JP2000077955A - Ab級増幅器 - Google Patents

Ab級増幅器

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JP2000077955A
JP2000077955A JP10249740A JP24974098A JP2000077955A JP 2000077955 A JP2000077955 A JP 2000077955A JP 10249740 A JP10249740 A JP 10249740A JP 24974098 A JP24974098 A JP 24974098A JP 2000077955 A JP2000077955 A JP 2000077955A
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Japan
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transistor
current
amplifier
sink
class
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JP10249740A
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Katsumi Miyazaki
勝己 宮崎
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Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AB級増幅器において、低電圧例えば2V以
下で使用できること。 【解決手段】 電流シンク用のトランジスタ201に対
するミラートランジスタ202を設け、ミラートランジ
スタ202により電流ソース用のトランジスタ205を
制御する。ミラートランジスタ202のコレクタ電流が
増えると、トランジスタ201のコレクタ電流が増加
し、かつトランジスタ205のコレクタ電流が減少する
ので、トランジスタ201のコレクタ電流の殆どが、出
力側から引き抜かれたシンク電流により賄われる。一方
ミラートランジスタ202のコレクタ電流が減ると、ト
ランジスタ201のコレクタ電流が減少し、かつトラン
ジスタ205のコレクタ電流が増加するので、トランジ
スタ205のコレクタ電流は殆ど出力側に向かって流
れ、ソース電流となる。従って出力ダイナミックレンジ
はVsat 〜(Vcc−Vsat )となり、2V以下で使用可
能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅器(オペアン
プ)に関し、特にIC(集積回路)内に作り込まれたト
ランジスタにより構成された低電圧用のAB級増幅器に
関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来のA級増幅器の構成を示す
回路図である。ここでA級増幅器とは、出力段の上側に
抵抗もしくは定電流源が接続され、かつ下側にコレクタ
電流可動のトランジスタに接続された構成の増幅器、ま
たはその逆の構成をなす増幅器のことである。図7に示
すA級増幅器は、差動増幅器101、2個のNPNトラ
ンジスタ102,104、電源103および定電流源1
05により構成されている。
【0003】差動増幅器101は、その出力端子がトラ
ンジスタ102のベース端子に接続されており、トラン
ジスタ102を駆動する。トランジスタ102は、その
コレクタ端子およびエミッタ端子がそれぞれ電源103
およびトランジスタ104のベース端子に接続されてお
り、トランジスタ104を駆動する。トランジスタ10
4のコレクタ端子は、一端が電源103に接続された定
電流源105の他端およびこの増幅器の出力端(OU
T)に接続されており、またトランジスタ104のエミ
ッタ端子は接地されている。このトランジスタ104
は、増幅器の出力端から吸引する電流量を制御してい
る。増幅器の出力端には、定電流源105により出力電
流が供給される。
【0004】この増幅器の出力端から外部へ供給される
電流(以下、ソース電流とする)は、トランジスタ10
4のコレクタ電流がゼロの時に最大となり、その時の電
流値は定電流源105の電流能力の最大値に等しい。ま
た増幅器の出力端を介して外部から吸引される電流(以
下、シンク電流とする)の最大値は、トランジスタ10
4のコレクタ電流の最大能力値から定電流源105によ
る電流値分を減じた値となる。シンクモードとソースモ
ードとの交替時のスイッチング特性およびクロスオーバ
歪を改善するために、電源103と接地点との間に流す
貫通電流すなわちアイドリング電流は、定電流源105
により流れる電流と同じである。
【0005】また出力ダイナミックレンジは、定電流源
105をPNPトランジスタで構成した場合、トランジ
スタ104のエミッタ、コレクタ間最小電圧すなわちト
ランジスタ104の飽和電圧(以下、飽和電圧をVsat
と表す)以上で、かつ定電流源105を構成するPNP
トランジスタのVsat 分だけ電源電圧(以下、電源電圧
をVccと表す)よりも低い電圧以下の範囲となる。トラ
ンジスタ104および定電流源105であるPNPトラ
ンジスタのVsat をそれぞれ0.3Vとし、かつVccを
5Vとすると、このA級増幅器の出力ダイナミックレン
ジは0.3V〜4.7Vとなる。
【0006】しかしA級増幅器では、上側電流供給源が
定電流源105であり、かつトランジスタ104は出力
に必要のない電流を常時吸引しているため、定電流源1
05により流れる電流のうち増幅器の出力として増幅器
外部に向かわない分の電流は、常に貫通電流として電源
103から接地点へ流れ、従って電流効率が悪いという
問題点がある。電流効率が悪いとエネルギー損失が増大
し、消費電力の増大、意図しない発熱量の増大などの問
題も発生し、低消費電力が要求されるバッテリー駆動の
携帯型電子機器には特に不適である。また増幅器として
のシンク電流能力は、トランジスタ104が有する電流
能力よりも定電流源105による定電流分だけ少なくな
ってしまう。
【0007】そこでA級増幅器の無効電流の問題点を解
決したものとして、push−pull型増幅器と呼ば
れるAB級増幅器がある。
【0008】図8は、従来のAB級増幅器の構成を示す
回路図である。ここでAB級増幅器とは、出力段の上側
