JP2000113618A - 磁気ディスク装置のリトラクト回路および磁気ディスク装置のリトラクト方法 - Google Patents

磁気ディスク装置のリトラクト回路および磁気ディスク装置のリトラクト方法

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JP2000113618A
JP2000113618A JP10287519A JP28751998A JP2000113618A JP 2000113618 A JP2000113618 A JP 2000113618A JP 10287519 A JP10287519 A JP 10287519A JP 28751998 A JP28751998 A JP 28751998A JP 2000113618 A JP2000113618 A JP 2000113618A
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magnetic head
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magnetic disk
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Masamichi Shimoda
雅通 下田
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NEC Ibaraki Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドルモータの各相巻線を半波駆動(ユ
ニポーラ駆動)することで、逆起電圧がモータ駆動電圧
よりも高くなることを許容できるようにし、磁気ヘッド
を退避させるために充分な電力が得られるようにした磁
気ディスク装置のリトラクト回路および磁気ディスク装
置のリトラクト方法を提供する。 【解決手段】 電源供給時には、リレー接点18bを介
してスピンドルモータ3の中性点Nにモータ駆動電圧
(+5V)を供給し、各FET15U〜15Wの導通を
制御して、U相巻線,V相巻線,W相巻線の順にモータ
駆動電流を供給して、スピンドルモータ3を定速回転さ
せる。電源遮断時には、スピンドルモータ3の各相巻線
に発生した逆起電力を全波整流回路16で整流し、整流
出力を各リレー接点18c,18Dを介して磁気ヘッド
駆動部(ボイスコイルモータ)6へ供給して、磁気ヘッ
ドをアンロード位置へ移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気ディスク装
置のリトラクト回路に係り、詳しくは、磁気ディスクを
回転駆動するスピンドルモータの各巻線に発生した逆起
電圧を全波整流してボイスコイルモータ等の磁気ヘッド
駆動部へ供給することで、磁気ヘッドを退避位置へ移動
させるようにした磁気ディスク装置のリトラクト回路お
よび磁気ディスク装置のリトラクト方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】特開昭58−6560号公報には、電源
が切断された時点で磁気ディスクが慣性によって回転し
ている運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、磁気
ヘッドを移行させるための保護回路を作動させること
で、磁気ヘッドを磁気ディスクのデータ記録領域外へ移
動させるようにした磁気ディスク装置が記載されてい
る。
【0003】図6は前述した特開昭58−6560号公
報に開示された従来の磁気ディスク保護回路の回路構成
図である。この図6に示す従来の磁気ディスク保護回路
は、図示しない磁気ディスクを回転駆動するための三相
直流電動機101と、三相直流電動機101が発生する
逆起電力を全波整流するための三相全波整流回路102
と、磁気ヘッド位置決め用コイル103と、電源104
と、リレー105、モータ駆動回路106等からなる。
三相全波整流回路102の整流出力端子102a,10
2b間には、分流抵抗(ブリーダ抵抗)107、ならび
に、平滑用コンデンサ108がそれぞれ接続されるとと
もに、過電流防止用抵抗(電流制限抵抗)109を介し
て磁気ヘッド位置決め用コイル103が接続されてい
る。
【0004】そして、電源104から電源が供給されて
いる状態では、リレー105が動作し、リレー105の
各接点105a〜105cは点線で示す状態となる。こ
れにより、モータ駆動回路106の各出力端子と三相直
流電動機101の各巻線端子とが各接点105a〜10
5cを介してそれぞれ接続され、モータ駆動回路106
によって三相直流電動機101の回転駆動がなされる。
【0005】停電等によって電源104からの電源供給
が停止されると、リレー105の動作が復旧し、リレー
105の各接点105a〜105cは実線で示す状態と
なって、三相直流電動機101の各巻線端子と三相全波
整流回路102の各交流入力端子とが各接点105a〜
105cを介してそれぞれ接続される。これにより、慣
性によって回転を続けている三相直流電動機101の各
巻線端子に発生した逆起電力が三相全波整流回路102
で整流され、平滑用コンデンサ108によって平滑され
た直流電圧が過電流防止用抵抗(電流制限抵抗)109
を介して磁気ヘッド位置決め用コイル103に供給され
る。磁気ヘッド位置決め用コイル103に電流が供給さ
れることで、図示しない磁気ヘッドは磁気ディスクのデ
ータ記録領域外へ移動される。
【0006】また、特開平8−63920号公報には、
ヘッドスライダをディスクの外側の退避エリアに退避さ
せる機構を備えた磁気ディスク装置のロード・アンロー
ド装置が記載されている。
【0007】更に、特開平9−245428号公報に
は、スピンドルモ−タ(SPM)を停止させるのに必要
な時間、CSS(コンタクト・スタ−ト・ストツプ)ゾ
−ンでのデイスクとヘツドとの擦接時間を大幅に短縮す
ることにより、デイスク寿命を引き延ばすようにした磁
