JP2000112642A - タッチパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アナログ式のタッチパネルと同等の高分解能
を維持しながら、アナログ方式では行えなかった複数点
指示時における同時検出を可能とする。 【解決手段】 従来のデジタル式タッチパネルと略同様
に、帯状電極でその範囲が規定される検知エリアを単位
としたマトリック方式で概略的な座標位置を判定する一
方、正確な座標位置は基準電圧の分圧によるアナログ方
式で演算により算出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はタッチパネルの改
良に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在一般的に使用されているタッチパネ
ルには、アナログ式とデジタル式とがある。ここでアナ
ログ式のタッチパネルは、２枚の抵抗膜からなる上シー
トと下シートを離間して備え、指示座標位置で一方の抵
抗膜に印加された基準電圧を他方の抵抗膜で分圧するこ
とにより、検出電圧値の大小からＸ軸およびＹ軸方向の
座標位置を検出する構成をとるものが一般的である。

【０００３】一方、デジタル式のタッチパネルは、前記
したアナログ式のタッチパネルにおける上下シートを、
互いに横方向に並列する多数の短冊状の導電体で構成す
るとともに、上下シート間で互いに導電体を直行させ、
一方のシートを構成する導電体に対して順次に電圧を印
加しながら、他方のシートを構成する導電体に出力され
る電圧の有無を検知することによって、検出位置の導電
体から、導電体を単位とした指示座標を判定することが
行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなアナログ式タッチパネルはその原理上、１点のみ
しか座標指示を認識できないばかりか、同時期に２点以
上が押圧指示されるとそれらの中間点を入力座標位置と
誤認する不都合があった。

【０００５】一方、デジタル式のタッチパネルは複数点
を同時に指示した場合にあっても、それぞれの座標を区
別して判別できる反面、座標位置の検出精度を上昇させ
ようとすると、上下シートを構成する座標検出用に備え
た導電体の幅を縮小させる必要があり、実現できる解像
度に限界がある。

【０００６】本発明は上記したアナログ式およびデジタ
ル式のタッチパネルが固有に有する不都合を一挙に解消
するものであって、アナログ式のタッチパネルと同等の
高分解能を維持しながら、アナログ方式では行えなかっ
た複数点指示の検出を可能とするタッチパネルを提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるタッチパ
ネル１０は、図１および図２にその全体的な構成を示す
ごとく、複数の帯状抵抗層２６をその短辺方向に並列に
備えて構成した第１電極部２８ａと、複数の帯状抵抗層
２６をその短辺方向に並列に備えて構成するとともに、
その帯状抵抗層２６を第１電極部２８ａ側の帯状抵抗層
２６と直行する方向で且つ微小間隙２４を設けることに
より、押圧時に、対向する帯状抵抗層２６・２６が互い
に接触可能に配設した第２電極部２８ｂと、上記した第
１および第２電極部２８ａ・２８ｂを構成する各帯状抵
抗層２６に対し、長手方向の両端に個別に設定電圧を印
加可能とする電源部３２と、その電源部３２による電圧
印加がされている帯状抵抗層２６が属する電極部とは異
なる側の電極部に属する帯状抵抗層２６を介して取り出
される電圧値を検出可能とする検知部３４とを備えてい
る。

【０００８】上記した検知部３４は、印加された電圧値
と検出された電圧値との比率から、電圧印加された帯状
抵抗層２６における長手方向の指示座標を検出すること
を特徴とする。

【０００９】上記した電源部３２による電圧の印加動作
は、全ての帯状抵抗層２６に対して周期的に行うことが
可能である。また、上記した電源部３２における電圧印
加に先だって、第１および第２電極部２８ａ・２８ｂ間
の接触位置に属する帯状抵抗層２６を特定したのち、そ
の特定された帯状抵抗層２６に対してのみ電源部３２か
ら電圧印加がなされる様に構成してもよい。

【００１０】前記した接触位置に属する帯状抵抗層２６
の特定は、図６の様に、一方の電極部に属する全ての帯
状抵抗層２６に対して単位電圧を順次に印加するスキャ
ン動作をする一方、他方の電極部に属する帯状抵抗層２
６から出力される電圧の有無を検出することにより行え
る。

【００１１】

【発明の効果】本発明は上記の如く、デジタルタッチパ
ネルと略同様に、検知エリア３０を単位としたマトリッ
ク方式で概略的な座標位置を判定する一方、正確な座標
位置は基準電圧の分圧によるアナログ方式で演算により
算出することにより、アナログ式のタッチパネルと同等
の高分解能を維持しながら、アナログ方式では行えなか
った複数点指示の同時検出を可能とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下図１に例示する様に、本発明
にかかるタッチパネルをデータ入力手段として備えたパ
ソコン装置に実施した一例に基づいて説明するがこれに
限らず、ＰＬＣ用の表示装置の様にタッチパネルを備え
た各種のデータ処理装置に対しても略同様に実施できる
ことは勿論である。

