JP2000098355A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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JP2000098355A
JP2000098355A JP10271221A JP27122198A JP2000098355A JP 2000098355 A JP2000098355 A JP 2000098355A JP 10271221 A JP10271221 A JP 10271221A JP 27122198 A JP27122198 A JP 27122198A JP 2000098355 A JP2000098355 A JP 2000098355A
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liquid crystal
polymer
crystal display
array substrate
light
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JP10271221A
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English (en)
Inventor
Seiji Nishiyama
誠司 西山
Kenji Nakao
健次 中尾
Hiroshi Kubota
浩史 久保田
Tsuyoshi Kamimura
強 上村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光部の直下に位置する高分子前駆体を充分
に重合させて表示ムラの発生を防ぎ、更に、RGBの色
再現性の均一性向上を図り、しかも、反射画素電極とコ
ンタクトホール内の中継電極との接合部での散乱による
コントラスト低下の改善を図るようにした液晶表示素子
及びその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 反射画素電極5が形成されたアレイ基板
2と、遮光部7が形成された対向基板3との間に、高分
子と液晶とからなる高分子分散型液晶層4が挟持されて
いる。高分子分散型液晶層4は、対向基板側3から紫外
線を照射し、その後にアレイ基板2側から紫外線を照射
し、前記基板間に配置された液晶材料と高分子前駆体を
含む混合溶液のうちの高分子前駆体を重合させて液晶と
高分子を相分離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報携帯端末、携
帯電話、ゲーム機、テレビ、モニターなどに用いる液晶
表示素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の情報機器の小型化にともない、軽
量化および低消費電力化が望まれている。軽量化及び低
消費電力化達成のため、液晶表示素子では、とりわけバ
ックライトを用いない反射型液晶表示素子の研究が精力
的に進められている。
【0003】このような要請に基づき、近年、高分子分
散型液晶を使用し、且つ、薄膜トランジスタ(thin-fil
m transistor :TFT)アレイ基板上に反射画素電極を設
け、対向基板にカラーフィルタを設けた構造の液晶表示
素子が提案されている。しかしながら、このような液晶
表示素子では、以下の課題がある。
【0004】(1)第1の課題 上記液晶表示素子を、通常の製造プロセスで製造した場
合には、以下の問題が生じる。即ち、高分子分散型液晶
を使用するので、製造時には、高分子前駆体を光重合す
るための紫外線照射工程を必要とする。この紫外線照射
に際して、反射画素電極が紫外線を遮光するために、T
FTアレイ基板側から照射することができない。このた
め、対向基板側から紫外線を照射する必要がある。とこ
ろが、図11に示すように、RGBカラーフィルタ60
の外側周辺部に、枠状の遮光部(通常、額縁と称されて
いる。)61が形成されている。この遮光部61は、表
示の浮きを防ぎ、良好な表示を得るためには、必要不可
欠な構造である。従って、対向基板側から紫外線を照射
すると、この遮光部61の存在により、遮光部61の直
下に位置する高分子前駆体が未重合のまま存在すること
になる。そして、長期の保存の際には、この未重合物が
図11に示すようにカラーフィルタ60に浸み出し、散
乱性の低い浸み出し部62が形成される。この浸み出し
部62により表示ムラが生じ、パネルの面内均一性を損
ねるという課題を有していた。
【0005】また、薄膜トランジスタ(TFT)アレイ
がa−Si(アモルファスシリコン)TFTからp−S
i(ポリシリコン)TFTに移行するにしたがって、ア
レイ内部にドライバ回路が内蔵された構造のものが多く
なってきている。そして、このような内蔵ドライバ回路
は、遮光部61の直下に配置されている。なぜなら、入
射光によるTFTの特性変化による誤動作を防ぐためで
ある。そのため、遮光部61の幅が、内蔵ドライバ回路
がない場合に比べて、大きくなる傾向にあり、上記課題
解決の重要性は増しつつある。
【0006】(2)第2の課題 従来の反射板外付方式(表示パネル外部に反射板を貼り
付ける方式)の液晶表示素子では、製造に際して、アレ
イ基板裏面側から照射していた。そのため、各画素へ照
射される紫外線の照射強度が均一であり、R(赤色)G
(緑色)B(青色)各画素毎の粒径は均一となってい
た。しかし、高分子分散型液晶での散乱現象は、図13
に示すように波長依存性を有し、色毎での散乱性の違い
が発生する。粒径が均一であれば、図12に示すように
一般には赤は散乱が弱い。従って、RGB各画素毎の粒
径が均一であると、散乱性が不均一となる(特開平8−
184815号公報参照)。カラーフィルタ側から紫外
線を照射する場合でも、粒径がほぼ同一であれば、同様
な問題は発生していた。
【0007】以上の問題に鑑み、RGB各画素毎に紫外
線の照射強度を変えることで、粒径調整を行っていた例
もある(特開平8−129163号公報参照)。即ち、
この従来例では、RGBの粒径をR<G<Bの順番にな
るように粒径調整を行い、各画素での散乱特性のバラン
スを取っていた。しかしながら、この従来例では、紫外
線照射はアレイ基板側からRGBの3回に分けて行って
いるので、Rの画素部を重合・相分離する際には、他の
GBの画素部をマスキングする必要がある。すなわち、
RGB各々につき、マスキングし、しかる後に紫外線を
照射するプロセスを3回繰り返す必要がある。さらに
は、アレイが高精細化するにつれて、RGB各画素毎の
粒径調整が困難になる。また、マスキングを行っても、
