JP2000095968A - 表面処理無機着色顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料 - Google Patents

表面処理無機着色顔料及びその製造法並びに該顔料を用いた塗料

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JP2000095968A
JP2000095968A JP27109798A JP27109798A JP2000095968A JP 2000095968 A JP2000095968 A JP 2000095968A JP 27109798 A JP27109798 A JP 27109798A JP 27109798 A JP27109798 A JP 27109798A JP 2000095968 A JP2000095968 A JP 2000095968A
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Kazuyuki Hayashi
一之 林
Hiroko Morii
弘子 森井
Mineko Osugi
峰子 大杉
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Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤系塗料はもちろん、殊に、水系塗料用無
機着色粒子粉末として好適である易分散性、分散均一
性、分散安定性及び塗膜を形成した時の耐酸性が優れた
表面処理無機着色顔料を提供する。 【解決手段】 無機着色粒子粉末の粒子表面にオルガノ
シラザンが被着されてなり、前記オルガノシラザンの被
着量がC換算で前記無機着色粒子粉末に対し0.01〜
6重量%であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶剤系塗料はもちろ
ん、殊に、水系塗料用無機着色粒子粉末として好適であ
る易分散性、分散均一性、分散安定性及び塗膜を形成し
た時の耐酸性が優れた表面処理無機着色顔料及びその製
造法並びに該無機着色顔料を用いた塗料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】無機着色粒子は、酸化物であることによ
って空気中で安定であると共に、結晶構造の相違や結晶
水の有無等により各種色彩を有するため、従来から塗料
用粒子粉末としてビヒクル中に分散させて使用されてい
る。
【0003】近年、塗料を基材に塗布、乾燥して得られ
る塗膜の高性能化、高品質化への要求は止まるところが
なく、この要求を満たすためには、塗膜における色調の
鮮明度、着色力、隠蔽力、光沢性、耐酸性の向上等の諸
持性に最も大きな影響を及ぼすといわれる無機着色粒子
粉末の諸機能を十分に発揮させるべくその特性向上が強
く要求されている。即ち、無機着色粒子粉末のビヒクル
中への分散性、殊に、易分散性、分散均一性、分散安定
性及び塗膜にした時の耐酸性が優れていることが必要で
あり、このことは下記の文献の記載からも明らかであ
る。
【0004】即ち、株式会社技術情報協会発行「最新顔
料分散技術」(1993年)の第15頁には、「‥‥顔
料はそれ自信単独で使用されることは皆無で、常にバイ
ンダーと呼ばれる樹脂や溶剤その他に分散して使用され
るが、鮮明な色調や高い着色力その他の性能を得るため
に、これらの微細な顔料粒子はバインダーに対し易分散
性であることと同時に均一に分散していることが必要で
ある。しかし微細粒子になればなるほど不安定になるの
で、いかに安定な分散性を維持できるかが重要である。
‥‥」と記載され、また「‥‥顔料に要求される性質と
して、いろいろな観点から次のような性質が要求され、
分類することができる。‥‥分散性は物理的性質を左右
するものとして分類してあるが、光学的、化学的、特殊
機能の諸性質にも大いに関係があり、影響を及ぼす。す
なわち、顔料の分散性を改良し均一に分散することは、
色調の鮮明度、着色力、隠蔽力、塗膜などの光沢性の向
上は言うに及ばず、化学的性質である諸堅牢性、さらに
作業性も向上させる。‥‥」と記載されている。
【0005】更に、塗料は家屋、橋梁、建築構造物等屋
外で使用される場合が多く、近年酸性雨等による塗膜の
劣化が問題になっており、塗膜の耐酸性の向上が強く要
求されている。
【0006】塗料は、溶剤の種類により有機溶剤を主溶
剤とする溶剤系塗料と、水を主溶剤とする水系塗料とが
あるが、近年、大気を汚染することが少なく、省資源、
省エネルギーであり、しかも、火災の危険性が少ない
等、安全面、衛生面から水系塗料が有望視されている。
【0007】しかし、水系塗料中における無機着色粒子
粉末の分散機構は、従来の溶剤系塗料とは異なっている
ため、溶剤系塗料と同様の分散技術によっては無機着色
粒子粉末をビヒクル中に十分分散させることができな
い。即ち、水系塗料の場合、水系樹脂(展色剤)が用い
られるが、この水系樹脂は溶剤系樹脂(展色剤)が溶解
状態で拡がりをもって存在しているのに対し、主として
乳化重合粒子又はコロイダル型粒子等の粒子状態で存在
するため、先ず、無機着色粒子粉末をビヒクル中にいか
なる手段で分散させるのか、そしてどの位の時間を必要
とするのか、即ち、無機着色粒子の易分散性と分散均一
性が問題となり、次に、分散された無機着色粒子と水系
樹脂粒子との相互作用等により再凝集しやすいものであ
るため、分散安定性が問題となる。
【0008】そこで、溶剤系塗料はもちろん、殊に、水
系塗料においても無機着色粒子粉末が本来の無機着色粒
子としての機能を十分発揮すべく易分散性、分散均一性
及び分散安定性に優れたものであるとともに、基材表面
に形成された塗膜が耐酸性に優れていることが強く要求
される。
【0009】従来、ビヒクル中における無機着色粒子粉
末の分散性を改良するために無機着色粒子粉末の粒子表
面に有機ケイ素化合物を被着することが行われている
(特開昭55−94968号、特開平8−120191
号、特開平9−99246号等)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】溶剤系塗料はもちろ
ん、水系塗料においても易分散性、分散均一性、分散安
定性はもちろん、塗膜を形成した時の耐酸性が優れてい
る無機着色粒子粉末は現在最も要求されているところで
あるが、このような無機着色粒子粉末は、未だ得られて
いない。
【0011】即ち、粒子表面に前出公知の有機ケイ素化
合物やシランカップリング剤が被覆されている無機着色
粒子粉末は、後出比較例に示す通り、ビヒクル中への易
分散性、分散均一性、分散安定性及び塗膜を形成した時
の耐酸性のいずれも未だ十分なものとは言い難いもので
ある。
【0012】また、前出特開平8−120191号公報
に開示の特定の変成ポリシロキサンを被着処理した場合
も同様に後出比較例に示す通り、無機着色粒子粉末のビ
ヒクル中への分散性は、易分散性、分散均一性、分散安
定性のいずれにおいても、更に塗膜にした時の耐酸性に
おいても未だ十分なものとは言い難い。
【0013】そこで、本発明は、溶剤系塗料はもちろ
ん、水系塗料においても、易分散性、分散均一性、分散
安定性及び塗膜にした時の耐酸性に優れた無機着色粒子
粉末を得ることを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
とおりの本発明によって達成できる。即ち、本発明の第
1は、無機着色粒子粉末の粒子表面にオルガノシラザン
が被着されてなり、前記オルガノシラザンの被着量がC
換算で前記無機着色粒子粉末に対し0.01〜6重量%
であることを特徴とする表面処理無機着色顔料(請求項
1)を、本発明の第2は、無機着色粒子粉末の粒子表面
にスクエア酸が被着されており、更に、該被着スクエア
酸の表面にオルガノシラザンが被着されてなり、前記オ
ルガノシラザンの被着量がC換算で前記無機着色粒子粉
末に対し0.01〜6重量%であることを特徴とする表
面処理無機着色顔料(請求項2)を、本発明の第3は、
無機着色粒子粉末の粒子表面に、アルミニウムの水酸化
