JP2000034499A

JP2000034499A - 成形機用洗浄剤

Info

Publication number: JP2000034499A
Application number: JP10205518A
Authority: JP
Inventors: Mineto Ikeda; 峰人池田
Original assignee: Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Current assignee: Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Priority date: 1998-07-21
Filing date: 1998-07-21
Publication date: 2000-02-02

Abstract

(57)【要約】【課題】優れた洗浄効果が得られると共に、洗浄によ
る成形機内の摩耗を回避し得る成形機用洗浄剤を提供す
る。【解決手段】熱可塑性樹脂１００重量部に対してサイ
ズが１０〜３２５メッシュである有機系充填材を１５〜
６０重量部配合し、更に該有機系充填材１００重量部に
対して滑剤を５〜３０重量部配合してなる樹脂組成物を
洗浄剤とする。有形系充填材としては木粉を用いるのが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、押出成形機、射
出成形機等の成形機内に残留した熱可塑性樹脂や添加剤
等の残留物を洗浄除去するための成形機用洗浄剤に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、押出成形機、射出成形機等の成
形機を用いた樹脂成形においては、成形機内を内部清掃
しなければならない場合がある。例えば、成形材料を変
更して成形する場合においては、成形機内にはその前に
成形された異種の成形材料が残留しているため、この状
態の成形機で変更後の成形材料を成形すると、成形機内
の残留物が不純物として変更後の成形材料に混入してし
まい、得られる成形品の品質を低下させたり、品質規格
外の成形品となってしまうことから、成形材料の変更の
際には成形機内の洗浄が行われる。また、同一の成形材
料を続けて成形する場合においても、その一部の材料が
成形機内から吐出されずに長い間成形機内に滞留してし
まうが、この滞留期間が長くなると、その間の熱履歴に
より炭化してしまい、成形機内に炭化物が残留してしま
う。このような炭化物が成形機内に存在すると、前記同
様に、得られる成形品の品質を低下させてしまう等の問
題を生じることから、同一の成形材料を連続して成形す
るような場合でも、一定期間ごとに成形機内の洗浄が行
われる。

【０００３】このような成形機内の洗浄は、従来では、
成形機を分解して実施されていたが、この成形機を分解
するのに多大な時間と労力を要し、生産性を著しく低下
させてしまうことから、近年このような成形機の分解を
伴わずに、成形機内に導入して通常の成形操作を実施す
るだけで成形機内の洗浄を行うことのできる洗浄剤の開
発が進められおり、例えば次のような洗浄剤が提案され
ている。

【０００４】即ち、特開平２−３０８９００号公報に
は、熱可塑性樹脂７０〜９５重量％とガラス繊維３０〜
５重量％とからなる成形機用洗浄剤が記載されている。
また、特開平５−４２５４６号公報には、熱可塑性樹脂
に、長さ２ｍｍ以上のガラス繊維、炭素繊維等の繊維状
充填材を配合した成形機用洗浄剤が記載されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記洗
浄剤は、未だ十分な洗浄効果が得られるものではなかっ
た。また、その成分として無機充填剤を含有している
が、無機充填剤は一般に成形機内を研磨する作用を有す
ることが知られており、このような無機充填剤を高率に
含有する洗浄剤を長期に亘り使用した場合、スクリュー
やシリンダー等を摩耗させてしまうことが懸念される。

【０００６】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、優れた洗浄効果が得られると共
に、研磨作用が殆どなくて洗浄による成形機内の摩耗を
回避し得る成形機用洗浄剤を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、熱可塑性樹脂に、特
定サイズの木粉等の有機系充填材を特定量含有させると
ともに、この有機系充填材に対して特定量となる滑剤を
含有せしめた樹脂組成物が、成形機用洗浄剤として優れ
た洗浄効果を発揮し、かつ長期に亘り洗浄剤として使用
しても成形機内を摩耗させることがなく、また成形機内
での流れ性が良くて十分な洗浄作業性を有し効率良く洗
浄できることを見出すに至り、本発明を完成した。

【０００８】即ち、この発明に係る成形機用洗浄剤は、
熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂１００重量部に対して
サイズが１０〜３２５メッシュである有機系充填材１５
〜６０重量部と、該有機系充填材１００重量部に対して
滑剤５〜３０重量部とを含む樹脂組成物からなることを
特徴とするものである。

【０００９】特定サイズの有機系充填材が特定量含有さ
れているから、洗浄効果に優れるとともに、洗浄の際に
成形機内を摩耗させることが殆どない。また、成形機内
での流動性低下の要因となる充填剤に対して特定量の滑
剤が配合されているから、成形機内での流動性が良く、
このように流動性に優れていることにより、一層洗浄効
果が高められるのみならず、十分な洗浄作業性も確保さ
れて効率良い洗浄が可能となる。

【００１０】上記において、有機系充填材はセルロース
系材料であるのが好ましい。セルロース系材料は研磨作
用を有しないので洗浄剤による成形機内の摩耗をより確
実に回避し得る。また、このセルロース系材料は一般に
低価格であるので、洗浄剤として低コスト化を図り得
る。

