JP2000062173A - インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置

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JP2000062173A
JP2000062173A JP23983498A JP23983498A JP2000062173A JP 2000062173 A JP2000062173 A JP 2000062173A JP 23983498 A JP23983498 A JP 23983498A JP 23983498 A JP23983498 A JP 23983498A JP 2000062173 A JP2000062173 A JP 2000062173A
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film
ink jet
recording head
lower electrode
jet recording
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Hiroshi Kyu
宏 邱
Katsuto Shimada
勝人 島田
Mari Sakai
真理 酒井
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板の変形量及び耐久性の向上を図ったイ
ンクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにイン
クジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12の
一部を構成する振動板を介して前記圧力発生室12に対
応する領域に圧電素子300を形成したインクジェット
式記録ヘッドにおいて、圧電素子を構成する下電極6
0、圧電体層70及び上電極80を圧力発生室12に対
向する領域に設け、下電極60と、その少なくとも幅方
向両側に連続的に設けられて引張り応力を有する引張り
膜61で振動板を構成し、下電極60に引張り力を作用
させる。これにより、圧力発生室12を形成する際に、
圧電体層70の内部応力の緩和量が低減され、振動板の
初期変形が抑えられるため、圧電体能動部320の駆動
による振動板の変形量を実質的に向上することができ、
振動板の耐久性も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設け、この圧電素
子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電素子を使用したものと、撓み振動モー
ドの圧電素子を使用したものの2種類が実用化されてい
る。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、撓み振動を利用する関係
上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難で
あるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。なお、この場合、圧電材料層
は振動板の表面全体に設けたままで少なくとも上電極の
みを各圧力発生室毎に設けることにより、各圧力発生室
に対応する圧電素子を駆動することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た薄膜技術およびリソグラフィ法による製造方法では、
薄膜のパターニング後に圧力発生室を形成するが、その
際、圧電体層の内部応力が緩和され、また、下電極の内
部応力の影響により振動板が圧力発生室側に撓んでしま
い、この撓みが振動板の初期変形として残留してしま
う。したがって、圧電素子の駆動による振動板の変形量
が実質的に小さくなるという問題や、振動板の耐久性が
低下するという問題がある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑み、振動板の
変形量及び耐久性の向上を図ったインクジェット式記録
ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装
置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室の
一部を構成する振動板を介して前記圧力発生室に対応す
る領域に圧電素子を形成したインクジェット式記録ヘッ
ドにおいて、前記圧電素子を構成する下電極、圧電体層
及び上電極が前記圧力発生室に対向する領域に設けら
れ、前記下電極と、該下電極の少なくとも幅方向両側に
連続的に設けられて引張り応力を有する引張り膜とが前
記振動板の少なくとも上層部を構成していることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0010】かかる第1の態様では、下電極に引張り膜
の張力が作用し、圧力発生室形成時の振動板の応力緩和
が低減される。
【0011】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記引張り膜は前記下電極と異なる材料からなるこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0012】かかる第2の態様では、引張り膜の応力状
態を下電極と異なる応力状態とすることができる。
【0013】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記引張り膜は、前記下電極よりもヤング率
が大きい材料からなることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドにある。
【0014】かかる第3の態様では、引張り膜の張力が
有効に下電極に作用する。
【0015】本発明の第4の態様は、前記引張り膜は白
金、イリジウム、酸化イリジウム、酸化ジルコニウム、
酸化ルテニウム、タングステン、及びモリブデンの群か
ら選択される少なくとも一種からなることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドにある。
【0016】かかる第4の態様では、引張り応力を有し
且つ下電極に有効に張力を与える引張り膜を形成でき
る。
【0017】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記下電極及び前記引張り膜の下には
弾性膜が形成されていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
【0018】かかる第5の態様では、弾性膜及び引張り
膜が振動板として作用する。
【0019】本発明の第6の態様は、第5の態様におい
て、前記弾性膜の前記下電極に対向する部分は他の部分
より膜厚が大きいことを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドにある。
【0020】かかる第6の態様では、弾性膜の下電極に
対向する部分に引張り膜の張力が作用し、初期撓みが低