気デイスク装置及びそのスピンドルモ−タ制動方法が記
載されている。
【0008】この磁気デイスク装置及びそのスピンドル
モ−タ制動方法は次のように構成されている。SPMブ
レ−キ回路は、電源オフ後のSPMの惰性回転時に三相
すべてのコイルに発生した逆起電力を用いてリトラクト
を行い、その逆起電圧の合成電圧が基準電圧よりも低い
場合にリトラクト動作が既に終了しているものと判定し
て三相すべてのコイルをグランドと短絡接続して強い発
電ブレ−キをかける。これにより、SPMの停止に要す
る時間及びCSSゾ−ンでのデイスクとヘツドとの擦接
時間も大幅に短縮することができ、CSSゾ−ンの摩耗
を効果的に抑制してデイスク寿命を引き延ばすことが可
能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ディス
ク装置の小型化,大容量化に伴って、ディスクと磁気ヘ
ッドとの間隔は益々狭くなり、現在では数十ナノメート
ル(nm)といった値になってきた。間隔を狭めるため
には、磁気ヘッドがディスク面上を安定に走行可能なよ
うにディスク面を平滑にしなければならない。
【0010】しかしながら、ディスク面を平滑にする
と、従来のCSS(コンタクト・スタ−ト・ストツプ)
では、磁気ヘッドがディスクに吸着してしまう問題が起
こりやすくなる。また近年、ポータブルコンピュータの
普及とともに耐衝撃性を向上させて信頼性を高める必要
性も加わって、磁気ヘッドをディスクの外に退避させC
SS(コンタクト・スタ−ト・ストツプ)を行なわない
ロードアンロード方式が採用されるようになってきた。
この方式は電源が切れた後、磁気ヘッドをディスクの外
に退避させるために、スピンドルモータの慣性エネルギ
として蓄積されているパワーを利用する。
【0011】従来の磁気ディスク装置では、スピンドル
モータの各相巻線(U相巻線,V相巻線,W相巻線)に
両方向に電流を流す全波駆動方式(バイポーラ駆動方
式)を採用している。図7はスピンドルモータを全波駆
動(バイポーラ駆動)した時の電圧波形を示す説明図で
ある。
【0012】この図7は、モータ駆動電圧を5ボルトと
した場合の電圧波形を示している。全波駆動方式(バイ
ポーラ駆動方式)では必ず二つの巻線を通電して、スピ
ンドルモータを回転させる。この図7に示すように、区
間aではV相からU相へ電流を流し、次の区間bではW
相からU相へ電流を流し、次の区間cではW相からV相
へ電流を流し、次の区間dではU相からV相へ電流を流
し、次の区間eではU相からW相へ電流を流し、次の区
間fではV相からW相へ電流を流す。このように各相の
巻線に対して電流の流すタイミングと電流の方向とを所
定の順序で切り替えることで、スピンドルモータを回転
駆動している。
【0013】全波駆動方式(バイポーラ駆動方式)では
必ず二つの巻線にモータ駆動電圧(例えば5ボルト)を
印加してスピンドルモータを駆動するので、二つの巻線
間に発生する逆起電圧のp−p値(ピークトウピーク
値)はモータ駆動電圧(例えば5ボルト)以下にしなけ
ればならない。何故ならば、二つの巻線間に発生する逆
起電圧のp−p値がモータ駆動電圧(例えば5ボルト)
を越えると、モータ駆動電源側からスピンドルモータの
各巻線へモータ駆動用の電力を供給できなくなり、モー
タの回動を正常に制御できなくなるからである。
【0014】このため、従来の全波駆動方式(バイポー
ラ駆動方式)を用いた磁気ディスク装置では、電源が切
れた後にスピンドルモータから発生される逆起電圧のp
−p値(ピークトウピーク値)はモータ駆動電圧(例え
ば5ボルト)以下であり、この逆起電圧を利用して磁気
ヘッドのリトラクト動作を行なわせることになる。
【0015】しかしながら、小型の磁気ディスク装置
(ディスク直径が例えば1.8インチ以下)では、ディ
スクの径が小さいために慣性エネルギが小さい。このた
めスピンドルモータから取り出すことのできる逆起電力
も小さくなり、磁気ヘッドをリトラクトさせるための充
分な電力が得られなくなる。特に、磁気ヘッドをディス
クの外側に設けたアンロード位置まで退避させるロード
アンロード方式では、磁気ヘッドをディスク上のCSS
(コンタクト・スタ−ト・ストツプ)領域まで移動させ
る方式に対してより大きな電力を必要とすることが多
い。このため、スピンドルモータから取り出すことので
きる逆起電力が小さい場合には、磁気ヘッドをアンロー
ド位置まで確実に退避できないことがある。
【0016】
【発明の目的】この発明は、このような課題を解決する
ためなされたもので、スピンドルモータの各相巻線を半
波駆動(ユニポーラ駆動)することで、逆起電圧がモー
タ駆動電圧よりも高くなることを許容できるようにし、
磁気ヘッドを退避させるために充分な電力が得られるよ
うにした磁気ディスク装置のリトラクト回路および磁気
ディスク装置のリトラクト方法を提供することを、その
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1および7に係る磁気ディスク装置のリトラクト
回路および磁気ディスク装置のリトラクト方法では、磁
気ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、スピン
ドルモータを半波駆動によって回転させるモータ駆動回
路と、スピンドルモータの逆起電圧を全波整流する全波
整流回路と、磁気ヘッドを磁気ディスクの径方向へ移動
させる磁気ヘッド駆動部とを備え、全波整流回路の整流
出力を磁気ヘッド駆動部へ供給する。これにより、磁気
ヘッドを磁気ヘッド退避位置へ退避させることができ
る。
【0018】このため、請求項1および7に係る磁気デ
ィスク装置のリトラクト回路および磁気ディスク装置の
リトラクト方法は、スピンドルモータを半波駆動する構
成としたので、スピンドルモータの各相巻線にモータ駆
動電圧よりも高い電圧の逆起電圧が発生することを許容
できる。例えば、モータ駆動電圧を5ボルトとした場
合、従来の全波駆動方式では逆起電圧のp−p値を5ボ
ルト以下にしなければならなかったのに対し、半波駆動
