JP2000120432A - 直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置 - Google Patents

直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置

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JP2000120432A
JP2000120432A JP10289614A JP28961498A JP2000120432A JP 2000120432 A JP2000120432 A JP 2000120432A JP 10289614 A JP10289614 A JP 10289614A JP 28961498 A JP28961498 A JP 28961498A JP 2000120432 A JP2000120432 A JP 2000120432A
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temperature
injection
exhaust gas
exhaust
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JP10289614A
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Takashi Fukuda
隆 福田
Hisashi Aoyama
尚志 青山
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直噴式内燃機関における排出ガス浄化用触媒
をエミッションを悪化させることなく効率良く早期活性
化する。 【解決手段】 燃料を直接燃焼室11内に噴射すると共
に、所要の運転条件下ではリーン空燃比運転を行う直噴
式内燃機関の排出ガス浄化装置において、共通の噴口か
ら燃料と加圧空気を直接燃焼室11内に噴射可能な燃料
噴射弁17と、排気通路15に配置された排気浄化用触
媒22,23と、排気浄化用触媒22,23を昇温すべ
き条件を判断する昇温判断手段と、排気浄化用触媒を昇
温すべき条件のときに、燃料噴射弁17から膨張行程ま
たは排気行程中に追加燃料および加圧空気を噴射させる
追加燃料噴射制御手段とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼室内に直接
燃料を噴射する直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置に関
し、特に排出ガス浄化用触媒の早期活性化のための技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用内燃機関を始めとして、機関の
排出ガスを浄化するために排気通路に排出ガス浄化用触
媒が設けられるが、かかる触媒は、温度を所定値以上ま
で上昇させなければ、所望の浄化能力を発揮しない。
【0003】このため、例えば特開平8ー296485
号公報には、4サイクルエンジンにおいて、膨張行程以
降に再度燃料噴射弁を作動させて、燃焼室内に追加燃料
を追加する技術が開示されている。これは、機関始動後
等に、触媒の活性状態判定手段等により触媒が不活性で
あると判定された場合に、膨張行程以降に追加燃料を噴
射させ、追加燃料を燃焼させて触媒温度を上昇させるこ
とで、触媒の活性を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
技術では、筒内から未燃の燃料が触媒に供給されること
から、次のような問題点が考えられる。つまり、燃料が
追加噴射される条件は触媒が不活性の場合であるから、
追加燃料の噴射を開始した直後においては、追加噴射さ
れた未燃燃料の一部は触媒により酸化反応されて、触媒
の昇温に寄与するものの、未燃燃料の多くは触媒により
酸化反応されずに触媒を通過して、未浄化のまま排出さ
れる懸念がある。
【0005】この発明は、追加燃料の良好な燃焼を確保
して、このような問題点を解決すると共に、直噴式内燃
機関における排出ガス浄化用触媒を効率良く早期活性化
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、燃料を直
接燃焼室内に噴射すると共に、所要の運転条件下ではリ
ーン空燃比運転を行う直噴式内燃機関の排出ガス浄化装
置において、共通の噴口から燃料と加圧空気を直接燃焼
室内に噴射可能な燃料噴射弁と、排気通路に配置された
