JP2000094830A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2000094830A
JP2000094830A JP10271500A JP27150098A JP2000094830A JP 2000094830 A JP2000094830 A JP 2000094830A JP 10271500 A JP10271500 A JP 10271500A JP 27150098 A JP27150098 A JP 27150098A JP 2000094830 A JP2000094830 A JP 2000094830A
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JP
Japan
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dispersion
recording paper
water
cationic polymer
liquid
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JP10271500A
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English (en)
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Keiji Obayashi
啓治 大林
Yoichi Saito
洋一 斎藤
Masaru Tsuchiya
勝 土屋
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性が良好で、光沢性に優れ、ひび割れが
少なくしかも生産性を向上させることができるインクジ
ェット記録用紙の提供。 【解決手段】 カチオン性ポリマー含有溶液と1次粒子
の状態まで分散された無機微粒子分散液を混合し、その
後水溶性ポリマーを添加した塗布液を支持体上に塗布し
て得られることを特徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)に関し、特に耐
水性、インク吸収性、光沢性に優れ、かつ、生産性を向
上させることが出来るインクジェット記録用紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。
【0003】従来の記録方法で従来から問題となってい
たノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク
および装置の両面から改良が進み、現在では各種プリン
ター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざま
な分野に急速に普及している。
【0004】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。
【0005】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高
いインク吸収性を持たせるようにすることが必要であ
る。
【0006】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0007】例えば、特開昭52−53012号公報に
記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤
させた記録用紙、特開昭55−5830号に記載されて
いる支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録用
紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履層
中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用紙、
特開昭57−107878号に記載されている無機顔料
と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−1102
87号公報に記載されている2つの空孔分布ピークを有
する記録用紙、特開昭62−111782号に記載され
ている上下2層の多孔質層からなる記録用紙、特開昭5
9−68292号、同59−123696号および同6
0−18383号公報などに記載されている不定形亀裂
を有する記録用紙、特開昭61−135786号、同6
1−148092号および同62−149475号公報
等に記載されている微粉末層を有する記録用紙、特開昭
63−252779号、特開平1−108083号、同
2−136279号、同3−65376号および同3−
27976号等に記載されている特定の物性値を有する
顔料や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−
14091号、同60−219083号、同60−21
0984号、同61−20797号、同61−1881
83号、特開平5−278324号、同6−92011
号、同6−183134号、同7−137431号、同
7−276789号等に記載されているコロイド状シリ
カ等の微粒子シリカを含有する記録用紙、および特開平
2−276671号公報、同3−67684号、同3−
215082号、同3−251488号、同4−679
86号、同4−263983号および同5−16517
号公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子を含
有する記録用紙等が多数知られている。
【0008】一方、インクジェット記録においては、得
られる画像の耐水性を改良するために、インク受容層中
にカチオン性物質を添加しておき、染料を固定化する方
法も種々用いられている。
【0009】しかしながら、上記の空隙構造を有するイ
ンク受容層中において、空隙構造を形成する物質がカチ
オン性の無機微粒子である場合にはカチオン性コロイダ
ルシリカのように高い空隙率が形成しにくかったり、あ
るいは、アルミナ水和物微粒子を使用すると高い製造コ
ストになる等の問題点がある。
【0010】特開平10−181190号には、カチオ
ン性ポリマー含有液中で凝集体顔料を平均粒径が500
nm以下になるまで粉砕分散して得られる顔料を含有す
る塗布液を支持体上に塗布することで光沢性が良好で印
字濃度の高い記録用紙が記載されている。
【0011】特開平10−181191号には、平均粒
径が300nm以下の顔料分散液にカチオン樹脂を添加
して増粘・凝集させた後、平均粒径が1μm以下になる
まで粉砕分散した顔料を含有する塗布液を支持体に塗布
して得られる記録用紙が記載されている。
【0012】特開平10−71764号には3〜40n
mの1次粒子が凝集している10〜150nmの平均粒
径を有する2次凝集粒子(シリカなど)と親水性樹脂を
含有する層を有する記録用紙が記載されている。
【0013】しかしながら、特開平10−181190
号に記載されている記録用紙は、粉砕分散される顔料が
凝集体を形成しているため、カチオン性ポリマー溶液中
で機械的に粉砕分散するために高エネルギーを必要とし
