JP2000047467A - トナー収納容器およびそれを備えたプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー収納容器およびそれを備えたプロセスカートリッジ

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JP2000047467A
JP2000047467A JP10217430A JP21743098A JP2000047467A JP 2000047467 A JP2000047467 A JP 2000047467A JP 10217430 A JP10217430 A JP 10217430A JP 21743098 A JP21743098 A JP 21743098A JP 2000047467 A JP2000047467 A JP 2000047467A
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Japan
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toner container
weight
toner
flame retardant
sealing
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JP10217430A
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Yasuo Fujiwara
靖夫 藤原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー収納容器及びプロセスカートリッジの
安定したトナーシール性能を得ることおよび難燃剤によ
る成型時、金型腐触、成型不良を改善すること。 【解決手段】 トナー収納容器を形成するポリスチレン
に、離型剤として、ステアリン酸金属塩又はステアリン
酸金属塩とステアリン酸、および難燃剤として、窒素雰
囲気下にて20℃より20℃/分の加熱速度で加熱した
際の1%重量減少時の温度が340℃以上である臭素系
難燃剤と三酸化アンチモンを下記添加量、 離型剤:0.01〜0.1重量% 臭素系難燃剤:10.0〜15.0重量% 三酸化アンチモン:2.0〜4.0重量% を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機、プ
リンタ等の画像形成装置の現像装置に現像剤を供給する
ために用いられるトナー収納容器及び現像装置、更には
画像形成装置本体に対して着脱されるプロセスカートリ
ッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真記録装置がプリンタや複
写機などに使用されている。
【0003】この中で、コンピュータ、ファクシミリ、
CAD等の情報機器の端末装置のプリンタに使用される
プロセスカートリッジにおいては、プリンタ本体に一度
装着し、内蔵された現像剤を使いきるまで、該カートリ
ッジ内に設けられた現像剤収納部より、現像剤攪拌装置
を作動させることによって徐々にスリーブ及び感光ドラ
ム側に現像剤を排出させている。
【0004】ところで、前記プロセスカートリッジにお
ける現像装置は、開口部をイージーピールフィルム、又
はカバーフィルムとテアテープから成る引き裂きシール
部材、あるいは1枚からなる引き裂きシール部材等によ
ってシールした(若しくは開口部をシール部材でシール
した開口幅規制板を取り付けてシールした)トナー収納
容器(以下、トナー容器と記す)が用いられており、現
像ローラー及び現像ブレードの取り付け座面を備えたタ
イプと、現像容器と長手両サイド部を合体結合して構成
されるタイプがある。いずれのタイプの現像装置におい
ても、前記プロセスカートリッジを使用するときに、前
記シール部材を引き抜いて除去して前記開口を開封し、
開封されたトナー容器から現像装置本体へトナーを流出
させて補給する。
【0005】ところで、このトナー容器を含むプロセス
カートリッジは保証枚数を画像形成し、トナー容器内の
トナーを使いきるまで本体にセットされたままになって
おり、本体の難燃性は米国におけるアンダーライターズ
・ラボラトリーズ(UL)で規格化されたサブジェクト
94号であるUL94に示される垂直燃焼試験において
V2(以下、難燃V2と記す)を確保することが製品安
全上必要な場合が多く、従って、本体中にセットされた
ままトナー寿命まで据え置かれるプロセスカートリッジ
においても、少なくとも外装に関しては難燃V2がほと
んどの場合必要となっている。
【0006】また、最近プロセスカートリッジとしては
本体のコンセプトから起因するコンパクト化が要求さ
れ、トナー容器自体もユーザーがハンドリングを行う一
部分としてプロセスカートリッジの外装となる場合がほ
とんであり、従ってトナー容器も難燃V2が要求されて
いる。
【0007】この難燃V2にするため、トナー容器材料
に、主に臭素系難燃剤から成る有機系難燃剤と三酸化ア
ンチモン等から成る無機系難燃剤を混合して添加する。
【0008】一方、トナー容器を含めたプロセスカート
リッジの材質としては、物流時の落下・衝撃でクラック
等が入らないように、通常のポリスチレンにブタジエン
を含有させた耐衝撃性ポリスチレン(以下、HIPSと
記す)や、アクリロニトリル=ブタジエン=スチレン共
重合体(以下、ABSと記す)等が使われているが、主
に成型安定性、及び低コストである点においてHIPS