排気浄化用触媒と、排気浄化用触媒を昇温すべき条件を
判断する昇温判断手段と、排気浄化用触媒を昇温すべき
条件のときに、燃料噴射弁から膨張行程または排気行程
中に追加燃料および加圧空気を噴射させる追加燃料噴射
制御手段とを設ける。
【0007】第2の発明は、燃料を直接燃焼室内に噴射
すると共に、所要の運転条件下ではリーン空燃比運転を
行う直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置において、共通
の噴口から燃料と加圧空気を直接燃焼室内に噴射可能な
燃料噴射弁と、圧縮行程中に燃料噴射弁から主燃料を噴
射させて、成層燃焼を行わせる主噴射制御手段と、排気
通路に配置された排気浄化用触媒と、排気浄化用触媒を
昇温すべき条件を判断する昇温判断手段と、排気浄化用
触媒を昇温すべき条件のときに、燃料噴射弁から膨張行
程または排気行程中に追加燃料および加圧空気を噴射さ
せる追加燃料噴射制御手段とを設ける。
【0008】第3の発明は、第1、第2の発明におい
て、前記昇温判断手段は、排気浄化用触媒の活性度合が
所定の活性度合に達していないときに排気浄化用触媒を
昇温すべき条件が成立していると判断する。
【0009】第4の発明は、第1、第2の発明におい
て、前記排気浄化用触媒は、流入する排気ガスの空燃比
に応じて排気ガス中のNOxを吸収・放出する触媒を備
え、前記昇温判断手段は、排気浄化用触媒に吸収された
SOxを放出すべきときに排気浄化用触媒を昇温すべき
条件が成立していると判断する。
【0010】第5の発明は、第1、第2の発明におい
て、前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射弁から追加
燃料の噴射に先立って加圧空気を噴射させる。
【0011】第6の発明は、第1、第2の発明におい
て、前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射弁から追加
燃料および加圧空気を噴射させた後、さらに加圧空気の
みを噴射させる。
【0012】第7の発明は、第1、第2の発明におい
て、前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射弁から追加
燃料の噴射に先立って加圧空気の噴射を開始させ、追加
燃料の噴射終了時よりも遅角側にて加圧空気の噴射を終
了させる。
【0013】第8の発明は、第1、第2、第6、第7の
発明において、前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射
弁の加圧空気の噴射量を、触媒温度および機関運転温度
の上昇あるいは制御開始からの経過時間に応じて減少さ
せる。
【0014】第9の発明は、第1、第2、第6、第7の
発明において、前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射
弁の加圧空気の噴射開始時期を、触媒温度および機関運
転温度の上昇あるいは制御開始からの経過時間に応じて
遅角させる。
【0015】第10の発明は、第1の発明において、圧
縮行程中または吸気行程中に燃料噴射弁から主燃料のみ
を噴射させる主噴射制御手段を備え、その主燃料のみの
噴射時に、排気浄化用触媒を昇温すべき条件のときに、
前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射弁から膨張行程
または排気行程中に加圧空気のみを噴射させる。
【0016】
【発明の効果】第1の発明によれば、触媒を昇温すべき
ときに、加圧空気の噴射によって燃焼室内の燃焼ガスの
流動が強化され、燃焼ガスと追加燃料との混合が促進さ
れると共に、触媒上での燃料の酸化反応も良好に行われ
る。したがって、触媒が未活性のときに、追加燃料の噴
射によってエミッションを悪化させることなく、排気温
度、触媒温度を速やかに上昇させて、触媒の早期活性化
を効率良く行うことができる。
【0017】第2の発明によれば、成層燃焼によるリー
ン空燃比運転時にあって、追加燃料と燃焼ガス層と空気
層との混合を促進して、追加燃料の良好な燃焼が確保さ
れ、追加燃料の噴射によってエミッションを悪化させる
ことなく、排気温度、触媒温度を速やかに上昇させて、
触媒の早期活性化を効率良く行うことができる。
【0018】第3、第4の発明によれば、触媒を的確に
活性化でき、また排気ガス中に含まれ、NOxと共に触
媒に吸収されるSOxを、的確に処理できる。
【0019】第5、第6の発明によれば、燃焼室内のガ
ス流動を促進してから追加燃料を噴射するので、追加燃
料のより良好な燃焼を確保でき、また、加圧空気の噴射
