得ること
ができない。
【0059】
【表2】
【0060】また表3に示す芳香族ポリアミドおよび耐
衝撃剤を二軸スクリュー押出機(W&P社製ZSK−4
0)で溶融混練し、水冷後、ペレットを製造した。得ら
れたペレットを用いて1mm厚及び3.2mm厚の試験片を
成形し、成形された試験片の長さを測定した。またその
試験片を160℃のオーブン中に24時間放置した後、
再び長さを測定した。実施例3と比較例3を比較すると
3.2mm厚では試験片は上記処理による寸法の変化に差
はみられなかったが、1mm厚という薄肉の試験片ではガ
ラス転移温度が本発明で特定した温度より高い半芳香族
ポリアミドを使用した比較例3では著しく寸法が変化し
ており、薄肉部を有する成形品用成形用材料としては不
適切であることがわかる。
【0061】
【表3】
【0062】また表4に示す芳香族ポリアミドおよび耐
衝撃剤を二軸スクリュー押出機(W&P社製ZSK−4
0)で溶融混練し、水冷後、ペレットを製造した。得ら
れたペレットを用いてコネクターを成形し、その表面外
観を観察した。比較例4から5では成形品表面にひけが
生じたが実施例4〜7では良外観であった。
【0063】
【表4】
【0064】(実施例8〜12、比較例6〜9)
【0065】
【表5】
【0066】表5に示す芳香族ポリアミドおよび耐衝撃
剤を二軸スクリュー押出機(W&P社製ZSK−40)
で溶融混練し、水冷後、ペレットを製造した。得られた
ペレットを用いて3.2mm×13mm×130mmの
試験片を金型温度80℃で成形した。成形された試験片
を用いて、以下の通り、曲げ弾性率を測定した。結果を
表6に示す。
【0067】
【表6】
【0068】(曲げ弾性率)ASTM D790−92
に準じて測定し、さらに、試験片を温度30〜40℃、
湿度95%の環境下に100〜200時間放置した後
に、曲げ弾性率を測定した。
【0069】図1は本発明の組成物を用いた雄型自動車
用電気コネクタのハウジング部を示し、内部に複数の収
容室が区画形成され、各収容室の上部及び下部にも隔壁
が設けられている。
【0070】次に、得られたペレットを用いて図1に示
す自動車用電気コネクタハウジングを成形し、以下の試
験を行った。 結果を表6に示す。
【0071】(外観品質)成形品の表面を目視観察し
た。
【0072】(端子保持力)図2は、雄型自動車用電気
コネクタのハウジング内に雄型の接触端子が収納係止さ
れている状態を示す断面図であり、2には、ハウジング
内の前面に設けられ、突起を形成した弾性片が挿入、収
容された接続端子と係合し、接続端子を保持する機構が
示されており、更に3には雄型コネクタと雌型コネクタ
が弾性的、可撓性係止部が嵌め合せられ、相互に係止さ
せた状態が示されている。
【0073】温度23±2℃、湿度50±5%の雰囲気
で、電気コネクタハウジングに約100mmの長さの電
線を圧着した端子を図2のように固定し、電線を軸方向
に約100mm/分の一定速度で引張り、端子がハウジ
ングの係止部2から抜ける時の荷重を初期の端子保持力
とした。また、吸水処理を施した電気コネクタハウジン
グを用いて同一の試験方法により荷重を測定し、吸水時
の端子保持力とした。
【0074】(端子保持力の保持率)初期の端子保持力
に対する吸水時の端子保持力の百分率を吸水時の端子保
持力の保持率とした。
【0075】(高温荷重下変形)温度23±2℃、湿度
50±5%の雰囲気で、電気コネクタの雄ハウジングフ
ード部に50gの荷重をかけ、150℃で1時間放置し
た後、荷重を除去し、温度23±2℃、湿度50±5%
の雰囲気で15分間放置した後のフード部の変形量の測
定値を高温荷重下変形とした。
【0076】実施例8〜9と比較例6とを比較すると、
芳香族モノマーの含有量が本発明により特定した含有量
より低く、ガラス転移温度も低い半芳香族ポリアミドを
使用すると、初期の曲げ弾性率が低く、さらに吸水時に
は曲げ弾性率が著しく低下してしまうことがわかる。す
なわち、自動車用電気コネクタとして要求される剛性を
得ることができない。
【0077】実施例8. 10. 11および12は、ガラ
ス転移温度が本発明により特定した範囲より高い比較例
7〜8と比べて、吸水時の端子保持力の保持率について
は、ほぼ同等かやや低下するが自動車用電気コネクタと
しては十分満足であり、高温荷重下変形は向上している
ことを示している。また、実施例8. 10. 11および
12は、芳香族モノマーの含有量が本発明により特定し
た含有量より低く、ガラス転移温度も低い比較例9と比
べて、表面外観はやや劣るものの自動車用電気コネクタ
としては十分満足であり、一方、吸水時の端子保持力の
保持率については向上していることを示している。すな
わち、本発明の自動車用電気コネクタは、自動車用電気
コネクタとしての特性のバランスに優れていることがわ
かる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、高
い靭性を備え、高温高湿環境における剛性および表面外
観に優れた薄肉部を有する成形品および自動車用電気コ
