JP2000044953A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2000044953A
JP2000044953A JP11149334A JP14933499A JP2000044953A JP 2000044953 A JP2000044953 A JP 2000044953A JP 11149334 A JP11149334 A JP 11149334A JP 14933499 A JP14933499 A JP 14933499A JP 2000044953 A JP2000044953 A JP 2000044953A
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真紀子 木田
Yasushi Iwakabe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶材料の光劣化による表示むらを低減し、高
品質な液晶表示装置を提供する。 【解決手段】液晶層を挟持する一対の基板が樹脂によっ
て張り合わされ、その樹脂部に少なくとも一つ以上の液
晶を注入するための開口部を有している液晶表示装置。
この開口部は光硬化性樹脂によって封止されている。液
晶層中には光照射によって分子骨格を変換する光反応性
の液晶化合物と、所定特定波長においてその吸光係数が
前記光反応性の液晶化合物よりも大きく、その分子内に
少なくとも一つ以上の炭素数1〜8のアルキル基,アル
ケニル基,アルコキシル基を有する有機化合物(以下、
光吸収性材料)が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光により液晶材料
が劣化することによって引き起こされる表示むらを低減
するための液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、電極や配向制御膜(配
向膜)を備えた一対の基板を所望の間隔に配置し、その
間に液晶層を挟持し、液晶を注入した注入口を紫外線硬
化樹脂により封止することにより作製される。また基板
を貼り合わせるシール剤に紫外線硬化樹脂を用いる場合
もある。また、太陽光等の外部から液晶表示素子中に侵
入する光の中にも紫外光成分が含まれている場合もあ
る。このように液晶表示素子は製造工程や使用環境にお
いて様々な光にさらされる。
【0003】液晶材料は有機化合物であり、光、特に紫
外光に対して弱く、異性化,分解,重合等の反応をす
る。特に紫外光に対して反応性の高い液晶材料として
は、例えばトランス−α,β−ジフルオロ−β−フェニ
ルスチレン誘導体がある(第16回液晶討論会講演予稿
集,326−327頁,1990年)。この材料は液晶
材料の粘度を低減し、液晶表示素子の高速応答化に有効
である。また2つもしくはそれ以上のベンゼン環を炭素
−炭素三重結合で結合した構造のトラン誘導体も紫外光
により劣化する液晶材料である。
【0004】これらの液晶素子内へ侵入してくる外光が
液晶材料へ与える影響を低減する手段として、液晶材料
中に紫外線吸収剤として良く知られている(松浦輝男著
「有機光化学」220頁,化学同人発行,1970年)
o−オキシベンゾフェノン系化合物,サリチル酸フェニ
ルエステル系化合物,ベンゾトリアゾール系化合物や、
シアノアクリレート誘導体等の光安定剤を添加する方法
(特開昭62−112131号)や、特定の光吸収波長範囲を有す
る紫外線吸収剤(前記光安定剤と同様の紫外線吸収剤及
びアズレン)を用いる方法(特開平8−176549 号)が提
案されている。しかしながら紫外光吸収材料や、その吸
収波長及び添加量については言及してあるものの、光劣
化低減のために必須である、光吸収剤の吸収波長,吸収
係数と濃度との関係については言及されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】我々は前記トランス−
α,β−ジフルオロ−β−フェニルスチレン誘導体を液
晶組成物中に含有する液晶表示装置において、液晶注入
口付近に表示むらが発生するという問題に直面した。さ
らに表示部分においても、偏光板の無い状態では、光照
射によって表示むらが発生した。詳細に検討したとこ
ろ、表示むらの部分は正常部と比較して、液晶の屈折率
異方性(Δn)が著しく低下していることが判明した。
さらにこのΔnの低下は、液晶表示素子の製造工程の、
液晶注入口を紫外線硬化樹脂で封止する工程で照射する
紫外光によって、液晶組成物中のトランス−α,β−ジ
フルオロ−β−フェニルスチレン誘導体がシス体へと光
異性化反応したことによるものであることが判明した。
【0006】これらの光安定性の悪い液晶を用いる場合
でも、液晶表示素子には偏光板が貼り付けられ、その偏
光板に紫外光を遮断する効果があるため、通常の使用時
には太陽光等の外光による影響はほとんど問題ない。
【0007】この液晶注入口封止時の紫外光による液晶
の反応を低減する手段としては、前記ベンゾフェノン誘
導体,ベンゾトリアゾール誘導体,シアノアクリレート
誘導体,アズレン等の光吸収剤を添加する方法が提案さ
れている。しかしながら、これらの光吸収剤を用いた場
合は、液晶組成物中への溶解性が悪く、少量しか添加で
きないためその効果が少ない。さらに液晶組成物の低温
での液晶状態の安定性に問題、すなわち低温において光
吸収剤が析出する可能性がある。
【0008】また、光反応性の液晶材料と同じ吸収波長
範囲に、光吸収を持つ光吸収剤であっても、その吸光係
数が低い場合はその効果が少ない。またこれらの光吸収
剤の中には、液晶組成物の比抵抗値を著しく低下させる
という問題を引き起こす材料もある。