紫外線の漏れ光が隣の画素部の重合・相分離を促進する
可能性もあり、色再現性を損なう可能性もある。
【0008】(3)第3の課題 図13は、従来の平坦膜を備えたアクティブマトリクス
素子付反射型液晶表示素子70の一部断面図である。反
射画素電極72をパネル内面に形成するためには、以下
の工程を経る。第1にガラス基板73上にTFT〔もし
くは薄膜ダイオード(thin-film diode :TFD) 〕74を
形成し、それぞれの素子同士に必要な配線を行う工程。
第2にそれぞれのTFT74上にアクリル化合物などに
よる平坦化膜75を基板に成膜する工程。第3にTFT
74との接合点を形成するためのコンタクトホール76
の形成およびAlなどの金属を成膜し反射画素電極72
を形成する工程である。
【0009】以上の工程を経た基板構成での問題につい
て、図14を用いて説明する。図14(a)は反射画素
電極72とコンタクトホール76内の中継電極77との
接合部80の断面図である。図で示すとおり、反射画素
電極72と中継電極77の接合部80は窪んだ構造にな
っている。このことにより、以下の課題が生じる。即
ち、高分子分散型液晶では、図14(b)のように電圧
無印加時では、高分子分散型液晶層81に入射した外光
は液晶層81での散乱により、観測者には白表示に見え
る。また、電圧印加時では、図14(c)に示すよう
に、高分子分散型液晶層81の液晶82が電圧印加方向
に配向するため、透過状態となる。この状態では、外光
は反射画素電極72まで達し、入射角と同じ角度で反射
する。このため、観測者には黒表示にみえる。ところ
が、接合部80が窪んでいるため、入射角の一部が正反
射し、観測者には少し明るい黒表示に見えてしまう。こ
のように、接合部80での正反射により、黒表示時にコ
ントラストが低下する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記課題を要約すれば
以下のとおりである。
【0011】(1)対向基板側から紫外線を照射しただ
けでは、遮光部61の直下に未重合部分が生じ、この未
重合部分がカラーフィルタ部に浸み出して浸み出し部6
2が形成される。この浸み出し部62に起因して表示ム
ラが生じ、信頼性が低下する。
【0012】(2)従来例のRGB各粒径の微調整方法
では、RGB各々につき、マスキングし、しかる後に紫
外線を照射するプロセスを3回繰り返す必要があるた
め、製造作業が面倒であり、作業性が悪い。また、アレ
イが高精細化するにつれて、RGB画素毎の粒径調整が
困難になる。更に、マスキングを行っても、紫外線の漏
れ光が隣の画素部の重合・相分離を促進する可能性もあ
り、色再現性を損なう可能性もある。
【0013】(3)反射画素電極72とコンタクトホー
ル内の中継電極77との接合部80が窪んだ構造になっ
ており、これに起因して黒表示時に入射角の一部が正反
射し、観測者には少し明るい黒表示に見えてしまい、コ
ントラストの低下を招いていた。
【0014】本発明は、上記課題に鑑み、遮光部の直下
に位置する高分子前駆体を充分に重合させて表示ムラの
発生を防ぎ、更に、RGBの色再現性の均一性向上を図
り、しかも、反射画素電極とコンタクトホール内の中継
電極との接合部での散乱によるコントラスト低下の改善
を図るようにした液晶表示素子及びその製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、対向基板側から紫外線を照射し、その後にア
レイ基板側から紫外線を照射し、基板間に配置された液
晶材料と高分子前駆体を含む混合溶液のうちの高分子前
駆体を重合させて液晶と高分子を相分離させることを特
徴とする。あるいは、前記高分子前駆体を重合させるた
め、対向基板側及びアレイ基板側の双方から同時に紫外
線を照射することを特徴とする。
【0016】上記構成により、アレイ基板側からの紫外
線照射により、遮光部の直下に位置する高分子前駆体が
充分に重合される。よって、未重合部分のない高分子分
散型液晶層が得られ、面内の均一性及び信頼性向上が図
られる。
【0017】なお、本発明は、反射型液晶表示素子のみ
ならず、透過型液晶表示素子にも好適に実施できる。例
えば、アレイ基板として、紫外線の透過率が低い基板を
用いる透過型液晶表示素子の場合には、アレイ基板側か
ら紫外線を照射すると、従来の技術の項で説明した反射
型液晶表示素子の場合と同様の課題(未重合部分による
浸み出しの発生)が発生する。よって、このような構成
の透過型液晶表示素子の場合に、本発明を適用すること
により、未重合部分のない高分子分散型液晶層が得ら
れ、面内の均一性及び信頼性向上が図られることにな
る。
【0018】また、本発明は、反射板が内付けされた、
いわゆる反射画像電極を備えた反射型液晶表示素子のみ
ならず、アレイ基板に吸収体を設けた吸収板方式の反射
型液晶表示素子についても適用できる。
【0019】なお、遮光部は、対向基板の周辺部に形成
された枠状の遮光部であってもよい。ここに枠状の遮光
部は、表示の浮きを防ぎ、良好な表示を得るために設け
られたものであり、一般的には額縁と称されている。
【0020】また、枠状の遮光部の幅は0.1mm以上
であることが望ましい。遮光部の幅が小さい場合には、
紫外線照射の際に、紫外線の回り込みにより遮光部の直
下に位置する高分子前駆体が充分に重合される。従っ
て、遮光部の幅が小さい場合には、対向基板側からの照
射のみで充分である。しかしながら、遮光部の幅は、製
造上は極端に小さくできず、通常は0.1mm以上必要
となる。一方、遮光部の幅が0.1mm以上であれば、
幅が大きいので未重合部分が生じる。よって、対向基板
側からの照射のみならず、アレイ基板側からの照射も必
要となる。
【0021】また本発明は、対向基板に赤色、緑色、青
色に対応するカラーフィルタが形成され、カラーフィル
タに対応するRGB各画素毎に液晶の粒径が、青色画
素、緑色画素、赤色画素の順で大きくなることを特徴と
する。また、同一の透過率を得るための駆動電圧値が青
色画素、緑色画素、赤色画素の順に低くなることを特徴
とする。
【0022】このように、RGB各画素毎に液晶の粒径
を異ならせるか、あるいは同一の透過率を得るための駆
動電圧値がRGB各画素毎に異ならせるようにすること
により、各色毎の散乱の不均一を防止でき、表示面全体
として均一な散乱性が得られ、表示特性が向上する。
【0023】ここで、液晶の粒径とは、高分子が液晶の
連続相の中に3次元網目状に広がる構造を有するPNL
C(Polymer Network Liquid Crystal) では、網目の間
隔を意味し、高分子マトリクス中に球形又は回転楕円体
形状の液晶滴が相互に独立して分散しているPDLC