また、時間もかかる。しかも凝集過程で著しい増粘現象
が生じることも生産性を悪化させる。
【0014】また、特開平10−181191号に記載
されているように、300nm以下の顔料は、機械的な
方法で分散された2次凝集粒子であり、この2次凝集粒
子を粉砕するのに高エネルギーを必要として生産性が低
下するだけでなく粗大凝集粒子が残存して光沢の低下や
これに起因するひび割れが起きやすい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る課題は、耐水性が良好で、光沢性に優れ、ひび割れが
少なく、かつ、生産性を向上させることができるインク
ジェット記録用紙を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成される。
【0017】1.カチオン性ポリマー含有溶液と1次粒
子の状態まで分散された無機微粒子分散液を混合し、そ
の後水溶性ポリマーを添加した塗布液を支持体上に塗布
して得られることを特徴とするインクジェット記録用
紙。
【0018】2.カチオン性ポリマー含有溶液と1次粒
子の状態まで分散された無機微粒子分散液の混合が、カ
チオン性ポリマー含有溶液に1次粒子の状態まで分散さ
れた無機微粒子分散液を添加して行われることを特徴と
する前記1に記載のインクジェット記録用紙。
【0019】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0020】本発明の無機微粒子としては、例えば、シ
リカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー等の他各種の天然または合成の無機微粒子を使用する
ことが出来る。
【0021】中でもシリカは低い屈折率を有するために
透明性が要求されるインクジェット記録用紙のインク受
容層(以下、空隙層ともいう)を形成するのに好ましく
用いられる。
【0022】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成された
微粒子シリカ等が好ましく用いられるが、本発明のごと
く1次粒子まで分散されたシリカを使用する点から、コ
ロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカ
がより好ましく、中でも気相法により合成された微粒子
シリカは高い空隙率が得られるだけでなく、カチオン性
ポリマーと混合したときに粗大凝集体が形成されにくい
ので特に好ましい。
【0023】本発明の1次粒子まで分散された無機微粒
子の平均粒径は3〜100nmが好ましく、より好まし
くは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmであ
る。
【0024】最も好ましく用いられる、1次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成された微粒
子シリカとしては、例えば、日本アエロジル社のアエロ
ジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは水中
に例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリ
ームインダクターミキサーなどにより容易に吸引分散す
ることで比較的容易に1次粒子まで分散することが出来
る。
【0025】本発明のカチオン性ポリマーは従来インク
ジェット記録用紙で公知のカチオン性ポリマーの中から
任意に選択して使用することが出来るが、特に好ましい
ものは、重量平均分子量が2000〜10万のものであ
る。
【0026】本発明のカチオン性ポリマーは好ましくは
第4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に
好ましくは第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの
単独重合体または他の共重合し得る1または2以上のモ
ノマーとの共重合体である。
【0027】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
の例としては例えば以下の例を挙げることが出来る。
【0028】
【化1】
【0029】
【化2】
【0030】上記第4級アンモニウム塩基と共重合し得
るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であ
り、例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
【0031】
【化3】
【0032】特に第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノ
マーの比率は10モル%以上が好ましく、より好ましく
は20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上であ
る。
【0033】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
は単一でも2種類以上であっても良い。
【0034】以下に本発明のカチオン性ポリマーの具体
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】上記第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶
性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基
を含まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に
溶解しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混
合溶媒に溶解させることにより溶解し得るもので有れば
本発明に使用できる。
【0040】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0041】本発明のカチオン性ポリマーは数平均分子
量が10万以下であることが好ましい。
【0042】ここで数平均分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーから求められたポリエチレング
リコール値に換算した値である。
【0043】数平均分子量が10万を越える場合には、
カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性である無
機微粒子を含有する分散液に添加した際に凝集物の発生
が激しく、またその後分散処理を施しても均一な分散液
に成りにくく粗大粒子が多数存在して均一な分散液に成
りにくい。このようなカチオン性ポリマーと無機微粒子
を含有する複合微粒子分散液を使用してインクジェット
記録用紙を作製した場合、高い光沢性が得られにくい。
特に好ましい数平均分子量は5万以下である。
【0044】数平均分子量の下限は染料の耐水性の点か
ら通常2000以上である。
【0045】上記無機微粒子とカチオン性ポリマーの比
率は、無機微粒子の種類や粒径、あるいはカチオン性ポ
