JP2000119208A - アントラセン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

アントラセン誘導体及びその製造方法

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JP2000119208A
JP2000119208A JP10290623A JP29062398A JP2000119208A JP 2000119208 A JP2000119208 A JP 2000119208A JP 10290623 A JP10290623 A JP 10290623A JP 29062398 A JP29062398 A JP 29062398A JP 2000119208 A JP2000119208 A JP 2000119208A
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mol
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ethyl
hydrosulfite
reaction
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JP10290623A
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English (en)
Inventor
Kazuki Takemoto
一樹 武元
Hirotaka Inoue
博貴 井上
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に有利な方法でアントラセン誘導体を
製造する。 【解決手段】 次式 (式中、R1 はメチル又はエチルを表し、R2 及びR3
は互いに独立に、水素又は低級アルキルを表す)による
還元アルキル化に際し、アルコールを含む反応媒体中、
式(II)のアントラキノン系化合物を、それに対して
1.25〜2モル倍のハイドロサルファイトと反応さ
せ、次いで50℃以下の温度でpH9以上に保って、ジ
メチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれるアルキル化剤
と反応させる。さらに、式(I)中、R1 がメチルのと
きは、R2 及びR3 が互いに独立に低級アルキルであ
り、R1 がエチルのときは、R2 及びR3 の一方が低級
アルキルであり、他方が水素又は低級アルキルであるア
ントラセン誘導体も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−エチル−9,
10−ジメトキシアントラセンのような9,10−ジア
ルコキシアントラセン化合物の製造方法に関するもので
ある。2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン
は、例えば、特公昭 49-36260 号公報や特開平 10-2139
05号公報で、感光性組成物やレジスト組成物の増感剤と
して知られている。本発明はまた、このような増感剤と
して有用である新規な9,10−ジアルコキシアントラ
セン化合物自体にも向けられている。
【0002】
【従来の技術】9,10−ジアルコキシアントラセン化
合物の製造には、従来から、アントラキノン系化合物を
還元アルキル化する方法が知られており、例えば、 U.
Seitzet al., Synthesis, 686-688 (1986) には、水/
塩化メチレン二相系で、還元剤としてハイドロサルファ
イトを、またアルキル化剤としてヨウ化メチルを用いる
方法が報告されている。しかしながら、この方法は、ハ
ロゲン系溶媒による環境汚染の懸念があり、さらには高
価なアルキル化剤を用いるなど、工業的製法として十分
満足のいくものとは言い難い。
【0003】また、 T. R. Criswell et al., J. Org.
Chem., 39, 770-774 (1974) には、還元剤として水素化
ほう素ナトリウムを用いる方法が報告されている。しか
しながら、この方法は、還元剤が高価であること及び、
還元が進みすぎてアントロン誘導体あるいはアントラセ
ン環まで反応が進行する可能性があることから、やはり
工業的製法として十分満足のいくものとは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アン
トラセン誘導体を、工業的に十分満足しうる方法で製造
することにある。
【0005】本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭
意研究を行った結果、還元剤としてハイドロサルファイ
ト(Na2S2O4: 亜ジチオン酸ナトリウムともいう)を用
い、アルキル化剤としてジメチル硫酸又はジエチル硫酸
を用いて、アントラキノン化合物を還元アルキル化する
方法を見出し、さらにはこの方法を、アルコール媒体中
で、アントラキノン化合物に対するハイドロサルファイ
トの仕込み比、並びにアルキル化反応における温度及び
pHを適切に管理して行うことにより、アントラセン誘
導体が収率よく得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、次式
(I)
【0007】
【0008】(式中、R1 はメチル又はエチルを表し、
2 及びR3 は互いに独立に、水素又は低級アルキルを
表す)で示されるアントラセン誘導体を製造するに際
し、アルコールを含む反応媒体中で、次式(II)
【0009】