(Polymer Dispersed Liquid Crystal) や、ネマテック
液晶をポリビニルアルコール等でマイクロカプセル化し
たNCAP(Nematic Curvilinear Aligned Phase)で
は、液晶滴の粒径を意味する。
【0024】また本発明は、アクティブマトリクス素子
を備えたアレイ基板上に、平坦化膜が形成され、この平
坦化膜上に反射画素電極が形成され、前記反射画素電極
と前記アクティブマトリクス素子とが、平坦化膜に形成
されたコンタクトホール内の中継電極を介して電気的に
接続された構造の液晶表示素子であって、前記反射画素
電極と前記中継電極との接合部が、窪んでおり、この窪
み部分に遮光部が形成されていることを特徴とする。ま
た、前記窪み部分を遮光するように対向基板上に遮光部
が形成されていることを特徴とする。
【0025】このように遮光部を設けることにより、窪
み部分に起因して黒表示時に入射角の一部が正反射する
ことが防がれる。よって、黒表示において、コントラス
トの低下を防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。
【0027】(実施の形態1)図1は実施の形態1に係
る反射型液晶表示素子の簡略化した断面図である。反射
型液晶表示素子1は、TFTや金属配線等が形成された
アレイ基板2と、アレイ基板2に対向して配置される対
向基板3と、アレイ基板2と対向基板3間に配置される
高分子分散型液晶層4とを有する。前記アレイ基板2に
は、その内側面にアルミニウム(Al)等から成る反射
画素電極5が形成されている。尚、図面の簡略化のた
め、反射画素電極5は1のみ描かれているが、実際はマ
トリクス状に複数配置されている。
【0028】また、前記対向基板3には、その内側面に
RGBカラーフィルタ6が形成されており、このカラー
フィルタ6の内側面には透明電極10が形成されてい
る。このカラーフィルタ6の外側周辺部には、図2に示
すように、枠状の遮光部7が形成されている。この遮光
部7は、表示の浮きを防ぎ、良好な表示を得るために設
けられたものであり、一般的には額縁と称されている。
この遮光部7は表示領域ではないため、遮光部7の下方
には前記反射画素電極5は存在していない。即ち、反射
画素電極5は、カラーフィルタ6に対向する領域(表示
領域に相当)にのみ配置されている。また、前記高分子
分散型液晶層4は、高分子8が液晶9の連続相の中に3
次元網目状に広がる構造を有するポリマーネットワーク
型の液晶(PNLC)層である。そして、高分子分散型
液晶層4のうち、カラーフィルタ6の下方に位置する領
域のみならず、遮光部7の下方に位置する領域において
も、高分子前駆体の重合が充分になされており、未重合
部分は存在していない。従って、本発明に係る液晶表示
素子1では、従来例のように未重合部分に起因した浸み
出し現象の発生が防止され、表示ムラのない表示が可能
となる。
【0029】図3は実施の形態1に係る反射型液晶表示
素子の製造方法を説明するための断面図である。反射型
液晶表示素子1は、以下の方法で製造した。
【0030】(1)空パネルの作製 ガラスから成るアレイ基板2にスイッチング素子として
TFTを形成した。次にAlを蒸着することにより反射
画素電極5をアレイ基板2に形成した。次いで、アレイ
基板2上に、絶縁膜として、SE−7229(商品名:
日産化学工業(株)製)をスピンナーで塗布後、80℃
で予備焼成を行い、その後、180℃で本焼成を行っ
た。本焼成後、樹脂スペーサを散布した。
【0031】一方、ガラスから成る対向基板3に、カラ
ーフィルタ6及び遮光部7を形成し、更にカラーフィル
タ6及び遮光部7を覆って透明電極10を形成する。こ
のような状態で対向基板3に、アレイ基板2と同様にS
E−7992を塗布し、その後、予備焼成、本焼成を行
った。本焼成後、対向基板3について、液晶材料を封入
するためのメインシール部15を形成した。この際、シ
ール剤としては熱硬化性樹脂であるストラクトボンドX
N−21−S(商品名:三井化学工業(株)製)を用い
た。メインシール剤を85℃で予備焼成した後、アレイ
基板2を対向基板3と貼り合わせた。このとき、基板間
の間隙がほぼ5μmとなるようにした。さらに一定の圧
力で押圧しながら、150℃で120分メインシール剤
の本焼成を行った。こうして、空パネルを作製した。
【0032】(2)高分子分散型液晶材料の注入 次に、上記空パネル内に、光重合性高分子前駆体と液晶
からなる混合溶液(以下、高分子分散型液晶材料と称す
る。)を、真空注入により注入した。なお、高分子分散
型液晶材料としては、ポリマーネットワーク材料PNM
−201(大日本インキ化学工業(株)製)を用いた。
【0033】(3)紫外線照射工程 次いで、PNM−201中の液晶と高分子とを相分離す
るため、図3(a)に示すように、超高圧水銀灯17に
よる紫外線照射を対向基板3上方から行った。このと
き、超高圧水銀灯17からの赤外線によるパネルの発熱
を抑えるため、IRカットフィルタを照射面全面に挿入
した。また、液晶材料等の劣化をふせぐために、重合に
関係しない低波長域の光をカットするカットフィルタを
挿入した。このような状態で、紫外線照射を対向基板3
側からのみ行うと、対向基板3には遮光部7があるた
め、この部位の高分子前駆体は一部未重合物19として
残ってしまう。このまま、放置しておくと、散乱性の低
い浸み出し部を形成し、面内均一性を損なう。そこで、
未重合物19による浸み出しを防ぐため、さらに図3
(b)に示すように、アレイ基板2裏面側から紫外線を
照射する工程を行った。本実施の形態においては、未重
合物19のある部位には反射画素電極5を形成しなかっ
たため、アレイ基板2裏面側からの照射によって、未重
合物19は重合・相分離し、高分子分散型液晶層4が形
成された。
【0034】アレイ基板2裏面側からの再度の紫外線照
射により、未重合物109は重合・相分離し、カラーフ
ィルタ6への浸み出しは観察されなかった。
【0035】このように、対向基板3側からの紫外線照
射の後、再度アレイ基板2裏面側から紫外線を照射する
ことにより、面内の均一性及び信頼性が向上した。
【0036】なお、遮光部7は紫外線が照射されると、
加熱される。加熱による温度上昇により未重合物は重合
しにくくなる。このため紫外線を照射する際には、恒温
水槽などの冷却・恒温装置を用いて温度を一定に保っ
た。このように、冷却することは未重合物19の低減に
効果がある。
【0037】本発明者の実験結果によれば、対向基板側
からのみ紫外線照射を行った場合、遮光部7の幅d(図
2参照)が50μm以下であれば、浸み出し部はほとん
ど発生せず、面内の均一性には影響を与えなかった。こ
