JP2000038453A - 共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法、得られた重合体、及び、それを用いたゴム組成物 - Google Patents

共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法、得られた重合体、及び、それを用いたゴム組成物

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JP2000038453A
JP2000038453A JP11133271A JP13327199A JP2000038453A JP 2000038453 A JP2000038453 A JP 2000038453A JP 11133271 A JP11133271 A JP 11133271A JP 13327199 A JP13327199 A JP 13327199A JP 2000038453 A JP2000038453 A JP 2000038453A
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block copolymer
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based polymer
isobutylene
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Tetsuya Omura
哲也 大村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブロック共重合体の効率的な製造方法及び、該
方法で得られたブロック共重合体の提供。 【解決手段】炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を
開始剤として用いて共役ジエン単量体を重合または共重
合させた後、その重合活性末端に末端が変性されたイソ
ブチレン系重合体を反応させてなることを特徴とする共
重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共役ジエン系ブロ
ック共重合体の製造方法、得られた重合体、及び、それ
を用いたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】重合体に多彩な特徴を持たせる方法とし
て、2種以上の単量体をそれぞれ重合させ、ブロック共
重合体とする方法がある。ブロック共重合体を製造する
方法としては、リビング重合法を用いることが有用であ
るが、リビング重合法では、開始剤と単量体の組み合わ
せによっては重合が進行しない場合もあり、注意を要す
ることは周知のことである。
【0003】例えば、イソブチレンを重合する場合、カ
チオン重合を行ない、ジエン系の単量体を重合する場合
はアニオン重合を行なう。従って、この両者を用いてブ
ロック共重合体を製造することは、従来極めて困難であ
った。
【0004】また、従来、ゴム組成物のロス特性を上げ
るためには、芳香族系の軟化剤が好んで配合されてき
た。
【0005】しかし、高ロス性を得るためには軟化剤を
多量に配合しなくてはならず、芳香族系の軟化剤を用い
ると、破壊特性が低下してしまうという問題があった。
【0006】この点を改良するために、ブチル系の軟化
剤を用いることも検討されているが、ブチルゴムは、マ
トリックスのゴム成分として公的に用いられるジエン系
のゴムとの相溶性が悪く、成型後の製品の表面にブリー
ドしてしまい、特に、成型品を他の部材と合わせて最終
製品にする場合などは、部材同士の接着性を低下させる
という問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような公知の方法では共重合が難しかった2種以上の単
量体を効率よく共重合させ、ブロック共重合体を得るこ
とにある。さらに、本発明の目的の他の一つは、このよ
うな公知の方法では両立が難しかった、破壊特性と高ロ
ス性を同時に高いレベルで得ることができるゴム組成物
を提供することである。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明者は、各種重合体の製造
方法について鋭意検討した結果、予め、重合した単一重
合体又は共重合体の末端を反応性の官能基で変性してお
き、この重合体を用いて、他の重合体の活性重合末端を
変性することにより、種々のブロック共重合体が容易に
製造できることを見出し、この発明にいたった。
【0009】すなわち、本発明は、以下の構成とする。 (1)炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を開始剤
として用いて共役ジエン単量体を重合または共重合させ
た後、得られた共役ジエン系重合体の活性末端に末端が
変性されたイソブチレン系重合体を反応させてなること
を特徴とする共役ジエン系ブロック共重合体の製造方
法。 (2)上記(1)の方法で重合したことを特徴とする共
役ジエン系ブロック共重合体。 (3)前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン単量体の
単一重合体又は、共役ジエン単量体同士の共重合体であ
る事を特徴とする上記(2)の共役ジエン系ブロック共