【００１１】更に、上記セルロース系材料は木粉である
のが好ましく、これにより一層優れた洗浄効果を確保で
きる。また、産業廃棄物等として処分されていた廃材木
粉等の有効利用も図れるので、環境保全にも貢献し得
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】この発明の成形機用洗浄剤は、熱
可塑性樹脂、有機系充填材及び滑剤を必須成分とする樹
脂組成物である。

【００１３】熱可塑性樹脂としては、特に限定されるも
のではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタ
クリル樹脂、ＡＳ樹脂、ＡＢＳ樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられ
る。もちろん、洗浄後に成形する成形品において所望の
優れた品質を確実に確保する観点から、使用する熱可塑
性樹脂としては、洗浄後の成形対象材料と同一の熱可塑
性樹脂であるのが望ましい。

【００１４】有機系充填材としては、そのサイズが１０
〜３２５メッシュであるものを用いる必要がある。３２
５メッシュを超えると、即ち３２５メッシュのふるいを
通過するものでは、有機系充填材を細かくすることに要
するコスト負担が大きく、高コストとなるのみならず、
配合の際に飛散して粉塵となりやすく環境衛生上問題で
あるし、作業性も低下する。また、１０メッシュ未満で
は、即ち１０メッシュのふるいを通過しないものでは、
洗浄効果が顕著に低下する。中でも、サイズが２０〜２
００メッシュのものが好適である。なお、上記メッシュ
サイズは、タイラー標準ふるいで規定されるサイズであ
る。

【００１５】上記有機系充填材の種類としては、特に限
定されるものではないが、例えば、木粉、もみがら、パ
ルプ、コルク等が挙げられる。あるいは洗浄剤を構成す
る上記熱可塑性樹脂の成形温度範囲では溶融することの
ない樹脂の粉砕物などでも良い。

【００１６】中でも、上記有機系充填材としては、木
粉、もみがら、パルプ、コルク等のセルロース系材料を
用いるのが好ましい。これらセルロース系材料は研磨作
用を有しないので洗浄剤による成形機内の摩耗をより確
実に回避することができる。また、これらは一般に低価
格であるから、洗浄剤として低コスト化を図ることがで
きる利点もある。

【００１７】また、上記セルロース系材料の中でも、特
に木粉を用いるのがより好ましく、これにより一層優れ
た洗浄効果を確保することができる。この木粉として
は、例えば杉、松、桜、ナラ、ラワン、ツガなどの木の
粉砕品や、製材時に発生するおがくず等が挙げられる。

【００１８】この発明の洗浄剤における上記有機系充填
材の含有量は、前記熱可塑性樹脂１００重量部に対して
１５〜６０重量部とする必要がある。１５重量部未満で
は洗浄効果が低下するし、６０重量部を超えると洗浄剤
自体の流動性が低下し、ひいては洗浄効果が低下すると
共に、洗浄の作業性も低下して効率良く洗浄することが
できない。中でも、熱可塑性樹脂１００重量部に対して
２０〜４０重量部とするのが好ましい。

【００１９】この発明において、滑剤としては、特に限
定されないが、例えば洗浄剤を構成する熱可塑性樹脂が
塩化ビニル樹脂である場合には、滑剤としてはポリエチ
レンワックス、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸アル
コールエステル、脂肪酸アルコール、金属石鹸等が好適
であり、また洗浄剤を構成する熱可塑性樹脂がＡＢＳ樹
脂である場合には、金属石鹸、脂肪酸アミド、シリコー
ンオイル、パラフィンオイル等が好適である。もちろ
ん、これら滑剤は２種類以上併用しても良い。

【００２０】この発明の洗浄剤における上記滑剤の含有
量は、前記有機系充填材１００重量部に対して５〜３０
重量部とする必要がある。５重量部未満では洗浄剤とし
ての流動性が低下して、ひいては洗浄効果が低下すると
共に、洗浄の作業性も低下して効率良く洗浄することが
できない。３０重量部を超えると滑性作用が強くなり過
ぎて有機系充填材による洗浄作用が阻害され、洗浄効果
が低下する。中でも、有機系充填材１００重量部に対し
て１０〜２５重量部とするのが好ましい。

【００２１】この発明の成形機用洗浄剤には、前記必須
３成分に加えて、可塑剤、安定剤、酸化防止剤などの各
種添加剤を適宜含有させても良い。

【００２２】

【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。一般に、ポリエステル系樹脂は、押出機内の特に
スクリュー、シリンダー等に付着残留しやすいことか
ら、このようなポリエステル系樹脂を予め押出機で成形
して、押出機内に残留物を付着残留せしめ、この成形後
に、所定の洗浄剤を用いて押出しを行い、その洗浄効果
を調べた。

