JP2000073747A - 触媒システム - Google Patents

触媒システム

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JP2000073747A
JP2000073747A JP11173032A JP17303299A JP2000073747A JP 2000073747 A JP2000073747 A JP 2000073747A JP 11173032 A JP11173032 A JP 11173032A JP 17303299 A JP17303299 A JP 17303299A JP 2000073747 A JP2000073747 A JP 2000073747A
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JP
Japan
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catalyst
exhaust gas
temperature
exhaust
adsorption
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Pending
Application number
JP11173032A
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English (en)
Inventor
Kunio Komori
国生 小森
Mitsuo Suzuki
光郎 鈴木
Kazunari Ono
一成 大野
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Futaba Industrial Co Ltd
Original Assignee
Futaba Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動直後等の低温時における排気ガ
ス浄化性能を高め、ULEV基準にも十分に対応できる
排気ガス浄化触媒システムを提供する。 【解決手段】 触媒システム1は、ハウジング10内上
流側に配置された吸着触媒50と、ハウジング内下流側
に配置された酸化触媒70とを備える。排気ガスの温度
が低温時には、排気ガスが吸着触媒50を経由して下流
に流れるように制御し、排気ガス中の有害物質を吸着触
媒50に吸着させておく。そして、排気ガスの温度が所
定温度、すなわち、酸化触媒70の活性化温度に達する
と、排気ガスが酸化触媒を直接経由するように制御す
る。上記吸着触媒50に吸着されていた有害物質は、高
温下において脱離し、上流から流れてくる排気ガス中の
有害物質とともに、酸化触媒70を通過する際に浄化さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気浄化触媒シス
テムに関し、特に自動車等の内燃機関から排出される排
気ガス中の有害成分を効率よく除去する触媒システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用エンジン等から排出され
る排気ガスの規制が、世界的に強化されつつある。これ
は、排気ガス中にHC(炭化水素)、CO(一酸化炭
素)、NOX(窒素酸化物)等の大気汚染物質が含まれ
ているためである。特に、大気汚染が社会問題となって
いる米国カリフォルニア州では、いわゆる超低公害車両
(ultra-low emission vehicle:ULEV)の法的基準
が設けられており、排気ガスの規制レベルが段階的に強
化されつつある。このような状況下において、わが国に
おける自動車産業等の各種メーカも、上記規制に柔軟に
対応していく必要がある。
【0003】従来より、例えば自動車用エンジンの排気
系には、排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置(触媒コ
ンバータ)が備えられている。図9に一般的な排気系を
示すように、エンジンの燃焼室から排出された排気ガス
は、エキゾーストマニホルド101により集合させられ
た後、排気管102を経由して下流側に設けられた触媒
コンバータ103を通過する。排気ガスは、この触媒コ
ンバータ103内の触媒により浄化された後、マフラー
104を経由して大気に放出される。上記触媒コンバー
タ103に収納される触媒としては、HC、COを除去
する酸化触媒、あるいは、更にNOXをも同時に除去で
きる三元触媒等が使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記触
媒は、低温下においては活性化せず、約300〜350
℃以上の温度下におかれないと浄化機能を有効に発揮し
ないという難点があった。このため、エンジン始動直後
から触媒活性化温度に達するまでの低温時において特に
発生しやすいHC、CO等の有害成分は浄化されること
なく、そのまま大気に排出されてしまうという問題があ
った。
【0005】本発明は、エンジン始動直後等の低温時に
おける排気ガス浄化性能を高め、ULEV基準にも十分
に対応できる排気ガス浄化触媒システムを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
に鑑みてなされた本発明の触媒システムは、排気経路中
に吸着触媒を配置した領域と浄化触媒を配置した領域と
が設けられている。一般に、吸着触媒は低温吸着性を有
し、低温時には排気ガスの有害成分を吸着するが、高温
になるとその吸着性が失われ、それまで吸着されていた
有害成分を脱離してしまうという性質を有する。一方、
