JP2000038499A - ポリアルキレンナフタレ―ト組成物、その製造方法及びフイルム - Google Patents

ポリアルキレンナフタレ―ト組成物、その製造方法及びフイルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平坦性、静電密着性に優れ、磁気記録媒
体、特に高密度磁気記録媒体用フイルムの成形に有用な
ポリアルキレンナフタレート組成物、その製造方法及び
フイルムを提供する。 【解決手段】 本発明は、ナフタレンジカルボン酸を主
たるジカルボン酸成分とし脂肪族グリコールを主たるグ
リコール成分とするポリアルキレンナフタレ−ト及び平
均粒径0.01〜0.5μmの不活性微粒子からなる組
成物であり、該不活性微粒子の含有量は、ポリアルキレ
ンナフタレートに対し0.01〜10重量%であり、か
つ該ポリアルキレンナフタレートは、、アンチモン化合
物、エステル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホス
ホニウム塩成分を特定量含有することを特徴とするフイ
ルム用ポリアルキレンナフタレート組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフイルム用ポリアル
キレンナフタレート組成物、フイルムおよびそれらの製
造方法に関し、さらに詳しくは、フイルム用ポリアルキ
レンナフタレート組成物を製造するに際し、アンチモン
化合物およびエステル形成性官能基を有するスルホン酸
4級ホスホニウム塩成分を特定割合含有したポリアルキ
レンナフタレート組成物、それからなるフイルムおよび
それらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
とし脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポ
リアルキレンナフタレート、中でもポリエチレンナフタ
レートは優れた物理的、化学的性質を有することから、
繊維、フイルム、樹脂等に利用されている。中でもポリ
エチレンナフタレートフイルムは、強度、耐熱性、耐薬
品性等の諸特性とコストを両立させるポリマーとして、
写真用フイルム、磁気テープ用フイルムのベースフイル
ムなどに使用されている。
【0003】ポリエチレンナフタレートフイルムはポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステルフイルムと
同様の方法により製膜製造される。
【0004】ポリエステルフイルムは通常、押出し口金
より溶融押出しされたフイルム状ポリエステル溶融物を
回転冷却ドラム表面で急冷した後、縦、横方向に延伸し
て製造される。この場合フイルムの表面欠点を無くし厚
みの均一性を高める為には、溶融押出しされたフイルム
状ポリエステルと回転冷却ドラムの表面との密着性を高
める必要がある。その方法として、押出し口金と回転冷
却ドラムの表面との間にワイヤー状の金属電極(以下、
静電ワイヤーという)を設けて該フイルム状溶融物の表
面に静電荷を印加させる方法(以下、静電キャスト法と
いう)が知られている。
【0005】フイルム製膜において生産性を高めて製造
コストを低減することは、フイルム品質の向上とともに
重要な課題であるが、そのためには前記回転冷却ドラム
の周速を速くして製膜速度を向上させる事が最も効果的
な方法である。しかし、前記静電キャスト法において回
転冷却ドラムの周速を速めていくとフイルム状物表面へ
の単位面積静電荷量が少なくなり回転冷却ドラムとの密
着性が低下し、フイルム表面上の表面欠点を生じさせた
り、フイルム厚みが不均一になったりするなどの問題が
生じる。この密着性を高めるべく前記電極に印加する電
圧を高めて溶融ポリエステル上に析出させる静電荷量を
多くする方法を講じることもできるが、印加電圧を高め
すぎると電極と回転冷却ドラムとの間にアーク放電が生
じ、冷却ドラム面上のフイルム状物が破壊され、冷却ド
ラム表面にも損傷を与える事がある。したがって、電極
に印加する電圧はある程度以上に高める事は実質上不可
能である。
【0006】このような静電キャスト法の限界を克服
し、製膜速度を向上させて高効率でポリエステルフイル
ムを製造する方法として、溶融ポリエステルの比抵抗を
下げる方法が種々提案されている。
【0007】例えば、二官能性カルボン酸成分に対し
0.1〜45ミリモル%のエステル形成性官能基を有す
るスルホン酸4級ホスホニウム塩を重合鎖体中に含有し
溶融フイルムの交流体積抵抗率の値が6.5×108Ω
cm以下のポリエステルを使用する方法(特公平7−5
675号公報)等が提案されている。
【0008】また、一般にポリエステルの製造では通常
触媒が用いられるが、特にアンチモン化合物は重合速度
が速く、得られるポリエステルの熱安定性、末端カルボ
キシル基量、軟化点等の諸特性に優れ、広く用いられて
いるが、アンチモン化合物はポリマー及びフイルムの製
造過程で析出する事が多く、析出粒子がフイルム表面に
小さい突起を形成する欠点を有する事が知られている
(特開平8−53541号公報)。
【0009】一方ポリエチレンナフタレートフイルムの
製造において、触媒成分の析出によるフイルム表面の微
細な凹凸の発生を抑制し、表面平坦性に優れたフイルム
を得る事、および製膜時の静電密着性に優れたフイルム
を得る事を目的として、ポリエチレンナルタレート中に
カルシウム化合物、マグネシウム化合物、リン化合物お
よびアンチモン化合物を特定量および特定比率で添加す
る方法が、特開平8−104744号公報に記載されて
いる。
【0010】しかしながら、前記提案の触媒成分の選択
およびその添加割合の適正化技術によっても、触媒成分
の析出による微小突起の存在およびそれに基づく障害を
十分に防ぐことは困難であることが判った。
【0011】特にフイルムの平坦性及び均一性が要求さ
れる蒸着ビデオ用テープに代表される高密度磁気記録媒
体用フイルムにおいては、このような微小突起が存在す
るとエラーの原因となるなど好ましくない。
【0012】またフイルムの製膜時において、生産性向
上を目的として製膜速度を上昇させた場合に、特開平8
−104744号公報提案の条件では、静電密着性が不
十分であり、工業的に安定し製膜することが困難である
ことが判った。
【0013】一方で、そのような形成品を得る成形工程
あるいは製品自体を取り扱う際に滑り性不良による作業
性、生産性の悪化、製品価値の低下といったトラブルが
