JP2000100666A - 固体電解コンデンサの製造方法およびこの製造方法を用いて作製した固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法およびこの製造方法を用いて作製した固体電解コンデンサ

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JP2000100666A
JP2000100666A JP10266202A JP26620298A JP2000100666A JP 2000100666 A JP2000100666 A JP 2000100666A JP 10266202 A JP10266202 A JP 10266202A JP 26620298 A JP26620298 A JP 26620298A JP 2000100666 A JP2000100666 A JP 2000100666A
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anode body
solution
electrolytic capacitor
solid electrolytic
anode
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JP10266202A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Tsuji
康暢 辻
Keiichi Nakao
恵一 中尾
Emiko Igaki
恵美子 井垣
Takahiro Hamada
貴裕 濱田
Chiharu Hayashi
千春 林
Sachiko Nobori
祥子 登
Masakazu Tanahashi
正和 棚橋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極体内部の細孔部まで均一かつ緻密に導電
性高分子層を形成でき、かつ、陽極導出線上への導電性
高分子層の形成を防ぐことができることを目的とする。 【解決手段】 固体電解コンデンサの製造方法におい
て、モノマー溶液3に浸漬する際、陽極導出線2を有す
る面が少なくともモノマー溶液に浸漬されないものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性高分子層を固
体電解質として用いた固体電解コンデンサの製造方法お
よびこの製造方法を用いて作製した固体電解コンデンサ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のデジタル化にともな
い、それに使用される固体電解コンデンサの優れた高周
波特性が求められている。
【0003】導電性高分子層を固体電解質として用いた
固体電解コンデンサは、表面に誘電体酸化皮膜層を形成
した弁作用金属からなる陽極体があって、その上に導電
性高分子層を形成することにより得られる。
【0004】一般に行われている従来における第1の固
体電解コンデンサの製造方法は、導電性高分子層が、米
国特許第4697001号明細書に示されるように、モ
ノマー溶液と酸化剤溶液を混合せずに多孔体をモノマー
溶液と酸化剤溶液に交互に浸漬する事により得られ、先
に浸漬した溶液、例えばモノマー溶液を多孔体内部に含
ませ他方の溶液、例えば酸化剤溶液に浸漬し、多孔体内
部に導電性高分子層を重合生成させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの製造
方法では、モノマー溶液を陽極体内部に含ませ酸化剤溶
液に浸漬するため、その接触界面から反応が開始され陽
極体内部の空孔全体に導電性高分子層を形成することが
難しく、また、モノマー溶液が酸化剤溶液に浸漬した際
に酸化剤溶液中にモノマー溶液が流出拡散し、陽極体の
外部で反応するので、導電性高分子の陽極体への付着形
成収率が低いという問題を有していた。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するもので、
陽極体内部の細孔部まで均一かつ緻密に導電性高分子層
を形成でき、かつ、陽極導出線上への導電性高分子層の
形成を防ぐことができる固体電解コンデンサの製造方法
およびこの製造方法を用いて作製した固体電解コンデン
サを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、モノマー溶液に浸漬する際、前記陽極導出
線を有する面が少なくともモノマー溶液に浸漬されない
ようにしたものである。
【0008】この製造方法によれば、陽極体内部の細孔
部まで均一かつ緻密に導電性高分子層を形成でき、か
つ、陽極導出線上への導電性高分子層の形成を防ぐこと
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、陽極導出線を具備し、かつ、表面に導電性高分子層
を有する誘電体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からな
る陽極体の前記陽極導出線を有する面を上面にして前記
陽極体をモノマーを含むモノマー溶液に浸漬する工程
と、前記陽極体を前記モノマー溶液から引き上げる工程
と、酸化剤を含む酸化剤溶液に浸漬する工程と、前記陽
極体を前記酸化剤溶液から引き上げる工程を順次経て、
前記誘電体酸化皮膜層上に前記導電性高分子層を形成す
る固体電解コンデンサの製造方法において、前記モノマ
ー溶液に浸漬する際、前記陽極導出線を有する面が少な
くともモノマー溶液に浸漬されないもので、陽極体全体
をモノマー溶液に浸漬しないので、毛細管現象により陽
極体全体にモノマー溶液が保持され、陽極体内部の細孔
部に空気を保持しにくくなり、細孔部まで均一かつ緻密
に導電性高分子層を形成できるという作用と、酸化剤溶
液に陽極体全体を浸漬しても陽極導出線根本に装着して
いる離型材質例えばテフロンに導電性高分子が形成され
ず、この工程を繰り返してもテフロンを越えて陽極導出
線まではい上がることはなく陽極導出線上への導電性高
分子層の形成を防ぐことができるという作用を有する。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、陽極導出
線を具備し、かつ、表面に導電性高分子層を有する誘電
体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からなる陽極体の前
