JP2000108845A - リトラクタのボディーパネルへの取付構造 - Google Patents

リトラクタのボディーパネルへの取付構造

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JP2000108845A
JP2000108845A JP10284923A JP28492398A JP2000108845A JP 2000108845 A JP2000108845 A JP 2000108845A JP 10284923 A JP10284923 A JP 10284923A JP 28492398 A JP28492398 A JP 28492398A JP 2000108845 A JP2000108845 A JP 2000108845A
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retractor
webbing
deformation
body panel
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Hiroyuki Takahashi
浩幸 高橋
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数固定点タイプにおいて、リトラクタの重
量増加等の不利を招くことなく、車両急減速時における
フレームの面外変形を効果的に抑制する。 【解決手段】 リトラクタ14のフレーム46はアンカ
固定部58及び補助固定部66の二箇所でアッパバック
パネル16に固定されている。補助固定部66にはスリ
ット68が形成されており、車両急減速時にアウタウエ
ビング26からリトラクタ14のフレーム46の他方の
脚板50に開き方向への変形力(即ち、面外変形を起こ
させる力)が作用すると、スリット68に案内されて補
助固定部66が荷重作用方向へ相対変位される。従っ
て、リトラクタの重量増加等の不利を招くことなく、車
両急減速時におけるフレームの面外変形を効果的に抑制
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数固定点タイプ
を採用した場合のリトラクタのボディーパネルへの取付
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】乗員拘束用のウエビングを層状に巻取る
リトラクタは、シートベルト装置の主要構成要素であ
る。かかるリトラクタは、一般には、所定のボディーパ
ネルに固定される平面視で略コ字形のフレームと、この
フレームの一対の脚板に軸支される巻取軸と、この巻取
軸をウエビング巻取方向へ回転付勢するぜんまいばね
と、このぜんまいばねの付勢力によって巻取軸に層状
(ロール状)に巻き取られる乗員拘束用のウエビング
と、車両急減速時に巻取軸のウエビング引出方向回転を
阻止するロック手段(イナーシャロック機構)と、を含
んで構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したリ
トラクタのフレームをボディーパネルに固定する場合、
フレームのアンカ部のみを固定点とする一点固定タイプ
と、フレームのアンカ部以外の部分をも固定点とする複
数固定点タイプとがある。後者の複数固定点タイプは、
リトラクタの異音防止やリトラクタの組付時の仮置き等
の目的で採用されることが多い。
【0004】このような複数固定点タイプを採用した場
合において、リトラクタの組付方向と乗員のウエビング
装着時におけるウエビング引出方向とが異なる場合に、
車両急減速時になると、リトラクタのフレームの脚板に
面外変形を起こさせる力が作用する。すなわち、車両急
減速時になると、乗員は略車両前方側へ慣性移動しよう
とするため、ウエビングには引出方向への張力が作用す
る。そして、ウエビングに作用した張力は、フレームの
脚板を面外へ変形させる力として当該脚板に作用する。
【0005】そこで、従来では、このようなフレームの
面外変形を抑制するために、フレームの板厚を厚くして
剛性を上げる等の対策を採っていた。しかし、かかる対
策を講じると、フレームの重量増加ひいてはリトラクタ
全体の重量増加等の不利を招く。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、複数固定点タ
イプにおいて、リトラクタの重量増加等の不利を招くこ
となく、車両急減速時におけるフレームの面外変形を効
果的に抑制することができるリトラクタのボディーパネ