減される。
【0021】本発明の第7の態様は、第5又は6の態様
において、前記弾性膜が二酸化シリコンからなることを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0022】かかる第7の態様では、二酸化シリコン膜
からなる弾性膜及び引張り膜が振動板として作用する。
【0023】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記圧電素子の上面には絶縁体層が形
成され、前記圧電素子に電圧を印加するためのリード電
極と当該圧電素子との接続部となるコンタクト部が、前
記絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成され
ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに
ある。
【0024】かかる第8の態様では、圧電素子とリード
電極とが圧力発生室に対向する領域のコンタクトホール
内で接続される。
【0025】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様において、少なくとも前記圧電素子の長手方向一
端部が前記圧力発生室の側壁に対向する部分まで延設さ
れ、前記コンタクト部は当該側壁に対向する領域に形成
されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドにある。
【0026】かかる第9の態様では、圧電素子とリード
電極とを接続するコンタクトホールが圧力発生室の周壁
に対向する領域に設けられ、変位への影響が低減され
る。
【0027】本発明の第10の態様は、第1〜9の何れ
かの態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基
板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の
各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたもので
あることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0028】かかる第10の態様では、高密度のノズル
開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ
比較的容易に製造することができる。
【0029】本発明の第11の態様は、第1〜10の何
れか態様のインクジェット式記録ヘッドを具備すること
を特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0030】かかる第11の態様では、ヘッドの耐久性
を向上したインクジェット式記録装置を実現することが
できる。
【0031】本発明の第12の態様は、圧力発生室を形
成するシリコン単結晶基板の一方面に設けられた弾性膜
上に下電極層、圧電体層及び上電極層を順次積層して各
層をパターニングすることにより前記圧力発生室に対応
する領域に前記下電極、前記圧電体層及び前記上電極か
らなる圧電体能動部を形成するインクジェット式記録ヘ
ッドの製造方法において、前記弾性膜上に前記下電極層
を成膜した後、前記下電極を前記圧力発生室に対向する
領域内にパターニングする工程と、前記弾性膜上の前記
下電極が形成されていない領域に引張り応力を有する引
張り膜をマスクを用いて形成する工程と、前記下電極上
に前記圧電体層、及び前記上電極層を順次積層した後、
前記上電極層及び前記圧電体層をパターニングして前記
圧電体能動部を形成する工程とを有することを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0032】かかる第12の態様では、弾性膜と、この
弾性膜上の上の引張り膜から振動板が構成される。
【0033】本発明の第13の態様は、第12の態様に
おいて、成膜時に前記引張り膜が引張り応力を有するよ
うに成膜条件を制御することを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドの製造方法にある。
【0034】かかる第13の態様では、下電極膜に引張
り膜の張力が作用し、圧力発生室形成時の振動板の応力
緩和が低減される。
【0035】本発明の第14の態様は、第12又は13
の態様において、前記下電極層は、前記圧力発生室に対
向する領域の長手方向の少なくとも一端部からその外側
へ延設されて共通電極とされていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0036】かかる第14の態様では、層間絶縁膜を必
要とせず、比較的容易にヘッドの配線を形成することが
できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0038】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、平面図及びその1つの圧力発生室の長
手方向における断面構造を示す図である。
【0039】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
【0040】流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ0.1〜2μmの弾性膜50が形成
されている。
【0041】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
ノズル開口11、圧力発生室12が形成されている。
【0042】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
【0043】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。なお、弾性膜50は、シ
リコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵さ
れる量がきわめて小さい。
【0044】一方、各圧力発生室12の一端に連通する
各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅
く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリ
コン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハー
フエッチング)することにより形成されている。なお、
ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行わ
れる。
【0045】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要
がある。
【0046】また、各圧力発生室12と後述する共通イ
ンク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室1
2の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク
供給連通口21を介して連通されており、インクはこの
インク供給連通口21を介して共通インク室31から供
給され、各圧力発生室12に分配される。
【0047】封止板20は、前述の各圧力発生室12に
対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例
えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下
で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラ
スセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21
は、図3(a),(b)に示すように、各圧力発生室1
2のインク供給側端部の近傍を横断する一つのスリット
孔21Aでも、あるいは複数のスリット孔21Bであっ
てもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基板10
の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外
力から保護する補強板の役目も果たす。また、封止板2
0は、他面で共通インク室31の一壁面を構成する。
【0048】共通インク室形成基板30は、共通インク
室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、イ
ンク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を
打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共
通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしてい
る。
【0049】インク室側板40は、ステンレス基板から
なり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成する
ものである。また、インク室側板40には、他方の面の
一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成するこ
とにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのイ
ンク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されて
いる。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生す
るノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するため
のもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を
経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。
本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給
手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側
板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mm
の薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄
肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の
厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
【0050】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体膜70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
膜70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施
形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極と
し、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としてい
るが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障は
ない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体
能動部が形成されていることになる。また、ここでは、
圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位
が生じる振動板と合わせて圧電アクチュエータと称す
る。なお、本実施形態では、後述するように、下電極膜
60がパターニングされているため、弾性膜50が振動
板として作用する。
【0051】ここで、シリコン単結晶基板からなる流路
形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセス
を図4を参照しながら説明する。
【0052】図4(a)に示すように、まず、流路形成
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
【0053】次に、図4(b)に示すように、スパッタ
リングで下電極膜60を形成する。この下電極膜60の
材料としては、白金等が好適である。これは、スパッタ
リングやゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70
は、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜
1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があ
るからである。すなわち、下電極膜60の材料は、この
ような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければ
ならず、殊に、圧電体膜70としてチタン酸ジルコン酸
鉛を用いた場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化
が少ないことが望ましく、これらの理由から白金が好適
である。
【0054】次に、図4(c)に示すように、下電極膜
60をエッチングして圧力発生室12に対応する領域
に、少なくとも幅方向両側の端部が圧力発生室12に対
向する領域内に位置するようにパターニングする。
【0055】次に、図5(a)に示すように、前記弾性
膜上の前記下電極が形成されていない領域に引張り膜6
1をマスクを用いて成膜する。この部分は後述する理由
により、ヤング率が大きい材料、白金、イリジウム、酸
化イリジウム、酸化ジルコニウム、酸化ルテニウム、タ