記陽極導出線を有する面を上面にして前記陽極体をモノ
マーを含むモノマー溶液に浸漬する工程と、前記陽極体
を前記モノマー溶液から引き上げる工程と、酸化剤を含
む酸化剤溶液に浸漬する工程と、前記陽極体を前記酸化
剤溶液から引き上げる工程を順次経て、前記誘電体酸化
皮膜層上に前記導電性高分子層を形成する固体電解コン
デンサの製造方法において、モノマー溶液に浸漬する
際、所定の浸漬位置まで1mm/sec以下の速度で浸漬す
るもので、1mm/sec以下の速度で浸漬すると、陽極体
内部の細孔部に空気を保持しやすくなるため、1mm/se
c以下の速度で浸漬することが好ましく陽極体内部の細
孔部に空気を保持しにくくできるとともに、液の波立ち
を防ぎ、浸漬位置を精密に制御できるという作用を有す
る。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2記載のモノマー溶液から引き上げた後、陽極体
最外層にモノマー溶液を保持しないもので、モノマー溶
液が酸化剤溶液中に流出拡散される量が抑制され、酸化
剤溶液の汚れを低減することができるという作用を有す
る。
【0012】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
記載のモノマー溶液から引き上げる際、陽極体が完全に
前記モノマー溶液から引き上げられるまで1mm/sec以
下の速度で引き上げるもので、1mm/sec以上の速度で
引き上げると、モノマー溶液を陽極体最外層に保持しや
すくなり、酸化剤溶液に浸漬する際陽極体最外層のモノ
マー溶液が酸化剤溶液中に流出拡散され、酸化剤溶液を
汚したり、モノマー溶液の高効率利用の妨げとなるた
め、1mm/sec以下の速度で引き上げることが好まし
く、陽極体最外層にモノマー溶液を保持しないため、モ
ノマー溶液を高効率利用することができるという作用を
有する。
【0013】また、請求項5に記載の発明は、請求項3
記載のモノマー溶液から陽極体を引き上げた後、前記陽
極体の前記モノマー溶液に対する親和性よりも低い親和
性を有する多孔質体に陽極体を接触させ、前記陽極体最
外層の付着溶液を取除く工程を有するもので、陽極体の
モノマー溶液に対する親和性よりも低い親和性を有する
多孔質体に陽極体を接触させることで、陽極体内部に含
ませたモノマー溶液は除去されずに、陽極体最外層に付
着したモノマー溶液のみを除去することができるという
作用を有する。
【0014】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
または2記載の酸化剤溶液に浸漬する際、陽極導出線を
有する面が少なくとも酸化剤溶液に浸漬されるもので、
陽極導出線を有する面にも充分導電性高分子層が形成で
きるという作用を有する。
【0015】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
または2記載の酸化剤溶液に浸漬する際、所定の浸漬位
置まで50mm/sec以上の速度で浸漬するもので、50m
m/sec以下の速度で浸漬すると、液面の波立ちが起こり
やすくなるとともに、1mm/sec以下の速度で浸漬する
と液面の波立ちは防げるが、陽極体内部に含ませたモノ
マー溶液が所定の位置まで浸漬するまでに酸化剤溶液中
に流出拡散される量が多くなり、導電性高分子層の陽極
体への付着形成分布が発生するため、50mm/sec以上
の速度で浸漬することが好ましく、これにより、液面の
波立ちを防ぎ、陽極体内部に含ませたモノマー溶液が酸
化剤溶液中に流出拡散される量を抑制することができる
という作用を有する。
【0016】また、請求項8に記載の発明は、請求項1
または2記載の酸化剤溶液に浸漬する際、陽極体の下面
より1/4まで1mm/sec以下の速度で浸漬した後、1m
m/sec以上の速度で所定の浸漬位置まで浸漬するもの
で、陽極体の下面より1/4まで1mm/sec以下の速度
で浸漬するので、液面の波立ちを防ぐことができ、その
後1mm/sec以上の速度で所定の浸漬位置まで浸漬して
も液面の波立ちは発生せず、浸漬位置を精密に制御する
ことができるとともに、陽極体内部に含ませたモノマー
溶液が酸化剤溶液中に流出拡散される量を抑制すること
ができるという作用を有する。
【0017】また、請求項9に記載の発明は、請求項1
または2記載の酸化剤溶液に浸漬する際、陽極体の下面
より1/4まで1〜50mm/secの速度で浸漬した後、
1sec未満その場で保持し、再度1mm/sec以上の速度で
所定の浸漬位置まで浸漬することを特徴とするもので、
陽極体の下面より1/4まで1〜50mm/secの速度で
浸漬したとき、液面の波立ちが起こっても陽極体の1/
4未満の位置で、1sec未満その場で保持することによ
り波立ちを抑えることができ、その後1mm/sec以上の
速度で浸漬しても液面の波立ちは発生せず、浸漬位置を
精密に制御することができるとともに、陽極体内部に含
ませたモノマー溶液が酸化剤溶液中に流出拡散される量
を抑制することができるという作用を有する。
【0018】また、請求項10に記載の発明は、請求項
1から9のいずれかに記載の陽極体を酸化剤溶液から引
き上げた後、所定の時間保持する工程を順次経て、導電
性高分子層を形成するもので、陽極体内部の細孔部への
充填性がさらに増加させることができるという作用を有
する。
【0019】また、請求項11に記載の発明は、請求項
1または2記載の酸化剤溶液から引き上げる際、陽極体
が完全に前記酸化剤溶液から引き上げられるまで50mm
/sec以上の速度で引き上げるもので、50mm/sec以下
の速度で引き上げると、酸化剤溶液の持ち出し量が少量
のため陽極体上部に酸化剤溶液が保持されにくく、導電
性高分子層が陽極体上部に形成されにくいため、50mm
/sec以上の速度で引き上げるのが好ましい。これによ
り、酸化剤溶液を最大限持ち出すことができ、陽極体上
部に酸化剤溶液が保持され、導電性高分子層が陽極体上
部に形成することができるという作用を有する。
【0020】また、請求項12に記載の発明は、陽極導
出線を具備し、かつ、表面に導電性高分子層を有する誘
電体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からなる陽極体の
前記陽極導出線を有する面を上面にして前記陽極体を酸