物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ
素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種が被
覆され、該被覆物質の表面にスクエア酸が被着されてお
り、更に、該被着スクエア酸の表面にオルガノシラザン
が被着されてなり、前記オルガノシラザンの被着量がC
換算で前記無機着色粒子粉末に対し0.01〜6重量%
であることを特徴とする表面処理無機着色顔料(請求項
3)をそれぞれ内容とするものである。
【0015】また、本発明の第4は、無機着色粒子粉末
とオルガノシラザンとを80℃以上の温度で混合するこ
とにより、前記無機着色粒子粉末の粒子表面にオルガノ
シラザンを被着することを特徴とする請求項1記載の表
面処理無機着色顔料の製造法(請求項6)を、本発明の
第5は、無機着色粒子粉末とスクエア酸とを含む水懸濁
液を混合した後、濾別、乾燥して無機着色粒子粉末の粒
子表面にスクエア酸を被着し、次いで、粒子表面にスク
エア酸を被着した粒子粉末とオルガノシラザンとを80
℃以上の温度で混合することにより、前記被着スクエア
酸の表面にオルガノシラザンを被着することを特徴とす
る請求項2記載の表面処理無機着色顔料の製造法(請求
項7)を、本発明の第6は、無機着色粒子粉末とアルミ
ニウム化合物、ケイ素化合物または該両化合物を含む水
性懸濁液を混合して、無機着色粒子粉末の粒子表面をア
ルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素
の水酸化物及びケイ素の酸化物よりなる群から選ばれる
少なくとも1種で被覆し、次いで、該物質を被覆した粒
子粉末とスクエア酸とを含む水懸濁液を混合した後、濾
別、乾燥して被覆物質の表面にスクエア酸を被着し、更
に、該スクエア酸を被着した粒子粉末とオルガノシラザ
ンとを80℃以上の温度で混合することにより、前記被
着スクエア酸の表面にオルガノシラザンを被着すること
を特徴とする請求項3記載の表面処理無機着色顔料の製
造法(請求項8)をそれぞれ内容とするものである。
【0016】更に、本発明の第7は、請求項1〜5にい
ずれか1項に記載の表面処理無機着色顔料を塗料構成基
材中に配合したことを特徴とする塗料(請求項9)を内
容とするものである。
【0017】本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通
りである。
【0018】先ず、本発明に係る無機着色粒子顔料につ
いて述べる。
【0019】本発明に係る表面処理無機着色顔料は、被
処理粒子粉末である無機着色粒子の粒子表面にC換算で
無機着色粒子粉末に対してオルガノシラザンが0.01
〜6重量%被着されている無機着色粒子粉末からなり、
後述する被処理粒子粉末である無機着色粒子の粒子形状
や粒子サイズ及びBET比表面積値とほぼ同程度の粒子
形態を有している。
【0020】本発明における被処理粒子粉末としての無
機着色粒子粉末とは、着色力が大きく、展色剤と練り合
わせると塗膜もしくは成形物に色彩を与える粒子であ
る。
【0021】被処理粒子粉末としての無機着色粒子粉末
としては、具体的には、亜鉛華(ZnO)、鉛白(2P
bCO3 ・Pb(OH)2 )、塩基性硫酸鉛(3PbS
4・PbO〜2PbSO4 ・PbO)、硫酸鉛(Pb
SO4 )、リトポン(ZnS+BaSO4 )、硫化亜鉛
(ZnS)、酸化チタン(TiO2 )、酸化アンチモン
(Sb2 3 )等の白色着色粒子粉末、カーボンブラッ
ク(C)、黒鉛(C)、鉄黒(FeOx ・Fe2
3 (0<x≦1))等の黒色着色粒子粉末、黄鉛(Pb
CrO4 )、亜鉛黄(ZnCrO4 )、クロム酸バリウ
ム(BaCrO4 )、カドミウムイエロー(CdS)、
黄色含水酸化鉄(FeOOH・nH2 O)、黄土(Fe
2 3 ・SiO2 ・Al2 3 )、チタン黄(TiO2
・NiO・Sb2 3 )、鉛シアナミド(Pb(CN)
2 )、鉛酸カルシウム(Ca2 PbO 4 )等の黄色着色
粒子粉末、赤口黄鉛(PbCrO4 ・PbO)、クロム
バーミリオン(PbCrO4 ・PbMoO4 ・PbSO
4 )等の橙色着色粒子粉末、褐色酸化鉄(γ−Fe2
3 )、アンバー(Fe2 3 +MnO2 +Mn3 4
等の褐色着色粒子粉末、べんがら(α−Fe2 3 )、
鉛丹(Pb3 4 )、銀朱(HgS)、カドミウムレッ
ド(CdS+CdSe)、カドミウムマーキュリレッド
(CdS+HgS)、アンチモン朱(2Sb2 3 ・S
2 3 又はSb 2 3 ・Sb2 3 )等の赤色着色粒
子粉末、コバルト紫(Co3 (PO4 2、Co3 (P
4 2 ・8H2 O)、コバルト紫(Co3 (As
4 2 、Co 3 (AsO4 2 ・8H2 O)、マンガ
ン紫(Mn2 (PO4 3 、(NH4 2 Mn(P2
7 2 )等の紫色着色粒子粉末、群青(3NaAl・S
iO4 ・Na2 2 、2(Na2 O・Al2 3 ・2S
iO2 )・Na2 2 )、紺青(Fe4 〔Fe(CN)
6 3 ・nH2 O)、コバルトブルー(CoO・nAl
23 )、セルリアンブルー(CoO・nSnO2 ・m
MgO(n=1.5〜3.5、m=2〜6))等の青色
着色粒子粉末、クロムグリーン(紺青+黄鉛)、ジンク
グリーン(亜鉛黄+紺青)、酸化クロム(Cr
2 3 )、ビリジアン(Cr 2 O(OH)4 )、エメラ
ルドグリーン(Cu(CH3 CO2 2 ・3CuO(A
sO2 2 )、コバルトグリーン(CoO・ZnO・M
gO)等の緑色着色粒子粉末等である。これらは単独又
は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。
【0022】上記無機着色粒子粉末のうち、亜鉛華、鉛
白、酸化チタン、酸化アンチモン、鉄黒、黄鉛、亜鉛
黄、カドミウムイエロー、黄色含水酸化鉄、チタン黄、
クロムバーミリオン、褐色酸化鉄、べんがら、カドミウ
ムレッド、カドミウムマーキュリーレッド、コバルトブ
ルー、クロムグリーン、酸化クロム等が効果的に本発明
の目的を達成することができ、殊に、鉄黒、べんがら、
褐色酸化鉄等の酸化鉄、黄色含水酸化鉄、酸化チタン、
黄鉛及び酸化クロム等がより効果的に本発明の目的を達
成することができる。
【0023】従って、本発明においては、着色力が小さ
く展色剤と練り合わせると透明もしくは半透明となる体
質顔料粒子は含まない。体質顔料とは、具体的には、B
a、Ca、Al、Si、Mgの硫酸塩、珪酸塩、酸化
物、水酸化物及び炭酸塩等である。
【0024】べんがら(α−Fe2 3 )粒子、鉄黒
(FeOx ・Fe2 3 (0<x≦1))粒子、褐色酸
化鉄(γ−Fe2 3 )粒子等の酸化鉄系粒子及びゲー
タイト(α−FeOOH)粒子、アカゲナイト(β−F
eOOH)粒子、レピドクロサイト(γ−FeOOH)
粒子等の黄色含水酸化鉄系粒子の粒子形状は、立方状、
八面体状、球状等の粒状粒子、針状粒子、紡錘状粒子、
板状粒子等のいずれであってもよく、またこれらの混合
物であってもよい。
【0025】酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系粒子の
粒子サイズは、粒状粒子の場合、通常、平均粒子径0.
01〜10μmの粒子を使用することができ、着色力、
隠蔽力を考慮すれば0.1〜1.0μmが好ましい。ま
た、針状粒子や紡錘状粒子の場合、通常、長軸径0.1
〜20μm、軸比(長軸径:短軸径)2:1〜20:1
の粒子を使用することができ、着色力、隠蔽力を考慮す
れば、長軸径0.1〜1.0μm、軸比(長軸径:短軸
径)3:1〜10:1の粒子が好ましい。また、板状粒
子の場合、通常、平均粒子径(板面径)が0.01〜2
0.0μm、厚み0.005〜2.0μmの粒子を使用
することができ、着色力、光輝性を考慮すれば,平均粒
子径(板面径)0.1〜10.0μm、厚み0.01〜
1.0μmの粒子が好ましい。
【0026】酸化鉄系粒子粉末及び黄色含水酸化鉄系粒
子粉末のBET比表面積値は、通常、1〜200m2
g、好ましくは2〜150m2/g、より好ましくは2.
