JP2000122409A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP2000122409A
JP2000122409A JP30062199A JP30062199A JP2000122409A JP 2000122409 A JP2000122409 A JP 2000122409A JP 30062199 A JP30062199 A JP 30062199A JP 30062199 A JP30062199 A JP 30062199A JP 2000122409 A JP2000122409 A JP 2000122409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像を長期的に安定して形成する。 【解決手段】 弾性層4を導電層5が被覆する現像剤担
持体2を構成要素とする現像装置において、弾性層4と
導電層5の間に中間層101を配設し、それぞれの体積
抵抗率が導電層>弾性層>中間層の関係にし、また、導
電層<弾性層<中間層の関係を満たすようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式によ
る現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】少なくとも弾性層を有する現像剤担持体
を使用し現像する現像装置としては、USP31520
12、USP3731146、特開昭47−1308
8、特開平1−191880等が提案されている。前記
の如き現像装置は、1成分非磁性現像剤を潜像担持体に
接触し現像する現像装置であり、加圧現像法として公知
の現像方法による現像装置であり、少なくとも弾性層を
有する現像剤担持体を使用することにより、現像ギャッ
プの厳密な管理が不要であり、現像ニップも広くするこ
とが可能であり、現像剤の薄層を容易に形成し、かつ現
像剤を均一に現像領域へ搬送することが可能であり、高
品質な画像を安定して現像することが可能である。特
に、弾性層が発泡体により構成される場合は硬度の極め
て低い現像剤担持体となり広い現像領域でのソフトな接
触が可能となり、さらに高精細な画像の現像が可能とな
る。
【0003】また、少なくとも弾性層を有する現像剤担
持体を使用し現像する現像装置の他の従来例としては、
例えば、弾性層中の可塑剤が滲み出さないように弾性層
表面を耐油性あるいは可塑剤に対し耐性を有する樹脂ま
たはゴムにより被覆する例(特開平1−214881、
特開平2−311872等)、弾性層表面に導電層ある
いは絶縁層を配設する例(特開昭55−48767、特
開昭62−118372、特開昭63−311367、
特開平1−191880等)、磁性の現像剤を使用する
例(特開昭54−139552、特開昭55−7776
4、特願平2−58321等)等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】少なくとも弾性層を有
する現像剤担持体としては、潜像担持体に接触するため
硬度が極めて低いこと、現像剤担持体は局部的な圧縮変
形及び変形からの回復を繰り返すため圧縮永久歪が極め
て小さいことが要求される。さらに、潜像担持体とニッ
プを確保しつつ安定的に接触させるために、小偏心、高
真円度な現像剤担持体の形成が容易であり、また、安定
した現像剤搬送を行うために、現像剤担持体の表面粗さ
の制御が容易であること、すなわち、現像剤担持体の加
工が容易であること等が要求される。しかし、現像剤担
持体が極めて低硬度の弾性体により構成される場合は、
現像剤担持体表面の研磨等の加工が困難であり、さら
に、弾性体として圧縮永久歪が小さい材料は極めて限定
されるという問題がある。
【0005】また、少なくとも弾性層を有する現像剤担
持体において、細線及び網点の再現性が良好な高解像度
の画像、高画像濃度の画像、階調性の良好な画像を形成
するためには、現像ニップ(現像剤担持体及び潜像担持
体が現像剤を介して対向する位置であり、現像剤が潜像
担持体に付着することにより現像が行われる部分)にお
いて、周知の現像バイアス効果、現像電極効果が必要で
あり、したがって、現像剤担持体が適当な導電性を有す
ることが要求される。しかし、導電性を付与するため
に、多量の導電性粒子を添加することにより、現像剤担
持体の弾性が失われ、潜像担持体と現像剤担持体が充分
なニップを確保することが不可能となるという問題があ
る。現像剤担持体の弾性を維持しつつ、導電性粒子を添
加するためには、可塑剤(例えば、ステアリン酸、ヒマ
シ油等の脂肪油系、パインタール等の松根油系、パラフ
ィン等の石油系、クマロン・インデン樹脂等のコールタ
ール系、DOP等の合成樹脂系、シリコーンオイル、フ
ッ素オイル等)を多量に添加することが不可欠である
が、可塑剤が徐々に現像剤担持体表面に滲み出すことに
より、現像剤担持体の弾性が失われ、潜像担持体と現像
剤担持体がニップを確保しつつ、安定的に接触すること
が不可能となり、また、潜像担持体や現像剤に可塑剤が
移行し、潜像担持体の劣化(潜像担持体表面において潜
像担持体を構成する樹脂が可塑剤により膨潤あるいは溶
解することによる軟化。潜像担持体表面に付着した可塑
剤が現像剤を構成する樹脂を膨潤あるいは溶解すること
により軟化した現像剤が潜像担持体へ付着あるいはフィ
ルミング。可塑剤が潜像担持体に浸透することによる潜
像担持体の抵抗低下に起因する潜像の乱れやコントラス
ト低下等。また、潜像担持体が感光体である場合には、
ホールあるいは電子であるキャリアの移動の阻害による
潜像担持体の光感度の低下による潜像のコントラストの
低下等。)、現像剤の軟化・凝集、現像剤担持体への現
像剤のフィルミングが生じるという問題がある。
【0006】また、導電性の弾性層は、一般的に、導電
性粒子を分散させた弾性材料を金型に流し込み、硬化
(発泡体の場合は同時に発泡)させることにより形成さ
れるが、導電性粒子の分散ムラや金型に流し込む場合の
ムラ(例えば、複数の流し込み口から金型に弾性材料を
流し込んだ場合に別々の流し込み口から流し込まれた弾
性材料が金型内部で形成する界面等のムラ)により、弾
性層の抵抗が部分的にバラツキを生じ、その結果、現像
剤担持体に現像バイアスを印加した際に、現像剤担持体
の軸方向(長手方向)に不均一な現像電界が形成され、
画像に濃度ムラが生じるという問題がある。
【0007】また、現像剤担持体が導電性を有する場
合、潜像担持体にピンホールが存在すると、現像に際し
現像ニップにおいて潜像担持体のピンホールに現像電流
が集中(現像電流のリーク)し、潜像担持体のピンホー
ルが存在する位置の長手方向全体に現像バイアスが有効
に印加されないために、画像の抜けが発生する等の問題
がある。
【0008】また、現像剤担持体が弾性層外周面に被膜
を有する構成であり、現像剤担持体を潜像担持体に接触
させて現像を行う場合、弾性層と被膜との接着強度が不
充分であると、被膜と弾性層がスリップし、潜像担持体
への現像剤の供給が不安定となり、濃度ムラのある画像
が形成されるという問題がある。
【0009】また、現像剤担持体表面が摩耗したり、あ
るいは、潜像の形成や画像の転写において使用されるコ
ロナ帯電器から発生するオゾンにより現像剤担持体が劣
化(亀裂の発生等)することにより、画像の濃度が次第
に低下したり、画像の抜け等が発生するという問題があ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の現像装置は、少
なくとも弾性層を有する現像剤担持体において、弾性層
外周面をチューブにより被覆することにより、上記の問
題である、弾性層を有する現像剤担持体の表面の加工性
を改善するものである。弾性層外周面の被覆手段として
周知の方法としては、塗装による塗膜の形成が挙げられ
るが、弾性層が表面に開放孔を有する発泡体である場合