浄化触媒は高温活性を有し、所定温度下におかれてはじ
めてその浄化機能を有効に発揮するという性質を有す
る。本発明の浄化システムは、これら触媒の相反した性
質を利用することにより、排気ガス中の有害成分を効率
よく浄化するものである。
【0007】すなわち、本願請求項1記載の触媒システ
ムは、内燃機関の排気系に配置され、該内燃機関の燃焼
室から排出される排気ガスを浄化するための触媒システ
ムであって、排気系上流から当該触媒システムに導入さ
れた排気ガスの温度が、少なくとも予め定められた温度
に達していない場合に、上記排気ガスの有害成分を吸着
させておくための吸着触媒と、上記吸着触媒の下流側に
配置され、上記排気ガスの温度が予め定められた温度以
上になった場合に、上記排気ガスの有害成分を無害物質
に転換する浄化触媒と、排気系上流から当該触媒システ
ムに導入される排気ガスの温度が、上記少なくとも予め
定められた温度に達していない場合に、上記排気ガスが
上記吸着触媒を経由するように制御する制御機構と、を
有することを特徴とする。
【0008】上記構成は、当該触媒システムに流入する
排気ガスの温度に応じて、排気ガスの通過経路を切り替
えるものである。すなわち、浄化触媒が活性化しない低
温時においては、排気ガスが吸着触媒を経由するように
設定し、排気ガスの有害成分であるHC(炭化水素)及
びCO(一酸化炭素)を一時的に吸着触媒に吸着させて
おく。そして、排気ガスの温度が所定温度以上になった
とき、排気ガスが吸着触媒を経由せずに直接浄化触媒を
通過するように設定する。このとき浄化触媒を通過した
排気ガスの有害成分は、その浄化作用により除去され
る。高温時に吸着触媒から脱離した排気ガスの有害成分
は、排気系上流からの排気ガスとともに活性化した浄化
触媒を通過して浄化される。
【0009】上記構成によれば、従来そのまま大気に排
出せざるを得なかったエンジン始動時等の排気ガスの有
害成分(HC,CO)を、浄化させた後に大気に排出す
ることができる。このため、大気への有害成分の排出率
を従来よりも低く抑えることが可能となり、ULEV等
の排ガス規制にも十分に対応することができる。
【0010】なお、ここにいう浄化触媒としては、例え
ば本願請求項6に記載されたように、排気ガスの有害成
分であるHC及びCOを酸化することにより、排気ガス
を浄化する酸化触媒が挙げられるが、これらHC,CO
を酸化して浄化するとともに、更にNOX(窒素酸化
物)を還元して浄化することも可能な三元触媒を使用し
てもよい。このようにすれば、比較的高温時に発生する
NOXの浄化をも行うことができる。
【0011】また、本発明の触媒システムとしては、本
願請求項2に記載されたように、上記吸着触媒及び浄化
触媒が、単一の触媒コンバータ内に収納され、該触媒コ
ンバータ内において、上記吸着触媒が排気系上流側に、
上記浄化触媒が排気系下流側に、それぞれ配置されたも
のが考えられる。
【0012】上記構成によれば、触媒コンバータとし
て、吸着触媒用のものと浄化触媒用のものとを排気系に
別体で配置する必要がないため、触媒システムとしてコ
ンパクトに構成することができる。この結果、車両スペ
ースを有効に利用することができる。
【0013】上記触媒コンバータのより具体的構成とし
ては、本願請求項3に記載したように、管状体の両端を
縮管して形成されたハウジングと、該ハウジングの上流
部に内挿され、前記排気ガスを前記ハウジング内に導入
するインナパイプと、該インナパイプの下流側端部に設
けられ、該端部を閉塞可能なバルブと、前記インナパイ
プに外挿され、前記インナパイプとの間に所定の空領域
を形成するアウタパイプと、前記ハウジングの略中央に
嵌挿された板状体の中央に挿通孔を有し、該挿通孔に前
記インナパイプの下流側端部を嵌挿して該インナパイプ
を支持するセパレータと、を備え、前記アウタパイプ、
前記ハウジング、及び前記セパレータにより囲まれる空
間には、前記吸着触媒が配置され、前記ハウジング内の
セパレータの下流側には、前記浄化触媒が配置され、前
記インナパイプの側面には、前記バルブが閉塞状態であ
る場合に、前記排気ガスを前記アウタパイプ側に流出さ
せるための複数の透孔が設けられ、前記アウタパイプの
側面には、前記インナパイプから前記透孔を介して流入
した排気ガスを前記吸着触媒側に流出させるための複数
の穿孔が設けられたことを特徴とするものでもよい。
【0014】上記構成においては、排気ガスの温度が低
い場合には、バルブは閉塞位置に設定される。この場
合、上流側からインナパイプに流入した排気ガスは、そ
の下流側端部から流出することができないため、インナ
パイプの側面に設けられた複数の透孔を介してアウタパ
イプ内に流出した後、更にアウタパイプに設けられた穿
孔から外部に配置された吸着触媒側へ流出する。排気ガ
スの有害成分は、この吸着触媒を通過する過程で吸着さ
れる。
【0015】一方、排気ガスの温度が所定温度以上にな
ると、上記制御機構によりバルブは開放状態に設定され
る。このとき、インナパイプに流入した排気ガスは、そ
の下流側端部から流出し、浄化触媒を通過する。この過
程で、排気ガスの有害成分は、化学反応により無害物質
に転換される。また、上記吸着触媒により吸着されてい
る有害成分は、高温下において吸着触媒から脱離する性
質を有するが、この場合脱離した有害成分は、触媒シス
テムの中央を下流方向に流れる排気ガスとともに浄化触
媒を通過する。この過程で、当該有害成分も化学反応に
より無害物質に転換される。
【0016】上記構成は、吸着触媒と浄化触媒とを単一
の触媒コンバータ内に収納し、排気ガスの通過経路を、
吸着触媒を経由して浄化触媒を通過させる経路と、吸着
触媒を経由しないで直接浄化触媒を経由する経路との二