が広く使用されている。
【0009】以上のように、プロセスカートリッジに使
用されるトナー容器の材料としてのHIPSには、前述
したように難燃性V2グレードを保つ為の難燃剤や、耐
衝撃性を保つためのブタジエンを含有させているが、更
に、成型性を考慮し、ステアリン酸金属塩等の離型剤を
含有させたり、尚且つプロセスカートリッジとしての耐
衝撃性やクリープ性等の機械的特性を保つために前述し
たブタジエンを含有した、ある一定の分子量分布のポリ
スチレンを選択して使用している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トナー容器及びプロセスカートリッジを用いた場合、以
下の点が問題であった。
【0011】(1)シール性 離型性、及び難燃剤の分散性を保つため、添加されてい
るステアリン酸金属塩等は、それ自体がシール阻害物質
であるが、成型時にも臭素系難燃剤から臭化水素(HB
r)が生成され、このHBrは離型剤であるステアリン
酸を加水分解し、遊離脂肪酸としてステアリン酸、パル
ミチン酸を生成する。
【0012】これらのシール阻害物質がシール時にはシ
ール面の表面に析出(ブリードアウト)してくるため、
離型剤の添加量を過剰に添加した場合、シール性が著し
く低下し、プロセスカートリッジの物流時にシール剥が
れによるトナー漏れが発生する懸念があった。
【0013】一方、どんなにシール性が良好なトナー容
器材質にしても、シール部材の接着性(=シーラントの
性能)が良好でなければ安定したシール性能が得られ
ず、プロセスカートリッジの物流時にシール剥がれによ
るトナー漏れが発生する懸念があった。
【0014】(2)成型性 成型時に臭素系難燃剤が分解されてHBrガス(強酸)
が発生するが、この分解が発生し易い場合、金型の腐食
が激しくなり耐久性が低下する懸念があり、一方成型品
に対しても、このHBrガスによりいわゆるシルバーや
白化現象、更には材料劣化等の成型不良が発生する。
【0015】本発明は上記問題に鑑みて成されたもの
で、その目的とする処は、プロセスカートリッジに用い
られるトナー容器の難燃性をV2グレードに保ち、充分
なシール安定性及び安定した成型性を確保したトナー容
器及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、開封可能なシ
ール部材を備えたトナー収納容器において、該容器が下
記成分、離型剤としてステアリン酸金属塩又はステアリ
ン酸金属塩とステアリン酸、および難燃剤として、窒素
雰囲気下にて20℃より20℃/分の加熱速度で加熱し
た際の1%重量減少時の温度が340℃以上である臭素
系難燃剤と三酸化アンチモンを下記添加量、離型剤:
0.01〜0.1重量%、臭素系難燃剤:10.0〜1
5.0重量%、三酸化アンチモン:2.0〜4.0重量
%含むことを特徴とするものである。
【0017】また、本発明は、少なくとも像担持体を含
んで構成され、画像形成装置本体に対して着脱自在なプ
ロセスカートリッジにおいて、上記のトナー収納容器を
有してなることを特徴とするものである。
【0018】本発明によるトナー収納容器及びプロセス
カートリッジは、特にシール阻害物質であるステアリン
酸塩等を極力減らし、尚且つシール部材の接着性を一定
以上とすることにより、トナー収納容器及びプロセスカ
ートリッジの安定したシール性能を得ることが出来る。
【0019】又、本発明では、難燃剤が成型時の高温に
て分解され難いため、金型腐食し難く、成型不良も起こ
り難い安定した成型性を得ることが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明に係わる一実施例とし
て、現像装置を有するプロセスカートリッジを装着可能
な画像形成装置について、図面を参照して具体的に説明
する。
【0021】全体構成 図3に示すように、画像形成装置Aは、光学系1から画
像情報に基づいたレーザー光像を照射して像担持体であ
る感光体ドラムにトナー像を形成する。そして前記トナ
ー像の形成と同期して、記録媒体2をカセット3aから
ピックアップローラ3b及び給送ローラ3c、搬送ロー
ラ3d、レジストローラ3e等からなる搬送手段3で搬
送し、且つプロセスカートリッジBとしてカートリッジ
化された画像形成部において、前記感光体ドラムに形成
したトナー像を転写手段としての転写ローラ4に電圧印
加することによって記録媒体2に転写し、その記録媒体
2をガイド板3fでガイドして定着手段へと搬送する。
この定着手段5は駆動ローラ5a及びヒータ5bを内蔵
する定着ローラ5cからなり、通過する記録媒体2に熱
及び圧力を印加して転写トナー像を定着する。そしてこ
の記録媒体2を排出ローラ対3g,3hで搬送し、反転
搬送経路を通して排出部6へと排出する如く構成してい
る。なお、この画像形成装置Aは手差しトレイ3i及び
ローラ3jによって手差し給送も可能である。
【0022】一方、前記画像形成部を形成するプロセス
カートリッジBは、図3及び図4に示すように、感光層
を有する感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段
である帯電ローラ8へ電圧印加によって一様に帯電し、
前記光学系1からの光像を開口部9を介して感光体ドラ
ム7に露光して潜像を形成し、現像手段10によって現
像するように構成している。
【0023】前記現像手段10は、トナー溜め内のトナ
ーをトナー送り部材10aで送り出し、固定磁石10b