リマーの種類や数平均分子量で変わり得る。
【0046】本発明において、上記比率は無機微粒子の
表面がカチオン性に置き換わって安定化させる必要があ
ることから、1:0.01〜1:1であることが好まし
い。
【0047】本発明はカチオン性ポリマー溶液と1次粒
子の状態まで分散された無機微粒子分散液を混合する
が、カチオン性ポリマーの量が少ない場合には、無機微
粒子のアニオン成分が完全に被覆されずに残るために、
無機微粒子のアニオン部分がカチオン性ポリマーのカチ
オン部分とイオン結合して粗大な粒子を形成しやすい。
【0048】本発明において、表面がアニオン性である
無機微粒子のアニオン部分をカチオン性ポリマーのカチ
オン部分で徐々に置き換え最終的にカチオン部分を過剰
にすることが好ましく、そのため、無機微粒子の分散液
とカチオン性ポリマーの添加方法には注意が必要であ
り、カチオン性ポリマー溶液中に無機微粒子の分散液を
添加することが好ましい。
【0049】この逆に、無機微粒子の分散液中にカチオ
ン性ポリマー溶液を撹拌しながら添加した場合には、途
中で液全体が一つの巨大な固まりになり撹拌が殆ど難し
くなる。この理由は初めの液全体がアニオン性になって
いる中にカチオン性ポリマーが徐々に添加されてくる
と、アニオンが徐々に減少し、途中で電荷的に中性領域
を通過するために液全体が巨大な固まりに成りやすいた
めではないかと推定される。この様な場合であっても、
カチオン性ポリマーが充分存在すれば、撹拌を時間をか
けて充分行えば最終的には徐々に液状化してくるが生産
効率上あまり好ましいことではない。
【0050】カチオン性ポリマー溶液中に、無機微粒子
分散液を徐々に添加することで、液全体は常にカチオン
性を維持されるため分散液が得られ好ましい。
【0051】この際、無機微粒子分散液を添加する過程
では十分な撹拌を行うことが好ましく、場合によって
は、添加中又は添加後に分散機を併用するなどするのが
生産効率上好ましい。
【0052】このようにして得られた混合液は、ミクロ
的に見た場合、微小のダマ状凝集物が多数存在してい
る。これは無機微粒子分散液が添加された箇所では局所
的には無機微粒子の分散液に対してカチオン性ポリマー
が不足するために、電荷的に不安定な状態が形成される
為と推定される。
【0053】このような微小ダマ状凝集物はその後の分
散処理を行うことにより軽減される。そのような分散処
理を行うことにより、元々の1次粒子状態の無機微粒子
の粒子径を有するカチオン変換された無機微粒子の分散
液が得られる。
【0054】この分散処理方法としては、高速回転分散
機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルな
ど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、ロールミル
分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用す
ることが出来るが、本発明では形成されるダマ状微粒子
の分散を効率的に行うという点から超音波分散機または
高圧分散機が好ましく用いられる。
【0055】超音波分散機は通常は20〜25kHzの
超音波を照射することで固液界面にエネルギーを集中さ
せることで分散するものであり非常に効率的に分散され
るが、大量の分散液を調製する必要がある場合にはあま
り適当ではない。
【0056】一方、高圧分散機は3個または5個のピス
トンを持った高圧ポンプの出口に、ねじまたは油圧によ
ってその間隙を調整できるようになっている均質バルブ
を1個または2個備えられたものであり、高圧ポンプに
より送液された液媒体が均質バルブによりその流れが絞
られて圧力がかかり、この均質バルブを通過される瞬間
に微小なダマ物質が粉砕される。
【0057】この分散処理方法は連続的に多量の液を分
散できるために、多量の液を製造する場合特に好ましい
方法である。均質バルブに加えられる圧力は通常50〜
1000kg/cm2であり、分散は1回のパスで済ま
すことも多数回繰り返して行うことも出来る。
【0058】上記の分散処理方法は2種以上を併用する
ことも可能である。
【0059】上記の分散液を調製する際には、各種の添
加剤を添加して調整することが出来る。
【0060】例えば、ノニオン性またはカチオン性の各
種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成
するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水
性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、
各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性また
はカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒
(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、
pH調整剤など、必要に応じて適宜使用することが出来
る。
【0061】特に水混和性有機溶媒は、無機微粒子とカ
チオン性ポリマーを混合した際の微小なダマの形成が抑
制されるために好ましい。そのような水混和性有機溶媒
は分散液中に好ましくは0.1〜20重量%、特に好ま
しくは0.5〜10重量%使用される。
【0062】カチオン性分散液を調製する際のpHは無
機微粒子の種類やカチオン性ポリマーの種類、各種の添
加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpHが1
〜8であり、特に2〜7が好ましい。
【0063】上記のようにして得られた分散液に、次に
水溶性ポリマーが添加される。
【0064】この水溶性ポリマーとしては、例えばゼラ
チン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニルピロリ
ドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プルラ
ン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリエチ
レングリコール(平均分子量が10万以上が好まし
い)、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デ
キストリン、水溶性ポリビニルブチラールを挙げること
ができ、これらの親水性バインダーは単独で使用しても
良く、2種以上を併用しても良い。
【0065】特に好ましい親水性バインダーは、ポリビ
ニルアルコールまたはカチオン変成ポリビニルアルコー
ルである。
【0066】本発明に好ましく用いられるポリビニルア
ルコールは平均重合度が300〜4000のものが好ま
しく用いられ、特に平均分子量が1000以上のものが
得られる皮膜の脆弱性が良好であることから好ましい。
【0067】また、ポリビニルアルコールのケン化度は
70〜100%のものが好ましく、80〜100%のも
のが特に好ましい。また、カチオン変性ポリビニルアル