ングステン、又はモリブデンの何れかの材料が好適であ
る。
【0056】また、本実施例では引張り膜61をスパッ
タリングで形成するが、引張り膜61が引張り応力を有
するように成膜条件を制御することが必要であり、例え
ば、スパッタリングのアルゴン圧力は3Pa以上として
成膜する。
【0057】次に、図5(b)に示すように、圧電体膜
70及び上電極膜80を成膜する。この圧電体膜70の
成膜にはスパッタリングを用いることもできるが、本実
施形態では、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆ
るゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成する
ことで金属酸化物からなる圧電体膜70を得る、いわゆ
るゾル−ゲル法を用いている。圧電体膜70の材料とし
ては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料がイン
クジェット式記録ヘッドに使用する場合には好適であ
る。
【0058】上電極膜80は、導電性の高い材料であれ
ばよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多くの
金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態で
は、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0059】次に、図5(c)に示すように、圧電体膜
70及び上電極膜80をエッチングして圧電体能動部3
20のパターニングを行う。
【0060】以上のように、圧電体膜70及び上電極膜
80をパターニングした後には、好ましくは、各上電極
膜80の上面、圧電体膜70及び引張り膜61の上面を
覆うように電気絶縁性を備えた絶縁体層90を形成する
(図1参照)。
【0061】そして、絶縁体層90の各圧電体能動部3
20の一端部に対応する部分の上面を覆う部分の一部に
は後述するリード電極100と接続するために上電極膜
80の一部を露出させるコンタクトホール90aが形成
されている。そして、このコンタクトホール90aを介
して各上電極膜80に一端が接続し、また他端が接続端
子部に延びるリード電極100が形成されている。リー
ド電極100は、駆動信号を上電極膜80に確実に供給
できる程度に可及的に狭い幅となるように形成されてい
る。
【0062】このような絶縁体層の形成プロセスを図6
に示す。
【0063】まず、図6(a)に示すように、上電極膜
80の周縁部、圧電体膜70及び引張り膜61の上面を
覆うように絶縁体層90を形成する。この絶縁体層90
の材料は、本実施形態ではネガ型の感光性ポリイミドを
用いている。
【0064】次に、図6(b)に示すように、絶縁体層
90をパターニングすることにより、各圧力発生室12
のインク供給側の端部近傍に対応する部分にコンタクト
ホール90aを形成する。このコンタクトホール90a
は、リード電極100と上電極膜80との接続をするた
めのものである。
【0065】以上が膜形成プロセスである。このように
して膜形成を行った後、図6(c)に示すように、前述
したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エ
ッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。このと
きの圧電体能動部320が受ける力の状態を以下に説明
する。なお、図7は、圧力発生室12をエッチングによ
り形成前後の各層に発生する応力の状態を模式的に示し
た図である。
【0066】図7(a)に示すように、引張り膜61、
下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80はそれぞ
れ引張り応力σ4,σ3,σ2,σ1を有し、弾性膜50は
圧縮応力σ5を有している。そのため、図7(b)に示
すように、圧電体能動部320をパターニングし、さら
に圧電体能動部320の下方に圧力発生室12を形成す
ると、圧電体膜70及び上電極膜80の引張り応力
σ2,σ1が開放されて振動板を圧縮しようとする力
2,F1となり、弾性膜50の圧縮応力σ5は開放され
て振動板を引張る力F5となる。また、本実施形態では
下電極膜60には引張り膜61の存在によって引張り力
4が作用している。したがって、圧縮力F2,F1と引
張り力F5,F4とがつり合うようになり、振動板の初期
撓みはほとんど発生しない。
【0067】なお、引張り膜61が形成されていない場
合には、図8(a)に示すように、圧力発生室12の形
成前に、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80
はそれぞれ引張り応力σ31,σ21,σ11を有しているの
で、圧力発生室12を形成すると、引張り応力σ31,σ
21,σ11は開放されて圧縮力F31,F21,F11となり、
結果的に、弾性膜50は、下に凸に変形され、これが初
期変形として残留する。
【0068】本実施形態では、引張り膜61を下電極膜
60よりもヤング率の大きい材料で形成し且つ引張り応
力を有するように形成した。これにより、下電極膜60
は隣接する両側の引張り膜61から強い引張り力F4
受ける。したがって、引張り力F4により圧電体膜70
及び上電極膜80からの圧縮力F2,F1が相殺され、圧
力発生室12の形成による弾性膜50の変形を低減また
は無くすことができる。また、圧電体膜70の変形も防
止できるため、圧電体膜70の圧力発生室12形成前の
圧電特性を維持することができる。したがって、ヘッド
の変位効率を向上することができる。
【0069】本実施形態では、圧電体層70および上電
極80からなる圧電体能動部320は、圧力発生室12
に対向する領域に設けられている。また、圧電体能動部
320の長手方向端部近傍には、圧電体能動部320上
に設けられている絶縁体層90のコンタクトホール90
aを介して上電極80とリード電極100とが接続され
ている。なお、本実施形態では、コンタクトホール90
aは、図2に示すように、圧力発生室12に対向する位
置に設けられているが、圧電体層70及び上電極80を
圧力発生室12の周壁上まで延設して、この周壁に対向
する位置にコンタクトホール90aを設けてもよい。
【0070】以上説明した一連の膜形成及び異方性エッ
チングは、一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成
し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサ
イズの流路形成基板10毎に分割する。また、分割した
流路形成基板10を、封止板20、共通インク室形成基
板30、及びインク室側板40と順次接着して一体化
し、インクジェット式記録ヘッドとする。
【0071】このように構成したインクジェットヘッド
は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導
入口42からインクを取り込み、共通インク室31から
