JP2000034374A - オレフィン系重合体組成物 - Google Patents

オレフィン系重合体組成物

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JP2000034374A
JP2000034374A JP20514698A JP20514698A JP2000034374A JP 2000034374 A JP2000034374 A JP 2000034374A JP 20514698 A JP20514698 A JP 20514698A JP 20514698 A JP20514698 A JP 20514698A JP 2000034374 A JP2000034374 A JP 2000034374A
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olefin
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ethylene
copolymer
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JP20514698A
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的特性を有するオレフィン系重合
体組成物の提供。 【解決手段】 (A)エチレンと炭素数4〜20のα−
オレフィンからなるエチレン・αーオレフィン共重合体
エラストマー 1〜99重量部と(B)オレフィン系樹
脂 1〜99重量部[(A)と(B)の合計量が100
重量部]とからなる部分的または完全に架橋されたオレ
フィン系重合体組成物であって、該組成物を透過型電子
顕微鏡でその断面を観察した時に(A)共重合体部分の
総面積[R]と該(A)共重合体に含まれるオクルージ
ョン部分の総面積[M]との間に下記式が満足されるこ
とを特徴とするオレフィン系重合体組成物とする。 0.01≦M/(M+R)≦0.90

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系重合
体組成物に関するものである。更に詳しくは、機械的強
度に優れたオレフィン系重合体組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ラジカル架橋性オレフィン系エラストマ
ーとPP等のラジカル架橋性のないオレフィン系樹脂と
をラジカル開始剤の存在下、押出機中で溶融混練させな
がら架橋する、いわゆる動的架橋によるオレフィン系重
合体組成物は、既に公知の技術であり、自動車部品等の
用途に広く使用されている。
【0003】このようなオレフィン系重合体組成物に
は、従来より、オレフィン系エラストマーとして、エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が用いられ
てきている。このEPDMはポリマー鎖中にジエン成分
が存在するために架橋性に優れているものの、耐環境劣
化性が劣るために品質上の改善が望まれていた。一方、
特開平8−120127号公報、特開平9−13700
1号公報には、メタロセン触媒により製造されたオレフ
ィン系エラストマーを用いる技術が開示されている。し
かしながら、上記公報の組成物は、機械的強度が必ずし
も充分でなく、実用的使用に耐えるオレフィン系重合体
組成物が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち、耐環境
劣化性及び衝撃強度に優れたオレフィン系重合体組成物
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は衝撃強度に
優れたオレフィン系重合体組成物を鋭意検討した結果、
本発明を完成した。即ち本発明は、(A)エチレンと炭
素数4〜20のα−オレフィンからなるエチレン・αー
オレフィン共重合体エラストマー 1〜90重量部と
(B)オレフィン系樹脂 10〜99重量部[(A)と
(B)の合計量が100重量部]とからなる部分的また
は完全に架橋されたオレフィン系重合体組成物であっ
て、該組成物を透過型電子顕微鏡でその断面を観察した
時に(A)共重合体部分の総面積[R]と該(A)共重
合体に含まれるオクルージョン部分の総面積[M]との
間に下記式が満足されることを特徴とするオレフィン系
重合体組成物を提供するものである。
【0006】0.01≦M/(M+R)≦0.90 以下、本発明に関して詳しく述べる。本発明のオレフィ
ン系重合体組成物は、(A)エチレン・αーオレフィン
共重合体エラストマーと(B)オレフィン系樹脂からな
る。また、ここで、該組成物を透過型電子顕微鏡でその
断面を観察した時に(A)共重合体部分の総面積[R]
と該(A)共重合体に含まれるオクルージョン部分の総
面積[M]との間に下記式が満足されることが重要であ
る。
【0007】0.01≦M/(M+R)≦0.90 式M/(M+R)は、(A)共重合体に含まれるオクル
ージョン部分の割合を表す指標であり、オクルージョン
部分を有することにより、(A)共重合体であるゴムの
見かけの体積が増大し衝撃強度が向上する。但し、式M
/(M+R)が0.1未満では機械的強度の向上効果が
なく、一方、0.9を越えると(A)のガラス転移温度
が上昇し脆くなる。そして、式M/(M+R)の制御は
(A)と(B)の相溶性に依存し、両者の相溶性が高く
なるほど、または(B)の分子量が小さいほどオクルー
ジョン構造が形成されやすく、式M/(M+R)の値が
増大することも見出し、本発明を完成した。