および下側がともにエミッタ電流可動のトランジスタに
接続された構成をなし、かつ若干の貫通電流が流れるよ
うになっている増幅器のことである。AB級増幅器は、
上側のトランジスタがオンの時に下側のトランジスタが
オフし、また下側のトランジスタがオンの時に上側のト
ランジスタがオフすることによって電源から接地点へ貫
通電流を流さないようにしているB級増幅器のスイッチ
ング特性を改善している。図8に示すAB級増幅器は、
差動増幅器108、3個のNPNトランジスタ109,
111,115、PNPトランジスタ116、電源11
0、定電流源112および2個のダイオード113,1
14により構成されている。
【0009】差動増幅器108は、その出力端子がトラ
ンジスタ109のベース端子に接続されており、トラン
ジスタ109を駆動する。トランジスタ109は、その
コレクタ端子およびエミッタ端子がそれぞれ電源110
およびトランジスタ111のベース端子に接続されてお
り、トランジスタ111を駆動する。トランジスタ11
1のコレクタ端子は、ダイオード114のアノードおよ
びトランジスタ116のベースに接続されており、また
トランジスタ111のエミッタ端子は接地されている。
ダイオード114のカソードはダイオード113のアノ
ードに接続されており、さらにダイオード113のカソ
ードは、一端が電源110に接続された定電流源112
の他端およびトランジスタ115のベースに接続されて
いる。トランジスタ115とトランジスタ116は、こ
の増幅器の出力端(OUT)に共通接続されており、ま
たトランジスタ115のコレクタおよびトランジスタ1
16のコレクタは、それぞれ電源110および接地点に
接続されている。
【0010】ここで定電流源112による電流値をIc
、トランジスタ111のコレクタ電流をId 、トラン
ジスタ115のベータ増幅率をBF1 、トランジスタ1
16のベータ増幅率をBF2 、およびダイオード11
3,114とトランジスタ115,116のエミッタサ
イズ比で決まる電流比をKで表すと、このAB級増幅器
のソース電流Iso、シンク電流Isiおよびアイドリング
電流Iidは、それぞれつぎの(1)式、(2)式、
(3)式により決まる。
【0011】 Iso=(Ic −Id )・BF1 ・・・(1) Isi=(Id −Ic )・BF2 ・・・(2) Iid=Ic ・K ・・・(3)
【0012】出力ダイナミックレンジは、定電流源11
2をPNPトランジスタで構成した場合、トランジスタ
116のベース、エミッタ間電圧(以下、ベース、エミ
ッタ間電圧をVbeと表す)とトランジスタ111のVsa
t とを足した電圧以上で、かつトランジスタ115のV
beと定電流源112を構成するPNPトランジスタのV
sat とを足した電圧だけVccよりも低い電圧以下の範囲
となる。Vsat およびVbeをそれぞれを0.3Vおよび
0.7Vとし、かつVccを5Vとすると、このAB級増
幅器の出力ダイナミックレンジは1.0V〜4.0Vと
なる。
【0013】図9に、従来のA級増幅器(同図(a)〜
(c))およびpush−pull型AB級増幅器(同
図(d)〜(f))のそれぞれについて、入力電圧、出
力電圧および貫通電流の関係を電圧利得1のボルテッジ
フォロアを構成した場合について示す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のA
B級増幅器では、上述したように出力ダイナミックレン
ジの最低電位がVbeとVsat の和(Vbe+Vsat )であ
り、また最高電位がVccからVbeとVsat との和を引い
た電位(Vcc−(Vbe+Vsat ))であるため、出力ダ
イナミックレンジがA級増幅器に比べて2Vbe分、例え
ば約1.4V狭くなってしまうという欠点があり、従っ
て出力が2V以下ではまったく動作しないという問題点
があった。
【0015】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、低電圧例えば2V以下で使用可能なAB
級増幅器を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、出力側へ向かって電流を流すための電流
ソース用のトランジスタと、出力側から電流を引き抜く
ための電流シンク用のトランジスタと、前記電流ソース
用のトランジスタを駆動し得る電流を流す定電流源と、
前記定電流源により流された電流のうち、前記電流ソー
ス用のトランジスタを駆動するために前記電流ソース用
のトランジスタ側へ流れる電流量を制御するとともに、
前記電流シンク用のトランジスタを流れる電流に対応す
る電流が流れるミラートランジスタと、外部からの入力
に応じて、前記電流シンク用のトランジスタの駆動およ
び前記ミラートランジスタの駆動を制御する第4のトラ
ンジスタと、を具備し、前記第4のトランジスタによ
り、前記ミラートランジスタを流れる電流が増えると、
前記電流シンク用のトランジスタを流れる電流が増加
し、かつ前記電流ソース用のトランジスタの駆動電流が
減って前記電流ソース用のトランジスタを流れる電流が
減少し、一方、前記第4のトランジスタにより、前記ミ
ラートランジスタを流れる電流が減ると、前記電流シン
ク用のトランジスタを流れる電流が減少し、かつ前記電
流ソース用のトランジスタの駆動電流が増えて前記電流
ソース用のトランジスタを流れる電流が増加するように
なっている。
【0017】この発明によれば、電流シンク用のトラン
ジスタに対するミラートランジスタにより、電流ソース
用のトランジスタが制御されているため、シンク電流お
よびソース電流はそれぞれ電流シンク用のトランジスタ
を流れる電流および電流ソース用のトランジスタを流れ
る電流となる。
【0018】また本発明は、出力側へ向かって電流を流
すための電流ソース用のトランジスタと、出力側から電
流を引き抜くための電流シンク用のトランジスタと、前
記電流シンク用のトランジスタを駆動し得る電流を流す
定電流源と、前記定電流源により流された電流のうち、
前記電流シンク用のトランジスタを駆動するために前記
電流シンク用のトランジスタ側から流れ込む電流量を制
御するとともに、前記電流ソース用のトランジスタを流
れる電流に対応する電流が流れるミラートランジスタ
と、外部からの入力に応じて、前記電流ソース用のトラ
ンジスタの駆動および前記ミラートランジスタの駆動を
