JP2000041613A - 乾燥調味料の製造方法、乾燥調味料及びその利用 - Google Patents

乾燥調味料の製造方法、乾燥調味料及びその利用

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JP2000041613A JP10215709A JP21570998A JP2000041613A JP 2000041613 A JP2000041613 A JP 2000041613A JP 10215709 A JP10215709 A JP 10215709A JP 21570998 A JP21570998 A JP 21570998A JP 2000041613 A JP2000041613 A JP 2000041613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱劣化を生じることなく、醤油、味噌等、醸造
物(但し、酒類は除く。)及び/又は蛋白分解物を含有
する調味料が本来有する特有の風味や呈味、即ち風味成
分や呈味成分を殆ど散逸することなくそのまま保持した
状態で当該調味料を乾燥できる乾燥方法により乾燥調味
料を製造し、更にこのように製造された乾燥製品がその
まま乾燥調味料として使用され、又他の調味料、食品等
へ配合したときの均一配合性に優れている乾燥調味料の
製造方法及びその乾燥製品を開発、提供する。 【解決手段】醸造物及び/又は蛋白分解物を含有する調
味料を、真空ドラムドライヤーを使用して減圧、低温下
に特に短時間乾燥することにより、当該調味料特有の風
味及び呈味の散逸が全く認められず、熱劣化も防止で
き、均一配合性にも優れた乾燥調味料を製造することが
できる。 又、得られた乾燥調味料はそれ自体粉末調味料
として使用でき、更に、スープ、加工食品等調味料その
他の食品に配合が容易であり、食品分野で広く利用可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規乾燥調味料の
製造方法、詳しくは風味、呈味を維持した乾燥醸造調味
料(但し、酒類は除く。)及び蛋白分解調味料の新規製
造方法、より詳しくは真空ドラムドライヤーにより減圧
(真空も含む。)、低温下に当該醸造物及び/又は蛋白
分解物を含有する調味料を乾燥して、好ましくは短時間
乾燥で乾燥調味料を製造する方法、及びこの方法により
製造される、熱劣化を起こさず、被乾燥物として使用す
る調味料特有の風味及び呈味を維持、保持した乾燥調味
料に関する。
【0002】本発明で得られる乾燥調味料はそれ自体粉
末調味料として使用できるが、均一配合性に優れている
ので他の調味料や各種の食品等に容易に均質に配合、使
用することができる。
【0003】
【従来の技術】乾燥醤油、例えば粉末醤油は、それ自体
粉末醤油として使用され運搬、保存に便利である。又、
他の調味料、食品等への配合等幅広く利用されている。
【0004】従来から、粉末醤油を製造する方法とし
て、スプレードライヤーによる乾燥法、真空連続ベルト
式乾燥機による乾燥法及び凍結乾燥機による乾燥法等が
知られている。
【0005】一方、乾燥味噌は、同様にそれ自体粉末味
噌として使用され運搬、保存に便利である。又、他の調
味料、食品等への配合等幅広く利用されている。
【0006】乾燥された製品としては粉末状、薄片状、
シート状等何れの形態でもよいが、粉末状で使用される
ことが多く、それ自体粉末醤油、粉末味噌として、更に
他の調味料等に使用又は配合される。
【0007】上記従来法による乾燥品は何れも何らかの
課題を有している。例えば、醤油の場合、工業生産可能
で、低コストに製造できること、乾燥に際して熱劣化や
褐変臭が殆ど生じないこと、特に醤油として必要な風味
成分や呈味成分が乾燥条件下に消失しないこと、即ち被
乾燥物として使用する例えば醤油が本来有する特有の風
味や呈味を散逸することなく保持していること、スープ
等に配合する等の関係で溶解性に優れていること、及び
他の調味料や各種食品等に対して容易に均一配合できる
配合性に優れていること等が要求されるが、これ等大部
分の要求を満たす乾燥法は見当たらない。今後は、均一
醤油に限らず、不均一醤油、例えば植物磨砕物や固形成
分等を含んだ醤油の優れた調味料の乾燥製品も期待され