つの経路から構成した具体的構成である。特に上記構成
は、触媒コンバータの長手方向の領域のみでなく、半径
方向の領域をも有効に利用するものである。上記構成に
よれば、当該触媒コンバータ内の領域が無駄なく利用さ
れ、触媒システムを非常にコンパクトに形成することが
できる。
【0017】また、上記バルブが開放状態となり、排気
ガスがアウタパイプを経由せずにそのまま下流に流れる
場合には、インナパイプの外面とアウタパイプとが形成
する空間が共鳴室として作用し、排気ガスによる騒音を
低減することができるという付随的な効果も得られる。
【0018】ところで、請求項4に記載されたように、
上記インナパイプの側面に設けられた透孔は、上記アウ
タパイプの下流端部付近に設けられ、上記アウタパイプ
の側面に設けられた穿孔は、上記アウタパイプの上流側
端部付近に設けられることが好ましい。
【0019】なお、ここでいう「上流側」とは、触媒コ
ンバータを基準に考えた場合に、排気ガスが流入する側
の位置を意味し、「下流側」とは排気ガスが流出する側
の位置を意味する。従って、必ずしも排気ガスの流れに
沿って表現したものではない。
【0020】上記構成をとれば、バルブが閉塞位置に設
定された状態で流入した排気ガスは、インナパイプの下
流側側面に設けられた複数の透孔を介してアウタパイプ
内を上流側に逆流した後、アウタパイプの上流側外周面
に設けられた穿孔からアウタパイプ外に流出する。そし
て、吸着触媒が配置された領域を上流側から下流側に流
れる。この過程で、排気ガスの有害成分は、吸着触媒に
吸着される。
【0021】このように、排気ガスをアウタパイプ内で
逆流させる構成をとることにより、排気ガスが吸着触媒
を通過する領域を大きくとることができる。また、排気
ガスの温度はアウタパイプ内を通過する過程で幾分降下
するため、低温吸着性を有する吸着触媒に有害成分を吸
着させるには都合がよい。この結果、排気ガスが吸着触
媒を通過する過程で、その有害成分は確実に吸着され
る。
【0022】また、本発明の触媒システムの別の形態と
しては、請求項5に記載されたように、上流側に分岐
点、下流側に合流点を有する排気管を備え、該排気管の
分岐された経路の一方に、吸着触媒を収納した吸着触媒
コンバータが配置され、上記排気管の合流点の下流に、
浄化触媒を収納した浄化触媒コンバータを配置が配置さ
れ、上記排気管の分岐点に、上記分岐した経路のいずれ
か一方を閉塞可能なバルブが設けられたことを特徴とす
るものが考えられる。
【0023】上記構成は、吸着触媒を収納した触媒コン
バータと浄化触媒を収納した触媒コンバータとを触媒シ
ステム内の排気経路に別体で配置した態様のものであ
る。このような構成は、触媒システムのコンパクト化を
図る場合には適さないが、上述の単一の触媒コンバータ
内に吸着触媒及び浄化触媒を収納する形態と比較して、
各々の触媒コンバータの構成が簡単であるため、低コス
ト化を図る場合には都合がよい。
【0024】以上の構成は、吸着触媒からの有害成分の
脱離温度と浄化触媒の活性化温度との差が小さい場合
に、その機能を効果的に発揮する。しかしながら、この
脱離温度と浄化触媒の活性化温度との差が大きい場合に
は、脱離した有害成分を含む排気ガスが浄化触媒を通過
しても、その温度が浄化触媒の活性化温度に達していな
いため、当該有害成分は除去されずそのまま大気に排出
されてしまうことになる。
【0025】そこで、このような場合においても上記浄
化触媒の浄化作用を有効に発揮させるために、請求項7
記載の触媒システムでは、上記浄化触媒の位置又はその
上流側に、排気ガスを昇温させるための加熱手段が設け
られる。ここで、加熱手段を「浄化触媒の位置」に配置
した態様としては、浄化触媒を担持する担体自体を発熱
体とした態様が考えられる。例えば、メタルあるいは炭
化珪素(SiC)焼結体等の導電性の担体に浄化触媒を
担持させ、当該担体に直接通電して加熱する態様がこれ
に相当する。一方、加熱手段を「浄化触媒の上流側」に
配置する態様としては、浄化触媒の上流側に発熱体を別
途設けた態様がこれに該当する。
【0026】上記構成によれば、未だ浄化触媒の活性化
温度に達していない排気ガスは、加熱手段により速やか
に昇温され、浄化触媒を通過する際にはその活性化温度
に達する。このため、排気ガス中の有害成分が浄化触媒
にて効果的に浄化される。この場合、上記加熱手段は請
求項8に記載のように、吸着触媒を通過する排気ガスの
温度が該吸着触媒の脱離温度域に達したときには機能し
ており、浄化触媒に流入する排気ガスの温度が該浄化触
媒の活性化温度域に達したときに機能を停止するように
構成することが好ましい。
【0027】ここで、「吸着触媒の脱離温度域に達した
とき」とは、吸着触媒を通過する排気ガスの温度が該吸
着触媒に吸着された有害成分の脱離温度付近に達したと
きを意味し、「浄化触媒の活性化温度域に達したとき」
とは、浄化触媒に流入する排気ガスの温度が該浄化触媒
の活性化温度付近に達したときを意味する。触媒システ
ム設計の都合により温度域に多少幅を持たせる趣旨であ
る。
【0028】このような構成では、排気ガスの温度が浄
化触媒の活性化温度付近に達するまでの間にのみ、加熱
手段による補助的な加熱が行われる。それ以降は、排気
系上流から流れてくる高温の排気ガスによりその温度が
保持されるためである。このため、加熱手段を機能させ
る時間を短くすることができ、エンジン始動直後から加
熱手段を機能させる態様に比して、当該触媒システムの
使用コストを低く抑えることができる。なお、上記にお
いては、吸着触媒の脱離温度域に達したときには加熱手
段が既に機能していることとしたが、コスト低減の観点
からは、加熱手段を機能させる時間を最小限にとどめる
