JP2000127280A - 熱可塑性樹脂製建材およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂製建材およびその製造方法

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JP2000127280A
JP2000127280A JP30917598A JP30917598A JP2000127280A JP 2000127280 A JP2000127280 A JP 2000127280A JP 30917598 A JP30917598 A JP 30917598A JP 30917598 A JP30917598 A JP 30917598A JP 2000127280 A JP2000127280 A JP 2000127280A
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Kazuyuki Onishi
和幸 大西
Toshimata Matsui
利又 松井
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性高く製造でき、木質の風合いの高い家
具用や建具に適した建材を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部あたり木粉2
0〜200重量部含有する熱可塑性樹脂組成物を成形し
てなる外層部材と熱可塑性樹脂組成物を発泡成形してな
る内層部材とからなる熱可塑性樹脂製建材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具や建具に用い
られる木粉を配合した熱可塑性樹脂製建材およびその製
造方法に関し、詳しくはその内部に熱可塑性樹脂発泡成
形品の層を形成させた前記熱可塑性樹脂製建材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】公園、庭園用のデッキ、椅子、机等の家
具や、ドア、襖等の建具等の成形材料として、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂等の熱可塑樹脂
製の建材を得ようとする試みが種々行われてきた。特開
昭58−204050号公報には、木材粉粒に熱硬化性
樹脂素材を添加し、これを加熱圧着硬化した後切削破砕
して得られる粉末をスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の
熱可塑性樹脂に混入して押出し成形する方法が開示され
ている。しかしながら、熱硬化性樹脂により処理、硬化
させた木粉を使用した場合には、もはや本来の柔かな木
質感を発現できない。特開昭60−188445号公報
および特開昭60−192746号公報には、塩化ビニ
ル系樹脂に木粉、ガラス繊維又は無機充填剤、さらには
ABS樹脂等の改質剤を配合して得られた、線膨張率が
小さく、耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂成形体が提
案されている。しかしながら、この塩化ビニル系樹脂成
形体は、成形時に内部に蓄熱して熱分解による塩酸ガス
を発生して気泡を生ずるので、1cm以上の厚物の成形
は困難である。
【0003】特開昭58−107314号公報には、ポ
リオレフィン系樹脂に対して、熱可塑性樹脂と紙材との
複合体のチップを加えてペレットにし、これをポリオレ
フィン樹脂と共に押出してシートを得る方法が開示され
ている。この方法によると、ポリオレフィンの溶融温度
では内部蓄熱により木粉が分解するので、板材、棒材等
の建築資材用のものは得られない。木粉含有熱可塑性樹
脂組成物の成形時の蓄熱、分解の問題はポリオレフィン
系樹脂については融点200℃以上の滑剤を配合するこ
とにより、また塩化ビニル系樹脂については高分子量の
アクリル系樹脂を配合した発泡成形により解決されてき
た(特開平8−100086号公報、特開平10−36
606号公報)。しかしこれらによっても厚さ1cm以
上の厚物の板の成形は成形機に過大な負荷がかかるので
成形速度は遅くせざるを得ず、生産性が低いという問題
を有していた。一方で、合成樹脂製品が深く大量に市民
生活に浸透した現在、廃プラスチックの再生品の有効な
用途の開発が合成樹脂の成形分野の重大な課題になって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
の下で、生産性高く製造でき、木質の風合いの高い家具