を内蔵した現像ローラ10cを回転させると共に、現像
ブレード10dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー
層を現像ローラ10cの表面に形成し、そのトナーを前
記潜像に応じて感光体ドラム7へ転移させることによっ
てトナー像を形成して可視像化するものであり、現像装
置となるものである。そして転写ローラ4に前記トナー
像と逆極性の電圧を印加してトナー像を記録媒体2に転
写した後は、クリーニングブレード11aによって感光
体ドラム7に残留したトナーを掻き落とすと共に、スク
イシート11bによってすくい取り、廃トナー溜め11
cへ集めるクリーニング手段11によって感光体ドラム
7上の残留トナーを除去するように構成している。
【0024】なお、前記感光体ドラム7等の各部品は、
トナーを収納するトナー収納容器12aと現像ローラ1
0c等の現像部材を保持する現像フレーム(現像容器)
12bとを溶着して一体的に構成し、且つこれに感光体
ドラム7やクリーニングブレード11a等を保持するク
リーニング容器12cを結合して構成したカートリッジ
枠体に収納してカートリッジ化され、装置本体13に設
けたカートリッジ装着手段に対して着脱可能に装着され
る。
【0025】前記カートリッジ装着手段は、軸14を中
心にして開閉部材15を開くと、図6及び図7に示すよ
うに、カートリッジ装着スペースの左右内側面にカート
リッジ装着ガイド部材16が対向して取り付けてあり、
この左右ガイド部材16にはプロセスカートリッジBを
挿入するときのガイドとなるガイド部16aが対向して
設けてある。このガイド部16aに沿ってプロセスカー
トリッジBを挿入し、開閉部材15を閉じることによっ
てプロセスカートリッジBを画像形成装置Aに装着す
る。この装置によって感光体ドラム7の長手方向端部に
取り付けたドラムギア(図示せず)が装置本体13に設
けてある駆動伝達ギアGと噛合して感光体ドラム7へ駆
動力が伝達可能となるものである。
【0026】トナー容器と現像フレームの結合構成 次に現像装置の枠体を構成するトナー容器12aと現像
フレーム12bの結合構成について説明する。
【0027】図5に示すように、トナー収納容器12a
には開口部12a1 が形成してあり、その開口部12a
1 の周囲にはフランジ12a2 が形成してある。前記開
口部12a1 はシール部材17によって開封可能にシー
ルするものである。
【0028】(トナーシールの構成)図8は、本発明に
係わるシール部材17の断面図である。
【0029】図1に示すシール部材17は、第1基材1
7aと第2基材17b、クッション層17c及びシーラ
ント層17dで構成される多層構造を有している。図2
は長手シール部S1と端シール部S2からなるシールパ
ターンを示す。
【0030】上記第1基材17aとしては、厚さ10μ
m〜30μm程度の2軸延伸ポリエステルフィルム、又
は1軸延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィ
ルム等が用いられるが、延伸ナイロンフィルムを表層に
設けた場合、ナイロンの吸湿性によりシール部材17が
カールしやすくなり、ヒートシール時の作業性低下懸念
により、2軸延伸ポリエステルフィルム、又は1軸延伸
ポリプロピレンフィルムが好ましく用いられ、フィルム
強度の点から、最も好ましくは2軸延伸ポリエステルフ
ィルムが好ましく用いられる。
【0031】第2基材17bとしてはシール部材17に
伸び強度(高靱性)を持たせるため、厚さ10μm〜3
0μm程度の延伸ナイロン層を用いるか、又は同様な厚
さの2軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ま
しい。
【0032】又、本実施例では施さないが、この第2基
材17bには、トナー容器を開封する方向等をユーザー
に的確に指示するように矢印等の印刷を施してもよい。
【0033】更に、上記の印刷を施さなくてもよい場合
は、第1基材17a及び第2基材17bを1層基材とし
て用いてもよい。
【0034】クッション層17cとしては、厚さ10μ
m〜30μm程度のポリエチレン層を用いるが、ヒート
シール時のクッション効果を大きくするために、1万程
度の低分子量のものが好ましく用いられる。
【0035】シーラント層17dとしては、ポリエチレ
ンに対し、約3重量%〜20重量%、エチレン=酢酸ビ
ニル共重合体(以下、EVAと記す)を混合したものを
ベースとする。
【0036】更に、シール部材17がトナー容器にシー
ルされた後に、シーラント層Dが特に高温・多湿の環境
下で他部品と疑似接着(以下、ブロッキングと記す)し
て開封できなくなる問題があるため、EVAの混合量は
全シーラント層中で10重量%以下とすることが望まし
い。
【0037】又、同様なブロッキング懸念のため、EV
Aはゲルパーミエーション(以下、GPCと記す)によ
る分子量分布10万未満には極大を有さず、分子量10
万以上に少なくとも1つの極大を有することが望まし
い。
【0038】前記のようにして開口部12a1 をシール
したトナー収納容器12aに現像フレーム12bを結合
し、長手方向両側を超音波溶着等して両者を一体化す
る。
【0039】これにより、トナー収納容器12aと現像
フレーム12bの長手方向側からはトナー漏れが生ずる
おそれがなくなる。しかし、短手方向側はシール部材1
7を露出させ、開封時にシール部材17を引き抜くため
溶着できない。そのためトナー収納容器12aと現像フ