方式では逆起電圧の0−p値を5ボルト以下にすれば良
い。よって、請求項1および7に係る磁気ディスク装置
のリトラクト回路および磁気ディスク装置のリトラクト
方法は、従来の全波駆動方式に対して約2倍の逆起電力
を取り出すことができる。このように従来よりも大きな
逆起電力を取り出すことができるので、この逆起電力に
基づいて磁気ヘッド駆動部を駆動することで、磁気ヘッ
ドを磁気ヘッド退避位置へ確実に退避させることができ
る。
【0019】 請求項2に係る磁気ディスク装置のリト
ラクト回路は、スピンドルモータはスター型結線された
3相巻線を備え、この3相巻線の中性点をモータ駆動時
に導通状態となるスイッチ手段を介して電源の一端へ接
続し、3相巻線の各巻線はそれぞれ各電力用半導体スイ
ッチング素子を介して前記電源の他端へ接続したことを
特徴とする。
【0020】 この請求項2に係る磁気ディスク装置の
リトラクト回路は、上述したように、モータ駆動時に3
相巻線の中性点をスイッチ手段を介して電源の一端へ接
続し、3相巻線の各巻線はそれぞれ各電力用半導体スイ
ッチング素子を介して電源の他端へ接続する構成とした
ので、モータ駆動時には3相巻線の各巻線に対して一方
向へ電流を供給させながら、通電する巻線を所定のタイ
ミングで所定の順序で切り替えることで、スピンドルモ
ータを回転駆動することができる。
【0021】請求項3に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、スピンドルモータはスター型結線された3
相巻線を備え、3相巻線の中性点をモータ駆動時に導通
状態となるスイッチ手段を介して電源の正極側へ接続
し、3相巻線の各巻線はそれぞれ各電力用半導体スイッ
チング素子を介して電源の負極側へ接続し、3相巻線の
各巻線は全波整流回路の各交流入力端子へそれぞれ接続
し、全波整流回路の正極側出力端子と電源の正極側との
間に定電圧ダイオードを接続したことを特徴とする。
【0022】このため、請求項3に係る磁気ディスク装
置のリトラクト回路は、スピンドルモータの各巻線に対
する通電切換時に発生するフライバック電圧を全波整流
回路を構成するダイオードと定電圧ダイオードとを介し
て電源へ吸収させることができる。全波整流回路を構成
するダイオードをフライバック電圧吸収に兼用している
ので、回路構成部品を削減できる。
【0023】請求項4に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、全波整流回路の整流出力端子と磁気ヘッド
駆動部との間にモータ駆動時には非導通状態となりモー
タ非駆動時に導通状態となるスイッチング手段を介設し
たことを特徴とする。
【0024】このように、請求項4に係る磁気ディスク
装置のリトラクト回路は、モータ駆動時には全波整流回
路の整流出力端子と磁気ヘッド駆動部との間を遮断する
構成としたので、モータ駆動時に発生した逆起電力が磁
気ヘッド駆動部が供給されることがない。よって、モー
タ駆動時に逆起電力が磁気ヘッド駆動部へ供給されてし
まい磁気ヘッドが所望しない位置へ移動することを完全
に防止できる。スイッチング手段は、モータへの電源供
給が停止された際に全波整流回路の整流出力を磁気ヘッ
ド駆動部へ供給するので、磁気ヘッドを磁気ヘッド退避
位置へ確実に退避させることができる。
【0025】請求項5に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、スピンドルモータはスター型結線された3
相巻線を備え、3相巻線の各巻線は全波整流回路の各交
流入力端子へそれぞれ接続し、全波整流回路の整流出力
端子と磁気ヘッド駆動部との間にモータ駆動時には非導
通状態となりモータ非駆動時に導通状態となるスイッチ
ング手段を介設したことを特徴とする。
【0026】このように、請求項5に係る磁気ディスク
装置のリトラクト回路は、全波整流回路の整流出力側と
磁気ヘッド駆動部との間にスイッチング手段を介設した
ので、3相巻線と全波整流回路の各入力端子との間にモ
ータ駆動時には非導通状態となりモータ非駆動時に導通
状態となるスイッチング手段をそれぞれ介設する構成と
比較して、スイッチング手段の個数を少なくできる。よ
って、回路構成を簡略化できる。
【0027】請求項6に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、ボイスコイルモータを用いて磁気ヘッド駆
動部を構成するとともに、ボイスコイルモータを駆動す
るボイスコイルモータ駆動回路はボイスコイルモータを
駆動していない状態においてボイスコイルモータ駆動回
路の出力が高インピーダンスとなるよう構成したことを
特徴とする。
【0028】このように、請求項6に係る磁気ディスク
装置のリトラクト回路は、ボイスコイルモータを用いて
磁気ヘッド駆動部を構成するとともに、ボイスコイルモ
ータを駆動するボイスコイルモータ駆動回路はボイスコ
イルモータを駆動していない状態においてその出力イン
ピーダンスが高くなる構成としたので、ボイスコイルモ
ータ駆動回路とボイスコイルモータとの間にボイスコイ
ルモータを駆動していない時の非導通状態となるスイッ
チ回路等を設けなくても、スピンドルモータの逆起電圧
を全波整流して得た整流出力をボイスコイルモータへ有
効に供給することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を添
付図面に基づいて説明する。
【0030】まず、図2はこの発明に係るリトラクト回
路を備えた磁気ディスク装置の構造を示す説明図であ
る。磁気ディスク装置1は、データ記録用の磁気ディス
ク2が取り付けられたスピンドルモータ3と、磁気ヘッ
ド4が取り付けられたキャリッジアーム5と、キャリッ
ジアーム5を介して磁気ヘッド4を磁気ディスク2の略
径方向へ移動させる磁気ヘッド駆動部6と、磁気ディス
ク装置1に電源が供給されていないときに磁気ヘッド4
を磁気ディスク2の外側に退避させておくためのロード