化剤を含む酸化剤溶液に浸漬する工程と、前記陽極体を
前記酸化剤溶液から引き上げる工程と、モノマーを含む
モノマー溶液に浸漬する工程と、前記陽極体を前記モノ
マー溶液から引き上げる工程を順次経て、前記誘電体酸
化皮膜層上に前記導電性高分子層を形成する固体電解コ
ンデンサの製造方法において、酸化剤溶液に浸漬する
際、前記陽極導出線を有する面が少なくとも酸化剤溶液
に浸漬されないもので、この工程を繰り返してもテフロ
ンを越えて陽極導出線まではい上がることなく陽極導出
線上への導電性高分子層の形成を防ぐという作用を有す
る。
【0021】また、請求項13に記載の発明は、陽極導
出線を具備し、かつ、表面に導電性高分子層を有する誘
電体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からなる陽極体の
前記陽極導出線を有する面を上面にして前記陽極体を酸
化剤を含む酸化剤溶液に浸漬する工程と、前記陽極体を
前記酸化剤溶液から引き上げる工程と、モノマーを含む
モノマー溶液に浸漬する工程と、前記陽極体を前記モノ
マー溶液から引き上げる工程を順次経て、前記誘電体酸
化皮膜層上に前記導電性高分子層を形成する固体電解コ
ンデンサの製造方法において、酸化剤溶液に浸漬する
際、所定の浸漬位置まで1mm/sec以下の速度で浸漬す
るもので、陽極体内部の細孔部に空気を保持しにくくで
きるとともに、液の波立ちを防ぎ、浸漬位置を精密に制
御できるという作用を有する。
【0022】また、請求項14に記載の発明は、請求項
12または13記載の酸化剤溶液から引き上げた後、陽
極体最外層に酸化剤溶液を保持しないもので、モノマー
溶液が酸化剤溶液中に流出拡散される量が抑制され、酸
化剤溶液の汚れを低減できるという作用を有する。
【0023】また、請求項15に記載の発明は、請求項
14記載の酸化剤溶液から引き上げる際、陽極体が完全
に前記酸化剤溶液から引き上げられるまで1mm/sec以
下の速度で引き上げるもので、陽極体最外層にモノマー
溶液を抑制しないため、モノマー溶液を高効率利用する
ことができるという作用を有する。
【0024】また、請求項16に記載の発明は、請求項
14記載の酸化剤溶液から陽極体を引き上げた後、前記
陽極体の前記酸化剤溶液に対する親和性よりも低い親和
性を有する多孔質体に陽極体を接触させ、前記陽極体最
外層の付着溶液を取除く工程を有するもので陽極体内部
に含ませたモノマー溶液は除去されずに、陽極体最外層
に付着したモノマー溶液のみを除去することができると
いう作用を有する。
【0025】また、請求項17に記載の発明は、請求項
12または13記載のモノマー溶液に浸漬する際、陽極
導出線を有する面が少なくともモノマー溶液に浸漬され
るもので、陽極導出線を有する面にも充分高分子層が形
成できるという作用を有する。
【0026】また、請求項18に記載の発明は、請求項
12または13記載のモノマー溶液に浸漬する際、陽極
導出線を有する面が少なくともモノマー溶液に浸漬され
るもので、液面の波立ちを防ぎ、陽極体内部に含ませた
モノマー溶液が酸化剤溶液中に流出拡散される量を抑制
することができるという作用を有する。
【0027】また、請求項19に記載の発明は、請求項
12または13記載のモノマー溶液に浸漬する際、最初
1mm/sec以下の速度で、陽極体の下面より1/4まで
浸漬した後、1mm/sec以上の速度で所定の浸漬位置ま
で浸漬するもので、浸漬を精密に制御することができる
とともに、陽極体内部に含ませたモノマー溶液が酸化剤
溶液中に流出拡散される量を抑制することができるとい
う作用を有する。
【0028】また、請求項20に記載の発明は、請求項
12または13記載のモノマー溶液に浸漬する際、最初
1〜50mm/secの速度で、陽極体の下面より1/4ま
で浸漬した後、1sec未満その場で保持し、再度1mm/s
ec以上の速度で所定の浸漬位置まで浸漬するもので、浸
漬位置を精密に制御することができるとともに、陽極体
内部に含ませたモノマー溶液が酸化剤溶液中に流出拡散
される量を抑制することができるという作用を有する。
【0029】また、請求項21に記載の発明は、請求項
12から20のいずれかに記載の陽極体をモノマー溶液
から引き上げた後、所定の時間保持する工程を順次経
て、導電性高分子層を形成するもので、陽極体内部の細
孔部への充填性がさらに増加させることができるという
作用を有する。
【0030】また、請求項22に記載の発明は、請求項
21記載のモノマー溶液から引き上げる際、陽極体が完
全に酸化剤溶液から引き上げられるまで50mm/sec以
上の速度で引き上げるもので、陽極体上部に酸化剤溶液
が保持され、導電性高分子層が陽極体上部に形成するこ
とができるという作用を有する。
【0031】また、請求項23に記載の発明は、請求項
5または16記載の多孔質体が柔軟性材質または繊維材
質からなるもので、多孔質体は陽極体と接触する際陽極
体最外層に形成された導電性高分子及び誘電体酸化皮膜
の破壊を防ぐため、柔軟性材質または繊維材質からなる
多孔質体となるという作用を有する。
【0032】また、請求項24に記載の発明は、請求項
1から23のいずれかに記載の弁作用金属がタンタルま
たはアルミニウムから選ばれる少なくとも1種であるも
ので、陽極導出線上への導電性高分子層の形成を防ぐこ
とができるという作用を有する。
【0033】また、請求項25に記載の発明は、請求項
1から24のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製
造方法を用いて作製した固体電解コンデンサであり、陽
極導出線上への導電性高分子層の形成を防いだ固体電解
コンデンサを提供できるという作用を有する。
【0034】以下、本発明の実施の形態について説明す
る。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態にお
ける固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
である。
【0035】図1において、1は陽極体、2は陽極体1
から導出されたタンタルからなる陽極導出線、3はモノ
マー溶液、4は酸化剤溶液である。
【0036】本発明の第1の実施の形態における固体電
解コンデンサの製造方法は、図1(a)に示すように、
タンタルからなる陽極導出線2にタンタル粉末を所定の
形状にプレス成形後、焼成して1.4mm×3.0mm×