【００１３】本発明にかかるタッチパネル１０は、液晶
表示板の様なディスプレイ１２の表示画面１４上に密着
して配置されるものであって、指先あるいは同様な指示
手段を使用してタッチパネル１０上の任意座標位置を押
圧指示すると、その押圧点に対応するＸＹ座標が後で詳
述する座標検知回路１６により解析され、その解析結果
に基づいたデータ処理動作がデータ処理回路１８により
行われる。

【００１４】ここでタッチパネル１０は、表示画面１４
と略同一形状の透明な２枚の薄板からなる上シート２０
と下シート２２とを微少な間隙２４を設けて接近離間可
能に配設するとともに、その対向面に図２のような帯状
の抵抗層２６を設けて電極部２８を形成したものであ
る。

【００１５】電極部２８は、上シート２０に形成される
第１電極部２８ａと下シート２２上に形成される第２電
極部２８ｂとから構成され、更に各電極部２８ａ・２８
ｂを構成する帯状抵抗層２６には、従来のアナログ式タ
ッチパネル１０において電極として使用される、例えば
ＩＴＯのように透光性を有するとともに所定の抵抗値を
有する材料が選択使用される。

【００１６】帯状抵抗層２６は、タッチパネル１０とし
て必要とする解像度に対応して設定した細幅状のもの
を、その短辺方向に微小間隔を設けて並列させ、上およ
び下シート２０・２２の対向面上における全面を覆った
ものである。更に、第１および第２電極部２８ａ・２８
ｂを構成する各帯状抵抗層２６を、互いに直交させて配
設することにより、上シート２０上の任意の一点を押し
て上シート２０と下シート２２を接触させると、両シー
ト２０・２２間が接触位置の帯状抵抗層２６を介して電
気的に接続される様に構成している。

【００１７】本実施例にあっては、図２および図３
（ａ）の様に、第１電極部２８ａを横方向に伸びるｍ本
の抵抗層２６から構成する一方、第２電極部２８ｂを縦
方向に伸びるｎ本の抵抗層２６で構成することにより、
第１および第２電極部２８ａ・２８ｂ間にｍ×ｎ個の検
知エリア３０がマトリックス状に形成される様にしてい
る。

【００１８】ここで、上シート２０上の一点を押圧指示
すると、第１電極部２８ａを構成する帯状抵抗層２６
と、第２電極部２８ｂを構成する帯状抵抗層２６とが両
者の交差部分で接触する。この縦ｍ本・横ｎ本の帯状抵
抗層２６を検出単位とした検知エリア３０は、一方の電
極部２８ａにおける帯状抵抗層２６に電圧を印加すると
ともに、電圧の印加ラインを変更しながら他方の電極部
２８ｂにおける電圧が出力される帯状抵抗層２６のライ
ン番号を検出することにより、電圧が印加された帯状抵
抗層２６のライン番号と、電圧が検出された帯状抵抗層
２６のライン番号の配設位置とから、検知エリア３０を
単位とした座標位置が算出される。

【００１９】更に、図４（ａ）の様に、接触位置におけ
る第1電極部２８ａ側の帯状抵抗層２６ａに対して基準
電圧Ｖｏを印加した状態で、第２電極部２８ｂ側におけ
る接触位置の帯状抵抗層２６ｂから電圧を取り出すとそ
の電圧値Ｖｘは、第１電極部２８ａの横方向に印加され
た基準電圧Ｖｏを第２電極部２８ｂの接触位置で分圧し
た値に一致する。そこで、基準電圧Ｖｏと検出電圧Ｖｘ
の分圧比と第１電極部２８ａを構成する帯状抵抗層２６
ａの長さから、例えば上下シート２０・２２の左上隅を
座標原点としたＸ軸方向の正確な座標が、電圧の検出精
度で規定される精度で演算により求まる。

【００２０】Ｙ軸方向の座標については、上記した場合
とは逆に図４（ｂ）の様に第２電極部２８ｂ側の帯状抵
抗層２６ｂに対して基準電圧Ｖｏを印加する一方、第１
電極部２８ａ側から検知電圧Ｖｙを取り出すことによ
り、例えば上下シート２０・２２の左上隅を原点とした
Ｙ軸方向の座標が演算により求まる。

【００２１】そこで本発明における座標検知回路１６に
あっては、図２の様に電源部３２を備えて帯状抵抗層２
６に対して上記のような手順で基準電圧Ｖｏを印加可能
とする一方、検知部３４で接触位置の帯状抵抗層２６か
ら電圧を取り出し可能としている。

