JP2000069602A - パンタグラフ用集電舟体 - Google Patents

パンタグラフ用集電舟体

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JP2000069602A
JP2000069602A JP10240100A JP24010098A JP2000069602A JP 2000069602 A JP2000069602 A JP 2000069602A JP 10240100 A JP10240100 A JP 10240100A JP 24010098 A JP24010098 A JP 24010098A JP 2000069602 A JP2000069602 A JP 2000069602A
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JP
Japan
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pantograph
flow
boat
noise
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JP10240100A
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English (en)
Inventor
Takashi Hariyama
隆史 針山
Yuichi Sasaki
裕一 佐々木
Masayuki Onodera
正之 小野寺
Hiroyuki Arai
博之 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Electric Manufacturing Ltd
East Japan Railway Co
Original Assignee
Toyo Electric Manufacturing Ltd
East Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低騒音で且つ揚力が迎角に対して変化が無く
安定しているパンタグラフ用集電舟体を提供すること。 【解決手段】 集電舟体1の下面に、車両の進行方向に
平行な空気の流れを拡大させる拡大溝1bと、車両の進
行方向に平行な空気の流れを縮小させる縮小溝1aとが
設ける。上記構成とすることにより、縮小溝1aと拡大
溝1bによる流れの渦振動と、凸断面部による渦振動と
を相干渉させて渦振動の規則性を乱すことができ、騒音
の大きさを低減化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】車両の高速化と共に舟体から
発生する空力騒音が大きくなっており、特に近年は新幹
線の高速化が計画され、騒音規制に対応した低騒音パン
タグラフの開発も大きな対象物の一つとなっている。本
発明は上記した高速電気車両の屋根に設置されるパンタ
グラフの集電部、即ち、集電舟体に関し、特に、騒音を
低減化したパンタグラフ用集電舟体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図4に従来の新幹線に使用されているパ
ンタグラフ用集電体の構成を示す。同図において(a)
は側面図、(b)は集電体を下面から見た図である。同
図に示すようにパンタグラフ用集電体は、集電舟体1
と、その両端に取り付けられたホーン2と、集電舟体1
の上面に取り付けられたすり板3から構成される。
【0003】図5(a)は、集電舟体の断面を示す図で
あり、同図に示すように、従来の集電舟体は、一様な角
断面のものである。この断面形状は空気の流れにより発
生する揚力特性の安定化を計ったものであり、騒音問題
への対応はあまり考慮されていない。図5(b)は低騒
音化を計った集電舟体の断面形状の1例である。この形
状は、空気の流れに対し断面形状を流線形にして、集電
舟体の周りの流れを乱さないようにすることで低騒音化
を図ったものの一つである。しかし、図5(b)の断面
形状のものは、実際は流れに対して揚力の発生が起きや
すく、また、空気の流れの迎角に対して敏感に揚力値が
変わる性質がある。さらに、集電舟体としては当然すり
板が上面に水平に取り付くので、集電舟体の形状にも問
題があり、実用化は困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高速車両に要求される
パンタグラフの集電舟体の特性を一口で言い現わせば、
低騒音で且つ揚力が迎角に対して変化が無く安定してい
