JP2000044302A - 高比重木質セメント板および複層高比重木質セメント板ならびにその製造方法 - Google Patents
高比重木質セメント板および複層高比重木質セメント板ならびにその製造方法Info
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Abstract
セメント板を提供することを課題とする。 【解決手段】木質セメント板に木質補強材として使用す
る微細木質繊維に木片を添加することによって、乾式法
においてフォーミングされるマットを高密度として型崩
れを防止し、そしてマットのプレス時に圧縮比を小さく
して生産性を高め、製品には良好な靱性を付与する。
Description
使用される高比重木質セメント板および複層高比重木質
セメント板ならびにその製造方法に関するものである。
て、パルプ繊維を補強材として使用した繊維補強セメン
ト板が提供されている(特開平4−367555号)。
上記繊維補強セメント板を製造するには、セメントとパ
ルプ繊維とを含有する原料混合物を成形ベルト上に層状
に供給し、加水の上プレスして板状に成形し、該成形物
を所定形状に切出して養生硬化させる乾式法が適用され
ている。
は、パルプ繊維を使用するために原料混合物が低密度に
なる。したがって高比重の製品を得るためには成形ベル
ト上に層状に供給される原料混合物の量を増やす必要が
あり、原料混合物層が厚く嵩高くなる。このために原料
混合物層が崩れ易くなり、またプレスの際の圧縮比が大
きくなり、プレス装置の上下ストロークが大きくなって
生産性が悪くなると言う問題点があった。またパルプ繊
維を使用すると原料混合物の集塊が生じ易く、製品にむ
らを生じてクラックが生じるおそれがある。
を解決するための手段として、微細木質繊維と木片とセ
メントとを含有する混合物の硬化物からなり、全体の比
重が1.4g/cm3 以上である高比重木質セメント板を
提供するものであり、該微細木質繊維は長径5mm以下、
短径0.5mm以下、厚み0.1mm以下の粉体パルプであ
り、該木片は長径1.0〜35mm、短径0.5〜8.0
mm、厚み0.05〜2.0mmの寸法を有することが望ま
しい。更に本発明では上記高比重木質セメント板を基層
とし、該基層の表面および/または裏面に、微細木質繊
維とセメントとを含有する混合物の硬化物からなる表層
を設けた複層高比重木質セメント板が提供される。
する。 〔微細木質繊維〕本発明に用いられる微細木質繊維と
は、主として針葉樹から得られ通常長径5mm以下、短径
0.5mm以下、厚み0.1mm以下の大きさのものが用い
られる。該微細木質繊維の長径が5mmを越えた場合およ
び/または短径が0.5mmを越えた場合および/または
厚みが0.1mmを越えた場合は表層の緻密性が低下し、
吸水性、吸湿性が大きくなって耐凍結融解性能が低下す
るおそれがある。また上記微細木質繊維の長径が5mmを
越えた場合には、繊維が糸まり状になったり繊維相互が
絡み易くなり、原料混合物を攪拌して均一に混合するこ
とが困難になり、原料混合物中に集塊が生じ易くなり、
かつ後記する乾式法による製造の際に、基板上に原料混
合物を散布してマットをフォーミングする場合にほぐれ
にくゝ、散布に支障をきたし均一なマットをフォーミン
グすることが出来なくなるおそれがある。望ましい微細
木質繊維としては、シート状のパルプ集塊をターボミル
等で粉砕したいわゆる粉体パルプが望ましい。該粉体パ
ルプを使用すると、原料混合物を均一に混合することが
容易になり、したがって原料混合物中に集塊が生ぜず、
また非常に散布し易くなる。更に針葉樹の晒しクラフト
パルプ(NBKP)のような粉体パルプにおいては木材
に含まれる糖質等のセメント硬化阻害物質の大部分が除
去されているので、粉体パルプを使用すればセメント硬
化阻害が起きにくい。
として針葉樹から得られ通常長径1.0〜35mm、望ま
しくは5〜20mm、短径0.5〜8.0mm、望ましくは
0.5〜5mm、厚み0.05〜2.0mm望ましくは0.
1〜0.5mm程度の大きさのものが用いられる。該木片
の長径が1.0mm未満の場合、短径が0.5mm未満の場
合、あるいは厚みが0.05mm未満の場合には、セメン
トマトリックスのつなぎ作用が顕著でなくなり補強効果
が低下し、また木片の長径が35mmを越える場合、短径
が8mmを越える場合、あるいは厚みが2mmを越える場合
には、原料混合物マットが嵩高くなり過ぎて比重が1.