5〜100m2/gである。BET比表面積値が1m2/g
未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子
相互間で焼結が生じた粒子となっており、ビヒクル中ま
たは樹脂組成物中での分散性に悪影響を与えるので好ま
しくない。BET比表面積値が200m2/gを越える場
合には、粒子の微細化による分子間力の増大により、ビ
ヒクル中や樹脂組成物中における分散が困難となる傾向
がある。
【0027】酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系粒子以
外の前記無機着色粒子粉末は、着色粒子として市販され
ているものを使用することができ、その粒子サイズは、
着色性を考慮すれば、通常、0.01〜10μm、好ま
しくは0.05〜1.0μm程度のものが使用できる。
BET比表面積値は、ビヒクル中または樹脂組成物中で
の分散性を考慮すれば、通常1〜200m2/gであり、
好ましくは2〜150m2/gである。
【0028】本発明に用いられるオルガノシラザンは、
一般式(I)に示される、例えばヘキサメチルジシラザ
ン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザ
ン等のオルガノシラザン、一般式(II)に示される、例
えばトリメチルシラザン、トリエチルシラザン、トリプ
ロピルシラザン、トリフェニルシラザン等のアルキル又
はフェニルシラザン及び一般式(III)に示される、例え
ばヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシク
ロテトラシラザン、ヘキサエチルシクロトリシラザン、
オクタエチルシクロテトラシラザン、ヘキサフェニルシ
クロトリシラザン等の環状シラザンから選ばれる1種ま
たは2種以上である。中でも、ヘキサメチルジシラザン
が好ましい。
【0029】(R1 3Si)2 NH (I) (R1 :C1 〜C3 のアルキル基又はフェニル基を表
す。)
【0030】R2 n Si(NH2 4-n (II) (R2 :C1 〜C3 のアルキル基又はフェニル基を表
す。n:1〜3の整数)
【0031】(R1 2SiNH)m (III) (m:3又は4)
【0032】オルガノシラザン被着量は、C換算で無機
着色粒子粉末に対し0.01〜6重量%である。0.0
1重量%未満の場合には、本発明の目的とする分散性及
び塗膜にした時の耐酸性に優れた無機着色粒子粉末を得
ることが困難となる。6重量%を越える場合には、本発
明の目的とする分散性及び塗膜にした時の耐酸性に優れ
た無機着色粒子粉末が得られるが、その効果は飽和状態
にあり必要以上に添加する意味がない。特に経済性の面
からは、0.01重量部〜1重量部未満が好ましい。
【0033】上記オルガノシラザンを被着した無機着色
粒子粉末を溶剤系塗料に用いた場合の分散性は、例え
ば、べんがら粒子の場合、分散時間45分における塗膜
のグロス(光沢度)が90%以上、分散時間90分にお
ける塗膜のグロスが95%以上、分散安定性を示すグロ
スの変化幅が10%以下、塗膜にした時の耐酸性テスト
に基づくグロスの変化ΔG値が10%以下であり、黄色
含水酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗膜の
グロスが85%以上、分散時間90分における塗膜のグ
ロスが88%以上、グロスの変化幅が10%以下、ΔG
値は10%以下であり、鉄黒粒子の場合、分散時間45
分における塗膜のグロスが85%以上、分散時間90分
における塗膜のグロスが88%以上、グロスの変化幅が
10%以下、ΔG値が10%以下であり、褐色酸化鉄粒
子の場合、分散時間45分における塗膜のグロスが85
%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが88%
以上、グロスの変化幅が10%以下、ΔG値は10%以
下である。
【0034】また、酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系
粒子以外のオルガノシラザン処理無機着色粒子粉末を溶
剤系型塗料に用いた場合の分散性は、分散時間45分に
おける塗膜のグロスが85%以上、分散時間90分にお
ける塗膜のグロスが88%以上、グロスの変化幅が10
%以下、ΔG値は10%以下である。
【0035】一方、上記オルガノシラザン処理無機着色
顔料を水系塗料に用いた場合の分散性は、例えば、べん
がら粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロス
が88%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが
93%以上、グロスの変化幅は10%以下、塗料中のζ
電位は絶対値で40mV以上、ΔG値は10%以下であ
り、黄色含水酸化鉄粒子の場合、分散時間45分におけ
る塗膜のグロスが85%以上、分散時間90分における
塗膜のグロスが88%以上、グロスの変化幅が10%以
下、塗料中のζ電位は絶対値で35mV以上、ΔG値は
10%以下であり、鉄黒粒子の場合、分散時間45分に
おける塗膜のグロスが85%以上、分散時間90分にお
ける塗膜のグロスが88%以上、グロスの変化幅が10
%以下、塗料中のζ電位は絶対値で35mV以上、ΔG
値は10%以下であり、褐色酸化鉄粒子の場合、分散時
間45分における塗膜のグロスが85%以上、分散時間
90分における塗膜のグロスが88%以上、グロスの変
化幅が10%以下、塗料中のζ電位は絶対値で35mV
以上、ΔG値は10%以下である。
【0036】また、酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系
粒子以外のオルガノシラザン処理無機着色顔料を水系塗
料に用いた場合の分散性は、分散時間45分における塗
膜のグロスが85%以上、分散時間90分における塗膜
のグロスが88%以上、グロスの変化幅が10%以下、
塗料中のζ電位は絶対値で35mV以上、ΔG値は10
%以下である。
【0037】本発明において、スクエア酸の被着量は、
C換算で無機着色粒子粉末に対し通常0.01〜10重
量%、好ましくは0.02〜8重量%である。0.01
重量%未満の場合には、本発明の目的とする分散性によ
り優れた無機着色粒子粉末を得ることが困難となる。1
0重量%を越える場合には、本発明の目的とするより分
散性に優れた無機着色粒子粉末が得られるが、その効果
は飽和状態にあり必要以上に添加する意味がない。オル
ガノシラザンの被着量とスクエア酸の被着量との割合
は、1:1000〜1000:1が好ましい。より好ま
しくは1:100〜100:1である。上記範囲外では
併用の効果が十分に発揮されない。
【0038】粒子表面にスクエア酸を被着し、更に、該
被着スクエア酸の表面にオルガノシラザンを被着した2
層処理無機着色顔料を溶剤系塗料に用いた場合の分散性
は、例えば、べんがら粒子の場合、分散時間45分にお
ける塗膜のグロスが92%以上、分散時間90分におけ
る塗膜のグロスが95%以上、グロスの変化幅が7%以
下、ΔG値は7%以下であり、黄色含水酸化鉄粒子の場
合、分散時間45分における塗膜のグロスが88%以
上、分散時間90分における塗膜のグロスが93%以
上、グロスの変化幅が8%以下、ΔG値は8%以下であ
り、鉄黒粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグ
ロスが88%以上、分散時間90分における塗膜のグロ
スが93%以上、グロスの変化幅が8%以下、ΔG値は
8%以下であり、褐色酸化鉄粒子の場合、分散時間45
分における塗膜のグロスが88%以上、分散時間90分
における塗膜のグロスが93%以上、グロスの変化幅が
8%以下、ΔG値は8%以下である。
【0039】また、酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系
粒子以外の2層処理無機着色顔料を溶剤系塗料に用いた
場合の分散性は、分散時間45分における塗膜のグロス
が88%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが
93%以上、グロスの変化幅が8%以下、ΔG値は8%
以下である。
【0040】一方、上記2層処理無機着色顔料を水系塗
料に用いた場合の分散性は、例えば、べんがら粒子の場
合、分散時間45分における塗膜のグロスが89%以
上、分散時間90分における塗膜のグロスが95%以
上、グロスの変化幅が6%以下、塗料中のζ電位は絶対
値で40mV以上、ΔG値は6%以下であり、黄色含水
酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロ
スが88%以上、分散時間90分における塗膜のグロス
が92%以上、グロスの変化幅が8%以下、塗料中のζ
電位は絶対値で38mV以上、ΔG値は8%以下であ
り、鉄黒粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグ
ロスが88%以上、分散時間90分における塗膜のグロ
スが92%以上、グロスの変化幅が8%以下、塗料中の
ζ電位は絶対値で38mV以上、ΔG値は8%以下であ
り、褐色酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗
膜のグロスが88%以上、分散時間90分における塗膜
のグロスが92%以上、グロスの変化幅が8%以下、塗
料中のζ電位は絶対値で38mV以上、ΔG値は8%以
下である。
【0041】また、酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系
粒子以外の2層処理無機着色顔料を水系塗料に用いた場
合の分散性は、分散時間45分における塗膜のグロスが
88%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが9
2%以上、グロスの変化幅が8%以下、塗料中のζ電位
は絶対値で38mV以上、ΔG値は8%以下である。
【0042】本発明の無機着色粒子の粒子表面にアルミ
