JP2000097330A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP2000097330A
JP2000097330A JP10287225A JP28722598A JP2000097330A JP 2000097330 A JP2000097330 A JP 2000097330A JP 10287225 A JP10287225 A JP 10287225A JP 28722598 A JP28722598 A JP 28722598A JP 2000097330 A JP2000097330 A JP 2000097330A
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control
time
hydraulic pressure
engagement element
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Atsushi Nanba
篤史 難波
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クラッチ・ ツウ・ クラッチ変速における、変速
の進行遅延を解消することである。 【解決手段】解放側の係合要素に所定量の滑りが生じた
時点t2 からイナーシャ相制御の開始までに要した時間
が、第1の判定時間Tmax より長い場合(t3 ”)、係
合側の油圧応答を早めるように、係合側の油圧PH の制
御内容を変更する。逆に、第2の判定時間Tmin より短
い場合(t3 ”)、係合側の係合要素の油圧応答性を遅
らせるように変更する。このような学習制御により、変
速を繰り返すに従い、次第に適切な時間内で変速が完了
するようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるクラッチ
・ ツウ・ クラッチ変速を行う自動変速機に係り、特に係
合要素の油圧の学習補正に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の小型化及び軽量化を図るた
めに、ワンウエイクラッチを極力利用せずに変速を行う
技術が検討されている。このような変速は、クラッチ・
ツウ・クラッチ(clutch to clutch)変速と呼ばれてい
る。クラッチ・ツウ・クラッチ変速とは、前段側のクラ
ッチまたはブレーキ(以下、これらを係合要素という)
を解放すると同時に、後段側の係合要素を係合していく
変速である。クラッチ・ツウ ・クラッチ変速によるアッ
プシフトは、基本的に、変速開始時制御、トルク相制
御、イナーシャ相制御、変速終了時制御という順序で進
行する。トルク相制御とは、係合側の係合要素のトルク
のみを変動させる制御である。この制御において、解放
側(すなわち変速の前段側)の係合要素の油圧を低下さ
せ、この係合要素に所定量の滑りを発生させる。このよ
うな滑りが生じると変速比は上昇し始める。この滑りが
生じた時点から、係合側(すなわち変速の後段側)の係
合要素の油圧を上昇させる。そして、変速比が減少に転
じたら、トルク相制御からイナーシャ相制御へ移行す
る。
【0003】特開平6−341527号公報には、クラ
ッチ・ ツウ・ クラッチ変速の際に、トルク相の開始から
イナーシャ相の開始までの時間を検出して、この検出時
間が長い場合、解放側の油圧制御量を補正する技術が開
示されている。この技術において、検出時間が長くなる
ということは、すなわち、タイアップ(インターロッ
ク)が生じているものと判断している。そこで、検出時
間が長い場合は、解放側の油圧のドレン速度だけを相対
的に早める制御を行うことにより、このようなタイアッ
プの解消を図ろうとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、ト
ルク相制御時の解放側の滑り制御において、トルク相制
御の開始からイナーシャ相制御の開始までの時間(すな
わち、トルク相制御に要する時間)が長引く要因がタイ
アップの発生にあるとしている。そして、従来技術は、
このような見地から解放側の係合要素の油圧を補正して
いる。しかしながら、解放側の油圧を補正するだけで
は、この時間の長引きを解消できない場合がある。発明