生じることが知られている。
【0014】このような問題に対して、熱可塑性樹脂中
に微粒子を存在せしめて成形品の表面に適度の凹凸を付
与し、易滑性を向上させる方法が提案され、微粒子とし
て例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タ
ルク、カオリナイトなどの無機粒子や、架橋ポリスチレ
ン等の架橋高分子粒子などの有機微粒子が採用されてい
る。中でもシリカは、価格、粒度、ハンドリング等の点
で好ましい無機粒子の一つである。
【0015】シリカをはじめ微粒子を添加する場合に
は、目的のフイルム品質を得る為に、種々の性質の粒
子、例えば形状、ポリマー親和性、細孔容積等を考慮し
添加しなければならない。
【0016】特にフイルムの超平坦性及び均一性が要求
される蒸着ビデオ用テープに代表される高密度磁気記録
媒体用フイルムにおいては、フイルムの超平坦性および
表面の均一性を達成する為に、特定の不活性微粒子を均
一に分散させ、同時に不活性微粒子以外の粒子の析出を
抑制し、表面を超平坦かつ均一にし、滑り性、走行耐久
性を併せ持たせる必要があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記実
情に鑑み、鋭意検討した結果、アンチモン化合物を触媒
として使用してポリアルキレンナフタレートフイルムを
製造する場合、エステル形成性官能基を有するスルホン
酸4級ホスホニウム塩を添加すると、その濃度に比例し
てフイルム中の還元アンチモンと考えられる微小析出粒
子が増大することを見出した。
【0018】かくしてアンチモン化合物およびエステル
形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩の
濃度および両者の割合を適正化することにより得られた
ポリアルキレンナフタレートを用いることにより、静電
キャスト法によりフイルムを製造する場合の冷却ドラム
上への密着性に優れ、高速の巻取り速度が達成され、し
かも安定した製膜生産性が得られることが見出された。
しかも得られたフイルムは、表面の平坦性均一性に優
れ、高密度磁気記録媒体用に適したフイルムであること
を見出し、本発明に到達した。
【0019】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ナ
フタレンジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とし脂
肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリアル
キレンナフタレ−ト及び平均粒径0.01〜0.5μm
の不活性微粒子からなる組成物であり、該不活性微粒子
の含有量は、ポリアルキレンナフタレートに対し0.0
1〜10重量%であり、かつ該ポリアルキレンナフタレ
ートは、アンチモン化合物、エステル形成性官能基を有
するスルホン酸4級ホスホニウム塩成分を各々下記式
(1)、(2) 1≦Sb≦80 (1) 0.001≦S/Sb≦0.4 (2) (上式中、Sb,Sは各々、アンチモン化合物、エステ
ル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩
成分の、ポリアルキレンナフタレートを形成する全ジカ
ルボン酸成分当たりのモル比を示し、単位はミリモル
%)を満足する量を含有することを特徴とするフイルム
用ポリアルキレンナフタレート組成物である。
【0020】また本発明は、ポリアルキレンナフタレ−
ト及び平均粒径0.01〜0.5μmの不活性微粒子か
らなる組成物の製造方法であって、ナフタレンジカルボ
ン酸を主たるジカルボン酸とし、そのエステル形成性誘
導体と、脂肪族グリコールを主たるグリコールとするグ
リコールとをエステル交換反応せしめ、次いで重縮合反
応せしめポリアルキレンナフタレ−トを製造する際に、
該重縮合反応開始前に、アンチモン化合物およびエステ
ル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩
成分を添加することを特徴とするフイルム用ポリアルキ
レンナフタレート組成物の製造方法である。
【0021】また本発明は上記のポリアルキレンナフタ
レート組成物から形成された二軸配向フイルム、高密度
磁気記録媒体を包含する。
【0022】以下本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明におけるポリアルキレンナフタレートは、ナ
フタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリ
コールを主たるグリコール成分とするポリエステルであ
る。ここで、主たるとは、ポリエステルを構成する全繰
り返し単位の少なくとも70モル%、好ましくは少なく
とも80モル%がアルキレンナフタレート単位であるこ
とを意味する。
【0023】かかるポリアルキレンナフタレートは実質
的に線状であり、フイルム形成性、特に溶融形成による
優れたフイルム形成性を有する。
【0024】ここでナフタレンジカルボン酸としては、
直接エステル化法による場合、好適には2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等
が例示でき、エステル交換法によって本ポリマーを製造
する場合には、これらのジカルボン酸の低級アルキルエ
ステルを原料として用いる事ができる。
【0025】これらの低級アルキルエステルとしては、
例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,7−ナ
フタレンジカルボン酸ジメチル等を挙げることができ、
中でも工業的に容易に入手できる2,6−ナフタレンジ
カルボン酸ジメチルは好ましいものの一つである。
【0026】また、本発明において脂肪族グリコールと
してはエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコール
あるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオ
ールを例示することができ、中でもエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールが好
ましく、エチレングリコールが最も好ましい。
【0027】ポリアルキレンナフタレートは、その特徴
が損なわれない範囲で、少量の共重合成分が共重合した