によって形成された空気層の中に追加燃料を噴射すると
共に、さらに加圧空気を噴射すことで、追加燃料の周囲
に確実に酸素を存在させることができ、追加燃料の一層
良好な燃焼を確保できる。
【0020】第7の発明によれば、それほど応答性の高
い燃料噴射弁を必要とせず、コストダウンを図れる。ま
た、燃焼ガスの流動、空気との混合度合い等に応じて、
加圧空気の噴射終了時期を遅角側にすることで、排気の
昇温効果を高くできる。
【0021】第8、第9の発明によれば、触媒温度およ
びエンジンの運転温度の上昇あるいは制御開始からの経
過時間に応じて触媒を最適に昇温でき、また通常の制御
にスムーズに移行できる。
【0022】第10の発明によれば、燃料噴射弁の燃
料、加圧空気の噴射制御が容易になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0024】図1において、10はエンジン本体、11
は燃焼室、12は吸気バルブ、13は吸気通路、14は
排気バルブ、15は排気通路、16は点火栓、17は燃
焼室11内に直接燃料および加圧空気を噴射する燃料噴
射弁を示す。
【0025】燃料噴射弁17には、共通の噴口から燃料
および加圧空気を噴射可能なもの(例えば、特開平9ー
126100号公報等参照)が用いられる。燃料噴射弁
17は、燃料導入口に燃料タンク18より吸引され燃料
ポンプ19によって所定の高圧に調圧された燃料が、エ
ア導入口に吸気量センサ32下流の吸気通路13より吸
引されエアポンプ20によって所定の高圧に圧縮された
加圧空気が導かれ、燃料および加圧空気をそれぞれ独立
に噴射可能に構成される。
【0026】吸気通路13には、電子制御スロットル2
1が設けられる。電子制御スロットル21は、後述する
コントロールユニット30によりエンジンの運転条件に
対応した吸入空気量を得るように開度が制御される。
【0027】排気通路15には、排気浄化用触媒とし
て、流入する排気ガスの空燃比に応じて排気ガス中のN
Oxを吸収・放出するリーンNOx触媒22ならびにそ
の下流に三元触媒23が介装される。リーンNOx触媒
22では、リーン雰囲気でNOxを吸収し、リッチ雰囲
気で吸収していたNOxを還元してN2として排出され
る。三元触媒23では、ストイキ(理論空燃比)状態に
おいてHC、CO等の酸化とNOxの還元が同時に行わ
れる。
【0028】リーンNOx触媒22の上流側には排気ガ
スの空燃比を広範囲に検出する第1の空燃比センサ24
が、リーンNOx触媒22と三元触媒23との間には第
2の空燃比センサ25が設置される。リーンNOx触媒
22には触媒22の温度を検出する触媒温度センサ26
が設置される。この触媒温度センサ26の他、三元触媒
23の温度を検出する温度センサを設けても良い。これ
らの信号はコントロールユニット30に入力される。
【0029】また、エンジンの運転条件を検出する手段
として、エンジンの回転数、クランク角を検出する回転
数センサ(クランク角センサ)31、エンジンの吸入空
気量を検出する吸気センサ32、アクセル開度を検出す
るアクセル開度センサ33、エンジンの冷却水温を検出
する水温センサ34等が設けられ、これらの信号もコン
トロールユニット30に入力される。
【0030】これらのセンサ信号に基づき、コントロー
ルユニット30によって、燃料噴射弁17の通常制御つ
まり運転条件に応じてリーン運転(圧縮行程噴射)、ス
トイキ運転(吸気行程噴射)を行うように燃料噴射弁1
7の燃料の噴射および加圧空気の噴射等が制御されると
共に、排気浄化用触媒22,23の活性化制御が行われ
る。
【0031】この場合、エンジンの回転数とトルク(エ
ンジンの回転数、アクセル開度、吸入空気量等から求め
られる)とにより、図2のようにエンジンの低・中負荷
域に圧縮行程噴射リーン運転域が、エンジンの高負荷域
に吸気行程噴射ストイキ運転域が設定される。
【0032】吸気行程噴射ストイキ運転域では、図3の
ように燃料を吸気行程に噴射させ、燃焼室11全体で燃
料と空気を予混合し、理論空燃比付近の混合気での均質
燃焼が行われる。この際、いくらか遅れて加圧空気を噴
射させることで、燃料の微粒化が促進され、噴霧と空気
との良好な混合が確保される。
【0033】圧縮行程噴射リーン運転域では、図3のよ
うに燃料を圧縮行程の後半に噴射させ、圧縮上死点で点
火栓16の近傍にのみ可燃混合気層を形成し、全体の空
燃比として超リーン空燃比の混合気の成層燃焼が行われ
る。この際も、いくらか遅れて加圧空気を噴射させるこ
とで、燃料の微粒化が図られる。なお、この圧縮行程後
