JP2000123282A - 右折幼稚園バス検出方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 幼稚園バスには行き先表示部に表示される路
線番号がなく、また、路線バスのように一度走行路が決
定されると、該走行路が変更されることがないものとは
異なり、幼稚園児の家を回って走行する幼稚園バスは走
行路が一定しておらず、そのために、例えば、ナンバー
プレートを読み込んで信号機を右折優先にするといった
制御を行うことができなかった。 【解決手段】 幼稚園バス１の前面に表示される通園バ
スマーク１１の画像と、予め記憶されている複数の通園
バスマークのテンプレート画像とのパターンマッチング
の結果により通園バスマークであると判定された時に、
前記幼稚園バスの右側方向指示器１３の位置付近を特定
し、該右側方向指示器の点滅動作を検出することにより
右折幼稚園バスであると判定するようにした右折幼稚園
バス検出方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は幼稚園児の送迎を行
う幼稚園バスの前面に張り付けられた通園バスマークを
監視することにより幼稚園バスであるか否かを判断し、
また、該幼稚園バスが右折するか否かを右側方向指示器
から判断し、これにより交通信号灯を右折車優先に切り
換えることが可能な右折幼稚園バス検出方法およびその
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、路線バスに対しては歩道側の車線
を優先道路として一般車両の走行を規制することにより
平均走行速度を上げるようにし、また、当該路線バスが
右折する場合には、行き先表示部に表示されている路線
番号をテレビカメラで読み取って右折する路線バスであ
ると判断すると、信号機を右折優先に切り換えるといっ
た処置が採られている。

【０００３】ところで、最近、幼稚園バスが交通渋滞に
巻き込まれることが多く、特に、交差点における右折車
線での交通渋滞で所定の時間までに幼稚園に到着するこ
とができないため、路線バスと同様に交差点における幼
稚園バスの右折優先が望まれていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、幼稚園バスに
は行き先表示部に表示される路線番号がなく、また、路
線バスのように一度走行路が決定されると、該走行路が
変更されないものとは異なり、幼稚園児の家を回って走
行する幼稚園バスは幼稚園児の増減などにより走行路が
一定しておらず、そのために、例えば、ナンバープレー
トを読み込んで信号機を右折優先にするといった制御を
行うことができなかった。

【０００５】本発明は前記した問題点を解決せんとする
もので、その目的とするところは、幼稚園バスの前面に
表示される三角形状の通園バスマークと、該幼稚園バス
が右折するための右側方向指示器の点滅とを監視するこ
とにより、信号機を右折優先に切り換えるようにした右
折幼稚園バス検出方法およびその装置を提供せんとする
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の右折幼稚園バス
検出方法は前記した目的を達成せんとするもので、その
手段は、幼稚園バスの前面に表示される通園バスマーク
の画像と、予め記憶されている複数の通園バスマークの
テンプレート画像とのパターンマッチングの結果により
通園バスマークであると判定された時に、前記幼稚園バ
スの右側方向指示器の位置付近を特定し、該右側方向指
示器の点滅動作を検出することにより右折幼稚園バスで
あると判定するようにしたことを特徴とする。

【０００７】また、前記右側方向指示器の点滅動作を検
出する方法として、幼稚園バスの右側方向指示器の位置
付近を特定した後、右側方向指示器の位置付近の濃度の
平均値を求め、この濃度平均値から点滅回数を計数し点
滅動作を検出するようにしたことを特徴とする。

【０００８】また、本考案の幼稚園バス検出装置は、幼
稚園バスの通園バスマークを撮影する撮影手段と、該撮
影手段によって撮影した画像を記録する画像メモリと、
予め複数個の通園バスマークが記録されているテンプレ
ートメモリと、前記画像メモリよりの通園バスマークと
テンプレートメモリよりの通園バスマークとのパターン
マッチングの結果により通園バスマークであると判定し
たときに幼稚園バスであるとの信号を出力する幼稚園バ
ス確認部と、該幼稚園バス確認部よりの信号により右側
方向指示器の位置付近の濃度平均を検出する濃度検出部
と、該濃度検出部よりの濃度平均値から右側方向指示器
の点滅動作を検出すると右折幼稚園バスであるとの信号
を出力する点滅動作検出部とから構成したものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る右折幼稚園バ
ス検出装置の実施の形態を説明する。図１は幼稚園バス
とテレビカメラとの関係を示すイメージ図を、図２は幼
稚園バスの正面図を示す。１は幼稚園バスにして、該幼
稚園バス１の前面左側には三角形状で、かつ、児童の絵
が描かれている通園バスマーク１１が貼付されている。
また、前面の左右には方向指示器１２，１３が取付けら
れている。