3.8mmの多孔体を形成し、リン酸水溶液中で印加電圧
30Vで陽極酸化して多孔体の表面に誘電体酸化皮膜層
を形成し、陽極体1を得る。
【0037】次に、図1(b)に示すように、5℃に保
持したモノマー溶液3に誘電体酸化皮膜層を形成した陽
極体1を10mm/secの速度で陽極導出線2を有した面
を上面にして半分まで浸漬し、図1(c)に示すよう
に、5分後に0.1mm/secの速度で引き上げる。
【0038】その後、図1(d)に示すように、酸化剤
溶液4に浸漬する際、図1(e)に示すように、陽極体
1全体を浸漬する所定の浸漬位置まで100mm/secの
速度で浸漬し、図1(f)に示すように、10秒後10
0mm/secの速度で引き上げ、5℃の雰囲気中に5分間
保持する。この酸化剤溶液4に浸漬する一連の操作を4
回繰り返し、その後45℃の雰囲気中に10分間保持
し、化学酸化重合反応させる。その後80℃の純水で洗
浄し、105℃で5分間乾燥する。以上の操作を8回繰
り返し、導電性高分子層を形成する。
【0039】一方、比較として従来における製造方法を
示す。誘電体酸化皮膜層を形成するまでは、上記本発明
の第1の実施の形態と同様に作製される。次に5℃に保
持したモノマー溶液に誘電体酸化皮膜が形成された陽極
体を10mm/secの速度で陽極体全体が浸漬する所定の
浸漬位置まで浸漬し、5分後に10mm/secの速度で引
き上げる。その後、酸化剤溶液に浸漬する際、陽極体全
体を浸漬する所定の浸漬位置まで10mm/secの速度で
浸漬し、10秒後10mm/secの速度で引き上げ、5℃
の雰囲気中に5分間保持する。この酸化剤溶液に浸漬す
る一連の操作を4回繰り返し、その後45℃の雰囲気中
に10分間保持し、化学酸化重合反応させる。その後8
0℃の純水で洗浄し、105℃で5分間乾燥する。以上
の操作を8回繰り返し、導電性高分子層を形成する。
【0040】上記得られた本発明の第1の実施の形態及
び従来におけるコンデンサ素子を図2のように導電性高
分子層上にカーボン層5、銀塗料層6を形成し、金属リ
ード線7及び8を設け、樹脂9で外装し、固体電解コン
デンサを得、120Hz、100kHzでの静電容量及びシ
ョート発生率を測定した。
【0041】その結果、従来における固体電解コンデン
サが、120Hzでの静電容量が160μF(容量出現率
は91%)であり、100kHzでの静電容量が140μ
Fであり、ショート発生率が20%であるのに対して、
本発明の第1の実施の形態で得られた固体電解コンデン
サは、120Hzでの静電容量が164μF(容量出現率
は94%)であり、100kHzでの静電容量が143μ
Fであり、ショート発生率が0%であった。これによ
り、本発明の第1の実施の形態の製造方法は、陽極体内
部の細孔部まで均一かつ緻密に導電性高分子層を形成で
き、陽極導出線上への導電性高分子層の形成を防いでい
る。よって、従来における製造方法よりも120Hzでの
容量出現率が向上し、ショート発生率を低減することが
できる。
【0042】なお、本発明の第1の実施の形態及び従来
のモノマー溶液は、イソプロピルアルコールを10vo
l%含有する水溶液にモノマーとしてピロールを1.0
mol/lとなるように溶解させ、酸化剤溶液は、イソ
プロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に酸
化剤として硫酸第二鉄を0.25mol/l、ドーパン
トとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩
の形で0.03mol/lとなるように溶解させた。ま
た、モノマーは、ピロールに限られるものではなく、酸
化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0043】また、本発明の第1の実施の形態では、モ
ノマー溶液に浸漬する際、10mm/secで浸漬したが、
それに限られるものでない。また、陽極導出線を有した
面を上面にして半分まで浸漬したが、陽極導出線を有す
る面が少なくともモノマー溶液に浸漬されなければ良
い。また、酸化剤溶液に浸漬する速度を100mm/sec
としたが、50mm/sec以上の速度で浸漬すれば良い。
【0044】また、本発明の第1の実施の形態では、モ
ノマー溶液から0.1mm/secの速度で引き上げたが、
任意の速度で引き上げた後、陽極体を多孔質体に接触さ
せて陽極体最外層に付着しているモノマー溶液を除去し
ても同様の作用と効果を有する。この時、多孔質体の材
質は陽極体のモノマー溶液に対する親和性よりも低い親
和性を有するものであれば良いが、陽極体最外層に形成
された導電性高分子及び誘電体酸化皮膜の破壊を防ぐた
め、柔軟性材質または繊維材質が好ましい。これにより
陽極体内部に含ませたモノマー溶液は除去されない。
【0045】さらに、本発明の第1の実施の形態では、
モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合に
ついて述べたが、酸化剤溶液に浸漬した後モノマー溶液
に浸漬した場合であっても同様の作用と効果を有するこ
とはいうまでもない。また、本発明の第1の実施の形態
では、弁作用金属をタンタルとしたが、アルミニウムで
あっても良い。
【0046】(実施の形態2)図3は本発明の第2の実
施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部
を説明する図である。
【0047】図3において、図1と同一のものについて
は同一の符号を示してある。本発明の第2の実施の形態
における固体電解コンデンサの製造方法は、モノマー溶
液3に浸漬する際、図3(b)に示すように、0.1mm
/secの速度で陽極体1全体まで浸漬する以外は本発明
の第1の実施の形態に示した製造方法と同様である。
【0048】上記得られた本発明の第2の実施の形態に
おけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と
同様な方法で固体電解コンデンサを得、120Hz、10
0kHzでの静電容量及びショート発生率を測定した。
【0049】その結果、120Hzでの静電容量が163
μF(容量出現率は93%)であり、100kHzでの静
電容量が144μFであり、ショート発生率が10%で
あった。
【0050】これにより、本発明の第2の実施の形態の
製造方法は、陽極体内部の細孔部まで均一かつ緻密に導