レーム12bとの結合短手側からトナーが漏れないよう
にするために、図5に示すように、現像フレーム12b
の裏面短手側には発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレ
ン、発泡ポリプロピレン等からなる端部シール19を貼
着する。
【0040】この端部シール19は通常は2mm〜5m
m程度の厚さを有し、現像フレーム12bをトナー収納
容器12aと合体した後は約1/2〜1/3程度の厚さ
に圧縮され、これによってシール部材17の開封後のト
ナー漏れを防止している。
【0041】ここで、本発明に係わるトナー容器12a
の物性について説明する。
【0042】まず、UL94垂直燃焼試験において難燃
V2グレードを確保するために添加する難燃剤について
説明する。
【0043】難燃剤としては、臭素系難燃剤と三酸化ア
ンチモンが製品安全上好ましく用いられ、これらの臭素
系(有機)難燃剤と無機系難燃剤とを混合して添加する
ことで、材料の難燃性を付与するばかりでなく、発火時
のタイミングをずらし、材料の発火現象を最小限とする
ことができ、結果的に難燃V2を保つことができる。
【0044】臭素系難燃剤は、成型時の加熱により分解
した場合、臭化水素(HBr)を生成する。
【0045】このHBrは離型剤として添加してあるス
テアリン酸塩を加水分解し、遊離脂肪酸としてパルミチ
ン酸、ステアリン酸を生成し、Brは金属塩(Ca,M
g,Zn)と結合してCaBr2 等として安定化する。
【0046】従って、シール性には直接関与しないと思
われる難燃剤も、臭素系難燃剤では金型成型時の150
℃〜300℃程度の高温で、離型剤及び難燃剤の分散剤
として添加されているステアリン酸塩と反応し、シール
阻害物質であるステアリン酸やパルミチン酸が生成する
(特に成型温度が高温になると反応生成量が大幅に上昇
する)ので、臭素系難燃剤の添加量の過剰添加や成型条
件変更(特に高温側に上げる場合)時は、このシール阻
害物質が容器シール面に付着し、結果的にシール性が低
下する。
【0047】従って、シール性に関して、シール阻害物
質であるステアリン酸塩を極力減少させる必要がある。
【0048】一方、成型性に関しても、臭素系難燃剤が
分解されて強酸のHBrガスが発生し、この分解が起こ
り易い場合、金型の腐食が激しくなり金型耐久性が低下
する懸念がある。
【0049】又、成型品に対しても、このHBrガスに
よりいわゆるシルバーや白化現象、更には材料劣化等の
成型不良が発生し易くなる。
【0050】この難燃剤の成型時の分解し易さの指標と
して、加熱して分解される(蒸発する)重量減少の程度
があり、窒素雰囲気下にて20℃より20℃/分の加熱
速度で加熱した際の難燃剤全重量に対して1%重量が減
少した時の温度が340℃未満である場合、成型不良が
発生し易いことが、成型温度260℃〜270℃程度に
て成型機内で樹脂を滞留させて外観上の成型不良を確認
する滞留焼け試験や、金型の連続成型後の錆び(金型汚
染)加速試験にて裏付けられている。
【0051】従って、臭素系難燃剤は、窒素雰囲気下に
て20℃より20℃/分の加熱速度で加熱した際の1%
重量減少時の温度が340℃以上であることが望まし
い。
【0052】臭素系難燃剤の添加量としては、難燃V2
グレードを確保し、また一方でシール性を確保するため
に、10重量%〜15重量%、更に望ましくは10重量
%〜13重量%、最も望ましくは10重量%〜12重量
%とする。
【0053】また、三酸化アンチモンについても難燃性
の観点より、2重量%〜4重量%、更に望ましくは2重
量%〜3.5重量%、最も望ましくは2重量%〜3重量
%の添加量とする。
【0054】次に、成型時の型擦れ傷やショートモール
ド、更に、トナー容器12aの成型サイクルが従来30
秒〜60秒程度であったものを20秒〜30秒程度と短
縮する高速(=ハイサイクル)成型にも対応できる、安
定した成型性を得るため、及び前述した難燃剤の均一な
分散を行うために添加する離型剤について更に詳しく説
明する。
【0055】離型剤としては、ステアリン酸(ST)カ
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ム等のステアリン酸金属塩のみを用いるか、前記ステア
リン酸金属塩とステアリン酸とを混合して用いてもよ
い。
【0056】また、離型剤の添加量としては、成型安定
性を保ちつつ、逆にシール性に対し悪影響があるステア
リン酸化合物等を最大限減らしてシール性を確保するよ
うに、0.01重量%〜0.1重量%、更に望ましくは
0.03重量%〜0.1重量%、最も望ましくは0.0
5重量%〜0.09重量%の添加量とする。
【0057】次に、トナー容器12aの主成分であるポ
リスチレンについて説明する。
【0058】ポリスチレンにブタジエンを含有させ、プ
ロセスカートリッジとしての耐衝撃性やクリープ性等の
機械的特性を保つようにするが、これらのブタジエンと
の混合・分散が均一で且つスムーズに行え、しかもメイ
ンバインダーとしての結着機能を充分に果たせるように
平均分子量を以下の範囲とすることが望ましい。
【0059】数平均分子量(Mn)としては、7.0×
104 〜10.0×104 が望ましく、更に望ましくは
7.5×104 〜10.0×104 、最も望ましくは
7.5×104 〜9.9×104 とする。
【0060】重量平均分子量(Mw)としては、2.0
×105 〜3.0×105 が望ましく、更に望ましくは
2.1×105 〜2.7×105 、最も望ましくは2.