には、弾性層表面の開放孔において塗膜が形成されなか
ったり、塗料の弾性層内部への浸入により弾性層が硬化
したりするという問題があるが、本発明においては、弾
性層外周面をチューブにより被覆することにより、弾性
層が表面に開放孔を有する発泡体である場合において
も、弾性層外周面を完全に被覆することが可能である。
【0011】本発明は、少なくとも弾性層を有し、か
つ、前記弾性層の外周面を導電層により被覆された現像
剤担持体を、潜像担持体上に形成した潜像を顕像化すべ
く、前記潜像担持体に接触させる現像装置において、前
記弾性層と前記導電層との間に中間層を配設し、かつ、
前記導電層の体積抵抗率よりも前記弾性層の体積抵抗率
が小さく、かつ、前記弾性層の体積抵抗率よりも前記中
間層の体積抵抗率が小さいことを特徴とする。
【0012】また、本発明は、少なくとも弾性層を有
し、かつ、前記弾性層の外周面を導電層により被覆され
た現像剤担持体を、潜像担持体上に形成した潜像を顕像
化すべく、前記潜像担持体に接触させる現像装置におい
て、前記弾性層と前記導電層との間に中間層を配設し、
かつ、前記弾性層の体積抵抗率及び前記導電層の体積抵
抗率よりも前記中間層の体積抵抗率が大きいことを特徴
とする。
【0013】本発明においては、弾性層と前記チューブ
との間に、中間層(抵抗調整層)を配設することによ
り、例えば、弾性層の抵抗が部分的にバラツキを生じて
いる場合、弾性層の体積抵抗率よりも小さな体積抵抗率
の抵抗調整層を配設することにより、現像剤担持体を構
成するシャフト等の基体から印加された現像バイアス
は、弾性層における低抵抗部あるいは最短経路を通じて
弾性層外周面を被覆している抵抗調整層に達し、さら
に、チューブを通じて速やかに現像剤担持体の軸方向に
均一な現像バイアスが印加されることとなり、その結
果、弾性層の製造上の欠陥による部分的な抵抗のバラツ
キ等による弾性層の抵抗の変動には影響されずに、現像
剤担持体の軸方向に均一な現像電界を形成し、さらに、
画像濃度ムラの無い画像を安定して形成することが可能
となる。また、例えば、現像剤担持体を構成するチュー
ブが導電性を有する場合、チューブの体積抵抗率よりも
大きな体積抵抗率の抵抗調整層を配設することにより、
潜像担持体にピンホールが存在しても、抵抗調整層が高
抵抗層として機能するために現像電流のリークが抑制さ
れ、その結果、長手方向全体に現像バイアスが有効に印
加され、画像濃度ムラの無い画像を安定して形成するこ
とが可能となる。
【0014】また、本発明においては、弾性層の外周に
チューブを被覆した構成の現像剤担持体において、前記
弾性層と前記チューブとの間に樹脂またはゴムによる耐
油層を配設し、かつ耐油層を構成する樹脂またはゴムの
溶解度係数(solubility parameter)SPを前記弾性層
に含まれる可塑剤の溶解度係数SPsに対して式:2≦
|SP−SPs|を満足させることにより、耐油層を構
成する樹脂またはゴムの溶解度係数SPが弾性層中の可
塑剤の溶解度係数SPsと大きく異なり、両者の親和性
が極めて低いために、可塑剤が耐油層に浸透せず、した
がって、弾性層に含まれる可塑剤の弾性層からの滲み出
しによる弾性層の硬度の低下を防止することが可能であ
り、また、弾性層から滲み出した可塑剤がさらにチュー
ブに浸透し、現像剤担持体表面に滲み出すことを防止す
ることにより、現像剤担持体や潜像担持体の寿命を向上
させ、長期間安定して画像を形成することが可能とな
る。尚、可塑剤は弾性層を構成する弾性体に膨潤または
溶解しており、言い換えると、両者の親和性が高く、す
なわち、可塑剤の溶解度係数は、弾性層を構成する弾性
体の溶解度係数と極めて近いと言えるので、可塑剤の溶
解度係数を弾性層を構成する弾性体の溶解度係数として
も、全く同様である。
【0015】また、前記弾性層と前記チューブとの間
に、樹脂またはゴムによる接着層を配設し、かつ、前記
接着層による前記弾性層と前記チューブのJIS−K6
850による引張りせん断接着強さが、5(kg/cm
2)以上とすることにより、弾性層とチューブがスリッ
プしないため、画像濃度ムラの無い画像を安定して形成
することが可能となる。尚、画像形成の高速化やより鮮
明かつ高濃度な画像の形成を目的として、現像剤担持体
と潜像担持体とのニップ幅をより拡大したり、周速比を
増大させることも可能となる。
【0016】また、チューブ外周面に、JIS−K73
11による摩耗試験(摩耗輪H22、1000回転摩
耗)による摩耗量が700(mg)以下である耐摩耗層
を配設することにより、現像剤担持体が現像剤、現像剤
搬送量規制部材、潜像担持体等と摩擦されて場合の現像
剤担持体の摩耗を低減すること可能となり、現像剤担持
体の寿命の長期化が可能である。
【0017】また、前記弾性層外周面に耐オゾン層を配
設することにより、負極性イオンを放出するコロナ帯電
器を使用する現像装置等、オゾン放出が頻繁に行われる
環境下において、現像剤担持体に亀裂が生じたりする等
の劣化を抑制し、現像剤担持体の寿命を長期化すること
が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の現像装置における現像剤
担持体の断面概略図である。図1(A)に示される現像
剤担持体2は、シャフト等の基体3の外周に弾性層4、
中間層101、チューブ5を順にそれぞれ同心円状に配
設したものである。また、図1(B)に示される現像剤
担持体2は、シャフト等の基体3の外周に弾性層4、チ
ューブ5、表面層201を順にそれぞれ同心円状に配設
したものである。
【0019】本発明においては、耐油層、抵抗調整層、
接着層が中間層101に対応し、耐摩耗層、耐オゾン層
が表面層201に対応する。尚、本発明においては、中
間層101、表面層201が同時に現像剤担持体2に配
設されてあってもよく、また、複数の中間層または表面
層が同時に配設されてあってもよい。
【0020】弾性層4としては、公知のゴム、エラスト
マー、発泡体を形成可能なプラスチック材料を使用する
ことが可能である。例えば、天然ゴム、スチレン・ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリ
ルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、エチレン
・プロピレンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、スチロール樹脂、塩化ビニル、ポリ
ウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエチレン、メタクリル樹脂等を適用することが
可能である。尚、現像剤担持体2を潜像担持体に接触さ
せて現像する場合においては現像ニップを充分に確保す
るために、また、現像剤担持体と現像剤搬送量規制部材
を接触させて現像剤の搬送量を規制する場合においては
現像剤担持体と現像剤搬送量規制部材との接触面積を大
きくすることで接触圧を小さくするために、弾性層4が
柔らかいことが望ましく、弾性層4を構成する弾性体の
ゴム硬度(JIS-A)は、60(℃)以下、さらに望まし
くは、25(℃)以下であることが望ましい。尚、弾性
層4を構成する弾性体のゴム硬度(JIS-A)が約50
(℃)以下であれば、弾性層4の外周面をチューブ5に
より被覆し、弾性層4が若干圧縮されてゴム硬度が増大
した場合においても、充分に低いゴム硬度を確保し得る
(尚、弾性層4とチューブ5を一体成形する場合は弾性
層4の圧縮によるゴム硬度の増加は生じないが、チュー
ブ5として熱収縮チューブを使用し、弾性層4をチュー
ブ5に挿入後チューブ5を収縮させ被覆したり、チュー
ブ5あるいは弾性層4を加熱あるいは冷却し弾性層4あ
るいはチューブ5を膨張あるいは収縮させた後、弾性層
4をチューブ5に挿入し、はめることにより被覆した
り、弾性層4を圧縮し、外径を小さくしながらチューブ