ネクタの成形材料として好適な樹脂組成物を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組成物を用いた雄型自動車用電気コネ
クタのハウジングの斜視図である。
【図2】本発明の組成物を用いた自動車用電気コネクタ
の断面を示す図である。
【符号の説明】
1 雄型ハウジング 2 ハウジングと端子との係合部 3 雄型ハウジングと雌型ハウジングとの係合部
フロントページの続き (72)発明者 田中 友雄 静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢崎 部品株式会社内 (72)発明者 林 隆一 栃木県宇都宮市清原工業団地19番地2 デ ュポン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 越田 れい子 栃木県宇都宮市清原工業団地19番地2 デ ュポン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 宇根 成実 栃木県宇都宮市清原工業団地19番地2 デ ュポン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 BN052 BN062 CL031 GQ00 5E087 EE11 HH02 HH04 KK04 QQ04 RR06 RR07 RR31 RR49

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.ポリアミドを構成するモノマー成分
    中の芳香族モノマーが30モル%以上であり、融点が2
    80〜320℃であり、且つガラス転移温度が95〜1
    15℃である半芳香族ポリアミド100重量部と、 B.カルボン酸またはカルボン酸無水物によりグラフト
    変性された変性ポリオレフィンを主成分とする耐衝撃剤
    1〜70重量部とを含有することを特徴とする薄肉部を
    有する成形品用ポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】 A.ポリアミドを構成するモノマー成分
    中の芳香族モノマーが30モル%以上であり、ジカルボ
    ン酸成分が、テレフタル酸、テレフタル酸とイソフタル
    酸との混合物であり、ジカルボン酸成分中イソフタル酸
    が40モル%以下である混合物、テレフタル酸とアジピ
    ン酸との混合物、および、テレフタル酸とイソフタル酸
    とアジピン酸との混合物であり、ジカルボン酸成分中イ
    ソフタル酸とアジピン酸とが併せて40モル%以下であ
    る混合物から成る群より選択され、ジアミン成分が、ヘ
    キサメチレンジアミン、およびヘキサメチレンジアミン
    と2−メチルペンタメチレンジアミンとの混合物から成
    る群より選択され、融点が280〜320℃であり、且
    つガラス転移温度が95〜115℃である半芳香族ポリ
    アミド100重量部と、 B.カルボン酸またはカルボン酸無水物によりグラフト
    変性された変性ポリオレフィンを主成分とする耐衝撃剤
    1〜70重量部とを含有することを特徴とする薄肉部を
    有する成形品用ポリアミド組成物。
  3. 【請求項3】 A.ポリアミドを構成するモノマー成分
    中の芳香族モノマーが30モル%以上であり、融点が2
    80〜320℃であり、且つガラス転移温度が95〜1
    15℃である半芳香族ポリアミド100重量部と、 B.カルボン酸またはカルボン酸無水物によりグラフト
    変性された変性ポリオレフィンを主成分とする耐衝撃剤
    1〜70重量部とを含有することを特徴とする自動車用
    電気コネクタ成形用ポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】 A.ポリアミドを構成するモノマー成分
    中の芳香族モノマーが30モル%以上であり、ジカルボ
    ン酸成分が、テレフタル酸、テレフタル酸とイソフタル
    酸との混合物であり、ジカルボン酸成分中イソフタル酸
    が40モル%以下である混合物、テレフタル酸とアジピ
    ン酸との混合物、および、テレフタル酸とイソフタル酸
    とアジピン酸との混合物であり、ジカルボン酸成分中イ
    ソフタル酸とアジピン酸とが併せて40モル%以下であ
    る混合物から成る群より選択され、ジアミン成分が、ヘ
    キサメチレンジアミン、およびヘキサメチレンジアミン
    と2−メチルペンタメチレンジアミンとの混合物から成
    る群より選択され、融点が280〜320℃であり、且
    つガラス転移温度が95〜115℃である半芳香族ポリ
    アミド100重量部と、 B.カルボン酸またはカルボン酸無水物によりグラフト
    変性された変性ポリオレフィンを主成分とする耐衝撃剤
    1〜70重量部とを含有することを特徴とする自動車用
    電気コネクタ成形用ポリアミド組成物。
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