る。
【0008】一方、乾燥味噌の場合、これまでは一般に
は凍結乾燥法によって行われることが多かったが、生産
性が悪く製造コストが高いといった問題が見られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】スプレードライヤーに
よる乾燥法によれば、安価であり経済性の上では好まし
いが、風味の散逸や焦げ臭を含む等熱劣化が甚だしく、
被乾燥物の醤油、味噌等が本来有する風味や呈味が散逸
して十分に乾燥製品に保持されず調味料製品の乾燥に使
用するには、品質的に不十分である。
【0010】真空連続ベルト式乾燥機による乾燥法によ
れば、スプレードライヤーによる乾燥法に比べると熱劣
化が少ないものの長時間を要する乾燥のためやはり熱劣
化は避けられず風味や呈味も多々散逸するので、調味料
製品の乾燥に使用するには更なる改善が必要である。
【0011】凍結乾燥機による乾燥法によれば、その製
品は特に熱劣化防止という点では優れているが、コスト
的に問題があり、乾燥に長時間を要し大量生産に不向き
であり、工業的に簡便に使用するには困難である。
【0012】以上のような情況下、醤油、味噌等工業的
に乾燥調味料を製造する方法として上記要求の大部分に
応えられるような実用的かつ簡便な乾燥法による優れた
乾燥調味料の製造方法の開発が課題となっている。
【0013】本発明の目的は、上記課題に応えられる乾
燥調味料の製造方法の開発、特に熱劣化を防止でき、被
乾燥物として使用する醤油、味噌等の風味や呈味を散逸
することがなく、即ち当該被乾燥物が本来有する香気成
分や呈味成分を乾燥条件下に消失することなくそのまま
維持し、保持できる乾燥法により乾燥し、このように乾
燥、製造した乾燥品がそれ自体粉末醤油、粉末味噌とし
ても使用できる外、他の調味料、食品等に均一に配合で
きる配合性に優れている乾燥調味料の製造方法を開発、
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
解決に向けて鋭意検討した結果、醸造物(但し、酒類は
除く。)及び/又は蛋白分解物を含有する調味料を真空
ドラムドライヤーにより減圧、低温下に乾燥することに
より熱劣化を防止し焦げ臭等異臭を殆ど含まず被乾燥物
の醤油、味噌等が本来有する風味や呈味を散逸、損なわ
ずに短時間に乾燥でき、均一配合性に優れた乾燥調味料
を与えることを見出し、この知見に基づき本発明を完成
するに到った。
【0015】即ち、本発明は、醸造物(但し、酒類は除
く。)及び/又は蛋白分解物を含有する調味料を、真空
チャンバを有する真空ドラムドライヤーにより減圧(真
空を含む。)、低温下に、更に好ましくは短時間乾燥す
る乾燥調味料の製造方法及び、この方法により得られる
乾燥調味料及びその他の調味料、スープ、加工食品等の
食品への使用である。
【0016】本発明には、以下の発明が含まれる。 1.真空チャンバ内の圧力が、高くとも100トール[T
orr]、好ましくは高くとも50トール、より好ましくは
高くとも30トール、更に好ましくは高くとも10トー
ルであり、ドラムの表面温度が、高くとも120℃、好
ましくは100℃以下、より好ましくは60〜90℃程
度である上記の製造方法。
【0017】2.醸造物及び/又は蛋白分解物を含有す
る調味料が醸造調味料(但し、酒類を除く。)及び/又
は蛋白加水分解物を含有する上記の製造方法。代表的な
醸造物として、味噌、醤油等を挙げることができる。蛋
白分解物としては、蛋白質酵素分解物(例えば、魚醤
等)及び蛋白質酸分解物等を挙げることができる。
【0018】3.上記2.において、例示の味噌、醤油、
蛋白質酵素分解物、蛋白質酸分解物の少なくとも1種を
含有する調味料である上記の製造方法。
【0019】4.出発原料の被乾燥物が、均一液状物、
均一半練り状物である必要はなく、調味料として使用で
きるような成分、動植物の磨砕物、固形物含有等不均一
液状物、半練り、又は固形状物である上記の製造方法。
【0020】5.上記醤油について、被乾燥物として1
種以上の他の原料(固体、液体何れも可。)を混合した
もの、例えばめんつゆを使用して、風味、呈味に優れた
乾燥品、例えば粉末めんつゆを製造する上記の製造方
法。
【0021】6.上記味噌について、被乾燥物として1