者が検討した結果、このような長引きが生じる原因は、
タイアップよりも大きな影響を与える他の重要な要因が
あることが判明した。この要因は上記の従来技術におい
てはまったく考慮されていないばかりか、この要因によ
る時間の長引きの発生を解消するためには、上記の従来
技術とは異なる油圧制御が必要となる。このような長引
きは、イナーシャ相制御の開始の遅延、換言すると、変
速の進行の遅延を招き、シフトクオリティを低下させる
原因となる。
【0005】そこで、本発明の目的は、クラッチ・ ツウ
・ クラッチ変速における変速時間の遅延の抑制を含め
て、変速時間を適切な時間内で完了することにより、シ
フトクオリティの悪化を抑制することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明は、解放側の係合要素を解放すると共に係
合側の係合要素を係合する変速を行う自動変速機におい
て、駆動機関からの駆動力を受ける入力軸と、車輪に駆
動力を伝達する出力軸と、入力軸と出力軸との間の動力
伝達特性を設定する複数の係合要素と、係合要素の解放
及び係合を制御する制御手段とを有し、この制御手段
は、解放側の係合要素の油圧を低下させることにより解
放側の係合要素に滑りを生じさせ、この滑りが生じた時
点から、係合側の係合要素の油圧を、油圧の制御内容に
基づいて上昇させる制御を行うと共に、滑りが生じた時
点からイナーシャ相制御の開始までに要した時間に応じ
て、係合側の係合要素に関する油圧の制御内容を変更す
る自動変速機を提供する。
【0007】上記の構成において、滑りが生じた時点か
らイナーシャ相制御の開始までに要した時間が、第1の
判定時間より長い場合は、係合側の係合要素の油圧応答
を早めるように、係合側の係合要素に関する油圧の制御
内容を変更することが好ましい。
【0008】また、滑りが生じた時点からイナーシャ相
制御の開始までに要した時間が、第2の判定時間より短
い場合は、係合側の係合要素の油圧応答性を遅らせるよ
うに、係合側の係合要素に関する油圧の制御内容を変更
することが好ましい。
【0009】さらに、滑りが生じた時点からイナーシャ
相制御の開始までに要した時間と、第1の判定時間また
は第2の判定時間との差に応じて、係合側の係合要素の
油圧の補正量を変えるように設定してもよい。
【0010】一方、上記の制御手段は、次回の変速制御
において、変更された油圧の制御内容に基づいて、係合
側の係合要素の油圧を上昇させることが好ましい。
【0011】さらに、上記の油圧の制御内容は、係合要
素ごとに規定されていることが好ましい。
【0012】
【作用】イナーシャ相の開始までに要した時間に遅れが
生じる主な理由は係合側の係合要素の油圧応答性にある
ものと考えられる。そこで、この時間に応じて係合側の
油圧の制御内容を変更する。つまり学習制御するわけで
ある。これにより、同様の変速が実行されるに従って、
イナーシャ相制御の開始までに要する時間の遅れが次第
に解消される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、一例としての自動変速機
(AT)における概略的構造を示す図である。エンジン
のクランクシャフト9からの駆動力は、トルクコンバー
タ10を介して、この変速機のタービンシャフト11に
伝達される。変速機の入力軸であるタービンシャフト1
1は、リアプラネタリ2のサンギアに連結されている。
一方、変速機の出力軸であるリダクションドライブシャ
フト12は、フロントプラネタリ1のリングギア及びリ
アプラネタリ2のプラネタリキャリアに連結されてい
る。2つのプラネタリギア1、2における各メンバ(サ
ンギア、プラネタリキャリア、リングギア)は、図示し
たように、3つの多板クラッチ(リバースクラッチ3、
ハイクラッチ5、ロークラッチ6)、2つの多板ブレー
キ(2&4ブレーキ4、ロー&リバースブレーキ7)、
ローワンウェイクラッチ8に連結されている。これらの
係合要素(クラッチ、ブレーキ)は、変速段に応じて選
択的に係合又は解放される。これにより、この変速機は
前進4段、後進1段の変速を行うことができる。
【0014】図2は、上記の変速機における変速位置と
係合要素の係合状態との関係を示した表である。この表
において、○印は、該当する係合要素が係合しているこ