コポリマーであってもかまわない。
【0028】この第三成分としては、グリコール成分と
して、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオールを挙
げることができ、中でも好ましいのは、ジエチレングリ
コールである。
【0029】ジエチレングリコール単位の好ましい含有
量は、ポリアルキレンナフタレート重量に対して0.4
〜3重量%である。ジエチレングリコールが0.4重量
%未満の場合は、ポリマーの結晶化が抑制されず、溶融
エネルギーが大きくなるため、フイルム形成時未溶融ポ
リマーが残留し、フイルム表面に粗大突起を形成するの
で好ましくない。一方3重量%を超えると、フイルム形
成後の強度、例えばヤング率が低下し、耐久性に劣った
ものとなるので好ましくない。
【0030】また本発明において、第三成分としてのジ
カルボン酸成分に、テレフタル酸、イソフタル酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等のジカルボ
ン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、トリメリット
酸、ピロメリット酸などの多官能多価カルボン酸及びこ
れらのエステル形成性誘導体などが例示できる。これら
の中で好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸及びこ
れらのエステル形成性誘導体(例えば、テレフタル酸ジ
メチル、イソフタル酸ジメチルなど)である。テレフタ
ル酸、イソフタル酸成分は、全ジカルボン酸成分の20
モル%以下とすることが本発明の効果を損ねないため好
ましい。特に好ましくは、10モル%以下である。
【0031】また本発明におけるポリアルキレンナフタ
レートには本発明の効果を損なわない限り、例えばヒド
ロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシ
カプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸
に由来する成分を含んでいてもかまわない。
【0032】本発明のポリアルキレンナフタレートはそ
の全繰り返し単位の少なくとも80モル%、好ましくは
少なくとも90モル%がエチレン−2,6−ナフタレー
トまたはエチレン−2,7−ナフタレートであるのが特
に有利である。
【0033】さらに、本発明におけるポリアルキレンナ
フタレートには、表面平坦性、乾熱劣化性などの物性を
損なわない範囲で、光安定剤、酸化防止剤、遮光剤等の
添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0034】本発明におけるポリアルキレンナフタレー
トはそれ自体公知の方法で製造することができる。好ま
しい製造法として、例えば、ナフタレンジカルボン酸の
エステル形成性誘導体及び脂肪族グリコールをエステル
交換触媒の存在下、加熱しエステル交換反応を行い、次
いで重縮合触媒存在下に重縮合反応を行い製造する方法
が挙げられる。
【0035】上記ポリエステルとしては、o−クロロフ
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましく、0.45〜
0.75のものが特に好ましい(以降特に断らない限
り、固有粘度はo−クロロフェノール中の溶液として3
5℃で測定して求めた値とする)。
【0036】本発明において、ポリアルキレンナフタレ
ート中のアンチモン化合物の量は、下記式(1)を満た
す事が必要がある。 1≦Sb≦80 (1) (上式中、Sbアンチモン化合物の、ポリアルキレンナ
フタレートを形成する全ジカルボン酸成分当たりのモル
比を示し、単位はミリモル%)
【0037】より好ましいSb量としては、5〜70ミ
リモル%、特に好ましくは10〜60ミリモル%であ
る。この量が、80ミリモル%を超えると、アンチモン
起因の黒色異物が発生しやすくなり、フイルムとしたと
きの表面平坦性が悪化し好ましくない。また、Sb量が
あまりに少ないと重合反応が進まないため好ましくな
い。
【0038】本発明において、使用する事のできるアン
チモン化合物としては特に限定はないが、三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモン等を例示することができる。そ
の中でも、三酸化アンチモンが特に好ましい。
【0039】本発明において、アンチモン化合物はエス
テル交換反応開始前に添加しても、エステル交換反応中
でも、エステル化反応終了後、重縮合反応の直前に添加
してもかまわない。
【0040】本発明において、エステル形成性官能基を
有するスルホン酸4級ホスホニウム塩成分は、次式
(2)を満たす必要がある。 0.001≦S/Sb≦0.4 (2) (上式中、Sb,Sは各々、アンチモン化合物、エステ
ル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩
成分の、ポリアルキレンナフタレートを形成する全ジカ
ルボン酸成分当たりのモル比を示し、単位はミリモル
%)
【0041】より好ましいS/Sbの比は0.001〜
3であり、特に好ましくは、0.01〜2の範囲であ
る。この比が、0.4を超える場合には、アンチモン起
因の黒色異物が発生しやすくなり、フイルムとしたとき
の表面平坦性が悪化し好ましくない。また、0.001
未満の場合には、静電密着性が悪くなり、製膜生産性が
悪化してしまう。
【0042】本発明において用いることのできるエステ
ル形成性官能基を有するスルホン酸ホスホニウム塩とし
ては、例えば下記式
【0043】
【化1】
【0044】(ここで、Aは炭素数6〜18の芳香環を
含む基であり、Y1及びY2は同一もしくは異なり、水素
原子またはエステル形成性官能基であり(ただし、Y1
及びY2が同時に水素原子である事はない)、そしてn
は1または2であり、そしてR1、R2、R3およびR4
同一もしくは異なり、炭素数1〜18のアルキル基、ベ
ンジル基または炭素数6〜12のアリール基である)で
表わされる化合物が好ましく挙げられる。
【0045】上記式において、Aは炭素数6〜18の芳
香環を含む基であり、例えばベンゼン骨格、ナフタレン
骨格あるいはビフェニル骨格を含む基が、好ましい基と
して挙げられる。かかる芳香環は、Y1、Y2及びスルホ
ン酸4級ホスホニウム塩基のほかに、例えば炭素数1〜
12のアルキル基等で芳香核水素が置換されいてもよ
