JP2000072937A - エアバッグカバー用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその組成物からなるエアバッグカバー - Google Patents

エアバッグカバー用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその組成物からなるエアバッグカバー

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JP2000072937A
JP2000072937A JP10242983A JP24298398A JP2000072937A JP 2000072937 A JP2000072937 A JP 2000072937A JP 10242983 A JP10242983 A JP 10242983A JP 24298398 A JP24298398 A JP 24298398A JP 2000072937 A JP2000072937 A JP 2000072937A
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olefin
air bag
ethylene
propylene
bag cover
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JP10242983A
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Kyoko Kobayashi
林 恭 子 小
Toru Takehara
原 徹 竹
Akira Uchiyama
山 晃 内
Haruo Fukuda
田 治 男 福
Tsutomu Okano
野 勤 岡
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Mitsui Chemicals Inc
Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Toyota Auto Body Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のエアハ゛ック゛カハ゛ー用オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物は、フ゜ロヒ゜レンホ゜リマー(A)、135℃テ゛カリン中で測定
される[η]が2.3〜2.9dl/gであるエチレン・α- オレフィン系共重
合体コ゛ム(B)、135℃テ゛カリン中で測定される[η]が3.0〜3.6
dl/gであるエチレン・α- オレフィン系共重合体コ゛ム(C)、MFR(230
℃)が0.1〜50g/10分であり、かつフ゜ロヒ゜レン含有量が50〜8
7モル%であるフ゜ロヒ゜レン・1-フ゛テンランタ゛ム共重合体(D)、および鉱
物油系軟化剤(E)を特定割合で含有してなる。また、本
発明のエアハ゛ック゛カハ゛ーは、該組成物からなり、インストルメントハ゜ネ
ルのホ゜リフ゜ロヒ゜レン樹脂からなる基材層と一体成形されてい
る。 【効果】上記組成物は、インストルメントハ゜ネルの基材層と一体成
形が可能で、しかも低温から高温までの広い使用温度範
囲での展開性に優れるエアハ゛ック゛カハ゛ーを成形することがで
きる。上記エアハ゛ック゛カハ゛ーは、インストルメントハ゜ネルの基材層との
接着性に優れ、助手席のエアハ゛ック゛カハ゛ーとして広い温度範
囲における展開性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、自動車等の車両の衝突安
全装置(エアバッグ)を収納するエアバッグカバーに好
適なオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびそ
のエアバッグカバーに関し、さらに詳しくは、インスト
ルメントパネルの基材層と一体成形が可能で、しかも低
温から高温までの広い使用温度範囲での展開性に優れる
エアバッグカバーを成形できるオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物およびそのエアバッグカバーに関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】自動車のエアバッグ装置は、衝突
や衝撃を感知して膨張、収縮するエアバッグと、エアバ
ッグの膨張時にガスを供給するインフレーターとから構
成され、通常、インストルメントパネルあるいはステア
リングホイールの収納カバー内に収納されている。この
ような収納カバーは、エアバッグカバーとして、エアバ
ッグの膨張時に、乗員を傷つける破片を飛散することな
く、予め設けられたティアラインと呼ばれる強度的に脆
弱な部分で確実に展開しなければならない。
【0003】また、近年、自動車に対する安全性能への
要求の高まりから、エアバッグはステアリングホイール
に組み付けられた運転席だけにとどまらず、助手席側へ
も広がりをみせている。助手席のエアバッグ装置は、剛
性の必要なインストルメントパネルと、低温から高温ま
での広い使用温度範囲での優れた展開性が必要なエアバ
ッグカバーとが異なる材質であるため、両者は別々に成
形され、インストルメントパネルに組み込まれている。
このような成形、組立の方法は、2台の射出成形機と別
々の工程が必要であり、時間とコストもかかる。
【0004】したがって、インストルメントパネルの基
材層と一体成形が可能で、しかも低温から高温までの広
い使用温度範囲での展開性に優れるエアバッグカバーを
成形できるエアバッグカバー用オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物およびそのエアバッグカバーの出現が
望まれている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、インストルメントパネルの基
材層と一体成形が可能で、しかも低温から高温までの広
い使用温度範囲での展開性に優れるエアバッグカバーを
成形できるエアバッグ用オレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物、およびそのエアバッグカバーを提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るエアバッグカバー用オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物は、 プロピレンポ
リマー(A)30〜70重量部と、135℃デカリン中
で測定される極限粘度[η]が2.3〜2.9dl/g
であるエチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム(B)
10〜40重量部と、135℃デカリン中で測定される
極限粘度[η]が3.0〜3.6dl/gであるエチレ
ン・α- オレフィン系共重合体ゴム(C)15〜45重
量部と、メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.