れは、50μm以下であれば、遮光部7の直下に位置す
る高分子前駆体に紫外線が回り込んで照射され、高分子
前駆体の重合が進行するからである。幅dが0.1mm
以上であれば、浸み出し部が僅かに発生した。また、
0.5mm以上では、大量に浸み出し部が発生した。従
って、遮光部7の幅dが0.5mm以上では、本実施の
形態に係る2段階の紫外線照射を行うことが必須であ
り、幅dが0.1mm以上の場合であっても2段階の紫
外線照射を行うことが望ましい。
【0038】また、上記本実施の形態に係る方法により
作製した液晶表示素子につき電界を印加すると、表示ム
ラのない均一な表示が得られた。
【0039】なお、本実施の形態では、第1の紫外線照
射は対向基板側から行っていたが、仮にアレイ基板側か
らの照射を先にした場合は、反射画素電極で完全に紫外
線をカットできず、一部紫外線が高分子分散型液晶材料
に照射される。これにより、高分子分散型液晶材料のう
ちの高分子前駆体の重合が若干進行する。そして、高分
子前駆体の重合が若干進行することにより、液晶の粒径
の大きさが確定してしまい、その後に対向基板側から紫
外線を照射しても粒径が大きくならないという現象が生
じる。従って、アレイ基板側を先に照射すると、希望す
る粒径の液晶が得られないという問題が発生するため、
対向基板側から先に紫外線を照射することが必要であ
る。
【0040】(実施の形態2)図4は実施の形態2に係
る液晶表示素子の製造方法を説明するための断面図であ
る。本実施の形態2に係る液晶表示素子1Aは、実施の
形態1の液晶表示素子1と同様の構成を有し、対応する
部分には同一の参照符号を付す。反射型液晶表示素子1
Aは、以下の方法で製造した。
【0041】先ず、実施の形態1における製造方法と同
様な方法により、空パネルを作製し、次いで、高分子分
散型液晶材料を注入した。そして、紫外線照射工程で
は、実施の形態1とは異なり、アレイ基板2側と対向基
板3側とから同時に紫外線を照射した。このように、本
実施の形態2の特徴は、実施の形態1では2回に分けて
紫外線照射プロセスを行っていたのを、液晶表示パネル
の上方及び下方から同時に紫外線照射する点にある。
【0042】対向基板3上方から照射された紫外線は、
高分子分散型液晶材料(PNM−201)のうち遮光部
7下方に位置する領域以外の領域を重合する。一方、ア
レイ基板2下方から照射された紫外線は、全領域の高分
子分散型液晶材料を重合する。従って、遮光部7下方に
位置する領域の高分子分散型液晶材料も重合する。この
結果、液晶表示素子全体としては、未重合部分がなく、
面内が均一な高分子分散型液晶層4が形成される。こう
して、作製した液晶表示素子に電界を印加すると、表示
ムラのない均一な表示が得られた。なお、本実施の形態
では、対向基板とアレイ基板の両方から同時に紫外線照
射を行うので、実施の形態1に比べて、製造工程を1工
程省略することができ、作業性を向上することができ
る。
【0043】(実施の形態3)図5は実施の形態3に係
る液晶表示素子の製造方法を説明するための断面図であ
る。上記実施の形態2では、液晶表示素子の上下を挟み
込むように超高圧水銀灯17を配置したけれども、本実
施の形態3では図5に示すように、対向基板3側に超高
圧水銀灯17を配置し、アレイ基板2側には超高圧水銀
灯17に代えて、反射板20及び導光体21を配置し
た。導光体21は、例えば、ガラス製恒温水槽などであ
る。導光体21はある程度厚みを有し、本実施の形態で
は3cmとした。なお、導光体21は、ガラス製恒温水
槽に代えて、石英基板などの紫外線透過率の高いもので
あれば、特に限定はしない。
【0044】このような超高圧水銀灯17、反射板20
及び導光体21により、超高圧水銀灯17からの紫外線
のうちの漏れ光を導光体21で集め、反射板20からの
反射紫外光を遮光部7下方に存在する高分子分散型液晶
材料(PNM−201)に照射し、重合・相分離させる
ことができる。このように、反射板20及び導光体21
の組合せによっても、均一な高分子分散型液晶層を形成
できた。こうして、作製した液晶表示素子に電界を印加
すると、表示ムラのない均一な表示が得られた。
【0045】なお、上記の例において、導光体21がア
レイ基板2と接触するように配置されていたが、これは
導光体21とアレイ基板2との間に隙間があると、界面
反射してアレイ基板2へ反射光を導くことができなくな
るからである。導光体21とアレイ基板2間に隙間を設
ける場合には、導光体21とアレイ基板2との光学的結
合がとれる例えばエチレングリコール等を、上記隙間に
充填するようにすればよい。また、本実施の形態では、
対向基板とアレイ基板の両方から同時に紫外線照射を行
うので、実施の形態1に比べて、製造工程を1工程省略
することができ、作業性を向上することができる。
【0046】上記実施の形態1〜3では、反射板が内付
けされた、いわゆる反射画像電極を備えた反射型液晶表
示素子について説明したけれども、本発明はこれに限定
されるものではなく、アレイ基板に吸収体を設けた吸収
板方式の反射型液晶表示素子についても適用できる。
【0047】また、上記本実施の形態1〜3では、反射
型液晶表示素子について説明したけれども、本発明はこ
れに限定されるものではなく、透過型液晶表示素子にも
好適に実施できる。例えば、アレイ基板として、紫外線
の透過率が低い基板を用いる透過型液晶表示素子の場合
には、アレイ基板側から紫外線を照射すると、反射型液
晶表示素子の場合と同様の課題(未重合部分による浸み
出しの発生)が発生する。よって、このような構成の透
過型液晶表示素子の場合に本発明を適用することによ
り、未重合部分のない高分子分散型液晶層が得られ、面
内の均一性及び信頼性向上が図られることになる。
【0048】(比較例1)実施の形態1および2に記述
したパネル構成の液晶表示素子に、高分子分散型液晶材
料(PNM−201)を真空注入法により充填・封入す
る。対向基板側から紫外線を照射したのみでしばらく放
置しておくと、図12のようにカラーフィルタの周辺部
の遮光部61近傍から散乱状態が変化し、散乱性の悪い
部分が浸み出し部62として、徐々に広がりはじめた。
【0049】(実施の形態4)図6は実施の形態4の反
射型液晶表示素子の一部断面図である。本実施の形態4
に係る反射型液晶表示素子1Bは、基本的には実施の形
態1の液晶表示素子1と同様な構成を有し、対応する部
分には同一の参照符号を付す。この液晶表示素子1Bで
は、高分子分散型液晶層4のうちのカラーフィルタ6A
のR,G,Bに対応する領域での液晶9R,9G,9B
の粒径rR,rG,rB が、rB <rG <rR となってい
る。ここで、液晶の粒径とは、本実施の形態のように高
分子が液晶の連続相の中に3次元網目状に広がる構造を
