JP2000095107A - 車両の制振装置 - Google Patents

車両の制振装置

Info

Publication number
JP2000095107A
JP2000095107A JP10265218A JP26521898A JP2000095107A JP 2000095107 A JP2000095107 A JP 2000095107A JP 10265218 A JP10265218 A JP 10265218A JP 26521898 A JP26521898 A JP 26521898A JP 2000095107 A JP2000095107 A JP 2000095107A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
motion model
acceleration
motion
vehicle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10265218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3217755B2 (ja
Inventor
Hirohide Matsushima
博英 松嶋
Tomoyuki Uno
知之 宇野
Yoshikazu Nishi
義和 西
Kiyoshi Murakami
清 村上
Kenjiro Kamibayashi
賢治郎 上林
Shunichi Usui
俊一 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Central Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd, Central Japan Railway Co filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP26521898A priority Critical patent/JP3217755B2/ja
Publication of JP2000095107A publication Critical patent/JP2000095107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3217755B2 publication Critical patent/JP3217755B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の乗客数の変化、機械的な経年変化およ
び固体差などにかかわらず、車両の左右方向の振動を自
動的に抑制する。 【解決手段】 車体26を、前後のボギー台車24,2
5によって支持し、車体を、油圧アクチュエータ2a,
2b;3a,3bによって左右方向に変位駆動し、振動
系運動モデルとアクチュエータ運動モデルを、実際の車
両に、より確からしい誤差の少ない運動モデルに再構築
する。こうして再構築した各運動モデルに基づいて、最
適な乗り心地が得られるように、各運動モデル毎に、コ
ントローラを再設計し、このコントローラでアクチュエ
ータ2a,2b;3a,3bを駆動制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、高速鉄道車両など
における車体の左右方向、すなわち幅方向の振動を抑制
して乗り心地を向上する車両の制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、新幹線電車の高速化・高品質化に
対する取り組みが活発に行われている。乗り心地向上の
ためのサスペンション系の開発もその中の重要なテーマ
の1つであり、パッシブ系での最適なチューニング、車
体間のダンパの結合、セミアクティブ振動制御、アクテ
ィブ制御など様々なアプローチがなされている。こうし
た状況の下、鉄輪による高速車両の最適な姿を追求する
必要が生じている。鉄道車両は乗客の乗り降りによる質
量変化や機械的な経年変化など制御する対象の振動特性
が変化する対象である。したがって、制振制御の実用化
のためには、その変化に対応可能な制御方式が必要とな
る。
【0003】従来の制振制御の動作原理は、一般的に車
体の加速度情報に基づき、車体と台車の間に設置したア
クチュエータにより力を発生させて、車体振動を抑制す
ることである。ただし、アクチュエータを制御するコン
トローラである補償器は固定式である。したがって従来
方式の問題点は、以下に示す要因すなわち(1)乗客の
変化(質量、イナーシャ、重心位置など)、(2)機械
的な経年変化(ばね定数、ダンピング係数など)、
(3)固体差(質量、イナーシャ、重心位置、ばね定
数、ダンピング係数など)であり、補償器に内在する鉄
道車両の運動モデルと実鉄道車両の誤差が大きくなり、
制御性能が劣化することである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、たと
えば乗客数の変化、機械的な経年変化および固体差など
によるパラメータが変化しても、車体の左右方向の振動
を高精度で抑制することができるようにした車両の制振
装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、車体と台車と
の間に介在され、左右方向にばね力を発生するばねと、
車体と台車との間に介在され、左右方向の振動を減衰す
るダンパと、台車に対して車体を左右方向に変位駆動す
るアクチュエータと、車体と台車との加速度をそれぞれ
検出する加速度センサと、加速度センサの検出出力に応
答し、アクチュエータを、車体の加速度が小さくなるよ
うに制振制御するコントローラと、加速度センサの検出
出力を用いて車両の運動モデルを、同定して、実際の車
両との誤差がより少ない運動モデルを構築する運動モデ
ル同定手段と、同定手段によって同定された運動モデル
に対するコントローラを設計するコントローラ設計手段
とを含むことを特徴とする車両の制振装置である。
【0006】車両の乗り心地は、線路の歪みによって生
じる台車の振動および空気の流れの乱れによる車体の振
動によって大きな影響を受ける。本発明ではこの車体の
振動を抑制する制御を達成する。この振動制御は、台車
と車体との間に介在されるアクチュエータで、力を発生
することによって、車体の振動を抑制し、この制御を、
制振制御という。
【0007】本発明を簡単に述べると、走行中に車体加
速度、台車加速度、油圧アクチュエータ指令値から、鉄
道車両の運動モデルを、より誤差の少ないものに再構築
し、再構築した運動モデルに基づいて最適な乗り心地が
得られるようなコントローラである補償器に変化させる
ことができる制御方式である。本システムの特徴は、車
両の振動特性や油圧アクチュエータの特性が変化して
も、その変化を自動的に検出して、コントローラも自動
的に変化させることによって、良好な乗り心地を実現可
能にすることである。本システムでは、振動特性の変化
の検出、コントローラの再設計、コントローラの再実装
を行う。こうして本件制振装置では、乗客の乗り降りに
よる質量変化や機械的な経年変化などが発生しても、そ
の変化を自動的に検出して、どの程度の変化が生じたか
を同定し、その同定結果に基づいて最適なコントローラ
に切り替えて、常に最適な乗り心地を確保することがで
きる。
【0008】本発明に従えば、同定手段によって、車両
の運動モデルを、実際の車両との誤差がより少ない、す
なわち、より確からしい運動モデルを構築し、この同定
された運動モデルに対するコントローラを設計し、この
コントローラによってアクチュエータを駆動して制振制
御する。したがってたとえば乗客数の変化、機械的な経
年変化および固体差などにかかわらず、車体の振動を抑
制することが常に可能になる。
【0009】また本発明は、前記運動モデルは、車両の
振動を模擬した振動系運動モデルと、アクチュエータの
運動を模擬したアクチュエータ運動モデルとを含み、前
記コントローラ設計手段は、各運動モデル毎のコントロ
ーラをそれぞれ設計することを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、左右並進、ヨー方向の各
運動モデルは各々1入力1出力であり、各々は振動系・
油圧系(アクチュエータ)の運動モデルを含む。これら
の各運動モデルは、相互に干渉しない構造になってい
る。コントローラの設計は、左右並進、ヨー方向の各運
動モデルに対して行われ、これら2つのコントローラで
アクチュエータを制御する。
【0011】また本発明は、前記車両では、車体を、前
後の2つの台車を基礎として、各台車の左右に前記ばね
でそれぞれ支えて、各ばねに並列に、前記ダンパと前記
アクチュエータとがそれぞれ設置され、振動系運動モデ
ルは、車体運動が左右方向のみ行い、車体が左右並進運
動およびヨー運動の合計2自由度の各運動に関して入力
を左右並進およびヨー方向の力とした運動方程式によっ