【００１０】２は交差点近くの柱２１等の上方に配置さ
れたテレビカメラにして、前記幼稚園バス１の前記通園
バスマーク１１および少なくとも右側方向指示器１３を
撮影すると共に、該撮影画像から通園バスマーク１１お
よび右側方向指示器１３の点滅動作を検出するための検
出装置３が内蔵されている。

【００１１】図３は検出装置３のブロック図を示し、３
１はテレビカメラ２よりのアナログ信号をデジタル信号
に変換するＡＤ変換器、３２は該ＡＤ変換器３１よりの
画像（濃淡画像データ）を記憶する画像メモリ、３３は
撮像位置に応じて大きさの異なる複数のテンプレート画
像が記憶されたテンプレートメモリ、３４は前記画像メ
モリ３２よりの画像と前記テンプレートメモリ３３より
のテンプレート画像とをパターンマッチングし、相関値
が高い時に検出信号を出力する幼稚園バス確認部であ
る。なお、幼稚園バスの通園バスマークは幼稚園によっ
て形状が多少異なる場合があるので、上記撮像位置に応
じた大きさの異なる通園バスマークをテンプレートメモ
リ３３に記憶させておく。

【００１２】３５は前記確認部３４よりの出力が送出さ
れた時に、前記画像メモリ３２で撮影される右側方向指
示器１３付近における画像の濃度平均を検出する方向指
示器濃度平均検出部（以下、単に濃度平均検出部とい
う）、３６は該濃度平均検出部３５よりの点滅動作が予
め設定された範囲内の点滅動作であるか否かを検出する
点滅動作検出部である。

【００１３】次に、図４のフローチャートに基づいて右
折幼稚園バス検出装置の動作を説明する。先ず、定期的
に幼稚園バス１における通園バスマーク１１のフィール
ド画像をテレビカメラ２から得る（ステップＳ１）。そ
して、前記フィールド画像をＡＤ変換器３１でデジタル
信号に変換して該フィールド画像を画像メモリ３２に記
憶させる（ステップＳ２）。

【００１４】次に、前記画像メモリ３２に記憶したフィ
ールド画像とテンプレートメモリ３３に記憶されている
通園バスマーク１１の全てのテンプレート画像とのパタ
ーンマッチングを行う（ステップＳ３）。

【００１５】そして、前記パターンマッチングにおける
相関値が予め設定されたしきい値より大きいか否かの判
定を行い（ステップＳ４）、小さいと判定した場合には
ステップＳ１に戻り、大きいと判定した場合には幼稚園
バスであるとして検出信号を幼稚園バス確認部３４から
出力する。また、最初の検出信号によってタイマーをセ
ットする（ステップＳ５）。

【００１６】なお、前記サンプリング画像であるフィー
ルド画像には奇数と偶数が存在するので、テンプレート
メモリ３３に通園バスマーク１１の奇数フィールド画像
と偶数フィールド画像を記憶させておき、サンプリング
画像とのパターンマッチングを行い、その結果がしきい
値より大きいか否かの判定を行うようにすれば、精度の
高い判定結果を得ることができる。

【００１７】次に、前記テレビカメラ２で撮影した画像
の通園バスマークの位置座標から相対的位置関係にある
右側方向指示器１３の位置付近の検出エリアＳを予め設
定した座標データによって特定する（ステップＳ６）。
そして、右側方向指示器１３の検出エリアＳにおける濃
度の平均値を求める（ステップＳ７）。

【００１８】さらに、右側方向指示器１３の点滅動作を
検出するため、濃度平均値を予め設定したしきい値と比
較し点灯、滅灯を判定した後、点滅回数を計数加算する
（ステップＳ８）。そして、所定数、例えば、点灯、滅
灯を各々５回検出できたか否かを判定する（ステップＳ
９）。すなわち、方向指示器が毎分１２０回点滅する場
合、１秒間に２回点滅することとなるので、図５の(a)
のような点滅動作になる。そこで、方向指示器の点滅画
像を取り込む周期を250msec ／２＝125msec より小さい
値として濃度平均値の点滅回数を計数することにより、
点滅動作を検出することができる。