用・建具用建材を提供することを目的としてなされたも
のである。また、資源の有効利用に資することのできる
上記建材を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
木質感を呈する外層を木粉含有熱可塑性樹脂組成物で比
較的薄い成形品として成形し、内層を木粉を含まない熱
可塑性樹脂を用いた発泡成形品とする2層構造とするこ
とにより達成されること、また、内層用熱可塑性樹脂と
して回収品を再利用することにより、更に資源の有効利
用ができ低コストで提供できることを見出し、この知見
に基づき本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
(1)熱可塑性樹脂100重量部あたり木粉20〜20
0重量部含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなる外
層部材と熱可塑性樹脂組成物を発泡成形してなる内層部
材とからなる熱可塑性樹脂製建材、(2)前記外層部材
を形成する組成物が、更に、熱可塑性樹脂100重量部
あたり繊維0.5〜50重量部を含有する熱可塑性樹脂
組成物からなることを特徴とする請求項1記載の熱可塑
性樹脂製建材、及び、(3)熱可塑性樹脂100重量部
および木粉20〜200重量部を含有する熱可塑性樹脂
組成物からなる外層部材に、回収熱可塑性樹脂を発泡成
形してなる内層部材を嵌合させることを特徴とする熱可
塑性樹脂製建材の製造方法、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の建材は、図1に示すように外層と内層の二層構
造を構成する。外層の厚さは1〜10mmが好ましく、
更に好ましくは2〜5mmでる。内層の厚さ2〜300
mmが好ましく、更に好ましくは5〜200mmであ
る。本発明の建材の外層または内層の成形のための組成
物に用いられる熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、飽和ポリエステル
樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール、ア
クリル樹脂、ポリカーボネートなどを挙げることができ
る。これらの中で、ポリエチレン、ポリプロピレン及び
塩化ビニル樹脂は、成形品の木質感に優れるので、特に
好適に使用することができる。本発明の建材の外層部材
形成用の組成物には、木粉が配合される。外層部材用樹
脂組成物に用いる木粉には特に制限はなく、鋸屑、鉋屑
の粉砕物、間伐木や廃木の粉砕物などを挙げることがで
きる。これらの中で、製材工場から副生する鋸屑を堆積
して部分発酵させたのち乾燥した木粉は、樹脂との親和
性が大きいので、特に好適に使用することができる。鋸
屑、鉋屑の粉砕物、間伐木や廃木の粉砕物は、分級する
ことにより、所定の平均粒径を有する木粉とすることが
できる。
【0007】外層部材用樹脂組成物に用いる木粉の平均
粒径は、30〜500μmであり、好ましくは70〜2
00μmである。木粉の平均粒径が30μm未満であっ
ても、500μmを超えても、良好な木質感を得ること
が困難とするおそれがある。本発明組成物において、木
粉の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部当たり、20
〜200重量部であり、好ましくは30〜100重量部
である。木粉が全く加えられていないか又はその添加量
が熱可塑性樹脂100重量部に対して20重量部未満の
少量加えられた場合は充分な効果を期待することができ
ず、又200重量部を越えるような多量加えられた場合
は、成形性が悪くなり、成形品の外観が滑らかとなら
ず、又耐衝撃性が悪くなってしまう。粒径が1μm未満
の木粉は微細すぎて取扱いが難い傾向があり、また、5
00μmより大きいと成形品の均質性を欠いて機械的強
度が低下するおそれがある。また、木粉の乾燥状態は、
水分率0.8重量%以下が好ましく、更に好ましくは
0.5重量%以下である。水分率が0.8重量%を越え
ると、成形時に発泡を起こすおそれがある。水分率が
0.8重量%以下に押さえられた木粉が樹脂中に混合、
分散された場合、ガスの発生が極めて小さく押さえら
れ、木粉の周りの空隙の発生を防ぎ、また、木粉と樹脂
との接着性が良い傾向がある。
【0008】本発明において、外層部材の機械的強度を
大きくするために、熱可塑性樹脂100重量部あたり繊
維0.5〜50重量部を配合することが好ましい。かか
る繊維としては、該熱可塑性樹脂の加工温度より5〜5