制御する第4のトランジスタと、を具備し、前記第4の
トランジスタにより、前記ミラートランジスタを流れる
電流が増えると、前記電流ソース用のトランジスタを流
れる電流が増加し、かつ前記電流シンク用のトランジス
タの駆動電流が減って前記電流シンク用のトランジスタ
を流れる電流が減少し、一方、前記第4のトランジスタ
により、前記ミラートランジスタを流れる電流が減る
と、前記電流ソース用のトランジスタを流れる電流が減
少し、かつ前記電流シンク用のトランジスタの駆動電流
が増えて前記電流シンク用のトランジスタを流れる電流
が増加するようになっている。
【0019】この発明によれば、電流ソース用のトラン
ジスタに対するミラートランジスタにより、電流シンク
用のトランジスタが制御されているため、シンク電流お
よびソース電流はそれぞれ電流シンク用のトランジスタ
を流れる電流および電流ソース用のトランジスタを流れ
る電流となる。
【0020】これらの発明において、前記電流ソース用
のトランジスタはPNP形のバイポーラトランジスタで
あり、前記電流シンク用のトランジスタはNPN形のバ
イポーラトランジスタであってもよい。
【0021】この発明によれば、シンク電流およびソー
ス電流はそれぞれ電流シンク用のNPN形バイポーラト
ランジスタのコレクタ電流および電流ソース用のPNP
形バイポーラトランジスタのコレクタ電流となる。
【0022】これらの発明において、前記ミラートラン
ジスタのベース端子と前記第4のトランジスタのエミッ
タ端子との間に、前記ミラートランジスタの飽和を抑制
するための抵抗が接続されていてもよい。
【0023】この発明によれば、ミラートランジスタの
飽和を抑制するための抵抗が設けられていることによ
り、ミラートランジスタのコレクタ電流をより多く流す
必要がある場合にミラートランジスタが飽和するのが抑
制される。
【0024】これらの発明において、前記第4のトラン
ジスタの入力と当該AB級増幅器の出力との間に位相補
償用のコンデンサが接続されていてもよい。
【0025】この発明によれば、位相補償用のコンデン
サが設けられていることにより、このAB級増幅器が動
作する際の位相補償効果が大きい。
【0026】またこれらの発明において、前記各トラン
ジスタはMOSトランジスタであってもよい。
【0027】この発明によれば、MOSトランジスタを
用いても、シンク電流およびソース電流はそれぞれ電流
シンク用のトランジスタを流れる電流および電流ソース
用のトランジスタを流れる電流となる。
【0028】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の
実施の形態1にかかるAB級増幅器の構成を示す回路図
である。このAB級増幅器は、例えば差動増幅器20
6、3個のNPNトランジスタ201,202,20
3、PNPトランジスタ205、抵抗204、電源20
9、定電流源207および電流増幅段208により構成
されている。
【0029】差動増幅器206は、その出力端子がトラ
ンジスタ203のベース端子に接続されており、トラン
ジスタ203を駆動する。
【0030】トランジスタ203は、そのコレクタ端子
が電源209に接続され、かつそのエミッタ端子がトラ
ンジスタ201のベース端子に接続されており、トラン
ジスタ201を駆動する。またトランジスタ203のエ
ミッタ端子は、抵抗204の一端に接続され、さらにそ
の抵抗204の他端がトランジスタ202のベース端子
に接続されており、従ってトランジスタ203はトラン
ジスタ202も駆動している。
【0031】トランジスタ201のコレクタ端子は、ト
ランジスタ205のコレクタ端子とともにこの増幅器の
出力端に共通接続されており、トランジスタ201のエ
ミッタ端子は接地されている。トランジスタ201は電
流シンク用のトランジスタである。
【0032】トランジスタ205のエミッタ端子および
ベース端子は、それぞれ電源209および電流増幅段2
08の出力端子に接続されている。トランジスタ205
は電流ソース用のトランジスタである。
【0033】電流増幅段208は、トランジスタ205
とともに電流を増幅する電流増幅器である。
【0034】トランジスタ202のコレクタ端子は、一
端が電源209に接続された定電流源207の他端、お
よび電流増幅段208の入力端子に接続されており、ト
ランジスタ202のエミッタ端子は接地されている。ト
ランジスタ201,202はカレントミラー回路を構成
しており、トランジスタ202は電流シンク用のトラン
ジスタ201のミラートランジスタとなっている。そし
てこのミラートランジスタ202により電流ソース用の
トランジスタ205が制御されている。
【0035】つぎに実施の形態1の作用を説明する。ト
ランジスタ205と電流増幅段208を含む図1の破線
部で示されるブロックの電流利得をA、トランジスタ2
01とトランジスタ202とで形成されるカレントミラ
ーの電流比をB、定電流源207による電流値をIo 、
およびトランジスタ202のコレクタ電流をI1 で表す
と、このAB級増幅器の出力電流Iout は、トランジス
タ205のコレクタ電流(A・(Io −I1 ))とトラ
ンジスタ201のコレクタ電流(B・I1 )との合成分
で決まり、つぎの(4)式で表される。 Iout =A・(Io −I1 )−B・I1 =A・Io −(A+B)・I1 ・・・(4)
【0036】このAB級増幅器がソース電流を多く必要
とする時には、差動増幅器206はトランジスタ203
のベースに供給する電流を減らすように作用し、それに
よってトランジスタ202に供給されるベース電流が減
るため、トランジスタ202のコレクタ電流I1 が減少
する。トランジスタ202のコレクタ電流I1 が減る
と、トランジスタ205および電流増幅段208よりな
る図1破線部の電流増幅ブロックに流れ込む電流(Io
−I1 )が増えるため、トランジスタ205のコレクタ
電流(A・(Io −I1 ))が増加する。その際トラン
ジスタ201のベース電流も減少するためトランジスタ
201のコレクタ電流(B・I1 )も減少し、従ってト
ランジスタ205のコレクタ電流のうちトランジスタ2
01を介して接地点へ流れる電流は少なくなって、トラ
ンジスタ205のコレクタ電流の大部分はこのAB級増
幅器の出力へ向かって流れる。つまりこのAB級増幅器
のソース電流が増加することになる。
【0037】電流ソース時の出力電流は、トランジスタ