ルへの取付構造を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、乗員拘束用のウエビングと、ウエビング巻取回転方
向へ付勢されると共に車両急減速時にウエビング引出方
向回転が阻止される巻取軸と、所定のボディーパネルに
複数箇所にて固定されかつ巻取軸を一対の脚板間に軸支
するフレームと、を含んで構成されたリトラクタのボデ
ィーパネルへの取付構造であって、車両急減速時にウエ
ビングからフレームの脚板に開き方向への変形力が作用
した場合に、フレームに設定された複数の固定部のうち
の少なくとも一つを変形又はボディーパネルに対して相
対変位させることにより、フレームの脚板の開き方向へ
の変形を抑制する変形抑制手段を備えている、ことを特
徴としている。
【0008】請求項2記載の本発明に係るリトラクタの
ボディーパネルへの取付構造は、請求項1に記載の発明
において、前記フレームは、巻取軸を基準にしてウエビ
ング引出方向と反対側に設けられたアンカ固定部並びに
アンカ固定部以外の部分に設けられた補助固定部にてボ
ディーパネルに固定されており、前記変形抑制手段は、
当該補助固定部を変形又はボディーパネルに対して相対
変位させるさせることにより、フレームの脚板の開き方
向への変形を抑制するものとして構成されている、こと
を特徴としている。
【0009】請求項1記載の本発明によれば、乗員は、
巻取軸に作用する付勢力に抗してウエビングを巻取軸か
ら引出し、これを装着することにより拘束状態となる。
この状態において、車両急減速時になると、乗員は略車
両前方側へ慣性移動しようとする。しかし、巻取軸のウ
エビング引出方向回転が瞬時に阻止されるため、乗員は
ウエビングに拘束されたままとなる一方、ウエビングに
は大きな張力がかかる。
【0010】ここで、リトラクタの組付方向と乗員のウ
エビング装着時におけるウエビング引出方向とが異なっ
ていると、ウエビングからリトラクタのフレームの脚板
に開き方向への変形力(即ち、面外変形を起こさせる
力)が作用する。しかし、本発明では、変形抑制手段を
備えているため、このような変形力が作用すると、フレ
ームに設定された複数の固定部のうちの少なくとも一つ
が変形又はボディーパネルに対して相対変位される。こ
れにより、フレームの脚板の開き方向への変形が抑制さ
れる。
【0011】なお、本発明では変形抑制手段を備えてい
るため、従来のように、フレームの板厚を厚くして剛性
を上げる必要もなくなる。従って、フレームの重量増加
ひいてはリトラクタ全体の重量増加等の不利を招くこと
もない。
【0012】請求項2記載の本発明によれば、車両急減
速時にウエビングからフレームの脚板に開き方向への変
形力が作用すると、アンカ固定部以外の部分に設けられ
た補助固定部が変形又はボディーパネルに対して相対変
位されることにより、フレームの脚板の開き方向への変
形が抑制される。
【0013】言い換えれば、巻取軸を基準にしてウエビ
ング引出方向と反対側に設けられたアンカ固定部につい
ては、補助固定部のような変形や相対変位が生じないよ
うにしたので、車両急減速時にウエビング及び巻取軸を
介してフレームに作用する荷重は、フレームのアンカ固
定部を介してボディーパネルに確実に伝達されて支持さ
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、図1〜図
3を用いて、本発明に係るリトラクタのボディーパネル
への取付構造の第1実施形態について説明する。
【0015】図3にはリヤシート用のシートベルト装置
10の全体斜視図が示されており、又図2にはリヤシー
ト12に着座した乗員のウエビング装着状態の平面図が
示されており、更に図1にはリトラクタ14のアッパバ
ックパネル16への取付状態の斜視図が示されている。
なお、図3のみリヤシート12の右側の座席用のリトラ
クタ14を描いている。
【0016】最初に、リヤシート用のシートベルト装置
10の概略構成について簡単に説明する。リヤシート1
2のシートバック18の上端側後方には、略車両幅方向
を長手方向として延在する「ボディーパネル」としての
アッパバックパネル16が配設されている。アッパバッ
クパネル16の幅方向の端部には略車両下方側へ凹む棚
部20が形成されており、この棚部20にリトラクタ1
4が配設されている。なお、アッパバックパネル16に
は、その上方側からアッパバックパネル16の平面形状
に略合致するボード状のパッケージトレイトリム22が