【0009】また、液晶注入口封止時に紫外線カットフ
ィルターを用いる方法(特開平9−160054号)も提案さ
れているが、この方法では紫外線硬化樹脂の硬化が不十
分であるという問題がある。
【0010】したがって本発明の目的は、液晶材料の光
劣化とその結果もたらされるΔnの低下を抑制すること
で、表示むらを低減し、高品質な液晶表示装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置に
よれば、一対の基板が樹脂によって張り合わされ、その
樹脂部に少なくとも一つ以上の、液晶を注入するための
開口部を有している。この開口部は光硬化性樹脂によっ
て封止されている。液晶層中には光照射によって分子骨
格を変換する光反応性の液晶化合物と、所定特定波長に
おいてその吸光係数が前記光反応性の液晶化合物よりも
大きく、その分子内に少なくとも一つ以上の炭素数1〜
8のアルキル基,アルケニル基,アルコキシル基を有す
る有機化合物(以下、光吸収性材料)が含まれる。
【0012】本発明において、液晶層中に含有されてい
る光反応性の液晶化合物においておきる光照射による分
子骨格変換反応は、トランス−シス異性化反応が多い。
このトランス−シス光異性化反応をおこす化合物は、分
子内に炭素−炭素2重結合,炭素−窒素2重結合,窒素
−窒素2重結合のような2重結合を有する化合物に多
い。その代表的な化合物としては、β置換スチレン,ア
ゾベンゼン,ピペリレン等の基本骨格を有する化合物が
挙げられる。特に分子内に−CF=CF−結合を持つ化
合物は、光異性化反応を起こしやすく、その例として、
液晶の低粘度化,高速応答化に有効なトランス−α,β
−ジフルオロ−β−フェニルスチレン,トランス−α,
β−ジフルオロ−β−シクロヘキシルスチレン等の基本
骨格を有する化合物が挙げられる(特開平3−294386
号,特開平7−165635 号,特開平7−126199号,特開平6
−329566 号,特開平6−25030号,特開平6−40967号,
特開平8−259478 号)。
【0013】例えば、R−Ph−CF=CF−Ph−
R,R−Ph−CF=CF−Ph−CF3 ,R−Cy−
CF=CF−Ph−R,R−Ph−CF=CF−Ph−
F,R−Cy−CF=CF−Ph−X(Rはアルキル基
もしくはアルケニル基、Phはフェニル基、Cyはシク
ロヘキシル基、Xはハロゲン基を示す)が代表的な具体
例である。
【0014】これらの低粘度液晶化合物はその含有量が
10wt%以上であれば、より液晶表示素子の高速応答
化に有効である。また、液晶中に含有されるその他の光
反応性の化合物としては、スチレン,トラン等の基本骨
格を有する化合物が挙げられる。さらに、光反応性の化
合物としては、カルボニル化合物,シクロヘキサジエン
等のジエン骨格を有する化合物,二量化反応や付加反応
をおこすオレフィン化合物等が挙げられる。これらの化
合物は高Δnや低粘度化,高誘電率異性化などに有効で
ある。
【0015】また、本発明の他の態様によれば、液晶層
が光反応性液晶化合物を含有し、光吸収材料を含有しな
い状態においては、所定特定波長光を含む光を液晶層に
照射前後の、液晶層のΔn変化率,Δn(照射後)/Δ
n(照射前)が0.94 以下である。
【0016】さらに本発明の他の態様によれば、光吸収
性材料の濃度が1wt%以上である。また、液晶組成物
中の光反応性液晶化合物の濃度と光吸収性材料の濃度の
比が、10以下であることが望ましい。液晶組成物のよ
うな複数成分からなる混合物の場合、その中に含まれる
特定成分の特定波長における光吸収は、(特定成分の特
定波長における吸光係数×濃度)/(全ての成分の特定
波長における吸光係数×濃度の総和)として表わされ
る。したがって光反応性を抑制するためには、液晶組成
物中の成分の吸収波長範囲だけではなく、その吸光係数
と濃度が重要である。光吸収性材料により、光反応性の
液晶化合物が吸収する光量が減少し、光反応が起こりに
くくなる。その結果光反応によるΔnの変化が抑制さ
れ、表示むらが低減できる。
【0017】さらに本発明の他の態様によれば、光吸収
性材料は分子内に炭素−炭素2重結合もしくは炭素−窒
素2重結合もしくは窒素−窒素2重結合を7個以上有し
ている。分子内に2重結合を7個以上有し、さらにそれ
が共役系として結合している場合には、吸光係数が大き
く、吸収波長領域も広いため、光吸収の効果が大きい。
その具体的な基本骨格としては、7個以上の炭素−炭素
2重結合もしくは炭素−窒素2重結合もしくは窒素−窒
素2重結合が、環状もしくは一部環状で一部直鎖状の骨
格、例えばベンゼン環やナフタレン環等の炭化水素系芳
香族やピリジン環,ピリミジン環,チオフェン環等複素
環等を複数個直接結合させた骨格、またはそれらを炭素
−炭素2重結合もしくは炭素−窒素2重結合もしくは窒
素−窒素2重結合等の共役鎖で結合させた骨格、または
カルコン,トリフェニレン,フタロシアニン,ポルフィ
リン骨格等が挙げられる。
【0018】但し、このような分子内に2重結合を多く
有する化合物は、吸収波長領域が広く、可視光領域にま
で及ぶことがあり、そのΔnの波長分散が大きい傾向に
ある。従って、液晶表示として高コントラストを得るた
めには、ポリカーボネートよりもΔnの波長分散の大き
な位相差板、例えば材質がポリサルフォンやポリアリレ
ート等の位相差板を用いることが望ましい。本発明によ
れば、光吸収材料の代表的な有機化合物は3−ハイドロ
キシ−3−フェニル−1−フェニル−2−プロペン−1
−オン誘導体である。この光吸収性材料が少なくとも一
つ以上の炭素数1〜8のアルキル基,アルケニル基,ア
ルコキシル基を有する材料であることによって、従来の