半では、燃焼室内と加圧空気との差圧が小さくなるの
で、加圧空気の噴射によって噴霧が過度に拡散するよう
なことはなく、良好な成層化が確保される。
【0034】なお、加圧空気の噴射により燃料が微粒化
されるため、燃料のシリンダボアやピストン冠面への付
着による未燃燃料が減少され、排出される未燃成分が抑
制される。
【0035】次に、排気浄化用触媒22,23の活性化
制御の内容を図4、図5のフローチャートに基づいて説
明する。
【0036】図4に示すように、ステップ1では、触媒
22の温度Taを読み込み、触媒22の温度Taが所定
値以下かどうかを判定する。
【0037】触媒22の温度Taが所定値以下の場合、
触媒22(および23)が未活性と判定して、ステップ
2にて触媒昇温制御に入る。
【0038】触媒22の温度Taが所定値以上の場合、
ステップ4にて触媒22の温度Taが所定値以上にある
ときの触媒未活性条件を判定する。
【0039】このような場合としては、燃料中のイオウ
分がNOx触媒22に吸収され、NOxを有効に浄化で
きなくなった場合、および排気ガス中に含まれるスモー
クにより触媒22,23と排気ガスとの接触面積が減少
した場合がある。
【0040】例えば、図6のようにエンジンのNOx排
出量は運転条件(圧縮行程噴射リーン運転域、吸気行程
噴射ストイキ運転域)から求めることができるので、運
転条件から求めたNOx排出量と触媒22下流の空燃比
センサ25の測定値との比較によって、触媒22,23
がイオウ被毒やスモーク被毒によって未活性な状態が否
かを判定できる。即ち、NOx排出量に対して空燃比セ
ンサ25の検出値の差が所定値以上のとき、イオウ被毒
やスモーク被毒によって触媒22のNOx吸収率が低下
して未活性な状態にあると判定する。なお、触媒22上
流の空燃比センサ24の測定値と下流の空燃比センサ2
5の測定値とを比較して触媒22の未活性状態を判定し
ても良い。
【0041】触媒未活性状態のとき、ステップ5にて触
媒昇温制御に入り、触媒未活性状態にないときは、ステ
ップ6にて通常制御を行う。
【0042】触媒昇温制御は、図5のようにステップ1
1にてエンジンの回転数、アクセル開度、吸入空気量等
を読み込み、エンジンの回転数、トルクが所定値以上か
どうかを判定する。
【0043】エンジンの回転数、トルクが所定値以上の
場合、運転領域が図2の吸気行程噴射ストイキ運転域に
あり、排気温度が高いため、ステップ12にて排気温度
により触媒22(および23)が自動的に昇温すると判
定して、リターンする。
【0044】一方、エンジンの回転数、トルクが所定値
以上の場合、運転領域が図2の圧縮行程噴射リーン運転
域にあるため、ステップ13,14に進み、2度噴射、
即ち燃料噴射弁17から燃料および加圧空気を圧縮行程
の後半に噴射する通常制御に加えて、膨張行程または排
気行程中に所定量の追加燃料および追加加圧空気を噴射
するように制御する。
【0045】この追加燃料、追加加圧空気の噴射は、図
3のように追加燃料の噴射に先立って追加加圧空気を噴
射すると共に、その追加燃料の噴射後、さらに追加加圧
空気を噴射する。
【0046】追加燃料量、追加加圧空気量は、エンジン
の回転数、トルクに基づいて決定する。この場合、追加
燃料量、追加加圧空気量は、触媒22の温度Ta、エン
ジンの冷却水温Twが低いほど増量するように設定して
良い。
【0047】そして、触媒22の温度Taが上昇し、イ
オウ被毒やスモーク被毒が解除される所定温度以上にな
るまで、ステップ16にて2度噴射制御を継続すると共
に、条件を満たすと、ステップ17にて2度噴射制御を
終了して通常制御に戻る。なお、エンジンの冷却水温T
wが所定値以上に、またはNOx排出量に対して空燃比
センサ25の検出値の差が所定値未満になるまで、2度
噴射制御を継続するようにしても良い。
【0048】このように構成したため、エンジンの始動
直後等、排気浄化用触媒22,23の温度が低く、また
エンジンの冷却水温が低く、触媒22,23が未活性の
ときは、燃料噴射弁17から燃料および加圧空気が圧縮
行程の後半に噴射されると共に、膨張行程または排気行
程中に所定量の追加燃料および追加加圧空気が噴射され
る(圧縮行程噴射リーン運転域)。
【0049】この追加加圧空気の噴射によって、膨張行
程または排気行程中の燃焼室11内の燃焼ガスの流動が
強化され、追加燃料が燃焼室11内に広く拡散される。
このため、燃焼ガスと追加燃料との混合が促進され、追
加燃料の良好な燃焼が得られると共に、触媒22,23
に流入する排気ガスも燃料濃度のムラが小さくなり、触
媒22,23上での燃料の酸化反応も良好に行われる。
