JP2000093090A - アイスクリーム製造器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アイスクリーム完成時の材料容器の取り出し
を容易にすることを目的とする。 【構成】 撹拌羽根を備えた材料容器を冷凍手段、加熱
手段及び撹拌羽根の駆動手段を備えた調理室にセットす
るアイスクリーム製造器であって、調理室と材料容器と
の間に生じる隙間を密閉するシール部材を備えた。ま
た、別の手段として、アイスクリーム完成時に加熱手段
に通電する取り出しスイッチを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アイスクリーム製造に
係る全ての工程を自動的に行うことを可能にしたアイス
クリーム製造器に関し、アイスクリーム製造後の材料容
器を調理室から容易に取り外すことができるようにした
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の装置として、特公平７−９
５９２５号が知られている。これは、アイスクリームを
製造する上で必要となる工程を全自動で行えるように、
冷凍手段、加熱手段、混練手段及びこれらを適宜作動さ
せる制御回路を備えており、材料の殺菌と撹拌冷却とを
一装置内で連続して実行できるようにしたものである。
この装置を用いてアイスクリームを作る場合、材料容器
内に材料となる卵黄・砂糖・生クリーム・牛乳を入れ、
混練手段を回転させて混合し、続いて、混練手段を回転
させながら加熱手段を駆動し所定温度（７０〜８０℃）
まで加熱して材料の殺菌及び砂糖の溶解を行う。その
後、冷凍手段を駆動し、混練手段を回転させて固めてい
くのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のアイスクリーム製造器には冷媒を循環させる冷凍
サイクルが採用されており、材料容器が着脱される調理
室の外周面にはエバポレータが巻回されているが、材料
容器の外面と調理室の内面との間には、成形上僅かなが
ら隙間ができるため、この隙間にある空気が冷やされて
凍結し、材料容器が取り出せないという問題が生じてい
た。そこで本発明は、アイスクリーム完成時の材料容器
の取り出しを容易にすることを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、アイスクリーム材料が投入される材
料容器と、該材料容器内に収容された材料を撹拌する撹
拌羽根と、該撹拌羽根を駆動する駆動手段と、前記材料
容器の温度を検出する温度検出手段と、前記材料容器が
着脱自在に取り付けられる調理室と、材料容器を加熱す
る加熱手段と、材料容器を冷却する冷凍手段とを備えた
アイスクリーム製造器であって、材料容器を取り付けた
状態で調理室と材料容器との間に生じる隙間を密閉する
シール部材を備えたことものである。

【０００５】また、アイスクリーム材料が投入される材
料容器と、該材料容器内に収容された材料を撹拌する撹
拌羽根と、該撹拌羽根を駆動する駆動手段と、前記材料
容器の温度を検出する温度検出手段と、前記材料容器が
着脱自在に取り付けられる調理室と、材料容器を加熱す
る加熱手段と、材料容器を冷却する冷凍手段とを備えた
アイスクリーム製造器であって、アイスクリームの製造
が終了した後で前記材料容器を取り出すタイミングで前
記加熱手段に通電される容器取出スイッチを備えたもの
である。

【０００６】

【作用】本発明によれば、材料容器を調理室にセットし
た状態で、シール部材により材料容器外面と調理室内面
との隙間がシールされて空気の進入が防がれる。この隙
間に残された空気は、冷却されて凍結したとしても材料
容器が取り外せないほどの凍結状態にはならないので、
材料容器を容易に取り外すことができる。

【０００７】また、材料容器が取り出せないほどの凍結
があった場合でも、取り出しスイッチを入力することに
より、加熱手段に通電されるので、凍結状態が解氷さ
れ、材料容器を容易に取り出すことができる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を基に本発明の実施例について説
明する。図１は正面内部構造図、図２は平面内部構造図
である。１は本体ケースで、底部半分にベース２を固定
し、該ベース２の上面には調理室３が、下面にはモータ
４がそれぞれ設けられている。５は蒸発器６，圧縮機
７，凝縮器８からなる冷凍サイクルで、蒸発器６は調理
室３の上面を除く外周面に巻回され、圧縮機７及び凝縮
器８は本体ケース１の底面に調理室３と配置されてい
る。９は断熱材で、調理室３の外側面を囲むように設け
られている。１０は回転軸で、調理室３の内底部中央に
突出形成されている。１１は回転軸１０の下端部に取り
付けた大プーリで、モータ４の駆動軸１２に取り付けら
れた小プーリ１３とＶベルト１４を介して連係されてい
る。