0℃高い軟化温度、好ましくは10〜40℃高い軟化温
度を有する熱可塑性樹脂製繊維であることが好ましい。
ここに、熱可塑性樹脂の加工温度とは、ロールや押出成
形機のシリンダーの設定温度ではなく、混練される樹脂
組成物が達する最高温度である。繊維の軟化温度とは、
繊維を10℃/分の昇温速度で加熱したとき、熱収縮が
10%生ずるときの温度である。代表的な繊維とその軟
化温度としては、アセテート(200〜230℃)、ト
リアセテート(>250℃)、ナイロン66(230〜
235℃)、ナイロン6(180℃)、アクリル(19
0〜240ど)、ポリエチレンテレフタレート(238
〜240℃)、ポリブチレンテレフタレート(200〜
220℃)、ビニロン(220〜230℃)、ポリ塩化
ビニリデン(145〜165℃)、カネカロン(150
〜160℃)、ポリプロピレン(140〜160℃)、
ポリエチレン(100〜115℃)等が挙げられる。好
ましい繊維の径は、5〜700μmであり、更に好まし
くは10〜500μmである。繊維の径が5μm未満で
あると、加熱溶融時の樹脂組成物の粘度が高くなり、成
形が困難となるおそれがある。繊維の径が700μmを
超えると、成形品の表面肌に粗さが現れて、外観が不良
となるおそれがある。一般に、繊維を配合することによ
り、衝撃のように瞬間的に大きな力が加わった時は繊維
の補強効果が大きく現われ易いのに対し、曲げのように
時間をかけて力が加わる場合は、繊維の配合の効果自体
は非常に小さい。また、繊維の径が太い方が衝撃強度を
向上する効果が大きく、繊維の径が細い方が曲げ強度及
び曲げ弾性率を若干向上する効果があるので、要求され
る成形品の物性に応じて配合する繊維の径を選択するこ
とができる。外層部材用樹脂組成物に添加される繊維の
長さは、2〜50mmが好ましく、更に好ましくは2〜
10mmである。繊維の長さが2mm未満であると、繊
維による補強効果が不十分となって衝撃強度等の機械的
特性が十分に向上しないおそれがある。繊維の長さが5
0mmを超えると、成形性が不良となるおそれがある。
【0009】熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂又はポ
リオレフィンをマトリックスとするとき、繊維がビニロ
ン繊維、ポリエステル繊維又はナイロン6繊維が有効で
あり、殊にビニロン繊維が好ましい。熱可塑性樹脂の加
工温度と繊維の軟化温度の差が5℃未満であると、樹脂
の成形加工時に繊維が切断され、十分な補強効果が得ら
れないおそれがある。繊維の軟化温度が熱可塑性樹脂の
加工温度より50℃を超えて高いと、熱可塑性樹脂と繊
維の間の親和性が不足して、十分な補強効果が得られな
いおそれがあり、また、成形品の表面肌に粗さが現われ
る可能性がある。繊維の配合量が熱可塑性樹脂100重
量部当たり0.5重量部未満であると、十分な補強効果
が得られないおそれがある。繊維の配合量が熱可塑性樹
脂100重量部当たり50重量部を超えると、成形品が
低下するおそれがある。
【0010】本発明の建材の外層部材用樹脂組成物に
は、木粉を熱可塑性樹脂になじませるために相溶化剤を
配合することが好ましい。そのような相溶化剤として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
にはカルボン酸変性ポリオレフィン;塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン等の塩素含有樹脂にはエポキシ基含
有塩化ビニル樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等が例
示される。
【0011】本発明の建材の内層部材は、熱可塑性樹脂
を発泡成形してなるものである。内層部材用の熱可塑性
樹脂としては、前記の例示の群から選択される樹脂を使
用することができ、かかる熱可塑性樹脂の回収品を再生
して用いることも可能である。熱可塑性樹脂は1種か、
または2〜3種を混合して用いられる。コスト低減のた
めには、特に回収ポリスチレンが好ましい。本発明の建
材の内層部材は、発泡倍率1.1〜5倍、好ましくは
1.5〜3倍に発泡成形されたものである。発泡成形す
るために内層部材成型用熱可塑性樹脂組成物には発泡剤
が含有される。かかる発泡剤としては、N,N′−ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、N,N′−ジメチル
−N,N′−ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロ
ソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロ
ニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒド
ラジド)、トルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホ
ニルヒドラジド類などの熱分解型有機発泡剤もしくは重
炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウ
ムなどの熱分解型無機発泡剤またはブタン、塩化メチ
ル、トリクロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、
石油エーテルなどの低沸点の有機化合物が用いられる。
発泡剤の使用量は種類によって異なるものの、通常用い
られる範囲の量で差し支えない。本発明の建材の外層部
材用樹脂組成物および内層部材用樹脂組成物には上記の
成分の他にそれぞれ必要に応じて、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、充填剤、
難燃剤、発泡剤などを配合することができる。
【0012】本発明の熱可塑性樹脂製建材を製造するに
は、外層部材と内層部材とを、それぞれの組成物を各一
層に用いて二層押出成形または二層射出成形して一体に
成形しても良いが、外層部材、内層部材を個別にそれぞ
れの組成物を用いて押出成形または射出成形し、次いで
両者を嵌合またはさらに接着剤で接着して合体して二層
からなる建材を形成してもよい。内層部材に対する外層
部材の被覆の度合いは、短手方向の断面を図3dに示す
ように、外層が内層を総て被覆しても良いが、少くとも
可視面総てを被覆しなければならない。ここで可視面お
よび不可視面とは、使用される状態に建材を置いて視線
の届く面が可視面(図2に示す本発明の建材の各種断面
形状において情報からの視線の届く、波状マークのない
箇所)であり、視線の届かない面が不可視面である(図
2で波状マークを付した箇所)。不可視面については、
外層部材による内層部材の被覆がなくても良いが(図3
のa)、その場合外層部材は、前記の繊維の配合等によ
り機械的強度、特に曲げ強度の十分大きいものであるこ
とが好ましい。不可視面において外層が内層を全面被覆
するか(図3のd)、または外層が可視面から連続して
若干の廻り込み部分を有するようにすると、本発明の建
材の持ち運び時等において内層が脱落しにくいので好都
合である(図3のb、c)。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂製建材は、木粉を含
有する木質の風合いの高い熱可塑性樹脂層を外層に限る
ことにより、木粉高含有量による成形時の溶融樹脂組成
物の低流動性に起因する生産性の低さを解消することが
できる。即ち、外層は例えば厚さ1〜10mmの薄板の
成形なので、長さ単位の生産性を上げることができる。
また、内層に熱可塑性樹脂発泡成形品を用いるので、内
外層を合わせてなる本発明の建材は、木粉配合の外層部
材用組成物のみで成形される建材に比して、全体として
比重が小さくなって天然の木材に近くなるという効果も
ある。更に、内層を回収再生熱可塑性樹脂を用いて発泡
成形することにより、資源の有効利用に資することがで
きる。このように本発明の建材は二層構造にすることに
より多くの利点を現出できるが、そのために機械的強度
が低いものであってはならない。家具用、建材用建材と
して、曲げ強度は100kgf/cm以上あること
が好ましく、150〜300kgf/cmであるこ
とが更に好ましい。尚、曲げ強度の測定は図4に示すよ
うに試験体を不可視面を下側にして置いて上方から荷重
をかけて測定する。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。次ぎに実施例、比較例における
特性評価のための試験、評価法を記す。 (a)重量 外層部材に内層部材を嵌合または接着させた1組みの建
材の重量。 (b)押出速度 押出成形により外層部材または内層部材を単位時間で長
手方向に押し出した長さ。 (c)曲げ強度、曲げ弾性率 JIS K 7203に従って測定する。 (d)耐衝撃性 断面が横50mm、縦30mmの矩形で長さ500mm
の試料の両端から各25mmの位置をクリップで固定
し、底面積78.5cm、重量4kgの錘を試料中央
に、高さを変えて落下させ、試料が破損する錘の高さに
