JP2000100437A - 結着剤、積層体およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

結着剤、積層体およびそれを用いたリチウム二次電池

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JP2000100437A
JP2000100437A JP10270204A JP27020498A JP2000100437A JP 2000100437 A JP2000100437 A JP 2000100437A JP 10270204 A JP10270204 A JP 10270204A JP 27020498 A JP27020498 A JP 27020498A JP 2000100437 A JP2000100437 A JP 2000100437A
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carbon
plasticizer
carbon powder
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Hiroshi Ogawa
浩 小川
Shinichi Aoki
信一 青木
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Daicel Chemical Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウム二次電池において、金属製集電体と
炭素粉末含有層との密着性を改善し、充放電に対する耐
久性を向上させる。 【解決手段】 導電性薄膜(集電体)上に、リチウムイ
オンを吸蔵放出可能な炭素粉末と結着剤と可塑剤とを含
有する炭素含有層を積層し、リチウム二次電池の電極を
形成する導電性薄膜と炭素含有層との密着性を改善す
る。前記可塑剤としては、リン酸エステル系可塑剤、フ
タル酸エステル系可塑剤などが使用でき、結着剤として
は、セルロースエステル類(セルロースアセテートな
ど)が使用できる。可塑剤の割合は、結着剤100重量
部に対して1〜50重量部である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極材料としての
炭素粉末を結着するための改良された結着剤(電極用結
着剤又は結合剤)を用い、充放電に対する耐久性を向上
させるのに有用な積層体及びそれを電極として用いたリ
チウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、エネルギー密度が
高く、しかも水の分解電圧を考慮する必要がないため高
電圧化が可能であるなどの利点を有する。そのため、ニ
ッケルーカドミウム二次電池の代わりに、リチウム電池
が、二次電池の主流として、携帯端末、コードレス家庭
電気機器、ノート型パーソナルコンピューターなどのバ
ッテリーなどとして用いられている。
【0003】一方、リチウム二次電池の電極材料として
は、サイクル寿命の向上を図るべく、樹枝状の電析リチ
ウムの成長による内部短絡の虞のない炭素粉末、例え
ば、コークス、黒鉛、有機物の焼成体などのリチウムイ
オンを吸蔵及び放出可能な炭素粉末が提案されている。
このような炭素材を用いて電極を作製する場合、炭素粉
末と、結着剤としてのPVdF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等とを
有機溶液と混練してスラリー化し、電極集電体上に塗布
し、乾燥固化する方法が採られる。また、特開平7−1
92722号公報には、酢酸セルロースを炭素材の結着
剤として使用すると、充放電を繰り返した後の電池容量
の低下を改善できることが記載されている。
【0004】しかしながら、従来の結着剤は、炭素粉末
同士の結着性には優れているものの、高価である上に、
集電体(通常、銅製集電体が用いられる)との密着性が
劣る。そのため、電極の成型加工時の応力や充放電の繰
り返しにより集電体からの炭素粉末の脱落などの原因
で、電池容量が次第に低下し、充放電に対する耐久性が
十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、導電性薄膜との密着性に優れた結着剤、導電性薄膜
と炭素粉末含有層とが高い密着力で積層された積層体お
よびそれを用いたリチウム二次電池を提供することにあ
る。
【0006】本発明の他の目的は、さらに充放電サイク
ルに対する耐久性を改善できる結着剤、積層体およびそ
れを用いたリチウム二次電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、炭素粉末の結着剤に特定の可塑剤を添加するこ
とにより、導体(金属箔など)との密着性を改善でき、
成型加工時や充放電サイクルに対する耐久性を向上でき
ることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の結着剤は、導電性薄膜
(金属箔など)の上に、炭素粉末と結合して炭素含有層
を形成するための結着剤であって、この結着剤は可塑剤
を含有する。結着剤には、セルロースエステル類などが
含まれ、可塑剤には、リン酸エステル系可塑剤及び/又
はフタル酸エステル系可塑剤などが含まれる。可塑剤の
割合は、結着剤100重量部に対して1〜50重量部程