【００２３】＜洗浄剤の構成材料＞（ＡＢＳ樹脂）宇部サイコン株式会社製「モデファイヤ
ーレジンＢ２００Ｎ」（ブタジエンゴム成分２０％含
有）（ＰＶＣ樹脂）鐘淵化学株式会社製「Ｓ１００７」（錫系安定剤を２重
量％含有）（木粉）表１、２に示す大きさの木粉。なお、表中で、
メッシュサイズ「１００」とは、１００メッシュのタイ
ラー標準ふるいを通過し、３２５メッシュのタイラー標
準ふるいを通過しなかった木粉、メッシュサイズ「５」
とは、５メッシュの標準ふるいを通過し、６メッシュの
標準ふるいを通過しなかった木粉、メッシュサイズ「１
６」とは、１６メッシュの標準ふるいを通過し、２０メ
ッシュの標準ふるいを通過しなかった木粉、メッシュサ
イズ「６０」とは、６０メッシュの標準ふるいを通過
し、３２５メッシュの標準ふるいを通過しなかった木
粉、メッシュサイズ「１５０」とは、１５０メッシュの
標準ふるいを通過し、３２５メッシュの標準ふるいを通
過しなかった木粉、メッシュサイズ「２７０」とは、２
７０メッシュのタイラー標準ふるいを通過し、３２５メ
ッシュの標準ふるいを通過しなかった木粉、メッシュサ
イズ「４００」とは、４００メッシュのタイラー標準ふ
るいを通過した木粉である（滑剤１）エチレンビスステアリン酸アマイド（滑剤２）ポリエチレンワックス＜実施例１〜７、比較例１〜６＞イーストマンケミカル
ジャパン株式会社製のポリエステル樹脂（商品名：ＰＥ
Ｔ−Ｇ）１００ｋｇを２軸押出機（口径５５ｍｍ、Ｌ／
Ｄ＝１８）により押出した後、続いて表１または２に示
す組成からなる洗浄剤２０ｋｇを押出して、下記基準に
基づきその洗浄効果を評価した。

【００２４】＜比較例７＞洗浄剤として、旭化成工業株
式会社製ガラス繊維含有洗浄剤（商品名：アサクリン）
を使用した以外は、上記と同様にして押出機の洗浄を行
い、下記基準に基づきその洗浄効果を評価した。

【００２５】（判定基準）「◎」…従来の分解清掃と同様の優れた洗浄効果が得ら
れた「○」…実用上十分な洗浄効果が得られた「△」…洗浄効果はあるものの実用レベルの洗浄効果が
得られなかった「×」…洗浄効果が得られなかった「＊」…流動性が極めて悪く、押出機の規定負荷に達し
押出そのものを行うことができなかった。

【００２６】

【表１】

【００２７】

【表２】

【００２８】表から明らかなように、この発明の実施例
１〜７の洗浄剤は優れた洗浄効果が得られた。

【００２９】これに対し、この発明の範囲を逸脱する比
較例１、３、４、６の洗浄剤では、実用レベルの洗浄効
果が得られなかった。また、同じく比較例２、５の洗浄
剤では押出負荷が大きく、押出洗浄そのものを行うこと
ができなかった。更に、従来品の比較例７においても実
用レベルの洗浄効果は得られなかった。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、この発明の成形機用洗浄
剤は、特定サイズの有機系充填材を特定量含有している
から、成形機用洗浄剤としての洗浄効果に優れるととも
に、研磨作用が殆どなく、洗浄剤による成形機内の摩耗
を回避することができる。また、有機系充填材が含有さ
れることで成形機内での流動性が低下するが、この充填
剤に対して特定量の滑剤が配合されているから、成形機
内での流動性が良く、このように流動性に優れているこ
とにより、一層洗浄効果を高めることができる上に、十
分な洗浄作業性を確保できて効率良く洗浄を行うことが
できる。

【００３１】また、有機系充填材がセルロース系材料で
ある場合には、洗浄剤による成形機内の摩耗をより確実
に回避することができる上に、洗浄剤として低コスト化
を図ることができる。

【００３２】更に、上記セルロース系材料が木粉である
場合には、これにより一層優れた洗浄効果を確保でき
る。また、産業廃棄物等として処分されていた廃材木粉
等も利用できるので、資源の有効利用を図り得て、ひい
ては環境保全にも貢献することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ０８Ｌ 101/00 Ｃ０８Ｌ 101/00 Ｃ１１Ｄ 7/22 Ｃ１１Ｄ 7/22 Ｆターム(参考） 4F202 AA24 AM13 CA11 CB01 CS02 4F206 AA24 AM13 JA07 JL03 4F207 AA24 AM13 KA01 KM20 4H003 AC13 BA10 DA12 DB03 EB02 EB17 EB28 EB29 EB42 EB46 4J002 AA071 AB012 BB031 BB033 BB121 BC031 BC061 BD041 BF021 BG051 BN151 CB001 CF061 CF071 CG001 CL001 CP033 EA016 EC066 EF056 EG006 EH026 EP006

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂１００重量部に対してサイズが１０〜３
２５メッシュである有機系充填材１５〜６０重量部と、該有機系充填材１００重量部に対して滑剤５〜３０重量
部とを含む樹脂組成物からなることを特徴とする成形機
用洗浄剤。
【請求項２】前記有機系充填材がセルロース系材料で
ある請求項１に記載の成形機用洗浄剤。
【請求項３】前記セルロース系材料が木粉である請求
項２に記載の成形機用洗浄剤。