ニウム水酸化物又は/及びアルミニウムの酸化物が被覆
されている場合、その被覆量はAl換算で無機着色粒子
に対し、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.0
5〜20重量%であり、ケイ素の水酸化物又は/及びケ
イ素の酸化物が被覆されている場合、その被覆量はSi
2 換算で無機着色粒子に対し、通常0.01〜50重
量%、好ましくは0.05〜20重量%である。また、
アルミニウムの水酸化物又は/及びアルミニウムの酸化
物とケイ素の水酸化物又は/及びケイ素の酸化物とを併
せて使用する場合には、無機着色粒子に対しAl換算量
とSiO2 換算量の総和で通常0.01〜50重量%、
好ましくは0.05〜20重量%である。0.01重量
%未満では併用の効果が十分に発揮されず、50重量%
を越えても併用の効果が飽和し、更なる効果は期待でき
ない。
【0043】本発明に係る粒子表面にアルミニウムの水
酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及び
ケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも1種を被覆し、
更に、該表面にスクエア酸を被着し、更に該表面にオル
ガノシラザンを被着した3層処理無機着色顔料を溶剤系
塗料に用いた場合の分散性は、例えば、べんがら粒子の
場合、分散時間45分における塗膜のグロスが95%以
上、分散時間90分における塗膜のグロスが100%以
上、グロスの変化幅が4%以下、ΔG値は4%以下であ
り、黄色含水酸化鉄粒子の場合、分散時間45分のおけ
る塗膜のグロスが90%以上、分散時間90分における
塗膜のグロスが95%以上、グロスの変化幅が5%以
下、ΔG値は5%以下であり、鉄黒粒子の場合、分散時
間45分における塗膜のグロスが90%以上、分散時間
90分における塗膜のグロスが95%以上、グロスの変
化幅が5%以下、ΔG値は5%以下であり、褐色酸化鉄
粒子の場合、分散時間45分のおける塗膜のグロスが9
0%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが95
%以上、グロスの変化幅が5%以下、ΔG値は5%以下
である。
【0044】また、酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系
以外の3層処理無機着色顔料を溶剤系塗料に用いた場合
の分散性は、分散時間45分におけるグロスが90%以
上、分散時間90分における塗膜のグロスが95%以
上、グロスの変化幅が5%以下、ΔG値は5%以下であ
る。
【0045】一方、上記3層処理無機着色顔料を水系塗
料に用いた場合の分散性は、例えば、べんがら粒子の場
合、分散時間45分における塗膜のグロスが95%以
上、分散時間90分における塗膜のグロスが100%以
上、グロスの変化幅が4%以下、塗料中のζ電位は絶対
値で43mV以上、ΔG値は4%以下であり、黄色含水
酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグロ
スが90%以上、分散時間90分における塗膜のグロス
が95%以上、グロスの変化幅が5%以下、塗料中のζ
電位は絶対値で40mV以上、ΔG値は5%以下であ
り、鉄黒粒子の場合、分散時間45分における塗膜のグ
ロスが90%以上、分散時間90分における塗膜のグロ
スが95%以上、グロスの変化幅が5%以下、塗料中の
ζ電位は絶対値で40mV以上、ΔG値は5%以下であ
り、褐色酸化鉄粒子の場合、分散時間45分における塗
膜のグロスが90%以上、分散時間90分における塗膜
のグロスが95%以上、グロスの変化幅が5%以下、塗
料中のζ電位は絶対値で40mV以上、ΔG値は5%以
下である。
【0046】また、酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系
粒子以外の3層処理無機着色顔料を水系塗料に用いた場
合の分散性は、分散時間45分における塗膜のグロスが
90%以上、分散時間90分における塗膜のグロスが9
5%以上、グロスの変化幅が5%以下、塗料中のζ電位
は絶対値で40mV以上、ΔG値は5%以下である。
【0047】本発明の表面処理無機着色顔料の塗料への
配合割合は、通常、塗料構成基材100重量部に対し1
0〜90重量部の範囲で使用することができ、塗料のハ
ンドリングを考慮すれば、20〜60重量部が好まし
く、更に好ましくは30〜50重量部である。
【0048】本発明における塗料構成基材としては、樹
脂、溶剤、及び必要に応じて体質顔料、乾燥促進剤、界
面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
【0049】本発明に係る塗料中の樹脂と溶剤の配合割
合は、樹脂100重量部に対し溶剤が50〜5000重
量部が好ましく、より好ましくは100〜2000重量
部である。50重量部未満の場合は、塗料の粘度が高く
なりすぎ、均一な混合分散が困難になる。5000重量
部を越える場合は、塗料中の溶剤組成分が多くなりす
ぎ、その結果、混合分散時において粒子へのシェアーが
掛からなくなるため好ましくない。
【0050】樹脂としては、溶剤系塗料用として通常使
用されるアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂等を用いることができ
る。水系塗料用としては、通常使用される水溶性アルキ
ッド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、
水溶性エポキシ樹脂、水溶性メラミン樹脂、アクリルエ
マルジョン樹脂、アクリル・スチレンエマルジョン樹
脂、ウレタンエマルジョン樹脂、エポキシエマルジョン
樹脂、酢酸ビニルエマルジョン樹脂等を用いることがで
きる。これらは単独又は必要に応じて2種以上組み合わ
せて用いられる。
【0051】溶剤としては、溶剤系塗料用として通常使
用されるトルエン、キシレン、ブチルアセテート、メチ
ルアセテート、メチルイソブチルケトン、ブチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルアルコール、脂肪族炭
化水素等を用いることができる。これらは単独又は必要
に応じて2種以上組み合わせて用いられる。
【0052】水系塗料用としては、水に加えて通常使用
されるブチルセロソルブ、ブチルアルコール等を使用す
ることができる。これらは単独又は必要に応じて2種以
上組み合わせて用いられる。
【0053】消泡剤としては、ノプコ8034、SNデ
フォーマー477、SNデフォーマー5013、SNデ
フォーマー247、SNデフォーマー382(以上、い
ずれもサンノプコ(株)製商品名)、アンチホーム0
8、エマルゲン903(以上、いずれも花王(株)製商
品名)等の市販品を使用することができる。これらは単
独又は必要に応じて2種以上組み合わせて用いられる。
【0054】次に、前記本発明に係わる表面処理無機着
色顔料の製造法について述べる。
【0055】本発明に用いるオルガノシラザンは、市販
のものを使用すればよく、そのまま無機着色粒子粉末に
添加して使用すればよい。
【0056】オルガノシラザンの添加量は、無機着色粒
子粉末に対してC換算で0.01〜6重量%が好まし
い。0.01重量%未満の場合には、本発明の目的とす
る分散性及び塗膜にした時の耐酸性に優れた無機着色粒
子粉末を得ることが困難となる。6重量%を越える場合
には、本発明の目的とする分散性及び塗膜にした時の耐
酸性に優れた無機着色粒子粉末が得られるが、その効果
は飽和状態にあり必要以上に添加する意味がない。特に
経済性の面からは、0.01重量部〜1重量部未満が好
ましい。
【0057】本発明における無機着色粒子粉末とオルガ
ノシラザンとの混合は、80℃以上の温度で行なう。8
0℃未満の場合には、オルガノシラザンの粘性が非常に
高く、無機着色粒子粉末の粒子表面への均一な被着が困
難となり、本発明の目的とする無機着色粒子粉末を得る
ことができない。温度の上限については特に制限されな
いが、作業性、エネルギーコストの観点から120℃程
度が好ましい。
【0058】無機着色粒子粉末は、オルガノシラザンと
の混合にあたって、あらかじめ80℃以上で加熱して水
分量を低減させ、殊に、0.2重量%以下に調整してお
くことが好ましい。無機着色粒子粉末の水分量が多い
と、粒子間に液架橋している水分が粒子同士の凝集を強
固なものとするため、1個1個の粒子に均一に被着する
ことが困難となる。
【0059】混合するための機器としては、無機着色粒
子粉末と表面処理剤とを混合するにあたって、通常使用
される高速アジテート型ミキサー、具体的にはヘンシェ
ルミキサー、スピードミキサー、ボールカッター、パワ
ーミキサー、ハイブリッドミキサー等を使用すればよ
く、オルガノシラザンの均一被着を考慮するとヘンシェ
ルミキサーを使用するのが好ましい。攪拌時間は、高速
アジテート型ミキサー内で無機着色粒子粉末とオルガノ
シラザンとを充分に混合することが肝要であり、少なく
とも5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上で
ある。
【0060】本発明におけるスクエア酸としては、例え
ば、市販の3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−
1,2−ジオン(東京化成工業(株)製)を使用するこ
とができる。スクエア酸は粉末状態であり、これを被着
処理する水中に直接添加して使用しても、また、あらか
じめ水に溶解して溶液濃度0.1〜50g/L、好まし
くは0.5〜10g/Lにして使用してもよいが、後者
の方法が好ましい。本発明におけるスクエア酸の被着処
理は、無機着色粒子粉末とスクエア酸とを含む水懸濁液
を混合した後、濾別、乾燥すればよい。無機着色粒子粉
末とスクエア酸の水中への添加順序は、いずれが先で
も、又は、同時でもよい。
【0061】スクエア酸の添加量は、無機着色粒子粉末
に対しC換算で通常0.01〜10重量%、好ましくは
0.02〜8重量%である。0.01重量%未満の場合