とを表し、ブランクは解放していることを表している。
また、◎印は、該当する駆動時のみ係合していることを
表している。この変速機では、1速−2速間変速を除
き、クラッチ・ツウ・クラッチ(Clutch to Clutch)変
速が行われる。クラッチ・ツウ・クラッチ変速とは、前
段係合要素を解放すると同時に、後段係合要素を係合し
ていく変速である。一方、ローワンウェイクラッチ8が
作用する1速−2速間の変速では、2&4ブレーキ4の
係合制御だけで変速が達成される。
【0015】図3は、自動変速機の制御機構を全体的に
示した説明図である。この制御機構は、主として、エン
ジン21、変速機構22、油圧制御機構23、電子制御
ユニット(ECU)24で構成されている。エンジン2
1により発生したトルクは、トルクコンバータ10、タ
ービンシャフト11、及び変速機構22を介してリダク
ションドライブシャフト12に伝達される。このシャフ
ト12のトルクは、ドライブピニオンシャフト15を介
して、デファレンシャルギア16に伝達され、前輪を駆
動する。
【0016】スロットル開度センサS1は、エンジン2
1のスロットル開度θを検出するためのセンサである。
エンジン回転数センサS2は、クランクシャフト9の回
転数、すなわちエンジン回転数ωE を検出するセンサで
ある。また、タービン回転数センサS3は、タービンシ
ャフト11の回転数ω1 を検出するセンサである。アウ
トプット回転数センサS4は、リダクションドライブシ
ャフト12(本実施例における出力軸)の回転数ω5 を
検出するセンサである。これらの回転数を検出するセン
サは、例えば電磁ピックアップを用いてもよい。
【0017】油圧制御機構23中のオイルポンプ36
は、オイルパン37から吸入した制御油を吐出する。レ
ギュレータバルブ38により所定の油圧に調整された制
御油は、5つのリニアソレノイドバルブ31、32、3
3、34、35に供給される。ここで、リニアソレノイ
ドバルブは係合要素ごとに設けられている。それぞれの
リニアソレノイドバルブは、油圧制御回路51からの電
流値に応じて、それに対応した係合要素を直接的かつリ
ニア(電流値に応じて連続した制御量を生じる)に係合
制御する。係合要素ごとにソレノイドバルブを設け、各
係合要素の係合制御を、対応したバルブにより直接的に
行う方式は、一般にダイレクトATと呼ばれている。
【0018】図4は、リニアソレノイドバルブの構造を
示す断面図である。制御電流に応じて電磁石により発生
された磁界が、スプール弁を移動させ、これにより供給
ポートと出力ポートが連通される。リニアソレノイドバ
ルブを用いたダイレクトAT方式では、制御電流に応じ
てリニアに油圧を調整できる。また、デユーティソレノ
イドバルブで必要とされるアキュムレータを用いる必要
がない。従って、リニアソレノイドバルブを用いたダイ
レクトAT方式は、インターロックや突き上げ感を生じ
させないような精度の高い油圧制御を、リニアソレノイ
ドバルブへ供給する電流制御により行うことができる。
本実施例では、このリニアソレノイドバルブとして、電
流が0の時に最大コントロール圧を供給するノーマリー
・ハイ(Normally-High )のバルブを用いている。図5
は、変速段及び各リニアソレノイドバルブの開閉状態の
関係を示した表である。
【0019】なお、ダイレクトAT方式に代えて、デュ
ーティソレノイドバルブと切り換え弁とを組み合わせた
コンベンショナルな油圧回路を用いることも可能であ
る。但し、油圧の正確な制御が必要な本実施例では、ダ
イレクトATを利用するのが好ましいであろう。
【0020】ECU24は、CPU41、ROM42、
RAM43、入力回路44、及び出力回路45で構成さ
れている。ROM42中には、目標タービン回転数ωr
を算出するための基準となる目標パターンに関するデー
タが記憶されている。センサS1、S2、S3、S4か
ら出力された信号は、入力回路44に入力される。CP
U41はこれらのセンサからの情報に応じて、係合要素
の油圧を制御するための演算を行う。演算結果としての
制御情報は、出力回路45を介して油圧制御回路51に
出力される。油圧制御回路51は、出力回路45からの
制御信号に基づき、各リニアソレノイドバルブを動作さ
せる電流値を求め、これを各々のリニアソレノイドバル
ブに供給する。