コールは、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量
体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得
られる。
【0068】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルジメチル(3−メタクリルアミド)
アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリ
ルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−
(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0069】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2
〜5モル%である。
【0070】カチオン変性ポリビニルアルコールの重合
度は通常500〜4000、好ましくは1000〜40
00が好ましい。
【0071】また、カチオン変成ポリビニルアルコール
のケン化度は通常60〜100モル%、好ましくは70
〜99モル%である。
【0072】本発明で特に好ましいのは微粒子シリカを
1次粒子として使用し、親水性バインダーとしてポリビ
ニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを用い
る場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノー
ル基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行
い、軟凝集体が形成されて空隙率が高く成りやすい。
【0073】上記水溶性ポリマーと無機微粒子の比率
は、通常1:10〜1:3であり、特に好ましくは1:
8〜1:5である。
【0074】水溶性ポリマーを前記分散液に添加する方
法は、水溶性ポリマーの水溶液を分散液に撹拌しながら
添加するのが好ましい。この場合の温度は通常30〜5
0℃の範囲にするのが良い。30℃未満では塗布液の粘
度が高く成りすぎて撹拌効率が低下して局所的に凝集物
やダマが形成されやすい。また、50℃を越えると塗布
液が停滞中、増粘等の劣化を起こしやすい。
【0075】水溶性ポリマーを添加する場合には、あら
かじめ、低分子量の水溶性ポリマーを少量添加してお
き、次にこの液に本発明の水溶性ポリマーを添加すると
凝集や増粘がおきにくく安定な塗布と膜面が得られ、ひ
び割れ等が生じにくい。
【0076】上記低分子量の水溶性ポリマーの重量平均
分子量は通常2000〜5万のものであり、特に300
0〜4万のものが好ましい。また、上記低分子量の水溶
性ポリマーと本発明の水溶性ポリマーに対する比率は通
常0.001〜0.2の範囲であり、特に0.002〜
0.1が好ましい。
【0077】本発明においては、上記低分子量の水溶性
ポリマーとしては特に重合度が300〜600のポリビ
ニルアルコールが特に好ましい。
【0078】このようにして得られた塗布液はその後必
要に応じて各種の添加剤を添加することが出来るが、こ
れらの添加剤は上記水溶性ポリマーを添加する前に添加
することもできる。
【0079】上記塗布液はその後、機械的な分散をする
ことなく支持体上に塗布することが好ましい。
【0080】このような塗布液を機械的に分散すると得
られる塗布液は均一化されるが、ひび割れしやすい傾向
がある。
【0081】ここでの機械的な分散とは前記した各種の
分散機による撹拌を言い、通常の撹拌(通常1000r
pm程度)程度ではこうした問題は生じない。
【0082】本発明のインクジェト記録用紙は、高光沢
性で高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得るため
に、前記水溶性ポリマーが硬膜剤により硬膜されている
ことが好ましい。
【0083】硬膜剤は、一般的には前記水溶性ポリマー
と反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性ポリマー
が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物で
あり、水溶性ポリマーの種類に応じて適宜選択して用い
られる。
【0084】硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキ
シ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロ
ヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキ
シアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性
ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ
−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、ほう酸、その塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙げら
れる。
【0085】水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコー
ルまたはカチオン変成ポリビニルアルコールを使用する
場合には、ほう酸、その塩またはエポキシ系硬膜剤から
選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましい。
【0086】最も好ましいのはほう酸またはその塩から
選ばれる硬膜剤である。
【0087】ほう酸またはその塩としては、硼素原子を
中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体
的にはオルトほう酸、二ほう酸、メタほう酸、四ほう
酸、五ほう酸、八ほう酸またはそれらの塩が挙げられ
る。
【0088】上記硬膜剤の使用量は水溶性ポリマーの種
類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類、水溶性ポリマー
に対する比率等により変化するが、通常水溶性ポリマー
1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300m
gである。
【0089】上記硬膜剤は、空隙層を形成する塗布液を
塗布する際に、空隙層を形成する塗布液中及び/または
空隙層に隣接するその他の層を形成する塗布液中に添加
してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗
布してある支持体上に、該空隙層を形成する塗布液を塗
布する。さらには空隙層を形成する硬膜剤非含有の塗布
液を塗布乾燥後に硬膜剤溶液をオーバーコートするなど
して空隙層に硬膜剤を供給することもできる。好ましく
は製造上の効率の観点から、空隙層を形成する塗布液ま
たはこれに隣接する層を形成する塗布液中に硬膜剤を添
加して、空隙層を形成するのと同時に硬膜剤を供給する
のが好ましい。