【０００９】１５は調理室３に着脱されるホッパー状の
材料容器で、上面開口縁にフランジ部１６を形成し、内
底中心部には投入される材料の液面よりも高くなるよう
に前記回転軸１０が貫通するボス部１７を形成し、裏底
面には前記調理室３の内底面に形成した平面視六角形の
嵌合受部１８に嵌まる嵌合部１９を設けている。２０は
材料容器１５のボス部１７に取り付けられる撹拌羽根
で、ボス部１７を貫通した回転軸１０の先端と連係し
て、材料容器１５内を回転する。

【００１０】２１は調理室３の上面を覆う蓋体で、中心
内面に回転軸１０の先端を回転支持する支持部２２を形
成し、中心上面には取り外し用の取手２３を形成し、周
囲には材料容器１５のから発生する熱気を逃がす通気孔
２４を複数穿設している。

【００１１】２５は調理室３の上面開口部における前記
材料容器１５のフランジ部１６が当接する箇所に全周に
わたって設けられるシール部材で、熱伝導性が低く弾性
を有するゴム製でなり、材料容器１５を取り付けた状態
で調理室３の内面との間に形成される隙間Ｓに空気が入
り込まないようにシールするものである。尚、このシー
ル部材２５は、材料容器１５のフランジ部１６側に設け
ても良いし、前記蓋体２１の内面に設け、蓋体２１取り
付け時に隙間Ｓのシールをするようにしても良い。

【００１２】２６は加熱用のヒータで、調理室３の底面
において前記蒸発器６の間に設けられている。２７は温
度センサで、蒸発器６の一部を貫通して直接材料容器１
５の底面に接触するように調理室３の底面に設けられて
おり、材料容器１５内の温度を検出するとともに、材料
容器１５がセットされているか否かを判断する機能を兼
用している。

【００１３】図３はこの実施例の制御系を示すブロック
図である。２８は制御部で、メモリ２９を内蔵したマイ
クロコンピュータ３０と、トランス３１及びブザー３２
を備えたパワーボード３３とから構成されている。パワ
ーボード３３には、モータ４，圧縮機７，凝縮器８，ヒ
ータ２６，温度センサ２７及びマイクロコンピュータ３
０が接続され、マイクロコンピュータ３０には、操作パ
ネル３４が備えられている。

【００１４】操作パネル３４は、ＬＥＤによって表示さ
れるメニュー名の表示パネル３５と、製造するアイスク
リームの種類を選択するメニューキー３６と、調理を開
始させるスタートキー３７と、動作の中止及び設定の取
消を行うキャンセルキー３８と、アイスクリーム完了時
に調理室３から材料容器１５を取り出す際に入力される
取り出しキー３９を備えている。このうち、取り出しキ
ー３９は本発明の特徴的構成のひとつであり、アイスク
リームが出来上がった後でのみ入力を受け付け、入力し
ている間中ヒータ２６に通電させることができるもので
ある。尚、本実施例で例示したメニューは、そのメニュ
ー数や種類などに特別限定されるわけではない。

【００１５】続いて、このようなアイスクリーム製造器
におけるアイスクリームの製造方法について説明する。
材料容器１５の嵌合部１９を調理室３の嵌合受部１８に
合わせて取り付けて、ボス部１７に回転軸１０を貫通さ
せ、その回転軸１０の先端に撹拌羽根２０を装着する。
材料容器１５の中にアイスクリームの材料となる牛乳、
砂糖、生クリーム、卵黄をセットし、操作パネル３４
で”アイスクリーム”メニューを選択して、スタートキ
ー３７を入力すると、マイクロコンピュータ３０はメモ
リ２９からアイスクリームメニューのプログラムを読み
込み、動作が開始される。

