JP2000058322A - 薄膜磁気素子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気素子およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000058322A
JP2000058322A JP10220586A JP22058698A JP2000058322A JP 2000058322 A JP2000058322 A JP 2000058322A JP 10220586 A JP10220586 A JP 10220586A JP 22058698 A JP22058698 A JP 22058698A JP 2000058322 A JP2000058322 A JP 2000058322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
insulating layer
magnetic
magnetic layer
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10220586A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Umetsu
英治 梅津
Takashi Hatauchi
隆史 畑内
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP10220586A priority Critical patent/JP2000058322A/ja
Publication of JP2000058322A publication Critical patent/JP2000058322A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁基板上に薄膜トランスやインダクタなど
の薄膜磁気素子を形成するとき、従来は、磁性層、絶縁
層、及びコイルを順に積層するか、2枚の基板に分けて
積層した後に、貼り合わせるかして形成していたが大出
力化と高効率化を両立することは困難だった。 【解決手段】 基板31a及び31b上に積層した絶縁
層に凹部を形成し、その凹部表面上に、同じく凹状に磁
性層32a及び32bを形成し、コイル34a及び34
bを磁性層32a及び32bの凹部内に形成し、且つ磁
性層32aと32bの端部が互いに重なり合うように、
2枚の基板を接合することにより、大出力化のための薄
膜磁気素子の大型化を容易にし、なおかつ磁界の漏れを
防いで高効率化を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランス、薄
膜インダクタ、薄膜磁気ヘッドなどの薄膜磁気素子に係
り、特に磁性層を、基板又は絶縁層上に形成した凹部上
に形成することにより、大出力化と高効率化を容易にし
た薄膜磁気素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の薄膜磁気素子を示す断
面図である。ここでは、薄膜トランスを示している。こ
の薄膜トランスは、絶縁基板1上に磁性層2a、絶縁層
3a、及び1次コイル4aを順次積層し、さらに絶縁層
3b、2次コイル4b、及び絶縁層3cを順次積層した
後に、磁性層2bで絶縁層3a、3b、3cを覆い、磁
性層2aと磁性層2bの端部どうしを、接合することに
より形成される。前記磁性層2a及び2bは、Ni−F
e系合金(パーマロイ)などの軟磁性材料である。
【0003】前記1次コイル4aと2次コイル4bは、
絶縁層3aまたは絶縁層3b上にコイル下地膜(図示せ
ず)を成膜し、フォトリソグラフィーによってコイルを
パターンニングすることによって形成される。絶縁層3
a、3b、3cの素材は、Al23、SiO2、あるい
はポリイミド樹脂などである。1次コイル4aと2次コ
イル4bには、トランス外部に引き出すための取出し電
極(図示せず)が接続されている。
【0004】図11は、他の従来の薄膜トランスを示す
断面図である。この薄膜トランスは、第1の絶縁基板2
1a上に磁性層22a、絶縁層23a、1次コイル24
a、及び絶縁層23bを順次積層する。一方、第2の絶
縁基板21b上に、磁性層22b、絶縁層23c、2次
コイル24b、及び絶縁層23dを順次積層した後、第
1の絶縁基板と第2の基板を、絶縁層23bと絶縁層2
3dが密着するように接合して形成される。磁性層22
a及び22b並びに絶縁層23a、23b、23c、及
び23dの材料は図10の薄膜トランスと同様である。
また、1次コイル24a及び2次コイル24bの形成方
法も、図10の薄膜トランスと同様である。1次コイル
24aと2次コイル24bには、トランス外部に引き出
すための取出し電極(図示せず)が接続されている。ま