【0021】(油圧の制御内容の補正)以下、係合側の
係合要素に関する油圧の制御内容の変更方法について、
2速から3速へのアップシフトを例に説明する。但し、
これは一例であり、本発明は他の変速においても適用す
ることは当然可能である。図6は、2速から3速への変
速時における変速比と油圧に関するタイミングチャート
である。また、図7は、このケースにおける油圧の制御
内容を補正すべきか否かを判断する手順を示すフローチ
ャートである。さらに、図8は、油圧の制御内容に関す
る補正方法を決定するフローチャートである。なお、図
7及び図8のフローチャートは10msの間隔で繰り返し
実行される。
【0022】まず、ステップ10において、トルク相制
御フラグFT が1に設定されているか否かが判断され
る。トルク相制御フラグFT に1が設定される場合に、
トルク相制御が実行され、0が設定されている場合は、
かかる制御は実行されない。このフラグFT が0から1
に変わるのは、図6中の時間t2 である。従って、時間
t2 以前において、フラグFT は0に設定されているた
め、この間は、ステップ11以降は実行されない。ここ
で、時間t2 以前の変速制御を簡単に説明する。2速か
ら3速へのアップシフトの指令が出された場合、時間t
1 より変速開始前制御が行われる。この制御において、
この変速の係合側であるハイクラッチ5の油圧PH を最
低圧に維持した状態で、解放側である2&4ブレーキ4
の油圧PDを低下させていく。解放側の油圧PD をある
程度低下させると、2&4ブレーキ4に滑りが発生し、
変速比rが上昇し始める。変速比rは、タービン回転数
センサS3により検出されたタービン回転数ω1 を、ア
ウトプット回転数ω5 で割った値であり、CPU41に
より所定の間隔(10ms)で算出される。
【0023】ブレーキ4に若干の滑りが生じ、変速比r
が変速前の変速比R2 から2%上昇した値、すなわち滑
り変速比Rupになった時点(その時の時間t2 )で、変
速開始時制御は終了する。そして、トルク相制御フラグ
FT が1に設定されることにより、トルク相制御が開始
される。従って、ステップ10の判断より、ステップ1
1以降が実行される。
【0024】時間t2 以降に実行されるトルク相制御で
は、発生した滑りが維持(すなわち変速比rが滑り変速
比Rupと一致した状態を維持)するような油圧制御を行
う。すなわち、解放側の油圧PD をさらに減少させてい
くと同時に、係合側であるハイクラッチ5の油圧PH を
徐々に上昇させていく。トルク相制御の開始直後、しば
らくの間、変速比rは、変速前の変速比R2 より大きな
滑り変速比Rupと一致している。ステップ11の判断に
より、ステップ12へと進む。ステップ12では、カウ
ンタによりカウンタ値CTの値に1が加算される。カウ
ンタ値CTは初期的には0に設定されている。カウンタ
値CTは、トルク相制御フラグFT に1が設定された時
(時間t2 )から変速比rが2速の変速比R2 に同期す
るまで(時間t3 )に要した時間をカウントするもので
ある。
【0025】やがて、ハイクラッチ5の油圧PH が上昇
し、このクラッチ5のトルクが大きくなると、センサS
3及びS4からの情報から算出された変速比rは、徐々
に減少し始める。そして、変速比rが変速前の変速比R
2 と再び一致した場合(時間t3 )、ステップ11の判
断からステップ13へと進む。
【0026】ステップ13において、カウンタ値CTの
値が第1の判定時間Tmax より大きいか否かが判断され
る。すなわち、トルク相制御に要した時間が第1の判定
時間Tmax より長いか否かが判断される。第1の判定時
間Tmax は、ハイクラッチ5の油圧制御が適切に行われ
ているか否かを判定する判断基準を与えるものである。
トルク相制御に要した時間がこの第1の判定値Tmax よ
り長いということは、係合側の油圧PH の応答が遅すぎ
ると判断される。従って、このような判断を正確に行う
ためには、第1の判定時間Tmax が適切に設定されてい
ることが重要である。図6において、変速比rに関する
実線aは、係合側の油圧PH が設定された推移どおりに
変化した場合の変速比の理想的な変化を示している。こ
のケースでは、変速比rが2速の変速比R2 と同期した
時点(時間t3 )は、第1の判定時間Tmax より短い。