て表されることを特徴とする。
【0012】また本発明は、アクチュエータは、油圧シ
リンダであり、各油圧シリンダは、サーボ弁によってそ
れぞれ制御され、アクチュエータ運動モデルの運動方程
式の状態量は、車体の左右・ヨー位置および速度ならび
に油圧シリンダ圧力の合計3つであり、入力をサーボ弁
への位置指令値としてアクチュエータ運動モデルを作成
することを特徴とする。
【0013】本発明に従う制振制御システムは、左右並
進とヨー方向の各振動を抑制するためのものであり、車
体の振動は、前位と後位に設置した左右方向の加速度セ
ンサによってそれぞれ検出する。振動の抑制は、前位お
よび後位の左右方向に設置したアクチュエータによって
行う。左右並進とヨー方向との各制振制御は、干渉しな
いので、コントローラ設計は、各振動に対して独立に行
う。アクチュエータを含まない振動系だけの左右並進・
ヨー方向の運動方程式を作成する。またアクチュエータ
を、サーボ弁によって制御される油圧シリンダで実現
し、そのアクチュエータ運動モデルの運動方程式を作成
する。本件発明者の実験によれば、これらの運動方程式
が比較的簡単であるにもかかわらず、車体の制振制御を
上首尾に達成することができることが確認された。
【0014】また本発明は、車両の走行中に、加速度セ
ンサによって検出される車体加速度と台車加速度とを、
予め定める時間にわたって、ストアするメモリと、メモ
リにストアされた前記予め定める時間にわたる各時刻の
台車加速度を、運動モデルにそれぞれ入力し、その運動
モデルによって車体加速度を予測して計算する車体加速
度予測手段と、メモリにストアされた車体加速度と、車
体加速度予測手段によって予測された車体加速度との誤
差の絶対値に対応する値を加算する手段と、加算手段の
出力が、予め定める基準値を超えたことを判別する判別
手段と、判別手段によって、加算手段の出力が前記予め
定める基準値を超えたことが判別されたとき、同定手段
による運動モデルの再構築を行わせるとともに、その再
構築された運動モデルに対応するコントローラを、コン
トローラ設計手段によって再設計させる指令手段とを含
むことを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、運動モデルの変化を、前
記予め定める時間にわたる加速度センサによって検出さ
れた車体加速度と、予測して計算して求めた車体加速度
との誤差の絶対値に対応する値、たとえば絶対値のみま
たは前記誤差の2乗などの各値を、前記予め定める時間
にわたって加算し、その加算値が前記予め定める基準値
を超えたときには、運動モデルの再構築を行う。こうし
て再構築された運動モデルに対応して、アクチュエータ
を駆動制御するコントローラの再設計を行う。こうして
自動的な運動モデルの再構築とコントローラの再設計と
が可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
簡略化した構成を示すブロック図である。プラントと称
することができる鉄道車両1に備えられる前後の各アク
チュエータ2,3は、左右並進コントローラ5とヨー方
向コントローラ6との各出力が、加算器7を経てアクチ
ュエータ2に与えられ、また減算器8を経てアクチュエ
ータ3に与えられる。前後のセンサ11,12からの各
出力は、加算器13を経て左右並進コントローラ5に与
えられ、また減算器14を経てヨー方向コントローラ6
に与えられる。
【0017】図2は、図1に示される本発明の実施の一
形態におけるコンピュータのアルゴリズムを説明するた
めのブロック図である。実際の車両1では、乗客数の変
化による質量、イナーシャの変化があり、また乗客の乗
り方による重心位置の変化があり、また経年変化による
ばね定数の変化があり、さらに経年変化によるダンピン
グ係数の変化がある。この車両1のライン15,16か
ら得られる車体の左右方向加速度および車体のヨー方向
加速度は、同定アルゴリズム17に与えられるととも
に、コントローラ5,6に与えられる。さらにライン1
8,19からそれぞれ導出される台車の左右方向加速度
と台車のヨー方向加速度とは、同定アルゴリズム17に
与えられる。コントローラ5,6からの前後の各台車に
対応する前位アクチュエータの指令値と、後位アクチュ
エータの指令値とは、ライン21,22からそれぞれ導
出されて車両1の制振制御が行われるとともに、同定ア
ルゴリズム17に与えられる。同定アルゴリズム17
は、鉄道車両1の運動モデルにおける質量、イナーシ
ャ、ばね定数、ダンピング係数、油圧系のパラメータ
を、コンピュータを利用した最適化計算によって推定す
る。こうして推定した質量、イナーシャ、ばね定数およ
びダンピング係数などの各値は、ライン23を経て、コ
ントローラ5,6に与えられ、コントローラ5,6の設
計が行われる。数値とアルファベットの添え字とを有す
る参照符は、総括的には、添え字を省略して示すことが
ある。
【0018】図3は、車両1の簡略化した構成を示す斜
視図である。乗客が乗る車体1は、前位の台車24と後
位の台車25とによって支持される。車体26を支持す
るキングピンと台車24,25との間には、複動油圧シ
リンダから成るアクチュエータ2a,2b;3a,3b
が介在され、これによって台車24,25に対して車体
26を左右方向に変位駆動する。車体26と台車24,
25との間には、空気ばね27a,27b;28a,2
8bが介在され、これによって左右方向のばね力が発揮
される。さらにキングピン31,32と台車24,25
との間には、車体26の左右方向の振動を減衰するダン
パ34a,34bが介在される。台車24,25には、
その台車24,25の左右方向の加速度を検出する加速
度センサ35,36が取付けられる。さらに各キングピ
ン31,32付近で車体26には、その車体26の左右
方向の加速度を検出する加速度センサ37,38が取付
けられる。
【0019】図4は、車両1の振動の方向と種類を示す
斜視図である。XYZ直交座標系において、左右方向は
X軸であり、前後方向はY軸であり、上下方向はZ軸で
ある。ヨーイングは、Z軸まわりである。
【0020】図5は、本発明の実施の一形態における同
定アルゴリズム17などを実行するコンピュータを含む
処理手段による制御動作を説明するためのフローチャー
トである。ステップa1において、運動モデルの変化が
生じたことを検知し、この運動モデルの変化の検知が行
われたときには、ステップa2において、運動モデルの
同定を行い、その後、ステップa3において、同定した
運動モデルに合ったコントローラの設計を行い、実装す
る。このような図5に示される動作は、前述の図2にお
けるコンピュータによって実現されるコントローラ5,
6および同定アルゴリズム17によって達成される。
【0021】図6は、前述の図5におけるステップa1
における運動モデルの変化の検知を行う具体的な動作を
説明するためのフローチャートである。図6に示される
運動モデル40というのは、本発明に従えば、車両1の
車体26に関する振動系運動モデルと、アクチュエータ
2a,2b;3a,3bに関するアクチュエータ運動モ
デルとの合計2つであり、これらが構築される。前後の
台車24,25の加速度センサ35,36によって、走
行中に、外乱である台車24,25の左右方向の加速度
が検出され、また車体26の左右方向の加速度が加速度
センサ37,38によって検出される。走行中に外乱で
ある台車の加速度と車体の加速度をサンプリング周期5
/1000秒で10秒間分、コンピュータのメモリ39
に溜めておき、その台車加速度を運動モデル40に入力
して車体加速度の予想値を計算する。運動モデルにはコ
ントローラ5,6も含まれている。その車体加速度の予
想値と実際に計測した車体加速度の各々の時間での誤差
の2乗を前記10秒間分、足しあわせて、その足しあわ
せた結果が或る基準値を超えたらステップa2に移る。
もし、足しあわせた結果が基準値を超えなかったらその
ままステップa1を繰返す。
【0022】図7は振動系運動モデルの概略を示す平面
図であり、図8は図7に示される振動系運動モデルの座
標を併せて示す平面図である。乗客が乗る車体26を、
前後の合計2つの台車24,25に設置された空気ばね
27a,27b;28a,28bで支えている。車体2
6の乗客を含めた質量と、ばね27a,27b;28
a,28bとから、左右方向およびヨー方向の各共振周
波数は、約1Hzである。制振制御を行うためには、実
際の車両1の振動を模擬した運動モデルを作成して、そ
の運動モデルを用いて、シミュレーション、コントロー
ラ5,6の設計を行うことになる。したがって、運動モ
デルと実際の車両1の運動に誤差が存在していると良好
な制御効果、すなわち乗り心地を得ることができなくな
る。その運動モデルの具体的な内容を示す。
【0023】この運動モデルは、車体26を剛体とみな
し、車体26を、前後2つの台車24,25を基礎とし
て、4つのばね27a,27b;28a,28bで車体
26を支えて、そのばね27a,27b;28a,28