【００２２】ここで電源部３２と検知部３４とは、一方
の電極部を構成する帯状抵抗層２６の両端に備えた常開
のスイッチ群３６と、他方の電極部を構成する帯状抵抗
層２６から出力される電圧値をデジタル変換するＡ／Ｄ
コンバータ３８とを１組とし、それをＸ座標の検出用と
Ｙ座標の検出用とに各々１組ずつ備え、制御部４０から
出力される信号で両者を切り替え可能とする。

【００２３】すなわち、図５のステップＳＴ１でタッチ
パネル１０の座標検知動作を開始すると、ステップＳＴ
２で所定の初期設定動作が行われたのち、ステップＳＴ
３で設定時間が経過したことが判定されると、更にステ
ップＳＴ４のＸ座標検出工程に入る。

【００２４】ここで、Ｘ軸方向の座標を検出しようとす
る場合、Ｘ座標検出用の電源部３２と検知部３４とを有
効にするとともに、切替スイッチ４２を切り替えて基準
電圧Ｖｏを電源部３２に印加する。

【００２５】更に、第１行目に配置された帯状抵抗層２
６の両端に接続された２つのスイッチを同時にオンする
と、切替スイッチ４２を介して出力された基準電圧は、
第１行目の帯状抵抗層２６における両端に印加される。

【００２６】このとき、図３（ａ）の様に、１行目と１
列目の帯状抵抗層２６から構成される検知エリア３０内
の一点Ａを押圧指示しているものと仮定すると、図４
（ａ）の様に、第１行目の帯状抵抗層２６ａの両端に印
加された基準電圧Ｖｏは、第１列目の帯状抵抗層２６ｂ
との接触位置で分圧されてＡ／Ｄコンバータ３８に入力
される。

【００２７】すると制御部４０では、電圧が印加されて
いる帯状抵抗層２６ａと電圧が検出された帯状抵抗層２
６ｂとから検知エリア３０の座標である（１，１）を判
定し、更に検出された電圧値Ｖｘと基準電圧値Ｖｏとの
比率および帯状抵抗層２６ａの長さから、Ａ点における
正確なＸ座標が算出される。

【００２８】更に、スイッチ群３６中におけるオンする
スイッチを切り替え、基準電圧Ｖｏが印加される帯状抵
抗層２６を第２行目、第３行目と１行ずつ変更しながら
第ｍ行目まで前記したＸ軸方向の検知工程を繰り返した
あと、ステップＳＴ５に示すＹ軸方向の座標検出工程に
入る。

【００２９】この工程にあっては、検出に使用する電源
部３２と検知部３４とを制御部４０でＹ座標検出用のも
のに切り替えるとともに、図４（ｂ）の様に、第２電極
部２８ｂを構成する第１列目の帯状抵抗層２６ｂの両端
に先ず基準電圧Ｖｏを印加する。

【００３０】この際、指示位置である点Ａは、第１行目
と第１列目の交点位置にある検知エリア３０内に位置す
るから、第１行目の帯状抵抗層２６ａを介して取り出さ
れた電圧は、第１列目の帯状抵抗層２６ｂの両端に印加
された基準電圧Ｖｏを指示位置で分圧した値Ｖｙとな
る。そこで基準電圧値Ｖｏと検出電圧値Ｖｙとの比率お
よび列方向の帯状抵抗層２６ｂにおける長さから、指示
位置のＹ軸方向の座標が演算により求めたあと、ステッ
プＳＴ６から始まる検出座標の処理工程に移る。

【００３１】ステップＳＴ６では、先ず座標検出の有無
を判定し、検出された座標が何ら認められない場合にあ
っては、ステップＳＴ３に戻って次の座標検出時期を待
つ。しかしながら、ステップＳＴ６で座標入力が確認さ
れた場合には、ステップＳＴ７に移って複数の座標が同
時に検出されたか否かを判定する。

【００３２】ステップＳＴ７の判定で単一の座標のみが
検出されたことが確認されると、ステップＳＴ８に移っ
て検出された座標に対する単一座標処理を施したあと、
ステップＳＴ３に戻る。

【００３３】ところで、同時に複数の座標が検出される
バターンとしては、図３（ｂ）の様に、離間した複数の
点ＡおよびＢを意識的に同時期に押した場合と、検知エ
リア３０の境界位置を押したために、複数の検知エリア
３０を対象とした座標検知が行われた場合とがある。

【００３４】そこで、ステップＳＴ９において座標の検
知エリア３０を調べ、検知された座標が属する検知エリ
ア３０が互いにＸ軸またはＹ軸方向に連続しているか否
かを調べ、隣接していないことが判定されると複数の座
標が同時に指示されたものと判定し、ステップＳＴ１１
における複数座標処理を行う。