従って、ステップ13の判断からステップ17へと進
む。
【0027】ステップ17では、カウンタ値CTが第2
の判定時間Tmin より小さいか否か、換言すると、トル
ク相制御に要した時間が第2の判定時間Tmin より短い
か否かが判断される。第2の判定時間Tmin は、第1の
判定時間Tmax と同様に、ハイクラッチ5の油圧制御が
適切に行われているか否かを判定する判断基準を与える
ものである。トルク相制御に要した時間がこの第2の判
定値Tmin より短いということは、係合側の油圧PH の
応答が早すぎるということである。従って、このような
判断を正確に行うためには、第2の判定時間Tmin が適
切に設定されていることが重要である。図6において、
変速比rが実線aのように適切に変化している場合、変
速比rが変速比R2 と同期した時点(時間t3 )は、第
2の判定時間Tmin より長くなる。この場合は、ステッ
プ19へと進む。ステップ19において、油圧応答補正
フラグFamd を0に設定する。その後、カウンタ値CT
をリセットすると共に(ステップ15) 、トルク相制御
フラグFT を0に設定(ステップ16 )する。これによ
り、トルク相制御は終了する。
【0028】ステップ16により、時間t3 においてフ
ラグFT が0に設定されトルク相制御制御が終了する
と、それに続きイナーシャ相制御が開始される。イナー
シャ相制御では、変速比rが変速後の変速比R3 に向け
て滑らかに変化するように油圧制御を行う。これは、解
放側の油圧PD を最低圧Pmin にした状態で、係合側の
油圧PH を適切に変化させることにより達成される。そ
して、変速比rが変速後の変速比R3 と同期した時点
(時間t4 )で、イナーシャ相制御を終了し、変速終了
時制御を開始する。この制御により、係合側の油圧PH
が最大圧Pmax まで引き上げられた時点(時間t5 )
で、変速終了時制御を終了する。これにより、一連の変
速制御が完了する。
【0029】ここで、油圧応答補正フラグFamd にセッ
トされた値は以下のような意味を有する。なお、油圧応
答の具体的な補正については後述する。 油圧応答補正フラグ 意 味 0 係合側の油圧応答を補正せず 1 係合側の油圧応答を早くする補正を実行 2 係合側の油圧応答を遅くする補正を実行 上記の説明では、図7の判断フローのステップ19によ
り、補正フラグFamdは0に設定される。この場合、図
8の油圧補正の決定フローにおいて、ステップ20およ
びステップ21の判断を経てリターンへと進む。つま
り、補正フラグFamd が0である限り、ステップ22や
ステップ23に示したような油圧応答の補正に関するサ
ブルーチンは実行されない。結局、トルク相制御に要す
る時間が第1の判定時間Tmax と第2の判定時間Tmin
の範囲内にある場合、係合側であるハイクラッチ5の油
圧PH は適切に応答していると判断し、油圧PH の制御
内容の補正は行われない。
【0030】次に、図6の一点鎖線bで示したように、
トルク相制御において、変速比rが変速比R2 に同期す
るのが遅れ、時間t3 ’において同期するようなケース
について説明する。このケースにおいて、時間t3 ’
は、第1の判定時間Tmax より長くなっている。従っ
て、補正の必要性に関する判断フローにおけるステップ
13の判断より、補正フラグFamd に1が設定される
(ステップ14)。この場合、図8のフローにおけるス
テップ20の判断により、係合側の油圧PH の応答性を
早めるような補正サブルーチンが実行される (ステップ
22)。すなわち、イナーシャ相制御に要する時間が第1
の判定時間Tmax より長くなるということは、係合側の
油圧PH の油圧応答性が遅すぎると判断できる。従っ
て、ステップ22のサブルーチンを実行することによ
り、係合側の油圧応答を早めるように、ハイクラッチ5
に関する油圧PH の制御内容が変更される(詳細は後
述)。このサブルーチンが実行された後に、補正フラグ
Famd は0に設定される(ステップ24) 。
【0031】さらに、図6の二点鎖線cで示したよう
に、トルク相制御において、変速比rが変速比R2 に同
期するのが早まって、時間t3 ”において同期するよう
なケースについて説明する。このケースにおいて、時間
t3 ”は、第2の判定時間Tmin より短くなっている。