【0090】空隙層を形成するのが気相法により合成さ
れた超微粒子シリカおよびポリビニルアルコールである
特に好ましい態様においては、空隙層を形成する塗布液
中に予め硬膜剤を添加しておき、一定時間(好ましくは
10分以上、特に好ましくは30分以上)経過してから
支持体上に塗布・乾燥するとより高い空隙率を皮膜の脆
弱性を悪化させることなく達成することが出来る。
【0091】また、上記硬膜剤は予め本発明のカチオン
性の複合微粒子分散液を調製する場合に添加剤として添
加しておくこともできる。
【0092】本発明のインクジェット記録用紙の空隙層
および必要に応じて設けられるその他の層には、前記し
た以外に各種の添加剤を添加することが出来る。
【0093】例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流
動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホ
スフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオ
ン、ノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−7419
3号公報、同57−87988号公報及び同62−26
1476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−7
4192号、同57−87989号公報、同60−72
785号公報、同61−146591号公報、特開平1
−95091号公報及び同3−13376号公報等に記
載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公
報、同59−52689号公報、同62−280069
号公報、同61−242871号公報および特開平4−
219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫
酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、
増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を
含有させることもできる。
【0094】本発明のインクジェット記録用紙の空隙容
量は通常20〜40ml/m2であり、空隙層の空隙率
は通常0.5〜0.8である。
【0095】上記、空隙層は2層以上から構成されてい
てもよく、この場合、それらの空隙層の構成はお互いに
同じであっても異なっていても良い。
【0096】本発明のインクジェット記録用紙の支持体
としては、従来インクジェット用記録用紙として公知の
紙支持体、プラスチック支持体(透明支持体)、複合支
持体など適宜使用できるが、より高い濃度で鮮明な画像
を得るためには支持体中にインク液が浸透しない疎水性
支持体を用いるのが好ましい。
【0097】透明支持体としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロ
イド等の材料からなるフィルム等が挙げられ、中でもO
HPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のもの
が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このような透明な支持体の厚さとしては、10〜2
00μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側およ
びバッキング層側には公知の下引き層を設けることが、
インク受容層やバック層と支持体の接着性の観点から好
ましい。
【0098】また、透明である必要のない場合に用いる
支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色
顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹
脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレ
フタレートに白色顔料を添加してなるいわゆるホワイト
ペットが好ましい。
【0099】上記支持体と空隙層の接着強度を大きくす
る等の目的で、空隙層の塗布に先立って、支持体にコロ
ナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。さら
に、本発明の記録用紙は必ずしも無色である必要はな
く、着色された記録用紙であってもよい。
【0100】本発明のインクジェット記録用紙では原紙
支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体
を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低
コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体につ
いて以下に説明する。
【0101】紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
てはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LD
P,NDP,LUKP、NUKPのいずれも用いること
が出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP、LBS
P,NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10重量%
以上、70重量%以下が好ましい。
【0102】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0103】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0104】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500ccが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシ
ュ残分の重量%と42メッシュ残分の重量%との和が3
0〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の重量%
は20重量%以下であることが好ましい。
【0105】原紙の坪量は30〜250gが好ましく、
特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜2
50μmが好ましい。
【0106】原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一
般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規
定される条件で20乃至200gが好ましい。
【0107】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ
と同様のサイズ剤を使用できる。