度の範囲から選択できる。
【0009】本発明の積層体は、導電性薄膜の少なくと
も一方の面に炭素含有層が積層された積層体であって、
炭素含有層が前記結着剤を含有する。この積層体は、リ
チウム二次電池の電極として有用である。すなわち、本
発明のリチウム二次電池は、正負電極のうち少なくとも
一方の電極が、導電性集電体と、この導電性集電体の少
なくとも一方の面に積層され、かつリチウムイオンを吸
蔵放出可能な炭素粉末と結着剤とを含有する炭素含有層
とで形成されたリチウム二次電池であって、前記電極が
前記積層体で形成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用する炭素粉末の種類
は特に制限されず、電極材として利用可能な種々の炭素
材が使用できる。炭素粉末としては、樹枝状の電析リチ
ウムの成長による内部短絡のおそれがなく、しかもリチ
ウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な炭素粉末が
望ましい。このような炭素粉末としては、例えば、コー
クス、グラファイト、カーボンブラックなどの炭素材、
有機物(ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリア
クリロニトリルなど)の焼成体などが例示できる。
【0011】炭素粉末の平均粒径は、例えば、0.1〜
200μm、好ましくは1〜100μm(例えば、2〜
80μm)程度の範囲から選択できる。
【0012】炭素粉末の結着剤(結合剤)としては、例
えば、フッ素系樹脂[PVdF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PC
TFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF
(ポリビニルフルオライド)、PFA(テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体)、PETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン
共重合体)など]、セルロース誘導体[セルロースエス
テル類(セルロースアセテート、セルロースプロピオネ
ート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプ
ロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースベンゾエート、セルロースフタレートなどの有機
酸エステル、リン酸セルロースなどの無機酸エステル、
ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテートな
ど)、糖類似体のエステル(アセチルグルコサミン、ア
セチルガラクトサミン、アセチルコリンなど)など]が
使用できる。これらの結着剤は単独で又は二種以上組合
せて使用できる。
【0013】好ましい結着剤は、少なくともセルロース
エステル類、特にセルロースアセテート類(セルロース
アセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セ
ルロースアセテートブチレートなど)を含んでおり、セ
ルロースアセテート類としては、セルロースアセテート
が好ましい。セルロースエステル類の粘度平均重合度
は、例えば、10〜1000、好ましくは50〜900 、さらに好
ましくは100 〜800 程度である。セルロースエステル類
の平均置換度は、例えば、1 〜3 程度、好ましくは1.5
〜3 程度である。セルロースアセテートの酢化度は、通
常、40〜63%程度の範囲から選択でき、セルロースジア
セテート、セルローストリアセテートを用いる場合が多
い。
【0014】このような可塑剤を含有する結着剤(バイ
ンダー)は、導電性薄膜(又はシート状導体)との密着
性を向上でき、炭素材を用いた電極(例えば、リチウム
電池、特にリチウム二次電池用電極)を形成するための
結着剤又は結合剤として有用である。
【0015】本発明の積層体は、導電性薄膜(金属箔な
ど)の上に炭素粉末を結着剤にて密着又は結合させた構
造を有しており、炭素粉末は、通常、結着剤と共に炭素
含有層を形成している。炭素粉末含有層が積層される導
電性薄膜(シート状又はプレート状導体)としては、電
池を形成した場合に集電体として作用するため電荷移動
が容易であり、かつ成型性の高い有機又は無機導体(集
電体)、特に導電性金属薄膜(銅箔、アルミニウム箔な
どの金属集電体)が望ましい。導電性薄膜の厚みは特に
制限されず、例えば、0.01〜1mm程度の範囲から
選択できる。
【0016】本発明では、結着剤へ可塑剤を添加するこ
とにより、導電性薄膜(導体)に対する炭素含有層の密
着性を改善する。可塑剤の添加により結着剤に柔軟性を
付与し、電極製造過程での電極に対する応力や、充放電
サイクルで生じるリチウムイオンの吸蓄や放出、および
温度変化による粉末含有層や導体の変形が生じたとして
も、応力を緩和し、炭素含有層と導体との剥離や脱落を
防止でき、密着性の低下を抑制するものと考えられる。
【0017】可塑剤の種類は、前記結着剤の種類に応じ
て、種々の可塑剤、例えば、リン酸系可塑剤、フタル酸
系可塑剤、脂肪酸系可塑剤(ジオクチルアジペート、ジ
オクチルアゼレート、ジオクチルセバケートなど)、エ
