JP2000068567A - 伝導冷却式永久電流スイッチ - Google Patents

伝導冷却式永久電流スイッチ

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JP2000068567A
JP2000068567A JP10236185A JP23618598A JP2000068567A JP 2000068567 A JP2000068567 A JP 2000068567A JP 10236185 A JP10236185 A JP 10236185A JP 23618598 A JP23618598 A JP 23618598A JP 2000068567 A JP2000068567 A JP 2000068567A
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current switch
superconducting
cooling
winding
conduction
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Hiroshi Hashiguchi
宏 橋口
Seiichi Miyake
清市 三宅
Tomoyuki Kumano
智幸 熊野
Nobuo Aoki
青木  伸夫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】伝導冷却式永久電流スイッチにおいて良好な熱
伝導による冷却を可能とし、少ないヒータ入熱でOFF
動作が行え、かつ短時間でON、OFF動作ができるこ
とを課題とする。 【解決手段】実質的に境目のない単一の素材で構成さ
れ、太径中実円柱状または太径肉厚円筒状の巻き胴部を
もつ巻枠と、上記巻き胴部の周囲に密着する薄肉円筒状
の巻き線部を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超電導磁石を永久電
流モードで励磁するために用いる永久電流スイッチにお
いて、特に小型冷凍機等を用いて熱伝導により冷却され
る永久電流スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導磁石を永久電流モードで励磁する
ためのスイッチとして、熱式の永久電流スイッチが従来
より用いられている。
【0003】熱式の永久電流スイッチを用いた超電導磁
石装置の等価回路図を図4に示す。超電導磁石21と永
久電流スイッチ22は、共にクライオスタット23に収
納され、そのクライオスタット23内で液体ヘリウムに
浸漬されて冷却される。上記超電導磁石21は金属系又
は酸化物系の超電導導体を用いたコイルであり、上記永
久電流スイッチ22は、無誘導巻された超電導線26と
その超電導線26を常電導転移させるためのヒータ25
を備えている。上記超電導磁石21は上記永久電流スイ
ッチ22の上記超電導線26と並列に励磁用電源24に
接続される。この励磁用電源24から上記超電導磁石2
1に電流を供給して励磁を行う際に、上記永久電流スイ
ッチ22の上記ヒータ25に通電して上記超電導線26
を加熱すると、その超電導線26は常電導状態に転移し
抵抗を生じるために、上記永久電流スイッチ22は抵抗
のあるOFF状態となる。この状態では上記励磁用電源
24からの電流は主に上記超電導磁石21に流れ、超電
導磁石21の励磁が行われる。
【0004】上記超電導磁石21が所定の電流値まで励
磁された状態で上記ヒータ25への通電を止めると、上
記永久電流スイッチ22は上記クライオスタット23内
で周囲の液体ヘリウムにより冷却され、上記超電導線2
6は超電導状態に転移する。これにより上記永久電流ス
イッチ22は抵抗の無いON状態となり、上記超電導磁
石21の両端は超電導的に短絡される。この状態で上記
励磁電源24からの電流の供給を減少していくと、上記
超電導磁石21の電流は上記永久電流スイッチ22との
間で形成される超電導ループを循環して流れ、上記超電
導磁石21が永久電流モードで励磁された状態となる。
【0005】上述のように液体ヘリウムに浸漬冷却され
た状態で用いられる、従来の熱式の永久電流スイッチの
構造の一例を示す縦断面図を図5に示す。超電導線31
は、その中心で折返すようにして二本巻きにした無誘導
巻で巻枠33に巻付けられている。上記超電導線31の
内側又は外側にはヒータ線32が巻付けられている。場
合により、上記ヒータ線32は上記超電導線31の層間
に巻付けられることもある。上記巻枠33はFRP等よ
りなる円筒状の巻胴34の両端に、同じくFRP等より
なる円盤状の巻き鍔35が固定され、ボビン形状となっ