【0108】原紙のpHはJIS−P−8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい原紙表面および裏面を被覆するポリエチ
レンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)お
よび/または高密度のポリエチレン(HDPE)である
が他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用するこ
とが出来る。
【0109】特にインク受容層側のポリエチレン層は写
真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナ
ターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透
明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタ
ン含有量はポリエチレンに対して通常3〜20重量%、
好ましくは4〜13重量%である。
【0110】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成した物も本発明で使用できる。
【0111】原紙の表裏のポリエチレンの使用量はイン
ク受容層やバック層を設けた後で低湿および高湿下での
カールを最適化するように選択されるが、通常インク受
容層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側
が10〜30μmの範囲である。
【0112】更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以
下の特性を有していることが好ましい。
【0113】1.引っ張り強さ:JIS−P−8113
で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1
〜20kgであることが好ましい 2.引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方
法で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200g
が好ましい 3.圧縮弾性率≧103kgf/cm2 4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定さ
れる条件で20秒以上が光沢面としては好ましいが、い
わゆる型付け品ではこれ以下であっても良い 5.表面粗さ:JIS−B−0601に規定された表面
粗さが、基準長さ2.5mm当たり最大高さは10μm
以下であることが好ましい 6.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法
で測定したときに好ましくは80%以上、特に85〜9
8%が好ましい 7.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*
*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*
=−6〜+2であることが好ましい 8.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される6
0度鏡面光沢度が10〜95%であることが好ましい 9.クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛
直度が50〜300cm2/100である支持体が好ま
しい 10.中紙の含水率:中紙に対して通常2〜10重量
%、好ましくは2〜6重量% 本発明の記録用紙の空隙層および下引き層など必要に応
じて適宜設けられる各種の親水性層を支持体上に塗布す
る方法は公知の方法から適宜選択して行うことが出来
る。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上
に塗設して乾燥して得られる。この場合、2層以上を同
時に塗布することもでき、特に全ての親水性バインダー
層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0114】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパ
ーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用
いられる。
【0115】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0116】水性インクとは、下記着色剤及び液媒体、
その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤として
はインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性
染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料あ
るいは水分散性顔料が使用できる。
【0117】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン
またはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリ
エタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリ
コールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類等が挙げられる。
【0118】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0119】その他の水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙
げられる。
【0120】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にするために、20℃において、通常25〜60d
yn/cm、好ましくは30〜50dyn/cmの範囲
内の表面張力を有するのが好ましい。
【0121】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾
重量%を示す。
【0122】実施例1 「酸化チタン分散液−1の調製」平均粒径が約0.25
μmの酸化チタン20kg(石原産業製:W−10)を
pH=7.5のトリポリリン酸ナトリウムを150g、
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製:PVA23
5)500g、カチオン性ポリマー(p−9)の150
gおよびサンノブコ株式会社消泡剤・SN381を10
gを含有する水溶液90Lに添加し高圧ホモジナイザー
(三和工業株式会社製)で分散したあと全量を100L
に仕上げて均一な酸化チタン分散液−1を得た。
【0123】「シリカ分散液−1の調製」1次粒子の平
均粒径が約0.007μmの気相法シリカ(日本アエロ
ジル工業株式会社製:A300)125kgを、三田村