5に嵌装したりする場合等においては、弾性層4は圧縮
され、ゴム硬度は増大する。本発明者の実施例において
は、上記のような現像剤担持体の製造方法において、最
大で約10(゜)のゴム硬度の増大が認められた)。ま
た、チューブ5と弾性層4の密着性を充分に確保するた
めに、また、弾性層4の表面の凹凸に起因するチューブ
5被覆後の現像剤担持体2の表面の凹凸を防止するため
に、弾性層4に発泡体を使用する場合には、発泡体表面
にスキン層が形成されていることが望ましい。
【0021】チューブ5を構成する樹脂としては、ポリ
ウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、
フッ化ビニリデン・フッ化プロピレン共重合体、ニトリ
ル・ブタジエンゴム、塩化ビニル、ポリカーボネート等
が挙げられる。また、チューブ5に導電性を付与する必
要がある場合には、チューブ5に、Cu、Ni、Pt、
Au、Ag、Fe、ステンレス、カーボンブラック等の
導電性粒子を適当量添加することができる。なお、本発
明の現像装置の特徴である現像剤担持体は、上記の構成
及び材料に限定されるものではない。
【0022】(実施例1〜6)本実施例においては、耐
油層として機能する樹脂あるいはゴムの溶解度係数SP
と弾性層に含有される可塑剤の溶解度係数SPsを変化
させた。本実施例における現像剤担持体2を図2に示
す。図2に示される現像剤担持体2は、ステンレス製シ
ャフトによる基体3の外周に弾性層4、耐油層102、
チューブ5を順にそれぞれ同心円状に配設したものであ
る。尚、耐油層102の膜厚としては、可塑剤の滲み出
しを防止するという点では1〜2(μm)以上であれば
充分な効果を発揮する。ただし、基体3から現像バイア
スを印加する場合は、現像ニップにおいて充分な現像電
界を確保し、画像濃度の高い画像を形成するために、耐
油層102が高抵抗である場合においては、膜厚50
(μm)以下が望ましい。
【0023】本実施例においては、表1に示す弾性材料
及び可塑剤による弾性体に、さらに、カーボンブラック
を添加し、ゴム硬度(JIS-A)40(℃)、体積抵抗率
2〜8×104(Ω・cm)の弾性層4を形成した。
尚、表1において、SPは、弾性層4を構成する弾性材
料の溶解度係数、SPsは、弾性層4を構成する可塑剤
の溶解度係数である。また、表1中、EPRは、エチレ
ン・プロピレンゴム、SBRは、スチレン・ブタジエン
ゴム、NBRは、ニトリル・ブタジエンゴム、TMPD
MIベンゾエートは、2,2,4-トリメチル-1,3-
ペンタンジオールモノイソブチレートベンゾエート、D
OPは、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、DMPは、フ
タル酸ジメチルを示す。
【0024】
【表1】 本実施例においては、表1に示される弾性体により形成
される弾性層4に、表2に示される樹脂またはゴムによ
る耐油層102を形成した。
【0025】
【表2】 尚、本発明の現像装置において、現像剤担持体の特徴で
ある耐油層に適用可能な樹脂またはゴムは、表2に限定
されるものではない。
【0026】さらに、本実施例においては、耐油層10
2をチューブ5により被覆することにより、現像剤担持
体2を作成した。表2中、耐油層Aは、ポリ四フッ化エ
チレンの熱収縮チューブに基体3に弾性層4を形成した
状態の現像剤担持体を挿入した後、加熱し、前記熱収縮
チューブを収縮させることにより形成し、耐油層Aの膜
厚は約40(μm)である。耐油層B〜Dについては、
適当な溶剤に溶解した各々の樹脂またはゴムの溶液を弾
性層4に塗布し、さらに乾燥、硬化させることにより形
成し、耐油層B〜Dの膜厚はそれぞれ約10、15、5
(μm)である。。
【0027】本実施例におけるチューブ5は、ポリウレ
タン中にDBP(フタル酸ジブチル)吸油量330(m
l/100g)のカーボンブラックを25wt%添加し、分散
させた熱収縮チューブである。熱収縮前のチューブ5の
内径は、22(mmφ)であり、熱収縮前のチューブ5
内部に基体3に弾性層4、耐油層102を配設した状態
の現像剤担持体を挿入させた後、環境を減圧し、さらに
100(℃)に加熱することにより、チューブ5を被覆
し、現像剤担持体2とした。尚、チューブ5の体積抵抗
率は7×100(Ω・cm)、膜厚は20(μm)であ
る(チューブ5を熱収縮により弾性層4に被覆させた後
の値であり、測定環境は、温度25(℃)、湿度50
(%RH)である)。
【0028】本実施例における現像剤担持体2の構成及
び弾性層4を構成する可塑剤の溶解度係数SPs、耐油
層102の溶解度係数SPを表3に示す。表3中の弾性
層4、耐油層102については、表1、2に記載されて
いる。
【0029】
【表3】 図3は、少なくとも弾性層を有する現像剤担持体を使用
し、現像剤を潜像担持体に接触し現像する現像装置の断
面概観図である。本実施例においては、本発明の特徴で
ある現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用し
て画像の形成を行った。尚、本発明の現像装置は、図3
に示される現像装置において、現像剤担持体2の以外の
構成要素については図3に限定されるものではない。
【0030】現像剤担持体2に保持された現像剤である
現像剤1は、磁性もしくは非磁性の金属や樹脂で構成さ
れる薄板状の弾性ブレード7で均一に薄層化され、現像
剤担持体2の回転によって、支持電極8上に静電像保持
層9を形成した潜像担持体10と現像剤担持体2とが現
像剤1を介して接触している現像領域まで搬送される。
【0031】さらに、現像剤1は、潜像担持体10の電
位コントラスト及び、現像バイアス印加手段11によ
り、潜像担持体10の支持電極8と現像剤担持体2の基
体3に印加されたバイアスにより形成される現像電界に
応じて、潜像担持体10に付着し静電潜像が顕像化され
る。尚、本実施例においては、潜像担持体10として、
市販の有機感光体を使用し、コロナ帯電器(図示せず)
により潜像担持体10を一様に帯電した後、半導体レー
ザーを光源とする走査光学系(図示せず)により潜像担
持体10に光照射し、当該部分の帯電を消去することに
より、潜像担持体10表面に静電潜像を形成した。
【0032】本実施例1〜6の現像剤担持体2を使用し
て、潜像担持体10上に形成されたライン潜像及びソリ
ッド潜像の現像を行った結果を表4に示す。尚、本実施
例における潜像担持体/現像剤担持体の周速比=1/
2、現像剤担持体の潜像担持体への押圧=1(kg)で
ある。
【0033】また、本実施例においては、画像形成時の
温度25(℃)、湿度50(%RH)として、A4サイズ
紙5000枚相当の画像を連続して形成し、さらに、温
度50(℃)、湿度80(%RH)の環境下に本実施例の
現像剤担持体を装着した現像装置を72時間放置した
後、再度、同様に温度25(℃)、湿度50(%RH)の
環境として、画像の形成を行った。
【0034】表4中、「画像濃度」は初期のソリッド画
像の画像濃度である。また、「画像欠陥」は、ソリッド
画像及び非画像部の目視観察結果であり、画像の白抜
け、非画像部への現像剤付着(地カブリ、黒点)等を画
像欠陥とし、本実施例において画像欠陥が認められなか
った場合を「−」、画像形成時の温度25(℃)、湿度
50(%RH)として、A4サイズ紙5000枚相当の画
像を連続して形成した場合に画像欠陥が無く、さらに、
温度50(℃)、湿度80(%RH)の環境下に放置後、
同様に画像形成した場合に画像欠陥が認められた場合を
「+」、画像形成時の温度25(℃)、湿度50(%R
H)として、A4サイズ紙5000枚相当の画像を連続
して形成した場合に画像欠陥が認められた場合を「+
+」とした。尚、画像濃度(OD値)は、マクベス 反
射濃度計により測定した。
【0035】表4中、「評価」における◎は、画像濃度
1.5以上、画像欠陥「−」をすべて満たす場合を示