い。
【0046】Y1及びY2は水素原子またはエステル形成
性官能基であるが、同時に水素原子である事はない。エ
ステル形成性官能基としては、例えば−COOH、−C
OOR’、−OCOR’、−(CH2nOH、−(OC
2nOH等を挙げることができる。これらの基中、
R’は炭素数1〜4の低級アルキル基またはフェニル基
であり、nは1〜10の整数である。R’としてはメチ
ル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブ
チル等を好ましいものとして挙げることができる。
【0047】また、スルホン酸4級ホスホニウム塩の塩
基部分P+1234を構成するR1、R2、R3および
4は、同一もしくは互いに異なり、炭素数1〜18の
アルキル基、ベンジル基、または炭素数6〜12のアリ
ール基であり、炭素数1〜18のアルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル、ステア
リルなどを挙げることができる。また炭素数6〜12の
アリール基としては、例えばフェニル、ナフチル、ビフ
ェニル等を挙げることができる。
【0048】上記スルホン酸4級ホスホニウム塩の好ま
しい具体例としては、3,5-ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5-ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3,
5-ジカルボキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチル
ホスホニウム塩、3,5-ジカルボキシベンゼンスルホン酸
フェニルトリブチルホスホニウム塩、3,5-ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3,
5-ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニル
ホスホニウム塩、3,5-ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5-ジカルボメトキ
シベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム
塩、3,5-ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ベンジル
トリブチルホスホニウム塩、3,5-ジカルボメトキシベン
ゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、3,
5-ジ(β-ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンス
ルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5-ジ(β-ヒ
ドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テト
ラフェニルホスホニウム塩、3-ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3-ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3-
ジ(β-ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3-ジ(β-ヒドロ
キシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフ
ェニルホスホニウム塩、4-ジ(β-ヒドロキシエトキシ
カルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム塩、ビスフェノールA-3,3-ジ(スルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩)、2,6-ジカルボキシナフタレン
-4-スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等を挙げる
ことができる。上記スルホン酸4級ホスホニウム塩は一
種のみを単独で用いても二種以上併用してもよい。
【0049】本発明のポリアルキレンナフタレートにお
いて、溶融時の交流体積抵抗率が2.0×108Ωcm以
下となるように上記スルホン酸4級ホスホニウム塩をポ
リアルキレンナフタレート中に含有させることが好まし
い。溶融時の交流体積抵抗率が2.0×108Ωcm以下
のポリアルキレンナフタレートであれば、比較的速く回
転する冷却ドラム上にも密着するに十分な電荷量を付与
でき、本発明のひとつの目的である製膜速度の向上を達
成することができる。
【0050】また本発明において、上記スルホン酸4級
ホスホニウム塩は、ポリアルキレンナフタレート主鎖中
にまたは末端に含有、つまり、共重合されていても、ま
たは、単にポリマー中に混合されているだけでもかまわ
ない。どちらの状態で含有されていたとしても、製膜速
度の向上は達成することができる。
【0051】本発明において、かかるポリアルキレンナ
フタレートは、溶融時の交流体積抵抗率の値が2.0×
108〜6.0×106Ωcmの範囲にあることが好まし
い。
【0052】本発明において、エステル形成性官能基を
有するスルホン酸4級ホスホニウム塩をポリアルキレン
ナフタレートに含有させる方法としては、従来から知ら
れている方法又は当業界に蓄積されている方法で効率よ
く製造できる方法であればよく、前述したポリアルキレ
ンナフタレートの合成が終了する迄の任意の段階で、添
加することできる。好ましくは、ポリアルキレンナフタ
レートの重合における重縮合反応開始前に添加すること
である。
【0053】また、エステル形成性官能基を有するスル
ホン酸4級ホスホニウム塩を前記割合よりも高濃度で含
有するポリアルキレンナフタレートを一旦製造し、フイ
ルムの製造段階において、スルホン酸4級ホスホニウム
塩成分を含有しないポリアルキレンナフタレートとブレ
ンドし、所定の割合の含有量に調整した後にフイルム溶
融成形する方法も採用することもできる。
【0054】本発明において、カルシウム化合物、マグ
ネシウム化合物及びリン化合物の使用量は、下記式
(3)〜(5)を同時に満たす事が好ましい。
【0055】
【数1】 10≦(Mg+Ca)≦120 (3) 0.5≦Mg/Ca≦10 (4) 0.5≦(Mg+Ca)/P≦8.0 (5) (上式中、Mg、Ca、Pは各々、マグネシウム化合