【0010】(式中、R2 及びR3 は前記の意味を表
す)で示されるアントラキノン系化合物を、それに対し
て1.25〜2モル倍のハイドロサルファイトと反応さ
せ、次いで50℃以下の温度でpH9以上に保って、ジ
メチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれるアルキル化剤
と反応させる方法を提供するものである。
【0011】式(I)で示されるアントラセン誘導体の
なかでも、ある種のものは新規である。したがって本発
明はまた、次式(Ia)で示されるアントラセン誘導体を
も提供する。
【0012】
【0013】式中、R1 はメチル又はエチルを表し、R
1 がメチルのとき、R21及びR31は互いに独立に低級ア
ルキルを表し、R1 がエチルのとき、R21及びR31の一
方は低級アルキルを表し、他方は水素又は低級アルキル
を表す。
【0014】
【発明の実施の形態】式(I)及び式(Ia)において、
2 、R3 、R21及び/又はR31が低級アルキルである
場合、かかる低級アルキルとしては、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec−
ブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルのような
炭素数1〜6程度のものを挙げることができる。
【0015】本発明では、式(II)で示されるアントラ
キノン系化合物を還元アルキル化する際に、還元剤とし
てハイドロサルファイトを用いる。ハイドロサルファイ
トの量は、式(II)のアントラキノン系化合物に対し
て、1.25〜2モル倍の範囲であり、好ましくは1.4
〜1.7モル倍の範囲である。ハイドロサルファイトの
量が少なすぎると、原料である式(II)のアントラキノ
ン系化合物の残存量が多くなり、またハイドロサルファ
イトの量が多すぎると、還元が進みすぎて副生成物を生
じる。
【0016】この反応はアルコールを含む媒体中で行わ
れ、アルコールとしては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノールなどが用いられる。特にメタノール又は
エタノールが好ましい。この反応における媒体は、アル
コールだけでもよいが、他の媒体、例えば水が混合され
ていてもよい。この還元反応は、通常塩基性条件下で行
われ、塩基性条件とするために水酸化ナトリウムや水酸
化カリウムのような塩基性化合物が添加されるが、その
塩基性化合物を水溶液の形で添加すれば、アルコールと
水の混合媒体となる。この還元反応は、通常0〜50℃
程度の温度で行うことができる。
【0017】こうして式(II)のアントラキノン系化合
物を還元した後は、アルキル化反応を行う。この際、先
の還元反応に用いた還元剤は、そのまま反応系内に残っ
ていて差し支えない。ここで用いるアルキル化剤は、ジ
メチル硫酸又はジエチル硫酸である。アルキル化剤の量
は他の反応条件によって変わるが、式(II)のアントラ
キノン系化合物に対して、通常は3モル倍以上、好まし
くは4モル倍以上用いられる。このアルキル化反応は、
先の還元反応と同じアルコールを含む媒体中で行うこと
ができる。
【0018】アルキル化反応は、50℃以下の温度で行
われる。反応温度が高くなると、反応系の攪拌状態が悪
くなり、また副反応も起こりやすくなる。反応温度が低
くなると、反応の進行が遅くなるので、通常は10℃以
上の温度が採用され、また常温、例えば20℃以上とす
るのが有利である。この反応においては、pH9以上の
塩基性条件が採用される。アルキル化反応におけるpH
が低くなると、原料の残存が認められるようになる。好
ましくはpH9〜12、さらに好ましくはpH9〜10
に保って、反応が行われる。塩基性条件とするために、
水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような塩基性化合
物が用いられる。これらの塩基性化合物は、通常水溶液
の形で系内に加えられる。
【0019】アルキル化反応の時間は、反応温度などに
よっても変わりうるが、一般には2〜24時間程度であ
る。反応終了後は、溶媒抽出、濃縮、再結晶など、通常
の後処理操作を施すことにより、式(I)で示されるア
ントラセン誘導体を得ることができる。
【0020】原料となる式(II)のアントラキノン系化
合物及びそれから得られる式(I)のアントラセン誘導
体の代表例を挙げると、表1のとおりである。式(I)
のアントラセン誘導体のうち、式(Ia)に相当するもの
は、表1の備考欄に(Ia)と表示した。
【0021】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 式(II) 式(I) 備考 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━アントラキノン 9,10-シ゛メトキシアントラセン 9,10-シ゛エトキシアントラセン 2-メチルアントラキノン 2-メチル-9,10-シ゛メトキシアントラセン 2-メチル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2-エチルアントラキノン 2-エチル-9,10-シ゛メトキシアントラセン 2-エチル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2-フ゜ロヒ゜ルアントラキノン 2-フ゜ロヒ゜ル-9,10-シ゛メトキシアントラセン 2-フ゜ロヒ゜ル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2-フ゛チルアントラキノン 