す。また、○は、画像濃度1.4以上、画像欠陥「−」
をすべて満たす場合を示す。また、△は、画像欠陥
「+」の場合を示す。また、×は、画像欠陥「++」の
場合を示す。
【0036】
【表4】 本実施例においては、潜像担持体10上に600DPI
のライン画像がつぶれることなく形成され、また、上記
に示されるように、画像濃度1.4以上の高濃度なソリ
ッド画像を安定して形成することができた。
【0037】(比較例1〜7)本比較例は、実施例1〜
6に対応するものであり、耐油層として機能する樹脂あ
るいはゴムの溶解度係数SPと弾性層に含有される可塑
剤の溶解度係数SPsを変化させた。本比較例において
は、実施例1〜6同様に表1に示される弾性体により形
成される弾性層4に、表2及び表5に示される樹脂また
はゴムによる耐油層102を形成し、さらに、実施例1
〜6と同様にチューブ5を被覆した現像剤担持体を作成
した。
【0038】
【表5】 尚、表6中、耐油層Iは、ポリ塩化ビニルの熱収縮チュ
ーブに、基体3及び弾性層4を挿入した後、加熱し、前
記熱収縮チューブを収縮させることにより形成し、ま
た、耐油層Jについては、適当な溶剤に溶解したポリカ
ーボネートの溶液を弾性層4に塗布し、さらに乾燥、硬
化させることにより形成した。尚、耐油層I、Jの膜厚
はそれぞれ40、10(μm)である。本比較例におけ
る現像剤担持体2の構成及び弾性層4を構成する可塑剤
の溶解度係数SPs、耐油層102の溶解度係数SPを
表7に示す。
【0039】
【表6】 本比較例においては、実施例1〜6同様に、本比較例の
現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。結果を表7に示す。
【0040】
【表7】 比較例5においては、温度25(℃)、湿度50(%R
H)の環境下にて、A4サイズ紙100枚相当の画像を
形成した時点で、ソリッド画像に白抜けが認められた。
この時点で画像の形成を終了し、現像剤担持体2表面を
観察したところ、現像剤担持体表面の画像の白抜けに対
応する位置に現像剤の融着(フィルミング)が認められ
た。
【0041】比較例1〜3、6においては、温度25
(℃)、湿度50(%RH)の環境下にて、A4サイズ紙
約3000枚相当の画像を形成した時点で、ソリッド画
像に白抜けが認められた。この時点で画像の形成を終了
し、現像剤担持体2表面を観察したところ、比較例5同
様に、現像剤担持体表面の画像の白抜けに対応する位置
に現像剤の融着が認められた。
【0042】比較例4、7においては、温度25
(℃)、湿度50(%RH)の環境下にて、A4サイズ紙
5000枚相当の画像を形成したところ、画像に欠陥は
認められなかった。しかし、温度50(℃)、湿度80
(%RH)の環境下に放置後、画像形成を再開したとこ
ろ、温度50(℃)、湿度80(%RH)の環境下に放置
した際に潜像担持体10が現像剤担持体2に接触してい
た部分において、コロナ帯電器により帯電を行ったとこ
ろ、通常の50%程度の電荷しか保持されず、暗時の抵
抗が減少していることが確認され、その結果、非画像部
を含む当該部分全体に、常に現像剤が現像され、地カブ
リが発生した。また、画像の白抜けも認められ、現像剤
担持体表面の画像の白抜けに対応する位置に現像剤の融
着が認められた。 (実施例7〜10)本実施例は、抵抗調整層を弾性層と
チューブとの間に配設したものである。本実施例におけ
る現像剤担持体2を図4に示す。図4に示される現像剤
担持体2は、ステンレス製シャフトによる基体3の外周
に弾性層4、抵抗調整層103、チューブ5を順にそれ
ぞれ同心円状に配設したものである。本実施例において
は、ゴム硬度(JIS-A)40(℃)のクロロプレンゴム
を弾性層4とする。ただし、本実施例におけるクロロプ
レンゴムは、カーボンブラックを分散させることによ
り、導電性を付与しているが、カーボンブラックをクロ
ロプレンゴム中に分散させる際の混練時間を通常よりも
短時間にしたため、カーボンブラックの分散状態が不均
一となっており、弾性層4の体積抵抗率に局部的なバラ
ツキが生じている。カーボンブラックが均一に分散され
た場合の弾性層4の体積抵抗率は3×106(Ω・c
m)であるが、本実施例においては、弾性層4の体積抵
抗率は、概略、3×106を中央値として±約102(Ω
・cm)の局部的なバラツキを示す。
【0043】本実施例においては、上記の弾性層4に、
表8に示される樹脂またはゴムにカーボンブラックを分
散させた抵抗調整層103を形成した。また、表8に抵
抗調整層の体積抵抗率ρ(Ω・cm)を示す。尚、抵抗
調整層は、適当な溶剤に溶解した各々の樹脂またはゴム
の溶液を弾性層4に塗布し、さらに乾燥、硬化させるこ
とにより形成した。尚、抵抗調整層103の本実施例に
おける膜厚は約10(μm)である。
【0044】本実施例におけるチューブ5は、ポリエチ
レンテレフタレート中にDBP吸油量114(ml/100
g)のカーボンブラックを分散させた熱収縮チューブで
あり、熱収縮前のチューブ5の内径は、22(mmφ)
であり、熱収縮前のチューブ5内部に基体3に弾性層
4、抵抗調整層102を配設した状態の現像剤担持体を
挿入させた後、環境を減圧し、さらに100(℃)に加
熱することにより、チューブ5を被覆し、現像剤担持体
2とした。尚、チューブ5の体積抵抗率2×10 8(Ω
・cm)、膜厚30(μm)である(チューブ5を熱収
縮により弾性層4に被覆させた後の値であり、測定環境
は、温度25(℃)、湿度50(%RH)である)。
【0045】
【表8】 実施例1〜6同様に、本実施例の現像剤担持体2を図2
に示される現像装置に使用して画像の形成を行った。本
実施例の現像剤担持体2を使用して、潜像担持体10上
に形成されたソリッド潜像の現像を行った結果(環境:
温度25(℃)、湿度50(%RH))を表9に示す。
尚、表9中「濃度ムラ」は、ソリッド画像における濃度
の最大値と最小値の差を示す。
【0046】
【表9】 上記に示すように、本実施例においては、弾性層4の体
積抵抗率の部分的バラツキによるソリッド画像の濃度ム
ラは、0.1以下であった。
【0047】(比較例8〜10)本比較例8〜10は、
実施例7〜10に対応するものであり、本比較例におい
ては、抵抗調整層を弾性層とチューブとの間に配設した
ものである。本比較例においては、実施例7〜10同様
の弾性層4に、表10に示される樹脂またはゴムにカー
ボンブラックを分散させた抵抗調整層103を形成し
た。また、表10に抵抗調整層の体積抵抗率ρ(Ω・c
m)を示す。
【0048】本比較例においては、実施例7〜10同様
のチューブ5を被覆し、現像剤担持体2とした。
【0049】
【表10】 実施例7〜10同様に、本比較例の現像剤担持体2を図
3に示される現像装置に使用して、潜像担持体10上に
形成されたライン潜像及びソリッド潜像の現像を行った
結果(環境:温度25(℃)、湿度50(%RH))を表
11に示す。尚、表11は表9に対応するものである。
【0050】
【表11】 上記に示すように、潜像担持体10上のソリッド画像
は、弾性層4を構成するクロロプレンゴムの成型時のム
ラに起因する抵抗値のばらつきに応じて、画像に濃淡が
生じ、そのOD値の差は0.1以上であった。
【0051】(実施例11〜13)本実施例は、抵抗調
整層を弾性層とチューブとの間に配設したものであり、
実施例7〜10とは異なる実施例である。本実施例にお
ける現像剤担持体2を図4に示す。本実施例において
は、実施例1〜6同様に表1に示される弾性体により形
成される弾性層4に、表12に示される樹脂またはゴム
にカーボンブラックを必要に応じて分散させた抵抗調整
層103を形成した。尚、表12に抵抗調整層の体積抵
抗率ρ(Ω・cm)を示す。尚、抵抗調整層103は、
適当な溶剤に溶解した各々の樹脂またはゴムの溶液を弾
性層4に塗布し、さらに乾燥、硬化させることにより形