重合体。 (4)前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン単量体
と、モノビニル芳香族化合物との共重合体である事を特
徴とする上記(2)または(3)のいずれかに記載の共
役ジエン系ブロック共重合体。 (5)前記末端が変性されたイソブチレン系重合体がア
ルコキシシラン変性された、アルコキシシリル基を含む
ポリイソブチレンであることを特徴とする上記(2)か
ら(4)のいずれかに記載の共役ジエン系ブロック共重
合体。 (6)前記アルコキシシリル基がポリイソブチレン1分
子あたり1個または2個含まれてなることを特徴とする
上記(2)から(5)のいずれかに記載の共役ジエン系
ブロック共重合体。 (7)末端が変性されたイソブチレン系重合体で変性す
る前の共役ジエン系重合体の分子量が1000から30
000であることを特徴とする上記(2)から(6)の
いずれかに記載の共役ジエン系ブロック共重合体。 (8)分子量が2000から50000であることを特
徴とする上記(2)から(7)のいずれかに記載の共役
ジエン系ブロック共重合体。 (9)上記(2)から(8)のいずれかに記載の共役ジ
エン系ブロック共重合体を含むことを特徴とするゴム組
成物。 (10)上記共役ジエン系ブロック共重合体の配合量が
ゴム成分100重量部あたり5重量部から200重量部
であることを特徴とする(9)記載のゴム組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の共役ジエン系重合体は、
炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を開始剤として
用いて共役ジエン単量体を重合または共重合させた後、
得られた共役ジエン系共重合体の活性末端を末端が変性
されたイソブチレン系重合体で変性することにより得ら
れる。
【0011】本発明で用いられる共役ジエン単量体とし
ては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,
3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−
フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン
等が挙げられ、その中でも、1、3―ブタジエンが、実
用性、特にモノマーを容易に入手可能であり又アニオン
重合特性がリビング性等の点で優れるとの理由から特に
好ましい。これらは、一種単独で用いても、二種以上を
混合して用いてもよい。また、共役ジエン単量体との共
重合に用いられる、ビニル芳香族炭化水素単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタ
レン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジ
ビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,
4,6−トリメチルスチレン等を例示することができ、
その中でもスチレンが、実用性、特にモノマーを容易に
入手可能であり又アニオン重合特性がリビング性等の点
で優れるとの理由から特に好ましい。更に、単量体とし
て共役ジエン単量体及びビニル芳香族炭化水素を用いて
共重合を行なう場合、各々1,3−ブタジエン及びスチ
レンを使用することが好ましい。
【0012】重合に使用される開始剤としては、リチウ
ム金属の炭化水素化合物、又は極性化合物との錯体が挙
げられる。好ましくは、2〜20個の炭素原子を有する
リチウム化合物である。例えば、エチルリチウム、n−
プロピルリチウム、i−プロピルリチウム、n−ブチル
リチウム、sec −ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェ
ニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フ
ェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シク
ロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、テトラ
メチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキ
サメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウム、1,
3−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオベンゼン、
1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,2,5−
トリリチオナフタレン、1,3,5,8−テトラリチオ
デカン等が挙げられ、好ましくは、n−ブチルリチウ
ム、secブチルリチウム、t−ブチルリチウムである。
開始剤の使用量は目的とする重合体の分子量により異な
るが、通常、単量体100g当りリチウム原子として
0.2〜50ミリモルの範囲で用いる。
【0013】ジエン系共重合体の分子量は特に制限され
ず、その目的に応じて適宜選択される。例えば、ゴム組
成物の軟化剤として用いる場合には、1000から30
000であることが好ましく、更に好ましくは、200