被嵌されており、車室内側からはアッパバックパネル1
6が見えないようになっている。
【0017】リトラクタ14の巻取軸24には、後述す
る如く乗員拘束用のアウタウエビング26の一端部が係
止されている。また、アウタウエビング26の中間部
は、パッケージトレイトリム22に形成されたウエビン
グ挿通孔28から室内側へ引き出されてシートバック1
8の表面側に通されている。なお、アウタウエビング2
6の中間部には、タングプレート30が挿通されてい
る。さらに、アウタウエビング26の他端部は、フロア
アンカ32を介してリヤホイールハウス34の前部内側
面に固定されている。
【0018】また、リヤシート12のシートクッション
36の中央部側には、先端部にバックル装置38が取り
付けられたインナウエビング40が配設されている。イ
ンナウエビング40の基端部はフロアアンカ42を介し
てロアバックパネル44に固定されている。
【0019】次に、リヤシート用のシートベルト装置1
0の主要部を構成するリトラクタ14の概略構成につい
て簡単に説明する。
【0020】特には図1に示されるように、リトラクタ
14は、比較的高強度の金属製のフレーム46を備えて
いる。フレーム46は互いに平行に延出された一対の脚
板48、50を備えており、これらの脚板48、50間
に巻取軸24が軸支されている。巻取軸24にはスリッ
ト(図示省略)が形成されており、このスリットを通し
て乗員拘束用のアウタウエビング26の一端部が係止さ
れている。
【0021】また、一方の脚板48の外側にはスプリン
グカバー52が取り付けられており、このスプリングカ
バー52内に収容されたぜんまいばね(広義には「付勢
手段」として把握される)によって巻取軸24はウエビ
ング巻取方向へ回転付勢されている。
【0022】さらに、他方の脚板50の外側にはセンサ
カバー54(図2参照)が取り付けられており、このセ
ンサカバー54内には車両急減速時に巻取軸24のウエ
ビング引出方向回転を阻止するロック手段(図示省略)
が収容されている。
【0023】上述したリトラクタ14は、以下の如くし
て、アッパバックパネル16に取り付けられている。
【0024】すなわち、図1に示されるように、フレー
ム46の一対の脚板48、50の後部同士を繋ぐ中間部
56には、略車両後方側へ延出されたアンカ固定部58
が一体に形成されている。このアンカ固定部58がアッ
パバックパネル16の棚部20の上段面20Aに載置さ
れ、この状態で固定ボルト60が当該上段面20Aの裏
面に溶着されたウエルドナット(図示省略)に螺合され
ることにより、アンカ固定部58は棚部20の上段面2
0Aに固定されている。なお、アンカ固定部58の周縁
の所定位置には鉤状の爪部62が一体に形成されてお
り、この爪部62が棚部20の上段面20Aに形成され
た係止孔(図示省略)に挿入係止されることにより、リ
トラクタ14のアッパバックパネル16に対する位置決
めがなされている。
【0025】また、フレーム46の一対の脚板48、5
0の前部同士を繋ぐ帯板状の連結部64には、当該連結
部64の中間部から垂下された後に略車両前方側へ屈曲
された平面視で略T字形の補助固定部66が一体に形成
されている。補助固定部66の前部には、中央部が略車
両前方側へ向けて凸となる湾曲したスリット68が形成
されている。別の言い方をすれば、スリット68は、固
定ボルト60を中心とした所定半径の円弧を中心線に持
つ長孔とされている。そして、この補助固定部66がア
ッパバックパネル16の棚部20の下段面20Bに載置
され、この状態で固定ボルト70がスリット68を通っ
て当該下段面20Bの裏面に溶着されたウエルドナット
(図示省略)に螺合されることにより、補助固定部66
は棚部20の下段面20Bに固定されている。
【0026】なお、上記構成において、補助固定部66
に形成されたスリット68並びに固定ボルト60及びウ
エルドナットが、本発明における「変形抑制手段」に相
当する。
【0027】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。
【0028】リヤシート12に着座した乗員は、タング
プレート30を手で持った後、ぜんまいばねの付勢力に
抗して、アウタウエビング26を巻取軸24から引出
す。そして、タングプレート30をバックル装置38に
係合させることにより、アウタウエビング26及びイン
ナウエビング40で拘束された3点式シートベルト装置
10の装着状態となる。
【0029】この状態において、車両急減速時になる
と、乗員は略車両前方側へ慣性移動しようとする。しか