2×105 〜2.6×105 とする。
【0061】低分子側への多分散度(Mw/Mn)とし
ては、2.0〜3.0が望ましく、更に望ましくは2.
2〜2.9、最も望ましくは2.4〜2.9とする。
【0062】後記実施例では、数平均分子量(Mn)を
9.00×104 、重量平均分子量(Mw)を2.40
×105 、低分子側への多分散度(Mw/Mn)を2.
67のものを用いた。
【0063】なお、平均分子量の測定は、GPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィ)により測定した。
【0064】次に、ブタジエンについて説明する。
【0065】ブタジエンはポリスチレンに所定量加える
ことで、プロセスカートリッジとしての耐衝撃性やクリ
ープ性等の機械的特定を保つことができ、いわゆるGP
ポリスチレンから耐衝撃性ポリスチレン(以下、HIP
Sと記す)とすることができる。
【0066】また、一方ではブタジエンの過剰添加を行
った場合、ヒートシールされるシール部材のシーラント
と接着性が悪いブタジエンが増加することでシール性が
極端に低下するのでブタジエンの混合量としては、6.
0重量%〜15.0重量%が望ましく、更に望ましくは
6.0重量%〜10.0重量%が望ましい。
【0067】後記実施例ではブタジエンを7.2重量%
混合した。
【0068】次に、前記ブタジエンからなるゴム粒子の
粒子径及び粒子径の分布について説明する。
【0069】ゴム粒子の粒子径及び粒子径の分布は、ヒ
ートシールされるシート部材のシーラントと接着性が悪
いブタジエンのゴム粒子が平均的に細かく、更に2μm
〜7μm程度の大きなゴム粒子が少ないほど、シール時
のシーラント層17dとの接触面積が少ないために、シ
ール性は非常に良好で、最も望ましく用いられる。
【0070】また、成型品の機械的特性や成型時の流れ
易さ(流動性)等とのバランスにより、大きなゴム粒子
をある程度混合したものもシール性は良好で、望ましく
用いられる。
【0071】しかし、大きなゴム粒子の混合量を過剰に
増やしてゴム粒子径が平均的に大きくなった場合、シー
ル時のシール部材のシーラント層17dとの接触面積が
増加するためにシール性は著しく低下し、物流時のトナ
ー容器12aのシール剥がれによるトナー漏れが発生し
やすく、製品上用いられない。
【0072】然るに、ゴム粒子の粒子径及び粒子径の分
布は、ゴム粒度分布が円相当径にて数平均粒子径が0.
50μm〜0.70μmであり、且つ平均粒子径が2.
0μm〜7.0μmである大粒子がゴム粒子全体の1.
0数量%〜4.0数量%である小粒子タイプ、又は、ゴ
ム粒度分布が円相当径にて数平均粒子径が0.70μm
〜1.00μmであり、且つ平均粒子径が2.0μm〜
7.0μmである大粒子がゴム粒子全体の4数量%〜1
2数量%である大粒子混合タイプであることが望まし
い。
【0073】後記実施例では、ゴム粒度分布が円相当径
にて数平均粒子径が0.51μmであり、平均粒子径が
2.0μm〜7.0μmである大粒子がゴム粒子全体の
1.84数量%である小粒子タイプを用いた。
【0074】なお、ゴム粒子の粒子径及び粒子径の分布
は、透過電子顕微鏡(TEM)観察を用い、成型後に超
薄切片を染色し、室温状態にて画像解析法にて測定、算
出した。
【0075】以上、シール部材17として、イージーピ
ールフィルムを使用する例を示したが、図10に示すよ
うなカバーフィルム17eとテアテープ17fからなる
引き裂きシール部材、ミシン目シール、ハーフカットシ
ール等の1枚による引き裂きシール部材を使用してもよ
い。
【0076】また、ヒートシールのみならず、インパル
スシール、高周波ウエルダーを利用しても良い。
【0077】またプロセスカートリッジを構成する像担
持体としては、前記感光体ドラムに限定されることな
く、例えば次のものが含まれる。まず感光体としては光
導電体が用いられ、光導電体としては例えばアモルファ
スシリコン、アモルファスセレン、酸化亜鉛、酸化チタ
ン及び有機光導電体(OPC)等が含まれる。また前記
感光体を搭載する形状としては、例えばドラム状、ベル
ト状等の回転体及びシート状等が含まれる。なお、一般
的にはドラム状又はベルト状のものが用いられており、
例えばドラムタイプの感光体にあっては、アルミ合金等
のシリンダー上に光導電体を蒸着又は塗工等を行ったも
のである。
【0078】また現像方法としても、公知の二成分磁気
ブラシ現像法、カスケード現像法、タッチダウン現像
法、クラウド現像法等の種々の現像法を用いることが可
能である。
【0079】また帯電手段の構成も、前述した第1実施
例では所謂接触帯電方法を用いたが、他の構成として従
来から用いられているタングステンワイヤーの三方周囲
にアルミ等の金属シールドを施し、前記タングステンワ
イヤーに高電圧を印加することによって生じた正又は負
のイオンを感光体ドラムの表面に移動させ、該ドラムの
表面を一様に帯電する構成を用いても良いことは当然で
ある。
【0080】なお、前記帯電手段としては前記ローラ型
以外にも、ブレード型(帯電ブレード)、パッド型、ブ
ロック型、ロッド型、ワイヤ型等のものでも良い。
【0081】また感光体ドラムに残存するトナーのクリ
ーニング方法としても、ブレード、ファーブラシ、磁気
ブラシ等を用いてクリーニング手段を構成しても良い。