16kg荷重)が0.1〜50g/10分であり、かつ、プ
ロピレン含有量が50〜87モル%であるプロピレン・
1-ブテンランダム共重合体(D)2〜15重量部[成分
(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100
重量部である]とを含有し、さらに、成分(A)、
(B)、(C)および(D)の合計量100重量部に対
して、鉱物油系軟化剤(E)を5〜40重量部含有して
なることを特徴としている。
【0007】本発明に係るエアバッグカバーは、上記
の、本発明に係るエアバッグカバー用オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物からなり、インストルメントパ
ネルのポリプロピレン樹脂からなる基材層と一体成形さ
れていることを特徴としている。
【0008】このエアバッグカバーは、車両の助手席用
エアバッグ(いわゆるアシスタントエアバッグ)のカバ
ーとして用いられる。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエアバッグカ
バー用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物および
その組成物からなるエアバッグカバーについて具体的に
説明する。
【0010】エアバッグカバー用オレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物 本発明に係るエアバッグカバー用オレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物は、プロピレン系ポリマー(A)、
エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム(B)、エチ
レン・α- オレフィン系共重合体ゴム(C)、プロピレ
ン・1-ブテンランダム共重合体(D)および鉱物油系軟
化剤を含有している。
【0011】[プロピレンポリマー(A)]本発明で用
いられるプロピレンポリマー(A)としては、具体的に
は、以下のような重合体または共重合体が挙げられる。 (1)プロピレン単独重合体 (2)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (3)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体上記のα- オレフィンとして
は、具体的には、エチレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペ
ンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0012】その中でも、プロピレン単独重合体と、プ
ロピレン含量が50モル%以上のプロピレン・α- オレ
フィン共重合体が特に好ましい。上記のようなプロピレ
ンポリマー(A)は、単独で、あるいは2種以上組合わ
せて用いることができる。
【0013】プロピレンポリマー(A)は、メルトフロ
ーレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)
が好ましくは0.01〜100g/10分、さらに好ま
しくは0.3〜70g/10分の範囲にある。
【0014】本発明においては、プロピレンポリマー
(A)は、プロピレンポリマー(A)、エチレン・α-
オレフィン系共重合体ゴム(B)、エチレン・α- オレ
フィン系共重合体ゴム(C)およびプロピレン・1-ブテ
ンランダム共重合体(D)の合計量100重量部に対し
て、30〜70重量部、好ましくは35〜60重量部の
割合で用いられる。プロピレンポリマー(A)を上記の
ような割合で用いると、耐熱性および成形性に優れたオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0015】[エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴ
ム(B)および(C)]本発明で用いられるエチレン・
α- オレフィン系共重合体ゴム(B)とエチレン・α-
オレフィン系共重合体ゴム(C)とは、135℃デカリ
ン中で測定される極限粘度[η]が異なっていること以
外は、実質的に同じである。
【0016】エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム
(B)の135℃デカリン中で測定される極限粘度
[η]は、2.3〜2.9dl/gである。一方、エチ
レン・α- オレフィン系共重合体ゴム(C)の135℃
デカリン中で測定される極限粘度[η]は、3.0〜
3.6dl/gである。
【0017】これらのエチレン・α- オレフィン系共重
合体ゴム(B)、(C)としては、具体的には、以下の
ような共重合体が挙げられる。 (1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム (2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム 上記(1)および(2)の共重合体ゴムにおけるエチレ
ン含量は、30〜95モル%、好ましくは50〜85モ
ル%である。
【0018】上記α- オレフィンとしては、具体的に
は、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどの炭素原子数3〜20、好ま
しくは3〜8のα- オレフィンを挙げることができる。
【0019】また、上記非共役ジエンとしては、具体的
には、1,4-ヘキサジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ペン
タジエン、2,5-ジメチル-1,5- ヘキサジエン、1,4-オク
タジエン等の線状非共役ジエン、ジシクロペンタジエ
ン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチ
リデンノルボルネン等の環状非共役ジエンなどが挙げら
れる。
【0020】このような非共役ジエンが共重合している
上記(2)のエチレン・α- オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴムのヨウ素価は、通常1〜50、好ましくは
5〜30である。
【0021】また、上記のようなエチレン・α- オレフ
ィン系共重合体(B)および(C)は、それぞれ、13
5℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が上記範囲
内であれば、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0022】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体ゴム(B)は、プロピレンポリマー
(A)、エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム
(B)、エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム
(C)およびプロピレン・1-ブテンランダム共重合体
(D)の合計量100重量部に対して、10〜40重量
部、好ましくは15〜35重量部の割合で用いられる。
エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム(B)を上記
のような割合で用いると、柔軟性に優れるとともにイン
ストルメントパネル等のポリプロピレン樹脂からなる基
材の線膨張係数と同程度になるように線膨張係数の調整
されたエアバッグカバーを成形できるオレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物が得られる。
【0023】また、エチレン・α- オレフィン系共重合
体ゴム(C)は、プロピレンポリマー(A)、エチレン
・α- オレフィン系共重合体ゴム(B)、エチレン・α
- オレフィン系共重合体ゴム(C)およびプロピレン・
1-ブテンランダム共重合体(D)の合計量100重量部
に対して、15〜45重量部、好ましくは20〜40重
量部の割合で用いられる。エチレン・α- オレフィン系
共重合体ゴム(C)を上記のような割合で用いると、柔
軟性に優れるとともに低温での破断点伸度が高く低温で
の展開性に優れたエアバッグカバーを成形できるオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0024】[プロピレン・1-ブテンランダム共重合体
(D)]本発明で用いられるプロピレン・1-ブテンラン
ダム共重合体(D)は、プロピレンと1-ブテンとの共重
合によって得られ、プロピレン(単位)含有量が50〜
87モル%であり、メルトフローレート(ASTM D 123
8,230℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であ
ることが好ましい。
【0025】このようなプロピレン・1-ブテンランダム
共重合体(D)は、たとえば特公昭57−11322号
公報、特公昭57−36859号公報に記載されてい
る。本発明においては、プロピレン・1-ブテンランダム
共重合体(D)は、プロピレンポリマー(A)、エチレ
ン・α- オレフィン系共重合体ゴム(B)、エチレン・
α- オレフィン系共重合体ゴム(C)およびプロピレン
・1-ブテンランダム共重合体(D)の合計量100重量
部に対して、2〜15重量部、好ましくは4〜10量部
の割合で用いられる。プロピレン・1-ブテンランダム共
重合体(D)を上記のような割合で用いると、柔軟性に
優れるとともにインストルメントパネルの基材層との接
着性に優れたエアバッグカバーを成形できるオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0026】[鉱物油系軟化剤(E)]本発明で用いら
れる鉱物油系軟化剤(E)としては、通常ゴムに使用さ
れるパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の公知の軟
化剤が適当である。
【0027】本発明においては、鉱物油系軟化剤(E)
は、プロピレンポリマー(A)、エチレン・α- オレフ
ィン系共重合体ゴム(B)、エチレン・α- オレフィン
系共重合体ゴム(C)およびプロピレン・1-ブテンラン
ダム共重合体(D)の合計量100重量部に対して、5
〜40重量部、好ましくは5〜30重量部の割合で用い
られる。鉱物油系軟化剤(E)を上記のような割合で用
いると、柔軟性に優れたエアバッグカバーを成形でき
る、流動性、射出成形性に優れたオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物が得られる。
【0028】[その他の成分]本発明に係るオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、公
知の軟化剤(鉱物油系軟化剤(E)を除く)、耐熱安定
剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、充填材、着
色剤、滑剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない
範囲で配合することができる。
【0029】[オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物の調製]本発明に係るエアバッグカバー用オレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物は、上記のプロピレンポ
リマー(A)、エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴ
ム(B)、エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム
(C)、プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(D)
および鉱物油系軟化剤(E)を、上述した特定の割合で
配合し、動的な熱処理を行なうことにより調製すること
ができる。ことをいう。
【0030】動的な熱処理は、ミキシングロール、イン
テンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニー
ダー)、一軸または二軸押出機などの混練装置を用いて
行なわれるが、非開放型の混練装置中で行なうことが好
ましい。また、動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス中
で行なうことが好ましい。
【0031】熱処理温度は、特に制限されないが、17
0〜280℃の温度であることが好ましく、混練時間
は、1〜15分間程度が適当である。また、剪断速度は
10sec-1〜104 sec-1の範囲にあることが望ま
しい。
【0032】上記のようにして調製されるエアバッグカ