し、ロック手段によって巻取軸24のウエビング引出方
向回転が瞬時に阻止されるため、乗員はアウタウエビン
グ26及びインナウエビング40に拘束されたままとな
る一方、アウタウエビング26及びインナウエビング4
0には大きな張力がかかる。
【0030】ここで、本実施形態では、リトラクタ14
の固定に関し、異音の防止やリトラクタ14の組付時の
仮置き等の観点から、リトラクタ14のフレーム46を
アンカ固定部58と補助固定部66の二点でアッパバッ
クパネル16の棚部20に固定する複数固定点タイプを
採用している。
【0031】このような複数固定点タイプを採用した場
合において、リトラクタ14の組付方向(略車両前後方
向;図2の一点鎖線P)と乗員のウエビング装着時にお
けるアウタウエビング26の引出方向(図2の矢印Q)
とが異なっていると、アウタウエビング26からリトラ
クタ14のフレーム46の他方の脚板50に開き方向へ
の変形力(即ち、面外変形を起こさせる力)が作用す
る。
【0032】しかし、本実施形態では、変形抑制手段を
備えているため、このような変形力が作用すると、フレ
ーム46の補助固定部66が、スリット68及び固定ボ
ルト70にガイドされながら、荷重作用方向側(車室内
側)へ振られる。すなわち、補助固定部66がアッパバ
ックパネル16に対して荷重作用方向側(車室内側)へ
相対変位される。なお、このとき、アンカ固定部58側
に設けられた位置決め用の爪部62は、補助固定部66
の相対変位量に応じて棚部20の上段面20Aを引き裂
いていく。これにより、フレーム46の他方の脚板50
の開き方向への変形が抑制される。従って、巻取軸24
が一対の脚板48、50間から離脱するようなこともな
い。
【0033】なお、本実施形態では変形抑制手段を備え
ているため、従来のように、フレーム46の板厚を厚く
して剛性を上げる必要もなくなる。従って、フレーム4
6の重量増加ひいてはリトラクタ14全体の重量増加等
の不利を招くこともない。
【0034】このように本実施形態では、車両急減速時
にアウタウエビング26からフレーム46の他方の脚板
50に開き方向への変形力が作用した場合に、補助固定
部66をアッパバックパネル16に対して荷重作用方向
側(車室内側)へ相対変位させることにより、フレーム
46の他方の脚板50の開き方向への変形を抑制する変
形抑制手段を備えているので、複数固定点タイプにおい
て、リトラクタ14の重量増加等の不利を招くことな
く、車両急減速時におけるフレーム46の面外変形を効
果的に抑制することができる。
【0035】また、本実施形態では、前述した如く、複
数固定点タイプを採用してリトラクタ14をアッパバッ
クパネル16に固定しているので、乗員の耳に近い位置
にリトラクタ14が設置されるために気になることがあ
る異音の発生を防止することができる。
【0036】さらに、本実施形態では、車両急減速時に
アウタウエビング26からフレーム46の他方の脚板5
0に開き方向への変形力が作用すると、アンカ固定部5
8以外の部分に設けられた補助固定部66がアッパバッ
クパネル16に対して相対変位されることにより、フレ
ーム46の他方の脚板50の開き方向への変形を抑制す
る構成としたので、言い換えれば、巻取軸24を基準に
してウエビング引出方向と反対側に設けられたアンカ固
定部58については、補助固定部66のような相対変位
が生じないようにしたので、車両急減速時にアウタウエ
ビング26及び巻取軸24を介してフレーム46に作用
する荷重は、フレーム46のアンカ固定部58を介して
アッパバックパネル16に確実に伝達されて支持され
る。その結果、本実施形態によれば、車両急減速時にお
けるフレーム46の面外変形の効果的な抑制と、フレー
ム46のアッパバックパネル16への取付強度の安定確
保の両立を図ることができる。
【0037】また、本実施形態では、フレーム46の補
助固定部66側又はアッパバックパネル16側の変形を
伴わない構成を採用しているため、部材の剛性と部材の
変形モード・変形量の相関関係を想定した設計をする必
要がない点で比較的設計し易いというメリットがある。 〔第2実施形態〕次に、図4を用いて、本発明に係るリ
トラクタのボディーパネルへの取付構造の第2実施形態
について説明する。
【0038】この図に示されるように、本実施形態で
は、アッパバックパネル16の棚部20の下段面20B
側にスリット80が形成されている。但し、このスリッ
ト80は、前述した第1実施形態のような湾曲したスリ
ットではなく、ストレートなスリットである。