種以上の他の原料(固体、液体何れも可。)を混合した
もの、例えばだし入り味噌を使用して、風味、呈味に優
れた乾燥品、例えば粉末だし入り味噌を製造する上記の
製造方法。
【0022】7.出発原料の被乾燥物の水分含量が、少
なくとも20重量%、多くとも95重量%、好ましくは
30〜80重量%程度、より好ましくは40〜70重量
%程度である上記の製造方法。
【0023】8.出発原料の被乾燥物が賦形剤を含有
し、その範囲が好ましくは被乾燥物である出発原料中の
総固形分当たり(出発原料中に不均一固形分を含む場合
は当該固形分も算定に含められる。)10〜500重量
%程度、好ましくは50〜200重量%程度である上記
の製造方法。
【0024】9.出発原料の被乾燥物が調味料(グルタ
ミン酸ソーダ等)、香辛料(食塩等)、油脂(風味油
等)及び/又はその他添加剤を含有する上記の製造方
法。
【0025】10.上記の製造方法により得られ、水分含
量が高くとも7重量%、より好ましくは高くとも5重量
%である乾燥調味料。
【0026】11.被乾燥物に使用する醤油、味噌等の特
有の風味及び呈味が維持され、更に好ましくは均一配合
性に優れた上記の乾燥調味料。
【0027】12.前記10.及び11.の乾燥調味料を含有
又は使用した調味料、スープ、加工食品等の食品。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体的に説明す
る。本発明の乾燥調味料の製造方法は、真空ドラムドラ
イヤー、即ち真空チャンバを有する真空式ドラムドライ
ヤーを使用して、減圧(真空状態も含む。)かつ低温下
に前記調味料を短時間に乾燥する方法である。真空式ド
ラムドライヤーとしては、減圧可能なチャンバ内に有す
るドラム上で被乾燥物を乾燥できる装置であればよく、
公知方法や今後開発される真空式ドラムドライヤーを利
用すればよい(例えば、特開平7−8702号及び7−
51502号公報等参照。)。
【0029】本発明において使用される真空チャンバを
有する真空式ドラムドライヤーは、減圧下(真空下も含
む。)の容器内に設けられたダブルドラムドライヤーで
あり、これに本発明に使用する被乾燥物(均一、不均
一、ペースト状出発原料物質)を供給し、熱媒体で加熱
されたドラムの表面上に薄膜状の膜を形成させ、高減圧
下に水分等を低温減圧蒸発させ、数秒〜数十秒といった
短時間低温乾燥に付すことにより、期待される風味、呈
味成分を散逸することなく、除去すべき水分を主として
除去し、調味料等各種の食品に均一に配合可能な配合性
に優れ、分散性にも優れた薄片状、シート状、粉末状乾
燥調味料を製造することができる。
【0030】更に詳しくは、製造に際して、上記減圧又
は真空下の容器内に設置されたダブルドラムドライヤー
に上記出発原料物質を連続的に供給し、ドラム表面上に
薄膜状の薄層を形成させ高減圧下に低温、短時間で被乾
燥物の乾燥品を連続的に製造可能である。
【0031】本発明の製造方法のために使用する出発原
料(被乾燥物)としては、酒類を除く醸造物及び/又は
蛋白分解物を含有する調味料であればよい。代表的な醸
造物として、味噌、醤油等を挙げることができる。蛋白
分解物としては、蛋白質酵素分解物(例えば、魚醤等)
及び蛋白質酸分解物等を挙げることができる。
【0032】出発原料の被乾燥物としては、均一液状
物、均一半練り状物である必要はなく、製造されるもの
が乾燥調味料として使用可能であれば動植物の磨砕物、
固形物含有等不均一液状物、半練り状物であってもよ
い。
【0033】上記醤油について、被乾燥物として1種以
上の他の原料(固体、液体何れも可。)を混合したも
の、例えばめんつゆを使用して、風味、呈味に優れた乾
燥品、例えば粉末めんつゆを製造することができる。上
記味噌についても、被乾燥物として1種以上の他の原料
(固体、液体何れも可。)を混合したもの、例えば、だ
し入り味噌を使用して、風味、呈味に優れた乾燥品、例
えば粉末だし入り味噌を製造することができる。
【0034】味噌、醤油等水分を含有する調味料であれ
ば採用可能であり、更に調味料として使用可能な液体成
分や、半練り又は固形成分を含むものであっても特に制
限はない。従って、本発明において使用する醸造物及び
/又は蛋白分解物を含有する調味料には、当該醸造物及
び/又は蛋白分解物以外で調味料成分として使用可能な