には、本発明の目的とするより分散性に優れた無機着色
粒子粉末を得ることが困難となる。10重量%を越える
場合には、本発明の目的とするより分散性に優れた無機
着色粒子粉末が得られるが、その効果は飽和状態にあり
必要以上に添加する意味がない。水懸濁液の混合時間
は、無機着色粒子粉末とスクエア酸とを充分に混合攪拌
することが肝要であり、少なくとも5分が好ましく、よ
り好ましくは10分以上である。
【0062】本発明における無機着色粒子粉末は、スク
エア酸処理を行う前に、必要により、アルミニウムの水
酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及び
ケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも1種で被覆され
ていてもよい。被覆処理は、無機着色粒子粉末を水溶液
中に分散して得られる水性懸濁液に、アルミニウム化合
物、ケイ素化合物または該両化合物を添加して混合攪拌
することにより、又は、必要によりpH値を調整するこ
とにより、前記無機着色粒子粉末の粒子表面に、アルミ
ニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水
酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる少なくとも1種
を被覆すればよい。
【0063】被覆処理において添加するアルミニウム化
合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、
塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム
塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ
塩、アルミナゾル等が使用できる。これらは単独又は2
種以上組み合わせて用いられる。
【0064】アルミニウム化合物の添加量は、水性懸濁
液中の無機着色粒子粉末に対し、Al換算で通常0.0
1〜50重量%、好ましくは0.05〜20重量%であ
る。0.01重量%未満である場合には、耐酸性の向上
効果が不十分で、50重量%を越える場合には、被覆効
果が飽和するため、必要以上に添加する意味が無い。被
覆処理において添加するケイ素化合物としては、3号水
ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、コロイダルシリカ等が使用できる。これらは単独又
は2種以上組み合わせて用いられる。ケイ素化合物の添
加量は、水性懸濁液中の無機着色粒子粉末に対しSiO
2 換算で通常0.01〜50重量%、好ましくは0.0
5〜20重量%である。0.01重量%未満である場合
には、耐酸性の向上効果が不十分で、50重量%を越え
る場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に添加
する意味が無い。
【0065】アルミニウム化合物とケイ素化合物とを併
せて使用する場合の添加量は、水性懸濁液中の無機着色
粒子粉末に対しAl換算量とSiO2 換算量との総和で
通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜20
重量%である。0.01重量%未満である場合には、耐
酸性の向上効果が不十分で、50重量%を越える場合に
は、被覆効果が飽和するため、必要以上に添加する意味
が無い。
【0066】
【作用】本発明において最も重要な点は、粒子表面にオ
ルガノシラザンが被着されている無機着色粒子粉末は、
溶剤系塗料はもちろん、水系塗料においても優れた易分
散性、分散均一性、分散安定性及び耐酸性を示すという
点である。
【0067】オルガノシラザンが被着されている無機着
色粒子粉末が、殊に、水系塗料において優れた易分散
性、分散均一性、分散安定性及び塗膜を形成した時の耐
酸性を示す理由について、本発明者らは、以下のように
考えている。溶剤系塗料においては、樹脂が無機着色粒
子表面に拡がりをもって吸着しているが、この吸着した
樹脂によって無機着色粒子が接近すると大きな交換反発
力が働き、所謂、立体障害が生じ無機着色粒子相互の接
近を妨げ、無機着色粒子が塗料中で安定して存在してい
る。しかし、水系塗料においては、前述した通り、樹脂
が拡がりをもたずに粒子状態で存在しており、溶剤系塗
料における無機着色粒子粉末に見られる立体障害効果が
発揮しにくいため、無機着色粒子粉末の分散が困難とな
る。
【0068】一般に、塗料中の懸濁粒子のゼータ電位
は、その絶対値が大きくなるほど、静電気的反発力によ
って懸濁粒子の分散性が優れることが知られているが、
本発明に係る粒子表面にオルガノシラザンが被着されて
いる無機着色粒子粉末は、水系塗料中でそのゼータ電位
を測定すると後出実施例に示す通り、−30〜−55m
V程度、殊に、−35〜−55mVとその絶対値が高い
ことから、水系塗料中において、その粒子表面が負に帯
電しやすくなっており、粒子相互間における電気的反発
力が大きいものである。その結果、易分散性、分散均一
性に優れたものとなる。そして、一旦、一次粒子に近い
状態にまで分散された後は、その電気的反発力によって
分散状態を長時間保つことができ、その結果、分散安定
性に優れたものとなる。
【0069】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は、
次の通りである。
【0070】以下の記載において、各種の特性、物性、
及び被着量等は下記の方法で測定した。
【0071】無機着色粒子の粒子径:電子顕微鏡写真
(20,000倍)を縦方向および横方向に拡大した写
真(80,000倍)に示される粒子約350個につい
て、定方向径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0072】比表面積値:窒素吸収法によるBET法に
より測定した値で示した。
【0073】無機着色粒子の内部や表面に存在するA
l、Siの量:「蛍光X線分析装置3063M型」(理
学電機工業( 株) 製)を使用し、JIS K0119の
「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0074】オルガノシラザン及びスクエア酸の被着
量:" 堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−220
0" ((株) 堀場製作所製)を用いて、炭素量を測定し
た値で示した。
【0075】分散性:塗膜のグロスを「グロスメーター
UGV−5D」(スガ試験機(株)製)を用いて20
°光沢を測定した値で示した。グロスが高いほど、無機
着色粒子の分散性が優れていることを示す。
【0076】易分散性:後出の所定の組成分を所定割合
で配合し、ミルベースを45分間分散させて得られた塗
料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(J
IS G 3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥
して製造した塗膜のグロスを測定した値で示した。
【0077】分散均一性:後出の所定の組成分を所定割
合で配合し、ミルベースを90分間分散(この時点で分
散が飽和した状態にある)させて得られた塗料を冷間圧
延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G
3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造し
た塗膜のグロスを測定した値で示した。
【0078】分散安定性:後出の所定の組成分を所定割
合で配合し、ミルベースを90分間分散させた後、更
に、溶剤系塗料の場合は、シンナーをその溶剤系塗料に
対して40重量%、水系塗料の場合は、水をその水系塗
料に対して40重量%加えて塗料を希釈して得られた希
釈塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)
(JIS G3141)に150μmの厚みで塗布、乾
燥して製造した塗膜のグロスを測定し、希釈前後の塗膜
のグロスの変化幅で示した。本発明の場合、差の絶対値
が小さいほど、分散安定性が良好であることを示す。
【0079】水系塗料における貯蔵安定性:後出の所定
の組成分を所定割合で配合し、ミルベースを90分間分
散させて得られた塗料を1日放置した後、冷間圧延鋼板
(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G 314
1)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜
のグロスを測定した値で示した。
【0080】水系塗料における無機着色粒子のゼータ電
位:後出の所定の組成分を所定割合で配合し、ミルベー
スを90分間分散させて得られた塗料を純水100gに
対して0.5g加え、超音波分散機C−10(超音波工
業社(株)製)で1分間分散させて得られた懸濁液を用
いて、ゼータ電位計MODEL−501(PEN−KE
M社製)で測定した値で示した。
【0081】耐酸性:後出の所定の組成分を所定割合で
配合し、ミルベースを90分間分散させて得られた溶剤
系及び水系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×1
50mm)(JIS G 3141)に150μmの厚み
で塗布、乾燥して製造した塗膜を有する試料を用意し、
グロスを測定しておく。次に、1000ccのビーカーに
5重量%硫酸水溶液を入れ、上記試料を糸でつるして、
約120mmの深さまで浸し25℃で24時間静置する。
次に、試料を酸液から取り出して流水で静かに洗い、水
を振り切った後、試料の中心部分のグロスを測定する。
そして酸液への浸漬前後のグロスの変化(ΔG)を測定
し、これの大小で耐酸性を評価した。ΔGが小さいほど
耐酸性に優れていることを示す。
【0082】本発明の表面処理無機(酸化鉄系)着色粒
子粉末を下記の方法で製造した。 <酸化鉄系着色粒子粉末の製造>平均粒子径0.21μ