【００３５】しかしながら、ステップＳＴ９における判
定で隣接した検知エリア３０であることが分かると、ス
テップＳＴ１０において検知された複数の座標における
中心を検出座標とする座標の補正処理を施したあと、ス
テップＳＴ８に移って単一座標の処理動作を行うのであ
る。

【００３６】なお、上記の様に押圧指示位置があるか否
かに拘わらず全ての帯状抵抗層２６に対して基準電圧を
周期的に印加するのではなく、例えばＸ座標検出用の電
源部３２と検知部３４とを使用して指示が行われている
検知エリア３０を判定したのち、判定された検知エリア
３０がある場合にのみ、その検知エリア３０を構成する
帯状抵抗層２６に基準電圧を印加して正確な座標を検出
させることもできる。

【００３７】また図６に示す実施例の様に、検知エリア
検出部４４を更に備え、その検出部４４を用いて指示位
置が属する検知エリア３０を先ず特定してから、その特
定された検知エリア３０を構成する帯状抵抗層２６に対
してのみ基準電圧を印加して正確なＸＹ座標を検出する
ことにより、座標検出に要する時間短縮を更に図ること
も可能である。

【００３８】ここで検知エリア検出部４４は、従来のマ
トリック方式に構成したタッチパネルで座標検知に使用
されるものと略同様な構成であって、スキャンデータ出
力回路４６から列方向の抵抗層２６に対して順次に単位
電圧を印加していく一方、行方向の抵抗層２６にリター
ンデータ入力回路４８を備えて電圧が出力される抵抗層
２６を同時に特定することにより、押圧指示された検知
エリア３０を判別する。その後に行われる正確な座標位
置を求める操作および座標検出が確認された後のデータ
処理動作は、上記した実施例と略同様である。その他、
検知エリア３０を特定する時期あるいは方法は、何ら限
定されるものでない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるタッチパネルをパソコン装置に
実施した一例を示すブロック図である。

【図２】本発明にかかるタッチパネルの詳細な構成を示
すブロック図である。

【図３】タッチパネル上に構成した検知エリアの座標位
置関係を例示する説明図である。

【図４】帯状抵抗層を用いて正確な座標位置を検出する
手順を示す説明図である。

【図５】座標の検出手順を示す流れ図である。

【図６】他の実施例を示すブロック図である。

【符号の説明】

１０ タッチパネル １２ ディスプレイ １４ 表示画面 １６ 座標検知回路 １８ データ処理回路 ２０ 上シート ２２ 下シート ２４ 間隙 ２６ 帯状抵抗層 ２８ 電極部 ３０ 検知エリア ３２ 電源部 ３４ 検知部 ３６ スイッチ群 ３８ Ａ／Ｄコンバータ ４０ 制御部 ４２ 切替スイッチ ４４ 検知エリア検出部 ４６ スキャンデータ出力回路 ４８ リターンデータ入力回路

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の帯状抵抗層をその短辺方向に並列
   させて構成した第１電極部と、 複数の帯状抵抗層をその短辺方向に並列させて構成する
   とともに、その帯状抵抗層を第１電極部側の帯状抵抗層
   と直行する方向で且つ微小間隙を設け、更に押圧時に対
   向する帯状抵抗層が互いに接触可能に配設した第２電極
   部と、 上記した第１および第２電極部を構成する各帯状抵抗層
   に対し、長手方向の両端に個別に設定電圧を印加可能と
   する電源部と、 該電源部による電圧印加がされている帯状抵抗層が属す
   る電極部とは異なる側の電極部に属する帯状抵抗層を介
   して取り出される電圧値を検出可能とする検知部とを備
   えたタッチパネル。
2. 【請求項２】 上記した検知部は、印加された電圧値と
   検出された電圧値との比率から、電圧印加された帯状抵
   抗層における長手方向の指示座標を検出可能とすること
   を特徴とする請求項１記載のタッチパネル。
3. 【請求項３】 上記した電源部による電圧の印加動作
   は、全ての帯状抵抗層に対して周期的に行われる請求項
   ２記載のタッチパネル。
4. 【請求項４】 上記した電源部における電圧印加に先だ
   って、第１および第２電極部間の接触位置に属する帯状
   抵抗層を特定したのち、その特定された帯状抵抗層に対
   してのみ電源部から電圧印加がなされる請求項２記載の
   タッチパネル。
5. 【請求項５】 上記した接触位置に属する帯状抵抗層の
   特定は、 一方の電極部に属する全ての帯状抵抗層に対して単位電
   圧を順次に印加するスキャン動作をする一方、 他方の電極部に属する帯状抵抗層から出力される電圧の
   有無を検出することにより行われる請求項４記載のタッ
   チパネル。