ように、機能開始時点の設定をすることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
面に基づいて説明する。 [第1実施例]本実施例の触媒システムは、自動車エン
ジンの燃焼室から排出された排気ガスを浄化するための
触媒コンバータ、該触媒コンバータに流入する排気ガス
の温度を検知する温度センサ、及び排気ガスの温度に応
じて触媒コンバータ内における排気ガスの通過経路を設
定する制御装置等から構成される。以下の説明において
は、本実施例の触媒システムの主要部をなす触媒コンバ
ータを中心に詳述する。
【0030】図1及び図2に、本発明の第1実施例に係
る触媒システムを構成する触媒コンバータ1の概略構成
を示す。当該触媒コンバータ1は、図5に示す従来の自
動車エンジンの排気系における触媒コンバータ103の
位置に配置されるものである。
【0031】図1に示すように、触媒コンバータ1は、
円筒鋼管の両端を縮管して形成されたハウジング10
と、ハウジング10の中心軸に沿って内挿され、当該触
媒コンバータ1にエンジンからの排気ガスを導入するイ
ンナパイプ20と、インナパイプ20に外嵌され、イン
ナパイプ20との間に所定の空領域を形成するアウタパ
イプ30と、ハウジング内上流側に配置された吸着触媒
50と、ハウジング内下流側に配置された浄化触媒とし
ての酸化触媒70とから構成されている。
【0032】また、上記ハウジングの中央付近には、セ
パレータ60が嵌挿されている。このセパレータ60
は、円板状の本体の中央に円孔を有し、その外周及び円
孔の各々の縁には、下流方向に延出した円筒形のフラン
ジが設けられている。そして、外周に設けられた円筒形
フランジの外面とハウジング10の内面が圧接され、円
孔から延出した円筒形フランジの内面と上記インナパイ
プ20の外面が圧接されることにより、インナパイプ2
0がハウジング10の中心軸方向に沿って支持されてい
る。また、セパレータ60の表面には、周方向に所定の
間隔を開けて複数の透孔61が設けられている。
【0033】インナパイプ20の下流側端部には、該端
部を気密に閉塞することが可能である円板状の回転バル
ブ40が設けられている。回転バルブ40は、回転軸4
1により支持されており、回転軸41の両端は、インナ
パイプ20の端部壁に対し回転可能に支持されている。
当該回転バルブ40の回転は、図示しない制御機構によ
り行われる。また、インナパイプ20の下流側端部付近
の所定位置には、外周方向に複数の透孔21が設けられ
ており、上記回転バルブ40によりインナパイプ20の
下流側端部が閉塞状態となった場合には、上流側から流
入した排気ガスが、この透孔21を介して、アウタパイ
プ30内に流出できるように構成されている。
【0034】アウタパイプ30は、インナパイプ20よ
りも大きい径を有する円筒鋼管の両端部を縮管した形状
を有し、縮管された端部の端縁がインナパイプ20の外
周に溶接固定されている。また、アウタパイプ30の上
流側端部付近の所定位置には、その外周方向に複数の穿
孔31が設けられており、インナパイプ20から上記透
孔21を介して流入した排気ガスが、この穿孔31を介
して、アウタパイプ30の外部に流出できるように構成
されている。アウタパイプ30の上流側端部は、ハウジ
ング10の上流側縮管部に近接し、アウタパイプ30の
下流側端部近傍には、上記セパレータ60が配置されて
いる。
【0035】上記アウタパイプ30、ハウジング10、
及びセパレータ60によって囲まれる空間には、顆粒状
の吸着触媒50がSUSウールに担持された状態で配置
されている。当該吸着触媒50は、低温時に排気ガスの
有害成分(HC,CO)を吸着し、高温時にはこれらの
有害成分を脱離する性質を有する触媒であり、ゼオライ
ト等を主成分とするものである。
【0036】更に、ハウジング10内の下流側には、酸
化触媒70が配置されている。所定のガス温に達した排
気ガスは、この酸化触媒を通過するときに酸化され、無
害物質に転換される。以下、本実施例の触媒システムに
よる排気ガスの浄化作用について説明する。
【0037】自動車用エンジンの燃焼室から排出された
排気ガスは、エキゾーストマニホルド、排気管を経由し
て触媒コンバータ1に流入する。触媒コンバータ1の上
流側入り口付近には、排気ガスの温度を感知するための
図示しない温度センサが配置されており、この温度セン
サによって排気ガスの温度が酸化触媒の活性化温度(3
00〜350℃)以上であることが感知された場合に
は、図示しない制御装置によって回転バルブ40が開放
位置に駆動される。図1は、排気ガスの温度が所定温度
未満の場合、すなわち、回転バルブ40が閉塞位置にあ
る状態を示し、図2は、排気ガスの温度が所定温度以上
の場合、すなわち、回転バルブ40が開放位置にある状
態を示している。
【0038】エンジン始動直後は、排気ガスの温度が低
いために、回転バルブ40は、図1に示す閉塞位置に設
定されている。上流側からインナパイプ20に流入した
排気ガスは、インナパイプ20の下流側端部から流出す
ることができないため、インナパイプ20の下流側側面
に設けられた複数の透孔21を介してアウタパイプ30
内を上流側に逆流した後、アウタパイプ30の上流側外
周面に設れた穿孔31からアウタパイプ30外に流出す
る。そして、吸着触媒50が配置された領域を上流側か
ら下流側に流れる。この過程で、排気ガスの有害成分
(HC,CO)は、当該吸着触媒50に吸着される。有
害成分が除去された排気ガスは、セパレータ60に設け
られた複数の透孔61を抜けて酸化触媒を通過し、触媒
コンバータ1の下流に流出する。この結果、排気ガスの