0から25000である。
【0014】本発明の重合は、炭化水素溶剤などの有機
リチウム開始剤を失活させない溶媒中で行われる。適当
な炭化水素溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化
水素、脂環族炭化水素から選ばれ、特に炭素数3〜8個
を有するプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペン
タン、i−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
プロペン、1−ブテン、i−ブテン、トランス−2−ブ
テン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテ
ン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどが好ましい。またこ
れらの溶媒は2種類以上を混合して使用することもでき
る。
【0015】なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜
50重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0016】本発明では、共役ジエン単量体のアニオン
重合を行なう際に既知のランダマイザーを用いることが
できる。ここで言うランダマイザーとは、共役ジエン系
重合体のミクロ構造のコントロール、例えばブタジエン
重合体又はブタジエン−スチレン重合体のブタジエン部
の1,2−結合、イソプレン重合体の3,4−結合の増
量等及び共役ジエン単量体ビニル芳香族炭化水素共重合
体の単量体単位の組成分布のコントロール例えば、ブタ
ジエン−スチレン共重合体のブタジエン単位、スチレン
単位のランダム化等、の作用を有する化合物である。本
発明のランダマイザーは特に制限されず、一般に用いら
れているものを適宜使用することができ、例えばジメト
キシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリ
ルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチル
モルホリン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレ
ンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテ
ル類及び第3級アミン類などを挙げることができる。ま
たカリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシ
ド等のカリウム塩類またナトリウム−t−アミレート等
のナトリウム塩等も用いることができる。
【0017】ランダマイザーの使用量は開始剤中のリチ
ウム原子1モル当量当たり、0.01〜1000モル当
量の範囲で用いられる。
【0018】本発明のジエン系重合体の重合は約−80
〜150℃の範囲内で任意の温度で行なうことができる
が、−20〜100℃の温度が好ましい。また、重合反
応は発生圧下で行なうことができ、通常は単量体を実質
的に液相下に保つに十分な圧力で操作することが望まし
い。即ち、発生圧力は重合される個々の物質や、用いる
溶媒及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力
を用いることができ、このような圧力は、例えば、重合
反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当
な方法で得られる。
【0019】一般に、開始剤成分、溶媒、単量体等重合
工程に関与する全ての物質から、水、酸素、二酸化炭素
及び他の触媒毒を除去するのが好適である。
【0020】本発明に用いられる末端が変性されたイソ
ブチレン系重合体は、主鎖成分が単量体組成として90
モル%以上のイソブチレン単位を含むイソブチレン系重
合体であることが好ましい。このような重合体は、いわ
ゆるイニファー法(米国特許第4276394号明細
書)によって重合した後、得られたイソブチレン系重合
体の末端を変性することにより、合成が可能である。イ
ソブチレン以外の反復単位としてイソブチレンと共重合
が可能な不飽和炭化水素を含んでいても良い。
【0021】本発明に用いられる末端が変性されたイソ
ブチレン系重合体は、上記イソブチレン系重合体の末端
付近に、例えば、特開昭63−105005号、特開平
4−288309号、特開平4−233916号、特開
平8−12723号にあるような方法で炭素−炭素不飽
和結合を導入し、次に、この不飽和結合をヒドロシリル
化することにより得られる。
【0022】前記ヒドロシリル化された末端が変性され
たイソブチレン系重合体の末端変性基としては、下記一
般式(1) で表わされるアルコキシシリル基であること
が好ましい。 −SiRa (OR)(3-a) ……… (1) このアルコキシシリル基は、好ましくは、ポリイソブチ
レン1分子あたりに1個または2個付くことができ、式
中のRは炭素数 1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基
又はアリル基、または、炭素数6〜20のアリール基で
あり、aは0〜2の整数であることが好ましい。