電性高分子層を形成できる。また、液の波立ちを防いで
いるので浸漬位置を精密に制御できる。よって、従来に
おける製造方法よりも120Hzでの容量出現率が向上
し、ショート発生率を低減することができる。
【0051】なお、本発明の第2の実施の形態のモノマ
ー溶液及び酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態と
同様の液組成である。また、モノマーは、本発明の第1
の実施の形態同様ピロールに限られるものではなく、酸
化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0052】また、本発明の第2の実施の形態では、モ
ノマー溶液に浸漬する速度を0.1mm/secとしたが、
1mm/sec以下の速度で浸漬すれば良い。また、酸化剤
溶液に浸漬する速度を100mm/secとしたが、本発明
の第1の実施の形態と同様50mm/sec以上の速度で浸
漬すれば良い。
【0053】また、本発明の第2の実施の形態では、モ
ノマー溶液から0.1mm/secの速度で引き上げたが、
本発明の第1の実施の形態と同様任意の速度で引き上げ
た後、陽極体を多孔質体に接触させて陽極体最外層に付
着しているモノマー溶液を除去しても同様の作用と効果
を有する。この時、本発明の第1の実施の形態と同様多
孔質体の材質は陽極体のモノマー溶液に対する親和性よ
りも低い親和性を有するものであれば良いが、陽極体最
外層に形成された導電性高分子及び誘電体酸化皮膜の破
壊を防ぐため、柔軟性材質または繊維材質が好ましい。
これにより陽極体内部に含ませたモノマー溶液は除去さ
れない。
【0054】さらに、本発明の第2の実施の形態では、
モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合に
ついて述べたが、本発明の第1の実施の形態と同様酸化
剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっ
ても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
また、本発明の第2の実施の形態では、弁作用金属をタ
ンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アル
ミニウムであっても良い。
【0055】(実施の形態3)図4は本発明の第3の実
施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部
を説明する図である。
【0056】図4において、図1と同一のものについて
は同一の符号を示してある。本発明の第3の実施の形態
における固体電解コンデンサの製造方法は、モノマー溶
液3に浸漬する際、図4(b)に示すように、0.1mm
/secの速度で陽極導出線2を有した面を上面にして半
分まで浸漬する以外は、本発明の第1の実施の形態に示
した製造方法と同様である。
【0057】上記得られた本発明の第3の実施の形態に
おけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と
同様な方法で固体電解コンデンサを得、120Hz、10
0kHzでの静電容量及びショート発生率を測定した。
【0058】その結果、120Hzでの静電容量が167
μF(容量出現率は95%)であり、100kHzでの静
電容量が146μFであり、ショート発生率が0%であ
った。
【0059】これにより、本発明の第1及び第2の実施
の形態の製造方法よりも陽極体内部の細孔部まで均一か
つ緻密に導電性高分子層を形成でき、陽極導出線上への
導電性高分子層の形成を防いでいる。よって、本発明の
第1及び第2の実施の形態の製造方法よりも120Hzで
の容量出現率が向上し、ショート発生率を低減すること
ができる。
【0060】なお、本発明の第3の実施の形態のモノマ
ー溶液及び酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態と
同様の液組成である。また、モノマーは、本発明の第1
の実施の形態同様ピロールに限られるものではなく、酸
化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0061】また、本発明の第3の実施の形態では、モ
ノマー溶液に浸漬する際、陽極導出線を有した面を上面
にして半分まで浸漬したが、本発明の第1の実施の形態
と同様陽極導出線を有する面が少なくともモノマー溶液
に浸漬されなければ良い。また、モノマー溶液に浸漬す
る速度を0.1mm/secとしたが、本発明の第2の実施
の形態と同様1mm/sec以下の速度で浸漬すれば良い。
また、酸化剤溶液に浸漬する速度を100mm/secとし
たが、50mm/sec以上の速度で浸漬すれば良い。
【0062】また、本発明の第3の実施の形態では、モ
ノマー溶液から0.1mm/secの速度で引き上げたが、
本発明の第2の実施の形態と同様任意の速度で引き上げ
た後、陽極体を多孔質体に接触させて陽極体最外層に付
着しているモノマー溶液を除去しても同様の作用と効果
を確認できた。この時、本発明の第1の実施の形態と同
様多孔質体の材質は陽極体のモノマー溶液に対する親和
性よりも低い親和性を有するものであれば良いが、陽極
体最外層に形成された導電性高分子及び誘電体酸化皮膜
の破壊を防ぐため、柔軟性材質または繊維材質が好まし
い。これにより陽極体内部に含ませたモノマー溶液は除
去されない。
【0063】さらに、本発明の第3の実施の形態では、
モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合に
ついて述べたが、本発明の第1の実施の形態と同様酸化
剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっ
ても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
また、本発明の第3の実施の形態では、弁作用金属をタ
ンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アル
ミニウムであっても良い。
【0064】(実施の形態4)図5は本発明の第4の実
施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部