温度が低温の場合は、排気ガスの無害成分のみが下流に
流出することになる。
【0039】一方、エンジン始動後ある程度時間が経過
し、触媒コンバータ1に導入される排気ガスの温度が、
所定温度(300〜350℃)以上になったことが感知
されると、回転バルブ40は開放状態に設定される。イ
ンナパイプ20に流入した排気ガスは、その下流側端部
から流出し、酸化触媒70を通過する。この過程で、排
気ガスの有害成分(HC,CO)は、酸化反応により無
害物質に転換される。また、上記吸着触媒50により吸
着されている有害成分(HC,CO)は、高温下におい
て吸着触媒50から脱離する性質を有するが、この場
合、脱離した有害成分は、触媒コンバータ1の中央を下
流方向に流れる排気ガスにより生じさせられる負圧によ
って、下流側に吸引される。当該有害成分は、セパレー
タ60の透孔61を抜けて中央を流れる排気ガスととも
に酸化触媒70を通過する。この過程で、当該有害成分
も酸化反応により無害物質に転換される。
【0040】このように、本実施例の触媒コンバータ1
は、排気ガスの温度が低温時において、排気ガス中に含
まれる有害成分を吸着触媒50に吸着させておく。そし
て、排気ガスの温度が下流に配置した酸化触媒70の活
性化温度に達すると、上流から流れてくる排気ガス中の
有害成分とともに、吸着触媒50から脱離した有害成分
を酸化触媒70により浄化する態様をとる。この結果、
従来浄化が困難であったエンジン始動時等の低温時に排
出された有害成分をも浄化することができるため、排気
ガスの浄化効率が高められるという効果が得られる。 [第2実施例]図3及び図4に、本発明の第2実施例に
係る触媒システム201を示す。
【0041】図3に示すように、触媒システム201
は、吸着触媒を収納した吸着触媒コンバータ250と酸
化触媒を収納した浄化触媒コンバータ270とを別個に
配置して構成されている。すなわち、当該触媒システム
201においては、排気管が途中で分岐し、一方の経路
には吸着触媒コンバータ250が配置され、他方の経路
は単なるバイパスとして形成されている。そして、これ
ら分岐した経路は下流で合流し、その合流点の下流に、
浄化触媒コンバータ270が配置されている。
【0042】上記分岐点には、分岐された経路の一方を
気密に閉塞することが可能である回転バルブ240が設
けられている。回転バルブ240は、回転軸241によ
り支持されており、回転軸241は、排気管分岐部の管
壁に対し回転可能に支持されている。回転バルブ240
の回転は、図示しない制御機構により行われる。上流側
からの排気ガスは、上記回転バルブ240によって閉塞
されていない側の経路を流れるように構成されている。
【0043】以下、本実施例の触媒システムによる排気
ガスの浄化作用について説明する。なお、上記分岐され
た経路については、吸着触媒コンバータ250が配置さ
れた側の経路を吸着経路221、吸着触媒コンバータ2
50が配置されない側の経路をバイパス経路223と称
して説明を続ける。
【0044】自動車用エンジンのシリンダヘッドから排
出された排気ガスは、エキゾーストマニホルド、排気管
を経由して触媒システム201に流入する。触媒システ
ム201の上流側には、排気ガスの温度を感知するため
の図示しない温度センサが配置されており、この温度セ
ンサによって排気ガスの温度が酸化触媒の活性化温度
(300〜350℃)以上であることが感知されない間
は、図示しない制御装置により、回転バルブ240は、
バイパス経路223を閉じる側に駆動される。図3は、
排気ガスの温度が所定温度未満の場合、すなわち、回転
バルブ240がバイパス経路223側を閉じる位置にあ
り、排気ガスが吸着触媒コンバータ250を通過するよ
うに設定された状態を示し、図4は、排気ガスの温度が
所定温度以上の場合、すなわち、回転バルブ240が吸
着経路221側を閉じる位置にあり、排気ガスがバイパ
ス経路223を通過するように設定された状態を示して
いる。
【0045】エンジン始動直後は、排気ガスの温度が低
いために、回転バルブ240は、図3に示す位置に設定
されている。上流側からの排気ガスは吸着経路221を
上流側から下流側に流れる。この過程で、排気ガスの有
害成分(HC,CO)は、吸着触媒によって吸着され
る。そして、有害成分が除去された排気ガスは、下流に
設けられた浄化触媒コンバータ270を経由して更に下
流へと流れる。この場合、酸化触媒は、低温下にあるた
め活性化していないが、当該酸化触媒250を通過する
のは排気ガスの無害成分のみであるため、何ら問題は生
じない。
【0046】一方、エンジン始動後ある程度時間が経過
し、触媒システム201への排気ガスの温度が、所定温
度(300〜350℃)以上になったことが感知される
と、回転バルブ240が吸着経路221側を閉じる状態
に設定されるため、排気ガスは、バイパス経路223を
経由して浄化触媒コンバータ270を直接通過する。こ
の過程で、排気ガスの有害成分(HC,CO)は、酸化
反応により無害物質に転換される。また、上記吸着触媒
により吸着されている有害成分(HC,CO)は、高温
下において吸着触媒から脱離する性質を有するが、この
場合、脱離した有害成分は、下流を流れる排気ガスによ
り生じさせられる負圧によって、下流側に吸引される。
このため、脱離した当該有害成分は、バイパス経路22
3を流れる排気ガスとともに浄化触媒コンバータ270
を通過する。この過程で、当該有害成分も酸化反応によ
り無害物質に転換される。
【0047】このように、本実施例の触媒システム20
1においては、低温時においては、排気ガス中に含まれ
る有害成分を吸着触媒に吸着させておき、その下流に配
置した酸化触媒の活性化温度に達すると、バイパス経路