【0039】一方、リトラクタ14のフレーム46の補
助固定部82の前部には、三片の固定片84、86、8
8が形成されている。各固定片84、86、88は波板
状に形成されており、又中央の固定片84は両側の固定
片86、88よりも長く形成されている。
【0040】リトラクタ14の補助固定部82は、中央
の固定片84をスリット68内へ差し込むことにより、
アッパバックパネル16の棚部20の下段面20Bに固
定されている。すなわち、中央の固定片84がスリット
68内へ差し込まれた状態では、当該中央の固定片84
の上向きの弾性復元力によってその屈曲部84Aが当該
下段面20Bの裏面に当接係止され、かつ、両側の固定
片86、88の下向きの弾性復元力によってその屈曲部
86A、88Aが当該下段面20Bの表面に当接係止さ
れている。従って、これらの固定片84、86、88に
よってアッパバックパネル16の棚部20の下段面20
Bを挟持するようにして、補助固定部82がアッパバッ
クパネル16に固定されている。
【0041】なお、上記構成において、アッパバックパ
ネル16に形成されたスリット80及び補助固定部82
に形成された三片の固定片84、86、88が、本発明
における「変形抑制手段」に相当する。
【0042】上記構成によれば、アウタウエビング26
からリトラクタ14のフレーム46の他方の脚板50に
開き方向への変形力(即ち、面外変形を起こさせる力)
が作用すると、補助固定部82に設けた三片の固定片8
4、86、88がアッパバックパネル16側のスリット
80の前後を荷重作用方向側(車室内側)へ摺動してい
くことにより振られる。すなわち、補助固定部82がア
ッパバックパネル16に対して荷重作用方向側(車室内
側)へ相対変位される。これにより、フレーム46の他
方の脚板50の開き方向への変形が抑制される。従っ
て、本実施形態でも、前述した第1実施形態と同様に、
リトラクタ14の重量増加等の不利を招くことなく、車
両急減速時におけるフレーム46の面外変形を効果的に
抑制することができる等の効果が得られる。
【0043】また、本実施形態においても、前述した第
1実施形態と同様に、フレーム46の補助固定部82側
又はアッパバックパネル16側の変形を伴わない構成を
採用しているため、部材の剛性と部材の変形モード・変
形量の相関関係を想定した設計をする必要がない点で比
較的設計し易いというメリットがある。 〔第3実施形態〕次に、図5を用いて、本発明に係るリ
トラクタのボディーパネルへの取付構造の第3実施形態
について説明する。
【0044】この図に示されるように、本実施形態で
は、リトラクタ14の補助固定部90の中間部に弛み部
92が設けられており、当該補助固定部90はその先端
部にて固定ボルト70及びウエルドナット(図示省略)
によってアッパバックパネル16の棚部20の下段面2
0Bに固定されている。
【0045】なお、上記構成において、補助固定部90
に形成された弛み部92が、本発明における「変形抑制
手段」に相当する。
【0046】上記構成によれば、アウタウエビング26
からリトラクタ14のフレーム46の他方の脚板50に
開き方向への変形力(即ち、面外変形を起こさせる力)
が作用すると、補助固定部90の中間部に設けた弛み部
92が荷重作用方向側(車室内側)へ引っ張られながら
変形していく。これにより、フレーム46の他方の脚板
50の開き方向への変形が抑制される。従って、本実施
形態でも、前述した第1実施形態と同様に、リトラクタ
14の重量増加等の不利を招くことなく、車両急減速時
におけるフレーム46の面外変形を効果的に抑制するこ
とができる等の効果が得られる。 〔第4実施形態〕次に、図6を用いて、本発明に係るリ
トラクタのボディーパネルへの取付構造の第4実施形態
について説明する。
【0047】この図に示されるように、本実施形態で
は、リトラクタ14の補助固定部100はL字形とされ
ており、その先端部にて固定ボルト70及びウエルドナ
ット(図示省略)によってアッパバックパネル16の棚
部20の下段面20Bに固定されている。
【0048】さらに、アッパバックパネル16の棚部2
0の下段面20Bには、補助固定部100の両サイドに
一対のスリット102、104が形成されている。これ
らのスリット102、104は略車両前後方向を長手方
向として形成されており、アッパバックパネル16の棚
部20の下段面20Bにおける補助固定部100周辺の
幅方向剛性を低下させる機能を有している。
【0049】なお、上記構成において、アッパバックパ