2-フ゛チル-9,10-シ゛メトキシアントラセン 2-フ゛チル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2-tert-フ゛チルアントラキノン 2-tert-フ゛チル-9,10-シ゛メトキシアントラセン 2-tert-フ゛チル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2-ヘ゜ンチルアントラキノン 2-ヘ゜ンチル-9,10-シ゛メトキシアントラセン 2-ヘ゜ンチル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2-ヘキシルアントラキノン 2-ヘキシル-9,10-シ゛メトキシアントラセン 2-ヘキシル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2,3-シ゛メチルアントラキノン 2,3-シ゛メチル-9,10-シ゛メトキシアントラセン (Ia) 2,3-シ゛メチル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) 2,3-シ゛エチルアントラキノン 2,3-シ゛エチル-9,10-シ゛メトキシアントラセン (Ia) 2,3-シ゛エチル-9,10-シ゛エトキシアントラセン (Ia) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らによって限定されるものではない。例中、含有量を表
す%は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0023】実施例1(2−エチル−9,10−ジメト
キシアントラセンの合成) メタノール390kg中に2−エチルアントラキノン65
kg(275モル)を懸濁し、28%水酸化ナトリウム水
溶液120kg(840モル)を加えた。そこにハイドロ
サルファイト77.5kg(445モル)を添加し、30
〜40℃で30分間攪拌した。次に、pHコントローラ
ーの設定値をpH9〜10とし、28%水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH調整をしながら、40±5℃の温度で、
ジメチル硫酸175kg(1,387モル)を2時間かけ
て添加した。ジメチル硫酸の添加終了後、さらに温度3
3±2℃、pH9〜10で15.5時間攪拌して、熟成
した。ジメチル硫酸の添加開始から熟成終了までにpH
調整に要した28%水酸化ナトリウム水溶液は、168
kg(1,176モル)であった。その後、純水で希釈
し、トルエンで抽出して分液し、トルエン層を洗浄した
後、濃縮した。メタノールを加え、冷却して晶析し、析
出した結晶を濾過、洗浄し、乾燥して、次式に相当する
2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセンを5
7.0kg得た。収率77.8%。
【0024】
【0025】融点: 117〜119℃1 H−NMR δppm(CDCl3):1.38 (3H, t, J=7.
6Hz, CH3),2.86 (2H, q, J=7.6Hz, CH2),4.11 (6H, s,
OCH3),7.36-7.40 (1H, m, arom. H),7.45-7.49 (2H, m,
arom. H),8.05 (1H, m, arom. H),8.21-8.29 (3H, m,
arom. H).
【0026】得られた2−エチル−9,10−ジメトキ
シアントラセンは、融点及びNMRスペクトルが標品と
一致した。
【0027】比較例1(反応温度の影響) メタノール300g中に2−エチルアントラキノン5
0.0g(0.21モル)を懸濁し、28%水酸化ナトリ
ウム水溶液90.7g(0.63モル)を加えた。そこに
ハイドロサルファイト59.0g(0.34モル)を添加
し、30〜40℃で30分間攪拌した。次に、pHコン
トローラーの設定値をpH9〜10とし、28%水酸化
ナトリウム水溶液でpH調整をしながら、50〜60℃
の温度で、ジメチル硫酸80.1g(0.64モル)を1
時間かけて添加した。ジメチル硫酸の添加終了後、さら
に同温度及び同pHで2時間攪拌し、熟成した。ジメチ
ル硫酸の添加開始から熟成終了までにpH調整に要した
28%水酸化ナトリウム水溶液は、70.8g(0.50
モル)であった。この場合はスラリー性が悪く、攪拌状
態は不良であった。純水で希釈後、トルエンで抽出して
分液し、トルエン層を洗浄した後、濃縮して、濃縮マス
を53.4g得た。この濃縮マスを液体クロマトグラフ
ィーで分析した結果、2−エチル−9,10−ジメトキ
シアントラセンと副生成物である2−エチル−9−メト
キシアントラセン及び2−エチル−10−メトキシアン
トラセンとの面積比は、約1:1であった。
【0028】比較例2(pHの影響) メタノール300g中に2−エチルアントラキノン5
0.0g(0.21モル)を懸濁し、28%水酸化ナトリ
ウム水溶液90.7g(0.63モル)を加えた。そこに
ハイドロサルファイト59.0g(0.34モル)を添加
し、30〜40℃で30分間攪拌した。 次に、pHコ
ントローラーの設定値をpH8〜9とし、28%水酸化
ナトリウム水溶液でpH調整をしながら、50〜60℃
の温度で、ジメチル硫酸109.3g(0.87モル)を
2時間かけて添加した。ジメチル硫酸の添加終了後、さ
らに同温度及び同pHで2時間攪拌し、熟成した。ジメ
チル硫酸の添加開始から熟成終了までにpH調整に要し
た28%水酸化ナトリウム水溶液は、120.0g(0.