ポキシ系可塑剤(エポキシ化大豆油、アルキルエポキシ
ステアレートなど)、ポリエステル系可塑剤(脂肪族ポ
リエステルオリゴマーなど)、ショ糖脂肪酸エステル系
可塑剤(シュクロースアセテート、シュクロースブチレ
ート、シュクロースベンゾエートなど)などが使用でき
る。これらの可塑剤は単独で又は二種以上組合せて使用
できる。
【0018】好ましい可塑剤は、通常、セルロース誘導
体(特にセルロースアセテート類)の成型に使用される
可塑剤である。このような可塑剤は、下記式(1)又は
下記式(2)で表される。
【0019】
【化1】
【0020】(式中、R1 〜R3 は、同一又は異なっ
て、アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基
を示し、R4 およびR5 は、同一又は異なって、アルキ
ル基を示す)前記式(1)(2)において、アルキル基
としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブ
チル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシ
ル基などの炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキ
ル基が例示できる。アリール基としては、フェニル、ナ
フチル基などの炭素数6〜16程度のアリール基が例示
できる。アリール基は、1又は複数の種々の置換基、例
えば、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキ
シル、ノニル、デシル基などの炭素数1〜20程度のア
ルキル基)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブト
キシ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキ
シ、ノニルオキシ基などの炭素数1〜20程度の直鎖状
又は分岐鎖アルコキシ基)、ハロゲン原子(塩素、臭素
原子など)などを有していてもよい。置換基を有するア
リール基としては、例えば、メチルフェニル、ジメチル
フェニル、エチルフェニル、t−ブチルフェニル、オク
チルフェニル、ノニルフェニル基などのアルキルフェニ
ル基、メトキシフェニル基などのアルコキシフェニル基
などが例示できる。
【0021】式(1)で表されるリン酸エステル系可塑
剤としては、例えば、アリールホスフェート[TPP
(トリフェニルホスフェート)、トリクレジルホスフェ
ート、トリキシリルホスフェート、ジフェニルクレジル
ホスフェートなど]、アルキルホスフェート[トリメチ
ルホスフェート、TEP(トリエチルホスフェート)、
トリブチルホスフェート、トリ2−エチルヘキシルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、トリラウリルホ
スフェート、トリイソデシルホスフェートなど]、アル
キルアリールホスフェート[フェニルジエチルホスフェ
ート、フェニルジブチルホスフェート、フェニルジオク
チルホスフェート、ジフェニルエチルホスフェート、ジ
フェニルブチルホスフェート、ジフェニルオクチルホス
フェートなど]などが例示できる。
【0022】式(2)で表されるフタル酸エステル系可
塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、DEP
(ジエチルフタレート)、DBP(ジブチルフタレー
ト)、DHP(ジヘプチルフタレート)、ジヘキシルフ
タレート、DOP(ジオクチルフタレート)、ジ2−エ
チルヘキシルフタレート、ブチルラウリルフタレート、
ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレートなど
が例示できる。
【0023】結着剤は、さらに、種々の添加剤、例え
ば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、アルカリ土類
金属化合物などの熱安定剤など)、難燃剤、帯電防止
剤、接着向上剤(カップリング剤など)、架橋剤などを
含有してもよい。
【0024】可塑剤は、結着剤100重量部に対して1
〜50重量部、好ましくは2〜30重量部、さらに好ま
しくは5〜20重量部程度の割合で含有させることがで
きる。可塑剤の含有量が少な過ぎると、導体に対する密
着性が低減し、多すぎると可塑剤が電解液へブリードア
ウトする可能性があるので望ましくない。また、結着剤
の割合は、炭素粉末100重量部に対して、0.1〜1
0重量部、好ましくは1〜8重量部、さらに好ましくは
2〜8重量部程度である。結着剤の量が少な過ぎると炭
素粉末同士の結着力及び集電体との密着力が低下し、多
過ぎると炭素粉末量の減少に起因する充放電容量の低
下、及び充放電サイクルに対する耐久性の低下が生じや
すくなる。
【0025】導電性薄膜(面状導体)の少なくとも一方
の面に炭素含有層を形成すればよく、通常、導体の両面
に炭素含有層を形成できる。各炭素含有層の厚みは特に
制限されず、例えば、1〜300μm、好ましくは5〜
200μm程度の範囲から選択でき,通常、5〜180
μm程度である。
【0026】導電性薄膜(面状導体)と炭素含有層との
積層体は、慣用の方法、例えば、炭素粉末と結着剤と可
塑剤とを含む塗布剤(例えば、有機溶媒含有塗布剤)を