成した。尚、抵抗調整層103の本実施例における膜厚
は約10(μm)である。
【0052】本実施例におけるチューブ5は、実施例1
〜6同様のポリウレタン中にカーボンブラックを分散さ
せた熱収縮チューブである。熱収縮前のチューブ5の内
径は、22(mmφ)であり、熱収縮前のチューブ5内
部に基体3に弾性層4、耐油層102を配設した状態の
現像剤担持体を挿入させた後、環境を減圧し、さらに1
00(℃)に加熱することにより、チューブ5を被覆
し、現像剤担持体2とした。尚、チューブ5の体積抵抗
率は7×100(Ω・cm)、膜厚は20(μm)であ
る(チューブ5を熱収縮により弾性層4に被覆させた後
の値であり、測定環境は、温度25(℃)、湿度50
(%RH)である)。
【0053】
【表12】 実施例1〜6同様に、本実施例の現像剤担持体2を図3
に示される現像装置に使用して画像の形成を行った。た
だし、本実施例においては、適当にピンホールを形成し
た潜像担持体10を使用した。本実施例の現像剤担持体
2を使用して、潜像担持体10上に形成されたソリッド
潜像の現像を行った結果(環境:温度25(℃)、湿度
50(%RH))を表13に示す。尚、表13中「濃度ム
ラ」は、ソリッド画像における濃度の最大値と最小値の
差を示す。
【0054】
【表13】 上記に示すように、本実施例においては、弾性層4の体
積抵抗率の部分的バラツキによるソリッド画像の濃度ム
ラは、0.1以下であった。
【0055】(比較例11,12)本比較例は、実施例
11〜13に対応するものであり、抵抗調整層を弾性層
とチューブとの間に配設したものである。本比較例にお
いては、実施例11〜13同様に、表1に示される弾性
体により形成される弾性層4に、表8に示される樹脂ま
たはゴムにカーボンブラックを分散させた抵抗調整層1
03を形成した。尚、表14に、本比較例の現像剤担持
体2における弾性層4及び抵抗調整層103の組み合わ
せを示す。また、本比較例においては、実施例11〜1
3と同様のチューブ5を被覆することにより、現像剤担
持体2を作成した。
【0056】
【表14】 実施例11〜13同様に、本比較例の現像剤担持体2を
図3に示される現像装置に使用して画像の形成を行っ
た。また、本比較例においては、実施例11〜13同様
に、適当にピンホールを形成した潜像担持体10を使用
した。
【0057】本比較例の現像剤担持体2を使用して、潜
像担持体10上に形成されたソリッド潜像の現像を行っ
た結果(環境:温度25(℃)、湿度50(%RH))を
表15に示す。
【0058】
【表15】 上記に示すように、本比較例においては、弾性層4の体
積抵抗率の部分的バラツキによるソリッド画像の濃度ム
ラは、0.1以上であった。
【0059】(実施例14〜25)本実施例において
は、現像剤担持体2の弾性層4とチューブ5の間に接着
層を配設し、弾性層4とチューブ5の接着強度を変化さ
せたものである。本実施例における現像剤担持体2を図
5に示す。図5に示される現像剤担持体2は、ステンレ
ス製シャフトによる基体3の外周に弾性層4、接着層1
04、チューブ5を順にそれぞれ同心円状に配設したも
のである。本実施例においては、表1及び表16に示さ
れる弾性体により弾性層4を形成した。
【0060】
【表16】 表16に示す弾性材料による弾性層(弾性層E,F)
は、表1に示される弾性層(弾性層A〜D)とは異な
り、発泡体であり、弾性層表面には成形時に自然に生じ
るスキン層が形成されている。また、弾性層E,Fのゴ
ム硬度(JIS-A)は、10(゜)であるが、弾性層E,
Fを形成する弾性材料が発泡体であり、構造的に柔軟で
あるために、弾性層E,Fには、弾性層A〜Dとは異な
り、可塑剤が添加されていない。つまり、弾性層4を発
泡体により形成することは、非発泡体により弾性層4を
形成する場合と比較すると、同じゴム硬度の弾性層4を
形成する場合においては、可塑剤の添加が不要または非
常に微量になり実用上、可塑剤の弾性層表面への滲み出
しが問題にならないという点において、非常に有用であ
る。
【0061】尚、表16に示す弾性材料による弾性層
(弾性層E,F)は、表1に示される弾性層(弾性層A
〜D)同様に弾性層に、カーボンブラックが添加・分散
されており、弾性層E,Fの体積抵抗率は、2〜5×1
4(Ω・cm)である。また、本実施例においては、
表17に示される接着層104を形成した。充分な接着
強度が確保されるならば、接着層104の膜厚は、接着
層104を構成する材料の単分子層であっても充分であ
り、接着層104自体の破壊を避けるためには、接着層
104の膜厚は、可能な限り薄い方が好ましい。尚、本
実施例における接着層の膜厚はすべて1(μm)以下で
ある。
【0062】
【表17】 本実施例におけるチューブ5の材質を表18に示す。
尚、本実施例においては、チューブ5にカーボンブラッ
クを添加・分散することにより、チューブ5に導電性を
付与している。
【0063】
【表18】 本実施例においては、表17に示される接着層104を
表17の材質あるいはその材質を構成するモノマーを必
要に応じて溶剤に溶解した溶液を弾性層4外周面あるい
はチューブ5内周面に塗布することにより形成し、接着
層104の形成後、速やかにチューブ5を被覆すること
により、現像剤担持体2を作成した。
【0064】本実施例において、表18に示されるチュ
ーブA,B,Eは、熱収縮チューブ(熱収縮前のチュー
ブ5の内径:22(mmφ))であり、熱収縮前のチュ
ーブ5内部に、基体3に弾性層4、接着層104を配設
した状態の現像剤担持体を挿入させた後、環境を減圧
し、さらに100(℃)に加熱することにより、チュー
ブ5を被覆し、現像剤担持体2とした。また、表18に
示されるチューブC,Dは、熱収縮性がなく、チューブ
5内周面に接着層104を形成した後、チューブ5内部
において、弾性層4を形成することにより、あるいは、
弾性層4の弾性変形を利用して、チューブ5内部に弾性
層4を嵌装することにより、弾性層4にチューブ5を被
覆し、現像剤担持体2を作成した。ただし、本発明の現
像剤担持体は、上記の接着層形成方法やチューブ被覆方
法に限定されるものではない。
【0065】尚、チューブ5を弾性層4に被覆させた後
のチューブ5の体積抵抗率は3〜7×102(Ω・c
m)、膜厚は20(μm)である(測定環境:温度25
(℃)、湿度50(%RH))。本実施例における現像剤
担持体2の構成(弾性層4、接着層104、チューブ5
の組み合わせ)を表19に示す。また、接着層104に
よる弾性層4とチューブ5のJIS−K6850による
引張りせん断接着強さ(kg/cm2)を表19に示
す。
【0066】
【表19】 本実施例においては、実施例1〜6同様に、本実施例の
現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。
【0067】本実施例の現像剤担持体2を使用して、実
施例1〜6同様に、潜像担持体/現像剤担持体の周速比
=1/2、現像剤担持体の潜像担持体への押圧=0.4
(kg)として、潜像担持体10上に形成されたライン
潜像及びソリッド潜像の現像を行い、A4サイズ紙20
000枚相当の画像を形成した(環境:温度25
(℃)、湿度50(%RH))ところ、潜像担持体10上
に600DPIのライン画像がつぶれることなく形成さ
れ、また、画像濃度(OD値)1.4以上の高濃度な、
かつ、濃度ムラ(OD値の最大値と最小値の差)0.1
以下のソリッド画像を形成することができた。さらに、
潜像担持体/現像剤担持体の周速比=1/5、現像剤担
持体の潜像担持体への押圧=1.2(kg)として、同
様に、A4サイズ紙20000枚相当の画像を形成した
が、潜像担持体10上に600DPIのライン画像がつ
ぶれることなく形成され、また、画像濃度1.4以上の
高濃度な、かつ、濃度ムラ0.1以下のソリッド画像を
形成することができ、画像には変化は認められなかっ
た。