84モル)であった。その後、純水で希釈し、トルエン
で抽出して分液した。この場合は、残存原料であるトル
エン不溶分が多く、このトルエン不溶分はトルエン層中
に懸濁した状態であった。懸濁物を含むトルエン層を洗
浄した後、濃縮して、濃縮マスを28.7g得た。この
濃縮マスを液体クロマトグラフィーで分析した結果、2
−エチル−9,10−ジメトキシアントラセンと原料2
−エチルアントラキノンの面積比は、約1:1であっ
た。
【0029】比較例3(ハイドロサルファイトの仕込み
比の影響) メタノール300g中に2−エチルアントラキノン5
0.0g(0.21モル)を懸濁し、28%水酸化ナトリ
ウム水溶液90.7g(0.63モル)を加えた。そこに
ハイドロサルファイト46.1g(0.26モル)を添加
し、30〜40℃で30分間攪拌した。次に、pHコン
トローラーの設定値をpH9〜10とし、28%水酸化
ナトリウム水溶液でpH調整をしながら、30〜40℃
の温度で、ジメチル硫酸93.3g(0.74モル)を1
時間かけて添加した。ジメチル硫酸の添加終了後、さら
に同温度及び同pHで2時間攪拌し、熟成した。ジメチ
ル硫酸の添加開始から熟成終了までにpH調整に要した
28%水酸化ナトリウム水溶液は、157.1g(1.1
0モル)であった。その後、純水で希釈し、トルエンで
抽出して分液した。この場合も、残存原料であるトルエ
ン不溶分がトルエン層中に懸濁していた。懸濁物を含む
トルエン層を洗浄した後、濃縮して、濃縮マスを35.
1g得た。この濃縮マスを液体クロマトグラフィーで分
析した結果、2−エチル−9,10−ジメトキシアント
ラセンと原料2−エチルアントラキノンとの面積比は、
約1:1であった。
【0030】比較例4(ハイドロサルファイトの仕込み
比の影響) メタノール400g中に2−エチルアントラキノン10
0g(0.42モル)を懸濁し、28%水酸化ナトリウ
ム水溶液300g(2.10モル)を加えた。そこにハ
イドロサルファイト295g(1.69モル)を添加
し、30〜40℃で30分間攪拌した。次に、pHコン
トローラーの設定値をpH9〜10とし、28%水酸化
ナトリウム水溶液でpH調整をしながら、 ジメチル硫
酸214g(1.70モル)を比較例3と同様に反応さ
せた。 ジメチル硫酸の添加開始から熟成終了までにp
H調整に要した28%水酸化ナトリウム水溶液は、19
0g(1.33モル)であった。さらに比較例3と同様
の後処理を行って、濃縮マスを146g得た。この濃縮
マスを液体クロマトグラフィーで分析した結果、2−エ
チル−9,10−ジメトキシアントラセンと副生成物で
ある2−エチル−9−メトキシアントラセン及び2−エ
チル−10−メトキシアントラセンとの面積比は、約
2:3であった。
【0031】以上の実施例1及び比較例1〜4における
主な変数と結果を表2に示す。
【0032】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2-エチルアントラキノン 65 kg 50.0 g 50.0 g 50.0 g 100 g (275 モル) (0.21 モル) (0.21 モル) (0.21 モル) (0.42 モル)ハイト゛ロサルファイト 77.5 kg 59.0 g 59.0 g 46.1 g 295 g (445 モル) (0.34 モル) (0.34 モル) (0.26 モル) (1.69 モル) モル比 * 1.6 1.6 1.6 1.2 4.0アルキル化反応 シ゛メチル硫酸 175 kg 80.1 g 109.3 g 93.3 g 214 g (1,387 モル) (0.64 モル) (0.87 モル) (0.74 モル) (1.70 モル) 28% NaOH ** 288 kg 