4g/cm3 以上の高密度の製品が得られにくい。
としては、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリ
カセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメン
ト等のセメント類等がある。
記セメントと共にケイ酸含有物質を併用することが望ま
しい。上記ケイ酸含有物質としては、例えば砂、砂利、
砕石、ケイ砂、ケイ石の粉末、シリカヒューム、高炉ス
ラグ、フライアッシュ、シラスバルーン、パーライト等
のケイ酸含有物質等が例示される。
おいては、二水石膏、半水石膏、無水石膏、消石灰、生
石灰等の活性石灰含有物質、例えばワラストナイト、セ
ピオライト、ガラス繊維、ロックウール等の無機繊維、
例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維、水ガラス、
硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム
等の単独または二種以上の混合物からなる硬化促進剤、
あるいは極く少量の添加によってセメント硬化促進作用
を示すアルミナセメントのような添加剤、ポリビニルア
ルコール、カルボキシメチルセルロース等の水性糊料、
スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル樹脂エマル
ジョン等の合成樹脂エマルジョンの強化剤、ワックス、
パラフィン、シリコン、高級脂肪酸の金属塩等の撥水剤
等が混合されてもよい。
質補強材としての微細木質繊維と木片との混合比は、通
常90:10〜10:90重量比、更に望ましくは6
0:40〜40:60重量比とする。木片が上記混合比
率を下回ると原料混合物のマットが嵩高くなり崩れ易
く、また木片が上記混合比率を上回ると、高密度製品を
得ることが困難になり、経年劣化によって製品表面に存
在する木片に剥離現象が起り易くなり、また表面が粗に
なって吸水あるいは吸湿し易く、耐凍結融解性が悪くな
るおそれがある。更に木片から溶出するセメント硬化阻
害物質の量が増加して、セメント硬化阻害が惹起される
おそれもある。
材は、原料混合物中に2〜10重量%、望ましくは3〜
8重量%、更に望ましくは4〜6重量%程度添加され
る。該混合木質補強材の添加量が2重量%未満であると
補強効果が充分でなく、また10重量%を越えると高密
度の製品を得ることが困難になり、耐水耐湿性、寸法安
定性、耐凍結融解性、更には不燃性等に悪影響が出て来
るし、該混合木質補強材中の木片から溶出するセメント
硬化阻害物質によってセメントの硬化が阻害されるおそ
れもある。
合には、該セメントと該ケイ酸含有物質との混合比率は
オートクレーブ養生を行なう場合には通常40:60〜
60:40重量比、自然養生を行なう場合には通常7
0:30〜90:10重量比とされる。硬化促進剤、撥
水剤等のその他の原料は通常原料混合物中に数重量%程
度、あるいは1重量%以下の量で添加される。
0重量部が添加され混合される。上記水は添加混合物を
攪拌しながら水をスプレーすることによって行なうこと
が望ましい。このような添加方法によれば、混合物中に
集塊が形成されにくい。
て、基層の上に更に表層を設ける場合には、微細木質繊
維は原料混合物中に通常1〜10重量%、望ましくは4
〜6重量%程度添加される。該微細木質繊維の添加量が
1重量%未満であると表面が脆くクラックが入り易いと
共に層厚が充分でなく、圧締圧縮比が大きくならないの
で、緻密かつ平滑な表面が得られにくゝなる。また10
重量%を越えると耐水耐湿性、寸法安定性、不燃性等に
悪影響が出て来る。上記微細木質繊維−セメント混合物
には基層用原料混合物と同様に水、所望なればその他の
原料が混合され、表層用原料混合物が調製される。
メント板を製造するには乾式法が適用される。乾式法に
おいては先ず、表層と基層とからなる複層にする場合に
は、表層用原料混合物を搬送板、あるいは型板等の基板
上に散布して表層マットをフォーミングし、更にその上
から基層用原料混合物を散布して基層マットをフォーミ
ングする。上記マットのフォーミング工程において、表
層用原料混合物の散布量と基層用原料混合物の散布量と
の割合は通常1:1〜1:6重量比、望ましくは1:1
〜1:2.5重量比に設定される。
物を散布して表層マットをフォーミングしてもよい。こ
の場合の散布量は最下層の表層マットの場合と同様であ
る。この場合には基層マットの下側(最下層)の表層マ
ットが表側、基層マットの上側の表層マットが裏側とな
る。そして該基板の表面にはエンボス模様を付しておい
てもよい。
層用原料混合物を直接基板に散布してマットをフォーミ
ングする。
層)マットは通常25〜200kg/cm2 程度の高圧で圧
締し、常温で24時間以下の予備硬化、もしくは50〜
80℃、5〜10時間加熱して予備硬化される。圧締養
生後は該予備硬化物をオートクレーブ養生、高温養生、
あるいは自然養生により硬化させ、更に加熱乾燥あるい
は自然乾燥により乾燥させる。その後所望なれば得られ
た木質セメント板に塗装、撥水処理等を施こしてもよ
い。このようにして得られた本発明の木質セメント板は
通常密度が1.4g/cm3以上、望ましくは1.6g/c
m3 以上、更に望ましくは1.8〜2.0g/cm3の高密
度を有し、表層あるいは表層と基層とは緻密であり、高
強度かつ耐久性、耐水耐湿性および寸法安定性を有す
る。上記密度が1.4g/cm3 以下であると製品の吸水
