JP2000036436A - 有極性アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents
有極性アルミニウム電解コンデンサInfo
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Abstract
液の漏出の発生しない有極性アルミニウム電解コンデン
サを実現すること。 【解決手段】 陽極箔と陰極箔の間に電解紙を介して巻
回したコンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2の陽
極箔及び陰極箔から引き出された陽極リード端子3及び
陰極リード端子4のアルミニウム製の各丸棒部31、4
1が各端子挿通孔51、52にそれぞれ嵌められたゴム
封口体5と、4級アンモニウム塩もしくはイミダゾリニ
ウム塩を含む駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子2
をゴム封口体5とともに封止するアルミニウム製のケー
ス6とを有する有極性アルミニウム電解コンデンサにお
いて、陰極箔として化成処理を施したアルミニウム−銅
合金箔を用いる。
Description
ンデンサに関するものである。さらに詳しくは、アルミ
ニウム電解コンデンサからの駆動用電解液の漏出防止技
術に関するものである。
ム電解コンデンサの構成要素を示す説明図、およびアル
ミニウム電解コンデンサの断面図である。小型アルミニ
ウム電解コンデンサは、一般に、図1および図2に示す
ように、陽極箔と陰極箔の間に電解紙を介して巻回した
コンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2の陽極箔及
び陰極箔から引き出された陽極リード端子3及び陰極リ
ード端子4のアルミニウム製の各丸棒部31、41が各
端子挿通孔51、52にそれぞれ嵌められたゴム封口体
5と、駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子2をゴム
封口体5とともに封止するアルミニウム製のケース6と
から構成されている。
年、デジタル回路等の発達に対応するため、低損失、低
インピーダンス特性が要求されている。これらの要求に
対応するための重要な技術は、主として、コンデンサ素
子に含浸される駆動用電解液の低比抵抗化である。この
要求を満たす駆動用電解液としては、γ−ブチロラクト
ン単独溶媒、あるいはγ−ブチロラクトンを主溶媒とし
それにエチレングリコールなどを配合した混合溶媒中
に、o−フタル酸やマレイン酸の4級アンモニウム塩な
どを溶質として溶解した駆動用電解液が用いられてい
る。
は、高温雰囲気中でゴム封口体を透過しての消失が激し
く、このような消失はコンデンサ特性の著しい劣化を招
来させる。そこで、このような駆動用電解液を用いる際
には、ゴム封口体としてガス透過性の低いブチルゴムを
使用するなど、気密面で各種の設計的配慮がなされてい
る。
駆動用電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサで
は、従来のアルミニウム電解コンデンサではみられない
新たな不具合が指摘されている。すなわち、アルミニウ
ム電解コンデンサを負荷状態で長期間の使用、あるいは
無負荷状態で長期間の放置を行ったときに、ゴム封口体
の陰極側の端子挿通孔部から駆動用電解液が漏出し、漏
出した駆動用電解液によって回路基板上で配線パターン
がショートを発生するという不具合である。
性な薬品を駆動用電解液に用いても、電解液の漏出の発
生しない有極性アルミニウム電解コンデンサを実現する
ことにある。
陰極側の端子挿通孔部から駆動用電解液が漏出するのを
防止するために行った各種検討から得られた新たな知見
に基づくものであり、ゴム封口体の陰極側の端子挿通部
に接するリード端子のアルミニウム製の丸棒部と、該端
子に接続されている陰極箔の電極電位差に着目したもの
である。すなわち、従来の有極性アルミニウム電解コン
デンサにおいて、陰極箔はこれに接続するリード端子の
アルミニウム製の丸棒部より電極電位が卑であるため、
陰極箔とアルミニウム製の丸棒部とによって局部電池が
形成される。このため、従来の有極性アルミニウム電解
コンデンサにおいて、陰極側のリード端子の丸棒部での
電極反応により、該丸棒部付近の駆動用電解液でアルカ
リ化が進行してしまう。その結果、陰極側のリード端子
の丸棒部付近で駆動用電解液に接するゴム封口体にアル
カリ劣化、すなわち、端子挿通孔の内面のゴム弾性の低
下が進行し、この部分からの駆動用電解液の漏出が起こ
るのである。
の局部電池の極性を逆転させることにより、駆動用電解
液の漏出を防ぐことに特徴を有する。すなわち、本発明
では、陽極箔と陰極箔の間に電解紙を介して巻回したコ
ンデンサ素子と、該コンデンサ素子の前記陽極箔及び前
記陰極箔から引き出された陽極リード端子及び陰極リー
ド端子のアルミニウム製の各丸棒部が各端子挿通孔にそ
れぞれ嵌められたゴム封口体と、4級アンモニウム塩も
しくはイミダゾリニウム塩を含む駆動用電解液を含浸し
た前記コンデンサ素子を前記ゴム封口体とともに封止す
るケースとを有する有極性アルミニウム電解コンデンサ
において、前記陰極箔として、アルミニウム(Al)−
銅(Cu)合金箔にエッチング処理を施した後、化成処
理を施したものを用いることを特徴とする。
したものを用いるので、陰極箔は陰極のリード端子のア
ルミニム製の丸棒部より電極電位が貴になる。従って、
陰極側のリード端子の丸棒部と陰極箔とによって局部電
池が形成されても、丸棒部の表面では、丸棒部周辺にお
ける駆動用電解液においてアルカリ化が進行するような
電極反応が起こらない。それ故、陰極側のリード端子の
丸棒部付近で駆動用電解液に接するゴム封口体にアルカ
リ劣化、すなわち、端子挿通孔の内面のゴム弾性の低下
が発生しないので、この部分からの駆動用電解液の漏出
を防止することができる。
純度99%のアルミニウム箔と比較して気中酸化成膜が
形成されにくい分、駆動用電解液中で電位が卑になりや
すい。しかるに本発明では、このような材質面からみ
て、電位的に不利なアルミニウム−銅合金箔に化成処理
を適用するので、その効果が顕著である。
ここで用いるアルミニウム電解コンデンサの構造は、図
1および図2を参照して説明したとおりなので、その説
明を省略する。 [実施例1]まず、γ−ブチロラクトンを主成分とする
溶媒に、テトラエチルアンモニウムのフタル酸塩を主溶
質として15重量%配合して駆動用電解液を調製した。
次に、この駆動用電解液を用い、定格電圧16V、静電
容量330μF、ケースサイズ10mm、長さ12.5
mmのアルミニウム電解コンデンサを作製する。
7重量%の銅を含有するアルミニウム−銅合金箔に塩酸
水溶液中で直流エッチングを施した後、0.1V、0.