161.5 g 210.7 g 247.8 g 490 g (2,016 モル) (1.13 モル) (1.47 モル) (1.73 モル) (3.43 モル) 設定pH 9-10 9-10 8-9 9-10 9-10 添加温度 40±5℃ 50-60℃ 50-60℃ 30-40℃ 30-40℃ 熟成温度 33±2℃ 同上 同上 同上 同上 ──────────────────────────────────── 結果 収率77.8% スラリー性不良 原料残存多 原料残存多 副生成物多 副生成物多 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ * ハイドロサルファイトのモル比は、対2−エチルアントラキノン。** 28%NaOHの量は、反応開始前の仕込み量とpH調整に要した量の合計。
【0033】実施例2(2,3−ジメチル−9,10−
ジメトキシアントラセンの合成) 2,3−ジメチルアントラキノン5.0g(0.02モ
ル)をエタノール50gに懸濁し、30%水酸化ナトリ
ウム水溶液8.5g(0.064モル)を加えた。そこに
ハイドロサルファイト6.2g(0.036モル)を添加
し、30〜40℃で30分間攪拌した。次に、pHコン
トローラーの設定値をpH9〜10とし、30%水酸化
ナトリウム水溶液でpH調整をしながら、40±5℃の
温度で、ジメチル硫酸10.7g(0.085モル)を3
0分かけて添加した。ジメチル硫酸の添加終了後、さら
に温度33±2℃、pH9〜10で2時間攪拌して、熟
成した。ジメチル硫酸の添加開始から熟成終了までにp
H調整に要した30%水酸化ナトリウム水溶液は、8.
5g(0.064モル)であった。その後、純水で希釈
し、トルエンで抽出して分液し、トルエン層を洗浄した
後、濃縮した。メタノールを加え、冷却して晶析し、析
出した結晶を濾過、洗浄し、乾燥して、次式に相当する
2,3−ジメチル−9,10−ジメトキシアントラセン
を4.1g得た。収率72.7%。
【0034】
【0035】融点: 79〜81℃1 H−NMR δppm(CDCl3):2.51 (6H, s, C
H3), 4.10 (6H, s, OCH3),7.42-7.46 (2H, m, arom.
H),8.03-8.08 (2H, m, arom. H),8.24-8.27 (2H, m, ar
om. H). FD−MS: 266(M+
【0036】実施例3(2−メチル−9,10−ジエト
キシアントラセンの合成) 2−メチルアントラキノン12.5g(0.056モル)
をエタノール70gに懸濁した後、30%水酸化ナトリ
ウム水溶液25g(0.19モル)及びハイドロサルフ
ァイト15.7g(0.09モル)を加え、40℃で30
分間攪拌した。次に、pHコントローラーの設定値をp
H9〜10とし、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH
調整をしながら、40±5℃の温度で、ジエチル硫酸3
4.7g(0.23モル)を30分かけて添加した。ジエ
チル硫酸の添加終了後、さらに同温度及び同pHで2時
間攪拌して熟成した。ジエチル硫酸の添加開始から熟成
終了まで、pH調整に30%水酸化ナトリウム水溶液を
20g(0.15モル)要した。反応終了後、水で希釈
し、酢酸エチルで抽出して有機層を水洗し、硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮して、次式に相当する2−メチル
−9,10−ジエトキシアントラセンを13.7g得
た。収率86.9%。
【0037】
【0038】融点: 54〜55℃1 H−NMR δppm(CDCl3):1.61 (3H, t, J=7.