【0082】また前述したプロセスカートリッジとは、
像担持体としての例えば電子写真感光体等と、少なくと
も現像手段を備えたものである。従って、そのプロセス
カートリッジの態様としては、前述した実施例のもの以
外にも、例えば像担持体と現像手段と帯電手段とを一体
的にカートリッジ化し、装置本体を着脱可能にするも
の;像担持体と現像手段とクリーニング手段とを一体的
にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの;
像担持体と現像手段と一体的にカートリッジ化し、装置
本体に着脱可能とするもの等がある。
【0083】更に前述した実施例では画像形成装置とし
てレーザービームプリンタを例示したが、本発明はこれ
に限定する必要はなく、例えば電子写真複写機、ファク
シミリ装置、或いはワードプロセッサ等の他の画像形成
装置に使用することも当然可能である。
【0084】(実施例1)図8に示される第1基材17
aとして16μm厚の2軸延伸ポリエステルフィルム、
第2基材17bとして25μm厚の延伸ナイロン層、ク
ッション層17cとして30μm厚の低分子量(重量平
均分子量:約1万)ポリエステル層およびシーラント層
17dとしてポリエチレン(PE)87重量%とエチレ
ン酢酸ビニル共重合体(EVA)13重量%の混合樹脂
層を用いてシール部材を形成した。混合樹脂中における
酢酸ビニル(VA)の割合は8.2重量%である。な
お、このEVAはGPCで10万未満には極大値を示さ
ず、約1.54×105 に1つの極大値を有する。
【0085】トナー容器12aは、前述の条件により製
造した。なお、臭素系難燃剤としては、窒素雰囲気下に
て20℃より20℃/分の加熱速度で加熱した際の1%
重量減少時の温度が349℃である下記式(1)で示さ
れる。エチレンビスペンタブロモビフェニル
【0086】
【外1】 を用いた。また離型剤としてはステアリン酸マグネシウ
ム(MgST)を用いた。トナー容器12aを、実際に
成型、連続成型時の成型安定性を確認した。
【0087】成型安定性の確認項目としては、成型品の
外観上、シルバーや擦り傷、白化、材料劣化等の成型不
良の有無確認、及び、1万ショット連続成型後の金型腐
食の確認を行った。
【0088】トナー容器としては、基本肉厚が1.5m
m、開口サイズが30mm×300mm、内容積は約1
500ccとした。
【0089】成型条件としては550ton成型機2個
取り、ホットランナー金型、スクリュー径75mm、保
持圧力500ton、保圧時間2.6秒、樹脂温度22
0℃、充填ピーク圧力1300ton、金型温度固定部
30℃設定、可動部30℃設定、作動油温度40〜55
℃、製品取り出し最大温度80℃とした。
【0090】結果は表1に示すように、成型不良は無
く、連続成型後の金型腐触も確認されず、成型性として
は何ら問題がなかった。
【0091】次に、難燃性をUL94垂直燃焼試験に基
づき、本実施例の組成からなる試験片を用いて実施し、
V−0、V−1、V−2、NC(規格外)の分類判定を
行った。
【0092】尚、試験片のサイズは、厚み1.4mm、
幅12.7mm、長さ127mmとし、特に厚みは本実
施例のトナー容器12aの基本肉厚1.5mmの公差最
小厚みである1.4mmとした。
【0093】結果は、表1に示すように難燃V2を確認
できた。
【0094】次に、本実施例の組成からなり、サイズが
厚さ2mm、幅100mm、長さ250mmである試験
片を成型し、本実施例のシール部材17を用いて、以下
のシール条件にてヒートシールを行い、シール性の評価
を行った。
【0095】シール性の評価方法としては、トナー容器
及びプロセスカートリッジのシール部材17に対し、図
9に示すように、物流時の耐圧がかかった際にシール剥
がれが発生する方向、即ちシール部分にてシール部材1
7が容器内圧にて膨らみ引っ張られる方向である45度
方向(図9に示す→方向)に剥離する際のシール接着強
度を測定した。tはトナーを表わす。
【0096】評価の指標値としては、実際のプロセスカ
ートリッジの物流テストを行う前にシール性が充分であ
ることを判断する指標として、6kgf/cm2 /15
mm以上あれば、トナー容器の開口が20mm以上、及
び内容積が1000cc以上あり、完成品であるプロセ
スカートリッジの重量が1kg程度から3.5kg程度
の中型から大型サイズのプロセスカートリッジに用いる
場合、一般的な物流時の耐圧に耐えうる。
【0097】シール性を評価する条件としては、以下の
とおりである。 ・シール条件:150℃、面圧15kgf/cm2 、3
秒 ・シール性評価条件:引っ張り方向;45度方向、引っ
張り速度;500mm/分、シール接着強度;15mm
幅でピーク値が6kgf以上
【0098】結果としては、本実施例の場合、8.1k
gf/15mmであり、充分なシール接着強度があるこ
とが確認できた。
【0099】以上のように、成型性、難燃性、シール性
を確認後、本実施例の組成からなるトナー容器12aを
成型後、図4に示すようなトナー送り部材10aを組み
込んだ後に、開口部のシール面にシール部材17をヒー
トシールした。
【0100】ヒートシール条件としては、150℃、面
圧25kgf/cm2 、3秒とし、シールあたりが全面
均一になるように行い、シールパターンは図2に示すよ