ている。上記超電導線31の巻き線部の周囲には、FR
P等からなる外筒36が被せられている。上記超電導線
31は、ヒータ線32により暖められ常電導転移した際
に高い抵抗が発生する必要がある。そのため比抵抗が通
常用いられている銅に比べて高い銅−ニッケル合金など
を母材とし、この母材に超電導フィラメントを埋込んだ
極細多芯超電導線が用いられている。
【0006】ところで近年超電導磁石を冷却するに際し
上記のように液体ヘリウムに浸漬するのではなく、小型
冷凍機の冷却端に熱的に接続することで熱伝導により冷
却し超電導状態を得る、いわゆる伝導冷却型超電導磁石
の開発が盛んになっている。この伝導冷却型超電導磁石
においても、永久電流モードでの励磁が検討されてお
り、それに用いる永久電流スイッチの熱伝導による冷却
についても検討が行われつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の永久電流スイッ
チは冷媒となる液体ヘリウムに浸漬された状態で使用さ
れるのが通常であった。この場合、永久電流スイッチは
常に周囲から液体ヘリウムにより充分に冷却されてい
る。このため、ヒータにより昇温した常電導のOFF状
態から、超電導状態であるON状態への冷却は速やかに
行われ、特に困難は生じなかった。しかし永久電流スイ
ッチを液体ヘリウムに浸漬せずに熱伝導により冷却した
場合、次の問題が生じる。
【0008】(イ)熱伝導による冷却は液体ヘリウムへ
の浸漬による冷却に比べ冷却速度が遅いために、ヒータ
により昇温したOFF状態から、超電導であるON状態
への冷却には長い時間がかかる。
【0009】(ロ)永久電流スイッチでのヒータの発熱
は永久電流スイッチを温めるだけでなく、冷却に用いる
冷凍機や永久電流運転される超電導磁石に熱伝導により
伝達される。伝導冷却型超電導磁石の冷却に用いる小型
冷凍機の4K付近での冷却能力は数ワット以下に限られ
るのが普通である。そのため、永久電流スイッチのヒー
タによる発熱は冷凍機に対して大きな熱負荷となる。ま
た過度の発熱は永久電流スイッチだけでなく超電導磁石
の温度上昇にもつながり、冷凍機の冷却が追いつかない
場合は超電導磁石が常電導転移する事態も生じる。
【0010】永久電流スイッチの冷凍機への熱的な接続
を良好にし冷凍機への熱はけを良くした場合、上記
(イ)の冷却時間の問題は改善される半面、上記(ロ)
の冷凍機に対する熱負荷は増大することになる。永久電
流スイッチの冷却において両者は裏腹の関係となるた
め、永久電流スイッチを冷凍機による伝導冷却で用いる
際の問題となっている。
【0011】この問題を解決するために特開平8−13
8928号公報に記載の発明の様に、冷凍機からつなが
る冷却ステージと永久電流スイッチの間の熱伝導を断続
する可動式の熱スイッチを備えたシステムなどが提案さ
れている。しかし、極低温における可動式の装置の動作
には問題も多く、複雑な可動部分を用いない、シンプル
かつ伝導冷却に適した永久電流スイッチが望まれてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、伝導冷却
式永久電流スイッチにおいて、永久電流スイッチの巻枠
が外部の冷却源に熱伝導による冷却可能に接続され、か
つその巻枠は実質的に境目のない単一の素材により成形
されていることである。
【0013】従来の浸漬冷却による永久電流スイッチで
は、製作上の容易さから巻枠は上述のようにパイプ状の
巻胴の両端に円盤状の巻き鍔を接続し、ボビン状に組立
てる構造が普通であった。この場合、巻胴と巻き鍔の間
には継目が存在し、必ずしも熱的な接触が確保されてい
なかった。本発明では単一のFRP素材から機械加工に
より削り出すなどの方法により、巻枠を境目の無い単一
の素材で成形する。これにより巻枠における熱伝導特性
を向上し、また大量生産した場合にも熱伝導特性がばら
つくことがなくなる。この巻枠は冷凍機の冷却ヘッドに
熱的に接続され、この巻枠における熱伝導により、永久
電流スイッチの超電導巻き線部全体が良好に熱伝導によ
り冷却される。
【0014】第2の手段は、伝導冷却式永久電流スイッ
チにおいて、冷却源に接続される巻枠は熱流を確保すべ
く太径中実円柱状または太径肉厚円筒状の巻胴部を備
え、超電導巻き線部は前記巻胴部の周囲に密着する薄肉
円筒状をなしていることである。
【0015】前述のように伝導冷却式永久電流スイッチ
では、OFF状態ではヒータにより超電導線の巻き線部
が臨界温度以上に昇温される必要があり、ON状態では
超電導線の巻き線部は熱伝導により臨界温度以下に冷却
される必要がある。ここで、ON状態への冷却に必要な
時間を短縮し、かつ冷凍機への冷却負荷の増大を押える