2Hz, CH3),1.63 (3H, t, J=7.2Hz, CH3),2.56 (3H, s,
CH3),4.23 (2H, q, J=7.2Hz, CH2),4.24 (2H, q, J=7.2
Hz, CH2),7.24-7.32 (1H, m, arom. H),7.42-7.46 (2H,
m, arom. H),8.01 (1H, m, arom. H),8.21-8.27 (3H,
m, arom. H). FD−MS: 280(M+
【0039】実施例4(2−エチル−9,10−ジエト
キシアントラセンの合成) 2−エチルアントラキノン11.8g(0.05モル)を
エタノール60gに懸濁した。 以下、30%水酸化ナ
トリウム水溶液20g(0.15モル)及びハイドロサ
ルファイト13.9g(0.08モル)を用いた反応並び
にジエチル硫酸30.8g(0.20モル)及び30%水
酸化ナトリウム水溶液を用いた反応を実施例3に準じて
行った。pH調整に要した30%水酸化ナトリウム水溶
液は20g(0.15モル)であった。さらに実施例3
と同様の後処理を施して、次式に相当する2−エチル−
9,10−ジエトキシアントラセンを12.0g得た。
収率81.6%。
【0040】
【0041】融点: 55〜56℃1 H−NMR δppm(CDCl3):1.38 (3H, t, J=7.
6Hz, CH3),1.62 (3H, t, J=7.2Hz, CH3),1.63 (3H, t,
J=7.2Hz, CH3),2.87 (2H, q, J=7.6Hz, CH2),4.24 (4H,
q, J=7.2Hz, CH2),7.25-7.37 (1H, m, arom. H),7.42-
7.46 (2H, m, arom. H),8.04 (1H, m, arom. H),8.20-
8.28 (3H, m, arom. H). FD−MS: 294(M+
【0042】実施例5(2−tert−ブチル−9,10−
ジエトキシアントラセンの合成) 2−tert−ブチルアントラキノン13.2g(0.05モ
ル)をエタノール70gに懸濁した。以下、30%水酸
化ナトリウム水溶液20g(0.15モル)及びハイド
ロサルファイト13.9g(0.08モル)を用いた反応
並びにジエチル硫酸30.8g(0.20モル)及び30
%水酸化ナトリウム水溶液を用いた反応を実施例3に準
じて行った。pH調整に要した30%水酸化ナトリウム
水溶液は20g(0.15モル)であった。さらに実施
例3と同様の後処理を施して、次式に相当する2−tert
−ブチル−9,10−ジエトキシアントラセンを14.
0g得た。収率86.9%。
【0043】
【0044】融点: 82〜84℃1 H−NMR δppm(CDCl3):1.46 (9H, s, t-B
u),1.61 (3H, t, J=7.2Hz, CH3),1.63 (3H, t, J=7.2H
z, CH3),4.24 (2H, q, J=7.2Hz, CH2),4.25 (2H, q, J=
7.2Hz, CH2),7.42-7.46 (2H, m, arom. H),7.53-7.59
(1H, m, arom. H),8.19-8.27 (4H, m, arom. H). FD−MS: 322(M+
【0045】
【発明の効果】式(I)又は式(Ia)で示されるアント
ラセン誘導体は、レジストなどの感光性組成物における
増感剤として有用であり、本発明によれば、このような
有用なアントラセン誘導体を工業的有利に製造すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコールを含む反応媒体中で、式(II) (式中、R2 及びR3 は互いに独立に、水素又は低級ア
    ルキルを表す)で示されるアントラキノン系化合物を、
    それに対して1.25〜2モル倍のハイドロサルファイ
    トと反応させ、次いで50℃以下の温度でpH9以上に
    保って、ジメチル硫酸及びジエチル硫酸から選ばれるア
    ルキル化剤と反応させることを特徴とする、式(I) (式中、R1 はメチル又はエチルを表し、R2 及びR3
    は前記の意味を表す)で示されるアントラセン誘導体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】ハイドロサルファイトが、式(II)のアン
    トラキノン系化合物に対して1.4〜1.7モル倍用いら
    れる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】反応媒体が、アルコールと水の混合物であ
    る請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】アルキル化剤が、式(II)のアントラキノ
    ン系化合物に対して3モル倍以上用いられる請求項1〜
    3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】アルキル化剤との反応が、pH9〜10に
    保って行われる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】式(Ia) (式中、R1 はメチル又はエチルを表し、R1 がメチル
    のとき、R21及びR31は互いに独立に低級アルキルを表
    し、R1 がエチルのとき、R21及びR31の一方は低級ア
    ルキルを表し、他方は水素又は低級アルキルを表す)で
    示されるアントラセン誘導体。
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