ノズル開口11に至るまで内部をインクで満たした後、
図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、リー
ド電極100を介して下電極60と上電極80との間に
電圧を印加し、弾性膜50、下電極60及び圧電体層7
0を撓み変形させることにより、圧力発生室12内の圧
力が高まりノズル開口11からインク滴が吐出する。
【0072】(実施形態2)図9は、本発明の実施形態
2の圧電体能動部が圧力発生室形成時に受ける力の状態
を示す断面図である。
【0073】本実施例は、下電極膜60をエッチングし
てパターニングする際に、弾性膜50を厚さ方向の一部
までオーバーエッチングして、弾性膜除去部350を形
成し、以下は実施形態1と同様に膜形成プロセスを行っ
たものである。
【0074】このため、図9(a)に示すように、弾性
膜50の一部が除去されていることにより、弾性膜50
の圧縮応力σ5の一部が開放されてσ52となっている。
【0075】次に、図9(b)に示すように、圧電体能
動部320をパターニングし、さらに圧電体能動部32
0の下方に圧力発生室12を形成すると、圧電体膜70
及び上電極膜80の引張り応力σ22,σ12が開放されて
振動板を圧縮しようとする力F22,F12となり、弾性膜
50の圧縮応力σ52はさらに開放されて振動板を引張る
力F52となる。また、下電極膜60には引張り膜61の
存在によって引張り力F42が作用している。
【0076】このような構成においても、圧力発生室1
2を形成するときに弾性膜50の圧縮応力σ52が開放さ
れて振動板を引張る 力F52は小さくなるが、一方、引張
り膜61は厚く形成されるので、引張り膜61によって
下電極膜60に作用する引張り力F42は大きくなる。し
たがって、本実施形態でも実施形態1と同様に、圧縮力
2,F1と引張り力F5,F4とがつり合うようになり、
振動板の初期撓みはほとんど発生しない。
【0077】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0078】例えば、上述した封止板20の他、共通イ
ンク室形成板30をガラスセラミックス製としてもよ
く、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラスセラミ
ックス製としてもよく、材料、構造等の変更は自由であ
る。
【0079】また、上述した実施形態では、ノズル開口
を流路形成基板10の端面に形成しているが、面に垂直
な方向に突出するノズル開口を形成してもよい。
【0080】このように構成した実施形態の分解斜視図
を図10、その流路の断面を図11にぞれぞれ示す。こ
の実施形態では、ノズル開口11が圧電素子とは反対の
ノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11と
圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封止
板20,共通インク室形成板30及び薄肉板41A及び
インク室側板40Aを貫通するように配されている。
【0081】なお、本実施形態は、その他、薄肉板41
Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板
40に開口40bを形成した以外は、基本的に上述した
実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付して
重複する説明は省略する。
【0082】この実施形態においても、上述した実施形
態と同様に、振動板に下電極60と引張り膜61を設け
ることにより振動板の撓みを抑え、振動板の変形量及び
耐久性を向上することができる。
【0083】また、勿論、共通インク室を流路形成基板
内に形成したタイプのインクジェット式記録ヘッドにも
同様に応用できる。
【0084】また、以上説明した各実施形態は、成膜及
びリソグラフィプロセスを応用することにより製造でき
る薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、
勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積
層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシ
ートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を
形成するもの、又は結晶成長により圧電体膜を形成する
もの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本
発明を採用することができる。
【0085】さらに、圧電素子とリード電極との間に絶
縁体層を設けた例を説明したが、これに限定されず、例
えば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜
を熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続した
り、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング
技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
【0086】このように、本発明は、その趣旨に反しな
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
【0087】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図12
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
【0088】図12に示すように、インクジェット式記
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0089】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿
ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図
示しない紙送りモータの駆動力により回転できるように
なっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記
録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられ
て搬送されるようになっている。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧力発生室を形成する際の圧電体膜の内部応力の緩和量
が低減され、それに伴い振動板の初期変形が抑えられ、
圧電体能動部の駆動による振動板の変形量を実質的に向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図であ
る。
【図3】図1の封止板の変形例を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す断面