うなシール先端及び後端が山形シールパターンとし、シ
ール幅は全域2.5mmとした。
【0101】ヒートシール後、平均粒子径7μmで1成
分磁性トナーを約900g充填し、トナー容器を完成さ
せた。
【0102】次に、上記トナー容器に、前述したように
現像フレーム12bを超音波溶着にて合体し、更に感光
体ドラム7等を結合して作製したプロセスカートリッジ
Bを、不織紙を成型したパルプモールドからなる緩衝材
を備えた物流用個装箱に入れて現状の物流試験に於いて
最も厳しいレベルである約120cmより自由落下さ
せ、トナーもれの有無を確認した。
【0103】落下方法は、1角3稜6面自由落下(10
回/個)及び4面6角自由落下(10回/個)を、個装
及び3個集合梱包にて合計8個行った。
【0104】結果は8個全てトナー漏れがなく、シール
部材17の耐圧性は実際の物流試験においても良好であ
った。
【0105】(実施例2)実施例1と同様だが、表1の
とおり、トナー容器12aの組成を、臭素系難燃剤の添
加量及び無機系難燃剤の添加量の増量、離型剤をステア
リン酸カルシウム(CaST)に変更し添加量も増量、
ゴム粒子のゴム粒子径及び粒子径の分布は変えずにブタ
ジエンの含有量を増量する変更を行った。
【0106】結果は成型性、難燃性(UL94・V2)
に関して問題無く、シール性は難燃剤及び離型剤が増量
した分、若干低下したが問題ないレベルであり、物流試
験においても問題がなかった。
【0107】(実施例3)実施例1と同様だが、表1の
とおり、トナー容器12aの組成を、臭素系難燃剤の添
加量及び無機系難燃剤の添加量の減量、離型剤をステア
リン酸亜鉛(ZnST)及びステアリン酸(ST)の混
合物(重量比1対1)に変更し添加量も減量した。
【0108】又、ゴム粒子のゴム流度分布が円相当径に
て数平均分子量が0.9μm、平均粒子径が2.0〜
7.0μmである大粒子がゴム粒子全体の11.5数量
%である大粒子混合タイプに変更し、ブタジエンの含有
量も増量とする変更を行った。
【0109】結果は成型性、難燃性(UL94・V2)
に関して問題無く、シール性は、難燃剤及び離型剤の減
量でのプラス効果と、一方ブタジエンがシール性に関し
てやや小粒子タイプよりも劣る大小粒子混合タイプに変
更したマイナス効果が総合的に作用し、シール阻害物質
の減量効果の方が大きく影響した結果、シール性は向上
し、物流試験においても問題がなかった。
【0110】(実施例4)実施例1と同様だが、表1の
とおり、シール部材17のシーラント層Dに、熱可塑性
エラストマーであるスチレン−エチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体(SEBS)をシーラント層
D全量に対し2.1重量%均一分散したものに変更し
た。
【0111】このSEBSは、トナー容器12aの組成
に含まれるブタジエンゴムとヒートシール時にシール界
面で相溶し結合力を生ずる。この結合力がシーラント層
Dと容器のシール面との間の接着力に加わり、イージー
ピール性を損なわずに良好なシール性を生ずるものであ
ることを本発明者が鋭意研究した結果、知見を得たもの
であり、特願平09−283186にて公知である。
【0112】結果は成型性、難燃性(UL94・V2)
に関して問題無く、シール性はSEBSの融着・結合効
果により無添加の場合に比較して約2割りも大幅上昇
し、物流試験においても問題がなかった。
【0113】(実施例5)実施例1と同様だが、表1の
とおり、シール部材17のシーラント層Dのベースバイ
ンダーをEVAから直鎖上低密度ポリエチレン(LLD
PE)に変更し、結晶化度20%のシンジオタクチック
1,2−ポリブタジエン(1,2−PB)をシーラント
層D全量に対し1.9重量%均一分散したものに変更し
た。
【0114】この1,2−PBによりヒートシール時に
シール界面で相溶し結合力を生ずるが、更に接着性がE
VAよりも低いLLDPEに変更し、特にシール性が低
下するかを確認した。
【0115】結果は成型性、難燃性(UL94・V2)
に関して問題無く、シール性はベースバインダーがLL
DPEに変更となっても、1,2−PBの融着・結合効
果により無添加の場合に比較して大幅上昇し、物流試験
においても問題がなかった。
【0116】比較例1 実施例1と同様だが、表1のとおり、トナー容器12a
の組成を、離型剤の添加量を大幅に減量する変更を行っ
た。
【0117】結果は成型性において、離型性が非常に悪
く、シルバーや擦り傷等の成型不良が多発し、満足な製
品が得られなかった。
【0118】又、難燃性に関しては、UL94垂直燃焼
試験の判定に於て試験片のバラツキが大きく、結果とし
てV2は得られなかった。この理由は、離型剤が充分で
ないため、難燃剤の分散が均一に出来なかったためであ
る。
【0119】比較例2 実施例1と同様だが、表1のとおり、トナー容器12a
の組成を、離型剤の添加量を大幅に増量する変更を行っ
た。
【0120】結果は成型性、難燃性に関しては問題がな
かったが、離型剤の添加量が過剰なため、シール性評価
に於て指標値(6kgf/15mm)を下回り、物流試
験においても6/8個にて長手シール部S1よりシール
剥がれによるトナーもれが発生した。
【0121】比較例3 実施例1と同様だが、表1のとおり、臭素系難燃剤の添
加量及び無機系難燃剤の添加量の大幅減量とする変更を
行った。
【0122】結果は難燃性に関しては、UL94垂直燃
焼試験の判定に於てV2は得られなかった。
【0123】比較例4 実施例1と同様だが、表1のとおり、臭素系難燃剤の添
加量及び無機系難燃剤の添加量の大幅増量とする変更を
行った。
【0124】結果はシール性に関して、特に臭素系難燃
剤の添加量が過剰であるため成型時にシール阻害物質が
発生し、結果としてシール性が大幅に低下した。更に、
物流試験においても4/8個にて長手シール部S1より
シール剥がれによるトナー漏れが発生した。
【0125】比較例5、6 実施例1と同様だが、表1のとおり、臭素系難燃剤を次
式のテトラブロモビスフェノールAのビス(2,3ジブ
ロモプロピルエーテル)(比較例5)、トリス(トリブ
ロモネオペンチルホスフェート(比較例6)とする変更
を行った。
【0126】
【外2】
【0127】結果は比較例5、6共に、成型性におい
て、離型性が非常に悪く、シルバーや擦り傷等の成型不
良が多発し、満足な製品が得られなかった。
【0128】この理由は、比較例5、及び6の臭素系難
燃剤が、窒素雰囲気下にて20℃より20℃/分の加熱
速度で加熱した際の1%重量減少時の温度が340℃未
満であることが確認され、成型時に分解し易いがためH
Brガスが発生した成型不良が起こったものである。
【0129】
【表1】
【0130】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、特にシ
ール阻害物質であるステアリン酸塩等を極力減らし、尚
且つシール部材の接着性を一定以上とすることにより、
トナー容器及びプロセスカートリッジの安定したシール
性能を得ることが出来る。
【0131】又、本発明では、難燃剤が成型時の高温に
て分解され難いため、金型腐触し難く、成型不良も起こ
り難い安定した成型性を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー容器の断面図である。
【図2】シールパターンを示す図である。
【図3】プロセスカートリッジを装着した画像形成装置
の構成説明図である。
【図4】プロセスカートリッジの構成説明図である。
【図5】トナー容器と現像容器を分離した斜視説明図で
ある。
【図6】プロセスカートリッジの装着構成説明図であ
る。
【図7】プロセスカートリッジの装着構成説明図であ
る。
【図8】トナーシールの断面図である。
【図9】トナー容器の耐圧状態を示す断面図である。
【図10】シールパターンを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開封可能なシール部材を備えたトナー収
    納容器において、該容器が下記成分、離型剤としてステ
    アリン酸金属塩又はステアリン酸金属塩とステアリン
    酸、および難燃剤として、窒素雰囲気下にて20℃より
    20℃/分の加熱速度で加熱した際の1%重量減少時の
    温度が340℃以上である臭素系難燃剤と三酸化アンチ
    モンを下記添加量、離型剤:0.01〜0.1重量%、
    臭素系難燃剤:10.0〜15.0重量%、三酸化アン
    チモン:2.0〜4.0重量%含むことを特徴とするト
    ナー収納容器。
  2. 【請求項2】 ステアリン酸金属塩が、ステアリン酸カ
    ルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
    ムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする
    請求項1に記載のトナー収納容器。
  3. 【請求項3】 トナー収納容器の成型材料からなる試験
    片と前記シール部材とのヒートシール条件が、ヒートシ
    ール温度150℃、面圧15kgf/cm2、シール時
    間3秒、測定条件が、シール部材の引っ張り方向が45
    度方向、引っ張り速度500mm/分の場合、シール部
    材の接着強度が6kgf/15mm以上であることを特
    徴とする請求項1に記載のトナー収納容器。
  4. 【請求項4】 少なくとも像担持体を含んで構成され、
    画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリ
    ッジにおいて、請求項1乃至3記載のトナー収納容器を
    有して成ることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003248370A (ja) * 2002-02-27 2003-09-05 Canon Inc 現像装置、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置、ならびに現像剤収納容器とその組立て方法
US8722823B2 (en) 2012-05-08 2014-05-13 Industrial Technology Research Institute Polymers, polymer blends, and flame retardant materials

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