202のコレクタ電流I1 がゼロ(I1 =0)の時に最
大となり、その時の出力電流Iout はトランジスタ20
5のコレクタ電流(A・Io )に等しくなる。すなわち
次式のようになる。Iout =A・Io
【0038】一方、このAB級増幅器がシンク電流を多
く必要とする時には、差動増幅器206はトランジスタ
203のベースに供給する電流を増やすように作用す
る。それによってトランジスタ203のエミッタ電流が
増えるためトランジスタ201のベース電流が増え、従
ってトランジスタ201のコレクタ電流(B・I1 )が
増加する。その際トランジスタ202のベース電流が増
加することによりトランジスタ202のコレクタ電流I
1 が増加するため、トランジスタ205および電流増幅
段208よりなる図1破線部の電流増幅ブロックに流れ
込む電流(Io −I1 )は減少する。従ってトランジス
タ205のコレクタ電流(A・(Io −I1 ))が減少
し、トランジスタ201のコレクタ電流のうちトランジ
スタ205を介して電源209から流れ込む電流は少な
くなって、トランジスタ201のコレクタ電流(B・I
1 )の大部分はこのAB級増幅器の出力から流れ込む。
つまりこのAB級増幅器のシンク電流が増加することに
なる。
【0039】電流シンク時の出力電流は、I1 がIo に
等しい(I1 =Io )時にトランジスタ205のコレク
タ電流がゼロになり、その時の出力電流Iout はトラン
ジスタ201のコレクタ電流(−B・I1 )に等しくな
る。すなわち次式のようになる。 Iout =−B・I1 =−B・Io
【0040】そしてさらに多くのシンク電流が必要な時
には、トランジスタ203のエミッタからトランジスタ
201のベースに電流が供給されることにより、トラン
ジスタ201の電流能力に見合う分の電流がこのAB級
増幅器の出力から引き込まれ得る。その際抵抗204に
より、トランジスタ202が飽和するのが抑制される。
無負荷時のアイドリング電流Iidは、上記(4)式にお
いてIout をゼロ(Iout =0)とした時の電流(B・
I1 )であり、つぎの(5)式で表される。 Iid=(A・B/(A+B))・Io ・・・(5) 無負荷時のアイドリング電流は上記(4)式において無
負荷状態、すなわち、Io =0としたときの電流ソース
用PNPトランジスタのコレクタ電流、あるいは電流シ
ンク用NPNトランジスタのコレクタ電流(共に同値と
なる)であるので、(4)式よりI1 を求めBを乗ずる
ことで上記(5)式を導出することができる。
【0041】このAB級増幅器が入力ゲイン1のボルテ
ッジフォロアを構成した場合の入力電圧、出力電圧およ
び貫通電流(アイドリング電流)の関係を図2に示す。
【0042】上述実施の形態1によれば、シンク電流お
よびソース電流がそれぞれ電流シンク用のNPNトラン
ジスタ201および電流ソース用のPNPトランジスタ
205のコレクタ電流であり、かつ電流シンク用のトラ
ンジスタ201のミラートランジスタ202により電流
ソース用のトランジスタ205が制御されているため、
このAB級増幅器の出力ダイナミックレンジは、従来の
A級アンプ(図9(b)参照)と同様に、トランジスタ
201のVsat 以上で、かつVccよりもトランジスタ2
05のVsat だけ低い電圧(Vcc−Vsat )以下の範囲
となる(図2(b)参照)。例えばトランジスタ20
1,205のVsat を0.3Vとし、かつVccを5Vと
すると、このAB級増幅器の出力ダイナミックレンジは
0.3V〜4.7Vとなる。
【0043】また上述実施の形態1によれば、電流ソー
ス時および電流シンク時の無効電流が少なく、またその
無効電流の値は上記(5)式で決まる値を超えず、かつ
スイッチング特性およびクロスオーバ歪等に影響を及ぼ
すアイドリング電流が(5)式のA、BおよびIo のみ
で決まるため、安定化が容易である。
【0044】さらに上述実施の形態1によれば、低電源
電圧で使用可能であり、かつ低消費電力であるため、2
〜5V電源系のシステム内アナログアンプとして利用可
能であり、特にバッテリーを電源として用いる携帯電子
機器等のシステムに適している。
【0045】実施の形態2.図3は、本発明の実施の形
態2にかかるAB級増幅器の構成を示す回路図である。
このAB級増幅器は、例えば差動増幅器1206、3個
のPNPトランジスタ1201,1202,1203、
NPNトランジスタ1205、抵抗1204、電源12
09、定電流源1207および電流増幅段1208によ
り構成されている。
【0046】差動増幅器1206は、その出力端子がト
ランジスタ1203のベース端子に接続されており、ト
ランジスタ1203を駆動する。
【0047】トランジスタ1203は、そのコレクタ端
子が接地され、かつそのエミッタ端子がトランジスタ1
201のベース端子に接続されており、トランジスタ1
201を駆動する。またトランジスタ1203のエミッ
タ端子は、抵抗1204の一端に接続され、さらにその
抵抗1204の他端がトランジスタ1202のベース端
子に接続されており、従ってトランジスタ1203はト
ランジスタ1202も駆動している。
【0048】トランジスタ1201のコレクタ端子は、
トランジスタ1205のコレクタ端子とともにこの増幅
器の出力端に共通接続されており、トランジスタ120
1のエミッタ端子は電源1209に接続されている。ト
ランジスタ1201は電流ソース用のトランジスタであ
る。
【0049】トランジスタ1205のエミッタ端子およ
びベース端子は、それぞれ接地点および電流増幅段12
08の入力端子に接続されている。トランジスタ120
5は電流シンク用のトランジスタである。
【0050】電流増幅段1208は、トランジスタ12
05とともに電流を増幅する電流増幅器である。
【0051】トランジスタ1202のコレクタ端子は、
一端が接地された定電流源1207の他端、および電流
増幅段1208の出力端子に接続されており、トランジ
スタ1202のエミッタ端子は電源1209に接続され
ている。トランジスタ1201,1202はカレントミ
ラー回路を構成しており、トランジスタ1202は電流
ソース用のトランジスタ1201のミラートランジスタ
となっている。そしてこのミラートランジスタ1202
により電流シンク用のトランジスタ1205が制御され
ている。
【0052】つぎに実施の形態2の作用を説明する。ト