【0023】上記末端が変性されたイソブチレン系重合
体の分子量は特に制限されず、目的に応じて適宜選択す
ることができる。例えば、ゴム組成物の軟化剤に用いる
ようなオイル類として使用する場合には、分子量が2
0、000以下の比較的低分子量のものを用いることが
好ましく、イソブチレン系重合体を使用する効果を十分
に得るためには1000以上20000以下であること
が好ましい。
【0024】本発明では、以上のようにして製造した末
端が変性されたイソブチレン系重合体で、アニオン重合
で得られた共役ジエン系重合体の活性末端を変性する。
【0025】本発明の末端が変性されたイソブチレン系
重合体と共役ジエン系重合体の活性末端の反応温度は共
役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることがで
きる。具体的には30℃〜100℃が好ましい範囲とし
てあげられる。30℃未満では重合体の粘度が上昇しす
ぎる傾向があり100℃を超えると、ジエン系重合体の
末端アニオンが失活し易くなるので好ましくない。
【0026】これらの末端が変性されたイソブチレン系
重合体による共役ジエン系重合体の重合鎖末端の変性の
時期、方法については特に限定はないが一般的にこのよ
うな変性剤を用いる場合は、重合終了後に行なう場合が
多い。
【0027】本発明の共役ジエン系ブロック共重合体の
分子量は特に制限されず、目的に応じて適宜調整するこ
とができるが、ゴム組成物の軟化剤として用いる場合に
は、分子量は、2000から50000であることが好
ましく、更に好ましくは、4000から42000であ
る。
【0028】本発明の共役ジエン系ブロック共重合体の
形状は特に制限されないが、ゴム組成物の軟化剤に用い
る場合には、作業性の点から液状であることが好まし
い。
【0029】これら、共役ジエン系重合体、及び、共役
ジエン系ブロック共重合体の分析はGPCを用いて行な
うことができる。
【0030】本発明の共役ジエン系ブロック共重合体
は、ゴム組成物の軟化剤として好適に使用することがで
きる。軟化剤は、本発明の共役ジエン系ブロック共重合
体を単独に用いてもよく、従来から用いられている軟化
剤と併用してもよい。
【0031】軟化剤の量は特に制限されず、目的に応じ
て適宜調整することができる。
【0032】本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分
は特に制限されないが、ジエン系ゴムであることが好ま
しく、具体的には、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共
重合体ゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン系
共重合体ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等が
挙げられ、特に、タイヤのトレッドに用いる場合には、
天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジ
エンゴムが好ましい。
【0033】本発明のゴム組成物は、上記の他に、ゴム
業界で一般的に使われている配合薬品を適宜配合するこ
とができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例
に限定されるものではない。
【0035】なお、実施例において、部及び%は特に断
らない限り、重量部及び重量%を意味する。各種の測定
は下記の方法によった。
【0036】1.各種測定方法 (1)重合体の物性 重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(M
w)の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィ
〔GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー
製GMH−XL(2本直列)〕により行い、示差屈折率
(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポ
リスチレン換算で行った。ピークトップの分子量(Pe
ak Top M.W.)とは、GPCのチャートの各
ピークのトップに相当する分子量である。重合体中の結
合スチレン含有量(St(重量%))は 1H−NMRス
ペクトルのベンゼン環のプロトンによるピークのピーク
全体に対する積分比より算出した。ブタジエン部のビニ
ル結合量(1,2−結合の含有量:Vi(%))は、 1
H−NMRスペクトルを用い、末端二重結合に関わる二
級炭素につく水素によるピークと、末端二重結合に関わ
る三級炭素につく水素及び内部の二重結合に関わる三級
炭素につく水素によるピークの和との比から計算した。
ブロック化効率(Area(%))は、GPCのチャー
トのピーク面積中のブロック共重合体によるピークの面
積率として求めた。相溶性はJSR製高スチレンSBR
(商標:0120)137.5重量部に重合体を30重
量部添加し、その透明性を目視にて評価した。透明度が
高いほど、相溶性が良好で、耐ブリード性が高い。評価
の基準は、透明である場合は○、やや濁りが見られる場
合は△、不透明な場合は×とした。結果を表2に示す。
【0037】(2)ゴム組成物の物性 ゴム組成物の高ロス性は、レオメトリックス社製メカニ