ためには、OFF動作時には超電導巻き線部全体が温度
差の少ない均一な温度の状態で臨界温度直上までヒータ
により昇温され、ON動作時には超電導巻き線部全体が
均一に臨界温度以下になるまで冷却されることが重要で
ある。超電導巻き線部に温度差が生じる場合、OFF動
作時には、超電導巻き線部の温度の最も低い部分が臨界
温度以上になるようにヒータ入熱を行う必要があるた
め、必要なヒータ入熱の量が増大し、冷凍機の冷却負荷
の増大につながる。また、ON動作時には超電導巻き線
部の最も温度の高い部分が臨界温度以下に冷却されるま
で完全なON状態とならず、冷却に長い時間がかかるこ
とになる。
【0016】本発明においては、永久電流スイッチの巻
枠は熱流を確保すべく太径中実円柱状または太径厚肉円
筒状の巻胴部を備えることで、この巻胴を介して永久電
流スイッチの超電導巻き線部全体が熱伝導により充分に
冷却され、巻胴部における充分な熱伝導により超電導巻
き線部における巻枠軸方向の温度勾配が小さくなる。ま
た超電導巻き線部は上記巻胴部の周囲に密着する薄肉円
筒状をなしているために、超電導巻き線部における半径
方向の温度差も必然的に小さなものとなる。したがって
超電導巻き線部全体の温度差が少なく、均一な温度で冷
却が可能となる。これによりON動作時の冷却に必要な
時間を短縮することができる。
【0017】本発明においては、薄肉円筒状の超電導巻
き線部の周囲に円筒状のヒータ部を同心状に近接して備
えることが望ましい。これにより、薄肉円筒状の超電導
巻き線部はその周囲に備えられたヒータ部により均一に
暖められることになり、最小限のヒータ入熱でOFF動
作が可能になり、冷凍機の冷却負荷を低減することがで
きる。
【0018】本発明において充分な効果を得るために
は、巻胴部の太さは、巻胴部の線が巻かれる部分の軸方
向の長さの0.5倍以上であることが望ましい。冷却特
性の面からは巻胴部の太さの上限は制限されないが、永
久電流スイッチを必要以上に大きなものとしないために
は、巻き胴部の太さは、巻き胴部の線が巻かれる部分の
軸方向の長さの2倍以下とするのが適当である。
【0019】また、上記第1の手段及び第2の手段は、
共に伝導冷却式永久電流スイッチの巻枠部分の熱伝導に
関するものであり、両手段を同時に実施することでより
高い効果が得られる。
【0020】第3の手段は、伝導冷却式永久電流スイッ
チに用いる上記超電導線として、超電導材料のフィラメ
ントを銅−30%ニッケル合金からなる母材に埋込んだ
極細多芯超電導線を用いる事である。
【0021】従来の永久電流スイッチ用の超電導線材と
しては、超電導材料のフィラメントを比抵抗の高い銅−
ニッケル合金の母材に埋込んで極細多芯線としたものが
用いられている。この銅−ニッケル合金としては、市場
における入手のし易さ、物性、加工性の点から銅−10
%ニッケル合金が広く用いられている。また、特に永久
電流スイッチの小型化が求められる場合には、より比抵
抗の高い銅−30%ニッケル合金が用いられる事もあ
る。通常の銅−30%ニッケル合金は銅基材に概略29
〜33%のニッケルと若干の不純物元素を含むものであ
る。
【0022】伝導冷却式永久電流スイッチにおいて、上
記第2の手段を採用し、巻き線部を薄肉円筒状にした場
合、永久電流スイッチの外形寸法に比して線材の占める
体積が相対的に少なくなり、巻き線できる超電導線の長
さが短くなる。しかし常電導転移時に要求される高い抵
抗値を得るためには、巻き線部をある程度厚くし、充分
な超電導線の長さを確保したいという要求が生じる。銅
−30%ニッケル合金を超電導線の母材に用いた場合は
銅−10%ニッケル合金を用いたものに比べおよそ2倍
の抵抗が得られるため、同じ抵抗を得るのに必要な超電
導線の長さが短くて済み、巻き線部の薄肉化を図ること
ができる。したがって、上記の巻き線部を均一に冷却で
きる作用がより顕著に得られ、冷凍機の冷却負荷の低減
と冷却に必要な時間の短縮の点で特に効果が大きい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例における永久電
流スイッチの縦断面図を図1に示す。
【0024】FRPからなる巻枠1には、超電導線2
が、その中心部分で折返して無誘導にソレノイド巻され
て、巻き線部を構成している。本実施例では巻き線部に
おける巻き線の層数は2層、1層あたりの巻き線回数は
84ターンであり、巻き線部は全体として薄肉円筒状の
形状をなしている。上記超電導線2の巻き線長さは11
mである。上記超電導線2は銅−30%ニッケル合金の
マトリックスにニオブ−チタン合金のフィラメントを約
700本埋込んだ極細多芯線であり、外形0.3mmの