ランジスタ1205と電流増幅段1208を含む図3の
破線部で示されるブロックの電流利得をA、トランジス
タ1201とトランジスタ1202とで形成されるカレ
ントミラーの電流比をB、定電流源1207による電流
値をIo 、およびトランジスタ1202のコレクタ電流
をI1 で表すと、このAB級増幅器の出力電流Iout
は、トランジスタ1201のコレクタ電流(B・I1 )
とトランジスタ1205のコレクタ電流(A・(Io −
I1 ))との合成分で決まり、つぎの(6)式で表され
る。 Iout =B・I1 −A・(Io −I1 ) =(A+B)・I1 −A・Io ・・・(6)
【0053】このAB級増幅器がソース電流を多く必要
とする時には、差動増幅器1206はトランジスタ12
03のベース電流を増やすように作用する。それによっ
てトランジスタ1203のエミッタ電流が増えるためト
ランジスタ1201のベース電流が増え、従ってトラン
ジスタ1201のコレクタ電流(B・I1 )が増加す
る。その際トランジスタ1202のベース電流が増加す
ることによりトランジスタ1202のコレクタ電流I1
が増加するため、トランジスタ1205および電流増幅
段1208よりなる図3破線部の電流増幅ブロックから
引き抜かれる電流(Io −I1 )は減少する。従ってト
ランジスタ1205のコレクタ電流(A・(Io −I1
))が減少し、トランジスタ1201のコレクタ電流
のうちトランジスタ1205を介して接地点へ流れる電
流は少なくなって、トランジスタ1201のコレクタ電
流(B・I1 )の大部分はこのAB級増幅器の出力へ向
かって流れる。つまりこのAB級増幅器のソース電流が
増加することになる。
【0054】電流ソース時の出力電流は、I1 がIo に
等しい(I1 =Io )時にトランジスタ1205のコレ
クタ電流がゼロになり、その時の出力電流Iout はトラ
ンジスタ1201のコレクタ電流(B・I1 )に等しく
なる。すなわち次式のようになる。 Iout =B・I1 =B・Io
【0055】そしてさらに多くのソース電流が必要な時
には、トランジスタ1203のエミッタ電流が増え、従
ってトランジスタ1201のベースに電流が増えて、ト
ランジスタ1201の電流能力に見合う分の電流がこの
AB級増幅器の出力へ向かって流れる。その際抵抗12
04により、トランジスタ1202が飽和するのが抑制
される。
【0056】一方、このAB級増幅器がシンク電流を多
く必要とする時には、差動増幅器1206はトランジス
タ1203のベース電流を減らすように作用し、それに
よってトランジスタ1202のベース電流が減るため、
トランジスタ1202のコレクタ電流I1 が減少する。
トランジスタ1202のコレクタ電流I1 が減ると、ト
ランジスタ1205および電流増幅段1208よりなる
図3破線部の電流増幅ブロックから引き抜かれる電流
(Io −I1 )が増えるため、トランジスタ1205の
コレクタ電流(A・(Io −I1 ))が増加する。その
際トランジスタ1201のベース電流も減少するためト
ランジスタ1201のコレクタ電流(B・I1 )も減少
し、従ってトランジスタ1205のコレクタ電流のうち
トランジスタ1201を介して電源1209から流れ込
む電流は少なくなって、トランジスタ1205のコレク
タ電流の大部分はこのAB級増幅器の出力から流れ込
む。つまりこのAB級増幅器のシンク電流が増加するこ
とになる。
【0057】電流シンク時の出力電流は、トランジスタ
1202のコレクタ電流I1 がゼロ(I1 =0)の時に
最大となり、その時の出力電流Iout はトランジスタ1
205のコレクタ電流(−A・Io )に等しくなる。す
なわち次式のようになる。 Iout =−A・Io
【0058】なおこのAB級増幅器が入力ゲイン1のボ
ルテッジフォロアを構成した場合の入力電圧、出力電圧
および貫通電流(アイドリング電流)の関係は図2と同
様であるため、図示省略する。
【0059】上述実施の形態2によれば、シンク電流お
よびソース電流がそれぞれ電流シンク用のNPNトラン
ジスタ1205および電流ソース用のPNPトランジス
タ1201のコレクタ電流であり、かつ電流ソース用の
トランジスタ1201のミラートランジスタ1202に
より電流シンク用のトランジスタ1205が制御されて
いるため、このAB級増幅器の出力ダイナミックレンジ
は、従来のA級アンプ(図9(b)参照)と同様に、ト
ランジスタ1205のVsat 以上で、かつVccよりもト
ランジスタ1201のVsat だけ低い電圧(Vcc−Vsa
t )以下の範囲となる。例えばトランジスタ1201,
1205のVsat を0.3Vとし、かつVccを5Vとす
ると、このAB級増幅器の出力ダイナミックレンジは
0.3V〜4.7Vとなる。
【0060】また上述実施の形態2によれば、電流ソー
ス時および電流シンク時の無効電流が少なく、かつスイ
ッチング特性およびクロスオーバ歪等に影響を及ぼすア
イドリング電流が上記A、BおよびIo のみで決まるた
め、安定化が容易である。
【0061】さらに上述実施の形態2によれば、低電源
電圧で使用可能であり、かつ低消費電力であるため、2
〜5V電源系のシステム内アナログアンプとして利用可
能であり、特にバッテリーを電源として用いる携帯電子
機器等のシステムに適している。
【0062】実施の形態3.図4は、本発明の実施の形
態3にかかるAB級増幅器の構成を示す回路図である。
この実施の形態3が上述した実施の形態1と異なるの
は、図1の電流増幅段208に代えてPNPトランジス
タ301および2個のNPNトランジスタ302,30
3よりなる回路(図4の波線で囲まれる部分)を設けた
ことと、差動増幅器206の出力端子とこのAB級増幅
器の出力との間にコンデンサ304を接続したことであ
る。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同じで
あるので、同様の構成については同一の符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0063】トランジスタ303のベース端子は、自ら
のコレクタ端子と短絡されているとともに、トランジス
タ302のベース端子に接続されている。またトランジ
スタ303のエミッタ端子は接地されており、そのコレ
クタ端子は、一端が電源209に接続された定電流源2
07の他端に接続され、かつトランジスタ202のコレ