【００１６】まず、モータ４駆動により撹拌羽根２０を
低速で回転させながら、ヒータ２６に通電して材料の撹
拌と加熱殺菌を行い、温度センサ２７で検出される材料
容器１５の温度が、殺菌温度（＝７０〜８０℃）に達し
たら、ヒータ２６は停止させ、モータ４は継続して低速
回転させて、材料の熱気を積極的に放熱冷却する。温度
センサ２７で検出される調理室３の温度が、所定温度に
達したら、モータ４をそのまま低速で回転させながら、
圧縮機７及び凝縮器８を駆動して調理室３を冷凍温度
（＝−２０℃）に保持し、アイスクリームとして固めて
いく。タイマで調理時間終了が検出されると（６）、ブ
ザーによりアイスクリームの出来上がりを報知し
（７）、作業は終了となる。

【００１７】材料を冷凍させる工程において、材料容器
１５は冷やされ、調理室３との隙間Ｓに滞留した空気が
氷着するが、調理室上面に設けたシール部材２５により
空気の流通が遮断されているため、氷着の状況はある程
度で止まり、材料容器１５が取り外せないほどにはなら
ない。

【００１８】もし、材料容器１５が取り出せないほどの
氷着がある場合、取り出しキー３９を入力する。このキ
ー３９は、入力している間だけヒータ２６に通電され、
材料容器１５が取り外せる程度まで入力し続けることで
解氷することができる。また、この取り出しキー３９は
アイスクリームが完了した後でしか入力を受け付けない
ようにしているので、誤ってアイスクリーム製造工程中
に入力したとしてもヒータ２６への通電は避けることが
できる。

【００１９】尚、取り出しキー３９の構成としては、１
回の入力によりヒータへの通電時間をタイマにより管理
する方式や、温度センサによって検出される材料容器の
温度が上昇に転じるまでヒータに通電する方式等、様々
な仕様が考えられる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明は構成され、材料容
器の外面と調理室の内面との隙間に空気が入り込むこと
を防ぐシール部材を設けたので、材料容器が調理室に氷
着する可能性が低くなり、材料容器の取り出しが容易に
行える。

【００２１】また、もし材料容器が調理室に氷着したと
しても入力している間中ヒータに通電される取り出しキ
ーを設けているので、すぐに解氷することができ、材料
容器を素早く取り外すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例のアイスクリーム製造器を示す
正面内部構造部である。

【図２】同アイスクリーム製造器の平面内部構造図であ
る。

【図３】同アイスクリーム製造器の制御系を示すブロッ
ク図である。

【符号の説明】 １ 本体ケース ３ 調理室 ４ モータ ６ 蒸発器 ７ 圧縮機 ８ 凝縮器 １５ 材料容器 ２０ 撹拌羽根 ２５ シール部材 ２６ ヒータ ２７ 温度センサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アイスクリーム材料が投入される材料容
   器と、該材料容器内に収容された材料を撹拌する撹拌羽
   根と、該撹拌羽根を駆動する駆動手段と、前記材料容器
   の温度を検出する温度検出手段と、前記材料容器が着脱
   自在に取り付けられる調理室と、材料容器を加熱する加
   熱手段と、材料容器を冷却する冷凍手段とを備えたアイ
   スクリーム製造器であって、材料容器を取り付けた状態
   で調理室と材料容器との間に生じる隙間を密閉するシー
   ル部材を備えたことを特徴とするアイスクリーム製造
   器。
2. 【請求項２】 アイスクリーム材料が投入される材料容
   器と、該材料容器内に収容された材料を撹拌する撹拌羽
   根と、該撹拌羽根を駆動する駆動手段と、前記材料容器
   の温度を検出する温度検出手段と、前記材料容器が着脱
   自在に取り付けられる調理室と、材料容器を加熱する加
   熱手段と、材料容器を冷却する冷凍手段とを備えたアイ
   スクリーム製造器であって、アイスクリームの製造が終
   了した後で前記材料容器を取り出すタイミングで前記加
   熱手段に通電される容器取出スイッチを備えたことを特
   徴とするアイスクリーム製造器。