ネル16に形成された一対のスリット102、104
が、本発明における「変形抑制手段」に相当する。
【0050】上記構成によれば、アウタウエビング26
からリトラクタ14のフレーム46の他方の脚板50に
開き方向への変形力(即ち、面外変形を起こさせる力)
が作用すると、補助固定部100に荷重作用方向側(車
室内側)への引張荷重が作用する。このため、内側のス
リット102は、そのスリット幅が減少する方向へ圧縮
されて潰される。また、外側のスリット104は、その
スリット幅が増加する方向へ引っ張られて拡げられる。
このような変形をアッパバックパネル16側に起こさせ
ることにより、補助固定部100は結果的には荷重作用
方向側(車室内側)へ相対変位される。その結果、フレ
ーム46の他方の脚板50の開き方向への変形が抑制さ
れる。従って、本実施形態でも、前述した第1実施形態
と同様に、リトラクタ14の重量増加等の不利を招くこ
となく、車両急減速時におけるフレーム46の面外変形
を効果的に抑制することができる等の効果が得られる。
【0051】なお、上述した各実施形態では、リヤシー
ト用のシートベルト装置10のリトラクタ14のアッパ
バックパネル16への取付構造に対して本発明を適用し
たが、これに限らず、フロントシート用のシートベルト
装置のリトラクタに対して本発明を適用することも可能
である。要は、複数固定点タイプを採用しかつリトラク
タの組付方向と乗員のウエビング装着時におけるウエビ
ング引出方向とが異なるものであればよい。
【0052】また、上述した各実施形態では、リトラク
タ14の位置決め用の爪部62をアンカ固定部58に設
け、車両急減速時には爪部62でアッパバックパネル1
6を引き裂くように構成したが、これに限らず、爪部6
2を設けた上で、爪部62の挿入孔とこれに僅かな間隔
を隔てて穿孔された所定半径の円弧状のスリット(即
ち、固定ボルト60を中心とし、当該固定ボルト60か
ら爪部62までの距離を半径とする円弧状のスリット)
をアッパバックパネル16に形成しておくようにしても
よい。この場合、車両急減速時になると、爪部62が挿
入孔とスリットの間の部分を破断した後、スリット内を
旋回していき、スリットの端部に当接した時点でリトラ
クタ14の振れ角が規制される。さらに、リトラクタ1
4のアッパバックパネル16への組付位置を適切に決め
ることができるのであれば、爪部62を廃止してもよ
い。
【0053】さらに、上述した各実施形態では、フレー
ム46のアンカ固定部58については変形又は相対変位
させることなく、補助固定部66、82、90、100
のみを変形又は相対変位させる構成を採ったが、請求項
1記載の本発明との関係では、アンカ固定部58及び補
助固定部66、82、90、100の双方を変形又は相
対変位させる構成も含まれる。例えば、アンカ固定部5
8に第3実施形態における弛み部を設定して、アンカ固
定部58をも変形可能に構成してもよい。
【0054】また、本発明における変形抑制手段の構成
は上述した各実施形態の構成に限られることなく、車両
急減速時にウエビングからフレームの脚板に開き方向へ
の変形力が作用した場合に、フレームに設定された複数
の固定部のうちの少なくとも一つを変形又はボディーパ
ネルに対して相対変位させることにより、フレームの脚
板の開き方向への変形を抑制することができる構成(概
念的には、係合手段、低剛性部或るいは脆弱部等として
把握される構成)であればすべて変形抑制手段の範疇に
含まれる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本
発明に係るリトラクタのボディーパネルへの取付構造
は、車両急減速時にウエビングからフレームの脚板に開
き方向への変形力が作用した場合に、フレームに設定さ
れた複数の固定部のうちの少なくとも一つを変形又はボ
ディーパネルに対して相対変位させることにより、フレ
ームの脚板の開き方向への変形を抑制する変形抑制手段
を備えているので、複数固定点タイプにおいて、リトラ
クタの重量増加等の不利を招くことなく、車両急減速時
におけるフレームの面外変形を効果的に抑制することが
できるという優れた効果を有する。
【0056】請求項2に記載の本発明に係るリトラクタ
のボディーパネルへの取付構造は、請求項1に記載の発
明において、巻取軸を基準にしてウエビング引出方向と
反対側に設けられたアンカ固定部以外の部分に設けられ
た補助固定部を変形又はボディーパネルに対して相対変
位させるさせることにより、フレームの脚板の開き方向
