JP2000051691A - 油吸着素材及びその製造方法 - Google Patents

油吸着素材及びその製造方法

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JP2000051691A JP10238024A JP23802498A JP2000051691A JP 2000051691 A JP2000051691 A JP 2000051691A JP 10238024 A JP10238024 A JP 10238024A JP 23802498 A JP23802498 A JP 23802498A JP 2000051691 A JP2000051691 A JP 2000051691A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三次元架橋構造を有する油吸着素材は、他の
ものに比較して優れた吸収性はあるが未だ十分なではな
く、また価格の一般に高価である。そのため、より一層
効果的に油を吸収保持することが出来、かつこれまでよ
りも安価に生産出来る油吸収素材の開発が望まれてい
る。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂からなる基材と、
スターチ類からなる接合及び潤滑材料と、活性炭からな
る機能材と、より構成される出発材料を準備し、これら
の出発材料を押し出し成型可能な状態に混合し、これら
の材料を所定の形状に押し出し、蒸気発泡体よりなる押
し出し成型体を形成し、その後、当該押し出し成型体を
加熱処理することにより内部に油を吸収保持するための
撥水性の特殊立体構造を形成することより油吸着素材を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油吸着素材及びそ
の製造方法に関し、特にスターチ、活性炭等の自然物を
含む押し出し成型品へ対して加熱による加工を施すこと
により特殊な立体構造を備えた油吸着素材及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、種々の油脂類が我々の生活の末端
にまで入り込んでいる。そしてその多くが船舶、車両等
により搬送され、巨大なタンクへ収容備蓄されている。
しかしてこれらの搬送手段又は収容手段等が、何らかの
原因によって損傷を受け、これらの油脂類が環境へ漏出
した場合には環境汚染を防止するために迅速にその回収
を図る必要がある。かかる場合に使用されるものに油吸
着素材がある。
【0003】従来知られている油吸着素材を大別する
と、第1に油との親和性が非常に高く油へ投下すると素
早く油を寄せ集め油の流動性を無くしてしまうようにそ
れ自体が膨張することにより油を内部へ取り込む形態の
もの、第2にゲル化材として樹脂を加熱溶解した後冷却
して櫛の歯状の長鎖アルキル基が油に中で配向してゆる
やかな網目を形成し油を一緒に抱き込みながら析出する
形態のもの、第3には素材内部のゆるやかな三次元架橋
構造を持つ当該構造の隙間に主に油との親和力即ちファ
ンデルワールス力によって物理的に油を保持する形態の
もの、の3つに分別することが出来る。
【0004】しかるに流出した油が少量の場合、又はそ
の流出した区域が狭い場合には上記第1及び第2の形態
の油吸着素材が有効に使用され得るが、流出した油が多
量の場合、又はその流出した区域が広い場合には、上記
第1及び第2の形態の油吸着素材では十分な回収作業が
困難となり、第3の形態の油吸着素材の使用が必要とな
る。この第3の形態の油吸着素材としては、例えば、特
許第2594507号がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第3の
形態の油吸着素材は、第1及び第2のものに比較して優
れた吸収性はあるが未だ十分ではなく、また価格も一般
に高価である。そのため、該第3の形態の油吸着素材に
あって、より一層効果的に油を吸収保持することが出
来、かつこれまでよりも安価に生産出来る油吸収素材の
開発が望まれている。本件発明は、かかる要求を満たす
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本件発明は、ポリオレフ
ィン系樹脂からなる基材と、スターチ類からなる接合及
び潤滑材料と、活性炭からなる機能材と、より構成され
る出発材料を準備し、これらの出発材料を押し出し成型
可能な状態に混合し、これらの材料を所定の形状に押し
出し、蒸気発泡体よりなる押し出し成型体を形成し、そ
の後、当該押し出し成型体を加熱処理することにより内