【0050】特に、圧縮行程中に燃料(主燃料)を噴射
して成層燃焼を行わせると、燃焼後も燃焼ガスと空気と
が燃焼室11内で層状に存在することが多く、この中に
追加燃料を噴射するだけでは、火種となる燃焼ガスと接
触しない燃料が多くなり、着火性が良くない。また、燃
焼室11内で層状となっていた燃焼ガスと空気が、その
ままの状態で触媒22,23へ流入するのでは、燃焼ガ
ス層中に噴射された燃料も、その一部が燃焼ガス中に残
留するわずかな酸素と反応した後は、その多くが燃焼ガ
スに包まれた状態で触媒22,23へ流入するようにな
り、触媒22,23上で反応できずにそのまま排出され
る可能性が高いが、このように加圧空気の噴射により燃
焼室11内のガスを撹拌することによって、燃焼ガス層
と空気層との混合が進み、追加燃料が燃焼ガスと空気の
両方に接触する機会が増加される。また、燃焼室11か
ら排出されるガスの均質化も進み、触媒22,23上で
の反応も良好に行われるのである。
【0051】また、追加燃料に先立って追加加圧空気を
噴射、即ち燃焼室11内のガス流動を促進してから追加
燃料を噴射するので、追加燃料のより良好な燃焼が得ら
れる。また、加圧空気の噴射によって形成された空気層
の中に追加燃料を噴射すると共に、さらに加圧空気を噴
射するので、追加燃料の周囲に確実に酸素を存在させる
ことができ、追加燃料の一層良好な燃焼が得られる。
【0052】このように、追加燃料の良好な燃焼が確保
されるのであり、したがって排気浄化用触媒22,23
が未活性またエンジンの冷却水温が低いときに、追加燃
料の噴射によってエミッションを悪化させることなく、
排気温度、排気浄化用触媒22,23の温度を速やかに
上昇させることができ、排気浄化用触媒22,23の早
期活性化が効率良く行われる。
【0053】また、触媒22,23がイオウ被毒やスモ
ーク被毒によって未活性状態にある場合も、前述のよう
に燃料噴射弁17から膨張行程または排気行程中に追加
燃料および追加加圧空気が噴射される。したがって、触
媒22,23を再生して触媒22,23を常に良好な状
態に保つことができ、触媒22,23の高い浄化効率を
維持できる。
【0054】図7は本発明の別の実施の形態を示すもの
で、前記実施の形態が膨張行程または排気行程中に追加
加圧空気の噴射を2回行っているのに対して、追加加圧
空気の噴射期間を長くし、噴射を1回にしたものであ
る。
【0055】したがって、それほど応答性の高い燃料噴
射弁を必要とせず、コストダウンを図れる。
【0056】図8は本発明の別の実施の形態を示すもの
で、追加加圧空気の噴射を1回にすると共に、追加加圧
空気の噴射期間を追加燃料の噴射に対して遅角側に長く
するものである。
【0057】これは、膨張行程または排気行程における
燃焼ガスの流動、空気との混合度合い、および噴霧特性
に応じて、追加加圧空気の噴射期間を遅角側に長くする
ことで、HCの低減および排気の昇温効果が高くなる。
【0058】図9は本発明の別の実施の形態を示すもの
で、追加加圧空気の噴射時期を触媒22の温度に応じて
変えるものである。
【0059】これは、図9のように触媒22,23の昇
温要求がある場合、ステップ23,24にて、2度噴
射、即ち燃料噴射弁17の圧縮行程における燃料および
加圧空気の噴射量(噴射パルス)、および膨張行程また
は排気行程における追加燃料および追加加圧空気の噴射
量(噴射パルス)を決定する。
【0060】ステップ25,26では、触媒22の温度
Taを所定値[1]、所定値[2](所定値[1]<所
定値[2])と比較する。
【0061】触媒22の温度Taが所定値[1]以下の
場合、ステップ27にて追加加圧空気の噴射時期を早時
期に設定する。
【0062】触媒22の温度Taが所定値[1]以上で
所定値[2]以下の場合、ステップ28にて追加加圧空
気の噴射時期を遅時期に設定する。
【0063】この場合、図10のように、触媒22の温
度Taが所定値[1]、[2]以下の場合、温度Taに
比例して追加加圧空気の噴射時期を設定するようにして
も良い。
【0064】触媒22の温度Taが所定値[2]以上の
場合、ステップ29にて追加加圧空気の噴射を中止す
る。
【0065】即ち、触媒22の温度が低いときは、追加
加圧空気の噴射を早くして、追加燃料の燃焼を十分に早
めて、触媒22,23を昇温させる。これによって、追
加燃料が多い場合、未燃燃料を排出することなく、触媒
22,23を的確に昇温できる。
【0066】また、触媒22の温度がそれほど低くない
場合、あるいはある程度上昇してくると、追加加圧空気
の噴射を遅くして、未燃燃料を触媒22,23に近い位