理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクタ
ーミキサーTDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整
した620Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を
694Lに純水で仕上げた。この分散液を希釈して粒子
の電子顕微鏡写真を撮影したところ殆どの粒子が0.0
1μm以下のサイズであり1次粒子まで分散されている
ことを確認した。
【0124】「シリカ分散液−2の調製」カチオン性ポ
リマー(P−9)を1.29kg、エタノール4.2
L、n−プロパノール1.5Lを含有する溶液(pH=
2.3)18Lに、シリカ分散液−1の69.4Lを撹
拌しながら添加し、ついで、ホウ酸260gとホウ砂2
30gを含有する水溶液7.0Lを添加し、前記の消泡
剤SN381を1g添加した。
【0125】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで250kg/cm2の圧力で2回分散し、
全量を純水で97Lに仕上げてほぼ澄明なシリカ分散液
−2を調製した。
【0126】「蛍光増白剤分散液−1の調製」チバガイ
ギー株式会社製の油溶性蛍光増白剤UVITEX−OB
・400gをジイソデシルフタレート9000gおよび
酢酸エチル12Lに加熱溶解し、これを酸処理ゼラチン
3500g、カチオン性ポリマー(P−1)、サポニン
50%溶液・6,000mlを含有する水溶液65Lに
添加混合して三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザー
で250kg/cm2の圧力で3回乳化分散し、減圧で
酢酸エチルを除去した後全量を100Lに仕上げた。
【0127】「マット剤分散液−1の調製」総研科学株
式会社製のメタクリル酸エステル系マット剤MX−15
00Hの156gを前記PVA235を3g含有する純
水7L中に添加し、高速ホモジナイザーで30分間分散
し全量を7.8Lに仕上げた。
【0128】「塗布液の調製」第1層、第2層、第3層
の塗布液を以下の手順で調製した。
【0129】第1層用塗布液:シリカ分散液−2の60
0mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混
合した。
【0130】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203) の10%水溶液: 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235) の5%水溶液: 260ml 蛍光増白剤分散液−1: 25ml 酸化チタン分散液−1: 33ml 第一工業株式会社製:ラテックスイマルジョン・AE−803: 18ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0131】第2層用塗布液:シリカ分散液−2の65
0mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混
合した。
【0132】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203) の10%水溶液: 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235) の5%水溶液: 270ml 蛍光増白剤分散液−1: 35ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0133】第3層用塗布液:シリカ分散液−2の65
0mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混
合した。
【0134】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203) の10%水溶液: 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235) の5%水溶液: 270ml シリコン分散液(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 ・BY−22−839): 15ml サポニン50%水溶液: 4ml マット剤分散液−1: 10ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0135】上記のようにして得られた塗布液を、下記
のフィルターで濾過した。
【0136】 第1層と第2層:東洋濾紙株式会社製TCP10で2段 第3層:東洋濾紙株式会社製TCP30で2段 ついで両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚みが
220μmでインク吸収層面のポリエチレン中にはポリ
エチレンに対して13重量%のアナターゼ型酸化チタン
を含有)に、第1層(50μm)、第2層(100μ
m)、第3層(50μm)の順になるように各層を塗布
した。かっこ内はそれぞれの湿潤膜厚を示し、第1層〜
第3層は同時塗布した。
【0137】塗布はそれぞれの塗布液を40℃で3層式
スライドホッパーで塗布を行い、塗布直後に0℃に保た
れた冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜30℃の
風で60秒間、45℃の風で60秒間、50℃の風で6
0秒間順次乾燥して記録用紙−1を得た。
【0138】記録用紙−1において、以下のように変更
した記録用紙−2を記録用紙−1と同様にして作製し
た。
【0139】記録用紙−2:「シリカ分散液−2」の調
製において、シリカ分散液の中にカチオン性ポリマー含
有溶液を添加し次いでホウ酸とほう砂を含有する液、消
泡剤を添加した様に添加順を変えた以外は記録用紙−1
と同様にして作製した。
【0140】この場合、混合中に液の増粘が激しいため
に分散前の撹拌時間は、記録用紙−1の場合5分であっ
たのに対し2時間に延長して行った。
【0141】記録用紙−3:「シリカ分散液−2」の調
製において、分散回数を3回にした以外は記録用紙−2
と同様にして作製した。
【0142】記録用紙−4:「シリカ分散液−2」の調
製において、分散回数を4回にした以外は記録用紙−2
と同様にして作製した。
【0143】記録用紙−5:シリカ分散液−1Aとして
下記の分散液を調製した。
【0144】平均粒径が約3μmの湿式法で得られたシ
リカを用い、サンドグラインダーによりあらかじめ30
分間予備分散した後、上記で使用した高圧ホモジナイザ
ーで、500kg/cm2で2回分散して平均粒径が約
120nmの2次凝集体から成るシリカ分散液−1A
(濃度10%)を作製した。
【0145】これを用いて、記録用紙−1で調製した
「シリカ分散液−2」と同様にしてカチオン性ポリマー
を含有するシリカ分散液−2Aを作製した。この分散液
はシリカ分散液−2に比較して白濁した分散液であっ
た。
【0146】後は、記録用紙−1と同様にして作製し
た。但し、シリカ分散液の濃縮が不十分で、塗布液が希