を説明する図である。
【0065】図5において、図1と同一のものについて
は同一の符号を示してある。本発明の第4の実施の形態
における固体電解コンデンサの製造方法は、図5(e)
に示すように、酸化剤溶液4に0.1mm/secの速度で
陽極体1の1/4まで浸漬し、その後50mm/secで陽
極体1全体を浸漬する所定の浸漬位置まで浸漬する以外
は本発明の第1の実施の形態に示した製造方法と同様で
ある。
【0066】上記得られた本発明の第4の実施の形態に
おけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と
同様な方法で固体電解コンデンサを得、120Hz、10
0kHzでの静電容量及びショート発生率を測定した。
【0067】その結果、120Hzでの静電容量が166
μF(容量出現率は95%)であり、100kHzでの静
電容量が144μFであり、ショート発生率が0%であ
った。
【0068】これにより、本発明の第3の実施の形態と
同様の作用と効果がある。なお、本発明の第4の実施の
形態のモノマー溶液及び酸化剤溶液は、本発明の第1の
実施の形態と同様の液組成である。また、モノマーは、
本発明の第1の実施の形態同様ピロールに限られるもの
ではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではな
い。
【0069】また、本発明の第4の実施の形態では、モ
ノマー溶液に浸漬する際、陽極導出線を有した面を上面
にして半分まで浸漬したが、本発明の第1の実施の形態
と同様陽極導出線を有する面が少なくともモノマー溶液
に浸漬されなければ良い。また、モノマー溶液に浸漬す
る速度を0.1mm/secとしたが、本発明の第2の実施
の形態と同様1mm/sec以下の速度で浸漬すれば良い。
また、酸化剤溶液に0.1mm/secの速度で陽極体1の
1/4まで浸漬し、その後50mm/secで陽極体1全体
を浸漬する所定の浸漬位置まで浸漬したが、1mm/sec
以下の速度で陽極体の下面より1/4まで浸漬し、その
後1mm/sec以上の速度で浸漬すれば良い。
【0070】また、本発明の第4の実施の形態では、モ
ノマー溶液から0.1mm/secの速度で引き上げたが、
本発明の第2の実施の形態と同様任意の速度で引き上げ
た後、陽極体を多孔質体に接触させて陽極体最外層に付
着しているモノマー溶液を除去しても同様の作用と効果
を確認できた。この時、本発明の第1の実施の形態と同
様多孔質体の材質は陽極体のモノマー溶液に対する親和
性よりも低い親和性を有するものであれば良いが、陽極
体最外層に形成された導電性高分子及び誘電体酸化皮膜
の破壊を防ぐため、柔軟性材質または繊維材質が好まし
い。これにより陽極体内部に含ませたモノマー溶液は除
去されない。
【0071】さらに、本発明の第4の実施の形態では、
モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合に
ついて述べたが、本発明の第1の実施の形態と同様酸化
剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっ
ても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
また、本発明の第4の実施の形態では、弁作用金属をタ
ンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アル
ミニウムであっても良い。
【0072】(実施の形態5)図6は本発明の第5の実
施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部
を説明する図である。
【0073】図6において、図1と同一のものについて
は同一の符号を示してある。本発明の第5の実施の形態
における固体電解コンデンサの製造方法は、図6(e)
に示すように、酸化剤溶液4に10mm/secの速度で陽
極体1の1/4まで浸漬した後、0.5secその場で保
持し、再度50mm/secで陽極体1全体を浸漬する所定
の浸漬位置まで浸漬する以外は本発明の第1の実施の形
態に示した製造方法と同様である。
【0074】上記得られた本発明の第5の実施の形態に
おけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と
同様な方法で固体電解コンデンサを得、120Hz、10
0kHzでの静電容量及びショート発生率を測定した。
【0075】その結果、120Hzでの静電容量が167
μF(容量出現率は95%)であり、100kHzでの静
電容量が145μFであり、ショート発生率が0%であ
った。
【0076】なお、本発明の第5の実施の形態のモノマ
ー溶液及び酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態の
形態と同様の液組成である。また、モノマーは、本発明
の第1の実施の形態同様ピロールに限られるものではな
く、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0077】また、本発明の第5の実施の形態では、モ
ノマー溶液に浸漬する際、陽極導出線を有した面を上面
にして半分まで浸漬したが、本発明の第1の実施の形態
と同様陽極導出線を有する面が少なくともモノマー溶液
に浸漬されなければ良い。また、モノマー溶液に浸漬す
る速度を0.1mm/secとしたが、本発明の第2の実施
の形態と同様1mm/sec以下の速度で浸漬すれば良い。
また、酸化剤溶液に10mm/secの速度で陽極体1の1
/4まで浸漬した後、0.5secその場で保持し、再度
50mm/secで浸漬したが、1mm/sec以上の速度で陽極
体の下面より1/4まで浸漬した後、1sec未満その場
で保持し、再度1mm/sec以上の速度で浸漬すれば良
い。
【0078】また、本発明の第5の実施の形態では、モ
ノマー溶液から0.1mm/secの速度で引き上げたが、
本発明の第1の実施の形態と同様任意の速度で引き上げ
た後、陽極体を多孔質体に接触させて陽極体最外層に付
着しているモノマー溶液を除去しても同様の作用と効果
を確認できた。この時、本発明の第1の実施の形態と同
様多孔質体の材質は陽極体のモノマー溶液に対する親和
性よりも低い親和性を有するものであれば良いが、陽極
体最外層に形成された導電性高分子及び誘電体酸化皮膜