従って、図7におけるステップ13及びステップ17の
判断より、補正フラグFamd に2が設定される(ステッ
プ18)。この場合、図8のフローにおけるステップ2
0及びステップ21の判断により、係合側の油圧PH の
応答性を遅らせるような補正サブルーチンが実行される
( ステップ23)。すなわち、イナーシャ相制御に要す
る時間が第2の判定時間Tmin より短くなるということ
は、係合側の油圧PH の油圧応答性が早すぎると判断で
きる。従って、ステップ23のサブルーチンを実行する
ことにより、係合側の油圧応答を遅らせるように、ハイ
クラッチ5に関する油圧PH の制御内容が変更される
(詳細は後述)。このサブルーチンが実行された後に、
補正フラグFamd は0に設定される(ステップ24) 。
【0032】図9は、係合側であるハイクラッチ5の油
圧PH に関する制御内容の変更方法を説明するための図
である。ハイクラッチ5の油圧応答性は、下記の例示さ
れた方法により補正することができる。 (1)油圧PH の傾きの補正 油圧PH の応答性を早める補正を行う場合(ステップ2
2のサブルーチン)、実線dで示した傾きを大きくなる
ように、油圧PH の制御内容を変更する。逆に、油圧P
H の応答性を遅らせる補正を行う場合(ステップ23の
サブルーチン)、実線dで示した傾きを小さく設定す
る。 (2)一定値を加減算する補正 油圧PH の応答性を早める補正を行う場合、実線dに一
定値を加算した破線eで油圧制御を行うように、油圧P
H の制御内容を変更する。逆に、油圧PH の応答性を遅
らせる補正を行う場合、実線dから一定値を減算したも
のを用いる。 (3)立ち上げ補正量の変更 油圧PH の応答性を早める補正を行う場合、t2 −t2
’の間で行われる立ち上げ補正の量を増大させる。例
えば、立ち上がり量を増やしたり(最高圧Pmaxにより
近い値にする)、たち上げ幅(t2 −t2 ’間)を増や
したりする。逆に、油圧PH の応答性を遅らせる補正を
行う場合、このような補正量を減少させる。
【0033】この変更が加えられたハイクラッチ5の油
圧PH の制御内容に基づいて、次回の同様の変速で用い
られる。すなわち、油圧PH は、変更された制御内容に
基づいて補正(学習補正)される。変速の実行ごとに行
われるこのような補正を通じて、トルク相制御に要する
時間の遅延は次第に解消される。逆に、この制御に要す
る時間が短すぎる場合には、適切な時間内に収まるよう
に、この時間は次第に長くなっていく。この一連の制御
を通じて、適切な時間内で、トルク相制御が完了するよ
うになる。このような油圧の制御内容を係合要素ごとに
規定しておき、各係合要素ごとにこの制御内容を学習補
正することにより、すべての種類の変速において、トル
ク相制御を適切な時間内に完了することができる。従っ
て、シフトクオリティの低下を抑制することが可能とな
る。
【0034】なお、上記の油圧に関する制御内容の変更
方法の他に、滑りが生じた時点(時間t2 )からイナー
シャ相制御の開始(時間t3 )までに要した時間が、判
定時間(Tmax またはTmin )との差が大きいほど、係
合側の係合要素の油圧の補正量を大きく設定してもよ
い。このようにすることで、適切なトルク相制御時間に
収めるのに要する変速の回数をより少なくすることが期
待できる。
【0035】なお、上記の実施例から明らかなように、
本発明の概念はパワーオンのダウンシフトに適用し、イ
ナーシャ相制御に要する時間に応じて、係合側の油圧を
補正してもよい。
【0036】
【発明の効果】このように本発明においては、イナーシ
ャ相制御の開始が遅れる主たる要因が、タイアップより
も係合側係合要素の油圧応答の遅れにある場合が多いと
考えられる。一方、イナーシャ相制御の開始が早すぎる
場合、係合側係合要素の油圧応答に関する制御が早すぎ
る場合が多いと考えられる。そこで、トルク相制御に要
した時間に応じて、係合側係合要素の油圧応答に関する
制御内容を変更する。そして、次回に同様の変速が実行
される場合、この変更された制御内容に基づき、係合側
の油圧制御を行う。このような係合側係合要素に関する
一連の油圧学習により、トルク相制御を適切な時間内で
完了することができるため、シフトクオリティの低下を
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の自動変速機における主要部の概略的