素線にホルマールによる絶縁が施されている。上記超電
導線2の巻き線部の周りにはガラスファイバ製のテープ
が巻付けられ、さらにエポキシ樹脂をぬりこむことで内
部絶縁層3が形成されている。内部絶縁層3の周囲には
ヒータ線4がソレノイド巻され、さらにその周りにはガ
ラスファイバ製のテープが巻付けられエポキシ樹脂を塗
り込むことで外部絶縁層5が形成されている。これら巻
枠1、超電導線2、内部絶縁層3、ヒータ線4、外部絶
縁層5により本発明による永久電流スイッチ6が構成さ
れ、巻枠1は外部の冷凍機によって冷却される極低温冷
却ステージ7に熱伝導が可能に接触して取付けられ、金
具8により固定されている。
【0025】図2は、本実施例に用いた上記巻枠1の斜
視図である。
【0026】上記巻枠1は単一のFRPブロックの円柱
から切削加工を行うことで成形され、上記超電導線2の
巻き線が行われることになる、切削加工により細く加工
された巻胴部1aと、巻胴部1aの両端に位置する巻き
鍔1b、1cより構成されている。上記巻胴部1aの太
さの直径は20mm、軸方向の長さは30mm、上記巻
き鍔1b、1cの部分の太さの直径は26mmであり、
巻枠全体の軸方向の長さは42mmである。図2中下側
に位置する上記巻き鍔1cには無誘導に上記超電導線2
を巻き線する際に、超電導線2の中間が折返えされるた
めの溝9が設けられている。この実施例においては、上
記巻枠1の中心軸上には直径4mmの貫通孔10が設けら
れており、巻胴部1aは太径肉厚円筒状となる。
【0027】本実施例による永久電流スイッチの超電導
磁石装置への適用状況を示す断面模式図を図3に示す。
【0028】超電導磁石装置の筐体をなす真空容器11
には小型冷凍機12が取付けられている。上記真空容器
11の内部には冷却シールド13が設けられ、さらにそ
の内部に超電導磁石14及び、本実施例による永久電流
スイッチ6が取付けられている。上記超電導磁石14及
び上記永久電流スイッチ6は熱伝導性の良い金属部材か
らなる極低温冷却ステージ7に熱伝導可能に接触して固
定されており、この極低温冷却ステージ7は上記小型冷
凍機12の極低温冷却ヘッド12bに接続されて4K付
近に冷却される。また上記冷却シールド13も上記小型
冷凍機12の低温冷却ヘッド12aに接続されて冷却さ
れ、内部への輻射熱の浸入を低減している。
【0029】
【実施例】本実施例による永久電流スイッチについて伝
導冷却状態で各種特性の試験を行った。
【0030】1.通電容量試験 上記ヒータ線4に通電しない状態で上記超電導線2への
通電試験を行った。外部磁界を印加しない条件で最大2
12Aの通電電流まで超電導線2の常電導への転移は生
じなかった。また通電電流82Aで130分の連続運転
試験においても常電導転移は生じず安定な運転が行え、
上記巻枠1を介した伝導冷却が有効に作用していること
を確認した。
【0031】2.ヒータ動作試験 上記超電導線2に1mAの電流で通電をした状態で、上
記ヒータ線4の動作試験を行った。上記超電導線2を常
電導に転移させOFF状態とするための最小ヒータ加熱
は56.4mWであった。最小ヒータ加熱は、上記超電
導線2が完全に常電導転移した状態の90%以上の抵抗
を発生した点で定義した。この最小ヒータ加熱の値は通
常の小型冷凍機の4K付近での冷却容量に比して十分小
さく、冷凍機による冷却を行う際に過度の冷却負荷とな
らないことが確認できた。またヒータ加熱135mW、
加熱時間5秒とした場合に、永久電流スイッチのOFF
転移に要する時間、ON転移に要する時間はそれぞれ最
短の10秒となった。巻胴部を太径厚肉円筒状とし、巻
き線部を巻胴部の周囲に密着する薄肉円筒状としたこと
で、少ないヒータ加熱量でOFF動作が可能となり、き
わめて迅速にOFF動作、ON動作が行えることが確認
できた。
【0032】また本実施例による永久電流スイッチの上
記超電導線2は、伝導冷却下で常電導転移したOFF状
態で46Ω、常温では58.4Ωの抵抗を発生した。銅
−30%ニッケルを用いたことにより、超電導巻き線部
を巻き線層数の少ない薄肉円筒状とした場合でも、永久
電流スイッチとして用いるのに充分な大きさの抵抗を確
保できた。
【0033】なお、本発明は上記実施例にとらわれるも
のではない。上記実施例では、上記巻枠1に固定のため
の上記貫通孔10を設けたことで、上記巻枠1の巻胴1
aを太径肉厚円筒状としたが、貫通孔を備えず、巻胴が
太径中実円柱状となるようにしても良い。上記実施例で
は、超電導線2としてニオブ−チタン合金の極細多芯線
を用いたが、ニオブ−スズ等の金属間化合物や酸化物超
電導体による超電導線を用いても良い。上記実施例にお
いては、超電導線2の巻き線部の巻き線層数は2層であ