部に油を吸収保持するための撥水性の特殊立体構造を形
成することより油吸着素材を製造する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき図面
を参照しながら詳細に述べる。図1は本件発明にかかる
油吸着素材を製造するための方法を示すフローチャート
である。本件発明に係る油吸着素材即ち最終目的材料
は、出発材料を混合しこれを押し出し成形し、次いで必
要に応じてこれを所定寸法又は形状に裁断し、加熱処理
例えば燻煙処理を施すことにより製造され得る。
【0008】出発材料は、ペレット状基材と、接合及び
潤滑材料と、機能材と、からなる混合材料により構成さ
れている。ここで基材は、本件油吸収素材のベースをな
すもので、具体的にはポリオレフィン系樹脂、例えばポ
リプロピレン(PP)、ポリブタジエン(PB)または
それらの共重合体等から成ることが好ましい。接合及び
潤滑材料は、基材と機能材とを互いに接合するための固
化材又は糊剤及び押し出し作業時の潤滑材としての働き
をするものであり、出発材料を加熱処理した場合に簡単
に縮合消失しかつ流動時に配向し易い材料より構成さ
れ、具体的にはスターチ類、例えば米粉、植物蛋白グル
テン、更にはフスマ、米糠等が好ましい。また、機能材
は、油分を吸収しかつ撥水性を付与し基材へ隙間構造を
形成しファンデルワールスの親和力を発生するための主
剤であり、具体的には活性炭、例えば微粉炭若しくは生
木、枝等のチップ、炭酸カルシウム等から成ることが好
ましい。ここで機能材を構成する微粉炭は、木炭をクラ
ッシャー等の粉砕機へ入れ、その寸法が約2〜100ミ
クロン程度になるまで粉砕する。同様に生木や枝、又は
その他の木質材(例えば木炭)を同様の手段によって超
微細な状態に加工して、連続押し出し作業が容易に出来
るように予め準備する。
【0009】これらの出発材料は、それ自体公知のミキ
サーによって、該出発材料構成要素が互いに均一な混練
状態になるまで混合される。
【0010】その後、これらの出発材料は、それ自体公
知の押し出し機によって、用途に応じて、それぞれ連続
する円形断面押し出し体(ロープ状)または薄板押し出
し体(マット、シート状)その他の形態に押し出し成形
される。押し出し作業は、蒸気の背圧による戻りを防止
する程度の圧力で加圧力を出来るだけ少なくし、水蒸気
が解放可能な圧力下によっておこなうことが好ましい。
かかる条件下での押し出し作業により、出発材料は押し
出し機のダイス内部を通る際に適切に流動配向して所定
の二次元構造を提供する。
【0011】ついで、ダイスから押し出されるとき、押
し出し加熱用の水蒸気及び飛散ブローの発生により、蒸
気発泡体を形成し、素材内部に入り込んだ蒸気の放出、
貫通通路又は気泡空間の発生を確保する。これらの空所
が油との親和性(ファンデルワールス力)を高度に利用
することが出来るスペースを確保するものである。
【0012】またこの押し出し製品の表面には基材によ
る薄い表皮が形成されると同時に横方向の膨らみが同時
に発生し、これが力学的な強度としてのクッション性を
付与することになる。こうして素材に対して引っ張り試
験時の靭性を提供する二次元構造を備えた素材が形成出
来る。
【0013】更に、この押し出し製品が押し出し機のダ
イス出口から離れるとダイス内圧力から解放されること
により接合材料が熱変化を発生して、該出発材料は三次
元構造を有する押し出し発泡成形体を提供する。
【0014】ついでこの押し出し成形体は必要に応じて
所定の長さに裁断又は粉砕される。勿論、長いロープ状
態又はシート状態のまま巻き取り、裁断工程を必要とし
ない場合もある。
【0015】その後、この押し出し発泡成形体は所定の
加熱炉等において加熱処理好ましくは燻煙処理される。
この加熱処理の目的は、ダイスから押し出されただけの
成形体は軸線方向へ材料の流れ特性が残っているため、
その方向への引き裂き特性が強く残っており、従ってこ
の引き裂き特性を解消して当該押し出し成形体に適度の
靭性を付与すること、及び出発材料中に存在している可
燃性材料を加熱燻煙させることにより該押し出し成型体
中に安定した特殊立体構造を形成することである。
【0016】ここで、特殊立体構造とは、内部に疎水性
又は撥水性を有しているが、ファンデルワールスの親和
力により大量の油を吸収保持することが出来る無数の空
洞部分を提供している、あたかもグルテン様組織の絡み
合ったような構造をいう。これらの特殊立体構造の形状
は図2〜図5から明らかである。ここで図2は例えば円
形断面を有するロープ形状に成形した本件発明の製品の
断面写真であり、図3平坦なシート形状に成形した本件