置まで到達させ、触媒22,23近くにて燃焼させる。
これによって、触媒22,23を効率良く昇温できる。
【0067】そして、触媒22の温度が高い場合、ある
いは高くなった場合、追加加圧空気の噴射を中止するこ
とによって、燃料液滴を触媒22,23側に到達させ、
触媒22,23にて燃焼させることによって、追加燃料
を少なくしつつ、触媒22,23を昇温できる。
【0068】一方、エンジンの運転温度つまりエンジン
冷却水温の他にエンジン温度、排気温度を検出する手段
を設け、追加加圧空気の噴射時期を、触媒温度およびそ
のエンジンの運転温度の上昇あるいは2度噴射制御の開
始からの経過時間に応じて遅角させるようにしても良
い。このようにすれば、触媒22,23を最適に昇温で
きる。
【0069】また、追加加圧空気の噴射時期の他に噴射
量を、触媒温度およびエンジンの運転温度に応じて設定
すると共に、これらの温度の上昇あるいは2度噴射制御
の開始からの経過時間に応じて減少させるようにもで
き、このようにしても、触媒22,23の昇温を的確に
できる。また、通常制御にスムーズに移行できる。
【0070】なお、触媒22,23を昇温すべき条件の
とき、燃料噴射弁17から圧縮行程中または吸気行程中
に主燃料のみを噴射させると共に、燃料噴射弁17から
膨張行程または排気行程中に追加加圧空気のみを噴射さ
せるようにしても良い。この場合、主燃料、追加加圧空
気は増量する。このようにすれば、燃料噴射弁17の燃
料、加圧空気の噴射制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態を示す構成図である。
【図2】吸気行程噴射ストイキ運転領域と圧縮行程噴射
リーン運転領域を示す特性図である。
【図3】噴射タイミング等を示す特性図である。
【図4】制御内容を示すフローチャートである。
【図5】制御内容を示すフローチャートである。
【図6】エンジンのNOx排出量を示す特性図である。
【図7】別の実施の形態の噴射タイミング等を示す特性
図である。
【図8】別の実施の形態の噴射タイミング等を示す特性
図である。
【図9】別の実施の形態の制御内容を示すフローチャー
トである。
【図10】加圧空気の噴射時期の設定例を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
10 エンジン本体 11 燃焼室 17 燃料噴射弁 19 燃料ポンプ 20 エアポンプ 21 電子制御スロットル 22 リーンNOx触媒 23 三元触媒 24,25 空燃比センサ 26 触媒温度センサ 30 コントロールユニット 31 回転数センサ(クランク角センサ) 32 吸気センサ 33 アクセル開度センサ 34 冷却水温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 301 F02D 41/02 301A 41/04 305 41/04 305A 41/34 41/34 H 45/00 312 45/00 312R F02M 67/02 F02M 67/02 Fターム(参考) 3G066 AA02 AA04 AB02 AD12 BA02 BA03 BA14 BA25 BA26 CA21 CC46 DA04 DA09 DB01 DB04 DB07 DB12 DC04 DC09 DC14 DC24 3G084 AA03 BA09 BA10 BA13 BA15 BA24 BA26 DA05 DA10 DA27 FA07 FA10 FA20 FA26 FA30 FA33 3G091 AA02 AA12 AA17 AA24 AB03 AB06 BA03 BA04 BA11 BA14 BA15 BA19 BA32 BA33 CA18 CA22 CB02 CB03 CB08 DB10 EA01 EA05 EA07 EA16 EA18 EA30 EA31 EA34 FA02 FA04 FA13 FB02 FB10 FB11 FB12 FC01 FC07 HA08 HA36 HA37 HA39 HA42

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を直接燃焼室内に噴射すると共に、
    所要の運転条件下ではリーン空燃比運転を行う直噴式内
    燃機関の排出ガス浄化装置において、 共通の噴口から燃料と加圧空気を直接燃焼室内に噴射可
    能な燃料噴射弁と、 排気通路に配置された排気浄化用触媒と、 排気浄化用触媒を昇温すべき条件を判断する昇温判断手
    段と、 排気浄化用触媒を昇温すべき条件のときに、燃料噴射弁