アンロード機構7とからなる。スピンドルモータ3は3
相のDCモータ(直流モータ)を用いて構成している。
磁気ヘッド駆動部6はボイスコイルモータを用いて構成
している。
【0031】図1は、この発明に係る磁気ディスク装置
のリトラクト回路の回路構成図を示す。リトラクト回路
は、CPU部11と、D/A変換部12と、スピンドル
モータ駆動回路13と、ボイスコイルモータ駆動回路
(磁気ヘッド駆動回路)14と、3個のNチャネルエン
ハンスメント型電界効果トランジスタ(NMOSFE
T)15U,15V,15Wと、全波整流回路16と、
定電圧ダイオード17と、励磁巻線18aと各リレー接
点18b,18c,18dとからなるリレーと、電源部
19と、スピンドルモータ3と、磁気ヘッド駆動部(ボ
イスコイルモータ)6とからなる。
【0032】リレー接点18bは、特許請求の範囲に記
載したモータ駆動時に導通状態となるスイッチ手段に相
当するものである。なお、モータ駆動時に導通状態とな
るスイッチ手段は、例えば電界効果トランジスタ等の半
導体スイッチング素子を用いて構成してもよい。リレー
接点18cならびにリレー接点18dは、特許請求の範
囲に記載したモータ非駆動時に導通状態となるスイッチ
手段に相当するものである。なお、モータ非駆動時に導
通状態となるスイッチ手段は、例えば電界効果トランジ
スタ等の半導体スイッチング素子を用いて構成してもよ
い。
【0033】スピンドルモータ3は3相のDCモータ
(直流モータ)を用いて構成している。本実施の形態で
は、スピンドルモータ3は3相の各巻線がスター型(Y
型)結線されたものを用いている。このスピンドルモー
タ3は、各相巻線の接続端子U,V,Wを備えるととも
に、中性点の接続端子Nを備える。
【0034】磁気ヘッド駆動部6はボイスコイルモータ
を用いて構成している。磁気ヘッド駆動部6は、端子6
aから端子6bへ電流が供給された場合は磁気ヘッド4
をアンロード位置から磁気ディスク2の中心方向へ移動
させ、端子6bから端子6aへ電流が供給された場合は
磁気ヘッド4をアンロード位置へ向う方向へ移動させ
る。端子6bから端子6aへ所定値以上の電流が所定時
間継続して供給されると、磁気ヘッド4は図1で点線で
示したアンロード位置(磁気ヘッド退避位置)へ移動さ
れる。
【0035】CPU部11は、スピンドルモータ3の回
転数制御ならびに磁気ヘッド4の位置決め制御を行な
う。CPU部11は、スピンドルモータ駆動部13から
供給される回転位置検出情報13aに基づいてスピンド
ルモータ3の単位時間当りの回転数(回転速度)を演算
し、スピンドルモータ3の回転数が予め設定した回転数
となるように速度指令データ11aを出力する。また、
CPU部11は、図示しない読み出し・書き込み等のア
クセス要求等に基づいて磁気ヘッド4を所望のトラック
位置へ移動させるために必要となるボイスコイルモータ
電流値を求め、ボイスコイルモータ電流値に対応した電
流データ11bを出力する。CPU部11から出力され
た速度指令データ11aならびに電流データ11bはD
/A変換部12へ供給される。
【0036】D/A変換部12は、速度指令データ11
aに基づいて速度指令電圧信号12aを生成して出力す
る。速度指令データ11aに対応した速度指令電圧信号
12aはスピンドルモータ駆動回路13へ供給される。
D/A変換部12は、電流データ11bに基づいて電流
指令電圧信号12bを生成して出力する。電流データ1
1bに対応した電流指令電圧信号12bはボイスコイル
モータ駆動回路14へ供給される。
【0037】スピンドルモータ駆動回路13は、中性点
電圧検出端子13bに供給される電圧に基づいて、スピ
ンドルモータ3の中性点Nに予め設定した所定電圧以上
の電圧が供給されていることを検出すると、すなわち、
電源部19から所定の電圧(例えば+5ボルト)が供給
されていることを検出すると、各電界効果トランジスタ
15U,15V,15Wのスイッチング動作を制御して
スピンドルモータ3を運転する。
【0038】各電界効果トランジスタ15U,15V,
15Wは、特許請求の範囲に記載した電力用半導体スイ
ッチング素子に対応するものである。電界効果トランジ
スタ15Uはスピンドルモータ3のU相巻線を駆動する
ためのもので、電界効果トランジスタ15Uのドレイン
はU相巻線の接続端子Uに接続されている。電界効果ト
ランジスタ15Vはスピンドルモータ3のV相巻線を駆
動するためのもので、電界効果トランジスタ15Vのド
レインはV相巻線の接続端子Vに接続されている。電界
効果トランジスタ15Wはスピンドルモータ3のW相巻
線を駆動するためのもので、電界効果トランジスタ15
WのドレインはW相巻線の接続端子Wに接続されてい
る。各電界効果トランジスタ15U,15V,15Wの
ソースはグランドにそれぞれ接続されている。
【0039】スピンドルモータ3の各相巻線の接続端子
U,V,Wの端子電圧は、スピンドルモータ駆動回路1
3の各相電圧検出端子13c,13d,13eへそれぞ
れ供給される。中性点電圧検出端子13b,U相電圧検
出端子13c,V相電圧検出端子13d,W相電圧検出
端子13bのそれぞれの入力インピーダンスは、各相巻
線のインピーダンスよりも充分高く設定されている。す
なわち、スピンドルモータ3の駆動電力に影響を与える
ことなく、各相の電圧を検出できるようにしている。
【0040】スピンドルモータ駆動回路13は、各相電
圧検出端子13c,13d,13eに供給される各相巻
線の電圧に基づいてスピンドルモータ3のロータの回転
位置を検出し、検出したロータの回転位置に基づいて各
相巻線の通電タイミングを決定するとともに、速度指令
電圧信号12aに基づいて通電デューティを決定する。
スピンドルモータ駆動回路13は、決定した通電タイミ
ングならびに通電デューティに基づいて各電界効果トラ
ンジスタ15U,15V,15Wのゲートにゲート電力
を供給して、各電界効果トランジスタ15U,15V,
15Wをスイッチング駆動することで、各相巻線の通電
タイミングならびに各相巻線に供給する電流量を制御す