ることである。前記図5(b)に示した流線形状は空気
の流れを乱さない点では騒音の発生し難い形状である。
しかしながら、この形状は多くの研究の結果からも、飛
行機等に応用されているように揚力が発生しやすいこ
と、また、揚力が流れの迎角に敏感に反応する特性を持
つことが知られており、上記要求に十分に答えることは
できない。さらに、前記したように集電舟体の形状にも
問題があり、実用化は困難である。本発明は上記した事
情に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、低騒音で且つ揚力が迎角に対して変化が無く安定し
ているパンタグラフ用集電舟体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】角型断面は空気の流れに
対しては渦を発生しこれが音源となり騒音を発生する。
形状について述べる前に、空力騒音のメカニズムについ
て簡単に説明する。一般の理論例として、円柱に対する
流れを例示すると図6に示すようになる。即ち、円柱を
流れの中に置いた場合、円柱の寸法、或る流れの速度に
より定まる一定の周期を持った渦が後方に規則的に発生
する。この渦はカルマン渦としてよく知られている。
【0006】同じ理論により角柱についても同じことが
言え、この渦は乱れを伴う規則的な振動流れとなり、こ
の規則的振動流れが音を強め空力音高くする。そこで、
上記規則性を乱し音を弱める手法を検討した。まず、角
柱の断面寸法を変えることを検討したが、実際には集電
舟体の上面は架線と摺動する面であり、平面とする必要
がある。そこで更に検討を重ね、図7、図8に示すよう
に集電舟体の下面に凹凸をつけ、断面形状が部分的に異
なるものを試作した。なお、図8において、(a)は集
電舟体1の斜視図、同図(b)は集電舟体1を下面〔同
図(a)のA方向〕から見た図であり斜線で示した部分
が凹部である。また、図7は、図8に示した集電舟体1
の両端にホーン2を取り付け、上面にすり板3を取り付
けたパンタグラフ用集電体を示し、図7(a)は側面
図、(b)は下面から見た図である。
【0007】上記構成とすることにより、凹断面部の規
則的流れの渦振動と、凸断面部の規則的流れの渦振動と
を相干渉させて渦振動の規則性を乱し、音の大きさをあ
る程度低減化することができたが、さらに音の大きさを
低減化する手法を種々検討した。その結果、図9に示す
ように、同じような凹凸であってもその凹部もしくは凸
部を単に流れに平行に配置するだけでなく、凹部の溝寸
法が流れ方向に対して拡大、縮小するような形状とする
ことにより、更に音の大きさを低減化できることが明ら
かとなった(図9の斜線部分が凹部)。すなわち、図
7、図8に示しものにおいては、凹凸により2通りの渦
干渉が発生するのに対し、図9のように凹凸部の形状を
斜めにすることにより、3通りの流れを乱す効果が発生
し(実際はもっと複雑な空気の流れを生じる)、一層の
低騒音化を図ることができた。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例のパンタグ
ラフ用集電体の構成を示す図であり、同図(a)は側面
図、同図(b)は下面から見た図である。同図におい
て、1は集電舟体であり、その上面にはすり板3、両端
にはホーン2が取り付けられている。また、集電舟体1
の下面には同図(b)に示すように、車両の進行方向に
平行な空気の流れを拡大させる拡大溝1bと、車両の進
行方向に平行な空気の流れを縮小させる縮小溝1aとが
設けられている。
【0009】図1に示したパンタグラフ用集電体および
前記図4に示したパンタグラフ用集電体について、風洞
試験により発生する騒音を比較評価した。図2に上記集
電体を取り付けて試験したパンタグラフの構成を示す。
図2に示すものは新幹線用シングル・アーム形パンタグ
ラフであり、1は集電舟体、2はホーン、3はすり板、
4は舟支えであり、集電舟体1は舟支え4を介して枠組
5により支持されている。上記シングル・アーム形パン
タグラフは、進行前後方向に対して非対称であり空気の
流れが進行方向により異なる。通常、パンタグラフに対
する空気の流れが同図矢印のA方向を「なびき方向」、
反対方向を「反なびき方向」と区別し呼んでいる。
【0010】本発明においては、実機の5分の1の供試
パンタグラフを用いて風洞試験を行い比較評価をした。
従来の集電舟体と本発明の集電舟体を取り付けた供試パ
ンタグラフを用い、風速300km/hにおける風洞試
験を行った結果、従来の集電舟体を用いた場合に較べ、
本発明の集電舟体を用いた場合、なびき方向で、約0.