発明の製品の断面写真であり、図4は図2の一部の拡大
断面写真であり、図5は図4の一部を更に拡大した拡大
断面写真である。これらの断面写真に示すように、本件
発明の油吸着素材製品10は、表面部分12に通水性を
有する無数の通路14を有し、内部16に撥水性を有し
かつファンデルワールスの親和力により大量の油を吸収
保持する無数の空洞部分18を有している。
【0017】この特殊立体構造は、出発材料中の機能材
が燻煙処理等の加熱処理によって加熱減量化され、その
部分に空洞部を形成すると同時に、その加熱減量化の際
に発生するタール成分が基材の樹脂等に含まれるOHを
変化させ当該空洞部を疎水性とするものであり、これに
より水の中に分散される油類を回収し得る油吸収素材と
して極めて重要な機能を提供するものである。
【0018】更にこの加熱処理において、出発材料中の
基材が溶融し、当該押し出し成型品の外形を保持しかつ
成型品内部の空洞形状を安定なものとする。
【0019】このような加熱処理によって、本件発明の
素材は、自由な曲げが可能であり、持ち運び及び取り扱
いに極めて便利な軽量の素材となる。更に図2〜図4に
示すように、本件発明の素材は、内部に無数の疎水性の
空洞部分18が形成されているので、重量比で3〜30
倍程度の油吸着性及び油保持性を提供することが、判明
している。
【0020】なお、この加熱処理工程における処理温度
によっては、当該素材に対してかなり異なる特性が付与
されることが判明している。即ち、加熱処理条件が20
0〜350°C/5〜60分の時には、素材が燻蒸炭化
を行う温度であり当該素材に対する水分除去と加熱処理
とにより、内部に十分な空間を持つグルテン様組織の絡
み合った軽量な素材を提供する。一方、加熱処理条件が
200〜350°C/5〜60分の時には、成型時の構
造を残しながら立体方向のスペースを構築するような組
織構造を提供し、この温度範囲における加熱処理におい
ては、素材が繰り返し使用に適するような靭性を確保す
ることが出来、いわゆる加熱圧縮等の強度に耐え得る素
材を提供することが出来る。そのため、油を吸収した素
材を例えば手で押し付けたり足で踏み付けたりして又は
圧搾による回収が出来ることにより該素材が吸収した油
を当該素材から分離し、その後、繰り返し当該素材を油
回収に再使用することも出来る。もしこれ以上高い温度
での加熱処理を施した場合には、素材が焼き締まりを発
生し、特殊三次元構造の隙間部分へ溶融した樹脂が流れ
込み該隙間部分を縮小させ、それに伴って靭性が低下
し、押圧したとき素材がバラバラに損傷しかつ崩壊する
ような状態となり、再使用は困難となろう。この場合は
回収後に焼却処分となり、繰り返し使用は望めない。
【0021】かかる加熱処理を行った後、最後に素材を
加熱炉から取り出す。
【0022】本件,発明による油吸着素材を使用する場
合には、当該素材をオイルフェンスの場合と同様に漏出
した油の外周囲に配置し、順次その周囲を狭めていく。
これにより油は瞬時に素材の持つ親和力と疎水性を有す
るために、当該素材の三次元空間内へ吸着される。又
は、本件素材を、直接、漏出した油面へ投下することに
よっても同様の吸着効果を提供することが出来る。油吸
着後の素材はこれを一個所へ集め前述のように油類を分
離した後、再使用することも出来るし、又は、油と一緒
に焼却処分することも出来る。
【0023】本件発明による油吸収素材の出発材料の例
を、原料混合比率(Kg)によって示す。しかし出発材
料の配合はこれに限定されるものではない。
【0024】 表1: 基材: PP 15.0 〜 24.0 接合潤滑材: スターチ 22.5 〜 36.0 機能材: 炭酸カルシウム 1.0 〜 16.0 活性炭、微粉炭 20.0 〜 50.0 以下に、本件発明により形成された油吸収素材がもたら
す油吸収量に関する測定値を表2〜表7に記載する。
【0025】表2:本件素材試料は瞬時に油類を吸収す
るものであるが、以下においては下記の油分に5分間投
入して油類を吸収させた。その後、重量法にて〜毎
に吸収油量を測定した。 :引き上げ後、直ちに重量を測定。 :キムワイプ上に5分間放置後、重量を測定。 :キムワイプ3枚を2つ折りにして手押しにより圧搾
後、重量を測定。 サラダ油 リグロイン トリクロロエチレン A重油 14.68 9.22 16.23 11.03 12.41 8.18 14.05 9.88 4.04 1.91 3.15 2.37 /残留% 88.44 89.34 87.67 89.57 /残留% 27.47 22.22 19.64 21.49
【0026】表3:本件素材試料を押し出し成形した後
と加熱処理した後の当該試料の重量減少(%)を測定し