物、カルシウム化合物、エステル形成性官能基を有する
スルホン酸4級ホスホニウム塩を含む全リン成分の、ポ
リアルキレンナフタレートを形成する全ジカルボン酸成
分当たりのモル比を示し、単位はミリモル%)
【0056】本発明において、使用できるカルシウム化
合物及びマグネシウム化合物としては、Ca及びMgの
酸化物、塩化物、炭酸塩、カルボン酸塩等が好ましく、
特に酢酸塩すなわち酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム
が好ましい。
【0057】本発明において、カルシウム化合物及びマ
グネシウム化合物の添加時期はポリエステル製造工程の
どの段階で添加してもかまわない。
【0058】カルシウム化合物及びマグネシウム化合物
は、本発明中のポリアルキレンナンフタレートにおい
て、ポリマー溶融時の比抵抗を低下させる効果を有する
が、製造段階において、ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ルと脂肪族グリコールを用いるエステル交換反応を採用
する場合にはエステル交換反応触媒としても用いること
ができる。
【0059】そのために、エステル交換反応触媒として
も用いるときは、エステル交換反応開始前に添加するこ
とになる。
【0060】エステル交換触媒として機能させる必要が
無ければ、特に限定されないが、カルシウム化合物、マ
グネシウム化合物の添加時期は反応ポリマーの固有粘度
が0.2に到達する迄に行うことが、該化合物をポリマ
ー中に均一に分散させる事が容易であるために、好まし
い方法として例示できる。なお、添加順序は両化合物を
同時添加または別々に時間をずらして添加してもかまわ
ない。
【0061】本発明においてカルシウム化合物、マグネ
シウム化合物の添加量は、例えばエステル交換法でポリ
アルキレンナフタレートを得る場合、全ジカルボン酸成
分に対しカルシウム及びマグネシウムの含有量(Mg+
Ca)が、合計10〜120ミリモル%、好ましくは2
0〜110ミリモル%、特に好ましくは30〜100ミ
リモル%となるよう反応系に可溶なマグネシウム化合物
及びカルシウム化合物をエステル交換触媒として添加す
る。以下ミリモル%とは、全ジカルボン酸成分に対する
各元素のミリモル%単位の量を示す。
【0062】この量が120ミリモル%を超えると触媒
残査による析出粒子の影響でフイルムに成形したときに
表面平坦性が悪化し好ましくなく、他方10ミリモル%
未満ではエステル交換反応が不十分となるばかりか、そ
の後の重合反応も遅く好ましくない。
【0063】また、カルシウムに対するマグネシウムの
モル比(Mg/Ca)は、0.5〜.0がより好まし
い。特に好ましくは2.0〜8.0である。この比が
0.5以下では、触媒残査による析出粒子の影響でフイ
ルムに成形した場合に表面平坦性が悪化してしまう。ま
た、10.0を超える場合には、フイルムとした際の処
特性が悪化してしまい好ましくない。
【0064】さらに、エステル交換反応触媒の一部を失
活させる為にリン化合物を添加するが、エステル形成性
官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩成分を含
めた全リン元素添加量に対する、エステル交換反応触媒
すなわちカルシウム及びマグネシウム添加量の合計のモ
ル比((Mg+Ca)/P)は、1.0〜7.0がより
好ましい。特に好ましくは2.0〜7.0である。
【0065】この添加量の比が、8.0を超えると触媒
残査による析出粒子の影響でフイルムに形成した場合に
表面平坦性が悪化し好ましくなく、他方0.5未満では
エステル交換反応触媒に対し過剰量のリン化合物によ
り、重合触媒のアンチモンが失活されてしまい、実質、
重合反応が長くなり生産性が低下するので好ましくな
い。
【0066】本発明において、上記のリン化合物の添加
時期は、エステル交換反応またはエステル化反応が実質
的に終了した後、添加する事が好ましい。添加に際して
は、一括または2回以上に分割して添加しても良い。
【0067】本発明において、使用する事のできるリン
化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、リン酸
などが好ましくあげられる。さらに好ましくはトリメチ
ルホスフェートである。
【0068】また、本発明において、本発明の効果を妨
げない範囲で、微量の他の金属が含まれていてもよく、
例えば、Zn、Co、Mn、K、Na等の元素を含んで
いてもよい。
【0069】本発明において使用される不活性微粒子
は、平均粒径が0.01〜0.5μmである事が必要で
ある。より好ましくは0.03〜0.2μmである。平
均粒径が0.01μm未満ではフイルムとしたときに、
滑り性や耐摩耗性が不十分となってしまう。また平均粒
径が0.5μm以上の場合には表面粗度が大きすぎ、フ
イルム平坦性を損ねてしまい、高密度記録用磁気フイル
ムに必要とされる超平坦性が得られなくなってしまう。
【0070】この時、使用する不活性粒子は1種類のみ
でも2種類以上用いてもかまわない。2種類以上用いる
場合には、異なる種類の不活性微粒子を用いても、異な
る粒径の粒子を用いても、あるいは種類も粒径も異なる
不活性粒子の組み合わせであってもかまわない。
【0071】また、本発明において不活性微粒子のポリ
アルキレンナフタレートに対する添加量は0.01〜10重量
%が必要であり、好ましくは0.01〜5重量%である。こ
の量が10重量%を超えると十分な分散性が得られない。
逆に0.01重量%未満であると、粒子添加の効果が十分
に発現しない。
【0072】本発明において使用できる不活性微粒子と
しては、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、カ
オリナイト、タルクなどの無機粒子、また有機微粒子と
しては、架橋ポリスチレンなどの架橋高分子粒子などを
あげることができる。
【0073】さらには、その表面にポリマー親和性があ
る水酸基を持つ不活性無機粒子、例えば、シリカ、チタ
ニア、アルミナなどは好ましい。
【0074】これらの粒子に関し、粒子形状等特に限定
はないが、フイルム表面をより平坦にかつ均一にする為
には、単分散の球状無機粒子を用いることが、特に好ま
しい。
【0075】また、単分散の球状無機を用いる場合に
は、下記式(6)で定義される、体積球状係数φが0.