調製し、この塗布剤を導体上に塗布し、乾燥することに
より得ることができる。前記塗布剤は、有機溶剤、結着
剤および可塑剤を混合し、炭素粉末を加えて混練して炭
素粉末を分散させることにより調製できる。なお、導電
性薄膜の表面には、洗浄処理、表面処理(酸処理など)
などを施してもよい。
【0027】このような積層体は、電池(特にリチウム
二次電池)の電極(例えば、負極)として有用である。
このリチウム二次電池は、正負電極のうち少なくとも一
方の電極が、リチウムイオンを吸蔵放出することが可能
な炭素粉末を結着剤により金属製集電体に密着させた電
極で形成されている。
【0028】図1はリチウム二次電池の一例を示す概略
断面図である。この電池は、互いに対向する正極1及び
負極2、これらの両電極間に介在して離間するためのセ
パレータ3、負極2に接続された負極リード4、正極1
に接続された正極リード5、正極外部端子6、および負
極外部端子7などを備えている。前記正極1及び負極2
は、非水系電解液が注入又は含浸されたセパレータ3を
介して、螺旋状(又は渦巻き状)に巻き取られた状態で
ケース内に収容されている。正極1は正極リード5を介
して正極外部端子6に接続され、また負極2は負極リー
ド4を介して負極外部端子7に接続されており、電池内
部で生じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部
へ取り出し可能である。
【0029】本発明の積層体は前記正極および負極のう
ち少なくとも一方の電極として利用できる。前記積層体
を正極として利用する場合、対極の負極活物質として
は、Li金属、金属カルコゲン化合物などが使用でき、
積層体を負極として利用する場合、対極の正極活物質と
しては、金属酸化物(LiCoO2 ,LiNiO2 ,L
iMnO2 ,LiMn2 4 など),層状構造を有する
金属カルコゲン化合物,導電性高分子などが利用でき
る。なお、正極などの電極は、前記導体(導電性金属薄
膜など)に限らず、導電剤(黒鉛、フッ化黒鉛、アセチ
レンブラック、二酸化マンガンなど)と活物質と結着剤
とを含有する組成物を成形したり、前記導体上に前記組
成物を塗布することにより形成してもよい。
【0030】電解質としては、通常、リチウム塩、例え
ば、LiBF4 、LiClF4 、LiPF6 、LiCl
4 などが使用でき、電解液の非プロトン性溶媒として
は、例えば、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルオキ
ソランなどが使用できる。セパレータとしては、イオン
透過性膜、例えば、ポリプロピレン製微多孔膜などのオ
レフィン系多孔質膜などが利用できる。
【0031】 本発明の電池の形状やサイズは特に制限さ
れず、例えば、円筒形、扁平型、角型、ボタン型などの
種々の形状の非水系電池に適用できる。
【0032】
【発明の効果】本発明では、可塑剤を含む結着剤を用い
るので、成型加工時の応力に強く、充放電を繰り返し行
っても、炭素粉末含有層と集電体との密着性が低下した
り、炭素粉末が集電体から脱落するのを防止でき、充放
電の繰り返しに対する耐久性を向上できる。そのため、
長期間に亘り安定した電池特性を維持できる。
【0033】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限
定されるものではない。
【0034】実施例1 [炭素粉末含有層を有する積層体の作製]酢酸セルロー
ス(酸化度61%)3.5重量部および可塑剤としての
トリフェニルホスフェート0.35重量部を、N−メチ
ルピロリドン136.5重量部と混合し、可塑剤を含む
結着剤の溶液を調製した。この溶液に、黒鉛粉末(結晶
構造:d002 =0.335nm;Lc>100nm)6
6.5重量部を加えて混練してスラリーを調製し、この
溶液をドクターブレード法で銅箔(厚み約35μm)の
両面に塗付し、150℃で2時間真空乾燥することによ
り、各炭素粉末含有層(厚み約100μm)が積層され
た積層体を得た。
【0035】比較例1 炭素粉末含有層を有する積層体の作製において、可塑剤
を使用することなく、実施例1と同様にして積層体を作
製した。
【0036】[積層体の密着性評価]実施例1および比
較例1で得られた積層体について、JIS K 5400
に準じて炭素粉末含有層と金属箔との密着性を、下記の
碁盤目法で評価した。
【0037】碁盤目法:試験片に縦横1mm間隔に、新
しい刃先のカッターナイフで金属箔に達する深さの碁盤
目状の切り傷を付け、炭素粉末含有層の付着状態を目視
により以下の評価点を基準として評価した。
【0038】10点:切り傷が細くて両側が滑らかであ
り、切れ傷の交点、碁盤目の正方形の目に剥れがない 8点:切り傷の交点に僅かな剥れがあり、碁盤目の正方
形の1目1目には剥れがなく、欠損部の面積は碁盤目の
全正方形面積の5%以下である 6点:切り傷の両側と交点に剥れがあり、欠損部の面積
は碁盤目の全正方形面積の5〜15%である 4点:切り傷による剥れの幅が広く、欠損部の面積は碁
盤目の全正方形面積の15〜35%である 2点:切り傷による剥れの幅が上記「4点」の評価より
もひろく、欠損部の面積は碁盤目の全正方形面積の35
〜65%である 0点:剥れ部分の面積は、碁盤目の全正方形面積の65
%以上であるまた、炭素粉末含有層と金属箔との密着強
度を、次のようにして測定した。