への変形を抑制するものとして、前述した変形抑制手段
を構成したので、車両急減速時におけるフレームの面外
変形の効果的な抑制と、フレームのボディーパネルへの
取付強度の安定確保の両立を図ることができるという優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るリトラクタのボディーパネ
ルへの取付構造の要部拡大斜視図である。
【図2】リヤシートに着座した乗員のウエビング装着状
態の平面図である。
【図3】リヤシート用のシートベルト装置の全体斜視図
である。
【図4】第2実施形態に係るリトラクタのボディーパネ
ルへの取付構造の要部拡大斜視図である。
【図5】第3実施形態に係るリトラクタのボディーパネ
ルへの取付構造の要部拡大斜視図である。
【図6】第4実施形態に係るリトラクタのボディーパネ
ルへの取付構造の要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
14 リトラクタ 16 アッパバックパネル(ボディーパネル) 24 巻取軸 26 アウタウエビング 46 フレーム 48 脚板 50 脚板 58 アンカ固定部 66 補助固定部 68 スリット(変形抑制手段) 70 固定ボルト(変形抑制手段) 80 スリット(変形抑制手段) 82 補助固定部 84 固定片(変形抑制手段) 86 固定片(変形抑制手段) 88 固定片(変形抑制手段) 90 補助固定部 92 弛み部(変形抑制手段) 100 補助固定部 102 スリット(変形抑制手段) 104 スリット(変形抑制手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員拘束用のウエビングと、ウエビング
    巻取回転方向へ付勢されると共に車両急減速時にウエビ
    ング引出方向回転が阻止される巻取軸と、所定のボディ
    ーパネルに複数箇所にて固定されかつ巻取軸を一対の脚
    板間に軸支するフレームと、を含んで構成されたリトラ
    クタのボディーパネルへの取付構造であって、 車両急減速時にウエビングからフレームの脚板に開き方
    向への変形力が作用した場合に、フレームに設定された
    複数の固定部のうちの少なくとも一つを変形又はボディ
    ーパネルに対して相対変位させることにより、フレーム
    の脚板の開き方向への変形を抑制する変形抑制手段を備
    えている、 ことを特徴とするリトラクタのボディーパネルへの取付
    構造。
  2. 【請求項2】 前記フレームは、巻取軸を基準にしてウ
    エビング引出方向と反対側に設けられたアンカ固定部並
    びにアンカ固定部以外の部分に設けられた補助固定部に
    てボディーパネルに固定されており、 前記変形抑制手段は、当該補助固定部を変形又はボディ
    ーパネルに対して相対変位させるさせることにより、フ
    レームの脚板の開き方向への変形を抑制するものとして
    構成されている、 ことを特徴とする請求項1に記載のリトラクタのボディ
    ーパネルへの取付構造。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009073374A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Toyota Auto Body Co Ltd シートベルト装置の取付け構造
KR100944879B1 (ko) * 2008-05-29 2010-03-03 쌍용자동차 주식회사 자동차용 시트벨트 장착구조
JP2014210544A (ja) * 2013-04-19 2014-11-13 本田技研工業株式会社 車両の内装構造
US9738326B2 (en) 2015-07-14 2017-08-22 Hyundai Motor Company Structure of rear package tray
US10081331B2 (en) * 2015-09-28 2018-09-25 GM Global Technology Operations LLC Fastening arrangement for a safety belt of a rear seat row of a motor vehicle and motor vehicle with such a fastening arrangement

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