30〜π/6の範囲にあるものであることが好ましい。
【0076】
【数2】 φ=V/d3 (6) (ここで、Vは粒子の体積(μm3)、dは投影面にお
ける最大径(μm))
【0077】また、単分散の球状無機を使用する際に
は、細孔容積が1.0ml/g以下であることが好まし
い。細孔容積が1.0ml/gを超える場合には、粒子
が解砕しやすくなってしまい、製膜工程での解砕や、製
品とした際の走行耐久性などが悪化してしまうため、好
ましくない。
【0078】また、単分散の球状無機を使用する際に
は、比表面積は100m2/g以下であることが好まし
い。比表面積が100m2/gを超える場合には、粒子
間相互作用が増大してしまう為、粒子間凝集がおきやす
くなってしまい、粒子分散性が悪化してしまう。
【0079】本発明において、粒径、形状、細孔容積及
び比表面積が前述の条件を満たす球状シリカ粒子を用い
る場合には特に効果的であり好ましい。
【0080】さらに、得られたポリアルキレンフタレー
ト組成物中の不活性微粒子は、均一に分散しており、従
って、該組成物を延伸フイルムにした場合には、フイル
ム中での粒子の解砕の少なく、均一な凹凸表面が得ら
れ、易滑性、耐藤耗性に優れたフイルムが得られる。
【0081】本発明で得られるポリアルキレンナフタレ
ート組成物は、触媒に起因するポリマー不溶物の量が無
いか極めて少なく、粒子分散性も良く、しかもフイルム
製膜性に優れる、特に高密度磁気記録媒体用フイルムの
成形用原料として有用である。
【0082】本発明のポリアルキレンナフタレート組成
物をフイルムに成形する手段としては公知の方法を用い
ることができる。例えば乾燥したポリアルキレンナフタ
レートを、[Tm]〜[Tm+65]℃(Tmはポリア
ルキレンナフタレートの融点℃である)の温度範囲でシ
ート状に溶融押出し、急冷固化して未延伸フイルム(シ
ート)を得る。次いで該未延伸フイルムを縦方向に延伸
した後、横方向に延伸する、いわゆる縦・横逐次二軸延
伸法あるいは、この順序を逆にして延伸する方法などに
より延伸する。この延伸温度、延伸倍率等はそれ自体公
知の手段および条件から選ぶことができる。
【0083】本発明によれば表面平坦性に優れたフイル
ムを得ることができ、さらにはその静電密着性が良好な
ことから、フイルム成形が容易で、早い巻取り速度で安
定に成形でき、従って生産性の高いポリアルキレンナフ
タレートを得ることができる。
【0084】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。なお、実施例に
おける種々の物性および特性の測定方法、定義は以下の
通りである。
【0085】(1)平坦性 フイルム小片の表面にアルミスパッターを施し、光学顕
微鏡にて微分干渉光を照射しつつ倍率200倍で3mm
×3mmの範囲を観察する。そして突起と認識できる粒
子をカウントし、フイルムの平坦性を評価する。その際
不活性粒子に基づく突起はカウントから除外する。すな
わち不活性微粒子を含む場合の突起のカウントは下記方
法にしたがって求めた値である。突起と認識できる粒子
をマーキングしカウントした。
【0086】その後、フイルム表面のアルミニウムを水
酸化ナトリウム水溶液にて除外し、さらにエイコーエン
ジニアリング(株)製スパッターリング装置(1B−2
型イオンコーター装置)にて、フイルム表面を段階的に
イオンエッチングしていく。各段階ごとにカーボン蒸着
を施し、走査型電子顕微鏡にてマーキングした粒子を観
察し、不活性微粒子が関与する粒子かどうかを確認し、
不活性微粒子因の粒子(例えば不活性微粒子の凝集粒子
等)である場合には、上記カウントから除いた値で平坦
性を評価する。 <4段階判定> ◎ 突起数が20個/mm2以下 ○ 突起数が21〜40個/mm2 × 突起数が41〜99個/mm2 ×× 突起数が100個/mm2以上 (2)ポリマー中の析出粒子 ポリエチレンナフタレートフイルムにつき、磁気層及び
インラインコーティング層等がある場合はこれらを強ア
ルカリ水又は有機溶剤等で剥離除去した後、蒸留水で十
分洗浄し乾燥する。磁気層等がない場合も蒸留水で十分
洗浄し表面付着物を除去し乾燥する。
【0087】ポリエチレンナフタレートフイルムを10
0g採取して、これにo−クロロフェノール1Kgを加
え撹拝しつつ120〜140℃まで昇温、約3〜5hr
保持しポリエチレンナフタレートを溶解させる。但し、
結晶化部分などが溶解しない場合は、一度、加温された
o−クロロフェノールを急冷した後、再度、前出の溶解
作業を行う。
【0088】次にポリエチレンナフタレート中に含有さ
れているゴミ等を除去するため、前出のo−クロロフェ
ノール溶解液をG−1ガラスフィルターで濾過し、この
残査重量は試料重量から差し引く。
【0089】日立製作所製超遠心分離機(55P−7
型、ローター形式RP−30−2)にて前出のG−1ガ
ラスフィルター濾過液を30、000rpmで1hr処
理しo−クロロフェノール溶解液中の粗粒子の遠心分離
を行う。粒子沈降の確認は遠心分離処理の前後でo−ク
ロロフェノール溶解液の光線透過率を測定し、分離後の
液の光線透過率375mμの値が、分離前のそれに比べ
高い値または同じ値になっていることを確認する。遠心
分離後、上澄み液を傾斜法で除去し分離粒子を取り出
す。分離粒子には遠心分離が不十分なことによるポリエ
チレンナフタレート成分の混入がある場合があるので、
取り出した該分離粒子に常温のo−クロロフェノール液
を加え、超音波分散機などで、該分離粒子を均一に分散
させた後、再度、超遠心分離処理を行う。この操作は上
澄み液中にメタノール等の有機溶剤を過剰に加えた際、
ポリエチレンナフタレート成分の再沈が見られなくなる
まで繰り返す必要がある。
【0090】このようにして取り出した分離粒子(A)
を100℃、8hrで真空乾燥して秤量する。ここで得
られた分離粒子が触媒金属元素を起因とする析出粒子で
ある。
【0091】(3)静電密着性 ポリマーを180℃で乾燥した後305℃で溶融押出
し、40℃に保持したキャスティングドラム上で急冷固
化させて未延伸フイルムを巻き取る際、静電ピンニング
法にてフイルム厚みむらが小さく、安定して巻き取れる
速度により、静電密着性を評価する。 ○ 巻取り速度40m/分超 △ 巻取り速度30〜40m/分 × 巻取り速度30m/分未満
【0092】(4)分散性 試料フイルム小片を走査型電子務徴鏡用試料台に固定
し、エイコーエンジニアリング(株)製スバッターリン
グ装置(1B−2型イオンコーター装置)を用いてフイル
ム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。条
件は、シリンダージャー内に試料を設置し、約5×10^(-
2)To r rの真空状態まで其空度を上げ、電圧0.9OkV、
電流5mAにて約5分間イオンエッチングを実施する。更に