た、図10及び図11の薄膜トランスから、2次コイル
を省略することにより、インダクタを構成することも出
来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の薄
膜磁気素子には、以下に示す欠点があった。図10の薄
膜トランスは、従来、小出力のトランスを提供するため
に用いられていた。しかし、図10に示す構造で、出力
1W以上の大出力のトランスを、製造しようとすると、
大型のものにしなくてはならなくなり、絶縁層3a、3
b、及び3cなどの積層が困難になる。また、絶縁層3
a、3b、3cの膜厚が大きくなり、磁性層2bの下地
に相当する絶縁層3a、3b、3cにより形成される段
差が大きくなるため、磁性層2bの形成も困難となり、
均一な膜の形成ができなくなる。さらに、上述した段差
を軽減するため、3層の絶縁層3a、3b、3cに、そ
れぞれ段差を設け、全体の段差の変化を緩和し、磁性層
2bの信頼性を高めることも可能であるが、絶縁層3
a、3b、3cを形成する工程が大幅に増大するため、
実用上好ましくない。
【0006】一方、図11の薄膜トランスであれば、ト
ランスを大型化しても製造は可能である。しかし、この
トランスでは、磁性層22aと磁性層22bの端部どう
しを接合させることができないため、一次コイルに電流
を流して磁界を発生させたときに、閉磁路が形成され
ず、磁束がトランスの側端部から漏れてしまう。そのた
めに、2次コイルに発生する起電力が小さくなる。ま
た、磁性層22aと22bとの隙間Gが長くなると、ト
ランスの相互インダクタンスが指数的に減少する。従っ
て、トランスを大型化する程、トランスの効率は低下す
る。また、図10及び図11の薄膜トランスから2次コ
イルを省略することにより構成されたインダクタを大出
力化するときにも、同様な製造上の困難、あるいは効率
の低下が起こる。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するため
のものであり、磁性層、及びコイルを、絶縁層に形成さ
れた凹部上に形成し、且つ前記磁性層の端部を別の磁性
層によって覆うことにより、大出力化と高効率化を両立
して達成することが容易になる薄膜磁気素子及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気素子
は、絶縁基板上に取出し電極、絶縁層、磁性層、及びコ
イルが積層されている薄膜磁気素子において、前記磁性
層は、前記絶縁層に形成された凹部表面上に同じく凹状
に形成され、前記コイルは前記磁性層の凹部内に絶縁さ
れて形成され、且つ前記磁性層の端部が別の磁性層によ
って覆われていることを特徴とする。磁性層、及びコイ
ルを、絶縁層に形成された凹部表面上に形成すると、薄
膜磁気素子を大型化するときに生じる、絶縁層の積層工
程の難しさをなくすことができる。また、磁性層の端部
が別の磁性層によって覆われていると、誘導磁場を発生
させたときに閉磁路が形成され、磁界の漏れがなくなる
ので、効率の低下もない。
【0009】また、前記絶縁基板が凹状に形成され、こ
の絶縁基板上に形成される前記絶縁層が凹形状とされて
いてもよい。また、前記絶縁層に形成された凹部の内側
面が、傾斜していることが好ましい。前記絶縁層に形成
された凹部の内側面が傾斜していると、磁性層の下部層
となる絶縁層の内側面も傾斜し、磁性層をスパッタ法に
よって形成するときに磁性層を均一に形成しやすい。
【0010】また、前記コイル上に形成された絶縁層
が、前記磁性層の凹部内に形成され、前記磁性層の端部
と前記絶縁層とが同一面であることが好ましい。前記コ
イル上に形成された絶縁層が、前記磁性層の凹部内に形
成され、前記磁性層の端部と前記絶縁層とが同一面であ
る領域に形成されていると、磁性層の端部を別の磁性層
で覆うときに、磁性層の端部と磁性層が密着する。する
と、コイルが磁性層と磁性層とで覆われることになるの
で、コイルに電流を流したときに磁性層と磁性層の接合
部から漏れ磁界が発生せず、効率の低下がない。
【0011】前記取出し電極が、薄膜磁気素子の側面か
ら、露出していることが好ましい。取出し電極が、薄膜
磁気素子側面から露出していると、薄膜磁気素子の側面
から電圧の取出しができ、配線基板への取付けが容易に
なる。
【0012】前記絶縁層、磁性層、及びコイルが積層さ
れた基板が2枚、磁性層の端部が互いに重なり合うよう
に接合され、トランスが形成されていてもよい。また、
磁性層の端部表面と、絶縁層の表面とに磁性層が形成さ
れてインダクタが構成されていてもよい。
【0013】本発明の薄膜磁気素子の製造方法は、絶縁
基板上に第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶
縁層に凹部を形成する工程と、前記第1の絶縁層上に、