カルスペクトロメーターを用い、歪みせん断5%、温度
60℃、周波数15Hzで測定したtanδにより評価
し、指数で表した。数値が大きいほど、高ロス性が良好
である。破壊特性は、JIS K6301−1995に
準拠して破壊強度を測定し、指数で表した。数値が大き
いほど破壊特性は良好である。
【0038】(3)タイヤ性能 1500CCの乗用車に試験タイヤ4輪を装着し、テス
トコースを10周したときのベストラップタイムでグリ
ップ性を評価した。性能はそれぞれの配合において、コ
ントロールタイヤのベストラップタイムと、コントロー
ルタイヤ配合のアロマオイルを10重量部増量したタイ
ヤのベストラップとの差(短縮時間:T1 )を100と
し、各配合の試験タイヤにおけるコントロールタイヤと
のベストラップの差(短縮時間:T2 )を3回測定し、
その平均値を指数(T2 /T1 )で表わした。指数が大
きいほどグリップ性は良好である。
【0039】2.重合体の調製 (1)末端が変性されたイソブチレン系重合体 末端アルコキシシラン変性ポリイソブチレン( 商標:E
PION 鐘淵化学工業株式会社製) を前処理し、オイ
ル、その他の不純物を除去した。 (2)共役ジエン系重合体の調製 アニオン重合に用いた原材料に関しては特に指示がある
場合をのぞいて乾燥精製した原材料を用いて実験を行っ
た。
【0040】乾燥し、窒素置換された200mlの耐圧
ガラス容器に、シクロヘキサン29.44g、1,3−
ブタジエン単量体2.96g、スチレン単量体0.74
g、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン
0.259mmolを注入し、これにn−ブチルリチウ
ム(BuLi)1.295mmolを加えた後、50℃
で30分間重合を行った。重合系は重合開始から終了ま
で、全く沈殿は見られず均一で透明であった。重合転化
率は、ほぼ100%であった。
【0041】重合溶液の一部をサンプリングし、イソプ
ロピルアルコールを加え、分離、乾燥し、共重合体を得
た。この共重合体についてミクロ構造、分子量及び分子
量分布を測定した。その結果を(表1)に示した。
【0042】(3)共役ジエン系ブロック共重合体の調
製 (2)で得られた重合系にさらに前処理をした末端変性
ポリイソブチレン(EPION EP303S( 鐘淵化
学工業株式会社製) 8.288gと19.98gのシク
ロヘキサンを加えた後にさらに20分間ブロック化反応
を行った。この後重合系にさらに2,5−ジ−t−ブチ
ルヒドロキノンのイソプロパノール7%溶液0. 185
mlを加えて反応の停止を行い、さらに常法に従い乾燥
することによりブロック共重合体Aを得た。分子量、分
子量分布、および、ブロック化効率の測定結果を(表
1)に示す。
【0043】
【表1−1】
【0044】またこのn−ブチルリチウムの量、モノマ
ーであるスチレン及びブタジエンの混合比、および、末
端変性ポリイソブチレンの種類(EPION EP30
3S,EPION EP103S)と量を表1に示され
るように置換することによりブロック共重合体B〜F、
H〜Nを得た。
【0045】
【表1−2】
【0046】
【表1−3】
【0047】重合体Gは、表1に従ってアニオン重合終
了後、ブロック化反応を行なわずに、2,5−ジ−t−
ブチルヒドロキノンのイソプロパノール7%溶液0.1
85mlを加えて反応を停止し、EPION EP30
3Sを添加、混合した後、常法に従い乾燥することによ
り得た。
【0048】これらの重合体についても重合体Aと同様
にミクロ構造、分子量及び分子量分布を測定した。その
結果を(表1)に示した。
【0049】表1から、ジエン系重合体の、または、ポ
リイソブチレンの、分子量、種類に関わらず、本発明の
方法を用いることにより、ブロック共重合体が高収率で
得られることが判る。
【0050】なお、重合体Nは、本発明の範囲には入ら
ないが、スチレンは、カチオン重合のみでなく、アニオ
ン重合でも容易に重合できるので、ここに、1参考例と
して示した。
【0051】本発明の重合体及びイソブチレン系重合体
の、ジエン系ゴムとの相溶性を比較した。結果を表2に
示す。
【0052】
【表2】
【0053】次に、得られた共役ジエン系ブロック共重
合体を用い、表3の配合に従ってゴム組成物を調製し
た。用いた共重合体の種類及び得られたゴム組成物の物
性を表4に示す。
【0054】
【表3】 *1:JSR( 株) 製高スチレンSBR 商標:012
0 *2:N234((株)東海カーボン製 商標:シース
ト7HM) *3:N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニ
レンジアミン *4:2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール *5:1,3−ジフェニルグアニジン
【0055】
【表4】
【0056】さらに、各ゴム組成物をトレッド接地部分
に用い、キャップ/ ベース構造のトレッドを持つ、サイ
ズ185/70R14のタイヤを作成し、タイヤ性能と
してのグリップ性を評価した。結果を表4に示す。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ジエン系単量体とイソ
ブチレンとによるブロック共重合体を効率的に製造する
ことができる。このブロック共重合体は、例えば、ゴム