同装置にてフイルム表面に金スパッターを施し、走査型
電子縮微鏡にて5000倍で、5μm×10μmの範囲
を観察し、粒子の凝集状態を観察し評価する。 ○ 測定面積内全粒子中の15%以下が凝集粒子として
存在 △ 測定面積内全粒子中の15〜30%が凝集粒子とし
て存在 × 測定面積内全粒子中の30%を超える粒子が凝集粒
子として存在
【0093】(5)粒子の平均粒径 粒子の粒径の測定は、次の手法にて行う。
【0094】不活性無機粒子粒子を媒体に分散させた分
散液に、水を加えて低濃度の溶液とした後、島津製作所
製遠心沈降式粒度分布測定装置(CAPA−500)を
用いて、平均粒径を測定した。
【0095】(6)製膜生産安定性 フイルム巻取り速度50m/分でフイルム厚み5μmの
フイルムを製造した場合の、厚みむらを評価することに
よって製膜生産安定性の目安とした。すなわち、得られ
たフイルムを幅方向に2mのサンプルフイルム片を切り
出し、アンリツ製電子マイクロメーターで厚みを測定
し、厚みの変化および平均値を求め下記3段階の評価
で、製膜生産安定性を評価した。 <3段階評価> ◎平均厚みと最大もしくは最小の厚みの差が、0.3μ
m未満 ○平均厚みと最大もしくは最小の厚みの差が、0.3μ
m以上0.5μm未満 ×平均厚みと最大もしくは最小の厚みの差が、0.5μ
m以上
【0096】(7)大突起数 アルミニウムを0.5μm厚みに蒸着したフイルムの表
面を、株式会社ニコン(NIKON CORP.)製の
光学顕微鏡、商品名「OPTIPHOT」を用いて、微
分干渉法により倍率200倍にて1cm×5cmの範囲
を観察し、長径が10μm以上の大きさの突起を単位1
cm2当たりの個数でカウントし、評価する。 <3段階判定> ◎ 大突起数が10個/cm2未満 ○ 大突起数が10〜20個/cm2 × 大突起数が20個/cm2
【0097】[実施例1]2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部とエチレングリコール6
0部、酢酸マグネシウム4水塩0.045部及び酢酸カ
ルシウム1水塩0.009部をエステル交換反応触媒と
して用いて、さらにこの時、ポリマー中のジエチレング
リコールの含有量が0.7重量%となるように添加し
た。
【0098】常法にしたがってエステル交換反応させ、
その後トリメチルホスフェート0.011部を添加し、
実質的にエステル交換反応を終了させた。
【0099】次いで三酸化アンチモン0.023部、
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩0.002部を加えた。更に平均粒径
0.06μmの球状シリカをポリマー中の濃度が0.0
5重量%となるように添加した。その後、該混合物を重
合反応器に移し、295℃まで昇温し26.7Pa以下
の高真空下にて常法通り重縮合反応を行って固有粘度
0.61のポリエステルを得た。このポリエステルの2
90℃における交流体積抵抗率の値は3.1×107Ωcm
であった。
【0100】このポリエチレンナフタレートのペレット
を170℃で3時間乾燥後、押出し機ホッパーに供給
し、溶融温度290℃で1mmのスリット状ダイを通し
て200μmに溶融押出しし、線状電極を用いて表面仕
上げ0.3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上
に密着固化した。この時、冷却ドラムの速度を徐々に高
めて、密着不良因に起因するフイルムの表面欠点を生じ
ることなく、安定に冷却フイルムが製造できる最高のキ
ャスティング速度は50m/分であった。次いで、この
未延伸フイルムを75℃にて余熱し、低速、高速のロー
ル間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒー
タ1本にて加熱して3.6倍に延伸し、つづいてステン
ターに供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸し
た。得られた二軸延伸フイルムを230℃の温度で5秒
間熱固定処理し、厚み14μmの熱固定二軸延伸フイル
ムを得た。このフイルムの特性を表1、2、3に示す。
【0101】[実施例2]2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸のビス-β-ヒドロキシエチルエステル120部と
2,6−ナフタレンジカルボン酸85部にエチレングリ
コール30部と3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩0.01部の混合物を加
え、さらに、ジエチレングリコールのポリマー中の含有
量が1.0重量%となるように添加し、210〜230
℃の温度でエステル化反応を行った。反応により生成す
る水の量が13部となった時点で反応終了とし、酢酸マ
グネシウム4水塩0.045部及び酢酸カルシウム1水
塩0.009部およびトリメチルホスフェート0.02
部を添加して10分間撹拌した後、および三酸化アンチ
モン0.046部を添加した。更に平均粒径0.06μ
mの球状シリカをポリマー中の濃度が0.05重量%と
なるように添加した。その後、反応生成物を重合反応器
に移し、295℃まで昇温し26.7Pa以下の高真空
下にて重縮合反応を行って固有粘度0.61のポリエス
テルを得た。このポリエステルの290℃における交流
体積抵抗率の値は3.1×107Ωcmであった。
【0102】得られたポリエチレンナフタレートを実施
例1と同様に製膜を行い、ポリエチレンナフタレートフ
イルムを得た。このフイルムの特性を表1、2、3に示
す。
【0103】[実施例3]実施例1において、2,6−
ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル91部、イソ
フタル酸ジメチルエステル9部、エチレングリコール6
0部を、とする以外は実施例1と同様に行い、ポリエチ
レンナフタレートフイルムを得た。このフイルムの特性
を表1、2、3に示す。
【0104】[実施例4〜10]実施例1において3,5-
ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム塩、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウムリン酸トリ
メチルの量、三酸化アンチモン、添加する滑剤の種類と
添加量及び平均粒径を表1に示す様に変更する以外は実
施例1と同様に行い、ポリエチレンナフタレートフイル
ムを得た。このフイルムの特性を表1、2、3に示す。
【0105】[実施例11、12]実施例3において、
ナフタレンジカルボン酸以外の酸成分とその量及び滑剤
の平均粒径を表1に示す様に変更する以外は実施例3と
同様に行い、ポリエチレンナフタレートフイルムを得