クタ端子に接続されている。トランジスタ303は、ト
ランジスタ302とともにカレントミラー回路を構成し
ている。
【0064】トランジスタ302は、トランジスタ30
3のミラートランジスタである。トランジスタ302の
コレクタは、トランジスタ301のコレクタとベースと
の短絡箇所に接続されている。トランジスタ302のエ
ミッタ端子は接地されている。
【0065】トランジスタ301は、そのエミッタ端子
が電源209に接続されているとともに、そのベース端
子が自らのコレクタ端子と短絡され、かつトランジスタ
205のベース端子に接続されており、トランジスタ2
05とともにカレントミラー回路を構成している。
【0066】コンデンサ304は、このAB級増幅器が
動作する際の位相補償用に設けられている。
【0067】つぎに実施の形態3の作用を説明する。電
流ソース時および電流シンク時の差動増幅器206およ
びトランジスタ203,202,201,205の作用
は上述実施の形態1と同じであり、説明が重複するため
省略する。ただし、トランジスタ205とトランジスタ
301のエミッタ面積比をn1 、トランジスタ201と
トランジスタ202の面積比および抵抗204により決
まる電流比をn2 、トランジスタ302とトランジスタ
303のエミッタ面積比をn3 で表すと、電流ソース時
の出力電流Iout は、上記(4)式においてAをn1 と
n3 の積(n1・n3 )に置き換え、かつBをn2 で置
き換えることにより得られ、つぎの(7)式で表され
る。 Iout =n1 ・n3 ・Io −(n1 ・n3 +n2 )・I1 ただし(0≦I1 ≦(n1 ・n3 /(n1 ・n3 +n2 ))・Io ) ・・・(7)
【0068】また無負荷時のアイドリング電流(貫通電
流)Iidは、(7)式においてIout をゼロ(Iout =
0)にすることにより求まり、つぎの(8)式で表され
る。
【0069】一方、電流シンク時の出力電流Iout は、
つぎの(9)式で表される。 Iout =n1 ・n3 ・Io −(n1 ・n3 +n2 )・I1 ただし((n1 ・n3 /(n1 ・n3 +n2 ))・Io ≦I1 ≦Io ) ・・・(9)
【0070】また電流シンク時の出力電流Iout は、ト
ランジスタ201およびトランジスタ203のベータ増
幅率をそれぞれBF3 およびBF4 とすると、つぎの
(10)式で表される。 Iout =[差動増幅器206の出力電流]・BF3 ・BF4 ただし(Iout <−n2 ・Io ) ・・・(10)
【0071】このAB級増幅器が入力ゲイン1のボルテ
ッジフォロアを構成した場合の入力電圧、出力電圧およ
び貫通電流(アイドリング電流)の関係を図5に示す。
【0072】上述実施の形態3によれば、実施の形態1
と同様の効果が得られる。すなわちこのAB級増幅器の
出力ダイナミックレンジは、従来のA級アンプ(図9
(b)参照)と同様に、トランジスタ201のVsat 以
上で、かつVccよりもトランジスタ205のVsat だけ
低い電圧(Vcc−Vsat )以下の範囲となる(図5
(b)参照)。
【0073】また電流ソース時および電流シンク時の無
効電流が少なく、その無効電流の値は上記(8)式で決
まる値を超えず、かつスイッチング特性およびクロスオ
ーバ歪等に影響を及ぼすアイドリング電流が(8)式の
n1 、n2 、n3 およびIoのみで決まるため、安定化
が容易である。従って上述実施の形態3によれば、低電
源電圧で使用可能であり、かつ低消費電力であるため、
2〜5V電源系のシステム内アナログアンプとして利用
可能であり、特にバッテリーを電源として用いる携帯電
子機器等のシステムに適している。
【0074】また上述実施の形態3によれば、トランジ
スタ301,303,202のエミッタサイズを最小に
しておけば、トランジスタ205,302,201およ
び抵抗204を調整することにより、このAB級増幅器
のソース能力、シンク能力およびアイドリング電流を制
御することができるので、特に温度に対して安定したア
イドリング電流を設定することが可能となる。
【0075】さらに上述実施の形態3によれば、コンデ
ンサ304が設けられているため、位相補償効果が大き
いという効果が得られる。
【0076】実施の形態4.図6は、本発明の実施の形
態4にかかるAB級増幅器の構成を示す回路図である。
この実施の形態4が上述した実施の形態2と異なるの
は、図3の電流増幅段1208に代えてNPNトランジ
スタ1301および2個のPNPトランジスタ130
2,1303よりなる回路(図6の波線で囲まれる部
分)を設けたことと、差動増幅器1206の出力端子と
このAB級増幅器の出力との間にコンデンサ1304を
接続したことである。その他の構成は、図3に示す実施
の形態2と同じであるので、同様の構成については同一
の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】トランジスタ1303のベース端子は、自
らのコレクタ端子と短絡されているとともに、トランジ
スタ1302のベース端子に接続されている。またトラ
ンジスタ1303のエミッタ端子は電源1209に接続
されており、そのコレクタ端子は、一端が接地された定
電流源1207の他端に接続され、かつトランジスタ1
202のコレクタ端子に接続されている。トランジスタ
1303は、トランジスタ1302とともにカレントミ
ラー回路を構成している。
【0078】トランジスタ1302は、トランジスタ1
303のミラートランジスタである。トランジスタ13
02のコレクタは、トランジスタ1301のコレクタと
ベースとの短絡箇所に接続されている。トランジスタ1
302のエミッタ端子は電源1209に接続されてい
る。
【0079】トランジスタ1301は、そのエミッタ端
子が接地されているとともに、そのベース端子が自らの
コレクタ端子と短絡され、かつトランジスタ1205の
ベース端子に接続されており、トランジスタ1205と
ともにカレントミラー回路を構成している。
【0080】コンデンサ1304は、このAB級増幅器
が動作する際の位相補償用に設けられている。
【0081】つぎに実施の形態4の作用を説明する。電
流ソース時および電流シンク時の差動増幅器1206お
よびトランジスタ1203,1202,1201,12
05の作用は上述実施の形態2と同じであり、説明が重
複するため省略する。ただし、トランジスタ1205と