5V、1.0V、2.0V、5.0Vの化成電圧で化成
処理を施したものである。比較用としては、アルミニウ
ム−銅合金箔にエッチング処理を施しただけの未化成の
陰極箔を用いた。
それぞれ500個作製し、エージング処理を施した後、
温度85℃、湿度85%の高温高湿雰囲気中にて定格電
圧印加、無負荷放置試験を2000時間行い、試験後の
各コンデンサ試料について駆動用電解液の漏出状況を確
認した。その結果を表1及び表2に示す。
金箔であっても0.5V以上の化成処理を施した陰極箔
を用いたアルミニウム電解コンデンサでは駆動用電解液
の漏出が発生せず、高い信頼性が得られることが判明し
た。なお、テトラエチルアンモニウムのフタル酸塩に代
えて、テトラエチルアンモニウムのマレイン酸塩、テト
ラメチルアンモニウムのフタル酸塩あるいはマイレイン
酸塩などといったその他の4級アンモニウム塩を用いた
駆動用電解液で行った評価においても、やはり、陰極箔
に化成処理を施したものを用いたアルミニウム電解コン
デンサでは駆動用電解液の漏出が発生しないことが確認
できた。 [実施例2]次に、γ−ブチロラクトンを主成分とする
溶媒に、イミダゾリニウムのフタル酸塩を主溶質として
15重量%配合して駆動用電解液を調製した。次に、こ
の駆動用電解液を用い、定格電圧16V、静電容量33
0μF、ケースサイズ10mm、長さ12.5mmの電
解コンデンサを作製する。
7重量%の銅を含有するアルミニウム−銅合金箔に塩酸
水溶液中で直流エッチングを施した後、0.1V、0.
5V、1.0V、2.0V、5.0Vの化成電圧で化成
処理を施したものである。比較用としては、アルミニウ
ム−銅合金箔にエッチング処理を施しただけの未化成の
陰極箔を用いた。
それぞれ500個作製し、エージング処理を施した後、
温度85℃、湿度85%の高温高湿雰囲気中にて定格電
圧印加、無負荷放置試験を8000時間行い、試験後の
各コンデンサ試料について駆動用電解液の漏出状況を確
認した。その結果を表3及び表4に示す。
金箔であっても0.5V以上の化成処理を施した陰極箔
を用いたアルミニウム電解コンデンサでは駆動用電解液
の漏出が発生せず、高い信頼性が得られることが判明し
た。 [その他の実施例]なお、アルミニウム−銅合金箔とし
ては、銅の含有量が0.7重量%のもの以外にも種々評
価したが、銅含有量が0.06重量%〜0.9重量%の
アルミニウム−銅合金箔において、化成電圧が0.5V
以上で電解液の漏出を完全に防止できた。また、化成電
圧が0.5V未満でも、未化成のものと比較すると改善
される傾向にある。但し、化成電圧が5Vを越えると、
容量面で不利である。
級アンモニウム塩もしくはイミダゾリニウム塩を含む駆
動用電解液を用いた場合、従来の陰極箔では駆動用電解
液が漏出していたものが、本発明のように、化成処理を
施したアルミニウム−銅合金箔を陰極箔として用いるこ
とにより、陰極リード端子の丸棒部より陰極箔表面の電
極電位を駆動用電解液中で貴になるように構成すると、
駆動用電解液の漏出を確実に防止することができる。そ
れ故、低損失、低インピーダンス特性を有するアルミニ
ウム電解コンデンサの信頼性を向上させることができる
ので、本発明の持つ工業的、実用的価値は大なるもので
ある。
斜視図である。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 陽極箔と陰極箔の間に電解紙を介して巻
回したコンデンサ素子と、該コンデンサ素子の前記陽極
箔及び前記陰極箔から引き出された陽極リード端子及び
陰極リード端子のアルミニウム製の各丸棒部が各端子挿
通孔にそれぞれ嵌められたゴム封口体と、4級アンモニ
ウム塩もしくはイミダゾリニウム塩を含む駆動用電解液
を含浸した前記コンデンサ素子を前記ゴム封口体ととも
に封止するケースとを有する有極性アルミニウム電解コ
ンデンサにおいて、 前記陰極箔として、アルミニウム−銅合金箔にエッチン
グ処理を施した後、化成処理を施したものを用いること
を特徴とする有極性アルミニウム電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
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JP20303398A JP4101938B2 (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 有極性アルミニウム電解コンデンサ |
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JP2007142353A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-06-07 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルミ電解コンデンサ |
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JPH01319924A (ja) * | 1988-06-22 | 1989-12-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電解コンデンサ用アルミニウム陰極箔の製造方法 |
JPH10112422A (ja) * | 1996-10-07 | 1998-04-28 | Nippon Chemicon Corp | アルミニウム電解コンデンサ |
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1998
- 1998-07-17 JP JP20303398A patent/JP4101938B2/ja not_active Expired - Fee Related
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