bと並列に4つのダンパ33a,33b;34a,34
bと4つのアクチュエータ2a,2b;3a,3bが設
置してある。車体26の運動は、X方向のみ行うものと
し、車体26は、左右並進、ヨー運動の2自由度の運動
を行うことになる。運動方程式は、一般的な振動の方程
式であり状態量を前・後位の車体と台車位置と前・後速
度の計4個であり、左右並進方向、ヨー方向について各
々の式1,2が導出される。本方程式1,2の入力は左
右並進方向、ヨー方向の力である。
【0024】左右並進モデルに関して
【0025】
【数1】
【0026】ヨー方向モデルに関して
【0027】
【数2】
【0028】ここで、 xL1 = (xf1+xr1)/2 …(3) xL2 = (xf2+xr2)/2 …(4) xy1 = (xf1−xr1)/2 …(5) xy2 = (xf2−xr2)/2 …(6)
【0029】図8に示されるように、キングピン31,
32間の前後方向の長さを2Lとする。車体26の前位
台車24のキングピン31における左右方向の変位をx
f1とし、前位台車24の左右方向の変位をxf2と
し、また同様に車体26の後位台車25のキングピン3
1における左右方向の変位をxr1とし、後位台車25
の左右方向の変位をxr2とする。各パラメータは、後
述の表1に示されるとおりである。また式1および式2
におけるx(1)L1は、xL1の時間に関する1階微
分(速度)であり、x(2)L1は、xL1の時間に関
する2階微分(加速度)である。このことは、xL2,
x(1)L2,x(2)L2に関しても同様であり、さ
らにxy1,x(1)y1,x(2)y1に関しても同
様であり、さらにxy2,x(1)y2,x(2)y2
に関しても同様である。
【0030】さらに本発明の実施の形態では、前位およ
び後位のいずれにおいても、台車24,25と車体26
との間に、変位センサを設置し、その出力情報も用い
て、制御する。前位および後位の台車24,25に設置
した加速度センサ35,36によって計測された台車2
4,25の左右方向の加速度は、運動モデルの同定と制
御性能の1つの評価基準とした台車24,25から車体
26までの伝達関数を計算するために用いる。変位セン
サの出力の微分によって速度、加速度などを求めてもよ
い。加速度センサの出力の積分によって、速度、変位な
どを求めてもよい。前述の式1,2は、アクチュエータ
2a,2b;3a,3bを含まない振動系、すなわち機
械系だけの左右並進およびヨー方向の各運動方程式であ
る。
【0031】図9は、運動モデルの運動方程式を説明す
るための簡略化した図である。
【0032】上記の運動モデルの運動方程式は、力のつ
り合いにより、
【0033】
【数3】
【0034】であり、式7で示される運動方程式を状態
量x(1),xで表すと、
【0035】
【数4】
【0036】となり、行列を用いて表すと、
【0037】
【数5】
【0038】モデルの出力をx(2)とすると、
【0039】
【数6】
【0040】M=1、K=1、C=0.2とすると、
【0041】
【数7】
【0042】となる。
【0043】状態方程式と伝達関数の関係を説明する。 状態方程式(時間領域) x(1) = Ax+Bu …(15) y = Cx+Du …(16) は、伝達関数表現(周波数領域)で表すと、 G(s) = C(sI−A)-1B+D …(17) y = G(s)u …(18) となる。
【0044】図10は、前位の台車24と車体26との
間に介在される油圧アクチュエータ2a,2bに関連す
る構成を示す油圧回路図である。後位の台車25に関連
する油圧アクチュエータ3a,3bに関しても同様な構
成を有する。油圧アクチュエータ2a,2bは、片ロッ
ドの複動油圧シリンダであり、2本のシリンダである油
圧アクチュエータ2a,2bを、油圧配管の管路42,
43でロッド側とヘッド側とを相互に結合し、1つの組
合せのアクチュエータとして用いる。油圧シリンダであ
るアクチュエータ2a,2bの左右の部屋の間は、バイ
パス弁44とシャットオフ弁45とで接続される。本件
制御システムが故障したとき、または電源の供給がなく
なったときには、シャットオフ弁45が開く。これによ
って車体26が振動しても、シャットオフ弁45に作動
油が流れて、車体26の振動構成はアクチュエータ2
a,2bがないときとほぼ等価となり、安全が確保され
る。制御時には、シャットオフ弁45を閉じ、バイパス
弁44の絞りによって作動油が流れる構造となってい
る。
【0045】図11は、図10に示される油圧アクチュ
エータ2a,2bのパラメータを示す図である。図11
において、油圧アクチュエータ2a,2bは同一構成を
有し、ヘッド側の受圧面積をそれぞれA1,A2とし、
作動油の圧力をp1,p2とし、台車24,25の左右
方向の速度をx2(1)とし、車体26の左右方向の速
度をx1(1)とし、サーボ弁46からの作動油の流量
をq1,q2とし、バイパス弁44の流量をQBとす
る。 A = A1+A2 …(19) P = P1−P2 …(20) x = x1−x2 …(21)
【0046】図12は、油圧アクチュエータ2a,2b
の図11に示される運動モデルと線形であるブロック線
図である。図12において、左右並進指令変数をuLと
し、ヨー方向指令変数をuyとし、前位の指令変数をu
fとし、後位指令変数をurとする。 uf = uL+uy …(22) ur = uL−uy …(23)
【0047】図12に示されるブロック線図を、運動方
程式で示すと、式24および式25となる。p(1)
は、圧力pの時間に関する1階微分である。左右並進モ
デルに関して
【0048】
【数8】
【0049】ヨー方向モデルに関して
【0050】
【数9】
【0051】ここで、
【0052】
【表1】
【0053】式24および式25に示される運動方程式
の状態量は、車体26の左右およびヨー位置、速度と油
圧アクチュエータ2,3の圧力の3つである。このアク
チュエータ運動モデルの入力は、サーボ弁46のライン
47にコントローラ5,6から加算器7および減算器8
を経て与えられる電気信号であるサーボ弁位置指令値で
ある。このような運動方程式の導出によって、式1,
2;24,25の合計4個の運動方程式が得られる。本
発明の実施の形態では、これら4つの運動方程式1,
2;24,25に基づいて制御を行う。アクチュエータ
運動モデルの入力は、サーボ弁位置指令値であり、その
出力は、車体26の左右並進加速度および車体26のヨ
ー方向加速度である。
【0054】図13は、前述の図5におけるステップa
2に示されている振動系運動モデルとアクチュエータ運
動モデルとの同定の全体の動作を説明するためのフロー
チャートであり、この動作は、マイクロコンピュータな
どによって実現される処理手段である同定アルゴリズム
17の実行によって達成される。これら2つの運動モデ
ルの同定にあたって、前述の運動方程式1,2;24,
25には、9つの物理パラメータが存在する。実際の車
両1では経年変化および要素の品質のばらつきなどによ
り、設計時のパラメータと異なっている。したがって、
本制御に用いる運動モデルのパラメータの中で比較的パ
ラメータ値が正確な車体長、空気ばね定数、シリンダ面
積は設計時の値を用いて、その他の6つのパラメータは
実験データに基づいて数値最適化により推定することと
する。このように実験データを基に最適なパラメータを
推定することを上述のように、同定という。
【0055】運動モデルの同定は、非走行時のアクチュ
エータによる加振実験および制御時の振動データに基づ
いて行う。非走行の加振実験は、新規車両の本走行前や
乗客を乗せる前のチェックとして行う。運動モデルの同
定は、実際の車両1への外乱入力データと出力データに
基づいて行う。その具体的な方法を以下に示す。
【0056】運動モデルの同定には、現車での走行試験
により得られた車体と台車の加速度データと非走行時の
制振アクチュエータでの車体加振を行った際のサーボ弁
46の指令値と車体加速度データを用いる。運動モデル
のパラメータは、乗客などを含む車体質量M、空気ばね
定数K、空気ばね減衰係数C、油圧系の係数Kay,K
v1,Kbyなどがあるが、数値が正確にわかる空気ば
ね定数Kなどの値は固定して、空気ばねの減衰係数Cな
どの正確に数値が分からないパラメータを予測誤差法を
用いて推定する。前述の表1には、各運動モデルの未知
パラメータと既知パラメータを示す。
【0057】同定は、最初に上記のパラメータの初期値
を設定し、実際に測定した台車加速度を運動モデルに入
力して車体加速度の予測値を計算する。その予測値と実
際の車体加速度の誤差の2乗を10秒間足しあわせた量
を評価関数とし、最適化手法の1つである非線形最小2
乗法(ガウス・ニュートン法などのアルゴリズムを利
用)を用いて、評価関数が最小となるようにパラメータ
を繰り返し演算により探索する。最適化計算が終了した
なら、図5のステップa3に移る。
【0058】油圧アクチュエータの運動モデルの同定
は、非走行時のアクチュエータでのピンクノイズ加振実