た。このフイルムの特性を表1、2、3に示す [比較例1〜6]実施例1において3,5-ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、酢酸マ
グネシウムリン酸トリメチル、ジエチレングリコール、
三酸化アンチモンの量、添加する滑剤の種類、平均粒径
及び添加量を表1に示す様に変更する以外は実施例1と
同様に行い、ポリエチレンナフタレートフイルムを得
た。このフイルムの特性を表1、2、3に示す。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
【表3】
【0109】表1、表2及び表3の結果から明らかなよ
うに、本発明の効果は優れたものであった。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、静電密着性に優れ、磁
気記録媒体、特に高密度磁気記録媒体用フイルムの成形
に有用なポリアルキレンナフタレートを効率よく製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/73 G11B 5/704 // C08G 63/189 C08G 63/189

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸を主たるジカル
    ボン酸成分とし脂肪族グリコールを主たるグリコール成
    分とするポリアルキレンナフタレ−ト及び平均粒径0.
    01〜0.5μmの不活性微粒子からなる組成物であ
    り、該不活性微粒子の含有量は、ポリアルキレンナフタ
    レートに対し0.01〜10重量%であり、かつ該ポリ
    アルキレンナフタレートは、、アンチモン化合物、エス
    テル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム
    塩成分を各々下記式(1)、(2) 1≦Sb≦80 (1) 0.001≦S/Sb≦0.4 (2) (上式中、Sb,Sは各々、アンチモン化合物、エステ
    ル形成性官能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩
    成分の、ポリアルキレンナフタレートを形成する全ジカ
    ルボン酸成分当たりのモル比を示し、単位はミリモル
    %)を満足する量を含有することを特徴とするフイルム
    用ポリアルキレンナフタレート組成物。
  2. 【請求項2】 不活性微粒子が、無機微粒子である請求
    項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 不活性微粒子が、シリカ、チタニア、ア
    ルミナ微粒子である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 不活性微粒子が、細孔容積が1.0ml
    /g以下、比表面積が100m2/g以下、かつ単分散
    の球状無機微粒子である請求項1〜3のいずれかに記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 不活性微粒子が、単分散の球状シリカ微
    粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 マグネシウム化合物、カルシウム化合物
    及びリン化合物を各々、下記式(3)〜(5) 10≦(Mg+Ca)≦120 (3) 0.5≦Mg/Ca≦10 (4) 0.5≦(Mg+Ca)/P≦10 (5) (上式中、Mg、Ca、Pは各々、マグネシウム化合
    物、カルシウム化合物、エステル形成性官能基を有する
    スルホン酸4級ホスホニウム塩を含む全リン成分の、ポ
    リアルキレンナフタレートを形成する全ジカルボン酸成
    分当たりのモル比を示し、単位はミリモル%)を満足す
    る量を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か記載の組成物。
  7. 【請求項7】 脂肪族グリコール成分が、エチレングリ
    コール成分、プロピレングリコール成分及びブチレング
    リコール成分よりなる群より選ばれた少なくとも一種の
    グリコール成分である請求項1〜6のいずれかに記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 ポリアルキレンナフタレートが、ポリエ
    チレンナフタレートである請求項1〜7のいずれか記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸の
    含有量が、全ジカルボン酸成分に対し20モル%以下で
    あることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の
    組成物。
  10. 【請求項10】 該ポリアルキレンナフタレートにおい
    て、ジエチレングリコール単位を0.4〜3重量%含有
    することを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の組
    成物。
  11. 【請求項11】 ポリアルキレンナフタレ−ト及び平均
    粒径0.01〜0.5μmの不活性微粒子からなる組成
    物の製造方法であって、ナフタレンジカルボン酸を主た
    るジカルボン酸とし、そのエステル形成性誘導体と、脂
    肪族グリコールを主たるグリコールとするグリコールと
    をエステル交換反応せしめ、次いで重縮合反応せしめポ
    リアルキレンナフタレ−トを製造する際に、該重縮合反
    応開始前に、アンチモン化合物およびエステル形成性官
    能基を有するスルホン酸4級ホスホニウム塩成分を添加
    することを特徴とするフイルム用ポリアルキレンナフタ
    レート組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれかの項に記載
    の組成物から形成された二軸配向フイルム。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれかに記載の組
    成物から形成されたフイルムであり、フイルム表面上に
    存在する、微分干渉法による長径10μm以上の大突起
    の数が10個/cm2以下であることを特徴とする二軸
    配向フイルム。
  14. 【請求項14】 請求項1〜10のいずれかの項に記載
    の組成物から形成された二軸配向フイルムをベースフイ
    ルムとする高密度磁気記録媒体。
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