コイルの巻き中心とコイル端部に導通させる取出し電極
を形成する工程と、前記第1の絶縁層上に、前記取出し
電極を一部露出させて第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上の、前記取出し電極の露出部と重な
らない領域に、磁性層を形成する工程と、前記磁性層上
に、前記取出し電極の露出部以外の部分を覆う第3の絶
縁層を形成する工程と、前記第3の絶縁層上に、前記巻
き中心側と端部側のそれぞれの取出し電極の露出部に導
通するコイルをパターン形成する工程と、前記コイル上
に第4の絶縁層を形成する工程と、前記磁性層の端部を
別の磁性層によって覆う工程と、を有することを特徴と
する。
【0014】前記絶縁層に内側面が傾斜した凹部を形成
することが好ましい。また、前記磁性層の端部を磁性層
によって覆う工程の代わりに、絶縁層、磁性層、及びコ
イルが積層された前記基板を2枚、磁性層の端部を互い
に重なり合うように対向させ接合する工程を有してもよ
い。前記基板を2枚、磁性層の端部を互いに重なり合う
ように対向させ接合するとトランスが形成される。ま
た、単に前記磁性層の端部を別の磁性層によって覆うと
インダクタが形成される。
【0015】また、前記第1の絶縁層上に凹部を形成す
る工程の代わりに、前記絶縁基板上に凹部を形成し、こ
の凹部上に第1の絶縁層を形成する工程を有してもよ
い。前記第2の絶縁層は、取出し電極を露出させる穴を
有するように形成し、磁性層は前記穴よりも広い穴を有
するように形成し、さらに第3の絶縁層は磁性層の穴よ
りも狭い穴を有するように形成し、前記取出し電極を、
前記磁性層から絶縁された状態で前記両絶縁層から露出
させることが好ましい。
【0016】磁性層に形成する穴は、第2の絶縁層上に
レジストをフォトリソして、ウェットエッチングもしく
はドライエッチングにより穴となる部分以外のレジスト
を除去し、レジストが除去された部分に磁性層の材料を
流し込んだ後に、穴となる部分のレジストを除去するこ
とで形成される。この時、第2の絶縁層に形成された穴
よりも、磁性層に形成する穴のほうを大きく形成してお
くことにより、磁性層を形成するときに、磁性材料が第
2の絶縁層に形成された穴に埋まることを防ぐことがで
きる。従って、後にコイルを形成するときに、磁性層と
コイルの絶縁を取れるようになる。
【0017】また、前記第3の絶縁層に形成する穴は、
第3の絶縁層上にレジストをフォトリソして、ウェット
エッチングもしくはドライエッチングにより穴となる部
分以外のレジストを除去し、レジストが除去された部分
に絶縁材料を流し込んだ後に、穴となる部分のレジスト
を除去することで形成される。この時に、レジストを、
磁性層の穴より小さく形成して、第3の絶縁層を形成す
る絶縁材料が、磁性層に形成された穴に埋まるようにす
る。このことにより、後にコイルを形成するときに磁性
層とコイルとの絶縁を取ることができる。また、前記第
4の絶縁層を、前記磁性層の凹部内の領域に形成するこ
とが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
の薄膜磁気素子として薄膜トランスを示す断面図であ
る。この薄膜トランスは、第1の絶縁基板31a上に、
凹部を有する絶縁層33aを形成し、その上に、取出し
電極35aを形成し、さらに、その上に、絶縁層33
b、磁性層32a、絶縁層33c、1次コイル34a、
及び絶縁層33dを順次積層する。同様に、第2の絶縁
基板31b上に、凹部を有する絶縁層33eを形成し、
その上に、取出し電極35bを形成し、さらに、その上
に絶縁層33f、磁性層32b、絶縁層33g、2次コ
イル34b、及び絶縁層33hを順次積層する。その
後、第1の絶縁基板と第2の基板を、磁性層32aの端
部と磁性層32bの端部が互いに密着するように接合す
る。
【0019】前記磁性層32a及び32bは、Fe,N
i,Coのうち1種あるいは2種以上の元素と、Ti,
Zr,Hf,Nb,Ta,Cr,Mo,Si,P,C,
W,B,Al,Ga,Geと希土類元素から選ばれる1
種または2種以上の元素Mと、Oを主に含有する磁性膜
である。
【0020】絶縁層33a、33b、33c、33d、
33e、33f、33g、33hの材料は、SiO2
Al23などの無機材料、またはポリイミドなどの有機
材料の非磁性材料である。
【0021】1次コイル34aと2次コイル34bは、
絶縁層33cまたは絶縁層33g上にコイル下地膜
((Cr、Ti、Nb)(厚さ500Å)/Cu(厚さ
1000Å)図示せず)を成膜し、フォトリソグラフィ
ー及びメッキによってコイルをパターンニングすること
によって形成される。コイルはCuなどの電気抵抗の小
さい非磁性導電性材料で形成される。
【0022】磁性層32a及び32bの下部層となる絶