る。
【0041】電源部19から例えば+5ボルトの直流電
源が供給されており、この直流電源によってリレーの励
磁巻線18aが供給されている状態では、リレーの接点
18bは点線で示すように導通状態となる。この状態に
おいてスピンドルモータ駆動回路13は、スピンドルモ
ータ3を半波駆動(ユニポーラ駆動)によって運転す
る。半波駆動(ユニポーラ駆動)は、スピンドルモータ
3の1つの巻線に対して一方向へ電流を供給するもので
ある。
【0042】図3は、スピンドルモータを半波駆動(ユ
ニポーラ駆動)した時の電圧波形を示す説明図である。
図3に示す区間Aでは、U相巻線に対応した電界効果ト
ランジスタ15Uだけが導通状態に制御され、スピンド
ルモータ19のU相巻線だけが導通された状態となる。
この状態では、図2に示す回路構成図で、電源19の正
極側出力(+5V)−リレー接点18b−スピンドルモ
ータ19の中性点接続端子N−スピンドルモータのU相
巻線−スピンドルモータ19のU相巻線接続端子U−電
界効果トランジスタ15U−グランドの経路で、U相巻
線に電流が供給される。図3に示すように、次の区間B
では、V相巻線に対応した電界効果トランジスタ15V
だけが導通状態に制御され、スピンドルモータ19のV
相巻線だけが導通された状態となる。この状態では、電
源19の正極側出力(+5V)−リレー接点18b−ス
ピンドルモータ19の中性点接続端子N−スピンドルモ
ータのV相巻線−スピンドルモータ19のV相巻線接続
端子V−電界効果トランジスタ15V−グランドの経路
で、V相巻線に電流が供給される。さらに次の区間Cで
は、W相巻線に対応した電界効果トランジスタ15Wだ
けが導通状態に制御され、スピンドルモータ19のW相
巻線だけが導通された状態となる。この状態では、電源
19の正極側出力(+5V)−リレー接点18b−スピ
ンドルモータ19の中性点接続端子N−スピンドルモー
タのW相巻線−スピンドルモータ19のW相巻線接続端
子W−電界効果トランジスタ15W−グランドの経路
で、W相巻線に電流が供給される。
【0043】スピンドルモータ駆動回路13は、このよ
うに通電する相を所定の順序で順次切り替えることでス
ピンドルモータ3を回転させる。この切り替えのタイミ
ングは、スピンドルモータ駆動回路13の内部に設けた
コンパレータ(図示しない)が、各巻線接続端子U,
V,Wの電圧波形と中性点接続端子Nの電圧波形をそれ
ぞれ比較することで決定され、この比較結果に基づいて
各電界効果トランジスタ15U,15V,15Wのゲー
ト信号を制御することで行なわれる。
【0044】半波駆動(ユニポーラ駆動)では、+5ボ
ルトの電源が供給された中性点Nと各相の巻線接続端子
U,V,Wとの間に(各相巻線の両端に)最大5ボルト
の電圧をかけて駆動するので、各相巻線に発生する逆起
電圧の0−p値(ゼロトウピーク値)は5ボルト以下に
すれば良い。このため、各相巻線に発生する逆起電圧の
p−p値(ピークトウピーク値)は、最大で10ボルト
まで許容することができ、従来の全波駆動(バイポーラ
駆動)時の逆起電圧の2倍の逆起電圧を許容することが
できる。そして、この大きな逆起電圧を全波整流回路1
6で整流して、その整流出力を各リレー接点18c,1
8dを介して磁気ヘッド駆動部(ボイスコイルモータ)
6へ供給することで、磁気ヘッド4を磁気ディスク2の
外側にあるアンロード位置まで確実に移動させることが
できる。
【0045】なお、ボイスコイルモータ駆動回路14
は、電源部19から電源が供給されない状態では、ボイ
スコイルモータ駆動回路14の各出力端子14a,14
bのインピーダンスがボイスコイルモータ6のインピー
ダンスよりも充分大きくなるよう構成している。これに
より、ボイスコイルモータ駆動回路14の各出力端子1
4a,14bとボイスコイルモータ6との間に、電源が
供給されていない状態で非導通状態になるスイッチ手段
を介設しなくても、全波整流回路16の整流出力がボイ
スコイルモータ駆動回路14側へ供給されずに、全波整
流回路16の整流出力がボイスコイルモータ6へ有効に
供給されるようにしている。なお、ボイスコイルモータ
駆動回路14の各出力端子14a,14bとボイスコイ
ルモータ6との間に、電源が供給されていない状態で非
導通状態になるスイッチ手段を介設する構成としてもよ
い。
【0046】図4は、磁気ディスク装置に電源が投入さ
れた際の動作を示すフローチャートである。磁気ディス
ク装置1に電源が投入されると、CPU部11ならびに
スピンドルモータ駆動回路13は、半波駆動(ユニポー
ラ駆動)でスピンドルモータ3の回転起動を開始させる
(ステップS1)。ステップS2においてCPU部11
は、スピンドルモータ駆動回路13から供給される回転
位置情報13aに基づいてスピンドルモータ3の回転数
を演算し、スピンドルモータ3の回転数が所定の回転数
にまで上がったことを確認する(定常回転の確認)。ス
テップS2でスピンドルモータ3が定常回転に達したこ
とが確認されると、ステップS3で、CPU部11は、
図1に示したロードアンロード機構7上のアンロード位
置にある磁気ヘッド4を磁気ディスク3の面上に移動さ
せる(ロード動作)。
【0047】このロード動作は、CPU11が出力する
電流データ(電流指令値)11bによって制御される。
具体的には、CPU11から出力された電流データ(電
流指令値)11bは、D/A変換部12で電流指令電圧
信号(アナログ信号)12bへ変換されてボイスコイル
モータ駆動回路14へ供給される。ボイスコイルモータ
駆動回路14は、電流指令電圧信号(アナログ信号)1
2bに比例したボイスコイルモータ駆動電流を磁気ヘッ
ド駆動部6であるボイスコイルモータへ供給する。ボイ
スコイルモータ6は、磁気ヘッド2が取り付けられたキ
ャリッジアーム5を駆動し、磁気ヘッド2を磁気ディス
ク2の面上に移動させる。磁気ヘッド2が磁気ディスク
2の面上に移動された後は、磁気ヘッド2を介して磁気
ディスク2の面上に記録されているサーボ情報を読み出
すことができるので、CPU部11は読み出されたサー