9dB、反なびき方向で0.8dB、騒音レベルが低下
した。なお、前記図7、図8に示した平行溝の集電舟体
の騒音データは従来品と本発明品の中間に位置するので
省略した。
【0011】図3は従来の集電舟体と、本発明の集電舟
体を取り付けた供試パンタグラフから発生する騒音の周
波数スペクトル分析結果を示す図である。同図(a)は
従来品と発明品の集電舟体のパンタグラフなびき方向に
空気を流した場合の各周波数に対する騒音レベルを示
し、同図(b)は同様にパンタグラフの反なびき方向に
空気を流した場合の騒音レベルを示しており、横軸は周
波数(Hz)、縦軸は騒音レベルを示し、縦軸の1目盛
りは5dBである。図3に示すように、全般的に従来の
集電舟体より本発明品の騒音レベルが低く、特に、周波
数200Hz付近の狭帯域音騒音が大幅に低下してい
る。これは、集電舟体の下面に本発明のような溝を設け
たことによる効果を示しており、これにより、渦発生の
規則性がなくなり騒音の低減がなされた。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、集電舟体の下面に車両の進行方向前面から後面に貫
通する複数の溝を設け、該溝を、車両の進行方向に対し
て平行な空気の流れを拡大させる形状の溝(拡大溝)
と、縮小させる形状の溝(縮小溝)から構成し、上記拡
大溝と縮小溝を相隣り合って繰り返し配列するようにし
たので、比較的簡単な構成の変更で、パンタグラフが発
生する騒音を低減化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパンタグラフ用集電体の構成
を示す図である。
【図2】本発明の実施例の集電体を取り付けて試験した
パンタグラフの構成を示す図である。
【図3】従来品と本発明品の集電舟体を取り付けた供試
パンタグラフから発生する騒音の周波数スペクトル分析
結果を示す図である。
【図4】従来の新幹線に使用されているパンタグラフ用
集電体の構成を示す図である。
【図5】集電舟体の断面を模式的に示した図である。
【図6】円柱を流れの中においた場合に生ずる渦を説明
する図である。
【図7】下面に平行に溝を設けたパンタグラフ集電体の
構成を示す図である。
【図8】図7に示したパンタグラフ集電体の集電舟体を
示す図である。
【図9】溝寸法が流れ方向に対して拡大、縮小するよう
な形状とした集電舟体を示す図である。
【符号の説明】
1 集電舟体 1a 縮小溝 1b 拡大溝 2 ホーン 3 すり板 4 舟支え 5 枠組
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 裕一 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 小野寺 正之 神奈川県小田原市早川2−11−3 (72)発明者 新井 博之 神奈川県横浜市金沢区福浦三丁目8番地 東洋電機製造株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 5H105 AA14 BA02 BB01 CC02 CC12 DD04 EE02 EE03 EE13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気車両の屋根に設置するパンタグラフ
    用集電体であって、その集電舟体の下面には、車両の進
    行方向前面から後面に貫通する複数の溝が設けられてお
    り、 上記溝は、車両の進行方向に対して平行な空気の流れを
    拡大させる形状の溝と、縮小させる形状の溝から構成さ
    れ、 上記空気の流れを拡大させる形状の溝と、縮小させる形
    状の溝が相隣り合って繰り返し配列されていることを特
    徴とするパンタグラフ用集電舟体。
JP10240100A 1998-08-26 1998-08-26 パンタグラフ用集電舟体 Pending JP2000069602A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006174662A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Hitachi Ltd 鉄道車両の集電装置
KR100687263B1 (ko) * 2004-12-30 2007-02-27 한국철도기술연구원 고속열차 집전장치용 양력조절장치
JP2007151338A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 East Japan Railway Co パンタグラフ揚力調整方法、パンタグラフ、及びパンタグラフの製造方法
JP2010104099A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Kyushu Univ 高速鉄道パンタグラフ用低騒音ヒンジカバー装置
US8141690B2 (en) 2008-02-18 2012-03-27 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Current collecting contact member
CN114347794A (zh) * 2021-12-28 2022-04-15 中南大学 一种列车用受电弓结构

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