【0068】(比較例13〜23)本比較例は、現像剤
担持体2の弾性層4とチューブ5の間に接着層を配設し
たものであり、実施例14〜25に対応する例である本
比較例においては、表1、表16及び表20に示される
弾性体により弾性層4を形成した。
【0069】
【表20】 また、本比較例においては、表17及び表21に示され
る接着層104を形成した。
【0070】
【表21】 また、本比較例におけるチューブ5を表18及び表22
に示す。
【0071】
【表22】 本比較例における現像剤担持体2の構成(弾性層4、接
着層104、チューブ5の組み合わせ)を表23に示
す。また、接着層104による弾性層4とチューブ5の
JIS−K6850による引張りせん断接着強さ(kg
/cm2)を表23に示す。
【0072】
【表23】 本比較例においては、実施例14〜25同様に、本比較
例の現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用し
て、画像の形成を行った。尚、本比較例においては、実
施例14〜25同様に、温度25(℃)、湿度50(%
RH)の環境下において、潜像担持体/現像剤担持体の周
速比=1/2、現像剤担持体の潜像担持体への押圧=
0.4(kg)として、A4サイズ紙20000枚相当
の画像を形成し、さらに、潜像担持体/現像剤担持体の
周速比=1/5、現像剤担持体の潜像担持体への押圧=
1.2(kg)として、A4サイズ紙20000枚相当
の画像を形成した。
【0073】本比較例においては、初期的には、潜像担
持体10上に600DPIのライン画像がつぶれること
なく形成され、また、OD値1.4以上のソリッド画像
が形成されたが、画像形成を継続するに従い、潜像担持
体10上のソリッド画像における画像のカスレや微細な
周期の軸方向(画像形成における幅方向)のストライプ
状の濃度ムラが認められた。このような、画像の劣化が
認められた時点で画像形成を終了し、現像剤担持体2を
観察したところ、チューブ5が部分的に弾性層4から剥
離していた。画像の形成を再開したところ、現像剤担持
体2の当該部分においては、弾性ブレード7と現像剤担
持体2の接触位置あるいは現像ニップにおいて、チュー
ブ5が弾性層4から滑ったり、浮いたりしており、ま
た、そのために、微振動(ビビリ)が発生しており、前
記の如き画像の劣化は、チューブ5が部分的に弾性層4
から剥離した結果、弾性ブレード7と現像剤担持体2の
接触位置あるいは現像ニップにおいて、チューブ5が弾
性層4から滑ったり、浮いたりすることにより、弾性ブ
レード7により規制される現像剤1の搬送量や、現像ニ
ップにおける現像剤1の供給量が不安定となるために発
生していることが確認された。
【0074】表24に、本比較例における画像劣化発生
状況を示す。尚、表24中、「発生時期」は、潜像担持
体10上のソリッド画像における画像のカスレや微細な
周期の濃度ムラ等の画像の劣化が目視にて確認され、さ
らに、現像剤担持体2においてチューブ5が弾性層4か
ら剥離していることが確認された時点における画像形成
量であり、A4サイズ紙に換算(表中の単位はA4サイ
ズ紙換算枚数)したものを示す。また、「条件」は画像
形成時の条件を示し、「A」は、潜像担持体/現像剤担
持体の周速比=1/2、現像剤担持体の潜像担持体への
押圧=0.4(kg)を、「B」は、潜像担持体/現像
剤担持体の周速比=1/5、現像剤担持体の潜像担持体
への押圧=1.2(kg)を示す。
【0075】
【表24】 (実施例26〜30)本実施例においては、現像剤担持
体2のチューブ5の外周面に耐摩耗層を配設した。本実
施例における現像剤担持体2を図6に示す。図6に示さ
れる現像剤担持体2は、ステンレス製シャフトによる基
体3の外周に弾性層4、チューブ5、耐摩耗層202を
順にそれぞれ同心円状に配設したものである。本実施例
においては、表16に示される弾性体により弾性層4を
形成した。
【0076】本実施例におけるチューブ5は、ポリスチ
レン中にカーボンブラックを添加・分散させた熱収縮チ
ューブである。熱収縮前のチューブ5の内径は、22
(mmφ)であり、熱収縮前のチューブ5内部に基体3
に弾性層4を配設した状態の現像剤担持体を挿入させた
後、環境を減圧し、さらに100(℃)に加熱すること
により、チューブ5を被覆した。尚、チューブ5の体積
抵抗率は5×104(Ω・cm)、膜厚は15(μm)
である(チューブ5を熱収縮により弾性層4に被覆させ
た後の値であり、測定環境は、温度25(℃)、湿度5
0(%RH)である)。
【0077】本実施例においては、基体3、弾性層4、
チューブ5に、表25に示される耐摩耗層202を形成
し、現像剤担持体2を作成した。
【0078】
【表25】 尚、本実施例においては、表25に示される耐摩耗層A
〜Cを表25の材質あるいはその材質を構成するモノマ
ーを必要に応じて溶剤に溶解した溶液をチューブ5外周
面に塗布することにより耐摩耗層202を形成し、ま
た、表25に示される耐摩耗層Dは、アクリル樹脂をバ
インダーとして、耐摩耗層Dを構成するポリ四フッ化エ
チレンの微粒子を分散させた溶液をチューブ5外周面に
塗布することにより耐摩耗層202を形成し、また、表
25に示される耐摩耗層Eは、ポリフッ化ビニリデン製
熱収縮チューブに、基体3、弾性層4、チューブ5を配
設した状態の現像剤担持体を挿入した後、環境を減圧
し、さらに加熱・収縮させることにより、耐摩耗層20
2を形成し、現像剤担持体2を作成した。ただし、本発
明の現像剤担持体は、上記の耐摩耗層形成方法に限定さ
れるものではなく、また、上記の材質に限定されるもの
ではなく、例えば、耐摩耗層202に使用可能な材質と
しては、表19に記載の材質の他、ポリエチレン、ポリ
アセタール、フッ化ビニリデン・フッ化プロピレン共重
合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、四フッ化
エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体
等が挙げられる。尚、本実施例においては、耐摩耗層2
02にはカーボンブラックが添加・分散されており、耐
摩耗層202の体積抵抗率は、表25に示される耐摩耗
層A〜Dにおいては1〜7×102(Ω・cm)、耐摩
耗層Eにおいては、4×105(Ω・cm)である。ま
た、耐摩耗層202の膜厚は、表25に示される耐摩耗
層A〜Dにおいては5〜7(μm)、耐摩耗層Eにおい
ては、10(μm)である。尚、耐摩耗層202の膜厚
としては、1〜3(μm)もあれば充分な効果があり、
特に耐摩耗層が高抵抗である場合には、可能な限り薄い
方が、現像剤担持体2の現像電極効果や現像バイアス効
果を有効に発現させる得ることから、より好ましい。
【0079】本実施例における現像剤担持体2の構成
(弾性層4、耐摩耗層202の組み合わせ)を表26に
示す。また、JIS−K7311による摩耗試験(摩耗
輪H22、1000回転摩耗)による耐摩耗層202の
摩耗量(mg)を表26に示す。
【0080】
【表26】 本実施例においては、実施例1〜6同様に、本実施例の
現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。
【0081】本実施例の現像剤担持体2を使用して、実
施例1〜6同様に、潜像担持体10上に形成されたライ
ン潜像及びソリッド潜像の現像を行った(環境:温度2
5(℃)、湿度50(%RH))ところ、潜像担持体10
上に600DPIのライン画像がつぶれることなく形成
され、また、OD値1.4以上の高濃度なソリッド画像
を形成することができた。さらに、A4サイズ紙300
00枚相当の画像を形成したが、潜像担持体10上に6
00DPIのライン画像がつぶれることなく形成され、
また、OD値1.4以上の高濃度なソリッド画像を形成
することができ、ソリッド画像の濃度低下も0.1以下
であった。