    から膨張行程または排気行程中に追加燃料および加圧空
    気を噴射させる追加燃料噴射制御手段とを設けたことを
    特徴とする直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 燃料を直接燃焼室内に噴射すると共に、
    所要の運転条件下ではリーン空燃比運転を行う直噴式内
    燃機関の排出ガス浄化装置において、 共通の噴口から燃料と加圧空気を直接燃焼室内に噴射可
    能な燃料噴射弁と、 圧縮行程中に燃料噴射弁から主燃料を噴射させて、成層
    燃焼を行わせる主噴射制御手段と、 排気通路に配置された排気浄化用触媒と、 排気浄化用触媒を昇温すべき条件を判断する昇温判断手
    段と、 排気浄化用触媒を昇温すべき条件のときに、燃料噴射弁
    から膨張行程または排気行程中に追加燃料および加圧空
    気を噴射させる追加燃料噴射制御手段とを設けたことを
    特徴とする直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記昇温判断手段は、排気浄化用触媒の
    活性度合が所定の活性度合に達していないときに排気浄
    化用触媒を昇温すべき条件が成立していると判断する請
    求項1または2に記載の直噴式内燃機関の排出ガス浄化
    装置。
  4. 【請求項4】 前記排気浄化用触媒は、流入する排気ガ
    スの空燃比に応じて排気ガス中のNOxを吸収・放出す
    る触媒を備え、前記昇温判断手段は、排気浄化用触媒に
    吸収されたSOxを放出すべきときに排気浄化用触媒を
    昇温すべき条件が成立していると判断する請求項1また
    は2に記載の直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射
    弁から追加燃料の噴射に先立って加圧空気を噴射させる
    請求項1または2に記載の直噴式内燃機関の排出ガス浄
    化装置。
  6. 【請求項6】 前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射
    弁から追加燃料および加圧空気を噴射させた後、さらに
    加圧空気のみを噴射させる請求項1または2に記載の直
    噴式内燃機関の排出ガス浄化装置。
  7. 【請求項7】 前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射
    弁から追加燃料の噴射に先立って加圧空気の噴射を開始
    させ、追加燃料の噴射終了時よりも遅角側にて加圧空気
    の噴射を終了させる請求項1または2に記載の直噴式内
    燃機関の排出ガス浄化装置。
  8. 【請求項8】 前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射
    弁の加圧空気の噴射量を、触媒温度および機関運転温度
    の上昇あるいは制御開始からの経過時間に応じて減少さ
    せる請求項1,2,6,7のいずれか1つに記載の直噴
    式内燃機関の排出ガス浄化装置。
  9. 【請求項9】 前記追加燃料噴射制御手段は、燃料噴射
    弁の加圧空気の噴射開始時期を、触媒温度および機関運
    転温度の上昇あるいは制御開始からの経過時間に応じて
    遅角させる請求項1,2,6,7のいずれか1つに記載
    の直噴式内燃機関の排出ガス浄化装置。
  10. 【請求項10】 圧縮行程中または吸気行程中に燃料噴
    射弁から主燃料のみを噴射させる主噴射制御手段を備
    え、その主燃料のみの噴射時に、排気浄化用触媒を昇温
    すべき条件のときに、前記追加燃料噴射制御手段は、燃
    料噴射弁から膨張行程または排気行程中に加圧空気のみ
    を噴射させる請求項1に記載の直噴式内燃機関の排出ガ
    ス浄化装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009156165A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
US8534051B2 (en) 2007-12-26 2013-09-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust purification device of internal combustion engine

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