【0039】メンディングテープ(住友スリーエム
(株)製)を炭素粉末含有層の表面に貼付けた後、レオ
メーター(不動工業(株)製)を用いて、鉛直方向へテ
ープを引っ張り、炭素粉末含有層が金属箔との界面で剥
離するときの引張り強度を測定した。
【0040】結果を表1に示す。表1に示される通り、
本発明の積層体は、比較例と比較して、高い密着強度を
有している。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 [正極の作製]正極活物質としてのLiCoO2 90重
量部と、導電剤としての人造黒鉛5重量部と、結着剤と
してのポリフッ化ビニリデン5重量部を含有する5重量
%N−メチルピロリドン溶液とを混練してスラリーを調
製し、このスラリーを正極集電体としてのアルミニウム
箔の両面に、ドクターブレード法により塗付し、150
℃で2時間真空乾燥することにより、正極を作製した。
【0043】[負極の作製]実施例1で作製した積層体
を負極として使用した。
【0044】[電解液の調製]エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等量(容量比1:1)の混合
液にLiPF6 を溶解し、1モル/リットルの電解液を
作製した。
【0045】[電池の組立]これらの正負両極及び電解
液を用いて、図1に示す構造を有するAAサイズ(単3
型)の電池を組み立てた。なお、セパレータとしてイオ
ン透過性のポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。
【0046】比較例2 比較例1の積層体を負極として用いる以外は実施例2と
同様にして電池を組立てた。
【0047】[各電池の充放電サイクルに対する耐久
性]実施例2及び比較例2の電池について、200mA
で4.2Vまで充電した後、200mAで放電終止電圧
2.75Vまで放電する工程を1サイクルとする充放電
サイクル試験を行い、各電池の充放電サイクル特性を調
べた。表2に各電池の1サイクル目の放電容量及び50
0サイクル目の放電容量を示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2に示すように、本発明の電池は、比較
例の電池に比べ、充放電サイクルの進行に伴う放電容量
の低下が小さい。このことは、可塑剤を結着剤に添加す
ることにより、炭素粉末含有層と金属箔との密着性が向
上し、充放電サイクルの進行に伴う炭素粉末含有層の銅
製集電体からの脱落を防止できたためと推定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例で作製した電池を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…正極 2…負極 3…セパレータ 4…負極リード 5…正極リード 6…正極外部端子 7…負極外部端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 Z // B32B 7/02 104 B32B 7/02 104 Fターム(参考) 4F100 AA37B AB17 AB33 AH01B AH02B AJ06B AS00B BA02 CA04B DE01B GB41 JG01A JK06 JL00 JM02A YY00B 4J038 BA012 BA041 BA051 BA202 CD091 CD101 CD111 CD121 DD082 DD152 HA026 JA59 JA61 JC24 KA10 KA20 NA20 PB09 PC01 5H029 AJ11 AK03 AK05 AK06 AK07 AK16 AL04 AL06 AL07 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ12 CJ08 DJ07 DJ08 EJ11 HJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性薄膜上に、炭素粉末と結合して炭
    素含有層を形成するための結着剤であって、可塑剤を含
    有することを特徴とする結着剤。
  2. 【請求項2】 結着剤がセルロースエステル類であり、
    可塑剤がリン酸エステル系可塑剤およびフタル酸エステ
    ル系可塑剤から選択された少なくとも一種である請求項
    1記載の結着剤。
  3. 【請求項3】 結着剤がセルロースアセテート類である
    請求項2記載の結着剤。
  4. 【請求項4】 結着剤100重量部に対して可塑剤1〜
    50重量部を含む請求項1記載の結着剤。
  5. 【請求項5】 導電性薄膜の少なくとも一方の面に炭素
    含有層が積層された積層体であって、炭素含有層が請求
    項1ないし請求項4のいずれかの項に記載の結着剤を含
    有する積層体。
  6. 【請求項6】 正負電極のうち少なくとも一方の電極
    が、導電性集電体と、この導電性集電体の少なくとも一
    方の面に積層され、かつリチウムイオンを吸蔵放出可能
    な炭素粉末と結着剤とを含有する炭素含有層とで形成さ
    れたリチウム二次電池であって、前記電極が請求項5記
    載の積層体で形成されているリチウム二次電池。
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