【0082】(比較例24,25)本比較例は、現像剤
担持体2のチューブ5の外周面に耐摩耗層を配設したも
のであり、実施例26〜30に対応するものである。本
比較例においては、実施例26〜30同様に、表16に
示される弾性体による弾性層4に、チューブ5を被覆し
た後、表27に示される耐摩耗層202を形成し、現像
剤担持体2を作成した。
【0083】
【表27】 尚、本比較例においては、表27に示される耐摩耗層
F,Gを表27の材質あるいはその材質を構成するモノ
マーを必要に応じて溶剤に溶解した溶液をチューブ5外
周面に塗布することにより耐摩耗層202を形成した。
尚、本比較例においては、耐摩耗層202にはカーボン
ブラックが添加・分散されており、耐摩耗層F、Gの体
積抵抗率は、それぞれ1×103、8×103(Ω・c
m)、膜厚は、5、10(μm)である。
【0084】本比較例における現像剤担持体2の構成
(弾性層4、耐摩耗層202の組み合わせ)を表28に
示す。また、JIS−K7311による摩耗試験(摩耗
輪H22、1000回転摩耗)による耐摩耗層202の
摩耗量(mg)を表28に示す。
【0085】
【表28】 本比較例においては、実施例1〜6同様に、本比較例の
現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。本比較例の現像剤担持体2を使用し
て、実施例1〜6同様に、潜像担持体10上に形成され
たライン潜像及びソリッド潜像の現像を行った(環境:
温度25(℃)、湿度50(%RH))ところ、初期的に
は、潜像担持体10上に600DPIのライン画像がつ
ぶれることなく形成され、また、比較例24、25それ
ぞれのソリッド画像の画像濃度は1.52、1.47で
あり、高濃度なソリッド画像を形成することができた。
しかし、比較例24においては、さらにA4サイズ紙2
2000枚相当の画像を連続して形成した時点で、潜像
担持体10上の非画像部に現像剤1がスジ状に付着し、
また、潜像担持体10上の非画像部の現像剤1のスジ状
の付着に対応する位置の現像剤担持体2の表面に周方向
に深いスジ状の傷が存在することが確認された。また、
比較例25においては、A4サイズ紙5000枚相当の
画像を連続して形成した時点で、潜像担持体10上の非
画像部に現像剤1がスジ状に付着し始め、さらに、A4
サイズ紙10000枚相当の画像を連続して形成した時
点で、潜像担持体10上の非画像部全体に現像剤1が付
着し、地カブリが発生した。比較例25における現像剤
担持体2表面には、周方向にスジ状の傷が無数に存在
し、初期の現像剤担持体表面と比較すると光沢が全く失
われ、明らかに全体的に粗面化しており、この結果、現
像剤担持体2による現像剤1の搬送量が次第に増大し、
非画像部への地被りが生じていた。
【0086】(実施例31〜35)本実施例において
は、現像剤担持体2のチューブ5の外周面に耐オゾン層
を配設した。本実施例における現像剤担持体2を図7に
示す。図7に示される現像剤担持体2は、ステンレス製
シャフトによる基体3の外周に弾性層4、チューブ5、
耐オゾン層203を順にそれぞれ同心円状に配設したも
のである。本実施例においては、表16に示される弾性
体により弾性層4を形成した。本実施例におけるチュー
ブ5は、実施例26〜30同様の、ポリスチレン中にカ
ーボンブラックを添加・分散させた熱収縮チューブであ
る。
【0087】本実施例においては、基体3、弾性層4、
チューブ5に、表29に示される耐オゾン層203を形
成し、現像剤担持体2を作成した。
【0088】
【表29】 尚、本実施例においては、表29に示される耐オゾン層
A〜Cを表29の材質あるいはその材質を構成するモノ
マーを必要に応じて溶剤に溶解した溶液をチューブ5外
周面に塗布することにより耐オゾン層203を形成し、
また、表29に示される耐オゾン層D,Eは、それぞれ
ポリフッ化ビニリデン製、ポリ四フッ化エチレン製の熱
収縮チューブに、基体3、弾性層4、チューブ5を配設
した状態の現像剤担持体を挿入した後、環境を減圧し、
さらに加熱・収縮させることにより、耐オゾン層203
を形成し、現像剤担持体2を作成した。ただし、本発明
の現像剤担持体は、上記の耐オゾン層形成方法に限定さ
れるものではなく、また、上記の材質に限定されるもの
ではなく、例えば、耐オゾン層203に使用可能な材質
としては、表29に記載の材質の他、塩素化ポリエーテ
ル、エチレン・プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレ
ン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、アクリル・ニトリル共重合体や、ポリフ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・フッ化プロピレン
共重合体、ポリ四フッ化エチレン、エチレン・四フッ化
エチレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフロロアル
キルビニルエーテル共重合体等のフッ素を含む樹脂また
はゴム等が挙げられる。尚、本実施例においては、耐オ
ゾン層203にはカーボンブラックが添加・分散されて
おり、耐オゾン層203の体積抵抗率は、表29に示さ
れる耐オゾン層A〜Cにおいては3〜8×102(Ω・
cm)、耐オゾン層D,Eにおいては、それぞれ4×1
5、6×105(Ω・cm)である。また、耐オゾン層
203の膜厚は、表29に示される耐オゾン層A〜Dに
おいては5(μm)、耐オゾン層Eにおいては、10
(μm)である。尚、耐オゾン層203の膜厚は、ガス
バリヤー効果としては、2(μm)程度で充分であり、
特に耐オゾン層が高抵抗である場合には、可能な限り薄
い方が、現像剤担持体2の現像電極効果や現像バイアス
効果を有効に発現させ得ることから、より好ましい。
【0089】本発明における現像剤担持体の耐オゾン層
を構成する樹脂あるいはゴム等を選択する基準として、
本発明者は、耐オゾン層として使用される樹脂あるいは
ゴム等が本発明の現像剤担持体を使用する環境のオゾン
に対し、充分な長期間、安定しているかどうか判断する
ために、耐オゾン劣化試験方法を「23(℃)、オゾン
濃度25(ppm)の雰囲気下にて、1(時間)、定引
張荷重5(kg/cm 2)の負荷応力を加える」ものと
し、前記条件下において、「試験片に亀裂が認められな
ければ、耐オゾン層として適用可能」であることを認め
た。現在市販の画像形成装置のうち、装置内部のオゾン
濃度は、画像形成装置として負極帯電用コロナ帯電器を
有するものが高い値を示し、1〜5(ppm)である。
また、潜像担持体10に現像剤担持体2が接触して現像
する場合や弾性ブレード7が現像剤担持体2に接触して
現像剤1の搬送量を規制する場合等に、チューブ5は引
張荷重を受けることになる。このような現状を踏まえ
て、本発明者は、実使用条件に対する加速試験として、
上記の耐オゾン劣化試験を定義した。尚、本発明におけ
る前記の耐オゾン劣化試験方法は、JIS−K6301
オゾン劣化試験及びJIS−K7108定引張り荷重下
におけるプラスチックの耐薬品性試験方法に準拠するも
のであり、具体的には、試験片及び試験容器を除く試験
装置については、JIS−K7108を、また、試験槽
及びオゾン発生装置については、JIS−K6301を
満足するものである。
【0090】表29に示される、本実施例における耐オ
ゾン層203は、23(℃)、オゾン濃度25(pp
m)の雰囲気下にて、1(時間)、定引張荷重5(kg
/cm 2)の負荷応力を加えた場合、目視観察では亀裂
は全く認められなかった。
【0091】本実施例における現像剤担持体2の構成
(弾性層4、耐オゾン層203の組み合わせ)を表30
に示す。
【0092】
【表30】 本実施例においては、実施例1〜6同様に、本実施例の