験データより行う。振動系に関するパラメータは前述の
同定結果を用い、本同定では油圧シリンダ断面積A、作
動油の弾性係数Kay、サーボ弁46の特性係数Kv、
バイパス管路44の特性係数Kbyの4つのパラメータ
のうち予測誤差法により作動油の弾性係数Ksy、サー
ボ弁の特性係数Kv、バイパスの特性係数Kbyの3つ
のパラメータを推定する。
【0059】図13におけるステップb1〜b6の動作
は、図14に示される非走行時、すなわち車両1の制振
時に達成され、この非走行時のさらに具体的な動作は、
図15のステップ1c〜8cによって達成される。図1
3のステップb1では、車両1が完成し、本発明に従う
アクティブ制振制御装置を実装する。ステップb2で
は、走行前に、アクティブ制振制御装置を起動させる。
ステップb3では、非走行時のアクチュエータ2,3に
よる加振実験を自動的に行う。ステップb4では、上述
のステップb3で得られたデータから、振動系運動モデ
ルとアクチュエータ運動モデルとの同定を行う。ステッ
プb5では、上述のステップb4で得られた各運動モデ
ルから、コントローラの設計を自動的に行う。ステップ
b6では、上述のステップb5で得られたコントローラ
を実装し、これによって走行準備が完了する。ステップ
b7では、アクティブ制振制御を効かせながら、車両1
を走行する。
【0060】図15を参照して、非走行時の加振実験に
おいて、左右並進およびヨー方向の実験は同時に行う。
ステップc1においてアクチュエータ2,3のサーボ弁
46の指令値としてホワイトノイズに通過域0.5〜
6.0Hzのバンドパスフィルタをかけたピンクノイズ
を10秒間、付加する。左右並進、ヨー方向の外乱入力
を重ね合わせて入力する。パラメータは、設計値をデフ
ォルト値として代入する。ステップc2では、そのとき
の車体26の加速度を、加速度センサ37,38によっ
て計測し、得られたデータから、左右並進およびヨー方
向の車体26の加速度を、コンピュータのメモリ39に
ストアして保存しておく。ステップc3では、各運動モ
デルに外乱入力を入れて、数値積分を行い、運動モデル
の出力、すなわち車体26の左右並進加速度および車体
26のヨー方向の加速度を予測して計算する。ステップ
c4では、計算した各運動モデルの出力と実際の車体2
6の加速度データとの誤差の2乗積分を計算する。ステ
ップc5では、各運動モデルのパラメータを変化させ
て、各運動モデルの前述の誤差の2乗積分を計算し、こ
うして誤差の変化を計算する。この計算は、パラメータ
の変化によって誤差がどのように変化するかを示す。そ
の勾配を計算する。
【0061】ステップc6では、ステップc5によって
得られたパラメータの勾配情報に基づいて、パラメータ
を更新する。更新は、誤差が小さくなる方向に実行する
ので、このステップc6を行うたびに、誤差が小さくな
ってゆき、最終的には最も誤差が小さくなるパラメータ
値に収束する。
【0062】誤差の変化量が予め定めるしきい値を下回
った場合、計算を終了し、そのときのパラメータ値を最
も確からしいパラメータ値、すなわち不足したパラメー
タが実際の車両1のパラメータに極めて近似した値とし
て採用する。もしそうでないならば、ステップc3に戻
り、上述の動作を繰り返す。こうしてステップc8で
は、非走行時の加振実験による運動モデルの同定を終了
し、コントローラの設計動作に移る。図15の動作は、
図13のステップb1〜b5に対応する。
【0063】上述のステップc3における数値積分の手
法として、オイラー法が知られている。この手法は、 x(1) = f(T,x(T)) …(26) であるとき、 x(T+ΔT) = x(T)+ΔTf(T,x(T)) …(27) である。
【0064】すなわち、たとえば図9に関連して述べた
式7において、M=1、K=1、C=0.2であると
き、
【0065】
【数10】
【0066】である。
【0067】積分きざみΔT=0.1秒毎に、演算を繰
り返す。こうして入力uに対して各運動モデルの応答で
あるx(2)、x(1)およびxを求めることができ
る。
【0068】図16は、最適化手法の説明するための図
である。この最適化手法は、非線形最小2乗法である。
関数S(θ)は必要に応じてその微分可能性を仮定す
る。まず、S(θ)のグラジェント(gradient)を
【0069】
【数11】
【0070】により定義する。
【0071】非線形最小化問題に対するアルゴリズムと
しては、最急降下(steepestdescent)法、ニュートン
(Newton)法、ガウス・ニュートン(Gauss-Newton)
法、共役勾配(conjugate gradient)法などの手法があ
る。これらの手法は降下法と総称されていて、次の手順
にまとめられる。
【0072】降下法の手順: ステップ1:初期値θ(0)を与える。 ステップ2:降下(探索)方向d0を定める。 ステップ3:k=0,1,2,…に対して降下(探索)
方向dkと、dkの方向に進むステップ幅αk≧0を定
め、新しい点を θ(k+1) = θ(k)+αk・dk …(30) により求める。 ステップ4:適当な収束判定条件が成立すれば停止し、
そうでなければ、kをk+1として、step3へ戻
る。
【0073】最急降下法では、 gk: = ∇S(θ(k)) …(31) とおくと、最急降下法のアルゴリズムは、式30でdk
=−gkとおくことにより得られる。 θ(k+1) = θ(k)−αk・gk …(32) ここに、αkはS(θ(k)−αgk)を最小にする非負
のスカラー値である。
【0074】図17は、非走行時における運動モデルの
同定を行う動作を説明するためのブロック図である。前
述のステップc1において述べたバンドパスフィルタ
は、参照符51で示され、本件車両1である実プラント
は参照符52で示される。
【0075】図17を参照して、運動モデルの同定の動
作を説明する。バンドパスフィルタ51の伝達関数G1
と、実プラント52の伝達関数G2は、式33,34の
とおりである。運動モデルは、ステップd1〜ステップ
d6を実行することによって、達成される。
【0076】
【数12】
【0077】ステップd1 外乱入力を100秒間入力して実測データyを記憶する
時間きざみは0.1sより合計1001個のデータを作
る。
【0078】
【数13】
【0079】式35,36では、それぞれ1001個の
データが作られる。
【0080】ステップd2 実プラントは、
【0081】
【数14】
【0082】式37,38から、
【0083】
【数15】
【0084】であり、同定するプラントを
【0085】
【数16】
【0086】としてa,bの初期値を a(0) = 0.3 …(42) b(0) = 0.8 …(43) とする。
【0087】ステップd3 このとき入力外乱uを同定するプラントに入力して、数
値積分を行い、
【0088】
【数17】
【0089】を計算する。
【0090】式44は、1001個のデータである。
【0091】評価関数の
【0092】
【数18】
【0093】を計算する。
【0094】ステップd4 a = a+Δa …(46) として、y∧(a+Δa,b)を計算する。
【0095】
【数19】
【0096】として、y∧(a,b+Δb)を計算す
る。
【0097】
【数20】
【0098】ステップd5 次式50,51を計算する。
【0099】
【数21】
【0100】ステップd6
【0101】
【数22】
【0102】ならば、同定を終了する。またK>基準値
3ならば終了する。そうでなければステップd3へ戻
る。
【0103】再び図13を参照して、振動系運動モデル
とアクチュエータ運動モデルとの走行時の同定を行う。
図18はこの走行時における運動モデルの入出力を説明
するための図であり、図19は、この走行時の各運動モ
デルの同定を行う動作を説明するためのフローチャート
である。すなわち図19は、図13におけるステップb
8の走行時の各運動モデルの同定を行う動作を説明する
ためのフローチャートである。図19の動作は、図13
のステップb8において達成される。図19のステップ
e1において、加速度センサ35〜38によって車体加
速度と台車加速度を計測するとともに、アクチュエータ
2,3のサーボ弁46の指令値を計測し、こうして得ら
れたデータから、左右並進、ヨー方向の車体および台車
の加速度とアクチュエータ2,3のサーボ弁指令値を、
10秒間、コンピュータのメモリ39にストアして保存
しておく。ステップe2において、車体加速度の2乗積
分がしきい値を超えたら、ステップb10に移る。そう
でなければ、ステップb8を繰り返す。
【0104】ステップe3において、パラメータを入れ
た各運動モデルに、台車および車体の加速度の外乱と、
アクチュエータ指令値を入力し、数値積分を行い、運動
モデルの出力、すなわち車体26の左右並進加速度およ
び車体26のヨー方向の加速度を計算して予測する。ス
テップe4では、予測して計算した運動モデルの出力と
実際の車体加速度データの誤差の2乗積分を計算する。