223を流れてくる排気ガス中の有害成分とともに、吸
着触媒から脱離した有害成分を酸化触媒によって浄化す
る態様をとる。この結果、従来浄化が困難であったエン
ジン始動時等の低温時に排出された有害成分をも浄化す
ることができるため、排気ガスの浄化効率高められると
いう効果が得られる。 [第3実施例]第1実施例において述べたように、エン
ジン始動直後の低温の排気ガスに含まれる有害成分は、
吸着触媒に吸着されて一時的に担持される。そして、排
気ガスの温度が上昇して吸着触媒に固有の脱離温度を越
えると、有害成分は吸着触媒から脱離する。しかしなが
ら、この脱離温度と浄化触媒の活性化温度との差が大き
い場合には、脱離した有害成分を含む排気ガスが浄化触
媒を通過しても当該有害成分は除去されず、そのまま大
気に排出されてしまう。
【0048】本発明の第3実施例にかかる構成は、この
ような場合においても浄化触媒の浄化作用を有効に発揮
させるものである。図5及び図6に、本実施例に係る触
媒コンバータ301の概略構成を示す。本実施例は、第
1実施例におけるセパレータ60と酸化触媒70との間
にさらに加熱手段としてのヒータ380を設けた点に特
徴を有する。それ以外の点については第1実施例と同様
であるため、同じ構成要素には同じ符号を付し、その説
明を省略する。
【0049】ヒータ380としては、金属板と絶縁体と
を積層した帯状の発熱体を所定の間隔をもって巻回して
形成したものが考えられるが、これ以外の態様のものを
使用してもよい。使用時にはこのヒータ380に設けら
れた電極に電力が供給される。
【0050】以下、本実施例の触媒システムによる排気
ガスの浄化作用について説明する。エンジン始動直後に
おいて、回転バルブ40は、図5に示す閉塞位置に設定
されている。上流側からインナパイプ20に流入した排
気ガスは、インナパイプ20の下流側側面に設けられた
複数の透孔21を介してアウタパイプ30内を上流側に
逆流した後、アウタパイプ30の上流側外周面に設れた
穿孔31からアウタパイプ30外に流出する。そして、
吸着触媒50が配置された領域を上流側から下流側に流
れる。この過程で、排気ガスの有害成分(HC,CO)
は、当該吸着触媒50に吸着される。有害成分が除去さ
れた排気ガスは、セパレータ60に設けられた複数の透
孔61を抜けて酸化触媒70を通過し、触媒コンバータ
301の下流に流出する。この結果、排気ガスの温度が
吸着触媒50の脱離温度(本実施例では200〜250
℃)以下の場合には、排気ガスの無害成分のみが下流に
流出することになる。このとき、ヒータ380の下流側
かつ酸化触媒70の上流側に設けられた図示しない温度
センサが、排気ガスの温度を監視している。
【0051】そして、エンジン始動後ある程度時間が経
過し、上記温度センサにより排気ガスの温度が吸着触媒
50の脱離温度に達したことが検知されると、ヒータ3
80への通電が行われる。吸着触媒50から脱離した有
害成分は、排気ガスとともに下流に流出し、ヒータ38
0により加熱された後、酸化触媒70を通過する。この
過程で当該有害成分は酸化反応により無害物質に転換さ
れる。
【0052】そして、触媒コンバータ301の上流側入
り口付近に配置された温度センサが、排気ガスの温度が
酸化触媒70の活性化温度に達したことを検知すると、
ヒータ380への通電が停止されると同時に回転バルブ
40が開放状態に設定される。これ以降、触媒コンバー
タ301に流入した排気ガスは、吸着触媒50を経由せ
ずにインナパイプ20の下流側端部から流出して酸化触
媒70を通過するが、当該排気ガスの温度は既に活性化
温度に達しているため、その有害成分は効果的に浄化さ
れる。
【0053】このように、本実施例の触媒コンバータ3
01においては、排気ガス中に含まれる有害成分が、排
気ガスの温度が脱離温度に達するまで吸着触媒50に吸
着される。そして、脱離温度から酸化触媒70の活性化
温度に達するまでの間、ヒータ380による補助的な加
熱が行われ、脱離した有害成分は昇温された排気ガスと
ともに酸化触媒70を通過して浄化される。この結果、
従来浄化が困難であったエンジン始動時等の低温時に排
出された有害成分を効果的に浄化することができる。ま
た、ヒータ380への通電は、脱離温度に達してから酸
化触媒70の活性化温度に達するまでの間にのみ行うた
め、エンジン始動直後から通電する従来の態様に比して
使用電力を大幅に抑えることができ、コスト低減につな
がる。
【0054】なお、本実施例では、浄化触媒としての酸
化触媒70の上流側にヒータ380を別途設けた構成を
とったが、メタルあるいは炭化珪素(SiC)焼結体等
の導電性の担体に浄化触媒を担持させ、当該担体に直接
通電して加熱する方法をとってもよい。このような技術
としては、例えば実開昭63−67609号公報や実開
昭49−124412号公報に開示されたものを適用す
ることが可能である。
【0055】また、上記のように触媒コンバータ301
内のアウタパイプ30及び吸着触媒50を経由する経路
の構成によっては、インナパイプ20に流入した排気ガ
スの温度が吸着触媒50に到るまでに大きく降下するこ
とがある。つまり、インナパイプ20を通過する主流の
排気ガス温度と、吸着触媒50を通過する排気ガスの温
度とが大きく相違することがある。特に、吸着触媒50
を通過する排気ガスの温度が脱離温度に達したときに、
インナパイプ20を通過する主流の排気ガス温度が酸化
触媒70の活性化温度に達しているような場合には、吸
着触媒50を通過する排気ガスの温度が脱離温度に達し
た時点で、回転バルブ40を開放状態に設定することが
できる。このような場合には、ヒータ380による加熱
の必要はないため、第1実施例と同様、ヒータ380の