バー用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、J
IS K 7197に準拠して0℃〜100℃の雰囲気下
で測定される線膨張係数(MD方向およびTD方向)が
0.4〜0.9×10-5mm/mm/℃であり、メルト
フローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)が1
0g/10分以上であることが成形性の点で好ましく、
また、JIS K 6301に準拠して−35℃雰囲気下
で測定される破断点伸度が300%以上であることがエ
アバッグカバーの低温での展開性の点で好ましい。
【0033】エアバッグカバー 本発明に係るエアバッグカバーは、上記の、本発明に係
るエアバッグカバー用オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物からなり、インストルメントパネルのポリプロ
ピレン樹脂からなる基材層と一体成形されている。
【0034】[インストルメントパネルの基材層]上記
インストルメントパネルの基材層は、ポリプロピレン樹
脂からなる。このポリプロピレン樹脂の具体例として
は、上述したプロピレンポリマー(A)と同様の樹脂を
挙げることができる。
【0035】このポリプロピレン樹脂は、単独で使用す
ることもできるし、また、必要に応じて、無機フィラ
ー、エチレン・α- オレフィン系非晶質共重合体などと
併用することもできる。
【0036】無機フィラーとしては、具体的には、炭酸
カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タル
ク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、ガラス
繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラファイトなどが
挙げられる。これらの中でも、特にタルクが好ましく用
いられる。
【0037】無機フィラーは、ポリプロピレン樹脂10
0重量部に対して、通常1〜50重量部の割合で用いら
れるのが望ましい。エチレン・α- オレフィン系非晶質
共重合体としては、具体的には、エチレン・α- オレフ
ィン系共重合体ゴム、エチレン・α- オレフィン・非共
役ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0038】エチレン・α- オレフィン非晶質共重合体
は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、通常5
〜50重量部の割合で用いられるのが望ましい。[エアバッグカバーの成形] 本発明に係るエアバッグカ
バーは、たとえば二色成形やインサート成形によりイン
ストルメントパネルの基材層と一体成形される。この基
材層とエアバッグカバーとは接着剤を使用することなし
に、熱融着により接合される。二色成形およびインサー
ト成形は、170〜260℃の温度で行なう。
【0039】
【発明の効果】本発明に係るエアバッグカバー用オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物は、インストルメン
トパネルの基材層と一体成形が可能で、しかも低温から
高温までの広い使用温度範囲での展開性に優れるエアバ
ッグカバーを成形することができる。
【0040】本発明に係るエアバッグカバーは、インス
トルメントパネルの基材層がポリプロピレン樹脂からな
るので、インストルメントパネルの基材層と一体成形す
ることができる。このエアバッグカバーは、インストル
メントパネルの基材層との接着性に優れ、助手席のエア
バッグカバーとして広い温度範囲における展開性に優れ
ている。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0042】実施例におけるオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物の製造に際して用いた原材料を以下に記
す。プロピレンポリマー(A) (A−1)プロピレンポリマー 1)エチレン含有量=8モル% 2)MFR(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)=50
g/10分 3)X線回折法より求めた結晶化度=73%エチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム(B) (B−1)エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノ
ルボルネン共重合体ゴム 1)エチレン含有量=69モル% 2)ヨウ素価=12 3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=
2.6dl/gエチレン・α- オレフィン系共重合体ゴム(C) (C−1)エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノ
ルボルネン共重合体ゴム 1)エチレン含有量=78モル% 2)ヨウ素価=13 3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=
3.3dl/gプロピレン・1-ブテンランダム共重合体(D) (D−1)プロピレン・1-ブテンランダム共重合体 1)プロピレン含有量=71モル% 2)MFR(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)=10
g/10分鉱物油系軟化剤(E) (E−1)パラフィン系オイル;出光興産(株)社製、
商品名 PW−380
【0043】
【実施例1〜3】プロピレンポリマー(A−1)と、エ
チレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共
重合体ゴム(B−1)と、エチレン・プロピレン・5-エ
チリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)と、
プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(D−1)と、
パラフィン系オイル(E−1)とを、第1表に示す割合
で充分に混合し、L/D=30、スクリュー径50mm
の二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出
して熱可塑性エラストマー組成物のペレットを調製し
た。