液晶組成物中への光吸収剤の相溶性に関する問題が解決
された。すなわち液晶組成物中への溶解性が高く、また
低温において析出等の問題がなく、低温安定性に優れて
いる。
【0019】さらに本発明の他の態様によれば光吸収性
材料はそれ自体が液晶相を有する。これによって相溶性
も良く、液晶組成物の液晶相がより安定となる。本発明
によれば、その代表的な有機化合物はベンズアルデヒド
アジン誘導体である。
【0020】また本発明の液晶表示装置によれば、液晶
層中には光照射によって分子骨格を変換する光反応性の
液晶化合物と、光吸収性材料とが含まれている。この光
反応性の液晶化合物と、光吸収性材料の重量濃度比は、
10以下である。所定波長光を含む光を照射する前後の
液晶層の屈折率異方性Δnの変化率は、0.98>Δn
(照射後)/Δn(照射前)>0.9である。
【0021】また、重量濃度比を8以下にし、光照射前
後のΔnの変化率が0.98>Δn(照射後)/Δn
(照射前)>0.94 とすれば、さらに表示むらをより
低減できる。
【0022】また、本発明で用いる照射光源は液晶表示
素子に用いる光硬化樹脂を硬化させるための波長を有す
る照射光源である。この光硬化樹脂とは、例えば一対の
基板を貼り合わせるシール樹脂や、液晶注入口を封止す
る封止剤等がある。その光硬化樹脂を硬化させるために
用いる照射光源のピーク輝度の波長とは、例えば照射光
源が水銀ランプの場合は、発光強度の強い波長である2
54nm,313nm,366nmである。キセノンラ
ンプの場合は500nm前後に強い発光強度を持ち、メ
タルハライドランプのガリウムランプでは、290n
m,300nm,366nm,405nm,425nm
付近、特に400nm〜450nmで発光強度が強い。
【0023】さらに照射光源の発光波長分布は連続的で
あるため、なるべく広い波長範囲において添加する光吸
収性有機化合物の吸光係数が前記光反応する液晶材料よ
りも大きいことが望ましい。
【0024】本発明によれば、液晶層中に含有されてい
る光反応性の液晶化合物の光反応を抑制することができ
る。また、その光反応に基づく液晶層のΔnの低下を低
減できる。その結果液晶材料の光劣化による表示むらを
低減し、高品質な液晶表示素子を提供するという目的を
達成することができる。
【0025】さらに、本発明によれば、製造工程の液晶
注入口の封止工程においては、透過率50%の波長が3
50nm付近である紫外線カットフィルターを用いるこ
とでより効果的に表示むらが低減できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の内容を具体的な実施
例に基づいて説明する。最初に本実施例で用いる光照射
方法と、液晶材料のΔn測定方法について説明する。Δ
nの測定は、平行配向処理を施したガラスセルに液晶材
料を入れ、温度,セルギャップ一定の条件下で波長を変
える方法によって測定した(W.H.de Jeu著,石井力,小
林駿介訳,「液晶の物性」42頁,共立出版,1991
年)。
【0027】光照射前のΔn測定後、高圧水銀ランプよ
り光を照射し、再度Δnを測定した。光源とセルとの距
離は1cmとし、照射時間は5秒,10秒とした。測定波
長範囲が350nmを中心に310nm〜400nmで
ある光量測定装置で測定した、このときの光源の光量は
65mW/cm2 であった。通常の高圧水銀ランプの光量
を同条件で測定した場合は、少なくとも50mW/cm2
以上である。光照射は、主にシアノPCH,トラン液晶
からなる液晶組成物(以下母体液晶)に、光反応性材料
や光吸収性の有機化合物を添加することにより行った。
【0028】[実施例1]まず母体液晶そのものの光照
射によるΔn変化について測定した。母体液晶を配向セ
ルに入れ、その光照射前,5秒間照射後,10秒間照射
後のΔnを測定した。その結果(10秒間光照射後のΔ
n)/(光照射前のΔn)は0.99〜0.98 であっ
た。従って母体液晶そのものは耐光性に優れた液晶材料
であるといえる。
【0029】次に母体液晶にトランス−α,β−ジフル
オロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−プロピルスチ
レンを20wt%添加し、同様にその光照射前,5秒間
照射後,10秒間照射後のΔnを測定した。その結果
(10秒間光照射後のΔn)/(光照射前のΔn)は
0.88 以下であった。さらに光照射後のセルを分解
し、中の液晶材料を分析したところ、シス−α,β−ジ
フルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−フルオ
ロスチレンが検出された。すなわちこの材料は、光によ
って異性化反応が進行し、トランス体からシス体へと変
化し、Δnが低下したものと考えられる。母体液晶と母
体液晶にトランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−プ
ロピルフェニル)−4−プロピルスチレンを20wt%
添加した液晶組成物の、光照射によるΔnの変化率を図
5に示す。
【0030】[実施例2]母体液晶にトランス−α,β
−ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−プ
ロピルスチレンを添加すると、どの程度液晶の応答時間
が短縮されるかについて検討した。
【0031】母体液晶中にトランス−α,β−ジフルオ
ロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−プロピルスチレ
ンを10wt%,20wt%,25wt%添加し、その
応答時間を測定した。測定に用いた液晶表示素子はST