ない構成とすることも可能である。
【0056】また、本実施例においては、温度センサを
触媒コンバータ301の内部にも配置する構成とした
が、吸着触媒50を通過する排気ガスの温度とインナパ
イプ20を通過する排気ガスの温度との対応関係を予め
実験により求めておけば、当該温度センサを省略するこ
とが可能である。この場合は、触媒コンバータ301の
上流側入口に設けられた温度センサのみの温度検出によ
り触媒システムを制御することができる。
【0057】本実施例の構成は第2実施例の構成に適用
することも可能である。この場合、図7に示すように、
合流点よりわずか上流側の吸着経路221にヒータ48
0が配設される。そして、触媒システム401の上流側
に配置された図示しない温度センサにより、排気ガスの
温度が浄化触媒コンバータ270内に配置された酸化触
媒の活性化温度に達したと判断されるまでは、回転バル
ブ240がバイパス経路223を閉じる側に設定され
る。そして、排気ガスの温度が吸着触媒コンバータ25
0内の吸着触媒の脱離温度に達したと判断されると、ヒ
ータ480への通電が行われる。吸着触媒から脱離した
有害成分は排気ガスとともに、ヒータ480を通過する
際に酸化触媒の活性化温度にまで昇温され、浄化触媒コ
ンバータ270を通過する。この過程で、排気ガスの有
害成分(HC,CO)は、酸化反応により無害物質に転
換される。
【0058】そして、上記温度センサが、排気ガスの温
度が酸化触媒の活性化温度に達したことを検知すると、
ヒータ480への通電が停止されるとともに、回転バル
ブ240が吸着経路を閉じる側に設定される。これ以
降、バイパス経路223を流れる排気ガスは既に酸化触
媒の活性化温度まで昇温しているため、浄化触媒コンバ
ータ270を通過する過程でその有害成分が浄化され
る。
【0059】また、ヒータ480をバイパス経路223
側に設けることも考えられる。この場合、図8に示すよ
うに、合流点よりわずか上流側のバイパス経路223に
ヒータ480が配設される。そして、図示しない温度セ
ンサにより、排気ガスの温度が吸着触媒の脱離温度に達
したと判断されるまでは、回転バルブ240がバイパス
経路223を閉じる側に設定される。そして、排気ガス
の温度が脱離温度に達したと判断されると、回転バルブ
240が吸着経路221側を閉じる状態に設定されると
同時にヒータ380への通電が行われる。排気ガスは、
バイパス経路223を経由する際にヒータ480により
酸化触媒の活性化温度にまで昇温され、浄化触媒コンバ
ータ270を直接通過する。この過程で、排気ガスの有
害成分(HC,CO)は、酸化反応により無害物質に転
換される。また、吸着触媒コンバータ250の吸着触媒
から脱離した有害成分は、下流を流れる排気ガスにより
生じさせられる負圧によって下流側に吸引され、バイパ
ス経路223を流れる排気ガスとともに浄化触媒コンバ
ータ270を通過する。この過程で、当該有害成分も酸
化反応により無害物質に転換される。そして、上記温度
センサが、排気ガスの温度が酸化触媒の活性化温度に達
したことを検知すると、ヒータ480への通電は停止さ
れる。
【0060】なお、上記においては、ヒータ480を合
流点より下流側に配設することもできるが、ヒータ48
0を可能な限り小さくするためには、上記のように比較
的管路の狭い吸着経路221あるいはバイパス経路22
1に配設するのが好ましい。以上、本発明の実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明の実施の形態は、上記実
施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態をとりうることはいうまでもな
い。
【0061】例えば、上記第1実施例において、吸着触
媒50としてSUSウールに担持させたものを使用した
が、吸着触媒を円筒状に成形して焼成したものをアウタ
パイプ30の外側に配置してもよい。また、上記第3実
施例においては、ヒータ380、480への通電を、排
気ガスの温度が吸着触媒の脱離温度に達した時に行い、
酸化触媒の活性化温度に達した時に停止する態様とした
が、この通電、あるいは通電停止は必ずしも上記温度に
設定する必要はなく、システム設計の都合により上下さ
せてもよい。例えば、ヒータ自体が温まるまでに所定時
間を要することを考慮し、排気ガスの温度が吸着触媒の
脱離温度に達する以前に、ヒータ380、480への通
電を行ってもよい。なお、コスト低減の観点からは、ヒ
ータ380、480への通電時間を可能な限り短くする
ように、ヒータ380、480への通電開始時点あるい
は通電停止時点の設定をすることが好ましい。
【0062】また、上記各実施例においては、エンジン
始動時等の低温時に発生する排気ガスの有害成分HC,
COを除去することに主眼をおいたため、浄化触媒とし
て酸化触媒を使用したが、比較的高温時に発生するNO
Xの除去をも考慮し、三元触媒を使用してもよい。
【0063】更に、上記各実施例のおいては、触媒シス
テムとして、吸着触媒及び酸化触媒を一組ずつ配置させ
る構成について説明したが、これらの触媒を複数設けて
もよい。また、上記実施例に示した触媒コンバータの形
状、構成等は上記のものに限られず、本発明の概念を逸