有するPNLCでは、網目の間隔を意味し、高分子マト
リクス中に球形又は回転楕円体形状の液晶滴が相互に独
立して分散しているPDLCやNCAPでは、液晶滴の
粒径を意味する。
【0050】このように液晶の粒径を設定することによ
り、散乱の均一化を図ることができる。なぜなら、従来
の技術の項において述べたように、高分子分散型液晶の
散乱強度は波長に依存する。このため、従来の均一な粒
径ではRでの散乱が不充分となる(特開平7−3120
13号公報参照)。一方、図7に示すように、R,G,
Bの各粒径について、散乱を最大にする最適な粒径が存
在し、それよりも大きくても小さくても散乱は悪くなる
(特開平7−312013号公報参照)。そこで、Rを
最適な粒径に調整し、B、Gをこれよりも小さくするこ
とで散乱の均一化を図ったものである。なお、R画素、
G画素及びB画素で、1画素を構成する。
【0051】図8は実施の形態4に係る液晶表示素子の
製造方法を説明するための断面図である。反射型液晶表
示素子1Bは、以下の方法で製造した。即ち、実施の形
態1における製造方法と同様な(1)空パネルの作製工
程、(2)高分子分散型液晶材料(PNM−201)の
注入工程を行なう。次いで、図8に示すように対向基板
3側から超高圧水銀灯17による紫外線照射を行なっ
た。このとき、カラーフィルタ6Aを以下のように形成
しておいた。即ち、各R,G,Bでの紫外線での透過率
を、B>G>Rとなるようにカラーフィルタ6AのR,
G,Bを形成しておいた。この結果、紫外線が各R,
G,Bのカラーフィルタ6Aを通過することにより、R
GB各画素での粒径がそれぞれrB <rG <rR の順番
になるように紫外線を照射することができた。このよう
にカラーフィルタ6AのR,G,B毎の紫外線透過率を
変えることにより、R,G,Bの各粒径を微調整できる
のは、以下の理由による。カラーフィルタでは各R,
G,Bの色彩毎に紫外線の吸収がある。更に、紫外線強
度が強くなると、粒径が小さくなる。従って、R,G,
Bのカラーフィルタの紫外線透過率を調整することによ
り、各色毎に粒径調整を行うことができるからである。
【0052】こうして上記のカラーフィルタ6Aを用い
ることにより、1回の紫外線照射によりR,G,Bの粒
径がrB <rG <rR となった高分子分散型液晶層4を
有する反射型液晶表示素子1Bを作製できた。従って、
従来例(特開平8−129163号公報)のようにマス
クを使用し且つR,G,B毎に3回紫外線照射を行なう
場合に比べて、作業性が格段に向上した。
【0053】このようにして、作製された反射型液晶表
示素子1Bの特性につき、本発明者の実験結果によれ
ば、Bの紫外線透過率を大きくすると、最適な粒径より
小さくなり、結果としてRとのバランスが良くなった。
またRよりもBの粒径は0.1μm程度小さくなった。
RとBとの粒径の差が、0.05μmから2.0μmの
範囲であれば、表示の均一化の効果が見られた。0.0
5μm以下ではRでの散乱が足りず、2.0μ以上では
Bの散乱が不充分であった。
【0054】なお、従来例(特開平8−129163号
公報)では、B>G>Rの順に粒径調整を行うことによ
って、表示の均一化をめざしたものである。これに対し
て、本実施の形態では、B<G<Rの順になるように粒
径調整を行うことにより、表示の均一化を図った。この
ことは、図7に示す特性から明らかなように、R,G,
Bの各粒径について、散乱を最大にする最適な粒径が存
在し、しかも散乱強度が同一となる粒径が2つ存在して
いる。そして、従来例では、r'B>r'G>rRに微調整
し、本実施の形態ではrB <rG <rR に微調整したも
のである。ここで、r'Bは従来例のBの粒径であり、
r'BでのゲインとrB でのゲインとは同じである。ま
た、r'Gは従来例のGの粒径であり、r'Gでのゲインと
rG でのゲインとは同じである。よって、散乱特性の観
点からすれば、従来例の粒径微調整も本実施の形態の粒
径微調整も本質的には何等変わりがないものである。但
し、従来例と本実施の形態とを同一の散乱特性に設定す
る場合を想定すれば、図7に示すように従来例ではR,
G,B相互の粒径差が小さく、製造上の困難性がある。
これに対して、本実施の形態では、R,G,B相互の粒
径差が大きく、製造が容易である。また、Rの散乱性は
本来的に悪いので、従来例の順序ではRの色純度が低下
しがちとなる。一方、本実施の形態ではRを中心して粒
径を決めるので、コントラストを高くすることが容易と
なる。
【0055】なお、上記の例では、反射型液晶表示素子
について説明したけれども、本発明はこれに限るもので
はない。
【0056】(実施の形態5)実施の形態5に係る液晶
表示素子は、実施の形態4に係る液晶表示素子と同様な
構成を有する。但し、R,G,B各画素での同一透過率
に対する駆動電圧値が、図8に示すように、それぞれB
>G>Rの順番となっている点において、実施の形態4
と異なる。従って、製造に際して、複数色のカラーフィ
ルタの各色それぞれの紫外線透過率が、同一透過率を得
るための駆動電圧値が各色に対応する画素毎に異なるよ
うに予め設定しておく。これにより、紫外線がカラーフ
ィルタ上のR,G,Bを通過することにより、R,G,
B各画素での同一透過率に対する駆動電圧値がそれぞれ
B>G>Rの順番になるように、PNM−201の重合
・相分離が起った。この結果、各画素の粒径は、基本的
には実施の形態4と同じである。但し、実施の形態4が
散乱強度を等しくするように調整するのに対し、本実施
の形態5では電圧を調整していることに特徴がある。表
示の均一性は中間調表示の際の均一性が最も重要であ
る。そこで、散乱が基本的に高いBの駆動電圧をさげる
ことで、中間調での均一性を向上させた。このように、
駆動電圧をB>G>Rにすることにより、中間調での色
バランスとれた表示の均一化が効果として見られた。
【0057】(実施の形態6)図9は実施の形態6に係
る反射型液晶表示素子の一部断面図である。基本的には
実施の形態1と同じである。但し、本実施の形態6に係
る反射型液晶表示素子1Cでは、TFT29を備えたア
レイ基板2上に、平坦化膜30が形成され、この平坦化
膜30上に反射画素電極5が形成されている。前記反射
画素電極5と前記TFT29とは、平坦化膜30に形成
されたコンタクトホール31内の中継電極32を介して
電気的に接続されている。そして、前記反射画素電極5
と前記中継電極32との接合部が、窪んでおり、この窪
み部分33に遮光部34が形成されている。
【0058】ここで、本実施の形態での液晶表示素子の
動作原理を説明する。高分子分散型液晶では、予め、光
重合性高分子化合物と液晶分子との屈折率を、電圧印加