より試料の耐衝撃性を評価する。 高さ 0〜50mm未満で破損 × 高さ 50〜100mm未満で破損 ○ 高さ 100mm以上で破損 ◎
【0015】実施例1 ポリプロピレン[昭和電工(株)、SK−711]70
重量部、ポリエチレン[昭和電工(株)、SS−60]
30重量部、木粉[(株)シマダ商会、セルユント、平
均粒径70μm、水分5重量%]60重量部をヘンシェ
ルミキサーにて混合し、180℃に昇温して冷却後、ス
テアリン酸バリウム2重量部を加えて更に混合して粒状
のコンパウンドを得た。混練部先端部のブレーカプレー
トを外した一軸押出機に粒状コンパウンドを仕込み、バ
レル温度180℃、ダイス温度185℃にて押出した。
先端部の溶融物の温度は195℃であった。先端部に金
型を装着して押出成形を行い、短手方向の断面が図3の
dに示すロの字型である棒状の外層部材(外寸が横50
mm×縦30mm×長さ500mm、板厚3.0mm)
を得た。一方、回収再生品のポリスチレンペレット10
0重量部、アゾジカルボンアミド(ビニホールAC 、
永和化成(株)製)0.5重量部およびステアリン酸亜
鉛0.2重量部を均一に混合して粒状のポリスチレンコ
ンパウンドを得た。44mm×24mmの矩形ダイスを
つけた一軸押出機に前記粒状のポリスチレンコンパウン
ドを仕込み、バレル温度170℃、ダイス温度175℃
にて押出した。先端部の溶融物の温度は175℃であっ
た。得られた押出発泡成形品の平均発泡倍率は1.7で
あった。得られた長さ500mmの内層部材を外層部材
の空洞部に挿入して嵌合し、合成樹脂製建材を得た。物
性等の特性を表1に示す。
【0016】実施例2 ポリプロピレン[昭和電工(株)、SK−711]70
重量部、ポリエチレン[昭和電工(株)、SS−60]
30重量部、木粉[(株)シマダ商会、セルユント、平
均粒径70μm、水分5重量%]60重量部およびビニ
ロン繊維[ユニチカ(株)、ビニロンAB、1,800
D(径14μmの繊維をより合わせて集束剤で緩やかに
束ねて径約450μmにした繊維)、繊維長10mm、
軟化温度225℃]5重量部をヘンシェルミキサーにて
混合し、180℃に昇温して冷却後、ステアリン酸バリ
ウム2重量部を加えて更に混合して粒状のコンパウンド
を得た。混練部先端部のブレーカプレートを外した一軸
押出機に粒状コンパウンドを仕込み、バレル温度180
℃、ダイス温度185℃にて押出した。先端部の溶融物
の温度は195℃であった。先端部に金型を装着して押
出成形を行い、短手方向の断面が図3のaに示すコの字
型である棒状の外層部材(外寸が横50mm×縦30m
m×長さ500mm、板厚3.0mm)を得た。内層部
材の成形は押出機のダイスを44mm×27mmの矩形
のものを使用したほかは実施例1と同様に行った。長さ
450mmの内層部材を外層部材の凹部に嵌合させた。
物性等の特性を表1に示す。
【0017】実施例3 外層部材の成形に実施例2と同様の外層部材用組成物を
用いたほかは実施例1と同様に行った。内層部材は外層
部材の空洞部に挿入して嵌合した。物性等の特性を表1
に示す。 実施例4 配合する繊維をポリエステル繊維[東レ(株)、テトロ
ン、2D、繊維長3mm、軟化温度240℃]とし、そ
の配合量を10重量部とした以外は、実施例3と同様に
行った。得られた内層部材を外層部材の空洞部に挿入し
て嵌合した。物性等の特性を表1に示す。
【0018】実施例5 実施例2において内層部材を外層部材に嵌合するに際
し、内外層接触面に一様にエポキシ系接着剤を塗布して
接着したほかは実施例2と同様に行った。物性等の特性
を表1に示す。 比較例1 外層部材の作成を一切行わずに、実施例1の内層部材用
ポリスチレン組成物を用い、押出機の成形ダイスを横5
0mm×縦30mmのものに代えて発泡成形し、長さ5
00mmの棒状発泡体を得た。この特性を表1に示す。 比較例2 内層部材の作成を一切行わずに、実施例1の外層部材用
ポリオレフィン組成物を用い、押出機の成形ダイスを横
50mm×縦30mmのものに代えて成形した。押出機
のトルクが高くなったので押出速度は実施例2の1/9
に下げた。この特性を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】注 *1:図3の類型
【0021】本発明例である実施例1〜5は、比較例2
の従来の木粉配合ポリオレフィン組成物使用による板の
成形に比して、いずれも外層部材の長さ生産性は8〜9
倍高い。また、実施例1〜5における内層部材の長さ生
産性はこれら外層部材の40倍以上であり、かつ、外層
部材は簡単な嵌合や接着で内層部材と複合させて建材と