縁層33b及び33fの上面側部は傾斜している。従っ
て、磁性層32a及び32bをスパッタ法によって形成
するときに、磁性層を均一に形成しやすい。また、前記
コイル34a及び34b上の絶縁層33d及び33h
は、前記磁性層32a及び32bの端部32a1、32
b1よりも内側の領域にのみ形成されている。
【0023】本実施の形態では、コイル34a、34b
上に形成された絶縁層33d、33hが磁性層32a、
32bの端部32a1、32b1よりも内側の凹状の領
域にのみ形成されているので、第1の絶縁基板31a側
と第2の絶縁基板31b側の積層体どうしを合わせる
と、磁性層32aと磁性層32bの端部32a1、32
b1どうしが密着する。よって、コイル34a、34b
は磁性層32aと32bとで覆われることになり、閉磁
路が形成できるため、コイルに電流を流したときに、磁
性層32aと磁性層32bの接合部から漏れ磁界が発生
せずトランス効率の低下がない。
【0024】取出し電極35aと1次コイル34aと
は、接続部34a1により接続されている。接続部34
a1は、絶縁層33b、磁性層32a、及び絶縁層33
cを形成する際にこれらにスルーホールを設け、1次コ
イル34aを形成するのと同時に、あるいはその前に、
1次コイル34aと同じCuなどの非磁性の導電性材料
を、絶縁層33cのスルーホールに充填することにより
形成されている。第2の絶縁基板31b側の2次コイル
34bと取出し電極35bの接続部34b1も同様に形
成される。なお、1次コイル34aと磁性層32aは、
絶縁層33cによって、また、2次コイル34bと磁性
層32bは、絶縁層33gによってそれぞれ絶縁されて
いる。
【0025】1次コイル34aと磁性層32aとが絶縁
されていないと、1次コイル34aに電流を流したとき
に、1次コイル34aから磁性層32aへ自由電子が流
れ込み、磁性層を構成している原子の磁気モーメントに
乱れが生じてしまい、磁束の方向が一定にならなくなっ
てしまう。
【0026】取出し電極35aと35bは、薄膜トラン
スの側面に露出している。よって、このトランスの側面
から1次と2次の電圧の取出しができる。この薄膜トラ
ンスの外形寸法は、例えば縦横5mm四方、厚さ1.2
mmである。コイルターン数は、例えば1次コイルが6
T(ターン)と2次コイルが18T、1次コイル8Tと2
次コイル24T、又は1次コイル10Tと2次コイル3
0Tなどである。また、この薄膜トランスの出力は1W
以上3W以下である。
【0027】図2は、本発明の第2の実施形態の薄膜素
子としてインダクタを示す断面図である。このインダク
タは、絶縁基板41上に、凹部を有する絶縁層43aが
形成され、その上に取出し電極45が形成され、さらに
その上に、絶縁層43b、磁性層42a、絶縁層43
c、コイル44、及び絶縁層43dが順次積層されてい
る。さらに、磁性層42aの端部42a1の上面が磁性
層42bで覆われている。磁性層及び絶縁層の材料並び
にコイルの形成方法は、図1の薄膜トランスと同様であ
る。
【0028】このインダクタにおいても、磁性層42a
の下部層となる絶縁層43aの上面側部が、傾斜してお
り、磁性層42aの膜厚を均一に形成しやすい。また、
コイル44上に形成された絶縁層43dが、磁性層42
aの端部42a1よりも中心の凹部内に形成されて、磁
性層42aの端部42a1と磁性層42bの接合部が密
着しているので、コイル44が磁性層に覆われている。
よって、コイル44に電流を流したときに、磁性層42
aと磁性層42bとの接合部から漏れ磁界が発生せず、
磁気効率の低下がない。なお、図2と同じ構造で、磁性
層42aの端部42a1と磁性層42bとの間にAl2
3などの非磁性層(ギャップ層)を介在させることによ
り、インダクティブヘッドを構成することができる。
【0029】図2のインダクタにおける取出し電極45
とコイル44との接続部44aは、絶縁層43b、磁性
層42a、絶縁層43cにスルーホールを形成し、コイ
ル44を形成するとき、またはその前に、コイル44の
材料であるCuなどの導電性材料を前記スルーホール内
に充填することにより形成できる。また、取出し電極4
5は、インダクタの側面に露出している。さらに、コイ
ル44と磁性層42aは、絶縁層43cによって絶縁さ
れている。
【0030】なお、本実施の形態では、基板41の上に
凹部を有する絶縁層43aを積層しているが、図3に示
すインダクタのように、凹状に形成された絶縁基板51
の上に、絶縁層53aを形成して、その上に取出し電極
55を形成し、さらにその上に、絶縁層53b、磁性層
52a、絶縁層53c、コイル54、及び絶縁層53d
を積層し、さらに磁性層52bで覆ってもよい。
【0031】また、図1のトランスを形成する際に、図
3と同様に、凹状に形成された絶縁基板の上に各層を積
層し、2組の積層体を組み合わせてもよい。なお、図1