釈(約10%)されているために、固形分の塗布量が記
録用紙−1と同じになるように湿潤膜厚を調整して塗布
を行った。
【0147】記録用紙−6:記録用紙−5のシリカ分散
液−2Aの作製において、高圧ホモジナイザーによる分
散回数を3回にした以外は記録用紙−5と同様にして作
製した。
【0148】記録用紙−7:記録用紙−5の作製におい
て、シリカ分散液−2Aの作製において、高圧ホモジナ
イザーによる分散回数を4回にした以外は記録用紙−5
と同様にして作製した。
【0149】記録用紙−8:記録用紙−5のシリカ分散
液−2Aの作製において、高圧ホモジナイザーによる分
散回数を5回にした以外は記録用紙−5と同様にして作
製した。
【0150】記録用紙−9:記録用紙−5のシリカ分散
液−2Aの作製において、高圧ホモジナイザーによる分
散回数を6回にした以外は記録用紙−5と同様にして作
製した。
【0151】記録用紙−10:記録用紙−5の「シリカ
分散液−1A」の作製において、サンドグラインダーの
分散時間を2時間とし高圧ホモジナイザーによる分散回
数を2回から5回にして平均粒径が約50nmの2次凝
集粒子のシリカ分散液−1Bを作製した。このシリカ分
散液−1Bを用いて記録用紙−5と同様にしてシリカ分
散液−2Bを調製した。この分散液はシリカ分散液−2
Aに比べれば白濁度は低下していたが、シリカ分散液−
2に比べれば白濁度は高かった。ついで記録用紙−5と
同様にして記録用紙を作製した。
【0152】記録用紙−11:シリカ分散液−2Bの調
製において、高圧ホモジナイザーの分散回数を3回にし
て分散した以外は記録用紙−10と同様にして作製し
た。
【0153】記録用紙−12:シリカ分散液−2Bの調
製において、高圧ホモジナイザーの分散回数を4回にし
て分散した以外は記録用紙−10と同様にして作製し
た。
【0154】記録用紙−13:シリカ分散液−2Bの調
製において、高圧ホモジナイザーの分散回数を6回にし
て分散した以外は記録用紙−10と同様にして作製し
た。
【0155】記録用紙−1〜13について、以下の項目
を評価した。
【0156】(1)光沢度:日本電色工業株式会社製変
角光度計(VGS−1001DP)を用いて75度光沢
度を測定した この値は高いほど光沢が良好であることを示す。
【0157】(2)ひび割れ:塗布面の0.3m2当た
りのひび割れ点数を目視でカウントした ひび割れ点数は、通常10点以下であれば実用上問題な
いと考えられる。
【0158】(3)最大濃度:セイコーエプソン株式会
社製のインクジェットプリンター・PM750Cを使用
して、マゼンタのベタ印字を行いその最大反射濃度を測
定した。
【0159】得られた結果を表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】シリカ分散液−1:気相法シリカ分散液 湿式法シリカをサンドグラインダー(30分)+高圧
ホモジナイザー(2回)分散して得られた液 湿式法シリカをサンドグラインダー(2時間)+高圧
ホモジナイザー(5回)分散して得られた液 シリカ分散液−2:カチオン性ポリマー溶液にシリカ
分散液−1を添加 シリカ分散液−1にカチオン分散液を添加 各数値は高圧ホモジナイザーの分散回数を示す。
【0162】表1の結果から、記録用紙−1は気相法シ
リカ分散液をカチオン性ポリマー含有液に添加すること
で両者の混合時の粗大凝集物の生成が少なく短時間
(5′)で比較的均一な液が形成され、2回の高圧分散
で良好な分散液が得られた。
【0163】この分散液を使用して得られた記録用紙
は、光沢性に優れ、ひび割れ点数が少なく良好な膜面で
あることを示している。また最大濃度も高いことがわか
る。
【0164】これに対して気相法シリカ分散液−1とカ
チオン性ポリマーの添加順序を入れ替えた記録用紙−2
〜4は、シリカ分散液−2を調製する過程でダマの生成
が多く、分散時間を多少要しているが、高圧ホモジナイ
ザーの分散回数を増していけばほぼ記録用紙−1と同等
の膜面及び最大濃度が得られることがわかる。
【0165】これに対して、湿式法シリカをあらかじめ
機械的に粉砕分散して2次凝集粒子のままでカチオン性
ポリマーと混合して得られた記録用紙−5〜13はいず
れも光沢度の低下、ひび割れの増加、最大濃度の低下が
あることがわかる。
【0166】カチオン性ポリマーとシリカ分散液の混合
後の高圧ホモジナイザーの分散回数を増加させることで
特性は少しずつ改善はされるが、記録用紙−1〜4には
及ばない。
【0167】実施例2 実施例1において使用した記録用紙−1と4を作製する
ための各塗布液を、塗布液を混合した後に高圧ホモジナ
イザーで100kg/cm2の条件で再度分散した液を
使用して記録用紙−1と同様にして記録用紙−1Aおよ
び4Aを作製した。実施例1と同様にして評価し、得ら
れた結果を表2に示す。
【0168】
【表2】
【0169】表2に示す結果から、全て混合した塗布液
を高圧ホモジナイザーで再分散することで光沢度と最大
濃度は若干上昇するが、ひび割れが稍増加した。
【0170】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によるイ
ンクジェット記録用紙は、耐水性が良好で、光沢性に優
れ、ひび割れが少なくしかも生産性を向上させることが
でき、優れた効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性ポリマー含有溶液と1次粒子
    の状態まで分散された無機微粒子分散液を混合し、その
    後水溶性ポリマーを添加した塗布液を支持体上に塗布し
    て得られることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 カチオン性ポリマー含有溶液と1次粒子
    の状態まで分散された無機微粒子分散液の混合が、カチ
    オン性ポリマー含有溶液に1次粒子の状態まで分散され
    た無機微粒子分散液を添加して行われることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
JP10271500A 1998-09-25 1998-09-25 インクジェット記録用紙 Pending JP2000094830A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003008198A1 (en) 2001-07-17 2003-01-30 Mitsui Chemicals, Inc. Ink jet-use recording sheet
JP2003191630A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Toyobo Co Ltd 記録材料の製造方法
WO2006057290A1 (ja) * 2004-11-24 2006-06-01 Oji Paper Co., Ltd. インクジェット記録体及びその製造方法
JP2009196373A (ja) * 2002-07-31 2009-09-03 Eastman Kodak Co インクジェット記録要素および印刷方法

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