して製造できるので、本発明により建材生産性が極めて
高く改善されたことが判る。実施例1〜5は、外層部材
の存在により、比較例2の再生ポリスチレンの発泡成形
品に比して曲げ強度、曲げ弾性率、耐衝撃性が十分に大
きい。また、実施例1〜5を比較例2の従来の木粉配合
ポリオレフィン組成物成形品に比すと、重量が十分に軽
くなった。曲げ強度や耐衝撃性について見れば、繊維を
配合したロの字構造の外層部材を有する実施例3、同4
の試料は、比較例2の試料と同等の十分の大きさを有し
ている。繊維を配合していない外層部材を持つ実施例1
と、繊維配合であるがコの字構造の外層部材を持つ実施
例2の試料の曲げ強度等は、これらより若干低いので、
建材として例えば椅子に適用するときは、補強桟の間隔
を小さくとる等の配慮をすることになる。
【0022】
【発明の効果】本発明の建材は、木質の風合いの高い、
家具や建具に好適な熱可塑性樹脂製品で、生産性高く製
造できる。また、資源の有効利用に資することもでき
る。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建材の短手方向断面斜視図である。
【図2】a〜eは本発明の一態様の建材の短手方向の各
種形状の断面図である。
【図3】a〜dは本発明の一態様の短手方向の断面が矩
形の建材の不可視面における外層部材の各種被覆度を示
す図である。
【図4】実施例における建材の曲げ強度、曲げ弾性率の
測定法の概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B260 AA20 BA01 BA15 BA18 CC01 CD06 CD30 EA13 EB02 EB06 4F100 AK01A AK01B AK04 AK07 AK12 AL05A AP00A BA02 DD31 DE01A DG01A DJ01B EA061 EC102 EH012 EH171 EH862 EJ021 GB07 GB81 JB16A JB16B JL02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部あたり木粉2
    0〜200重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形
    してなる外層部材と熱可塑性樹脂組成物を発泡成形して
    なる内層部材とからなる熱可塑性樹脂製建材。
  2. 【請求項2】 前記外層部材を形成する組成物が、更
    に、熱可塑性樹脂100重量部あたり繊維0.5〜50
    重量部を含有することを特徴とする請求項1記載の熱可
    塑性樹脂製建材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂100重量部および木粉2
    0〜200重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物押出成
    形してなる外層部材に、回収熱可塑性樹脂を発泡成形し
    てなる内層部材を嵌合させることを特徴とする熱可塑性
    樹脂製建材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002113822A (ja) * 2000-10-12 2002-04-16 Fukuvi Chem Ind Co Ltd 外観特性に優れた樹脂成形体
US7906569B2 (en) 2006-10-11 2011-03-15 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Method for production of molded article of plant-derived composite material, molded article of plant-derived composite material, method for production of plant-derived composite material, and plant-derived composite material
JP2011242792A (ja) * 2006-07-25 2011-12-01 Yamaha Corp 鍵盤楽器の黒鍵
CN109877936A (zh) * 2019-02-25 2019-06-14 朱文杰 一种阻燃复合刨花板的制备方法

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