図である。
【図5】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す断面
図である。
【図6】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す断面
図である。
【図7】本発明の実施形態1の圧電体能動部が圧力発生
室形成時に受ける力の状態を示す断面図である。
【図8】従来の圧電体能動部が圧力発生室形成時に受け
る力の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態2の圧電体能動部が圧力発生
室形成時に受ける力の状態を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るインクジェット
式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るインクジェット
式記録ヘッドを示す断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るインクジェット式
記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 11 ノズル開口 12 圧力発生室 50 弾性膜 60 下電極膜 61 引張り膜 70 圧電体膜 80 上電極膜 90 絶縁体層 100 リード電極 320 圧電体能動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 真理 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF52 AF65 AF93 AG12 AG44 AG90 AG92 AG93 AP02 AP31 AQ02 BA03 BA14

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室の一部
    を構成する振動板を介して前記圧力発生室に対応する領
    域に圧電素子を形成したインクジェット式記録ヘッドに
    おいて、 前記圧電素子を構成する下電極、圧電体層及び上電極が
    前記圧力発生室に対向する領域に設けられ、前記下電極
    と、該下電極の少なくとも幅方向両側に連続的に設けら
    れて引張り応力を有する引張り膜とが前記振動板の少な
    くとも上層部を構成していることを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記引張り膜は前記
    下電極と異なる材料からなることを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記引張り膜
    は、前記下電極よりもヤング率が大きい材料からなるこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記引
    張り膜は白金、イリジウム、酸化イリジウム、酸化ジル
    コニウム、酸化ルテニウム、タングステン、及びモリブ
    デンの群から選択される少なくとも一種からなることを
    特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記下
    電極及び前記引張り膜の下側には弾性膜が形成されてい
    ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記弾性膜の前記下
    電極に対向する部分は他の部分より膜厚が大きいことを
    特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、前記弾性膜が
    二酸化シリコンからなることを特徴とするインクジェッ
    ト式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記圧
    電素子の上面には絶縁体層が形成され、前記圧電素子に
    電圧を印加するためのリード電極と当該圧電素子との接
    続部となるコンタクト部が、前記絶縁体層に形成された
    コンタクトホール内に形成されていることを特徴とする
    インクジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、少なく
    とも前記圧電素子の長手方向一端部が前記圧力発生室の
    側壁に対向する部分まで延設され、前記コンタクト部は
    当該側壁に対向する領域に形成されていることを特徴と
    するインクジェット式記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
    圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングに
    より形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラ
    フィ法により形成されたものであることを特徴とするイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかのインクジェ
    ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
    ェット式記録装置。
  12. 【請求項12】 圧力発生室を形成するシリコン単結晶
    基板の一方面に設けられた弾性膜上に下電極層、圧電体
    層及び上電極層を順次積層して各層をパターニングする
    ことにより前記圧力発生室に対応する領域に前記下電極
    層、前記圧電体層及び前記上電極層からなる圧電体能動
    部を形成するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に
    おいて、前記弾性膜上に前記下電極層を成膜した後、前
    記下電極を前記圧力発生室に対向する領域内にパターニ
    ングする工程と、前記弾性膜上の前記下電極が形成され
    ていない領域に引張り応力を有する引張り膜をマスクを
    用いて形成する工程と、前記下電極層上に前記圧電体
    層、及び前記上電極を順次積層した後、前記上電極及び
    前記圧電体層をパターニングして前記圧電体能動部を形
    成する工程とを有することを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12において、成膜時に前記引
    張り膜が引張り応力を有するように成膜条件を制御する
    ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13において、前記下
    電極層は、前記圧力発生室に対向する領域の長手方向の
    少なくとも一端部からその外側へ延設されて共通電極と
    されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ドの製造方法。
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