吸湿性が大きくなり、寸法安定性や耐凍結融解性能、ひ
いては耐候性や耐久性が悪くなる。
材として、微細木質繊維に木片を添加するから、原料混
合物中に集塊が形成されにくゝなり、また原料混合物の
密度が高くなって、フォーミングされるマットが嵩高く
ならず、マットの型崩れが阻止され、また高比重製品を
得るためのプレスによる圧縮比も大きくならず、生産性
が向上する。そして該木片は製品の靱性を向上させて脆
さを改善し、曲げ強度や耐衝撃性に優れた製品を与え
る。また表層と基層の複層構造にする場合には、表面が
更に緻密な製品が得られ、表層と基層との原料構成が近
似しているために、層間密着性が向上し両層が一体化す
る。そのために板の変化に対して両層が一体的に追従
し、寸法安定性が向上する。
メント板) 表1に示す組成の原料混合物を基板上に17kg/m2 の
割合で散布してマットをフォーミングした。
して50℃に加熱して8時間放置することによって予備
硬化せしめ、その後脱型して4日間常温状態に放置して
養生を行なった。この自然養生によって略完全に硬化せ
しめたものを試料とする。該試料の物性測定結果を表2
に示す。
マットが嵩高くならず、型崩れもみられず、高比重高強
度かつ耐水耐湿性、寸法安定性、耐凍結融解性に優れた
ものが得られるが、木片を添加しない比較例1ではマッ
ト厚が増大して嵩高となり、マットの両端部に型崩れが
みられ、またヤング率が高く脆くなっていることが認め
られ、更に木片のみを木質補強材として使用した比較例
2の場合には、試料の表面に木片の剥離現象がみられ
る。
m2 の割合で散布して表層マット(表面)をフォーミン
グし、該表層マット上に更に表3に示す組成の基層原料
混合物を17kg/m2 の割合で散布して基層マットをフ
ォーミングし、更に該基層マット上に同じ表層原料混合
物を同じ量散布して表層マット(裏面)をフォーミング
した。
して50℃に加熱して8時間放置することによって予備
硬化せしめ、その後脱型し1週間常温状態に放置して養
生を行なった。この自然養生によって完全硬化せしめた
ものを試料とする。該試料の物性測定結果を表4に示
す。
高密度高強度でありかつ良好な靱性(低ヤング率)と寸
法安定性を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】微細木質繊維と木片とセメントとを含有す
る混合物の硬化物からなり、全体の比重が1.4g/cm
3 以上であることを特徴とする高比重木質セメント板 - 【請求項2】該微細木質繊維は長径5mm以下、短径0.
5mm以下、厚み0.1mm以下の粉体パルプであり、該木
片は長径1.0〜35mm、短径0.5〜8.0mm、厚み
0.05〜2.0mmの寸法を有する請求項1に記載の高
比重木質セメント板 - 【請求項3】該木片および微細木質繊維は該混合物中に
10重量%以下の量で含まれる請求項1または2に記載
の高比重木質セメント板 - 【請求項4】請求項1または2の高比重木質セメント板
を基層とし、該基層の表面および/または裏面に、微細
木質繊維とセメントとを含有する混合物の硬化物からな
る表層を設けたことを特徴とする複層高比重木質セメン
ト板 - 【請求項5】微細木質繊維と木片とセメントとを含有す
る原料混合物を基板上に散布してマットとし、該マット
を水分存在下に圧締養生硬化せしめることを特徴とする
請求項1または2に記載の高比重木質セメント板 - 【請求項6】微細木質繊維とセメントとを含有する原料
混合物を基板上に散布して表層マットとし、該表層マッ
ト上に微細木質繊維と木片とセメントとを含有する原料
混合物を散布して基層マットとし、該複層マットを水分
存在下に圧締養生硬化せしめることを特徴とする請求項
4に記載の複層高比重木質セメント板の製造方法 - 【請求項7】該基層マット上には更に微細木質繊維とセ
メントとを含有する原料混合物を散布して表層マットと
する請求項6に記載の複層高比重木質セメント板の製造
方法
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---|---|---|---|---|
JP2003020742A (ja) * | 2001-07-04 | 2003-01-24 | Koa Funenban Kogyo Kk | 耐火性建築材料 |
JP2004511675A (ja) * | 2000-10-17 | 2004-04-15 | ジェイムズ ハーディー リサーチ ピーティーワイ.リミテッド | 繊維強化セメント複合材料製造用のセルロース繊維中の不純物を減少させるための方法および装置 |
US7993570B2 (en) | 2002-10-07 | 2011-08-09 | James Hardie Technology Limited | Durable medium-density fibre cement composite |
US8333836B2 (en) | 2003-01-09 | 2012-12-18 | James Hardie Technology Limited | Fiber cement composite materials using bleached cellulose fibers |
-
1998
- 1998-07-30 JP JP21558198A patent/JP4043107B2/ja not_active Expired - Fee Related
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