から図3の薄膜トランス及びインダクタの凹部は、溝状
でもすり鉢状でもよい。
【0032】本発明の薄膜磁気素子は、一枚の絶縁基板
上に、同時に複数個の薄膜磁気素子を、材料の積層によ
って形成した後、個々の薄膜磁気素子に切断することに
より形成することができる。
【0033】図4から図9は、図1に示す第1の絶縁基
板31a上の積層体(薄膜磁気素子)の製造方法を、工程
別に示している。前記各図では、薄膜磁気素子の1つの
みについて示しているが、実際は基板上に各素子が、平
面的に連続して形成される。図4は、絶縁基板31a上
に絶縁層33aを形成し、さらに取出し電極35a及び
35cが形成された状態を示す斜視図である。この工程
では、絶縁基板31a上に、絶縁層33aを形成し、絶
縁層33aに溝形状の凹部を形成する。この凹部は、均
一の膜に形成した絶縁層33aをエッチング加工やレー
ザー加工することにより形成する。図4では、凹部を溝
状に形成しているが、すり鉢状に形成してもよい。ただ
し、溝形状とすると、基板に図4に示すものを平面的に
連続した状態で多数同時に形成できる。
【0034】次に、絶縁層33a上に、メッキ下地
((Cr、Ti、Nb)(厚さ500Å)/Cu(厚さ
1000Å))を成膜し、レジスト層をフォトリソグラ
フィーによって形成し、その上にCuをメッキする。こ
の、メッキ層の上部にCrのメッキ保護膜(図示せず)
をスパッタ法により形成する。次に、レジスト層をリフ
トオフにて除去し、メッキ下地をミリングもしくはウェ
ットエッチングにより除去する。Cuメッキ層の厚さは
5〜10μm、取出し電極35a、35cの幅寸法は4
00μm程度である。
【0035】図5は、図4に示す取出し電極35a及び
35c上に、絶縁層33bが積層された基板の部分斜視
図である。取出し電極35a及び35cが形成された基
板上に、レジストあるいはポリイミド樹脂などの感光性
樹脂からなる絶縁層33bを積層する。この後、絶縁層
33bの取出し電極35a及び35cの上になる部分
を、フォトリソグラフィーにより除去し、穴33b1及
び33b2を形成する。後の工程で、この穴を通して取
出し電極とコイルの接続を行う。絶縁層33bの厚さ
は、10μm程度である。
【0036】図6は、図5に示す絶縁層33b上に、磁
性層32aが積層された基板の部分斜視図である。絶縁
層33bが形成された基板上に、磁性材料からなる下地
層(図示せず)を形成し、その上に磁性層32aを形成す
る。磁性層32aの材料は、Fe,Ni,Coのうち1
種あるいは2種以上の元素と、Ti,Zr,Hf,N
b,Ta,Cr,Mo,Si,P,C,W,B,Al,
Ga,Geと希土類元素から選ばれる1種または2種以
上の元素Mと、Oを主に含有する軟磁性材料である。
【0037】磁性層32aの形成に、スパッタ法、蒸着
法、MBE(モレキュラー・ビーム・エピキタシー)法
またはICB(イオン・クラスター・ビーム)法などが
使用できる。スパッタ装置としては、マグネトロンスパ
ッタ装置、RF2極スパッタ装置、イオンビームスパッ
タ装置、または対向ターゲット式スパッタ装置などが使
用できる。磁性層32aを積層するときに、レジストで
マスキングして穴32a2及び32a3を形成する。こ
の時、図5において、33bに形成した穴33b1、3
3b2よりも、磁性層32aに形成する穴32a2、3
2a3のほうを大きく形成しておく。これにより、後
に、コイル34aを形成するときに磁性層32aとコイ
ル34aとの絶縁をとれるようになる。磁性層32aの
厚さは、約5μm〜15μmである。
【0038】図7は、図6に示す磁性層32a上に、絶
縁層33cが積層された基板の部分斜視図である。磁性
層32aの上に、絶縁体からなるパッシベーション膜
(図示せず)を形成し、その上に絶縁層33cを積層す
る。この絶縁層33cは、磁性層32aの凹部の内部に
のみ形成し、磁性層32aの端部32a1の上には、絶
縁層33cを形成しない。
【0039】また、絶縁層33cを形成するときに、取
出し電極上の部分をレジストでマスキングして穴33c
1及び33c2を形成する。この時に、レジストを、磁
性層32aの穴32a2、32a3よりも小さく形成し
て、絶縁層33cを形成する絶縁材料が磁性層32aに
形成された穴32a2、32a3に埋まるようにする。
磁性層32aに形成した穴32a2、32a3よりも、
絶縁層33cに形成する穴33c1、33c2を小さく
することで、図1にも示すように、コイル34aを形成
したときに磁性層32aとコイル34aとの絶縁を取る
ことができる。絶縁層33cの厚さは約5μmである。
【0040】図8は、図7に示す絶縁層33c上に、コ
イル34aをパターン形成した基板の部分斜視図であ
る。コイル34aは、絶縁層33c上にコイル下地膜
((Cr、Ti、Nb)(厚さ500Å)/Cu(厚さ