時には同じなり、電圧無印加時では異なるように設計し
ておく。電圧が無印加時では高分子化合物と液晶分子の
屈折率が異なるため、光は高分子分散型液晶層を通過す
る際には散乱する。次に電圧を印加すると、液晶分子と
高分子との屈折率が等しくなるため、光は高分子分散型
液晶層を直進できる。そして、外部からの直進光が反射
画素電極5に到達すると、本来ならば反射する。このた
め、正面から見た観測者には黒表示に見える。このよう
に、電圧の印加が透明、電圧除去で散乱の切替ができ
る。ところが、接合部が窪んだ構造をしていると、反射
光の一部が正面方向へ向かってしまう。この結果、黒表
示状態で明るくなり、コントラストの低下が起こること
を見出した。この課題を解決するため、本実施の形態で
は、中継電極32の上部を、樹脂製もしくはクロム化合
物からなる遮光部34により被覆した。
【0059】図9(b)に反射画素電極画素5の正面図
を示す。破線で示した部分が窪み部分33である。窪み
部分33を被覆するように、実線で示した遮光部34を
形成した。遮光部34は窪み部分33を充分に被覆し、
かつ可能な限り被覆範囲が小さいことが望ましい。
【0060】このようにして、遮光部34を形成するこ
とにより、窪み部分33への外光入射を遮光でき、コン
トラストの低下を改善できた。
【0061】なお、本実施の形態に係る液晶表示素子1
Cに電界を印加すると、表示ムラのない均一な表示が得
られた。また、カラー表示用のドライバー回路やコント
ロール回路などの外部駆動回路を接続して、コンピュー
タ画面やテレビ画面を表示し、コントラストを測定した
ところ、良好なコントラストが得られた。
【0062】(実施の形態7)図10は本実施の形態7
の反射型液晶表示素子の一部断面図である。本実施の形
態に係る反射型液晶表示素子1Dと、実施の形態6で説
明した液晶表示素子1Cとの異なる点は、実施の形態6
では反射画素電極5と中継電極32との接合点での正反
射をなくすのに反射画素電極5上に遮光部34を形成す
るのに対して、本実施の形態では対向基板3上に遮光部
34を形成し、上記接合部への入射光をなくしたことで
ある。即ち、窪み部分33が剥き出しの状態では正反射
のため、黒表示時が少し明るくなり、コントラストが低
下する。この課題を解決するため、本実施の形態では、
対向基板3にカラーフィルタ6を形成する際、TFT2
9と反射画素電極5とを接合している中継電極32の中
心を通る法線面内に、樹脂製もしくはクロム化合物から
なる遮光部34を形成した。
【0063】カラーフィルタ6の裏面図を図10(b)
に示す。カラーフィルタ6に遮光部34を形成しておく
と、窪み部分33への外光入射を遮ることができる。こ
の結果、黒表示時のコントラスト低下を改善できる。な
お、窪み部分33への入射光を遮光し得る充分な面積を
有し、かつ可能な限り被覆範囲が小さいことが望まし
い。
【0064】上記の構成を有する液晶表示素子1Dに電
界を印加すると、表示斑のない均一な表示が得られた。
また、カラー表示用のドライバー回路やコントロール回
路などの外部駆動回路を接続して、コンピュータ画面や
テレビ画面を表示し、コントラストを測定したところ、
良好なコントラストが得られた。
【0065】上記実施の形態1〜7では、高分子分散型
液晶として、ポリマーネットワーク型のものについて説
明したが、NCAPやPDLCについても同様の原理で
実施可能である。
【0066】また、上記実施の形態1〜7では、RGB
からなるカラーフィルタについて述べたが、シアン、マ
ゼンタ、イエローからなるカラーフィルタについても同
様の原理により、実施可能である。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下の効
果を奏する。
【0068】(1)対向基板側から紫外線を照射し、そ
の後にアレイ基板側から紫外線を照射するか、または対
向基板側及びアレイ基板側の双方から同時に紫外線を照
射することにより、未重合部分のない高分子分散型液晶
層が得られ、面内の均一性に優れ、信頼性の高い高分子
分散型液晶表示素子を実現できる。
【0069】(2)また、RGBに対応するカラーフィ
ルタの紫外線の透過率を調整し、カラーフィルタ上方か
ら紫外線照射することにより、RGB各画素の粒径もし
くは駆動電圧を調整し、散乱性のバランスを取ること
で、面内での色再現性が均一な高分子分散型液晶表示素
子を実現できる。
【0070】(3)さらに、反射画素電極とコンタクト
ホール内の中継電極との接合部の窪み部分に遮光部を形
成するか、又は窪み部分を覆うように対向基板に遮光部
を形成することにより、コントラストの良好な高分子分
散型液晶表示素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における反射型液晶表示
素子の簡略化した断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるカラーフィルタ
の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における反射型液晶表示
素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2における反射型液晶表示
素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3における反射型液晶表示
素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4における反射型液晶表示
素子の一部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態4におけるRGB各画素の
粒径とゲインとの関係を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態5におけるRGB各画素の
電圧とゲインとの関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態6における反射型液晶表示
素子の構成図である。
【図10】本発明の実施の形態7における反射型液晶表
示素子の構成図である。
【図11】従来の反射型液晶表示素子のカラーフィルタ
の平面図である。
【図12】RGB各画素の印加電圧と透過率との関係を
示す図である。
【図13】従来の反射型液晶表示素子の断面図である。
【図14】従来の反射型液晶表示素子の反射画素電極付