N(Super Twisted Nematic)モードの素子である。応答
時間は、液晶素子に電圧を印加したときの、液晶素子の
透過率が0%から90%に変化するときに要する時間
と、電圧印加状態から蒸印加状態にしたときの、液晶素
子の透過率が100%から10%に変化するときに要す
る時間との合計で表し、印加電圧は、前記両者の応答時
間が等しくなるときの電圧とした。
【0032】実験結果を図6に示す。図6の液晶の応答
時間は素子の基準間隔、いわゆるセルギャップの2乗に
依存するため、図6の縦軸は応答時間をセルギャップの
2乗で除した応答パラメータを用いた。すなわち応答パ
ラメータが6の場合、セルギャップが6ミクロンの場合
は、応答時間は216msとなる。またセルギャップが
5ミクロンのとき、応答時間が150msとなる。一般
にパソコンのマウス操作において支障がないとされる応
答時間はおおむね200ms以下であり、またパソコン
の簡易動画に対するために少なくとも150ms以下の
応答時間が必要とされている。
【0033】図6から、STN型の液晶表示素子におい
て、応答パラメータの値6を達成するためには、少なく
ともトランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピ
ルフェニル)−4−プロピルスチレンの添加量が10w
t%以上でなければならないことが判る。
【0034】[実施例3]炭素鎖を有する光吸収剤とし
て、3−ヒドロキシ−1−(p−メトキシフェニル)−
3−(p−ペンチルフェニル)−2−プロペン−1−オ
ンを合成した。この化合物骨格中には炭素−炭素2重結
合が7個存在する。合成方法は、カルコン誘導体から合
成する方法(特開平3−202818 号)によって行った。
【0035】炭素鎖を有し液晶相を有する光吸収剤とし
て、4,4′−ジペンチルベンズアルデヒドアジンを合
成した。このベンズアルデヒドアジン骨格中には炭素−
炭素2重結合が6個,炭素−窒素2重結合が2個、計8
個存在する。合成方法は、W. G.Shaw,G.Brown らの方法
(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイア
ティー,81巻,2532頁−2537頁,1959
年)及びH.E.Zimmerman,S. Somasekharaらの方法(ジャ
ーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ
ー,82巻,5865頁−5873頁,1960年)に
よって行った。偏光顕微鏡下でその熱的挙動を観察した
ところ、この4,4′−ジペンチルベンズアルデヒドア
ジンは液晶相を有することを確認した。またペンチル基
のないベンズアルデヒドアジンは市販品を購入した。
【0036】[実施例4]実施例1,3に記載のトラン
ス−α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニ
ル)−4−プロピルスチレン,ベンズアルデヒドアジ
ン,3−ヒドロキシ−1−(p−メトキシフェニル)−
3−(p−ペンチルフェニル)−2−プロペン−1−オ
ンの溶液中での光吸収を測定し、その吸光係数を求め
た。
【0037】トランス−α,β−ジフルオロ−β−(p
−プロピルフェニル)−4−プロピルスチレンをアセト
ニトリル中に溶解し、紫外−可視分光光度計によりその
吸収波長範囲を測定した。その結果、アセトニトリル溶
液中でのトランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−プ
ロピルフェニル)−4−プロピルスチレンの吸光係数
は、波長313nmにおいて約20000,366nm
においては約300であった。
【0038】3−ヒドロキシ−1−(p−メトキシフェ
ニル)−3−(p−ペンチルフェニル)−2−プロペン
−1−オンをアセトニトリル中に溶解し、同様に吸収波
長範囲を測定し、その吸収波長範囲を測定した。その結
果3−ヒドロキシ−1−(p−メトキシフェニル)−3
−(p−ペンチルフェニル)−2−プロペン−1−オン
は360nm付近に吸収極大を持ち、366nm付近で
の吸光係数は約20000程度であった。
【0039】ベンズアルデヒドアジンをメタノール中に
溶解し、同様に吸収波長範囲を測定した。その結果、ベ
ンズアルデヒドアジンは300nm付近に吸収極大を持
ち、313nm付近での吸光係数は30000程度であ
った。
【0040】[実施例5]実施例1で用いた母体液晶
に、トランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピ
ルフェニル)−4−プロピルスチレンを20wt%、合
成した3−ヒドロキシ−1−(p−メトキシフェニル)
−3−(p−ペンチルフェニル)−2−プロペン−1−
オンを適当量添加し、光照射によるΔnの変化を測定し
た。結果を図7に示す。この結果から、実験に用いた母
体液晶中にトランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−
プロピルフェニル)−4−プロピルスチレンを20%添
加した場合は、3−ヒドロキシ−1−(p−メトキシフ
ェニル)−3−(p−ペンチルフェニル)−2−プロペ
ン−1−オンを2wt%程度まで添加すれば0.94 程
度まで低減できることが判った。
【0041】[実施例6]実施例1で用いた母体液晶
に、トランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピ
ルフェニル)−4−プロピルスチレンを20wt%、実
施例3で合成した4,4′−ジペンチルベンズアルデヒ
ドアジンを適当量添加し、光照射によるΔnの変化を測
定した。結果を図1に示す。また、10秒間光照射した
後のΔnの変化率と4,4′−ジペンチルベンズアルデ
ヒドアジンの添加量とをプロットした(図8)。この結
果から、実験に用いた母体液晶中にトランス−α,β−
ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−プロ
ピルスチレンを20%添加した場合は、4,4′−ジペ
ンチルベンズアルデヒドアジンを1wt%程度添加すれ
ば、光照射前後のΔnの変化率が0.9程度にまで低減
でき、さらに2.5wt%程度まで添加すれば0.94
程度まで低減できることが判った。
【0042】[実施例7]前記実施例6と同様に、実施
例1で用いた母体液晶に、トランス−α,β−ジフルオ
ロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−プロピルスチ
レンを30wt%,実施例3で合成した4,4′−ジペ
ンチルベンズアルデヒドアジンを適当量添加し、光照射
によるΔnの変化を測定した。また、10秒間光照射し
た後のΔnの変化率と4,4′−ジペンチルベンズアル
デヒドアジンの添加量とをプロットした(図9)。この
結果から、実験に用いた母体液晶中にトランス−α,β
−ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−プ
ロピルスチレンを30wt%添加した場合は、4,4′
−ジペンチルベンズアルデヒドアジンを1.5wt%程
度添加すれば、光照射前後のΔnの変化率が0.9 程度
にまで低減でき、さらに4wt%程度まで添加すれば
0.94 程度まで低減できることが判った。
【0043】実施例6及び7の結果から、トランス−
α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−
4−プロピルスチレンと4,4′−ジペンチルベンズア
ルデヒドアジンの重量濃度比が20以下であれば、光照
射によるΔnの変化率が0.9以上にまで低減でき、さ
らに重量濃度比が10以下であれば、光照射によるΔn
の変化率が0.92 以上にまで低減でき、さらに重量濃
度比が8以下であれば、光照射によるΔnの変化率が
0.94 以上にまで低減できることが判明した。この光
照射によるΔnの変化率は、用いる光反応性液晶化合物
の種類や母体液晶との組み合わせによって多少異なる。
この材料の違いによる光反応性やΔnの変化率を考慮す
ると、光照射前後のΔn変化率>0.9 を達成するに
は、重量濃度比が10以下であることがより望ましい。
【0044】[実施例8]調合した液晶組成物を用いて
液晶表示素子,STN−LCD(Liquid CrystalDispla
y)を作製した。まずストライプ状にパターニングされた
ITO(IndiumTin Oxide)電極を有するガラス基板と、
カラーフィルターとストライプ状にパターニングされた
ITO電極とを有するガラス基板上に、ポリイミド前駆
体ワニスを塗布,焼成し、ポリイミド配向膜を基板上に
形成した。配向膜にラビング処理を行い、上下基板のI
TO電極が直交し、上下基板のラビング角度が60度
(液晶のツイスト角度が240度)となるように、基板
間隔一定となるようにスペーサービーズによって保持
し、基板を熱硬化性のシール剤により貼り合わせた。
【0045】貼り合わせた基板間に、シール部に設けた
注入口より、真空封入法によって液晶材料を封入した。
液晶注入後、注入口を紫外線硬化樹脂によって封止し
た。紫外線硬化樹脂の硬化用光源には高圧水銀ランプを
用いた。注入した液晶材料は、実施例1で用いた母体液
晶、母体液晶にトランス−α,β−ジフルオロ−β−
(p−プロピルフェニル)−4−プロピルスチレンを1
0wt%、トランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−
ペンチルフェニル)−4−フルオロスチレンを10wt
%添加した液晶組成物、母体液晶にトランス−α,β−
ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−フル
オロスチレンを10wt%、トランス−α,β−ジフル
オロ−β−(p−ペンチルフェニル)−4−フルオロス
チレンを10wt%、4,4′−ジペンチルベンズアル
デヒドアジンを5wt%添加した液晶組成物である。
【0046】位相差板,偏光板貼り付け後、駆動回路を
取り付け液晶表示素子を駆動した。その結果、母体液晶
だけ注入した液晶表示素子と、母体液晶にトランス−
α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−
4−フルオロスチレンを10wt%、トランス−α,β
−ジフルオロ−β−(p−ペンチルフェニル)−4−フ
ルオロスチレンを10wt%、4,4′−ジペンチルベ
ンズアルデヒドアジンを5wt%添加した液晶組成物を
注入した液晶表示素子には、注入口付近での表示むらは
観察されなかったが、母体液晶にトランス−α,β−ジ
フルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−フルオ
ロスチレンを10wt%、トランス−α,β−ジフルオ
ロ−β−(p−ペンチルフェニル)−4−フルオロスチ
レンを10wt%のみを添加した液晶組成物を注入した
液晶表示素子では、注入口付近に注入口むらが観察され
た。
【0047】表示むらの部分と正常部分の電圧−透過率
曲線を図10に示す。この実験結果から、光吸収剤を液
晶組成物中に添加することにより、光反応性液晶材料の
光反応を抑制でき、表示むらのない高品質な液晶表示素
子(STN−LCD)を得られることが判った。
【0048】[実施例9]実施例8で用いた、母体液晶
にトランス−α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピル
フェニル)−4−フルオロスチレンを10wt%、トラ
ンス−α,β−ジフルオロ−β−(p−ペンチルフェニ
ル)−4−フルオロスチレンを10wt%、4,4′−
ジペンチルベンズアルデヒドアジンを5wt%添加した
液晶組成物を、−30℃で1か月保存した。その結果、
この液晶組成物は1か月後も−30℃でネマティック相
であり、結晶の析出等は観察されなかった。すなわち
4,4′−ジペンチルベンズアルデヒドアジンそのもの
が液晶相を有しているため、相溶性に優れていることが
判明した。
【0049】[実施例10]調合した液晶組成物を用い
てTN(Twisted Nematic)型TFT(Thin Film Transi
stor)−LCDを作製した。まずITO電極とアクティ
ブ素子であるTFT素子を有するガラス基板と、カラーフ
ィルターとITO電極とを有するガラス基板上に、ポリ
イミド前駆体ワニスを塗布,焼成し、ポリイミド配向膜
を基板上に形成した。配向膜にラビング処理を行い、上
下基板のラビング角度が90度(液晶のツイスト角度が
90度)となるように、基板間隔一定となるようにスペ
ーサービーズによって保持し、基板を熱硬化性のシール
剤により貼り合わせた。
【0050】以下実施例7と同様に、液晶注入,注入口
を封止した。注入した液晶材料は、フッ素系の母体液晶
にトランス−α,β−ジフルオロ−β−(4−プロピル
シクロヘキシル)−4−クロロスチレンを10wt%添
加した液晶組成物、フッ素系の母体液晶にトランス−
α,β−ジフルオロ−β−(4−プロピルシクロヘキシ
ル)−4−クロロスチレンを10wt%、4,4′−ジ
ペンチルベンズアルデヒドアジンを1wt%添加した液
晶組成物である。
【0051】偏光板貼り付け後、駆動回路を取り付け液
晶表示素子を駆動した。その結果、母体液晶だけ注入し
た液晶表示素子と、母体液晶にトランス−α,β−ジフ
ルオロ−β−(4−プロピルシクロヘキシル)−4−ク
ロロスチレンを10wt%と、4,4′−ジペンチルベ
ンズアルデヒドアジンを1wt%添加した液晶組成物を
注入した液晶表示素子は、注入口付近での表示むらは観
察されなかったが、母体液晶にトランス−α,β−ジフ
ルオロ−β−(4−プロピルシクロヘキシル)−4−ク
ロロスチレンのみを10wt%添加した液晶組成物を注
入した液晶表示素子では、注入口付近に注入口むらが観
察された。
【0052】この実験結果から、光吸収剤を液晶組成物
中に添加することにより、光反応性液晶材料の光反応を
抑制でき、表示むらのない高品質な、液晶表示素子(T
N−TFT−LCD)を得られることが判った。本実施
例の液晶表示装置を図11に示す。
【0053】[実施例11]調合した液晶組成物を用い
たIPS(In-Plane Switching)型TFT−LCDを作
製した。まず櫛歯電極とアクティブ素子であるTFT素
子を有するガラス基板と、カラーフィルターを有するガ
ラス基板上に、ポリイミド前駆体ワニスを塗布,焼成
し、ポリイミド配向膜を基板上に形成した。櫛歯電極と
TFT素子を図12に示す。次に配向膜にラビング処理
を行った。
【0054】櫛歯電極及びTFT素子付き基板とカラー
フィルター付き基板のラビング方向は、互いにほぼ平行
で、かつ印加電界方向との成す角度を75度とした。
【0055】以下実施例7と同様に基板を貼り合わせ、
液晶注入,注入口を封止した。注入した液晶材料は、実
施例9と同様のフッ素系の母体液晶にトランス−α,β
−ジフルオロ−β−(4−プロピルシクロヘキシル)−
4−クロロスチレンを10wt%添加した液晶組成物、
フッ素系の母体液晶にトランス−α,β−ジフルオロ−
β−(4−プロピルシクロヘキシル)−4−クロロスチ
レンを10wt%、4,4′−ジペンチルベンズアルデ
ヒドアジンを1wt%添加した液晶組成物である。
【0056】偏光板貼り付け後、駆動回路を取り付け液
晶表示素子を駆動した。その結果、母体液晶だけ注入し
た液晶表示素子と、母体液晶にトランス−α,β−ジフ
ルオロ−β−(4−プロピルシクロヘキシル)−4−ク
ロロスチレンを10wt%と、4,4′−ジペンチルベ
ンズアルデヒドアジンを1wt%添加した液晶組成物を
注入した液晶表示素子には、注入口付近での表示むらは
観察されなかったが、母体液晶にトランス−α,β−ジ
フルオロ−β−(4−プロピルシクロヘキシル)−4−ク
ロロスチレンのみを10wt%添加した液晶組成物を注
入した液晶表示素子では、注入口付近に注入口むらが観
察された。
【0057】この実験結果から、光吸収剤を液晶組成物
中に添加することにより、光反応性液晶材料の光反応を
抑制でき、表示むらのない高品質な、液晶表示装置(I
PS−TFT−LCD)を得られることが判った。作製
した液晶表示装置を図14に示す。
【0058】[比較例1]注入口の表示むら低減方法と
して、特開平9−160054 号記載の、注入口封止に用いる
紫外線硬化樹脂を硬化させる際にUVカットフィルター
を用いる方法について検討した。前記実施例8と同様に
ガラスセルを作製し、その中に母体液晶にトランス−
α,β−ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−
4−プロピルスチレンを20wt%添加した液晶組成物
を注入した。注入後の注入口封止時に、東芝硝子株式会
社製色ガラスフィルターUV−33,UV−35,UV
−37,HOYA株式会社製L−38,L−39を紫外
線カットフィルターとして各々用いた。その結果、L−
38,L−39では紫外線硬化樹脂が硬化しなかった
が、UV−33,UV−35では紫外線硬化樹脂は十分
に硬化した。UV−37を用いた場合は、紫外線硬化樹
脂はやや硬化したが十分ではなかった。封止後、注入口
付近を観察すると、UV−33,UV−35を用いて封
止した液晶表示素子では、注入口付近に表示むらが観察
された。これはUV−33,UV−35では紫外線カッ
トが不十分で、液晶が光反応したためである。さらにU
V−37を用いた場合にも、液晶表示素子を駆動させる
と、注入口付近に表示むらが観察された。液晶表示素子
の表示むらの部分と正常部分の電圧−透過率曲線を図1
3に示す。
【0059】これらの結果から、紫外線カットフィルタ
ーを用いた製造工程だけでは、液晶材料の光反応による
表示むらは解消できないことが判明した。但しUV−3
3,UV−35を用いる場合でも、液晶組成物中に4,
4′−ジペンチルベンズアルデヒドアジンを5wt%添
加した液晶組成物を用いれば、紫外線カットフィルター
による紫外線カット効果と液晶組成物中の光吸収剤によ
る光吸収効果とで、より効率的な光反応抑制が可能とな
り、表示むらを低減できた。
【0060】[比較例2]特開平8−176549 号に従い、
波長280〜330nm領域と350nm〜420nmに
吸収を有する材料の添加による光反応抑制効果を確認し
た。波長280〜330nm領域と350nm〜420
nmに吸収を有する材料として、アントラセンを用い
た。アントラセンの吸光係数は、メタノール溶液中で、
296nmにおいて531,309nmにおいて123
0,322nmにおいて2750,338nmにおいて
5290,355nmにおいて7770,376nmに
おいて7590である。母体液晶中にトランス−α,β
−ジフルオロ−β−(p−プロピルフェニル)−4−プ
ロピルスチレンを20wt%、アントラセン1wt%を
添加し、光照射によるΔnの変化率を測定した。
【0061】その結果Δnの変化率、(10秒間光照射
後のΔn)/(光照射前のΔn)は0.89 であり、そ
の効果がほとんどなかった。このことから、添加する光
吸収剤は、吸収波長だけではなく、その材料の吸光係数
が重要であることが判明した。
【0062】
【発明の効果】以上本発明によれば、表示むらを低減で
き、高品質な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6記載の、母体液晶に光反応性液晶材料
と、光吸収剤とを添加した液晶組成物の、光照射による
Δnの変化率を示す図。
【図2】本発明の液晶表示素子の一例を示す図。
【図3】本発明の液晶表示素子の一例を示す図。
【図4】本発明の液晶表示素子の一例を示す図。
【図5】実施例1記載の、母体液晶と母体液晶に光反応
性液晶材料を添加した液晶組成物の、光照射によるΔn
の変化率を示す図。
【図6】実施例2記載の、光反応性ながら低粘度な液晶
化合物を添加したときの、添加流と応答パラメータの関
係を示す図。
【図7】実施例5記載の、母体液晶に光反応性液晶材料
と光吸収剤とを添加した液晶組成物の、光照射によるΔ
nの変化率を示す図。
【図8】実施例6記載の、光吸収剤の添加量とΔnの変
化率との関係を示す図。
【図9】実施例7記載の、光吸収剤の添加量とΔnの変
化率との関係を示す図。
【図10】実施例8記載の、表示むらの発生した液晶表
示素子の、表示むらの部分と正常部分の電圧−透過率相
関を示す図。
【図11】実施例10記載の液晶表示装置を示す図。
【図12】実施例11記載の液晶表示素子の単位画素部
の電極群,絶縁膜,配向制御膜の配置を示す平面および
断面を示す模式図。
【図13】比較例1に記載の、紫外線カットフィルター
を用いて液晶注入口を封止した液晶表示素子の、表示む
らの部分と正常部分の電圧−透過率相関を示す図。
【図14】実施例11記載の液晶表示装置の分解斜視
図。
【符号の説明】
1…偏光板、2…位相差板、3…ガラス基板、4…カラ
ーフィルター、5…透明電極、6…配向膜、7…スペー
サー、8…液晶層、9…絶縁膜、10…電極、11…コ
モン電極、12…ゲート電極、13…ゲート絶縁膜、1
4…半導体層、15…ソース及びドレイン電極、16…
コモン電圧供給回路、17…ゲート電圧・信号供給回
路、18…制御信号・データ信号及び電源電圧の供給
源、19…映像信号電極、20…画素電極、21…TF
T素子、22…シールドケース、23…表示窓、24…
液晶表示素子、25…光拡散板、26…導光体、27…
反射板、28…バックライト蛍光管、29…バックライ
トケース、30…インバータ回路基板、31…電源回路
基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝倉 利樹 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 木田 真紀子 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 岩壁 靖 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明な一対の基板と、こ
    の一対の基板間に挟持した液晶層と、前記一対の基板の
    少なくとも一方の基板に形成された配向制御膜とを有
    し、前記一対の基板は樹脂によって張り合わされ、その
    樹脂部に少なくとも一つ以上の液晶を注入するための開
    口部を有した液晶表示装置であって、 前記開口部は光硬化性樹脂によって封止されており、 前記液晶層には光照射によって分子骨格を変換する光反
    応性の液晶化合物と、所定波長においてその吸光係数が
    前記光反応性の液晶化合物よりも大きく、その分子内に
    少なくとも一つ以上の炭素数1〜8のアルキル基,アル
    ケニル基,アルコキシル基を有する有機化合物とが含ま
    れている液晶表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記液晶層中に含有さ
    れる光反応性の液晶化合物においておきる、光照射によ
    る分子骨格変換反応が、トランス−シス異性化反応であ
    る液晶表示装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、光によってトランス−
    シス異性化反応を起こす光反応性の前記液晶化合物はそ
    の分子骨格中に−CF=CF−構造を有している液晶表
    示装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記液晶層中に含まれ
    る光反応性の液晶化合物の含有量が10wt%以上であ
    る液晶表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記液晶層は前記光反
    応性の化合物を含有し、所定特定波長においてその吸光
    係数が前記光反応性の液晶化合物よりも小さな有機化合
    物のみを含有する状態においては、前記ある特定波長光
    を含む光を液晶層に照射前後の液晶層の屈折率異方性Δ
    nの変化率Δn(照射後)/Δn(照射前)が0.94以下
    であることを特徴とする液晶表示素子。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記液晶層内部の前記
    光吸収性有機化合物の濃度は1wt%以上である液晶表示
    装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、光反応性液晶化合物の
    前記光吸収性有機化合物に対する重量濃度比は、10以
    下である液晶表示装置。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記光吸収性有機化合
    物は、分子内に炭素−炭素2重結合もしくは炭素−窒素
    2重結合もしくは窒素−窒素2重結合を7個以上有して
    いる液晶表示装置。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記光吸収性有機化合
    物は、液晶相を有している液晶表示装置。
  10. 【請求項10】請求項7において、前記有機化合物は、
    3−ハイドロキシ−3−フェニル−1−フェニル−2−
    プロペン−1−オン誘導体である液晶表示装置。
  11. 【請求項11】請求項8において前記有機化合物は、ベ
    ンズアルデヒドアジン誘導体である液晶表示装置。
  12. 【請求項12】少なくとも一方が透明な一対の基板と、
    この一対の基板間に挟持した液晶層と、前記一対の基板
    の少なくとも一方の基板に配向制御膜とを有し、前記一
    対の基板が樹脂によって張り合わされ、その樹脂部に少
    なくとも一つ以上の液晶を注入するための開口部を有し
    た液晶表示装置であって、 前記開口部は光硬化性樹脂によって封止されており、 前記液晶層には光照射によって分子骨格を変換する光反
    応性の液晶化合物と、所定波長においてその吸光係数が
    前記光反応性の液晶化合物よりも大きく、その分子内に
    少なくとも一つ以上の炭素数1〜8のアルキル基,アル
    ケニル基,アルコキシル基を有する有機化合物とが含ま
    れており、 前記光反応性の液晶化合物と、前記有機化合物との重量
    濃度比が10以下であり、 前記所定の波長光を含む光の前記液晶層への照射前後の
    前記液晶層の屈折率異方性Δnの変化率が、0.98>
    Δn(照射後)/Δn(照射前)>0.9である液晶表示
    装置。
  13. 【請求項13】少なくとも一方が透明な一対の基板と、
    この一対の基板間に挟持した液晶層と、前記一対の基板
    の少なくとも一方の基板には複数の電極と配向制御膜と
    を備え、前記一対の基板が樹脂によって張り合わされ、
    その樹脂部に少なくとも一つ以上の、液晶を注入するた
    めの開口部を有した液晶表示装置において、 前記開口部は光硬化性樹脂によって封止されており、 前記液晶層には光照射によって分子骨格を変換する光反
    応性の液晶化合物と、所定波長においてその吸光係数が
    前記光反応性の液晶化合物よりも大きく、その分子内に
    少なくとも一つ以上の炭素数1〜8のアルキル基,アル
    ケニル基,アルコキシル基を有する有機化合物とが含ま
    れており、 前記光反応性の液晶化合物と、前記有機化合物の重量濃
    度比が8以下であり、 前記所定の波長光を含む光の前記液晶層への照射前後の
    前記液晶層の屈折率異方性Δn変化率が、0.98>Δ
    n(照射後)/Δn(照射前)>0.94である液晶表示
    装置。
  14. 【請求項14】請求項1,12または13において、前
    記所定特定波長は、前記光硬化樹脂を硬化させるための
    照射光源のピーク輝度の波長である液晶表示装置。
  15. 【請求項15】請求項12において、前記照射光源のピ
    ーク輝度の波長が、254nm,313nm,366nm
    のいずれかである液晶表示装置。
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