1000Å))を成膜し、フォトリソグラフィーによっ
てレジスト層を形成し、その上にCuをメッキすること
によって形成される。コイル34aは、Cuなどの電気
抵抗の小さい非磁性導電性材料のメッキにより形成され
る。コイル形成時に、メッキの材料を絶縁層33cの穴
33c1及び33c2、並びに絶縁層33bの穴33b
1及び33b2に充填させ、接続部34a1、34a2
を形成し、コイル34aの両端と取出し電極35a及び
35cとを接合する。
【0041】この、メッキ層の上部にCrのメッキ保護
膜(図示せず)をスパッタ法により形成する。次に、レ
ジスト層をリフトオフにて除去し、メッキ下地をミリン
グもしくはウェットエッチングにより除去する。なお、
コイル34aは、ここでは角型スパイラルコイルで表さ
れているが、円形スパイラル状でも、ミアンダ状でもか
まわない。
【0042】図9は、図8に示すコイル34a上に、絶
縁層33dを積層した基板の部分斜視図である。コイル
34a上に、レジストやポリイミド樹脂などの感光性樹
脂からなる絶縁層33dを積層し、磁性層32aの端部
32a1上に積層された絶縁層をフォトリソグラフィー
によって取り除き、最後に熱をかけて表面を仕上げる。
その結果、絶縁層33dの表面と、磁性層32aの端部
32a1とが同一面に仕上がる。
【0043】図9に示す積層体は、大きな円盤状の基板
に複数連続するように形成される。これを絶縁層33d
が対面するように2枚合わせ、接合した後に、切断する
と、図1に示すトランスが完成する。また、図9の積層
体の表面に磁性層42bを成膜すると図2に示すインダ
クタが完成する。なお、図3に示すインダクタは、基板
51の表面をイオンミーリングなどで処理して凹部を形
成し、その後に図4以下の工程で各膜を形成し、その後
磁性層52bを形成することにより完成する。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、基板上に
薄膜素子を形成するときに、磁性層、及びコイルを、絶
縁層に形成された凹部上に形成し、且つ磁性層の端部を
別の磁性層によって覆うことにより、大出力化と高効率
化を両立して達成することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の薄膜磁気素子として
薄膜トランスを示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態の薄膜磁気素子として
インダクタを示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施形態の薄膜磁気素子として
インダクタを示す断面図。
【図4】絶縁基板上に絶縁層を形成し、取出し電極が形
成された状態を示す斜視図。
【図5】図4に示す取出し電極上に、絶縁層が積層され
た基板の部分斜視図。
【図6】図5に示す絶縁層上に、磁性層が積層された基
板の部分斜視図。
【図7】図6に示す磁性層上に、絶縁層が積層された基
板の部分斜視図。
【図8】図7に示す絶縁層上に、コイルがパターン形成
された基板の部分斜視図。
【図9】図8に示すコイル上に、絶縁層が積層された基
板の部分斜視図。
【図10】従来の薄膜磁気素子として、薄膜トランスを
示す断面図。
【図11】従来の他の薄膜トランスを示す断面図。
【符号の説明】
1、21a、21b、31a、31b、41、51 絶
縁基板 2a、2b、22a、22b、32a、32b、42
a、42b、52a、52b 磁性層 3a、3b、3c、23a、23b、23c、23d、
33a、33b、33c、33d、33e、33f、3
3g、33h、43a、43b、43c、43d、53
a、53b、53c、53d 絶縁層 4a、24a、34a 1次コイル 4b、24b、34b 2次コイル 44、54、 コイル 35a、35b、45、55 取出し電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5D033 BA07 BA39 BA41 BB01 DA02 DA07 5E041 AA11 AA14 AA17 AA19 BC01 CA06 5E062 FF01 FG07 FG12 5E070 AA01 AA11 AB02 BA11 BB01 CB12 CB17 CC10 DA17 EA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に取出し電極、絶縁層、磁性
    層、及びコイルが積層されている薄膜磁気素子におい
    て、前記磁性層は、前記絶縁層に形成された凹部表面上
    に同じく凹状に形成され、前記コイルは前記磁性層の凹
    部内に絶縁されて形成され、且つ前記磁性層の端部が別
    の磁性層によって覆われていることを特徴とする薄膜磁