【0044】さらに、このペレットから射出成形機を用
いて、線膨張係数および破断点伸度の物性測定用サンプ
ルを成形し、その物性を下記の方法に従って測定した。 (1)線膨張係数(0〜100℃):JIS K 719
7に準拠して測定した。 (2)破断点伸度:JIS K 6301に準拠して−3
5℃の雰囲気下で測定した。
【0045】次いで、ポリプロピレン樹脂(MFR(AS
TM D 1238,230℃、2.16kg荷重)=25g/10分)お
よびこの熱可塑性エラストマー組成物のペレットから二
色射出成形機にて逐次成形し、ポリプロピレン樹脂から
なるインストルメントパネルと熱可塑性エラストマー組
成物からなるエアバッグカバーとを一体成形した。
【0046】この一体成形時における熱可塑性エラスト
マー組成物の射出成形性を以下の指標により評価した。
【0047】 <射出成形性の評点> A ・・・・・・ 射出成形が可能で、エアバッグカバーの外観が良好である。 B ・・・・・・ 射出成形は可能であるが、エアバッグカバーにフローマークが 見られた。 C ・・・・・・ 射出成形が不可能であった。
【0048】さらに、ポリプロピレン樹脂と熱可塑性エ
ラストマー組成物との接着性を評価するために、この成
形品からインストルメントパメルとエアバッグカバーの
継ぎ目が中央になるようにして、ダンベル(JIS 3
号)を打ち抜き、引張試験機で剥離試験を行ない、破壊
状態を観察した。
【0049】また、この成形品を用いて、エアバッグを
組み込み、−35℃、23℃および80℃の各温度で展
開試験を行ない、エアバッグカバーの展開性を以下の指
標により評価した。
【0050】<展開性の評点> A ・・・・・・ ティア部以外に亀裂、飛散等がない。 B ・・・・・・ ティア部付近に変形が見られた。 C ・・・・・・ ティア部以外に亀裂、飛散等があった。
【0051】さらに、上記成形品を−30℃雰囲気下に
12時間置いた後、80℃雰囲気下に12時間置くのを
1サイクルとして、このサイクルを4サイクル繰り返し
た後の成形品の外観変化を観察し、耐サーマルサイクル
性を以下の指標により評価した。
【0052】<耐サーマルサイクル性の評点> A ・・・・・・ 外観変化は認められない。 B ・・・・・・ 接着部に多少の変形が見られた。 C ・・・・・・ 成形品が変形してしまった。
【0053】上記の評価結果を第1表に示す。
【0054】
【比較例1〜4】プロピレンポリマー(A−1)と、エ
チレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共
重合体ゴム(B−1)と、エチレン・プロピレン・5-エ
チリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(C−1)と、
プロピレン・1-ブテンランダム共重合体(D−1)と、
パラフィン系オイル(E−1)とから、第1表に示す割
合で、実施例1と同様にして、熱可塑性エラストマー組
成物のペレットを得た。
【0055】さらに、この熱可塑性エラストマー組成物
のペレットを用いて、実施例1と同様にして、線膨張係
数、破断点伸度の測定を行なった。さらに射出成形性、
接着性、展開性および耐サーマルサイクル性の評価も、
実施例1と同様に行なった。
【0056】これらの結果を第1表に示す。
【0057】
【比較例5】実施例1において、熱可塑性エラストマー
組成物の代わりに実施例1で用いたインストルメントパ
ネル成形用ポリプロピレン樹脂と同じポリプロピレン樹
脂を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
【0058】結果を第1表に示す。
【0059】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹 原 徹 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 内 山 晃 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 福 田 治 男 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 (72)発明者 岡 野 勤 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 Fターム(参考) 3D054 AA03 AA14 BB09 BB10 BB24 BB30 FF01 FF04 FF18 FF20 4J002 AE055 BB12W BB144 BB15X BB15Y EA016 EA026 EA036 FD026 GF00 GN00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレンポリマー(A)30〜70重量
    部と、 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が2.
    3〜2.9dl/gであるエチレン・α- オレフィン系
    共重合体ゴム(B)10〜40重量部と、 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が3.
    0〜3.6dl/gであるエチレン・α- オレフィン系
    共重合体ゴム(C)15〜45重量部と、 メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷
    重)が0.1〜50g/10分であり、かつ、プロピレ
    ン含有量が50〜87モル%であるプロピレン・1-ブテ
    ンランダム共重合体(D)2〜15重量部[成分
    (A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100
    重量部である]とを含有し、 さらに、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合
    計量100重量部に対して、鉱物油系軟化剤(E)を5
    〜40重量部含有してなることを特徴とするエアバッグ
    カバー用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマー組成物からなり、インストルメントパネルの
    ポリプロピレン樹脂からなる基材層と一体成形されてい
    ることを特徴とするエアバッグカバー。
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