組成物に軟化剤の代わりに配合すると、他の物性に影響
を与えずに加工性を改良することができ、例えば、タイ
ヤ用、ベルト用、防振ゴム用などの各種ゴム組成物に用
いることができる。本発明のジエン系ブロック共重合体
を含むゴム組成物をタイヤのトレッドに用いると、タイ
ヤのグリップ性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】得られたブロック共重合体Aのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図2】得られたブロック共重合体Bのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図3】得られたブロック共重合体Cのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図4】得られたブロック共重合体Dのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図5】得られたブロック共重合体Eのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図6】得られたブロック共重合体Fのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図7】得られたブロック共重合体Gのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図8】得られたブロック共重合体Hのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図9】得られたブロック共重合体Iのブロック化前及
びブロック化後のGPCチャートである。
【図10】得られたブロック共重合体Jのブロック化前
及びブロック化後のGPCチャートである。
【図11】得られたブロック共重合体Kのブロック化前
及びブロック化後のGPCチャートである。
【図12】得られたブロック共重合体Lのブロック化前
及びブロック化後のGPCチャートである。
【図13】得られたブロック共重合体Mのブロック化前
及びブロック化後のGPCチャートである。
【図14】得られたブロック共重合体Nのブロック化前
及びブロック化後のGPCチャートである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物
    を開始剤として用いて共役ジエン単量体を重合または共
    重合させた後、得られた共役ジエン系重合体の活性末端
    に末端が変性されたイソブチレン系重合体を反応させて
    なることを特徴とする共役ジエン系ブロック共重合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 特許請求の範囲1の方法で重合したこと
    を特徴とする共役ジエン系ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン
    単量体の単一重合体又は、共役ジエン単量体同士の共重
    合体である事を特徴とする特許請求の範囲2項記載の共
    役ジエン系ブロック共重合体。
  4. 【請求項4】 前記共役ジエン系重合体が、共役ジエン
    単量体と、モノビニル芳香族化合物との共重合体である
    事を特徴とする特許請求の範囲2項または3項のいずれ
    かに記載の共役ジエン系ブロック共重合体。
  5. 【請求項5】 前記末端が変性されたイソブチレン系重
    合体がアルコキシシラン変性された、アルコキシシリル
    基を含むポリイソブチレンであることを特徴とする特許
    請求の範囲2項から4項のいずれかに記載の共役ジエン
    系ブロック共重合体。
  6. 【請求項6】 前記アルコキシシリル基がポリイソブチ
    レン1分子あたり1個または2個含まれてなることを特
    徴とする特許請求の範囲2項から5項のいずれかに記載
    の共役ジエン系ブロック共重合体。
  7. 【請求項7】 末端が変性されたイソブチレン系重合体
    で変性する前の共役ジエン系重合体の分子量が1000
    から30000であることを特徴とする特許請求の範囲
    1項から6項のいずれかに記載の共役ジエン系ブロック
    共重合体。
  8. 【請求項8】 分子量が2000から50000である
    ことを特徴とする特許請求の範囲2項から7項のいずれ
    かに記載の共役ジエン系ブロック共重合体。
  9. 【請求項9】 上記特許請求の範囲2項から8項のいず
    れかに記載の共役ジエン系ブロック共重合体を含むこと
    を特徴とするゴム組成物。
  10. 【請求項10】 上記共役ジエン系ブロック共重合体の
    配合量がゴム成分100重量部あたり5重量部から20
    0重量部であることを特徴とする特許請求の範囲9項記
    載のゴム組成物。
JP11133271A 1998-05-21 1999-05-13 共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法、得られた重合体、及び、それを用いたゴム組成物 Pending JP2000038453A (ja)

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