前記成分を広く含むことができる。
【0035】本発明に使用する出発原料の被乾燥物とし
ては、上記の如く、各種均一、不均一、液状、半練り、
固形物が含まれるが、更にその他必要により他の添加剤
を含んでいてもよい。その場合の添加剤として、下記賦
形剤や、グルタミン酸ソーダ等調味料、砂糖、塩等香辛
料、風味等のための油脂(固形、液状)、保存・安定
剤、着色剤、香料、等々風味、呈味、物性改善、その他
の必要により含めることができる。
【0036】尚、酒類であっても本発明の目的を害しな
い範囲で風味等の改善のために更にみりん等一部添加す
ることは何ら差し支えがない。
【0037】 本発明に使用する出発原料には乾燥効率や
風味、呈味の維持、保持の点で、特に液体調味料を含む
場合、賦形剤を含むことが望ましい。賦形剤として好ま
しくは、デキストリン、サイクロデキストリン、ゼラチ
ン、食塩等が挙げられる。
【0038】賦形剤を使用する場合のその含有量は出発
原料の総固形分(不均一固形分を含む場合当該固形分も
算定に含める。)に対して、好ましくは10〜500重
量%程度、より好ましくは50〜200重量%程度であ
る。
【0039】被乾燥物に使用する出発原料物質の水分含
量について、水分含量は出発原料の種類や調製法により
異なり、適宜選択すればよいが、好ましくは少なくとも
20重量%程度、多くとも95重量%程度、より好まし
くは30〜80重量%程度、更に好ましくは40〜70
重量%程度である被乾燥物を使用するとよい。均一の場
合は勿論、不均一固形分や賦形剤その他添加剤を使用す
る場合は、全体、即ち、均一物、或いは当該固形分や賦
形剤等を混合した状態で上記水分含量を算定し、出発原
料を選択、使用することができる。
【0040】真空チャンバ内において、減圧下の減圧度
の範囲が高くとも100トール(Torr)程度であり、低
温下の温度範囲が高くとも120℃程度であることが好
ましい。
【0041】乾燥条件について、ドラムの表面温度は、
好ましくは高くとも120℃程度、より好ましくは高く
とも100℃程度、更に好ましくは60〜90℃程度で
あり、ドラムの表面温度を被乾燥物の乾燥温度に応じて
設定することができるが、ドラム内の熱媒体としてより
好ましくは60〜90℃程度の減圧蒸気又は温水を使用
すればよい。チャンバ内の減圧度(真空度)は、好まし
くは高くとも100トール[Torr]程度、より好ましくは
高くとも50トール程度、更に好ましくは高くとも30
トール程度、更により好ましくは高くとも10トール程
度である。
【0042】加熱源としてドラムに100℃以上の場合
には蒸気を、又100℃以下の場合には真空蒸気又は温
水を使用するとよい。ここでドラム温度が110℃以上
の場合、このドラムダライヤーで、例えば醤油を乾燥す
ると、水分2重量%以下の粉末醤油が得られるが、11
0℃以下の場合にはドラムからの剥離が困難になること
が多い。この場合、デキストリン等の賦形剤を予め混合
すると、110℃以下70℃以上の条件において水分7
重量%以下の乾燥が可能となり、好ましい。
【0043】 乾燥時間が数秒〜数十秒という短時間乾燥
も本発明における乾燥の特徴の一つであり、これにより
風味、呈味の散逸が防止できることが分かった。その乾
燥時間としては、長くとも2分間、好ましくは30秒以
下、より好ましくは10秒以下である。
【0044】より実用的に好ましい乾燥条件としては、
乾燥条件のうち圧力の範囲、温度範囲及び乾燥時間が、
それぞれ高くとも50トール程度(より好ましくは高く
とも30トール程度)、高くとも100℃程度(より好
ましくは60〜90℃程度)、及び長くとも1分間程度
(好ましくは1〜30秒間程度)を選択、採用すること
ができ、この条件下で乾燥を行うとよい。
【0045】使用するドラムの回転数及び調味料の膜厚
については、前記乾燥条件により適宜変動することがで
きるが、通常は0.3〜10rpm程度、好ましくは1〜
4rpm程度の回転数で、できるだけ薄い膜厚、0.5m
m以下程度で実施する方が品質的に優れた乾燥品を製造
することができる。
【0046】本発明の製造方法により得られる乾燥調味
料は、必要な風味、呈味成分を保持したまま被乾燥物の
水分含量を所定量以下に減じた乾燥品であるが、出発原
料の被乾燥物(不均一の固形分を含む場合当該固形分も