た。 試料 加熱温度 残存率 加熱減量率 S 350°C 28.34 71.66 A 280°C 53.00 47.00 B 250°C 70.43 29.57 C 225°C 87.47 12.53 D 220°C 90.19 9.81
【0027】表4:ここに示す各試料をA重油吸収素材
とした時の結果を、重量法にて、表2に示すと同様に
〜毎に吸収油量を測定した。 試料A 試料B 試料C 試料D 11.03 13.00 12.01 10.35 9.88 11.10 10.64 9.35 2.37 2.41 1.90 1.96 /残留% 89.57 85.38 88.59 90.34 /残留% 21.49 18.54 15.82 18.94
【0028】表5:上記加熱試料Sを吸収素材とした時
の各油類の吸収量を重量比にて示す。 サラダ油 リグロイン トリクロロエチレン A重油 3.23 2.22 2.61 *13.00 2.09 1.84 2.14 11.10 ー − − 2.41 ここで*は試料Bによる試験値である。
【0029】 表6: 本件素材Sを、一晩(12時間)油類中へ浸けた後に測定した結果は以下の通 りである。 サラダ油 リグロイン トリクロロエチレン A重油 4.13 2.69 3.77 ー 3.19 2.38 3.25 ー
【0030】表7:純粋パルプに近い素材を350°C
/15分間、加熱処理したパルプを参考として、油吸収
材料と見立て、これを金網(銅製)に入れ、リグロイン
油液中へ投入して該リグロインを吸収させ、その重量比
を測定した。方法は表2に示すと同様。 以上の結果より、以下の事実が明白となった。即ち、表
2から、本件の素材は油の垂れ戻りによる離脱が少な
く、油保持性が極めて高く(88.4〜89.6%を保
持)、また、加圧による油離脱特性に富む(73〜80
%が離脱)ことが判明した。そのため、油類の回収利用
を図る素材として、加圧回収に適合したものとなる。ま
た、表3から、加熱温度が高くなるに従い、素材が焼き
締まりにより重量変動を起こして容積を減少しこれによ
り吸油量が変動することが判明した。表4及び表5はそ
れらの変動状況を明示している。従って、これらのこと
から、加熱処理温度が低いほど油保持性が極めて高く、
また、加圧による油離脱特性に富むことが判明した。さ
らに、表6から、本件発明にかかる油吸収素材の油吸収
量は、該素材が油液中に浸けられている時間には正比例
せず、約10秒〜5分間以内でほぼピーク状態に達しそ
れ以降は、徐々に吸収量が増加することが判明した。ま
た、表7から、純粋パルプに近い素材ではいわゆる垂れ
戻り量が本件発明品よりも多く、更に搾り出した後にお
いても半分以上が素材中へ残存油量として存置すること
が明らかとなった。更に、以上の結果からA重油に関す
る吸収重量比では試料A〜Dの処理素材にあって10〜
13倍の吸収を示している。この結果、225°C〜2
50°Cの加熱処理が原料の押し出し成形後の重量減少
から判断出来る歩留まり(利用率)として良好であるこ
とが判明した。
【0031】図6は、本件発明にかかる油吸収素材の、
常温試料(A)と、加熱試料(230°C)(B)と、
をフーリエ変換赤外線分光分析法(FTIR)にて、常
法通り、分析した結果(山形県工業技術センターにおけ
る)を示す。この結果より、上記特許にかかるパルプの
加熱品よりも、本件発明の素材ではOH基、CO基のシ
グナルが少なく、あまり変わらない状態であり、また加
熱処理後、赤外吸収帯の1720nmでの振幅を特長と
したCOや炭酸エステル(脂肪族)が増加している状態
を特徴とする。このことは、220°C以上の加熱状態
においては素材が加熱燻煙された状態になっており、疎
水性を獲得した特殊立体構造の形成がみられるものと判
断出来る。更には透過率T%で表示してあり、波数10
00カイザー付近に見られるスターチ類が入っているこ
とに留意が必要であろう。即ち、このことにより、本件
発明における立体構造形成に不可欠な要素が含まれてい
ることが明らかである。なおSCAN50回である。
【0032】これまで述べた内容は、例えば、油が海上
等に拡散流出し未だ水面を浮遊しているような状態の油
の回収の際に使用される油回収素材についての例に関す
るものである。しかしながら本件発明の素材は、例えば
炭酸カルシュウム等で比重調整を図ることによって水底
等に沈んでいる油の回収においても有用に使用されうる
ものである。
【0033】本件発明に関する油回収素材を水底等で機
能させるためには、特に表1に示す出発材料中に沈下の
ための比重増加のためにトリクロロエチレン等の化学物
質に対して有効な1〜16Kg程度の炭酸カルシュウム