トランジスタ1301のエミッタ面積比をn1 、トラン
ジスタ1201とトランジスタ1202の面積比および
抵抗1204により決まる電流比をn2 、トランジスタ
1302とトランジスタ1303のエミッタ面積比をn
3 で表すと、電流ソース時の出力電流Iout は、上記
(6)式においてAをn1 とn3 の積(n1 ・n3 )に
置き換え、かつBをn2 で置き換えることにより得ら
れ、つぎの(11)式で表される。 Iout =(n1 ・n3 +n2 )・I1 −n1 ・n3 ・Io ただし((n1 ・n3 /(n1 ・n3 +n2 ))・Io ≦I1 ≦Io ) ・・・(11)
【0082】また無負荷時のアイドリング電流(貫通電
流)Iidは、(11)式においてIout をゼロ(Iout
=0)にすることにより求まり、つぎの(12)式で表
される。 Iid=(n1 ・n2 ・n3 /(n1 ・n3 +n2 ))・Io ・・・(12)
【0083】一方、電流シンク時の出力電流Iout は、
つぎの(13)式で表される。 Iout =(n1 ・n3 +n2 )・I1 −n1 ・n3 ・Io ただし(0≦I1 ≦(n1 ・n3 /(n1 ・n3 +n2 ))・Io ) ・・・(13)
【0084】なおこのAB級増幅器が入力ゲイン1のボ
ルテッジフォロアを構成した場合の入力電圧、出力電圧
および貫通電流(アイドリング電流)の関係は図5と同
様であるため、図示省略する。
【0085】上述実施の形態4によれば、実施の形態2
と同様の効果が得られる。すなわちこのAB級増幅器の
出力ダイナミックレンジは、従来のA級アンプ(図9
(b)参照)と同様に、トランジスタ1205のVsat
以上で、かつVccよりもトランジスタ1201のVsat
だけ低い電圧(Vcc−Vsat )以下の範囲となる。
【0086】また電流ソース時および電流シンク時の無
効電流が少なく、その無効電流の値は上記(12)式で
決まる値を超えず、かつスイッチング特性およびクロス
オーバ歪等に影響を及ぼすアイドリング電流が(12)
式のn1 、n2 、n3 およびIo のみで決まるため、安
定化が容易である。従って上述実施の形態4によれば、
低電源電圧で使用可能であり、かつ低消費電力であるた
め、2〜5V電源系のシステム内アナログアンプとして
利用可能であり、特にバッテリーを電源として用いる携
帯電子機器等のシステムに適している。
【0087】また上述実施の形態4によれば、トランジ
スタ1301,1303,1202のエミッタサイズを
最小にしておけば、トランジスタ1205,1302,
1201および抵抗1204を調整することにより、こ
のAB級増幅器のソース能力、シンク能力およびアイド
リング電流を制御することができるので、特に温度に対
して安定したアイドリング電流を設定することが可能と
なる。
【0088】さらに上述実施の形態4によれば、コンデ
ンサ1304が設けられているため、位相補償効果が大
きいという効果が得られる。
【0089】以上において本発明は、上記各実施の形態
に限らず、種々設計変更可能であることはいうまでもな
いし、バイポーラトランジスタの代わりにMOSトラン
ジスタを用いてもよい。
【0090】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明によれ
ば、電流シンク用のトランジスタに対するミラートラン
ジスタにより、電流ソース用のトランジスタが制御され
ているため、シンク電流およびソース電流はそれぞれ電
流シンク用のトランジスタを流れる電流および電流ソー
ス用のトランジスタを流れる電流となる。従ってこのA
B級増幅器の出力ダイナミックレンジは、電流シンク用
のトランジスタのVsat 以上で、かつVccよりも電流ソ
ース用のトランジスタのVsat だけ低い電圧(Vcc−V
sat )以下の範囲となり、低電圧例えば2V以下で使用
可能なAB級増幅器が得られる。
【0091】本発明によれば、電流ソース用のトランジ
スタに対するミラートランジスタにより、電流シンク用
のトランジスタが制御されているため、シンク電流およ
びソース電流はそれぞれ電流シンク用のトランジスタを
流れる電流および電流ソース用のトランジスタを流れる
電流となる。従ってこのAB級増幅器の出力ダイナミッ
クレンジは、電流シンク用のトランジスタのVsat 以上
で、かつVccよりも電流ソース用のトランジスタのVsa
t だけ低い電圧(Vcc−Vsat )以下の範囲となり、低
電圧例えば2V以下で使用可能なAB級増幅器が得られ
る。
【0092】本発明によれば、シンク電流およびソース
電流はそれぞれ電流シンク用のNPN形バイポーラトラ
ンジスタのコレクタ電流および電流ソース用のPNP形
バイポーラトランジスタのコレクタ電流となるため、こ
のAB級増幅器の出力ダイナミックレンジは、電流シン
ク用のトランジスタのVsat 以上で、かつVccよりも電
流ソース用のトランジスタのVsat だけ低い電圧(Vcc
−Vsat )以下の範囲となり、低電圧例えば2V以下で
使用可能なAB級増幅器が得られる。
【0093】本発明によれば、ミラートランジスタの飽
和を抑制するための抵抗が設けられていることにより、
ミラートランジスタのコレクタ電流をより多く流す必要
がある場合にミラートランジスタが飽和するのが抑制さ
れるので、このAB級増幅器の出力電流として、ミラー
トランジスタによりミラーされるトランジスタの電流能
力に見合う分の電流が得られる。
【0094】本発明によれば、位相補償用のコンデンサ
が設けられていることにより、このAB級増幅器が動作
する際の位相補償効果が大きいので、入力信号に対する
出力信号の位相補償効果の高いAB級増幅器が得られ
る。
【0095】本発明によれば、MOSトランジスタを用
いても、シンク電流およびソース電流はそれぞれ電流シ
ンク用のトランジスタを流れる電流および電流ソース用
のトランジスタを流れる電流となるため、このAB級増
幅器の出力ダイナミックレンジは、電流シンク用のトラ
ンジスタのVsat 以上で、かつVccよりも電流ソース用
のトランジスタのVsat だけ低い電圧(Vcc−Vsat )
以下の範囲となり、低電圧例えば2V以下で使用可能な
AB級増幅器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるAB級増幅器
の構成を示す回路図である。
【図2】 そのAB級増幅器について入力電圧、出力電