算定に含める。)に対して好ましくはその水分含量が多
くとも7重量%、即ち7重量%以下、より好ましくは多
くとも5重量%となるように乾燥、製造するとよい。
【0047】本発明により製造される乾燥調味料は、出
発原料の調味料が本来有する風味成分や呈味成分を当該
乾燥下に散逸することなく保持しており、そのまま粉末
調味料として使用できるが、他の調味料や各種食品等に
均一に配合添加が容易で(配合性に優れ)、調味料その
他食品へ広く利用が期待される。
【0048】ドラム状の真空容器を使用する乾燥方法で
あっても、本発明に使用するドライヤーによる乾燥で実
施される薄膜状の薄層をドラムの表面上に形成する方法
でなければ、例えば乾燥時間が数十分のオーダーに及ぶ
と風味、呈味の保持性の面で好ましくない。従って、乾
燥効率の面からも薄膜状の薄層をドラムの表面上に形成
する方法が優れていることが分かった。
【0049】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。
【0050】(実施例1)真空ドラムドライヤー(カツ
ラギ工業(株)製実験機VD-0303を使用。)を用
いて、醤油を乾燥した。出発物質として、市販の醤油5
00mlを使用した。乾燥条件は表1の通りである。乾
燥時間は30秒であった。
【0051】
【表1】乾燥条件
【0052】(比較例1及び2)実施例1において出発
原料に使用した市販の醤油500mlをスプレードライ
ヤー(比較例1)又は真空連続ベルト式乾燥機(比較例
2)を使用して、それぞれ乾燥して粉末醤油を製造し
た。
【0053】スプレードライヤー法では、入口の温度:
160〜180℃;及び出口の温度90〜100℃で乾
燥した。真空連続ベルト式乾燥機による乾燥条件は、1
00〜120℃で、乾燥時間30分間であった。
【0054】(評価方法) 1.風味の保持性 出発原料の風味維持の程度による。 ◎:極めて良好;○:良好;△:やや不良;及び×:不
良。 2.呈味の保持性 新鮮な呈味の程度による。 ◎:極めて良好;○:良好;△:やや不良;及び×:不
良。
【0055】3.熱劣化性 焦げ臭の程度による。 ◎:無し;○:殆ど無し;△:僅かに焦げ臭有り;及び
×:かなり有り。
【0056】評価の結果を表2に示す。
【0057】
【表2】評価の結果
【0058】表2の結果から、本発明の真空ドラムドラ
イヤーによる乾燥により製造された乾燥調味料は、他の
スプレードライヤー又は真空連続ベルト式乾燥機を使用
して乾燥した製品と比較して風味及び呈味の保持性に優
れ、即ち乾燥段階で風味成分や呈味成分が何ら散逸、除
去されていないことが分かった。更に、比較例の各製品
は焦げ臭があり熱劣化性に問題があったが、本発明品は
焦げ臭は全く認められず熱劣化性の点でも優れているこ
とが分かった。
【0059】市販の醤油の代わりに、市販のめんつゆ5
00mlを使用して、上記実施例同様に粉末めんつゆを
製造し、同様に評価したところ、本発明品については前
記本発明の粉末醤油と同様極めて優れた評価結果が得ら
れた。
【0060】(実施例2)真空ドラムドライヤー(カツ
ラギ工業(株)製実験機VD-0303を使用。)を用
いて、味噌を乾燥した。
【0061】出発物質として、市販の味噌500gを使
用した。乾燥条件は表3の通りである。乾燥時間は30
秒であった。
【0062】
【表3】乾燥条件
【0063】(比較例3及び4)実施例2において出発
原料に使用した市販の味噌500gをスプレードライヤ
ー(比較例3)又は真空連続ベルト式乾燥機(比較例
4)を使用して、それぞれ乾燥して粉末味噌を製造し
た。スプレードライヤー法では、入口の温度:160〜
180℃;及び出口の温度90〜100℃で乾燥した。
【0064】真空連続ベルト式乾燥機による乾燥条件
は、100〜120℃で、乾燥時間30分間であった。
【0065】(評価方法) 1.風味の保持性 風味の維持の程度による。 ◎:極めて良好;○:良好;△:やや不良;及び×:不
良。 2.呈味の保持性 新鮮な呈味の程度による。 ◎:極めて良好;○:良好;△:やや不良;及び×:不
良。
【0066】3.熱劣化性 焦げ臭の程度による。 ◎:無し;○:殆ど無し;△:僅かに焦げ臭有り;及び
×:かなり有り。
【0067】評価の結果を表4に示す。