脱しない限り適宜選択可能であることはもちろんであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図3】 本発明の第2実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図4】 本発明の第2実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図5】 本発明の第3実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図6】 本発明の第3実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図7】 本発明の第3実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図8】 本発明の第3実施例に係る触媒システムの説
明図である。
【図9】 従来の自動車エンジンの排気系の説明図であ
る。
【符号の説明】
1・・・触媒コンバータ、 10・・・ハウジング、
20・・・インナパイプ、30・・・アウタパイプ、
40・・・回転バルブ、 50・・・吸着触媒、60・
・・セパレータ、 70・・・酸化触媒、201・・・
触媒システム、 221・・・吸着経路、223・・・
バイパス経路、 240・・・回転バルブ、250・・
・吸着触媒コンバータ、 270・・・浄化触媒コンバ
ータ、301・・・触媒コンバータ、 380・・・ヒ
ータ、401・・・触媒システム、 480・・・ヒー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に配置され、該内燃機
    関の燃焼室から排出される排気ガスを浄化するための触
    媒システムであって、 排気系上流から当該触媒システムに導入される排気ガス
    の温度が、少なくとも予め定められた温度に達していな
    い場合に、前記排気ガスの有害成分を吸着させておくた
    めの吸着触媒と、 前記吸着触媒の下流側に配置され、前記排気ガスの温度
    が予め定められた温度以上になった場合に、前記排気ガ
    スの有害成分を無害物質に転換する浄化触媒と、 排気系上流から当該触媒システムに導入される排気ガス
    の温度が、前記少なくとも予め定められた温度に達して
    いない場合に、前記排気ガスが前記吸着触媒を経由する
    ように制御する制御機構と、 を有することを特徴とする触媒システム。
  2. 【請求項2】 前記吸着触媒及び前記浄化触媒は、単一
    の触媒コンバータ内に収納され、 該触媒コンバータ内において、前記吸着触媒は排気系上
    流側に、前記浄化触媒は排気系下流側に、それぞれ配置
    されたことを特徴とする請求項1記載の触媒システム。
  3. 【請求項3】 前記触媒コンバータは、 管状体の両端を縮管して形成されたハウジングと、 該ハウジングの上流部に内挿され、前記排気ガスを前記
    ハウジング内に導入するインナパイプと、 該インナパイプの下流側端部に設けられ、該端部を閉塞
    可能なバルブと、 前記インナパイプに外挿され、前記インナパイプとの間
    に所定の空領域を形成するアウタパイプと、 前記ハウジングの略中央に嵌挿された板状体の中央に挿
    通孔を有し、該挿通孔に前記インナパイプの下流側端部
    を嵌挿して該インナパイプを支持するセパレータと、を
    備え、 前記アウタパイプ、前記ハウジング、及び前記セパレー
    タにより囲まれる空間には、前記吸着触媒が配置され、 前記ハウジング内のセパレータの下流側には、前記浄化
    触媒が配置され、 前記インナパイプの側面には、前記バルブが閉塞状態で
    ある場合に、前記排気ガスを前記アウタパイプ側に流出
    させるための複数の透孔が設けられ、 前記アウタパイプの側面には、前記インナパイプから前
    記透孔を介して流入した排気ガスを前記吸着触媒側に流
    出させるための複数の穿孔が設けられたことを特徴とす
    る請求項2記載の触媒システム。
  4. 【請求項4】 前記インナパイプの側面に設けられた透
    孔は、前記アウタパイプの下流端部付近に設けられ、前
    記アウタパイプの側面に設けられた穿孔は、前記アウタ
    パイプの上流側端部付近に設けられたことを特徴とする
    請求項3記載の触媒システム。
  5. 【請求項5】 上流側に分岐点、下流側に合流点を有す
    る排気管を備え、 該排気管の分岐された経路の一方に、吸着触媒を収納し
    た吸着触媒コンバータが配置され、 前記排気管の合流点の下流に、浄化触媒を収納した浄化
    触媒コンバータが配置され、 前記排気管の分岐点に、前記分岐した経路のいずれか一
    方を閉塞可能なバルブが設けられたことを特徴とする請
    求項1記載の触媒システム。
  6. 【請求項6】 前記浄化触媒は、排気ガスの有害成分で
    あるHC及びCOを酸化することにより、排気ガスを浄
    化する酸化触媒であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の触媒システム。
  7. 【請求項7】 前記浄化触媒の位置又はその上流側に、
    前記排気ガスを昇温させるための加熱手段が設けられた
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の触媒
    システム。
  8. 【請求項8】 前記加熱手段は、 前記吸着触媒を通過する排気ガスの温度が、該吸着触媒
    の脱離温度域に達したときには機能しており、 前記浄化触媒に流入する排気ガスの温度が、該浄化触媒
    の活性化温度域に達したときに機能を停止することを特
    徴とする請求項7記載の触媒システム。
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Cited By (5)

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