構造を示す図
【図2】変速位置と係合要素の係合状態との関係を示し
た表
【図3】自動変速機の制御機構を全体的に示した説明図
【図4】リニアソレノイドバルブの構造を示す断面図
【図5】変速段及び各リニアソレノイドバルブの開閉状
態の関係を示した表
【図6】2速から3速への変速時における変速比と油圧
に関するタイミングチャート
【図7】2速から3速への変更時における油圧の制御内
容を補正すべきか否かを判断する手順を示すフローチャ
ート
【図8】油圧の制御内容に関する補正方法を決定するフ
ローチャート
【図9】係合側であるハイクラッチ5の油圧PH に関す
る制御内容の変更方法を説明するための図
【符号の説明】
1 フロントプラネタリ、2 リアプラネタリ、3 リ
バースクラッチ、4 2&4ブレーキ、5 ハイクラッ
チ、6 ロークラッチ、7 ロー&リバースブレーキ、
8 ローワンウェイクラッチ、9 クランクシャフト、
10 トルクコンバータ、11 タービンシャフト、1
2 リダクションドライブシャフト、15 ドライブピ
ニオンシャフト、 16 デファレンシャルギア、21
エンジン、22 変速機構、 23 油圧制御機構、
24 ECU、31、32、33、34、35 リニア
ソレノイドバルブ、36 オイルポンプ、37 オイル
パン、 38 レギュレータバルブ、41 CPU、4
2 ROM、43 RAM、44 入力回路、45 出
力回路、51 油圧制御回路、S1 スロットル開度セ
ンサ、S2 エンジン回転数センサ、S3 タービン回
転数センサ、S4 アウトプット回転数センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】解放側の係合要素を解放すると共に係合側
    の係合要素を係合する変速を行う自動変速機において、 駆動機関からの駆動力を受ける入力軸と、 車輪に駆動力を伝達する出力軸と、 前記入力軸と前記出力軸との間の動力伝達特性を設定す
    る複数の係合要素と、 前記係合要素の解放及び係合を制御する制御手段とを有
    し、 前記制御手段は、解放側の前記係合要素の油圧を低下さ
    せることにより前記解放側の係合要素に滑りを生じさ
    せ、当該滑りが生じた時点から、係合側の前記係合要素
    の油圧を、油圧の制御内容に基づいて上昇させる制御を
    行うと共に、前記滑りが生じた時点からイナーシャ相制
    御の開始までに要した時間に応じて、前記係合側の係合
    要素に関する前記油圧の制御内容を変更することを特徴
    とする自動変速機。
  2. 【請求項2】前記滑りが生じた時点からイナーシャ相制
    御の開始までに要した時間が、第1の判定時間より長い
    場合は、前記係合側の係合要素の油圧応答を早めるよう
    に、前記係合側の係合要素に関する前記油圧の制御内容
    を変更することを特徴とする請求項1に記載された自動
    変速機。
  3. 【請求項3】前記滑りが生じた時点からイナーシャ相制
    御の開始までに要した時間が、第2の判定時間より短い
    場合は、前記係合側の係合要素の油圧応答性を遅らせる
    ように、前記係合側の係合要素に関する前記油圧の制御
    内容を変更することを特徴とする請求項1に記載された
    自動変速機。
  4. 【請求項4】前記滑りが生じた時点からイナーシャ相制
    御の開始までに要した時間と、前記第1の判定時間また
    は前記第2の判定時間との差に応じて、前記係合側の係
    合要素の油圧の補正量を変えることを特徴とする請求項
    2または3に記載された自動変速機。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、次回の変速制御におい
    て、変更された前記油圧の制御内容に基づいて、前記係
    合側の係合要素の油圧を上昇させることを特徴とする請
    求項1、2、または3に記載された自動変速機。
  6. 【請求項6】前記油圧の制御内容は、前記係合要素ごと
    に規定されていることを特徴とする請求項1に記載され
    た自動変速機。
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