近の断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D:反射型液晶表示素子 2:アレイ基板 3:対向基板 4:高分子分散型液晶層 5:反射画素電極 6,6A:カラーフィルタ 7,34:遮光部 29:TFT 30:平坦化膜 31:コンタクトホール 32:中継電極 33:窪み部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 浩史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA04 KA08 QA16

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素電極が形成されたアレイ基板と、遮
    光部が形成された対向基板とを有し、アレイ基板と対向
    基板との間に、高分子と液晶とからなる高分子分散型液
    晶層が挟持された構造の液晶表示素子であって、 前記高分子分散型液晶層は、前記対向基板側から紫外線
    を照射し、その後にアレイ基板側から紫外線を照射し、
    前記基板間に配置された液晶材料と高分子前駆体を含む
    混合溶液のうちの高分子前駆体を重合させて液晶と高分
    子を相分離させて形成されたものであることを特徴とす
    る液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 画素電極が形成されたアレイ基板と、遮
    光部が形成された対向基板とを有し、アレイ基板と対向
    基板との間に、高分子と液晶とからなる高分子分散型液
    晶層が挟持された構造の液晶表示素子であって、 前記高分子分散型液晶層は、前記対向基板側及び前記ア
    レイ基板側の双方から同時に紫外線を照射し、前記基板
    間に配置された液晶材料と高分子前駆体を含む混合溶液
    のうちの高分子前駆体を重合させて液晶と高分子を相分
    離させて形成されたものであることを特徴とする液晶表
    示素子。
  3. 【請求項3】 前記遮光部が、前記対向基板の周辺部に
    形成された枠状の遮光部であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記対向基板にはカラーフィルタが形成
    されており、前記遮光部はカラーフィルタの外側周辺部
    に形成されている枠状の遮光部であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記枠状の遮光部の幅が0.1mm以上
    であることを特徴とする請求項3又は4記載の液晶表示
    素子。
  6. 【請求項6】 画素電極が形成されたアレイ基板と、遮
    光部が形成された対向基板の間に、液晶材料と高分子前
    駆体を含む混合溶液を配置した後、紫外線を照射して高
    分子前駆体を重合させて液晶と高分子を相分離させるこ
    とにより、高分子と液晶とから成る高分子分散型液晶層
    を作製する相分離工程を備えた液晶表示素子の製造方法
    であって、 前記相分離工程における紫外線照射が、前記対向基板側
    から紫外線を照射する第1の照射工程と、第1の照射工
    程後に前記アレイ基板側から照射する第2の照射工程か
    らなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 画素電極が形成されたアレイ基板と、遮
    光部が形成された対向基板の間に、液晶材料と高分子前
    駆体を含む混合溶液を配置した後、紫外線を照射して高
    分子前駆体を重合させて液晶と高分子を相分離させるこ
    とにより、高分子と液晶とから成る高分子分散型液晶層
    を作製する相分離工程を備えた液晶表示素子の製造方法
    であって、 前記相分離工程における紫外線照射が、前記対向基板側
    及び前記アレイ基板側の双方から同時に紫外線を照射す
    ることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記相分離工程において、対向基板側か
    ら紫外線を照射すると共に、対向基板側からの紫外線の
    一部をアレイ基板の外側に設置された反射板により反射
    させ、この反射紫外線によりアレイ基板側から照射する
    ことを特徴とする請求項7記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記反射板の前面に紫外線を透過しうる
    材質からなる導光体を設置することを特徴とする請求項
    8記載の液晶表示素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記導光体が水槽であることを特徴とす
    る請求項9記載の液晶表示素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記遮光部が、前記対向基板の周辺部
    に形成された枠状の遮光部であることを特徴とする請求
    項6乃至10記載の液晶表示素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記対向基板にはカラーフィルタが形
    成されており、前記遮光部はカラーフィルタの外側周辺
    部に形成されている枠状の遮光部であることを特徴とす
    る請求項6乃至10記載の液晶表示素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記枠状の遮光部の幅が0.1mm以
    上であることを特徴とする請求項11又は12記載の液
    晶表示素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 画素電極が形成されたアレイ基板と、
    対向電極が形成された対向基板とを有し、アレイ基板と
    対向基板との間に、高分子と液晶とからなる高分子分散
    型液晶層が挟持された構造の液晶表示素子であって、 前記対向基板には複数色のカラーフィルタが形成され、
    前記複数色のカラーフィルタの各色にそれぞれ対応する
    画素毎に液晶の粒径が異なることを特徴とした液晶表示
    素子。
  15. 【請求項15】 前記複数色のカラーフィルタが、赤
    色、緑色、青色に対応するカラーフィルタであり、前記
    粒径が青色画素、緑色画素、赤色画素の順で大きくなる
    ことを特徴とする請求項14記載の液晶表示素子。
  16. 【請求項16】 画素電極が形成されたアレイ基板と、
    対向電極が形成された対向基板とを有し、アレイ基板と
    対向基板との間に、高分子と液晶とからなる高分子分散
    型液晶層が挟持された構造の液晶表示素子であって、 前記対向基板には複数色のカラーフィルタが形成され、