るが、超電導巻き線部の厚みが巻胴部の直径に比べて十
分小さく、超電導巻き線部全体として薄肉円筒状を構成
するのであれば、数層から十数層の巻き線層数であって
も同様の効果が発揮できる。
【0034】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、伝導冷却
式永久電流スイッチにおいて、巻枠の熱伝導特性を向上
することで超電導巻き線部が良好に冷却され、熱伝導に
よる冷却条件においても超電導状態が不安定になること
なく充分な通電容量が得られる。さらに巻き線部分が均
一に昇温、冷却されるので、少ないヒータ入熱でOFF
動作ができることで冷凍機の冷却負荷が低減され、また
短い時間でのON、OFF動作が可能となるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久電流スイッチの実施例の縦断
面図である。
【図2】本発明による永久電流スイッチの実施例に用い
た巻枠の斜視図である。
【図3】本発明による永久電流スイッチの超電導磁石装
置への適用状況を示す断面模式図である。
【図4】永久電流スイッチを用いた超電導磁石装置の等
価回路図である。
【図5】従来の永久電流スイッチの構造の一例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 巻枠 2 超電導線 4 ヒータ線 6 永久電流スイッチ 7 極低温冷却ステージ 12 小型冷凍機 14 超電導磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 伸夫 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 Fターム(参考) 4M114 AA01 AA15 AA21 AA30 CC03 CC11 DB13 DB17 DB29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻枠と、その巻枠に巻かれた超電導線より
    なる超電導巻き線部と、前記超電導線を常電導に転移さ
    せるためのヒータとを備え、外部の冷却源により熱伝導
    にて冷却される伝導冷却式永久電流スイッチにおいて、
    前記巻枠は前記冷却源に熱伝導にて冷却されるように接
    続され、かつ実質的に境目のない単一の素材により成形
    されていることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッ
    チ。
  2. 【請求項2】巻枠と、その巻枠に巻かれた超電導線より
    なる超電導巻き線部と、前記超電導線を常電導に転移さ
    せるためのヒータとを備え、外部の冷却源により熱伝導
    にて冷却される伝導冷却式永久電流スイッチにおいて、
    前記巻枠は前記冷却源に熱伝導にて冷却されるように接
    続され、かつ熱流を確保すべく太径中実円柱状または太
    径肉厚円筒状の巻胴部を備え、前記超電導巻き線部は前
    記巻胴部の周囲に密着する薄肉円筒状をなすことを特徴
    とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
  3. 【請求項3】前記巻枠は熱流を確保すべく太径中実円柱
    状または太径肉厚円筒状の巻胴部を備え、前記超電導巻
    き線部は前記巻胴部の周囲に密着する薄肉円筒状をなす
    ことを特徴とする請求項1に記載の伝導冷却式永久電流
    スイッチ。
  4. 【請求項4】前記超電導線は超電導材料からなるフィラ
    メントを銅−30%ニッケル合金からなる母材に埋込ん
    だ極細多芯超電導線である請求項1乃至3のいずれかに
    記載の伝導冷却式永久電流スイッチ。
JP10236185A 1998-08-24 1998-08-24 伝導冷却式永久電流スイッチ Pending JP2000068567A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100375305C (zh) * 2002-01-15 2008-03-12 西门子公司 超导技术的断路器
JP2014209543A (ja) * 2013-03-28 2014-11-06 株式会社神戸製鋼所 永久電流スイッチ及びこれを備える超電導装置
JP2015177144A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 株式会社日立製作所 超電導磁石装置
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