m、BET比表面積値9.2m2/ gの粒状べんがら(α
−Fe2 3 )粒子粉末2.5Kgをあらかじめ85℃に
加熱したヘンシェルミキサー(10L)に投入し、回転
数1200rpm で10分間作動・混合させて水分を除去
してべんがら粒子の水分値を0.09重量%とした。上
記ヘンシェルミキサーを、温度85℃に維持しながらヘ
キサメチルジシラザン(信越化学工業(株)製)15g
(べんがら粒子に対して0.6重量%に相当する)を
1.5g/分の添加速度で10分間かけて添加し、引き
続き20分間混合して、前記べんがら粒子の粒子表面に
ヘキサメチルジシラザンを被着させた。
【0083】次いで、ヘンシェルミキサーを混合させな
がら室温まで冷却して粒子表面にヘキサメチルジシラザ
ンが被着されているべんがら粒子粉末を得た。得られた
べんがら粒子粉末は、平均粒子径が0.21μm、BE
T比表面積値8.9m2/ gであり、ヘキサメチルジシラ
ザンの被着量がC換算で0.26重量%であった。
【0084】上記表面処理べんがら粒子粉末を混合した
溶剤系塗料を下記の方法で製造した。 <溶剤系塗料の製造>140mlのガラスビンに上記で得
られた表面処理べんがら粒子粉末10gを用い、溶剤系
塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90
gとともにペイントシェーカーで45分間または90分
間混合分散し、ミルベースを作製した。 べんがら粒子粉末 12.2重量部 アミノアルキッド樹脂(アミラックNo. 1026:関西ペイント(株)製) 19.5重量部 シンナー 7.3重量部
【0085】上記ミルベースを用いて、溶剤系塗料組成
を下記割合で配合してペイントシェーカーでさらに15
分間混合分散して、ヘキサメチルジシラザンが被着され
ているべんがら粒子を含む溶剤系塗料を得た。 ミルベース 39.0重量部 アミノアルキッド樹脂(アミラックNo. 1026:関西ペイント(株)製) 61.0重量部
【0086】この溶剤系塗料を用いて製造した塗膜の、
分散時間が45分の場合のグロスは91%、分散時間が
90分の場合のグロスは95%、分散安定性を示すグロ
スの変化幅は6%、塗膜の耐酸性テストに基づくグロス
の変化ΔG値は8%であった。
【0087】上記表面処理べんがら粒子粉末を配合した
水系塗料を下記の方法で製造した。 <水系塗料の製造>140mlのガラスビンに、上記で得
られた表面処理べんがら粒子粉末7.62gを用い、水
系塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ9
0gとともにペイントシェーカーで45分間または90
分間混合分散し、ミルベースを作製した。 べんがら粒子粉末 12.4重量部 水溶性アルキッド樹脂(S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 9.0重量部 消泡剤(ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 0.1重量部 水 4.8重量部 ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0088】上記ミルベースを用いて、水系塗料組成を
下記割合で配合してペイントシェーカーでさらに15分
間混合分散して、ヘキサメチルジシラザンが被着されて
いるべんがら粒子を含む水系塗料を得た。 ミルベース 30.4重量部 水溶性アルキッド樹脂(S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 46.2重量部 水溶性メラミン樹脂(S−695:大日本インキ化学工業(株)製) 12.6重量部 消泡剤(ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 0.1重量部 水 9.1重量部 ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0089】この塗料を用いて製造した塗膜の、分散時
間が45分の場合のグロスは90%、分散時間が90分
の場合のグロスは95%、分散安定性を示すグロスの変
化幅は6%、貯蔵安定性は90%、塗料中の粒子のζ電
位は−47.6mVであり、塗膜の耐酸性テストに基づ
くグロスの変化ΔG値は8%であった。
【0090】
【実施例】次に、実施例並びに比較例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制
限するものではない。
【0091】<表面処理無機着色粒子粉末の製造> 実施例1〜4、比較例1〜4、比較例5〜12 酸化鉄系粒子粉末又は黄色含水酸化鉄系粒子粉末の種
類、量及び加熱処理温度並びにオルガノシラザンの種
類、量及び混合時温度を種々変化させた以外は、実施の
形態と同様にして表面処理酸化鉄系粒子粉末又は黄色含
水酸化鉄系粒子粉末を得た。この時の諸条件を表1及び
表2に示す。尚、比較例1〜4は、比較のため、未処理
の酸化鉄系粒子粉末又は黄色含水酸化鉄系粒子粉末を用
意した。これら酸化鉄系粒子粉末又は黄色含水酸化鉄系
粒子粉末の諸特性を表2に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】実施例5 粒状のべんがら粒子粉末(平均粒子径0.25μm、B
ET比表面積値7.2m2/g)20Kgを、水150リッ
トル(L)に攪拌機を用いて邂逅し、さらにホモミック
ラインミル(特殊機化工業(株) 製)を3回通してべん
がら粒子のスラリーを得た。一方、スクエア酸(3,4
−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン;
東京化成工業(株)製)150gをあらかじめ15Lの
水に溶解させた。次いで、べんがら粒子のスラリーの濃
度を100g/Lとし、スラリーを150L採取した。
このスラリーを攪拌しながら60℃まで昇温し、上述の
スクエア酸溶液を添加して30分間混合攪拌した後、濾
過、乾燥、粉砕してべんがら粒子の粒子表面にスクエア
酸を被着させた。得られたべんがら粒子粉末は、スクエ
ア酸被着量がC換算で0.41重量%であった。
【0095】上記粒子表面がスクエア酸で被着されてい
るべんがら粒子粉末2.5Kgを、あらかじめ100℃に
加熱したヘンシェルミキサー(10L)に投入し、回転
数1200rpm で10分間作動・混合させて水分を除去
し、べんがら粒子の水分値を0.02重量%とした。上
記ヘンシェルミキサーの温度を100℃に維持しながら
ヘキサメチルジシラザン(信越化学工業(株)製)12
5gを12.5g/分の添加速度で10分間かけて添加
し、引き続き20分間混合して、前記べんがら粒子の粒
子表面にヘキサメチルジシラザンを被着させた。次い
で、ヘンシェルミキサーを混合させながら室温まで冷却
して、粒子表面にヘキサメチルジシラザンが被着されて
いるべんがら粒子粉末を得た。得られたべんがら粒子粒
子粉末は、粒子径が0.25μmの粒状粒子であり、B
ET比表面積値6.6m2/gであり、ヘキサメチルシラ
ザン被着量がC換算で2.22重量%であった。
【0096】実施例6〜8、比較例13 酸化鉄系粒子粉末又は黄色含水酸化鉄系粒子粉末の種
類、量及び加熱処理の有無、温度、スクエア酸の種類及
び量、並びにオルガノシラザン処理の有無、種類、量及
び混合時温度を種々変化させた以外は、実施例5と同様
にして表面処理酸化鉄系粒子粉末又は黄色含水酸化鉄系
粒子粉末を得た。この時の諸条件を表1、2に示す。
【0097】実施例9 粒状のべんがら粒子粉末(平均粒子径0.25μm、B
ET比表面積値7.2m2/g)20Kgを、水150Lに
攪拌機を用いて邂逅し、さらにホモミックラインミル
(特殊機化工業(株) 製)を3回通してべんがら粒子の
スラリーを得た。
【0098】べんがら粒子のスラリーの濃度を100g
/Lとし、スラリーを150L採取した。このスラリー
を攪拌しながら60℃まで昇温し、0.1N水酸化ナト
リウム溶液をスラリーのpHが10.5になるまで添加
した。次いで該スラリーに1Nアルミン酸ナトリウム溶
液5556ml(べんがら粒子に対して、Al換算で1重
量%に相当する)を添加し、30分熟成した後、1N酢
酸溶液を用いてスラリーのpHを6.5に調整し、べん
がら粒子の粒子表面にAlの水酸化物を被覆させた。
【0099】次に、別に用意したスクエア酸(3,4−
ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン;東
京化成工業(株)製)225gをあらかじめ20Lの水
に溶解させた。上記のスクエア酸溶液を、表面にAlの
水酸化物が被覆されたべんがら粒子のスラリーに添加し
て30分間混合攪拌した後、濾過、乾燥、粉砕してAl
の水酸化物が被覆されたべんがら粒子の粒子表面に更に
スクエア酸を被着させた。得られたべんがら粒子粉末
は、スクエア酸被着量がC換算で0.61重量%であっ
た。
【0100】上記粒子表面がAlの水酸化物及びスクエ
ア酸で被着されているべんがら粒子粉末2.5Kgを、あ
らかじめ85℃に加熱したヘンシェルミキサー(10
L)に投入し、回転数1200rpm で10分間作動・混
合させて水分を除去し、粒子表面がまずAlの水酸化
物、次いでスクエア酸の2層で被着されているべんがら
粒子の水分値を0.05重量%とした。上記ヘンシェル
ミキサーの温度を85℃に維持しながらヘキサメチルジ
シラザン(信越化学工業(株)製)37.5gを3.7
5g/分の添加速度で10分間かけて添加し、引き続き
20分間混合して、前記べんがら粒子の粒子表面にヘキ
サメチルジシラザンを被着させた。次いで、ヘンシェル
ミキサーを混合させながら室温まで冷却して、粒子最外
層表面にヘキサメチルジシラザン、中間層としてスクエ
ア酸、下地層としてAlの水酸化物が被着されたべんが
ら粒子粉末を得た。得られたべんがら粒子粒子粉末は、
粒子径が0.25μm、BET比表面積値7.1m2
g、ヘキサメチルシラザン被着量がC換算で0.66重
量%であった。
【0101】実施例10〜12、比較例14〜15 酸化鉄系粒子粉末又は黄色含水酸化鉄粒子粉末の種類、