    前記複数色のカラーフィルタの各色にそれぞれ対応する
    画素は、それぞれ同一透過率を得るための駆動電圧値が
    異なることを特徴とした液晶表示素子。
  17. 【請求項17】 前記複数色のカラーフィルタが、赤
    色、緑色、青色に対応するカラーフィルタであり、前記
    駆動電圧値が青色画素、緑色画素、赤色画素の順に低く
    なることを特徴とする請求項16記載の液晶表示素子。
  18. 【請求項18】 反射板が前記アレイ基板に内付もしく
    は外付されていることを特徴とする請求項14乃至17
    記載の液晶表示素子。
  19. 【請求項19】 画素電極が形成されたアレイ基板と、
    対向電極及び複数色のカラーフィルタが形成された対向
    基板とを有し、アレイ基板と対向基板との間に、高分子
    と液晶とからなる高分子分散型液晶層が挟持された構造
    の液晶表示素子の製造方法であって、 前記複数色のカラーフィルタの各色それぞれの紫外線透
    過率が、各色にそれぞれ対応する画素毎に液晶の粒径が
    異なるように予め設定されており、このカラーフィルタ
    を介して紫外線を照射する工程を有することを特徴とす
    る液晶表示素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記複数色のカラーフィルターが、赤
    色、緑色、青色に対応するカラーフィルタであり、前記
    液晶の粒径が青色画素、緑色画素、赤色画素の順で大き
    くなるよう、前記カラーフィルタの各色それぞれの紫外
    線透過率が予め設定されていることを特徴とする請求項
    19記載の液晶表示素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記複数色のカラーフィルターが、シ
    アン、マゼンタ、イエローに対応するカラーフィルタで
    あり、前記粒径がイエロー画素、マゼンタ画素、シアン
    の順で大きくなるように、前記カラーフィルタの各色そ
    れぞれの紫外線透過率が予め設定されていることを特徴
    とする請求項19記載の液晶表示素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 画素電極が形成されたアレイ基板と、
    対向電極及び複数色のカラーフィルタが形成された対向
    基板とを有し、アレイ基板と対向基板との間に、高分子
    と液晶とからなる高分子分散型液晶層が挟持された構造
    の液晶表示素子の製造方法であって、 前記複数色のカラーフィルタの各色それぞれの紫外線透
    過率が、同一透過率を得るための駆動電圧値が各色に対
    応する画素毎に異なるように予め設定されており、この
    カラーフィルタを介して紫外線を照射する工程を有する
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記複数色のカラーフィルターが、赤
    色、緑色、青色に対応するカラーフィルタであり、前記
    駆動電圧値が青色画素、緑色画素、赤色画素の順で低く
    なるように、前記複数色のカラーフィルタの各色それぞ
    れの紫外線透過率が予め設定されていることを特徴とす
    る請求項22記載の液晶表示素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記複数色のカラーフィルターが、シ
    アン、マゼンタ、イエローに対応するカラーフィルタで
    あり、前記駆動電圧値がイエロー画素、マゼンタ画素、
    シアンの順で低くなるように、前記複数色のカラーフィ
    ルタの各色それぞれの紫外線透過率が予め設定されてい
    ることをを特徴とする請求項22記載の液晶表示素子の
    製造方法。
  25. 【請求項25】 アクティブマトリクス素子を備えたア
    レイ基板上に、平坦化膜が形成され、この平坦化膜上に
    反射画素電極が形成され、前記反射画素電極と前記アク
    ティブマトリクス素子とが、平坦化膜に形成されたコン
    タクトホール内の中継電極を介して電気的に接続されて
    おり、アレイ基板に対向する対向基板には対向電極が形
    成されており、前記アレイ基板と前記対向基板との間に
    は、高分子と液晶とからなる高分子分散型液晶層が挟持
    されている構造の液晶表示素子であって、 前記反射画素電極と前記中継電極との接合部が、窪んで
    おり、この窪み部分に遮光部が形成されていることを特
    徴とする液晶表示素子。
  26. 【請求項26】 アクティブマトリクス素子を備えたア
    レイ基板上に、平坦化膜が形成され、この平坦化膜上に
    反射画素電極が形成され、前記反射画素電極と前記アク
    ティブマトリクス素子とが、平坦化膜に形成されたコン
    タクトホール内の中継電極を介して電気的に接続されて
    おり、アレイ基板に対向する対向基板には対向電極が形
    成されており、前記アレイ基板と前記対向基板との間に
    は、高分子と液晶とからなる高分子分散型液晶層が挟持
    されている構造の液晶表示素子であって、 前記反射画素電極と前記中継電極との接合部が、窪んで
    おり、この窪み部分を遮光するように前記対向基板上に
    遮光部が形成されていることを特徴とする液晶表示素
    子。
  27. 【請求項27】 前記遮光部が樹脂もしくはクロム化合
    物であることを特徴とする請求項25又は26記載の液
    晶表示素子。
  28. 【請求項28】 前記アクティブマトリクス素子が薄膜
    トランジスタもしくは薄膜ダイオードであることを特徴
    とする請求項25又は26記載の液晶表示素子。
  29. 【請求項29】 前記対向基板に、赤色、青色、緑色の
    3種類もしくはシアン、マジェンタ、イエローの3種類
    からなるカラーフィルタが形成されていることを特徴と
    する請求項25乃至28記載の液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009069706A (ja) * 2007-09-15 2009-04-02 Citizen Holdings Co Ltd 液晶パネル
JP2020129127A (ja) * 2010-07-01 2020-08-27 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置

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