ステップe5では、各運動モデルのパラメータを変化さ
せて、モデルの誤差の変化を計算する。この計算は、パ
ラメータの変化によって誤差がどのように変化するかを
示す。勾配を計算する。
【0105】ステップe6では、上述のステップe5に
よって得られたパラメータの勾配情報に基づいて、パラ
メータを更新する。更新は、誤差が小さくなる方向に実
行するので、このステップcを実行するときに、誤差が
小さくなってゆき、最終的には最も誤差が小さくなるパ
ラメータ値に収束する。
【0106】ステップe7では、誤差の変化量がしきい
値を下回った場合、計算を終了し、そのときのパラメー
タ値を最も確からしいパラメータ値として採用する。も
しそうでないならば、ステップe3に戻り、その後の動
作を繰り返す。
【0107】ステップe8では、ステップe6,7で得
られた運動モデルから、コントローラの設計を自動的に
行う。
【0108】ステップe8では、車両のたとえば営業の
運転中は、ステップe1に戻る。この営業運転を終了
し、車両が車庫に戻った場合は、翌日の走行前に、上述
の図13のステップb1から実行する。
【0109】振動系運転モデルの同定に関し、制御なし
での走行データより左右並進、ヨー方向の振動系の同定
を行う。同定は車体質量M、車体イナーシャI、空気ば
ね定数K、車体長さL、空気ばね減衰係数Cの5つのパ
ラメータのうち予測誤差法により車体質量M、車体イナ
ーシャI、空気ばね減衰係数Cの3つのパラメータを推
定することにより行う。各運動モデルの5つのパラメー
タのうち、ダンピング係数CとイナーシャIとが未知で
あると仮定する。車体質量Mは空気ばねの圧力から計測
することができるので既知であると仮定する。
【0110】前述の図5におけるステップa2で同定し
た各運動モデルに対して、コントローラ5,6の設計を
行う。コントローラ5,6の設計手法は、たとえば最適
レギュレータまたはH∞制御手法を用いることができ
る。
【0111】新たに同定した運動モデルに対してコント
ローラの再設計を行うことにより、より性能の高いコン
トローラとなる。その後、新たに設計したコントローラ
を実装し制御を行う。なお質量変化は既知でしかも列車
が発車前に測定できるので、質量変化に対するコントロ
ーラの再設計、実装は走行前に行う。これにより、パラ
メータ変化が生じても自動的にそのパラメータ変化を同
定し、その情報に基づいてコントローラを最適に変化さ
せることができる。
【0112】H∞制御手法は、ロバスト制御理論と呼ば
れている。
【0113】コントローラ5,6の設計の動作を、図2
0〜図23を参照して、次のステップg1〜g8を実行
する。ステップg1において、図20のように伝達関数
Pを有するプラントの入力をuとし、出力をyとする。
【0114】ステップg2において、図21に示される
ように、プラントに、重みWを接続して拡大プラント5
4を作る。
【0115】 x(1)= Ax+Bu …(54) y = Cx+Du …(55) 式54,55は、入力をuとし、出力yとする状態方程
式である。
【0116】次に、ステップg3では、式55,56を
計算する。 R = I+DDT …(55) S = I+DTD …(56)
【0117】ステップg4において、X,Zについて方
程式を解く。ただしX,Zは対称行列であり、式57,
58で示される。 XT = X …(57) ZT = Z …(58) (A-BS-1DTC)TX+X(A-BS-1DTC)-XBS-1BT+CTR-1C = 0 …(59) (A-BS-1DTC)Z+X(A-BS-1DTC)T-ZCTR-1CZ+BS-1B = 0 …(60)
【0118】ステップg5では、ZXの固有値λを計算
する。
【0119】
【数23】
【0120】λの大きいものを、λmaxとする。
【0121】ステップg6では、A,B,C,D,R,
S,X,Z,λmaxが得られた γmin = √[1+λmax(ZX)]<γ …(63) となるγを決める。 F = −S-1(DTC+BTX) …(64) W1 = I+XZ−γ2I …(65) A〜 = A+BF+γ2(WT-1ZCT(C+DF) …(66) AH = A〜 …(67) BH = γ2(W1T-1ZCT …(68) CH = BTX …(69) DH = −DT …(70)
【0122】ステップg7では、図22に示されるよう
に、伝達関数Hを有するコントローラを計算する。 x(1)= AHx+BHu …(71) y = CHx+DHu …(72)
【0123】ステップg8では、図23に示されるよう
に、最終的なコントローラは、 HW = k …(73) このコントローラの全体の伝達関数kが、
【0124】
【数24】
【0125】を充たす。
【0126】図23の伝達関数Kは、伝達関数Hと伝達
関数Wの各回路が縦続接続されて構成される。
【0127】コントローラ5,6は、車体1の左右並
進、車体1のヨー方向の加速度データの情報に基づいて
アクチュエータ2,3のサーボ弁46に指令を出し、車
体加速度が小さくなるようにするものである。したがっ
て、コントローラ5,6は入力を車体1の加速度、出力
をアクチュエータサーボ弁46の指令値の伝達関数と見
ることもできる。そのコントローラの伝達関数は同定に
よって得られた最も確からしい運動モデルに対して設計
されるので経年変化や乗客数の変化に対応したコントロ
ーラを実現できる。コントローラ5,6の具体的な設計
法は以下のステップf1,f2のとおりである。
【0128】ステップf1では、運動モデルに周波数重
みWを付加する。周波数重みWは人間が感じ易い周波数
帯域約0.5〜2Hz付近で高いゲインをもたせてあ
り、このような周波数重みを用いることにより人間が感
じ易い周波数帯域で制振制御を行うことを表す。
【0129】ステップf2では、以下に示す方程式を満
たす解を計算する。本方程式を満たす解は以下のゲイン
関係を満たすものである。コントローラ5,6は状態空
間表現で得られるが、実装は本状態空間表現コントロー
ラ5,6をデイジタルコンピュータで数値積分すること
で実現する。
【0130】前述のH∞制御理論を適用してコントロー
ラ5,6を設計することによって、周波数領域での設計
が容易になる。本発明による制御なしの伝達関数と、制
御ありの伝達関数と周波数重みの逆数の伝達関数を求め
る。制御ありの伝達関数は、周波数重みの逆数よりも小
さくなって、前述のゲイン関係を満たしている。ステッ
プ外乱応答によって制御を行うことによって、振動が速
やかに収束する。
【0131】図24は、図23および式74に関連して
説明された伝達関数の特性を示すボード線図である。最
終的に得られたコントローラ56は、車両位置のプラン
ト55に接続されて得られることになる。
【0132】図25は、前述の重みWの特性を示すボー
ド線図である。重みWは、たとえば式75で示される。
【0133】
【数25】
【0134】ここで共振周波数ω=1、減衰係数δ=
0.15とし、ゲインk=1とする。重みWが図24
(1)のライン57で示される特性を有するとき、減衰
係数δを大きく変化すると、図24(2)のライン58
で示されるように共振周波数ω付近でゲインが低下す
る。ゲインkを大きく変化すると、図24(3)のライ
ン59で示されるように、全体の特性が上昇する。
【0135】図26は本件発明者の実験結果を示すグラ
フであり、非走行時のアクチュエータ加振で得られた車
体26の左右並進加速度と同定したアクチュエータ運動
モデルを用いたシミュレーション結果を示すグラフであ
る。図26における細い実線61は、実際の車両1の特
性を示し、太い実線62は、シミュレーション結果を示
す。本発明による上述のアクチュエータ運動モデルのシ
ミュレーションは、実験結果と良好に一致しており、同
定したアクチュエータ運動モデルが妥当であることが確
認された。
【0136】図27は、コントローラ5,6の台車左右
並進加速度から車体左右並進加速度までの伝達関数の本
件発明者によるシミュレーション結果を示す。特性63
は、前述の図10におけるシャットオフ弁45を閉じて
制御なしの場合を示し、特性64は、シャットオフ弁4
5を開いて制御なしの場合であり、さらに特性65は、
本発明に従う制御ありの特性を示す。制御あり・なしの
場合の各特性65,64を比較すると、共振周波数ωで
ある1Hz付近で良好な制御効果があることが確認され
た。シャットオフ弁45を閉じて制御なしの特性63で
は、共振周波数Ωが高くなり、高周波帯域で性能劣化が
起こっている。この現象は、作動油の圧縮性によって生
じるばねの効果に起因する。アクチュエータ2,3とバ
イパス弁44とから成る油圧系では、制御なしの場合、
低周波帯域ではダンパ33a,33b;34a,34b
の効果を生じ、高周波帯域ではばねの効果を生じるが、
その周波数の境界は、バイパス弁44の開度によって決
定される。バイパス弁44の開度を大きくすると、高周
波帯域までダンパ33a,33b;34a,34bの効
果が生じ、そのバイパス弁44の開度を小さくすると、