圧および貫通電流の関係を示す模式図である。
【図3】 本発明の実施の形態2にかかるAB級増幅器
の構成を示す回路図である。
【図4】 本発明の実施の形態3にかかるAB級増幅器
の構成を示す回路図である。
【図5】 そのAB級増幅器について入力電圧、出力電
圧および貫通電流の関係を示す模式図である。
【図6】 本発明の実施の形態4にかかるAB級増幅器
の構成を示す回路図である。
【図7】 従来におけるA級増幅器の構成を示す回路図
である。
【図8】 従来におけるAB級増幅器の構成を示す回路
図である。
【図9】 従来におけるA級増幅器およびAB級増幅器
のそれぞれについて、入力電圧、出力電圧および貫通電
流の関係を示す模式図である。
【符号の説明】
205,1201 電流ソース用のトランジスタ、20
1,1205 電流シンク用のトランジスタ、207,
1207 定電流源、202,1202 ミラートラン
ジスタ、203,1203 第4のトランジスタ、20
4,1204飽和抑制用の抵抗、304,1304 位
相補償用のコンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J091 AA01 AA45 AA47 AA63 CA37 FA04 HA08 HA10 HA17 HA25 HA29 KA02 KA05 KA09 MA21 TA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力側へ向かって電流を流すための電流
    ソース用のトランジスタと、 出力側から電流を引き抜くための電流シンク用のトラン
    ジスタと、 前記電流ソース用のトランジスタを駆動し得る電流を流
    す定電流源と、 前記定電流源により流された電流のうち、前記電流ソー
    ス用のトランジスタを駆動するために前記電流ソース用
    のトランジスタ側へ流れる電流量を制御するとともに、
    前記電流シンク用のトランジスタを流れる電流に対応す
    る電流が流れるミラートランジスタと、 外部からの入力に応じて、前記電流シンク用のトランジ
    スタの駆動および前記ミラートランジスタの駆動を制御
    する第4のトランジスタと、 を具備し、 前記第4のトランジスタにより、前記ミラートランジス
    タを流れる電流が増えると、前記電流シンク用のトラン
    ジスタを流れる電流が増加し、かつ前記電流ソース用の
    トランジスタの駆動電流が減って前記電流ソース用のト
    ランジスタを流れる電流が減少し、 一方、前記第4のトランジスタにより、前記ミラートラ
    ンジスタを流れる電流が減ると、前記電流シンク用のト
    ランジスタを流れる電流が減少し、かつ前記電流ソース
    用のトランジスタの駆動電流が増えて前記電流ソース用
    のトランジスタを流れる電流が増加することを特徴とす
    るAB級増幅器。
  2. 【請求項2】 出力側へ向かって電流を流すための電流
    ソース用のトランジスタと、 出力側から電流を引き抜くための電流シンク用のトラン
    ジスタと、 前記電流シンク用のトランジスタを駆動し得る電流を流
    す定電流源と、 前記定電流源により流された電流のうち、前記電流シン
    ク用のトランジスタを駆動するために前記電流シンク用
    のトランジスタ側から流れ込む電流量を制御するととも
    に、前記電流ソース用のトランジスタを流れる電流に対
    応する電流が流れるミラートランジスタと、 外部からの入力に応じて、前記電流ソース用のトランジ
    スタの駆動および前記ミラートランジスタの駆動を制御
    する第4のトランジスタと、 を具備し、 前記第4のトランジスタにより、前記ミラートランジス
    タを流れる電流が増えると、前記電流ソース用のトラン
    ジスタを流れる電流が増加し、かつ前記電流シンク用の
    トランジスタの駆動電流が減って前記電流シンク用のト
    ランジスタを流れる電流が減少し、 一方、前記第4のトランジスタにより、前記ミラートラ
    ンジスタを流れる電流が減ると、前記電流ソース用のト
    ランジスタを流れる電流が減少し、かつ前記電流シンク
    用のトランジスタの駆動電流が増えて前記電流シンク用
    のトランジスタを流れる電流が増加することを特徴とす
    るAB級増幅器。
  3. 【請求項3】 前記電流ソース用のトランジスタはPN
    P形のバイポーラトランジスタであり、前記電流シンク
    用のトランジスタはNPN形のバイポーラトランジスタ
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のAB
    級増幅器。
  4. 【請求項4】 前記ミラートランジスタのベース端子と
    前記第4のトランジスタのエミッタ端子との間に、前記
    ミラートランジスタの飽和を抑制するための抵抗が接続
    されていることを特徴とする請求項1、2または3に記
    載のAB級増幅器。
  5. 【請求項5】 前記第4のトランジスタの入力と当該A
    B級増幅器の出力との間に位相補償用のコンデンサが接
    続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一つに記載のAB級増幅器。
  6. 【請求項6】 前記各トランジスタはMOSトランジス
    タであることを特徴とする請求項1または2に記載のA
    B級増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006203435A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Fujitsu Ten Ltd 出力回路
JP2007522771A (ja) * 2004-02-13 2007-08-09 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 増幅器用の適応型バイアス電流回路及び方法
JP2010028392A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Sanyo Electric Co Ltd 負荷駆動回路

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