    気素子。
  2. 【請求項2】前記絶縁基板が凹状に形成され、この絶縁
    基板上に形成される前記絶縁層が凹形状とされる請求項
    1記載の薄膜磁気素子。
  3. 【請求項3】前記絶縁層に形成された凹部の内側面が、
    傾斜している請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気
    素子。
  4. 【請求項4】前記コイル上に形成された絶縁層が、前記
    磁性層の凹部内に形成され、前記磁性層の端部と前記絶
    縁層とが同一面である請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載の薄膜磁気素子。
  5. 【請求項5】前記取出し電極が、薄膜磁気素子の側面か
    ら露出している請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の薄膜磁気素子。
  6. 【請求項6】前記絶縁層、磁性層、及びコイルが積層さ
    れた基板が2枚、磁性層の端部が互いに重なり合うよう
    に接合され、トランスが形成されている、請求項1乃至
    請求項5のいずれかに記載の薄膜磁気素子。
  7. 【請求項7】磁性層の端部表面と、絶縁層の表面とに磁
    性層が形成されてインダクタが構成されている請求項1
    乃至請求項5のいずれかに記載の薄膜磁気素子。
  8. 【請求項8】絶縁基板上に第1の絶縁層を形成する工程
    と、 前記第1の絶縁層に凹部を形成する工程と、 前記第1の絶縁層上に、コイルの巻き中心とコイル端部
    に導通させる取出し電極を形成する工程と、 前記第1の絶縁層上に、前記取出し電極を一部露出させ
    て第2の絶縁層を形成する工程と、 前記第2の絶縁層上の、前記取出し電極の露出部と重な
    らない領域に、磁性層を形成する工程と、 前記磁性層上に、前記取出し電極の露出部以外の部分を
    覆う第3の絶縁層を形成する工程と、 前記第3の絶縁層上に、前記巻き中心側と端部側のそれ
    ぞれの取出し電極の露出部に導通するコイルをパターン
    形成する工程と、 前記コイル上に第4の絶縁層を形成する工程と、 前記磁性層の端部を別の磁性層によって覆う工程と、を
    有することを特徴とする薄膜磁気素子の製造方法。
  9. 【請求項9】前記絶縁層に内側面が傾斜した凹部を形成
    する請求項8に記載の薄膜磁気素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記磁性層の端部を磁性層によって覆う
    工程の代わりに、絶縁層、磁性層、及びコイルが積層さ
    れた前記基板を2枚、磁性層の端部を互いに重なり合う
    ように対向させ接合する工程を有する請求項8または請
    求項9に記載の薄膜磁気素子の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第1の絶縁層上に凹部を形成する工
    程の代わりに、前記絶縁基板上に凹部を形成し、この凹
    部上に第1の絶縁層を形成する工程を有する請求項8乃
    至請求項10のいずれかに記載の薄膜磁気素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】前記第2の絶縁層は、取出し電極を露出
    させる穴を有するように形成し、磁性層は前記穴よりも
    広い穴を有するように形成し、さらに第3の絶縁層は磁
    性層の穴よりも狭い穴を有するように形成し、前記取出
    し電極を、前記磁性層から絶縁された状態で前記両絶縁
    層から露出させる請求項8乃至請求項11のいずれかに
    記載の薄膜磁気素子の製造方法。
  13. 【請求項13】前記第4の絶縁層を、前記磁性層の凹部
    内の領域に形成する請求項8乃至請求項12のいずれか
    に記載の薄膜磁気素子の製造方法。
JP10220586A 1998-08-04 1998-08-04 薄膜磁気素子およびその製造方法 Withdrawn JP2000058322A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10220586A JP2000058322A (ja) 1998-08-04 1998-08-04 薄膜磁気素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10220586A JP2000058322A (ja) 1998-08-04 1998-08-04 薄膜磁気素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000058322A true JP2000058322A (ja) 2000-02-25