を添加し、更に再浮上のために10〜16Kg程度のス
ターチ類を添加する。次いで図1に示す加熱処理工程に
おいて、当該素材の一部が親水性を提示するように加熱
処理温度を低く(約200°〜300°C)設定する
か、又は出発材料中へパルプ等を加えるとき重量で約3
〜15%、10〜60分加熱するときに水分を余分に添
加する。こうした条件下で成形した素材を混合状態又は
単独で水面に浮かしたとき、該素材の親水性基が周囲の
水分を呼びよせ、素材は浮力に抗して沈下し水底へ達す
る。しかるに、素材中の特殊立体構造は多くは疎水性及
び親油性の双方の性質を保有させることが出来るためで
あり、水底へ堆積している油分を迅速に吸収する。その
後、しばらくすると、添加した炭酸カルシュウムが水中
に溶解して放散し、比重が小さくなる。このときスター
チ類のグルコース発酵等親水部分が分解されることによ
って炭酸ガスが生成され、このため素材が水底の油を吸
収したまま水面まで浮上する。浮上したなら、それらの
素材を収集し、焼却等所定の処理を施す。
【0034】
【発明の効果】本件発明にかかる油吸収素材は、油吸収
量がこれまでの素材の10〜20倍が可能である。また
必要に応じて吸収した油の80%程度を搾りだし回収す
ることが可能であり、素材の再使用が可能であり、また
焼却処分することも出来る。そのためこの素材の取り扱
いが容易である。そのうえ、比重が1.0以上の油類の
回収も可能であり、多方面での使用に適用出来る。
【0035】更に、本件発明にかかる油吸収素材は、災
害等の発生現場、又は用法等に適宜迅速に対応すること
ができるように、その形状は、細長いロープ状、広い不
織布様のシート状又はマット状、取り扱い易い球状、そ
の他の形状に成形することが可能であり、どのような状
態においても、常に簡単に効果的に使用することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる油吸収素材の成形方法を開示し
たフローチャートである。
【図2】円形断面を有するロープ形状に成形した本発明
にかかる油吸収素材の断面写真である。
【図3】平坦なシート形状に成形した本発明にかかる油
吸収素材の断面写真である。
【図4】図2の一部の拡大断面写真である。
【図5】図4の一部を更に拡大した拡大断面写真であ
る。
【図6】本発明にかかる油吸収素材の常温時及び230
°Cまで加熱した時におけるFTIRによる結果を示す
図である。
【符号の説明】
10:油吸着素材 12:表面部分 1
4:通路 16:内部 18:空洞部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなる基材と、
    スターチ類からなる接合及び潤滑材料と、活性炭からな
    る機能材と、より構成される出発材料を準備すること、
    これらの出発材料を押し出し成型可能な状態に混合する
    こと、これらの材料を所定の形状に押し出し、蒸気発泡
    体よりなる押し出し成型体を形成すること、その後、当
    該押し出し成型体を加熱処理することにより内部に撥水
    性の特殊立体構造を形成すること、より成る油吸着素材
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 出発材料が更に炭酸カルシュウムを具備
    していることを特徴とする請求項1に記載の油吸着素材
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 押し出し成型体を形成した後、当該成型
    体を所定の形状に裁断する工程を含むことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の油吸着素材の製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱処理工程が燻煙処理であることを特
    徴とする請求項1、2又は3に記載の油吸着素材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 表面部分に通水性を有する無数の通路を
    有し、内部に撥水性を有しかつファンデルワールスの親
    和力により大量の油を吸収保持する無数の空洞部分を有
    していることを特徴とする油吸着素材。
  6. 【請求項6】 水面から水底に沈下しそこで水底に堆積
    している油分を吸収し、その後、水面まで浮上してくる
    ことを特徴とする請求項5に記載の油吸着素材。
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