ボ情報に基づいて磁気ヘッド2の正確な位置決めを行な
う(ステップS4)。ステップS4で各パラメータのキ
ャリブレーションがなされることで、リード・ライト
(読み出し・書き込み)動作が可能な状態となり、コマ
ンドの受け付けが可能なレディ状態になる。
【0048】ここで、図1に示すように、全波整流回路
16は、六個の整流用ダイオードD1〜D6を3相ブリ
ッジ接続してなる。全波整流回路16の各交流入力端子
16U,16V,16Wは、スピンドルモータ3の各相
の巻線接続端子U,V,Wへそれぞれ接続されている。
全波整流回路16の正極側出力端子16Pは、リレー接
点18cを介して磁気ヘッド駆動部(ボイスコイルモー
タ)6の他方の端子6bへ接続されている。全波整流回
路16の負極側出力端子16Nは、リレー接点18dを
介して磁気ヘッド駆動部(ボイスコイルモータ)6の一
方の端子6aへ接続されている。全波整流回路16の正
極側出力端子16Pと電源部19の正極側+5Vとの間
に定電圧ダイオード17を介設している。この定電圧ダ
イオード17は、通電する巻線を切り替える際に発生す
るフライバックを吸収するためのものである。例えばU
相巻線に発生したフライバック電圧は、整流用ダイオー
ドD5ならびに定電圧ダイオード17を介して電源側へ
吸収される。同様に、V相巻線,W相巻線に発生したフ
ライバック電圧は、整流用ダイオードD3,D1ならび
に定電圧ダイオード17を介して電源側へ吸収される。
【0049】図5は磁気ディスク装置の電源をオフした
際の動作を示すフローチャートである。この発明に係る
磁気ディスク装置1は電源の供給が遮断されたときに
は、スピンドルモータ3の慣性エネルギとして蓄積され
ているパワーを利用して、磁気ヘッド4をアンロード位
置まで退避させる。具体的には、全波整流回路16によ
てスピンドルモータ3の各相巻線に発生した逆起電圧が
全波整流され直流電圧として取り出される(ステップS
11)。
【0050】電源の供給が遮断されるとリレーの動作が
復旧し、各リレー接点18c,18dは図2において実
線で示すように導通状態になる。このため、全波整流回
路16の直流出力電圧は各リレー接点18c,18dを
介して磁気ヘッド駆動部6を構成するボイスコイルモー
タへ供給される。これによりスピンドルモータ3の各相
巻線に発生した逆起電圧に基づいてボイスコイルモータ
6が駆動され、磁気ヘッド4はアンロード位置まで移動
される(ステップS12)。電源の供給が遮断された状
態においてボイスコイルモータ駆動回路14の各出力端
子14a,14bは高インピーダンス状態になるので、
全波整流回路16の直流出力電圧はボイスコイルモータ
6のみに供給される。したがって、ボイスコイルモータ
駆動回路14がリトラクト動作に影響を与えることはな
く、磁気ヘッド4をアンロード位置へ確実に移動させる
ことができる。
【0051】磁気ヘッド4のアンロード動作が終了した
後は、スピンドルモータ3の慣性力はもう必要ないの
で、各電界効果トランジスタ15U,15V,15Wを
全て導通状態に制御して、各相巻線端子U,V,Wをグ
ランドに短絡することで、スピンドルモータ3に対して
発電ブレーキ(ダイナミックブレーキ)をかけて(ステ
ップS13)、スピンドルモータ3の回転を急速に停止
させる。スピンドルモータ3の回転が停止した時点(ス
テップS14)で、電源オフ時の処理が終了となる。
【0052】スピンドルモータ駆動回路13は、中性点
電圧検出端子13bに供給される電圧が所定値以下とな
ったことに基づいて電源供給が遮断されたことを検出す
ると、その電源供給遮断時点から予め設定したヘッドリ
トラクト時間が経過した時点で、各電界効果トランジス
タ15U,15V,15Wを全て導通状態に制御して発
電ブレーキ(ダイナミックブレーキ)をかけるようにし
ている。なお、ヘッドリトラクト時間を計時するタイマ
回路等を設けずに、スピンドルモータ3の回転数が予め
設定した所定回転数以下になった場合、または、スピン
ドルモータ3の各相巻線に発生する逆起電圧が予め設定
した電圧以下になった場合に、発電ブレーキ(ダイナミ
ックブレーキ)をかけるようにしてもよい。
【0053】磁気ディスク装置1では、電源が切られた
ら磁気ヘッド4をアンロード位置まで速やかに移動しな
ければならない。これは、スピンドルモータ3の回転数
が時間とともに減少していき、回転数に比例して逆起電
圧が減少していくためである。逆起電圧が不足し磁気ヘ
ッド4をアンロード位置まで移動することができない
と、磁気ヘッド4は磁気ディスク2の面上にランディン
グすることになる。
【0054】こうなると、鏡面仕上げされた非常に滑ら
かなディスク表面に磁気ヘッド4が吸着してしまい、電
源を入れてもスピンドルモータ3が回転できなくなるこ
とがある。また、吸着を免れたとしても、磁気ディスク
2面上に磁気ヘッド4が接触している状態で、磁気ディ
スク装置1に外部から衝撃が加わると、磁気ヘッド4が
ディスク面を傷つけ、磁気記録されているデータを壊し
てしまうことが起こり得る。
【0055】この発明に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路ならびにリトラクト方法では、スピンドルモー
タ3の駆動方式を従来の全波駆動(バイポーラ駆動)か
ら半波駆動(ユニポーラ駆動)としている。全波駆動で
はスピンドルモータ3の2つの巻線間に最大5ボルトの
電圧をかけて駆動するので、逆起電圧のp−p値を5ボ
ルト以下にしなければならい。半波駆動では5ボルトの
電源につながった中性点と巻線との間に最大5ボルトの
電圧をかけて駆動するので、逆起電圧の0−p値を5ボ
ルト以下にすれば良い。
【0056】したがって、半波駆動方式を採用すること
で、従来の全波駆動方式の約2倍近い逆起電圧を得るこ
とができる。そして、この従来よりも高い逆起電圧を全
波整流してボイスコイルモータ6へ供給するので、リト
ラクト動作の際に発生する力を従来の約2倍にできるこ
とになる。
【0057】このように、この発明に係る磁気ディスク