の破壊を防ぐため、柔軟性材質または繊維材質が好まし
い。これにより陽極体内部に含ませたモノマー溶液は除
去されない。
【0079】さらに、本発明の第5の実施の形態では、
モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合に
ついて述べたが、本発明の第1の実施の形態と同様酸化
剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっ
ても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
また、本発明の第5の実施の形態では、弁作用金属をタ
ンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アル
ミニウムであっても良い。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明は、陽極導出線上へ
の導電性高分子層の形成を防ぐことができるという効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における固体電解コ
ンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図2】同固体電解コンデンサの断面図
【図3】本発明の第2の実施の形態における固体電解コ
ンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図4】本発明の第3の実施の形態における固体電解コ
ンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図5】本発明の第4の実施の形態における固体電解コ
ンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図6】本発明の第5の実施の形態における固体電解コ
ンデンサの製造方法の要部を説明する図
【符号の説明】
1 陽極体 2 陽極導出線 3 モノマー溶液 4 酸化剤溶液
フロントページの続き (72)発明者 井垣 恵美子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 濱田 貴裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 林 千春 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 登 祥子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 棚橋 正和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極導出線を具備し、かつ、表面に導電
    性高分子層を有する誘電体酸化皮膜層を形成した弁作用
    金属からなる陽極体の前記陽極導出線を有する面を上面
    にして前記陽極体をモノマーを含むモノマー溶液に浸漬
    する工程と、前記陽極体を前記モノマー溶液から引き上
    げる工程と、酸化剤を含む酸化剤溶液に浸漬する工程
    と、前記陽極体を前記酸化剤溶液から引き上げる工程を
    順次経て、前記誘電体酸化皮膜層上に前記導電性高分子
    層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記モノマー溶液に浸漬する際、前記陽極導出線を有す
    る面が少なくともモノマー溶液に浸漬されないことを特
    徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 陽極導出線を具備し、かつ、表面に導電
    性高分子層を有する誘電体酸化皮膜層を形成した弁作用
    金属からなる陽極体の前記陽極導出線を有する面を上面
    にして前記陽極体をモノマーを含むモノマー溶液に浸漬
    する工程と、前記陽極体を前記モノマー溶液から引き上
    げる工程と、酸化剤を含む酸化剤溶液に浸漬する工程
    と、前記陽極体を前記酸化剤溶液から引き上げる工程を
    順次経て、前記誘電体酸化皮膜層上に前記導電性高分子
    層を形成する固体電解コンデンサの製造方法において、
    モノマー溶液に浸漬する際、所定の浸漬位置まで1mm/
    sec以下の速度で浸漬することを特徴とする固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 モノマー溶液から引き上げた後、陽極体
    最外層にモノマー溶液を保持しないことを特徴とする請
    求項1または2記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 モノマー溶液から引き上げる際、陽極体
    が完全に前記モノマー溶液から引き上げられるまで1mm
    /sec以下の速度で引き上げることを特徴とする請求項
    3記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 モノマー溶液から陽極体を引き上げた
    後、前記陽極体の前記モノマー溶液に対する親和性より
    も低い親和性を有する多孔質体に陽極体を接触させ、前
    記陽極体最外層の付着溶液を取除く工程を有することを
    特徴とする請求項3記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 酸化剤溶液に浸漬する際、陽極導出線を
    有する面が少なくとも前記酸化剤溶液に浸漬されること
    を特徴とする請求項1または2記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化剤溶液に浸漬する際、所定の浸漬位
    置まで50mm/sec以上の速度で浸漬することを特徴と
    する請求項1または2記載の固体電解コンデンサの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 酸化剤溶液に浸漬する際、陽極体の下面
    より1/4まで1mm/sec以下の速度で浸漬した後、1m
    m/sec以上の速度で所定の浸漬位置まで浸漬することを
    特徴とする請求項1または2記載の固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 酸化剤溶液に浸漬する際、陽極体の下面