低周波帯域までのばねの効果が生じる。したがってバイ
パス弁44の開度を大きくして、制御したい周波数帯域
でダンパ33a,33b;34a,34bの効果をもた
せた状態で、制御を行い、これによって高周波帯域の性
能の劣化を生じないようにし、高周波帯域まで制御する
必要をなくす。
【0137】図28は、本件発明者の実験結果を示す左
右並進のコントローラ5のボード線図である。コントロ
ーラ5は、曲線通過時の定常加速度の影響を受けないよ
うに、低周波帯域でゲインを低くし、高周波帯域でもノ
イズの影響を受けないようにゲインを低く設定する。コ
ントローラ5,6の次数は、左右並進およびヨー方向と
も12次であり、サンプリング周期は3msecであ
る。
【0138】図29は、本件発明者の実験による乗り心
地の評価を示すグラフである。車両1が350km/h
で走行したときにおける車体26の前位側の左右加速度
が示されている。これによって、本発明によれば、良好
な制御結果が得られることが確認された。
【0139】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、次の効果を
達成することができる。(1)乗客数が変化しても常に
最適な乗り心地が実現できる。(2)機械的な経年変化
に対しても、常に最適な乗り心地が実現できる。(3)
機械的な経年変化に対して補償器を再設計することが不
必要となり、メンテナンスが容易となる。(4)固体差
によってコントローラである補償器を作業者が調整する
必要がなくなる。
【0140】請求項2の本発明によれば、相互に干渉し
ない2つの運動モデルである振動系運動モデルとアクチ
ュエータ運動モデルとを構築し、これらの各運動モデル
毎にコントローラを設計することによって、比較的簡単
な運動モデルで車体の左右方向の制振制御を高精度で達
成することができるようになる。
【0141】請求項3の本発明によれば、振動系運動モ
デルの運動方程式を比較的簡単に作成することができ、
しかも車体の制振制御を高精度で行うことができるよう
になる。
【0142】請求項4の本発明によれば、アクチュエー
タ運動モデルの運動方程式を比較的簡単に作成すること
ができ、しかも車体の制振制御を高精度で達成すること
ができる。
【0143】請求項5の本発明によれば、車両の走行中
に、運動モデルが変化したかどうかを判別手段で判別
し、運動モデルを変更すべきとき、すなわち運動モデル
が、実際の車両とは異なる状態になったときには、同定
手段によって運動モデルの再構築を行う。こうして得ら
れた再構築された運動モデルに対応するコントローラを
自動的に再設計する。こうして車両の制振制御を行う運
動モデルとの再構築が自動的に行われ、その各運動モデ
ルに応じてコントローラの再設計が行われる。したがっ
て車体の走行中における左右方向の制振制御を、上首尾
に達成することができる。
【0144】本発明の考え方によれば、車体の上下方向
の振動もまた、同様に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の簡略化した構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1に示される本発明の実施の一形態における
コンピュータのアルゴリズムを説明するためのブロック
図である。
【図3】車両1の簡略化した構成を示す斜視図である。
【図4】車両1の振動の方向と種類を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の実施の一形態における固定アルゴリズ
ム17などを実行するコンピュータを含む処理手段によ
る制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】前述の図5におけるステップa1における運動
モデルの変化の検知を行う具体的な動作を説明するため
のフローチャートである。
【図7】振動系運動モデルの概略を示す平面図である。
【図8】図7に示される振動系運動モデルの座標を併せ
て示す平面図である。
【図9】運動モデルの運動方程式を説明するための簡略
化した図である。
【図10】前位の台車24と車体26との間に介在され
る油圧アクチュエータ2a,2bに関連する構成を示す
油圧回路図である。
【図11】図10に示される油圧アクチュエータ2a,
2bのパラメータを示す図である。
【図12】油圧アクチュエータ2a,2bの図11に示
される運動モデルと線形であるブロック線図である。
【図13】前述の図5におけるステップa2に示されて
いる振動系運動モデルとアクチュエータ運動モデルとの
同定の全体の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図14】図13の非走行時、すなわち車両1の制振時
を示す図である。
【図15】図14の具体的な動作を示すフローチャート
である。
【図16】最適化手法の説明するための図である。
【図17】非走行時における運動モデルの同定を行う動
作を説明するためのブロック図である。
【図18】走行時における運動モデルの入出力を説明す
るための図である。
【図19】走行時の各運動モデルの同定を行う動作を説
明するためのフローチャートである。
【図20】ステップg1におけるコントローラ5,6の
設計の動作を説明するためのブロック図である。
【図21】ステップg2におけるコントローラ5,6の
設計の動作を説明するためのブロック図である。
【図22】ステップg7におけるコントローラ5,6の
設計の動作を説明するためのブロック図である。
【図23】ステップg8におけるコントローラ5,6の
設計の動作を説明するためのブロック図である。
【図24】図23および式74に関連して説明された伝
達関数の特性を示すボード線図である。
【図25】前述の重みWの特性を示すボード線図であ
る。
【図26】本件発明者の実験結果を示すグラフである。
【図27】コントローラ5,6の台車左右並進加速度か
ら車体左右並進加速度までの伝達関数の本件発明者の実
験結果のシミュレーションを示す図である。
【図28】本件発明者の実験結果を示す左右並進のコン
トローラ5のボード線図である。
【図29】本件発明者の実験による乗り心地の評価を示
すグラフである。
【符号の説明】
2a,2b;3a,3b アクチュエータ 5,6 コントローラ 7 加算器 8 減算器 17 同定アルゴリズム 18,19,21,22,23 24,25 台車 26 車体 27a,27b;28a,28b 空気ばね 31,32 キングピン 33a,33b;34a,34b ダンパ 35,36,37,38 加速度センサ 39 メモリ 40 運動モデル 42,43 管路 44 バイパス弁 45 シャットオフ弁 46 サーボ弁 47 ライン 51 バンドパスフィルタ 52 実プラント
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月9日(1999.8.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、車体と台車と
の間に介在され、左右方向にばね力を発生するばねと、
車体と台車との間に介在され、左右方向の振動を減衰す
るダンパと、台車に対して車体を左右方向に変位駆動す
るアクチュエータと、車体と台車との加速度をそれぞれ
検出する加速度センサと、加速度センサの検出出力に応
答し、アクチュエータを、車体の加速度が小さくなるよ
うに制振制御するコントローラと、加速度センサの検出
出力を用いて車両の運動モデルを、同定して、その同定
された運動モデルと実際の車両との振動特性の誤差がよ
り少ない前記運動モデルを構築する運動モデル同定手段
と、同定手段によって同定された前記運動モデルに対す
る前記コントローラを設計するコントローラ設計手段と
を含むことを特徴とする車両の制振装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明を簡単に述べると、走行中に車体加
速度、台車加速度、油圧アクチュエータ指令値から、鉄
道車両の運動モデルを、より誤差の少ないものに運動モ
デル同定手段によって再構築し、再構築した運動モデル
に基づいて最適な乗り心地が得られるようなコントロー
ラである補償器をコントローラ設計手段によって設計さ
せることができる制御方式である。本システムの特徴
は、車両の振動特性や油圧アクチュエータの特性が変化
しても、その変化を自動的に検出して、コントローラも
自動的に変化させることによって、良好な乗り心地を実
現可能にすることである。本システムでは、振動特性の
変化の検出、コントローラの再設計、コントローラの再
実装を行う。こうして本件制振装置では、乗客の乗り降
りによる質量変化や機械的な経年変化などが発生して
も、その変化を自動的に検出して、どの程度の変化が生
じたかを同定し、その同定結果に基づいて最適なコント
ローラに切り替えて、常に最適な乗り心地を確保するこ
とができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明に従えば、同定手段によって、車両
の運動モデルを、その運動モデルと実際の車両との振動
特性の誤差がより少ない、すなわち、より確からしい運
動モデルに構築し、この同定された運動モデルに対する
コントローラを設計し、このコントローラによってアク
チュエータを駆動して制振制御する。したがってたとえ
ば乗客数の変化、機械的な経年変化および固体差などに
かかわらず、車体の振動を抑制することが常に可能にな
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また本発明は、車両の走行中に、加速度セ
ンサによって検出される車体加速度と台車加速度とを、
予め定める時間にわたって、ストアするメモリと、メモ
リにストアされた前記予め定める時間にわたる各時刻の
台車加速度を、運動モデルにそれぞれ入力し、その運動
モデルによって車体加速度を予測して計算する車体加速
度予測手段と、メモリにストアされた車体加速度と、車
体加速度予測手段によって予測された車体加速度との誤
差の絶対値に対応する値を積算する手段と、積算手段の
出力が、予め定める基準値を超えたことを判別する判別
手段と、判別手段によって、積算手段の出力が前記予め
定める基準値を超えたことが判別されたとき、同定手段
による運動モデルのパラメータの更新とともに、その新
しいパラメータでの運動モデルに対応するコントローラ
を、コントローラ設計手段によって再設計させてコント
ローラのパラメータを変更する手段とを含むことを特徴
とする。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明に従えば、運動モデルの変化を、前
記予め定める時間にわたる加速度センサによって検出さ
れた車体加速度と、予測して計算して求めた車体加速度
との誤差の絶対値に対応する値、たとえば絶対値のみま
たは前記誤差の2乗などの各値を、前記予め定める時間
にわたって積算し、その積算値が前記予め定める基準値
を超えたときには、運動モデルのパラメータの更新を行
って再構築を行う。こうして再構築された運動モデルに
対応して、アクチュエータを駆動制御するコントローラ
の再設計を行ってコントローラのゲインなどのパラメー
タを変更する。こうして自動的な運動モデルの再構築と
コントローラの再設計とが可能になる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】削除
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】削除
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】削除
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0143
【補正方法】変更
【補正内容】
【0143】請求項2の本発明によれば、車両の走行中
に、運動モデルが変化したかどうかを判別手段で判別
し、運動モデルを変更すべきとき、すなわち運動モデル
が、実際の車両とは異なる状態になったときには、同定
手段によって運動モデルの再構築を行う。こうして得ら
れた再構築された運動モデルに対応するコントローラを
自動的に再設計する。こうして車両の制振制御を行う運
動モデルとの再構築が自動的に行われ、その各運動モデ
ルに応じてコントローラの再設計が行われる。したがっ
て車体の走行中における左右方向の制振制御を、上首尾
に達成することができる。
フロントページの続き (72)発明者 宇野 知之 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 西 義和 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 村上 清 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 上林 賢治郎 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 臼井 俊一 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と台車との間に介在され、左右方向
    にばね力を発生するばねと、 車体と台車との間に介在され、左右方向の振動を減衰す
    るダンパと、 台車に対して車体を左右方向に変位駆動するアクチュエ
    ータと、 車体と台車との加速度をそれぞれ検出する加速度センサ
    と、 加速度センサの検出出力に応答し、アクチュエータを、
    車体の加速度が小さくなるように制振制御するコントロ
    ーラと、 加速度センサの検出出力を用いて車両の運動モデルを、
    同定して、実際の車両との誤差がより少ない運動モデル
    を構築する運動モデル同定手段と、 同定手段によって同定された運動モデルに対するコント
    ローラを設計するコントローラ設計手段とを含むことを
    特徴とする車両の制振装置。
  2. 【請求項2】 前記運動モデルは、 車両の振動を模擬した振動系運動モデルと、 アクチュエータの運動を模擬したアクチュエータ運動モ
    デルとを含み、 前記コントローラ設計手段は、各運動モデル毎のコント
    ローラをそれぞれ設計することを特徴とする請求項1記
    載の車両の制振装置。
  3. 【請求項3】 前記車両では、車体を、前後の2つの台
    車を基礎として、各台車の左右に前記ばねでそれぞれ支
    えて、各ばねに並列に、前記ダンパと前記アクチュエー
    タとがそれぞれ設置され、 振動系運動モデルは、車体運動が左右方向のみ行い、車
    体が左右並進運動およびヨー運動の合計2自由度の各運
    動に関して入力を左右並進およびヨー方向の力とした運
    動方程式によって表されることを特徴とする請求項2記
    載の車両の制振装置。
  4. 【請求項4】 アクチュエータは、油圧シリンダであ
    り、各油圧シリンダは、サーボ弁によってそれぞれ制御
    され、 アクチュエータ運動モデルの運動方程式の状態量は、車
    体の左右・ヨー位置および速度ならびに油圧シリンダ圧
    力の合計3つであり、入力をサーボ弁への位置指令値と
    してアクチュエータ運動モデルを作成することを特徴と
    する請求項2または3記載の車両の制振装置。
  5. 【請求項5】 車両の走行中に、加速度センサによって
    検出される車体加速度と台車加速度とを、予め定める時
    間にわたって、ストアするメモリと、 メモリにストアされた前記予め定める時間にわたる各時
    刻の台車加速度を、運動モデルにそれぞれ入力し、その
    運動モデルによって車体加速度を予測して計算する車体
    加速度予測手段と、 メモリにストアされた車体加速度と、車体加速度予測手
    段によって予測された車体加速度との誤差の絶対値に対
    応する値を加算する手段と、 加算手段の出力が、予め定める基準値を超えたことを判
    別する判別手段と、 判別手段によって、加算手段の出力が前記予め定める基
    準値を超えたことが判別されたとき、同定手段による運
    動モデルの再構築を行わせるとともに、その再構築され
    た運動モデルに対応するコントローラを、コントローラ
    設計手段によって再設計させる指令手段とを含むことを
    特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載の車両の制
    振装置。
JP26521898A 1998-09-18 1998-09-18 車両の制振装置 Expired - Fee Related JP3217755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26521898A JP3217755B2 (ja) 1998-09-18 1998-09-18 車両の制振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26521898A JP3217755B2 (ja) 1998-09-18 1998-09-18 車両の制振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000095107A true JP2000095107A (ja) 2000-04-04
JP3217755B2 JP3217755B2 (ja) 2001-10-15

Family

ID=17414175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26521898A Expired - Fee Related JP3217755B2 (ja) 1998-09-18 1998-09-18 車両の制振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3217755B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003267217A (ja) * 2002-03-18 2003-09-25 Kawasaki Heavy Ind Ltd 鉄道車両用振動制御装置