【００１９】そして、点滅動作を検出できたと判定した
場合には、幼稚園バスは右折車であるとの信号を出力す
る（ステップＳ１０）。これによって交差点の信号機を
右折優先に制御することが可能となるものである。ま
た、点滅動作を検出できなかった場合には、タイマー監
視を実行し（ステップＳ１１）、計時時間が設定時間以
内かを判定し（ステップＳ１２）、設定時間を越えてい
ない場合にはステップＳ１に戻り前記した動作を繰り返
す。なお、設定時間は、低速走行の幼稚園バスが撮影エ
リアを通過する平均時間を採用する。

【００２０】また一方、設定時間を越えている場合に
は、タイマーの計時および点滅回数の計数をリセットし
（ステップＳ１３）、ステップＳ１に戻る。なお、ステ
ップＳ１０において検出信号が出力された場合には、一
定の遅延時間が経過した後、ステップＳ１３のリセット
制御が実行される。

【００２１】なお、前記した実施の形態においては、タ
イムアップか否かをステップＳ１２で判定し、繰り返し
画像をサンプリングし点滅回数を計数する方法を例示し
たが、通園バスマークあるいは右折方向指示器１３の検
出エリアの位置座標から上記点滅回数の計数を継続する
か否かの判定を行うようにしてもよい。

【００２２】また、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、１つの画像を複数、例えば、上、
中、下の検出エリアに分割して、それぞれのエリアに対
応した特定の大きさのテンプレートによって相関を求め
るなど、種々の形態を採用することが可能である。

【００２３】

【発明の効果】本考案は前記したように、テレビカメラ
で撮影した幼稚園バスの通園バスマーク画像と予め記憶
されているテンプレート画像とのパターンマッチングの
結果、幼稚園バスであると検出された後に、右側方向指
示器の濃度平均値から点滅動作を検出するようにしたの
で、幼稚園バス側に右折する旨の信号を出力するための
特別な装置を設けることなく右折幼稚園バスであるとの
信号を出力でき、従って、安価で、かつ、簡易な識別シ
ステムを提供することができる等の効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】幼稚園バスとテレビカメラとの関係を示すイメ
ージ図である。

【図２】幼稚園バスの正面図を示す。

【図３】検出装置のブロック図である。

【図４】動作を説明するためのフローチャートである。

【図５】方向指示器の点滅動作を確認するための説明図
である。

【符号の説明】

１ 幼稚園バス １１ 通園バスマーク １３ 右側方向指示器 ２ テレビカメラ ３ 検出装置 ３１ ＡＤ変換器 ３２ 画像メモリ ３３ テンプレートメモリ ３４ 幼稚園バス確認部 ３５ 方向指示器濃度平均検出部 ３６ 点滅動作検出部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 幼稚園バスの前面に表示される通園バス
   マークの画像と、予め記憶されている複数の通園バスマ
   ークのテンプレート画像とのパターンマッチングの結果
   により通園バスマークであると判定された時に、前記幼
   稚園バスの右側方向指示器の位置付近を特定し、該右側
   方向指示器の点滅動作を検出することにより右折幼稚園
   バスであると判定するようにしたことを特徴とする右折
   幼稚園バス検出方法。
2. 【請求項２】 前記右側方向指示器の点滅動作を検出す
   る方法として、幼稚園バスの右側方向指示器の位置付近
   を特定した後、右側方向指示器の位置付近の濃度の平均
   値を求め、この濃度平均値から点滅回数を計数し点滅動
   作を検出するようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の右折幼稚園バス検出方法。
3. 【請求項３】 幼稚園バスの通園バスマークを撮影する
   撮影手段と、該撮影手段によって撮影した画像を記録す
   る画像メモリと、予め複数個の通園バスマークが記録さ
   れているテンプレートメモリと、前記画像メモリよりの
   通園バスマークとテンプレートメモリよりの通園バスマ
   ークとのパターンマッチングの結果により通園バスマー
   クであると判定したときに幼稚園バスであるとの信号を
   出力する幼稚園バス確認部と、該幼稚園バス確認部より
   の信号により右側方向指示器の位置付近の濃度平均を検
   出する濃度検出部と、該濃度検出部よりの濃度平均値か
   ら点滅回数を計数し右側方向指示器の点滅動作を検出す
   ると右折幼稚園バスであるとの信号を出力する点滅動作
   検出部と、からなる右折幼稚園バス検出装置。