装置のリトラクト回路ならびにリトラクト方法は、磁気
ヘッド駆動部6を構成するボイスコイルモータ6に充分
な電力を供給することができるので、磁気ヘッド4を高
速(短時間)にかつ確実にアンロード位置まで移動させ
ることができる。したがって、逆起電圧が足りずに磁気
ヘッド4が磁気ディスク2面上にランディングして吸着
してしまう問題や、吸着はしなくても外部からの衝撃に
よって磁気ヘッド4が磁気ディスク2面を傷つけデータ
を壊してしまうという問題を回避でき、より信頼性の高
い磁気ディスク装置1を提供することができる。
【0058】なお、図1では、スピンドルモータ3の中
性点Nに+5ボルトの電源を供給し、各相の巻線U,
V,Wとグランドとの間に電界効果トランジスタ15
U,15V,15Wを介設する回路構成を示したが、ス
ピンドルモータ3の中性点Nをグランドに接続し、電界
効果トランジスタを介して各相巻線U,V,Wに対して
+5ボルト電源を所定の順序で供給することで、スピン
ドルモータ3を運転するようにしてもよい。
【0059】また、図1では、スピンドルモータ3の結
線をスター結線(Y結線)とした例を示したが、スピン
ドルモータ3はデルタ結線のものを用いてもよい。デル
タ結線の場合でも、各相巻線の一つだけに一方向へ電流
を流す半波駆動方式を取ることで、逆起電圧の0−p値
をモータ駆動電圧(例えば5ボルト)まで許容できる。
したがって、従来の半波駆動方式の約2倍の逆起電力を
取り出すことができ、この逆起電力に基づいて磁気ヘッ
ドを短時間でかつ確実に磁気ヘッド退避位置へ移動させ
ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および7に
係る磁気ディスク装置のリトラクト回路および磁気ディ
スク装置のリトラクト方法は、スピンドルモータを半波
駆動する構成としたので、スピンドルモータの各相巻線
にモータ駆動電圧よりも高い電圧の逆起電圧が発生する
ことを許容できる。例えば、モータ駆動電圧を5ボルト
とした場合、従来の全波駆動方式では逆起電圧のp−p
値を5ボルト以下にしなければならなかったのに対し、
半波駆動方式では逆起電圧の0−p値を5ボルト以下に
すれば良い。よって、請求項1および7に係る磁気ディ
スク装置のリトラクト回路および磁気ディスク装置のリ
トラクト方法は、従来の全波駆動方式に対して約2倍の
逆起電力を取り出すことができる。このように従来より
も大きな逆起電力を取り出すことができるので、この逆
起電力に基づいて磁気ヘッド駆動部を駆動することで、
磁気ヘッドを磁気ヘッド退避位置へ確実に退避させるこ
とができる。
【0061】請求項2に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、モータ駆動時に3相巻線の中性点をスイッ
チ手段を介して電源の一端へ接続し、3相巻線の各巻線
はそれぞれ各電力用半導体スイッチング素子を介して電
源の他端へ接続する構成としたので、モータ駆動時には
3相巻線の各巻線に対して一方向へ電流を供給させなが
ら、通電する巻線を所定のタイミングで所定の順序で切
り替えることで、スピンドルモータを回転駆動すること
ができる。
【0062】請求項3に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、スピンドルモータの各巻線に対する通電切
換時に発生するフライバック電圧を全波整流回路を構成
するダイオードと定電圧ダイオードとを介して電源へ吸
収させることができる。全波整流回路を構成するダイオ
ードをフライバック電圧吸収に兼用しているので、回路
構成部品を削減できる。
【0063】請求項4に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、モータ駆動時には全波整流回路の整流出力
端子と磁気ヘッド駆動部との間を遮断する構成としたの
で、モータ駆動時に発生した逆起電力が磁気ヘッド駆動
部が供給されることがない。よって、モータ駆動時に逆
起電力が磁気ヘッド駆動部へ供給されてしまい磁気ヘッ
ドが所望しない位置へ移動することを完全に防止でき
る。スイッチング手段は、モータへの電源供給が停止さ
れた際に全波整流回路の整流出力を磁気ヘッド駆動部へ
供給するので、磁気ヘッドを磁気ヘッド退避位置へ確実
に退避させることができる。
【0064】請求項5に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、全波整流回路の整流出力側と磁気ヘッド駆
動部との間にスイッチング手段を介設したので、3相巻
線と全波整流回路の各入力端子との間にモータ駆動時に
は非導通状態となりモータ非駆動時に導通状態となるス
イッチング手段をそれぞれ介設する構成と比較して、ス
イッチング手段の個数を少なくできる。よって、回路構
成を簡略化できる。
【0065】請求項6に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路は、ボイスコイルモータを用いて磁気ヘッド駆
動部を構成するとともに、ボイスコイルモータを駆動す
るボイスコイルモータ駆動回路はボイスコイルモータを
駆動していない状態においてその出力インピーダンスが
高くなる構成としたので、ボイスコイルモータ駆動回路
とボイスコイルモータとの間にボイスコイルモータを駆
動していない時の非導通状態となるスイッチ回路等を設
けなくても、スピンドルモータの逆起電圧を全波整流し
て得た整流出力をボイスコイルモータへ有効に供給する
ことができる。
【0066】この発明に係る磁気ディスク装置のリトラ
クト回路ならびにリトラクト方法は、磁気ヘッド駆動部
に充分な電力を供給することができるので、磁気ヘッド
を高速(短時間)にかつ確実にアンロード位置まで移動
させることができる。したがって、逆起電圧が足りずに
磁気ヘッドが磁気ディスク面上にランディングして吸着
してしまう問題や、吸着はしなくても外部からの衝撃に
よって磁気ヘッドが磁気ディスク面を傷つけデータを壊