【0068】
【表4】評価の結果
【0069】表4の結果から、本発明の真空ドラムドラ
イヤーによる乾燥により製造された乾燥味噌は、他のス
プレードライヤー又は真空連続ベルト式乾燥機を使用し
て乾燥した製品と比較して風味及び呈味の保持性に優
れ、即ち乾燥段階で風味成分や呈味成分が何ら散逸、除
去されていないことが分かった。更に、比較例の各製品
は焦げ臭があり熱劣化性に問題があったが、本発明品は
焦げ臭は全く認められず熱劣化性の点でも優れているこ
とが分かった。
【0070】市販の味噌の代わりに、市販のだし入り味
噌500gを使用して、上記実施例2同様に粉末だし入
り味噌を製造し、同様に評価したところ、本発明品につ
いては前記本発明の粉末味噌と同様極めて優れた評価結
果が得られた。
【0071】
【発明の効果】醤油、味噌等、醸造物(但し、酒類は除
く。)及び/又は蛋白分解物を含有する調味料を、真空
ドラムドライヤーを使用して減圧、低温下に特に短時間
乾燥することにより、被乾燥物として使用する調味料が
本来有する特有の風味及び呈味成分の散逸が全く認めら
れず、熱劣化も防止でき、均一配合性にも優れた乾燥調
味料を製造することができる。
【0072】その結果、それ自体粉末調味料として使用
でき、更に、スープ、加工食品等調味料その他の食品へ
の配合が容易となり、調味料、食品等広く利用可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 素央 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品総合研究所内 Fターム(参考) 4B022 LA02 LB06 LF01 LJ04 LR04 LR05 LT05 4B039 LB08 LC12 LG15 LG40 LG44 LG46 LR20 LR21 4B047 LB09 LE06 LF08 LF10 LG10 LG28 LG58 LG60 LG61 LG70 LP02 LP07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】醸造物(但し、酒類は除く。)及び/又は
    蛋白分解物を含有する調味料を、真空チャンバを有する
    真空ドラムドライヤーにより減圧、低温下に乾燥するこ
    とを特徴とする乾燥調味料の製造方法。
  2. 【請求項2】真空チャンバ内の圧力が高くとも100ト
    ールであり、ドラムの表面温度が高くとも120℃であ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】乾燥条件のうち真空チャンバ内の圧力、ド
    ラムの表面温度及び乾燥時間が、それぞれ高くとも50
    トール、高くとも100℃及び長くとも2分間である請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】醸造物及び/又は蛋白分解物を含有する調
    味料が醸造調味料(但し、酒類は除く。)及び/又は蛋
    白分解調味料を含有する調味料である請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】醸造物及び/又は蛋白分解物を含有する調
    味料が、味噌、醤油、蛋白質酵素分解物及び蛋白質酸分
    解物の少なくとも1種を含有する調味料である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】被乾燥物の水分含量が20〜95重量%で
    ある請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】被乾燥物が、賦形剤、調味料、油脂及び固
    形物の少なくとも1種を含有する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7記載の方法により得られ、
    水分含量が多くとも7重量%であることを特徴とする乾
    燥調味料。
  9. 【請求項9】請求項8記載の乾燥調味料を含有し又は使
    用したことを特徴とする調味料、スープ、加工食品等の
    食品。
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