    より1/4まで1〜50mm/secの速度で浸漬した後、
    1sec未満その場で保持し、再度1mm/sec以上の速度で
    所定の浸漬位置まで浸漬することを特徴とする請求項1
    または2記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 陽極体を酸化剤溶液から引き上げた
    後、所定の時間保持する工程を順次経て、導電性高分子
    層を形成することを特徴とする請求項1から9のいずれ
    かに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 酸化剤溶液から引き上げる際、陽極体
    が完全に前記酸化剤溶液から引き上げられるまで50mm
    /sec以上の速度で引き上げることを特徴とする請求項
    10記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 陽極導出線を具備し、かつ、表面に導
    電性高分子層を有する誘電体酸化皮膜層を形成した弁作
    用金属からなる陽極体の前記陽極導出線を有する面を上
    面にして前記陽極体を酸化剤を含む酸化剤溶液に浸漬す
    る工程と、前記陽極体を前記酸化剤溶液から引き上げる
    工程と、モノマーを含むモノマー溶液に浸漬する工程
    と、前記陽極体を前記モノマー溶液から引き上げる工程
    を順次経て、前記誘電体酸化皮膜層上に前記導電性高分
    子層を形成する固体電解コンデンサの製造方法におい
    て、酸化剤溶液に浸漬する際、前記陽極導出線を有する
    面が少なくとも酸化剤溶液に浸漬されないことを特徴と
    する固体電解コンデンサの製造方法。
  13. 【請求項13】 陽極導出線を具備し、かつ、表面に導
    電性高分子層を有する誘電体酸化皮膜層を形成した弁作
    用金属からなる陽極体の前記陽極導出線を有する面を上
    面にして前記陽極体を酸化剤を含む酸化剤溶液に浸漬す
    る工程と、前記陽極体を前記酸化剤溶液から引き上げる
    工程と、モノマーを含むモノマー溶液に浸漬する工程
    と、前記陽極体を前記モノマー溶液から引き上げる工程
    を順次経て、前記誘電体酸化皮膜層上に前記導電性高分
    子層を形成する固体電解コンデンサの製造方法におい
    て、酸化剤溶液に浸漬する際、所定の浸漬位置まで1mm
    /sec以下の速度で浸漬することを特徴とする固体電解
    コンデンサの製造方法。
  14. 【請求項14】 酸化剤溶液から引き上げた後、陽極体
    最外層に前記酸化剤溶液を保持しないことを特徴とする
    請求項12または13記載の固体電解コンデンサの製造
    方法。
  15. 【請求項15】 酸化剤溶液から引き上げる際、陽極体
    が完全に前記酸化剤溶液から引き上げられるまで1mm/
    sec以下の速度で引き上げることを特徴とする請求項1
    4記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  16. 【請求項16】 酸化剤溶液から陽極体を引き上げた
    後、前記陽極体の前記酸化剤溶液に対する親和性よりも
    低い親和性を有する多孔質体に陽極体を接触させ、前記
    陽極体最外層の付着溶液を取除く工程を有することを特
    徴とする請求項14記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 モノマー溶液に浸漬する際、陽極導出
    線を有する面が少なくともモノマー溶液に浸漬されるこ
    とを特徴とする請求項12または13記載の固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  18. 【請求項18】 モノマー溶液に浸漬する際、所定の浸
    漬位置まで50mm/sec以上の速度で浸漬することを特
    徴とする請求項12または13記載の固体電解コンデン
    サの製造方法。
  19. 【請求項19】 モノマー溶液に浸漬する際、陽極体の
    下面より1/4まで1mm/sec以下の速度で浸漬した
    後、1mm/sec以上の速度で所定の浸漬位置まで浸漬す
    ることを特徴とする請求項12または13記載の固体電
    解コンデンサの製造方法。
  20. 【請求項20】 モノマー溶液に浸漬する際、陽極体の
    下面より1/4まで1〜50mm/secの速度で浸漬した
    後、1sec未満その場で保持し、再度1mm/sec以上の速
    度で所定の浸漬位置まで浸漬することを特徴とする請求
    項12または13記載の固体電解コンデンサの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 陽極体をモノマー溶液から引き上げた
    後、所定の時間保持する工程を順次経て、導電性高分子
    層を形成することを特徴とする請求項12から20のい
    ずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  22. 【請求項22】 モノマー溶液から引き上げる際、陽極
    体が完全に酸化剤溶液から引き上げられるまで50mm/
    sec以上の速度で引き上げることを特徴とする請求項2
    1記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  23. 【請求項23】 多孔質体が柔軟性材質または繊維材質
    からなることを特徴とする請求項5または16記載の固
    体電解コンデンサの製造方法。
  24. 【請求項24】 弁作用金属がタンタルまたはアルミニ
    ウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1から2
    3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項1から24のいずれかに記載の
    固体電解コンデンサの製造方法を用いて作製した固体電
    解コンデンサ。
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