してしまうという問題を回避でき、より信頼性の高い磁
気ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る磁気ディスク装置のリトラクト
回路の回路構成図である。
【図2】この発明に係るリトラクト回路を備えた磁気デ
ィスク装置の構造を示す説明図である。
【図3】スピンドルモータを半波駆動(ユニポーラ駆
動)した時の電圧波形を示す説明図である。
【図4】磁気ディスク装置に電源が投入された際の動作
を示すフローチャートである。
【図5】磁気ディスク装置の電源をオフした際の動作を
示すフローチャートである。
【図6】従来の磁気ディスク保護回路の回路構成図であ
る。
【図7】スピンドルモータを全波駆動(バイポーラ駆
動)した時の電圧波形を示す説明図である。
【符号の説明】
1 磁気ディスク装置 2 磁気ディスク 3 スピンドルモータ 4 磁気ヘッド 5 キャリッジアーム 6 磁気ヘッド駆動部(ボイスコイルモータ) 7 ロードアンロード機構 13 スピンドルモータ駆動回路 14 ボイスコイルモータ駆動回路 15U,15V,15W 電力用半導体スイッチング素
子(電界効果トランジスタ) 16 全波整流回路 17 定電圧ダイオード 18b,18c,18d スイッチ手段(リレー接点)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスクを回転駆動するためのスピ
    ンドルモータと、前記スピンドルモータを半波駆動によ
    って回転させるモータ駆動回路と、前記スピンドルモー
    タの逆起電圧を全波整流する全波整流回路と、磁気ヘッ
    ドを前記磁気ディスクの径方向へ移動させる磁気ヘッド
    駆動部とを備え、前記全波整流回路の整流出力を前記磁
    気ヘッド駆動部へ供給するようにしたことを特徴とする
    磁気ディスク装置のリトラクト回路。
  2. 【請求項2】 前記スピンドルモータはスター型結線さ
    れた3相巻線を備え、この3相巻線の中性点をモータ駆
    動時に導通状態とするスイッチ手段を介して電源の一端
    へ接続し、前記3相巻線の各巻線をそれぞれ各電力用半
    導体スイッチング素子を介して前記電源の他端へ接続し
    たことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置の
    リトラクト回路。
  3. 【請求項3】 前記スピンドルモータはスター型結線さ
    れた3相巻線を備え、この3相巻線の中性点をモータ駆
    動時に導通状態となるスイッチ手段を介して電源の正極
    側へ接続し、前記3相巻線の各巻線はそれぞれ各電力用
    半導体スイッチング素子を介して前記電源の負極側へ接
    続し、前記3相巻線の各巻線は前記全波整流回路の各交
    流入力端子へそれぞれ接続し、前記全波整流回路の正極
    側出力端子と前記電源の正極側との間に定電圧ダイオー
    ドを接続し、前記3相巻線の各巻線に対する通電切換時
    に発生するフライバック電圧を前記全波整流回路を構成
    するダイオードと前記定電圧ダイオードとを介して前記
    電源へ吸収させる構成としたことを特徴とする請求項1
    記載の磁気ディスク装置のリトラクト回路。
  4. 【請求項4】 前記全波整流回路の整流出力端子と前記
    磁気ヘッド駆動部との間にモータ駆動時に非導通状態と
    なりモータ非駆動時に導通状態となるスイッチング手段
    を介設したことを特徴とする請求項1記載の磁気ディス
    ク装置のリトラクト回路。
  5. 【請求項5】 前記スピンドルモータはスター型結線さ
    れた3相巻線を備え、前記3相巻線の各巻線は前記全波
    整流回路の各交流入力端子へそれぞれ接続し、前記全波
    整流回路の整流出力端子と前記磁気ヘッド駆動部との間
    にモータ駆動時には非導通状態となりモータ非駆動時に
    導通状態となるスイッチング手段を介設したことを特徴
    とする請求項1記載の磁気ディスク装置のリトラクト回
    路。
  6. 【請求項6】 前記磁気ヘッド駆動部はボイスコイルモ
    ータを用いて構成するとともに、前記ボイスコイルモー
    タを駆動するボイスコイルモータ駆動回路は前記ボイス
    コイルモータを駆動していない状態においてボイスコイ
    ルモータ駆動回路の出力が高インピーダンスとなるよう
    構成したことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク
    装置のリトラクト回路。
  7. 【請求項7】 磁気ディスクを回転駆動するスピンドル
    モータを半波駆動することで、スピンドルモータの逆起
    電圧がスピンドルモータの駆動電圧よりも高い電圧とな
    ることを許容できるようにし、スピンドルモータの逆起
    電圧を全波整流して得た整流出力を磁気ヘッド駆動部へ
    供給することで磁気ヘッドを磁気ヘッド退避位置へ退避
    させることを特徴とする磁気ディスク装置のリトラクト
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100396483B1 (ko) * 2000-12-27 2003-09-02 페어차일드코리아반도체 주식회사 하드 디스크 드라이브의 헤드 복귀 회로
US7952828B2 (en) 2005-09-02 2011-05-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Hard disk drive, method for parking magnetic head of hard disk drive, and computer readable recording medium recording the method

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