JP2003320931A (ja) * 2002-05-07 2003-11-11 Kayaba Ind Co Ltd 鉄道車両振動抑制装置
JP2006137294A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Hitachi Ltd 鉄道車両の振動制御装置
JP2009003817A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Toyota Central R&D Labs Inc パラメータの同定装置およびそのプログラム
JP2013028317A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Railway Technical Research Institute 鉄道車両の車体傾斜制御装置
WO2013024571A1 (ja) * 2011-08-12 2013-02-21 パナソニック株式会社 空圧人工筋駆動機構の制御装置、制御方法、および制御プログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003267217A (ja) * 2002-03-18 2003-09-25 Kawasaki Heavy Ind Ltd 鉄道車両用振動制御装置
JP2003320931A (ja) * 2002-05-07 2003-11-11 Kayaba Ind Co Ltd 鉄道車両振動抑制装置
JP2006137294A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Hitachi Ltd 鉄道車両の振動制御装置
JP2009003817A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Toyota Central R&D Labs Inc パラメータの同定装置およびそのプログラム
JP2013028317A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Railway Technical Research Institute 鉄道車両の車体傾斜制御装置
WO2013024571A1 (ja) * 2011-08-12 2013-02-21 パナソニック株式会社 空圧人工筋駆動機構の制御装置、制御方法、および制御プログラム
US8862270B2 (en) 2011-08-12 2014-10-14 Panasonic Corporation Control apparatus, control method, and control program for pneumatic artificial muscle drive mechanism
JPWO2013024571A1 (ja) * 2011-08-12 2015-03-05 パナソニック株式会社 空圧人工筋駆動機構の制御装置、制御方法、および制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3217755B2 (ja) 2001-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rath et al. Output feedback active suspension control with higher order terminal sliding mode
Koch et al. Driving state adaptive control of an active vehicle suspension system
Gáspár et al. Design of robust controllers for active vehicle suspension using the mixed µ synthesis
Lu et al. Multiobjective optimal suspension control to achieve integrated ride and handling performance
JP3118414B2 (ja) 車両のばね上ばね下相対速度算出装置
Zhou et al. Integrated tilt with active lateral secondary suspension control for high speed railway vehicles
Ghazaly et al. The future development and analysis of vehicle active suspension system
KR20110086835A (ko) 감쇠력 제어 장치
Nguyen et al. An LPV fault tolerant control for semi-active suspension-scheduled by fault estimation
JP3217755B2 (ja) 車両の制振装置
Basaran et al. Vibration control of truck cabins with the adaptive vectorial backstepping design of electromagnetic active suspension system
Zulkarnain et al. Improving vehicle ride and handling using lqg cnf fusion control strategy for an active antiroll bar system
JP4429955B2 (ja) 車両制振装置
Ho et al. Observer based adaptive neural networks fault-tolerant control for pneumatic active suspension with vertical constraint and sensor fault
MORAN et al. Analysis and Design of Active Suspensions by H∽ Robust Control Theory
Nguyen Lyapunov-based Design of a Model Reference Adaptive Control for Half-Car Active Suspension Systems
KR20210145282A (ko) 세미-액티브 서스펜션이 제공된 차량의 안정성을 제어하기 위한 시스템 및 방법
Savas et al. Adaptive backstepping control design for active suspension systems actuated by four-way valve-piston
Nguyen A new approach to selecting optimal parameters for the sliding mode algorithm on an automotive suspension system
Deb et al. Car Suspension Design for Comfort Using Genetic Algorithm.
Millitzer et al. Design, system integration and control concepts of an adaptive active vibration absorber for a convertible
Jurisch et al. Simulation-Based Development for Active Suspension Control for Automated Driving Vehicles—Evaluation of Transferability to Real-World Testing
Kjellberg et al. Real-time nonlinear model predictive control for semi-active suspension with road preview
Konieczny Modelling of the electrohydraulic full active vehicle suspension
Bonelli Enhancement and Evaluation of a Vertical Vehicle Dynamics Controller

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees