JP2000044908A - ホットメルト接着剤組成物およびその塗工方法ならびにそれを用いた使い捨て製品 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物およびその塗工方法ならびにそれを用いた使い捨て製品

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JP2000044908A
JP2000044908A JP11142288A JP14228899A JP2000044908A JP 2000044908 A JP2000044908 A JP 2000044908A JP 11142288 A JP11142288 A JP 11142288A JP 14228899 A JP14228899 A JP 14228899A JP 2000044908 A JP2000044908 A JP 2000044908A
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adhesive composition
melt adhesive
hot melt
rubber
styrene
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JP11142288A
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English (en)
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Naohiro Maeda
直宏 前田
Hisafumi Kuroda
尚史 黒田
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Nippon NSC Ltd
Original Assignee
Nippon NSC Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材(特に、天然ゴム等の弾性体)に対する接
着力に優れ、基材同士を貼り合わせて紙おむつ等を作製
する場合にブロッキング等が生じず、優れた接着力を備
えた紙おむつ等を得ることができるホットメルト接着剤
組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有するホッ
トメルト接着剤組成物により課題を解決する。 (A)熱可塑性ゴム。 (B)スチレン−ブタジエンゴムおよびスチレン−イソ
プレンゴムの少なくとも一方からなるジエン系ゴム。 (C)粘着付与樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙おむつ,生理用
ナプキン等に用いられる基材同士を貼り合わせるホット
メルト接着剤組成物およびその塗工方法ならびにそれを
用いた使い捨て製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、紙おむつ,生理用ナプキン等に
代表される使い捨て製品は、基材にホットメルト接着剤
(HM接着剤)を溶融塗布した後、基材同士を貼り合わ
せることにより製造されている。上記基材としては、不
織布,織布,弾性体(天然ゴム、ポリウレタン系等),
ポリエチレンフィルム,紙類等が用いられており、近年
の紙おむつ等の軽量化等に伴い、基材自身もより薄いも
のが用いられる傾向にある。
【0003】また、上記HM接着剤の塗工方法として
は、例えば、ビード塗工、Tダイ塗工や、幅広く均一に
低目付(重量)塗布が可能なメルトブロータイプの塗工
方法や、エアの圧力で螺旋状にHM接着剤を回転させな
がら塗布するスパイラルスプレー法等が実施されてい
る。そして、上記HM接着剤としては、塗工装置の適性
に応じたHM接着剤が開発され、例えば、α−オレフィ
ン系樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等
をベースポリマーとするオレフィン系HM接着剤が用い
られている(特開昭60−158284号公報等)。
【0004】しかし、上記オレフィン系HM接着剤は、
メルトブロータイプの塗工方法により塗布する場合、塗
工装置ノズル先端より吐出されたHM接着剤が塗布基材
に接する前に固化し、使用するスプレーエアによりHM
接着剤が撒き上がる、いわゆる撒き上がり現象が多く見
られるという難点がある。また、上記オレフィン系HM
接着剤は、スパイラルスプレー法により塗布する場合、
エアによるHM接着剤の回転径が狭いため、HM接着剤
が基材と接触する面積が減少し、基材同士を貼り合わせ
て紙おむつ等を作製した場合に、接着部と非接着部で塗
布基材のうきむらが生じ、商品性能や商品価値を低下す
る等の難点がある。さらには、上記オレフィン系HM接
着剤は、紙おむつ等の基材として用いられる天然ゴム等
の弾性体に対する接着性能が極めて悪く、弾性体の固定
には使用できないという難点がある。
【0005】そこで、これらの問題を解決するため、上
記オレフィン系HM接着剤に代えて、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SBS),スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS),
スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体(SEBS),スチレン−エチレン−プロピレン
−スチレンブロック共重合体(SEPS)等のブロック
共重合体を単独あるいは2種以上混合したものをベース
ポリマーとする合成ゴム系HM接着剤が用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記合
成ゴム系HM接着剤は、メルトブロータイプの塗工方法
により塗布する場合、HM接着剤が粒子状に点在する不
均一な塗布パターンとなり、HM接着剤が粒子状に点在
している部分ではHM接着剤が嵩高となる一方、HM接
着剤が塗工されていない部分が生じる。そして、HM接
着剤が嵩高となった部分では、基材同士を貼り合わせる
際に、嵩高となったHM接着剤が基材を突き抜け、他の
素材に接着する等のブロッキングの問題が生じる。特
に、近年の基材の薄型化に伴い、ブロッキングがより生
じやすい傾向にある。
【0007】また、上記合成ゴム系HM接着剤は、スパ
イラルスプレー法により塗布する場合、通常、塗布され
る接着剤の塗工幅が一定になるようにエア圧力等でコン
トロールされており、エア圧力が高いと設定塗工幅以上
に広がり、接着力低下や機械の汚れ等が生じる。また、
圧力が高すぎると、塗布パターンがみだれ、非接着部が
生じてしまう。そのため、適当なエア圧力になるように
調整しながら生産管理されている。実際、同一塗工幅、
同一塗工量条件下で生産ラインを高速にしていく(基材
のラインスピードを上げる)と、基材のラインスピード
に比べて、エアによるHM接着剤の回転スピードが遅く
なり、基材上に塗工されたHM接着剤のピッチ間隔が広
くなる。その結果、HM接着剤が基材と接触する面積が
減少し、基材同士を貼り合わせて紙おむつ等を作製した
場合に、紙おむつ等の基材同士の接着力が低下するとい
う難点がある。また、基材上に塗工されたHM接着剤が
嵩高くなり、基材同士を貼り合わせる際に、嵩高となっ
たHM接着剤が薄くなった基材を突き抜け、他の素材に
接着する等のブロッキングの問題が生じる。このよう
に、上記合成ゴム系HM接着剤をスパイラルスプレー法
により塗布する場合、生産ラインの高速化に充分に対応
することができないという難点がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、基材(特に、天然ゴム等の弾性体)に対する接
着力に優れ、基材同士を貼り合わせて紙おむつ等を作製
する場合にブロッキング等が生じず、優れた接着力を備
えた紙おむつ等を得ることができるホットメルト接着剤
組成物およびその塗工方法ならびにそれを用いた使い捨
て製品の提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する
ホットメルト接着剤組成物を第一の要旨とする。 (A)熱可塑性ゴム。 (B)スチレン−ブタジエンゴムおよびスチレン−イソ
プレンゴムの少なくとも一方からなるジエン系ゴム。 (C)粘着付与樹脂。
【0010】また、本発明は、上記ホットメルト接着剤
組成物をメルトブロータイプの塗工方法により塗布する
ホットメルト接着剤組成物の塗工方法を第二の要旨と
し、上記ホットメルト接着剤組成物をスパイラルスプレ
ー法により塗布するホットメルト接着剤組成物の塗工方
法を第三の要旨とする。さらに、本発明は、上記ホット
メルト接着剤組成物を用いて基材同士が接着されている
使い捨て製品を第四の要旨とする。
【0011】すなわち、本発明者らは、鋭意研究を重ね
た結果、SBS,SEBS等の熱可塑性ゴムのみをゴム
成分とする従来のホットメルト接着剤組成物は、ゴム成
分として用いるSBS,SEBS等のゴム弾性が強すぎ
るため、メルトブロータイプの塗工方法やスパイラルス
プレー法により塗工する場合に基材上にうまく塗布する
ことができず、基材に対する接着力が劣るという知見を
得た。そこで、さらに研究開発を続けた結果、上記熱可
塑性ゴム(A成分)とともに、スチレン−ブタジエンゴ
ムおよびスチレン−イソプレンゴムの少なくとも一方か
らなるジエン系ゴム(B成分)を併用すると、上記熱可
塑性ゴム(A成分)のゴム弾性を抑制することができ、
メルトブロータイプの塗工方法やスパイラルスプレー法
により塗工する場合に、基材上にうまく塗布することが
できることを突き止めた。その結果、上記熱可塑性ゴム
(A成分)および特定のジエン系ゴム(B成分)ととも
に、上記粘着付与樹脂(C成分)を併用してなるホット
メルト接着剤組成物は、基材(特に、天然ゴム等の弾性
体)に対する接着力に優れ、基材同士を貼り合わせて紙
おむつ等を作製する場合にブロッキング等が生じず、優
れた接着力を備えた紙おむつ等を得ることができること
を見出し、本発明に到達した。
【0012】そして、本発明のホットメルト接着剤組成
物をメルトブロータイプの塗工方法により塗布すると、
HM接着剤が粒子状に点在するような不均一な塗布パタ
ーンを改善することができる。
【0013】また、本発明のホットメルト接着剤組成物
は、スパイラルスプレー法により吹き付ける際のエア圧
力を大きしても飛散せず、エアによるHM接着剤の回転
スピードを速くすることができるため、生産ラインの高
速化に充分に対応することができる。その結果、基材上
に塗工されたHM接着剤のピッチ間隔が狭くなり、HM
接着剤が基材と接触する面積が増大し、基材同士を貼り
合わせて紙おむつ等を作製した場合に、紙おむつ等の接
着力が向上するとともに、塗工されたHM接着剤が嵩高
くなることを防止できるためブロッキング等を解消でき
る。
【0014】さらに、本発明のホットメルト接着剤組成
物を用いて基材同士を接着してなる使い捨て製品は、従
来の使い捨て製品に比べて接着性に優れている。特に基
材の少なくとも一方に天然ゴムを用いてなる紙おむつに
用いた場合は、従来の紙おむつに比べて接着性が飛躍的
に向上するようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0016】本発明のホットメルト接着剤組成物は、熱
可塑性ゴム(A成分)と、特定のジエン系ゴム(B成
分)と、粘着付与樹脂(C成分)とを用いて製造するこ
とができる。
【0017】上記熱可塑性ゴム(A成分)としては、通
常のホットメルト接着剤組成物に用いられるものであれ
ば特に限定はなく、例えばスチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体(SBS),スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体(SIS),スチレン−
エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(S
EBS),スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン
ブロック共重合体(SEPS)等のトリブロック共重合
体を主骨格とするものがあげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。なかでも、上記特定
のジエン系ゴム(B成分)との相溶性に優れる点で、S
BS、SISが特に好ましい。
【0018】上記熱可塑性ゴム(A成分)の含有量は、
ホットメルト接着剤組成物全体の5〜30重量%(以下
「%」と略す)に設定することが好ましく、特に好まし
くは10〜20%である。すなわち、上記A成分の含有
量が5%未満であると、高温での接着力が弱くなる恐れ
があり、逆に30%を超えると、塗布作業性に劣る傾向
が見られるからである。
【0019】上記熱可塑性ゴム(A成分)とともに用い
られる特定のジエン系ゴム(B成分)としては、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)およびスチレン−イソプ
レンゴム(SIR)の少なくとも一方が用いられる。
【0020】上記特定のジエン系ゴム(B成分)の含有
量は、ホットメルト接着剤組成物全体の30%以下に設
定することが好ましく、より好ましくは2〜25%、特
に好ましくは5〜20%である。すなわち、上記B成分
の含有量が30%を超えると、高温での接着力が弱くな
る恐れがあるからである。
【0021】上記特定のジエン系ゴム(B成分)は、ス
チレン含有量(以下「スチレン量」と略す)が50%以
下が好ましく、より好ましくは10〜50%、特に好ま
しくは13〜46%である。すなわち、上記スチレン量
が50%を超えると、低温での接着力が弱くなる恐れが
あるからである。また、上記特定のジエン系ゴム(B成
分)は、25%トルエン粘度が8万cps以下が好まし
く、より好ましくは2万cps以下、特に好ましくは1
万cps以下である。すなわち、上記25%トルエン粘
度が8万cpsを超えると、塗布作業性に劣る傾向が見
られるからである。
【0022】上記熱可塑性ゴム(A成分)および特定の
ジエン系ゴム(B成分)とともに用いられる粘着付与樹
脂(C成分)としては、通常のホットメルト接着剤組成
物に用いられるものであれば特に限定されるものではな
く、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天
然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセ
ロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエ
ステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、
水添ロジンのペンタエリスリトール、天然テルペンのコ
ポリマー、天然テルペンの三次元ポリマー、天然テルペ
ンのコポリマーの水素化誘導体、天然テルペンの三次元
ポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノー
ル系変性テルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂
の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油
炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹
脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪
族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水
素化誘導体等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。これら粘着付与樹脂(C成
分)のなかでも、臭気がなく熱安定性が良好であるとい
う点で、樹脂等の水素化誘導体が好ましい。また、本発
明のホットメルト接着剤組成物が生理用ナプキン等の衛
生用品に使用される場合、上記粘着付与樹脂(C成分)
は無色または白色であり、かつ実質的に無臭であること
が好ましい。なお、本発明において、実質的に無臭と
は、日本衛生材料工業会の自主規制において示されるよ
うに、臭気が殆どないことをいう。
【0023】上記粘着付与樹脂(C成分)の含有量は、
ホットメルト接着剤組成物全体の30〜70%に設定す
ることが好ましく、特に好ましくは45〜65%であ
る。すなわち、上記C成分の含有量が30%未満である
と、ホットメルト接着剤の粘着性および接着性が低下
し、逆に70%を超えると、ホットメルト接着剤が脆く
なって低温接着性が悪くなるおそれがあるからである。
【0024】本発明のホットメルト接着剤組成物には、
ホットメルト接着剤の溶融粘度の低下、柔軟性の付与、
接着力の調整等を目的として、可塑剤を配合することも
できる。このような可塑剤としては、可塑化オイルを用
いることが好ましく、例えば、パラフィン系オイル、ナ
フテン系オイル、芳香族系オイル等があげられる。この
なかでも、無色で実質的に無臭であるパラフィン系オイ
ルが好ましい。上記可塑剤の含有量は、ホットメルト接
着剤組成物全体の30%以下に設定することが好まし
く、特に好ましくは25%以下である。
【0025】なお、本発明のホットメルト接着剤組成物
には、上記A〜C成分に加えて、通常のホットメルト接
着剤組成物に用いられる各種添加剤を適宜選択し配合し
てもよい。このような添加剤としては、例えば経済性お
よび実用上の観点から、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が
あげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用
いられる。
【0026】上記酸化防止剤としては、フェノール系酸
化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が
好ましい。上記酸化防止剤の含有量は、ホットメルト接
着剤組成物全体の0.1〜4%に設定することが好まし
く、特に好ましくは0.3〜2%である。
【0027】上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤や、2−(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤等が好ましい。上記紫外線吸収剤の含
有量は、ホットメルト接着剤組成物全体の0.1〜4%
に設定することが好ましく、特に好ましくは0.3〜2
%である。
【0028】そして、本発明のホットメルト接着剤組成
物は、例えば上記各成分を溶融撹拌混合釜等に入れ、所
定温度に加熱して混合すること等によって調製すること
ができる。
【0029】本発明の使い捨て製品は、上記ホットメル
ト接着剤組成物を用いて、不織布、織布、弾性体(天然
ゴム等)、紙、ポリエチレンフィルム等の基材同士を、
従来公知の方法により接着することにより、製造するこ
とができる。上記使い捨て製品としては、特に限定はな
く、例えば紙おむつ、生理用ナプキン、病院用ガウン、
手術用白衣、ガーゼ、ペットシーツ等があげられる。な
かでも、紙おむつのレッグギャザー部(エラスチック
部)に用いられる天然ゴムの接着に用いることが好まし
い。
【0030】上記ホットメルト接着剤組成物の塗工方法
としては、特に限定するものではないが、メルトブロー
タイプの塗工方法や、スパイラルスプレー法等が好まし
い。
【0031】上記メルトブロータイプの塗工方法に用い
る塗工装置としては、例えば、サンツール社製のカーテ
ンスプレー塗工装置、ノードソン社製のスロットスプレ
ー塗工装置、ITWダイナテック社製のダイナファイバ
ー塗工装置、J&Mラボラトリーズ社製のメルトブロー
ン塗工装置等があげられる。また、上記スパイラルスプ
レー法に用いる塗工装置としては、例えば、ノードソン
社製のスパイラルスプレー塗工装置、サンツール社製の
スパイラルスプレー塗工装置(DH−5、VSO等)、
J&Mラボラトリーズ社製のスパイラルスプレー塗工装
置等があげられる。
【0032】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0033】
【実施例1〜9、比較例1〜6】下記の表1〜表3に示
す各成分を同表に示す割合で配合し、約150℃で溶融
混練することにより、目的とするホットメルト接着剤組
成物を調製した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】このようにして得られた実施例および比較
例のホットメルト接着剤組成物を用いて、下記の基準に
従い各特性の評価を行った。その結果を、後記の表4〜
表6に併せて示した。
【0038】〔熱安定性〕 色相 180℃の雰囲気下に72時間放置したホットメルト接
着剤組成物の色相を目視で判定した。そして、白色およ
び不均一に着色したものを「分離」といい、評価を×と
した。
【0039】 臭気 上記色相の観察と同様にして熱履歴を与えたホットメル
ト接着剤組成物の臭気を官能テスト(パネラー10名)
によって評価した。なお、評価結果は以下のように表示
した。 ○:6名以上のパネラーが無臭と感じる ○〜△:6名以上のパネラーが実質的に無臭と感じる △:6名以上のパネラーがやや臭気があると感じる
【0040】〔カーテンスプレー適性〕厚み25μmの
PETフィルム上に、塗工装置(カーテンスプレー塗工
装置、サンツール社製)を用いて上記ホットメルト接着
剤組成物をカーテンスプレー法により塗工し、以下のよ
うにして粒子状物および撒き上がり現象を観察した。な
お、カーテンスプレー法による塗工条件は、下記のとお
りである。 (塗工条件) 塗工温度:140℃、150℃または160℃ 吐出量:5cc/分 ガンヘッド幅:210mm 吐出幅:50mm エア吐出幅:70mm ホットエア温度:180℃ ホットエア圧力:1.0kg/cm2
【0041】 粒子状物 塗工装置ノズル先端より吐出されたホットメルト接着剤
が、粒子状になって塗布基材に接する、いわゆる粒子状
物の有無を肉眼で観察した。なお、評価結果は以下のよ
うに表示した。 ○:粒子状物が生じない ○〜△:粒子状物が殆ど生じない △:粒子状物が若干量点在する ×:明らかに粒子状物が点在する
【0042】 撒き上がり現象 塗工装置ノズル先端より吐出されたホットメルト接着剤
が、粒子状になって塗布基材に接する前に固化し、使用
するスプレーエアによりホットメルト接着剤が撒き上が
ってしまう、いわゆる撒き上がり現象の有無を肉眼で観
察した。そして、撒き上がり現象が生じなかったものを
○として表示した。
【0043】〔接着力〕厚み50μmのPETフィルム
上に、上記ホットメルト接着剤組成物をカーテンスプレ
ー法により塗工した後、厚み100μmのPEフィルム
を貼り合わせサンプルを作製した。なお、カーテンスプ
レー法による塗工条件は、上記カーテンスプレー適性に
よる塗工条件と同様である。そして、このサンプルを用
いてT型剥離試験(引張速度:300mm/分、測定温
度:常温および40℃)を行い、その時の接着力を測定
した。なお、評価結果は以下のように表示した。 ◎:1500(g/25mm)以上 ○:1000(g/25mm)を超え、1500(g/
25mm)未満 △:500(g/25mm)を超え、1000(g/2
5mm)未満 ×:500(g/25mm)以下
【0044】〔天然ゴム固定性〕紙おむつのレッグギャ
ザー部(エラスチック部)に用いられる天然ゴムに対す
る固定性を評価した。すなわち、厚み30μmのPEフ
ィルム上に、上記ホットメルト接着剤をカーテンスプレ
ー法により塗工した後、厚み250μmの天然ゴムおよ
び不織布を貼り合わせた。なお、カーテンスプレー法に
よる塗工条件は、上記カーテンスプレー適性による塗工
条件と同様であり、サンプルの作製は、天然ゴムを2.
5倍に延伸した状態で行った。そして、上記サンプルを
完全に延伸した状態でダンボール板に固定し、天然ゴム
の長さが200mmになる所で切断した後、所定温度
(常温、40℃)雰囲気下で、60分間放置し、その時
の天然ゴムの長さを測定した。なお、評価結果は以下の
ように表示した。 ◎:150mm以上 ○:120mmを超え150mm未満 △:100mmを超え120mm未満 ×:100mm以下
【0045】<総合評価>熱安定性、カーテンスプレー
適性、接着力および天然ゴム固定性のすべての特性を総
合的に評価し、○、○〜△、△、×の4段階の評価を行
った。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】上記表4〜表6の結果から、各実施例のホ
ットメルト接着剤組成物は、熱安定性、カーテンスプレ
ー適性、接着力および天然ゴム固定性のすべての特性に
優れていることがわかる。これに対して、各比較例のホ
ットメルト接着剤組成物は、熱安定性、カーテンスプレ
ー適性、接着力および天然ゴム固定性のいずれかの特性
に劣ることがわかる。
【0050】つぎに、上記実施例3〜5,実施例7およ
び比較例3のホットメルト接着剤組成物を用いて、下記
の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を
後記の表7に併せて示した。
【0051】〔スパイラルスプレー適性〕所定厚みのP
ETフィルム上に、塗工装置(スパイラルスプレー塗工
装置、ノードソン社製)を用いて、上記ホットメルト接
着剤組成物をスパイラルスプレー法により塗工した。そ
して、長さ100mmにおけるHM接着剤組成物の巻数
(スパイラル数)を数え、ピッチ間隔(平均値)を算出
した。なお、スパイラルスプレー法による塗工条件は、
下記のとおりである。 (塗工条件) 塗工温度:ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度が約4
000CPSになる温度(150〜170℃) 吐出量:56g/分 ラインスピード:140m/分 塗工幅:20mm ガン高さ:75mm ホットエア温度:180℃ ホットエア圧力:塗工幅が20mmになるように調整し
【0052】〔接着力〕厚み25μmのPETフィルム
上に、上記ホットメルト接着剤組成物をスパイラルスプ
レー法により塗工した後、厚み25μmのPEフィルム
を貼り合わせてサンプルを作製した。なお、スパイラル
スプレー法による塗工条件は、上記スパイラルスプレー
適性の塗工条件と同様である。そして、このサンプルを
用いて上記と同様にして接着力を測定し、評価を行っ
た。
【0053】〔天然ゴム固定性〕塗工方法をカーテンス
プレー法に代えてスパイラルスプレー法に変更する以外
は、前記と同様に天然ゴム固定性の評価を行った。な
お、スパイラルスプレー法による塗工条件は、上記スパ
イラルスプレー適性の塗工条件と同様である。
【0054】
【表7】
【0055】上記表7の結果から、実施例品は、比較例
品に比べてピッチ間隔が遙かに狭く、基材に対する接着
面積が大きいため、接着力が高いことがわかる。また、
天然ゴムに対するホットメルト接着剤組成物の接着面積
が大きくなり、天然ゴム固定性が向上することがわか
る。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明のホットメルト接
着剤組成物は、熱可塑性ゴム(A成分)とともに、スチ
レン−ブタジエンゴムおよびスチレン−イソプレンゴム
の少なくとも一方からなるジエン系ゴム(B成分)を併
用しているため、上記熱可塑性ゴム(A成分)のゴム弾
性を抑制することができ、メルトブロータイプの塗工方
法やスパイラルスプレー法により塗工する場合に、基材
上にうまく塗布することができる。その結果、本発明の
ホットメルト接着剤組成物は、基材(特に、天然ゴム等
の弾性体)に対する接着力に優れ、基材同士を貼り合わ
せて紙おむつ等を作製する場合にブロッキング等が生じ
ず、優れた接着力を備えた紙おむつ等を得ることができ
る。
【0057】そして、本発明のホットメルト接着剤組成
物をメルトブロータイプの塗工方法により塗布すると、
HM接着剤が粒子状に点在するような不均一な塗布パタ
ーンを改善することができる。
【0058】また、本発明のホットメルト接着剤組成物
は、スパイラルスプレー法により吹き付ける際のエア圧
力を大きくしても飛散せず、エアによるHM接着剤の回
転スピードを速くすることができるため、生産ラインの
高速化に充分に対応することができる。その結果、基材
上に塗工されたHM接着剤のピッチ間隔が狭くなり、H
M接着剤が基材と接触する面積が増大し、基材同士を貼
り合わせて紙おむつ等を作製した場合に、紙おむつ等の
接着力が向上するとともに、塗工されたHM接着剤が嵩
高くなることを防止できるためブロッキング等を解消で
きる。
【0059】さらに、本発明のホットメルト接着剤組成
物を用いて基材同士を接着してなる使い捨て製品は、従
来の使い捨て製品に比べて接着性に優れている。特に基
材の少なくとも一方に天然ゴムを用いてなる紙おむつに
用いた場合は、従来の紙おむつに比べて接着性が飛躍的
に向上するようになる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 201/00 C09J 201/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するこ
    とを特徴とするホットメルト接着剤組成物。 (A)熱可塑性ゴム。 (B)スチレン−ブタジエンゴムおよびスチレン−イソ
    プレンゴムの少なくとも一方からなるジエン系ゴム。 (C)粘着付与樹脂。
  2. 【請求項2】 上記(A)〜(C)成分に加えて、さら
    に可塑剤を含有する請求項1記載のホットメルト接着剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 上記(A)成分である熱可塑性ゴムが、
    スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およ
    びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の
    少なくとも一方である請求項1または2記載のホットメ
    ルト接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 上記(B)成分であるジエン系ゴムの含
    有量が、ホットメルト接着剤組成物全体の30重量%以
    下である請求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト
    接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 上記(B)成分であるジエン系ゴムは、
    スチレン含有量が50重量%以下で、かつ、25%トル
    エン粘度が8万cps以下である請求項1〜4のいずれ
    かに記載のホットメルト接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のホット
    メルト接着剤組成物をメルトブロータイプの塗工方法に
    より塗布することを特徴とするホットメルト接着剤組成
    物の塗工方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載のホット
    メルト接着剤組成物をスパイラルスプレー法により塗布
    することを特徴とするホットメルト接着剤組成物の塗工
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載のホット
    メルト接着剤組成物を用いて基材同士が接着されている
    ことを特徴とする使い捨て製品。
  9. 【請求項9】 上記基材のうち少なくとも一方は天然ゴ
    ムである請求項8記載の使い捨て製品。
  10. 【請求項10】 上記ホットメルト接着剤組成物が、メ
    ルトブロータイプの塗工方法およびスパイラルスプレー
    法の少なくとも一つの方法により塗布されている請求項
    8または9記載の使い捨て製品。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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