Family

ID=16753304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10220586A Withdrawn JP2000058322A (ja) 1998-08-04 1998-08-04 薄膜磁気素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000058322A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010283289A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Kaho Kagi Kofun Yugenkoshi 薄膜型共通モードノイズフィルタとその製作方法
KR101275848B1 (ko) * 2011-09-22 2013-06-17 주식회사 썬엘이디 코일리스 발광 다이오드 구동회로 및 이를 포함한 발광 다이오드 조명장치
US10937589B2 (en) 2017-03-29 2021-03-02 Tdk Corporation Coil component and method of manufacturing the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010283289A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Kaho Kagi Kofun Yugenkoshi 薄膜型共通モードノイズフィルタとその製作方法
KR101275848B1 (ko) * 2011-09-22 2013-06-17 주식회사 썬엘이디 코일리스 발광 다이오드 구동회로 및 이를 포함한 발광 다이오드 조명장치
US10937589B2 (en) 2017-03-29 2021-03-02 Tdk Corporation Coil component and method of manufacturing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0668422A (ja) 高密度薄膜記録ヘッドの磁極構造
JPH11110717A (ja) 薄膜単磁極ヘッド
JP2002123910A (ja) 薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2000058322A (ja) 薄膜磁気素子およびその製造方法
JPH073685B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH0664709B2 (ja) 薄膜磁気ヘツド
US20080061918A1 (en) Inductive Component Fabrication Process
JPS60175208A (ja) 薄膜磁気ヘツド
JP2628854B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH04344311A (ja) 薄膜磁気回路基板及びそれを用いた磁気ヘッド
JPH0237513A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH0594603A (ja) 垂直磁気ヘツド
JP2000068125A (ja) 薄膜磁気素子
JPS60247815A (ja) 垂直磁化記録用薄膜ヘツドの製造方法
JP2675134B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP2551749B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JPS6247812A (ja) 薄膜磁気ヘツド
JPH05242429A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH0749609Y2 (ja) 多層配線薄膜コイル
JPS5850013B2 (ja) 多回巻コイルの製造方法
JPH05299282A (ja) 薄膜磁気素子の製造方法
JP2813036B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPS63239608A (ja) 薄膜磁気ヘツドの導体コイルおよびその製造方法
JPH08102013A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3163797B2 (ja) 磁気共振装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051004