量及び加熱処理の有無、温度、アルミニウム化合物及び
ケイ素化合物の種類及び量、並びにスクエア酸の種類及
び量、オルガノシラザン処理の有無、種類、量及び混合
時温度を種々変化させた以外は、実施例9と同様にして
表面処理酸化鉄系粒子粉末又は黄色含水酸化鉄粒子粉末
を得た。この時の諸条件を表1、2に示す。
【0102】<表面処理酸化鉄系顔料を含む溶剤系塗料
の製造> 実施例13及び比較例16 140mlのガラスビンに実施例1で得られた表面処理べ
んがら粒子粉末10gを用い、塗料組成を下記割合で配
合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイントシェ
ーカーで45分間または90分間混合分散し、ミルベー
スを作製した。 実施例1で得られたべんがら粒子粉末 12.2重量部 アミノアルキッド樹脂 19.5重量部 (アミラックNo1026:関西ペイント(株)製) シンナー 7.3重量部
【0103】上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記
割合で配合してペイントシェーカーでさらに15分間混
合分散し溶剤系塗料を得た。 ミルベース 39.0重量部 アミノアルキッド樹脂 61.0重量部 (アミラックNo1026:関西ペイント(株)製)
【0104】得られた溶剤系塗料の諸特性を表3に示
す。
【0105】尚、比較例16として、比較例1の未処理
のべんがら粒子粉末を溶剤系塗料の製造に際して塗料中
に添加した以外は、実施例13と同様にして塗料を製造
した。得られた溶剤系塗料の諸特性を表4に示す。
【0106】実施例14〜24、比較例17〜30 酸化鉄系粒子又は黄色含水酸化鉄系粒子の種類を種々変
化させた以外は、実施例13と同様にして溶剤系塗料を
製造した。得られた溶剤系塗料の諸特性を表3及び表4
に示す。
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】<表面処理酸化鉄系顔料を含む水系塗料の
製造> 実施例25及び比較例31 140mlのガラスビンに実施例1で得られた表面処理べ
んがら粒子粉末7.62gを用い、塗料組成を下記割合
で配合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイント
シェーカーで45分間又は90分間混合分散し、ミルベ
ースを作製した。 実施例1で得られたべんがら粒子粉末 12.4重量部 水溶性アルキド樹脂 9.0重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 0.1重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 4.8重量部 ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0110】上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記
割合で配合してペイントシェーカーでさらに15分間混
合分散し水系塗料を得た。 ミルベース 30.4重量部 水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 水溶性メラミン樹脂 12.6重量部 (商品名:S−695:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 0.1重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 9.1重量部 ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0111】得られた水系塗料の諸特性を表5に示す。
【0112】尚、比較例31として、比較例1の未処理
のべんがら粒子粉末を水系塗料の製造に際して塗料中に
添加した以外は、実施例25と同様にして塗料を製造し
た。得られた水系塗料の諸特性を表6に示す。
【0113】実施例26〜36、比較例32〜45 酸化鉄系粒子又は黄色含水酸化鉄系粒子の種類を種々変
化させた以外は、実施例25と同様にして得られた水系
塗料を製造した。得られた水系塗料の諸特性を表5及び
表6に示す。
【0114】
【表5】
【0115】
【表6】
【0116】<酸化鉄系粒子及び黄色含水酸化鉄系粒子
以外の表面処理無機着色粒子の製造> 実施例37 平均粒径0.27μmの粒状酸化チタン粒子粉末2.5
Kgをあらかじめ85℃に加熱したヘンシェルミキサー
(10L)に投入し、回転数1200rpm で10分間作
動・混合させて水分を除去して酸化チタン粒子の水分値
を0.10重量%とした。
【0117】上記ヘンシェルミキサーの温度を95℃に
維持しながらヘキサメチルジシラザン25g(酸化チタ
ン粒子に対し1.0重量%に該当する。)を2.5g/
分の添加速度で10分間かけて添加し、引き続き20分
間混合して、前記酸化チタン粒子の粒子表面にヘキサメ
チルジシラザンを被着させた。次いで、ヘンシェルミキ
サーを混合させながら室温まで冷却して粒子表面にヘキ
サメチルジシラザンが被着されている酸化チタン粒子を
得た。得られた酸化チタン粒子粉末は、ヘキサメチルジ
シラザンの被着量が0.44重量%であった。この時の
諸特性を表7に示す。
【0118】実施例38〜42、比較例46〜50、比
較例51〜58 無機着色粒子粉末の種類、量及び加熱処理温度、並びに
オルガノシラザンの種類、量及び混合時温度を種々変化
させた以外は、実施例37と同様にして表面処理無機着
色粒子粉末を得た。この時の諸条件を表7及び表8に示
す。尚、比較例46〜50は、比較のため、未処理の無
機着色粒子粉末を用意した。これら無機着色粒子粉末の
諸特性を表8に示す。
【0119】
【表7】
【0120】
【表8】
【0121】実施例43 スクエア酸(3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン
−1,2−ジオン;東京化成工業(株)製)30gをあ
らかじめ5Lの純水に添加して作製したスクエア酸溶液
に水を加えて25Lとし、攪拌機でよく攪拌した。この
時のスクエア酸の濃度は、1.2g/Lであった。上記
スクエア酸溶液中に平均粒径0.27μmの粒状酸化チ
タン粒子3Kgを徐々に添加し、ホモミキサーて30分間
混合攪拌した後、濾過、乾燥、粉砕して酸化チタン粒子
の粒子表面にスクエア酸を被着させた。得られた酸化チ
タン粒子粉末は、スクエア酸被着量がC換算で0.40
重量%であった。
【0122】上記粒子表面がスクエア酸で被着されてい
る酸化チタン粒子粉末2.5Kgを、あらかじめ95℃に
加熱したヘンシェルミキサー(10L)に投入し、回転
数1200rpm で10分間作動・混合させて水分を除去
して酸化チタン粒子の水分値を0.1重量%とした。上
記ヘンシェルミキサーの温度を85℃に維持しながらヘ
キサメチルジシラザン25gを2.5g/分の添加速度
で10分間かけて添加し、引き続き20分間混合して、
前記酸化チタン粒子の粒子表面にヘキサメチルジシラザ
ンを被着させた。次いで、ヘンシェルミキサーを混合さ
せながら室温まで冷却して粒子表面にヘキサメチルジシ
ラザンが被着されている酸化チタン粒子を得た。得られ
た酸化チタン粒子粉末は、ヘキサメチルジシラザン被着
量がC換算で0.41%であった。
【0123】実施例45、47、比較例59 無機着色粒子粉末の種類、量及び加熱処理の有無、温
度、スクエア酸の種類及び量並びにオルガノシラザン処
理の種類、量及び混合時温度を種々変化させた以外は、
実施例43と同様にして表面処理無機着色粒子粉末を得
た。この時の諸条件を表7、表8に示す。
【0124】実施例44 平均粒径0.25μmの粒状の酸化チタン粒子粉末20
Kgを、水150Lに攪拌機を用いて邂逅し、さらにホモ
ミックラインミル(特殊機化工業(株) 製)を3回通し
て酸化チタン粒子のスラリーを得た。酸化チタン粒子の
スラリーの濃度を100g/Lとし、スラリーを150
L採取した。このスラリーを攪拌しながら60℃まで昇
温し、0.1N水酸化ナトリウム溶液をスラリーのpH
が10.5になるまで添加した。次いで該スラリーに1
Nアルミン酸ナトリウム溶液11112ml(酸化チタン
粒子に対して、Al換算で2重量%に相当する)を添加
し、30分熟成した後、1N酢酸溶液を用いてスラリー
のpHを6.5に調整し、酸化チタン粒子の粒子表面に
Alの水酸化物を被覆させた。
【0125】次に別に用意したスクエア酸(3,4−ジ
ヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン;東京
化成工業(株)製)300gをあらかじめ30Lの水に
溶解させた。上記のスクエア酸溶液を、表面にAlの水
酸化物が被覆された酸化チタンのスラリーに添加して3
0分間混合攪拌した後、濾過、乾燥、粉砕してAlの水
酸化物が被覆された酸化チタン粒子の粒子表面にさらに
スクエア酸を被着させた。得られた酸化チタン粒子粉末
は、スクエア酸被着量がC換算で0.79重量%であっ
た。
【0126】上記粒子表面がAlの水酸化物及びスクエ
ア酸で被着されている酸化チタン粒子粉末2.5Kgを、
あらかじめ90℃に加熱したヘンシェルミキサー(10
L)に投入し、回転数1200rpm で10分間作動・混
合させて水分を除去し、粒子表面がまずAlの水酸化
物、次いでスクエア酸の2層で被着されている酸化チタ
ン粒子の水分値を0.08重量%とした。上記ヘンシェ
ルミキサーの温度を90℃に維持しながらヘキサメチル
ジシラザン(信越化学工業(株)製)75gを5.0g
/分の添加速度で15分間かけて添加し、引き続き20
分間混合して、前記酸化チタン粒子の粒子表面にヘキサ
メチルジシラザンを被着させた。次いで、ヘンシェルミ
キサーを混合させながら室温まで冷却して、粒子最外層
表面にヘキサメチルジシラザン、中間層としてスクエア
酸、下地層としてAlの水酸化物が被着された酸化チタ
ン粒子粉末を得た。得られた酸化チタン粒子粒子粉末
は、粒子径が0.27μmの粒状粒子であり、ヘキサメ
チルシラザン被着量がC換算で1.32重量%であっ
た。