現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。本実施例の現像剤担持体2を使用し
て、温度25(℃)、湿度50(%RH)、現像剤担持体
2周辺におけるオゾン濃度1(ppm)の環境下におい
て、実施例1〜6同様に、潜像担持体10上に形成され
たライン潜像及びソリッド潜像の現像を行ったところ、
A4サイズ紙50000枚相当の画像を連続して形成
(所要時間約70時間)したが、潜像担持体10上に6
00DPIのライン画像がつぶれることなく形成され、
また、OD値1.4以上の高濃度なソリッド画像を形成
することができた。
【0093】(比較例26〜29)本比較例は、現像剤
担持体2のチューブ5の外周面に耐オゾン層を配設した
ものであり、実施例31〜35に対応するものである。
本比較例における現像剤担持体2を図7に示す。本比較
例においては、表16に示される弾性体により弾性層4
を形成した。本比較例におけるチューブ5は、実施例2
6〜30同様の、ポリスチレン中にカーボンブラックを
添加・分散させた熱収縮チューブである。本比較例にお
いては、基体3、弾性層4、チューブ5に、表31に示
される耐オゾン層203を形成し、現像剤担持体2を作
成した。
【0094】
【表31】 尚、本比較例においては、耐オゾン層203にはカーボ
ンブラックが添加・分散されており、耐オゾン層F、G
の体積抵抗率はそれぞれ、4×105、9×105(Ω・
cm)である。また、耐オゾン層F,Gの膜厚はそれぞ
れ、15、23(μm)である。
【0095】表31に示される、本比較例における耐オ
ゾン層203は、23(℃)、オゾン濃度25(pp
m)の雰囲気下にて、1(時間)、定引張荷重5(kg
/cm 2)の負荷応力を加えたところ、耐オゾン層F,
G共に約1(mm)幅の亀裂が多数発生した。
【0096】本比較例における現像剤担持体2の構成
(弾性層4、耐オゾン層203の組み合わせ)を表32
に示す。
【0097】
【表32】 本比較例においては、実施例1〜6同様に、本比較例の
現像剤担持体2を図3に示される現像装置に使用して画
像の形成を行った。
【0098】本比較例の現像剤担持体2を使用して、温
度25(℃)、湿度50(%RH)、現像剤担持体2周辺
におけるオゾン濃度1(ppm)の環境下において、潜
像担持体10上に形成されたライン潜像及びソリッド潜
像の現像を行った。初期的には、潜像担持体10上に6
00DPIのライン画像がつぶれることなく形成され、
また、OD値1.4以上の高濃度なソリッド画像を形成
することができた。しかし、さらにA4サイズ紙約40
000枚相当の画像を連続して形成した時点から、本比
較例のすべてにおいて、潜像担持体10上のソリッド画
像に白抜けが発生した。また、現像剤担持体2表面には
約0.5〜2(mm)の亀裂が発生(特に現像剤担持体
端部に数多く発生)しており、この亀裂に対応する部分
がソリッド画像において白抜けとなっていた。
【0099】以上実施例を述べたが、本発明は以上の実
施例のみならず、広く電子写真等の現像装置、特にプリ
ンタ、複写機、ファクシミリ等の現像装置に応用でき
る。尚、応用可能な現像方法としては、1成分非磁性現
像法、1成分磁性現像法、2成分磁性現像法のいずれも
可能である。ただし、チューブ5による現像電極効果を
最も発揮させるためには、チューブ5を潜像担持体に近
接させることが必要であり、したがって、現像剤を現像
剤担持体上に薄層にして搬送し、潜像担持体に接触し現
像する現像方法が最も望ましい。そのような現像方法と
しては、1成分非磁性または磁性現像剤を使用した接触
現像法が最も適している。
【0100】チューブ5の製造方法としては、公知の樹
脂成形方法が適用可能であるが、チューブ成形法として
は最も広範囲に行われている押し出し成形が最も簡便か
つ低コストであり、また、量産性にも優れており、チュ
ーブ5の製造方法として最も望ましい。
【0101】また、弾性層4外周面に被膜を形成する方
法としては、チューブによる被覆以外には、塗装による
被膜の形成が公知であり、一般的ではあるが、塗装では
弾性層4が表面にスキン層がない発泡体である場合には
被膜の形成が実用上不可能であり、また、被膜の塗装、
乾燥等に比較的大きな設備を要し、さらに、被膜形成に
要する工程が長いという問題があるが、チューブ被覆に
より弾性層4外周面に被膜を形成する場合は、弾性層4
の構成に関係なく、被覆が可能であり、また、チューブ
5内部で弾性層4を形成することによりチューブ5と弾
性層4の一体成型が可能であり、また、チューブ5を熱
収縮チューブとすることにより短時間かつ単純な加熱処
理のみで被覆が可能であり、低コストかつ簡単な工程
で、現像装置を製造することが可能である。
【0102】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の現像装置に
おいては、現像装置を構成する現像剤担持体が少なくと
も弾性層を有し、かつ、弾性層外周面がチューブにより
被覆される構成であり、前記弾性層と前記チューブとの
間に、中間層(抵抗調整層)を配設することにより、弾
性層の抵抗の部分的なバラツキに影響されずに現像バイ
アスを均一に印加することで濃度ムラの無い画像を形成
することが可能となり、また、潜像担持体への現像バイ
アスのリークを抑制し、高濃度かつ濃度ムラの無い画像
を形成すること等が可能となり、高品質な画像を長期間
安定して現像することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置の現像剤担持体の断面概略図
である。
【図2】本発明の現像装置に使用される耐油層を有する
現像剤担持体の断面概観図である。
【図3】少なくとも弾性層を有する現像剤担持体を使用
し、現像剤を潜像担持体に接触し現像する現像装置の断
面概観図である。
【図4】本発明の現像装置に使用される抵抗調整層を有
する現像剤担持体の断面概観図である。
【図5】本発明の現像装置に使用される接着層を有する
現像剤担持体の断面概観図である。
【図6】本発明の現像装置に使用される耐摩耗層を有す
る現像剤担持体の断面概観図である。
【図7】本発明の現像装置に使用される耐オゾン層を有
する現像剤担持体の断面概観図である。
【符号の説明】
1…現像剤、2…現像剤担持体、3…基体、4…弾性
層、5…チューブ、7…弾性ブレード、8…支持電極、
9…静電像保持層、10…潜像担持体、101…中間
層、102…耐油層、103…抵抗調整層、104…接
着層、201…表面層、202…耐摩耗層、203…耐
オゾン層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも弾性層を有し、かつ、前記弾
    性層の外周面を導電層により被覆された現像剤担持体
    を、潜像担持体上に形成した潜像を顕像化すべく、前記
    潜像担持体に接触させる現像装置において、前記弾性層
    と前記導電層との間に中間層を配設し、かつ、前記導電
    層の体積抵抗率よりも前記弾性層の体積抵抗率が小さ
    く、かつ、前記弾性層の体積抵抗率よりも前記中間層の
    体積抵抗率が小さいことを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも弾性層を有し、かつ、前記弾
    性層の外周面を導電層により被覆された現像剤担持体
    を、潜像担持体上に形成した潜像を顕像化すべく、前記
    潜像担持体に接触させる現像装置において、前記弾性層
    と前記導電層との間に中間層を配設し、かつ、前記弾性
    層の体積抵抗率及び前記導電層の体積抵抗率よりも前記
    中間層の体積抵抗率が大きいことを特徴とする現像装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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