【0127】実施例46、48、比較例60、61 無機着色粒子粉末の種類、量及び加熱処理の有無、温
度、アルミニウム化合物及びケイ素化合物の種類及び
量、並びにスクエア酸の種類及び量、オルカノシラザン
処理の有無、種類、量及び混合時温度を種々変化させた
以外は、実施例44と同様にして表面処理無機着色粒子
粉末を得た。この時の諸条件を表7、表8に示す。
【0128】〈酸化鉄以外の表面処理無機着色顔料を含
む溶剤系塗料の製造〉 実施例49及び比較例62 140mlのガラスビンに実施例37で得られた表面処理
酸化チタン粒子粉末10gを用い、塗料組成を下記割合
で配合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイント
シェーカーで45分間または90分間混合分散し、ミル
ベースを作製した。 実施例37で得られた酸化チタン粒子粉末 12.2重量部 アミノアルキッド樹脂 19.5重量部 (アミラックNo1026:関西ペイント(株)製) シンナー 7.3重量部
【0129】上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記
割合で配合してペイントシェーカーでさらに15分間混
合分散し溶剤系塗料を得た。 ミルベース 39.0重量部 アミノアルキッド樹脂 61.0重量部 (アミラックNo1026:関西ペイント(株)製)
【0130】得られた溶剤系塗料の諸特性を表9に示
す。
【0131】尚、比較例62として、比較例46の未処
理の酸化チタン粒子粉末を溶剤系塗料の製造に際して塗
料中に添加した以外は、実施例49と同様にして塗料を
製造した。得られた溶剤系塗料の諸特性を表10に示
す。
【0132】実施例50〜60、比較例63〜77 無機着色粒子の種類を種々変化させた以外は、実施例4
9と同様にして溶剤系塗料を製造した。得られた溶剤系
塗料の諸特性を表9及び表10に示す。
【0133】
【表9】
【0134】
【表10】
【0135】<酸化鉄系以外の表面処理無機着色顔料を
含む水系塗料の製造> 実施例61及び比較例78 140mlのガラスビンに実施例37で得られた表面処理
酸化チタン粒子粉末7.62gを用い、塗料組成を下記
割合で配合して3mmφガラスビーズ90gとともにペイ
ントシェーカーで45分間または90分間混合分散し、
ミルベースを作製した。 実施例37で得られた酸化チタン粒子粉末 12.4重量部 水溶性アルキド樹脂 9.0重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 0.1重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 4.8重量部 ブチルセロソルブ 4.1重量部
【0136】上記ミルベースを用いて、塗料組成を下記
割合で配合してペイントシェーカーでさらに15分間混
合分散し水系塗料を得た。 ミルベース 30.4重量部 水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部 (商品名:S−118:大日本インキ化学工業(株)製) 水溶性メラミン樹脂 12.6重量部 (商品名:S−695:大日本インキ化学工業(株)製) 消泡剤 0.1重量部 (商品名:ノプコ8034:サンノプコ(株)製) 水 9.1重量部 ブチルセロソルブ 1.6重量部
【0137】得られた水系塗料の諸特性を表11に示
す。
【0138】尚、比較例78として、比較例46の未処
理の酸化チタン粒子粉末を水系塗料の製造に際して塗料
中に添加した以外は、実施例61と同様にして塗料を製
造した。得られた水系塗料の諸特性を表12に示す。
【0139】実施例62〜72、比較例79〜93 無機着色粒子の種類を種々変化させた以外は、実施例6
1と同様にして得られた水系塗料を製造した。得られた
水系塗料の諸特性を表11及び表12に示す。
【0140】
【表11】
【0141】
【表12】
【0142】
【発明の効果】本発明の表面処理無機着色顔料は、前出
実施例及び比較例との対比から明かな通り、特に塗料
中、殊に、水系塗料中における易分散性、分散均一性、
分散安定性及び耐酸性に優れた無機着色粒子粉末である
ので塗料用無機着色粒子粉末として好適である。
【0143】また、本発明塗料は、塗料構成基材、殊
に、水系塗料構成基材中に配合した無機着色粒子粉末が
易分散性、分散均一性及び分散安定性に優れていること
に起因して貯蔵安定性に優れたものであり、且つ、水系
塗料構成基材中に配合した無機着色粒子粉末が耐酸性に
優れていることに起因して、これを塗膜としたとき、耐
候性、殊に耐酸性雨に優れた塗膜が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大杉 峰子 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 Fターム(参考) 4J037 AA02 AA08 AA09 AA11 AA13 AA15 AA19 AA22 CA12 CA23 CA24 CB23 DD05 DD07 EE04 EE28 EE33 EE35 EE43 EE44 FF15 FF23 FF25 4J038 EA011 GA15 KA08 KA15 MA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機着色粒子粉末の粒子表面にオルガノ
    シラザンが被着されてなり、前記オルガノシラザンの被
    着量がC換算で前記無機着色粒子粉末に対し0.01〜
    6重量%であることを特徴とする表面処理無機着色顔
    料。
  2. 【請求項2】 無機着色粒子粉末の粒子表面にスクエア
    酸が被着されており、更に、該被着スクエア酸の表面に
    オルガノシラザンが被着されてなり、前記オルガノシラ
    ザンの被着量がC換算で前記無機着色粒子粉末に対し
    0.01〜6重量%であることを特徴とする表面処理無
    機着色顔料。
  3. 【請求項3】 無機着色粒子粉末の粒子表面に、アルミ
    ニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水
    酸化物及びケイ素の酸化物よりなる群から選ばれる少な
    くとも1種が被覆され、該被覆物質の表面にスクエア酸
    が被着されており、更に、該被着スクエア酸の表面にオ
    ルガノシラザンが被着されてなり、前記オルガノシラザ
    ンの被着量がC換算で前記無機着色粒子粉末に対し0.
    01〜6重量%であることを特徴とする表面処理無機着
    色顔料。
  4. 【請求項4】 スクエア酸の総量がC換算で無機着色粒
    子粉末に対し0.01〜10重量%である請求項2又は
    3に記載の表面処理無機着色顔料。
  5. 【請求項5】 アルミニウムの水酸化物、アルミニウム
    の酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種の被覆量がAl換算、
    SiO2 換算で無機着色粒子粉末に対し0.01〜50
    重量%である請求項3又は4に記載の表面処理無機着色
    顔料。
  6. 【請求項6】 無機着色粒子粉末とオルガノシラザンと
    を80℃以上の温度で混合することにより、前記無機着
    色粒子粉末の粒子表面にオルガノシラザンを被着するこ
    とを特徴とする請求項1記載の表面処理無機着色顔料の
    製造法。
  7. 【請求項7】 無機着色粒子粉末とスクエア酸とを含む
    水懸濁液を混合した後、濾別、乾燥して無機着色粒子粉
    末の粒子表面にスクエア酸を被着し、次いで、粒子表面
    にスクエア酸を被着した粒子粉末とオルガノシラザンと
    を80℃以上の温度で混合することにより、前記被着ス
    クエア酸の表面にオルガノシラザンを被着することを特
    徴とする請求項2記載の表面処理無機着色顔料の製造
    法。
  8. 【請求項8】 無機着色粒子粉末とアルミニウム化合
    物、ケイ素化合物または該両化合物を含む水性懸濁液を
    混合して、無機着色粒子粉末の粒子表面をアルミニウム
    の水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物
    及びケイ素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも
    1種で被覆し、次いで、該物質を被覆した粒子粉末とス
    クエア酸とを含む水懸濁液を混合した後、濾別、乾燥し
    て被覆物質の表面にスクエア酸を被着し、更に、該スク
    エア酸を被着した粒子粉末とオルガノシラザンとを80
    ℃以上の温度で混合することにより、前記被着スクエア
    酸の表面にオルガノシラザンを被着することを特徴とす
    る請求項3記載の表面処理無機着色顔料の製造法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5にいずれか1項に記載の表
    面処理無機着色顔料を塗料構成基材中に配合したことを
    特徴とする塗料。
  10. 【請求項10】 塗料が水系塗料である請求項9記載の
    塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014095086A (ja) * 2006-05-18 2014-05-22 Lanxess Deutschland Gmbh 酸化安定性酸化鉄顔料、その調製方法、およびその使用
CN116219771A (zh) * 2023-01-10 2023-06-06 泉州渡善科技有限公司 一种感温变色面料及其染色工艺

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JP2014095086A (ja) * 2006-05-18 2014-05-22 Lanxess Deutschland Gmbh 酸化安定性酸化鉄顔料、その調製方法、およびその使用
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