【0008】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明において、(A)エチレン・αーオレフィ
ン共重合体エラストマーは、エチレンおよび炭素数が4
〜20のα−オレフィンからなるエチレン・αーオレフ
ィン共重合体エラストマーからなる。上記炭素数4〜2
0のα−オレフィンとしては、例えば、ブテンー1、ペ
ンテンー1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−
1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中
でもヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1が好ましく、特に好ましくはオクテン−1である。
オクテン−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られ
た共重合体は衝撃強度に優れている。特に(B)オレフ
ィン系樹脂との相溶性に優れているためにオクルージョ
ン構造を取りやすい。
【0009】本発明において用いられるエチレン・αオ
レフィン共重合体エラストマーは、公知のメタロセン系
触媒を用いて製造することが好ましい。一般にはメタロ
セン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属の
シクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触
媒として高活性であるだけでなく、チーグラー系触媒と
比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合
体中のコモノマーである炭素数4〜20のα−オレフィ
ンの分布が均一である。
【0010】本発明において用いられる(A)エチレン
・αーオレフィン共重合体エラストマーは、α−オレフ
ィンの共重合比率が1〜70重量%であることが好まし
く、更に好ましくは10〜60重量%、最も好ましくは
20〜50重量%である。α−オレフィンの共重合比率
が70重量%を越えると、組成物の衝撃強度が低下傾向
にあり、一方、1重量%未満で組成物の硬度が高くなる
だけでなく、(B)との相溶性が低下する結果、衝撃強
度が低下する。
【0011】(A)の密度は、0.8〜0.9g/cm
3 の範囲にあることが好ましい。この範囲の密度を有す
るエチレン・αオレフィン共重合体エラストマーを用い
ることにより、柔軟性に優れ、硬度の低いオレフィン系
重合体組成物を得ることができる。本発明にて用いられ
る(A)エチレン・αーオレフィン共重合体エラストマ
ーは、長鎖分岐を有していることが望ましい。長鎖分岐
が存在することで、機械的強度を落とさずに、共重合さ
れているα−オレフィンの比率(重量%)に比して、密
度をより小さくすることが可能となり、低密度、低硬
度、高強度のオレフィン系重合体組成物を得ることがで
きる。長鎖分岐を有するエチレン・αーオレフィン共重
合体としては、USP5278272等に記載されてい
る。
【0012】また、エチレン・αーオレフィン共重合体
エラストマーは、室温以上にDSCの融点ピークを有す
ることが望ましい。室温以上に融点ピークを有すると
き、融点以下の温度範囲では形態が安定しており、取扱
い性に優れ、ベタツキも少ない。また、本発明にて用い
られる(A)エチレン・αーオレフィン共重合体エラス
トマーのメルトインデックスは、0.01〜100g/
10分(190℃、2.16kg荷重)の範囲のものが
好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜10g/1
0分である。100g/10分を越えると、組成物の架
橋性が不十分であり、また0.01g/10分より小さ
いと流動性が悪く、加工性が低下して望ましくない。
【0013】本発明にて用いられる(A)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。本
発明において(B)オレフィン系樹脂は、ポリエチレ
ン、ホモのアイソタクチックポリプロピレン、プロピレ
ンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチック共重合
樹脂(ブロック、ランダムを含む)等が挙げられる。
【0014】また、本発明にて好適に用いられるオレフ
ィン系樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g
/10分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のもの
が好ましく用いられる。100g/10分を越えると、
オレフィン系重合体組成物の耐熱性、機械的強度が不十
分であり、また0.1g/10分より小さいと流動性が
悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0015】本発明において、加工性の向上のために必
要に応じて、(C)軟化剤を配合することができる。上
記(C)は、パラフィン系、ナフテン系などのプロセス
オイルが好ましい。これらは上記(A)と(B)の合計
100重量部に対して、組成物の硬度、柔軟性の調整用
に5〜250重量部、好ましくは10〜150重量部用
いる。5重量部未満では柔軟性、加工性が不足し、25
0重量部を越えるとオイルのブリードが顕著となり望ま
しくない。
【0016】本発明にて提供される好適なオレフィン系
重合体組成物は、先に説明した(A)エチレン・αーオ
レフィン共重合体エラストマーが1〜90重量部、好ま
しくは10〜80重量部、更に好ましくは20〜60重
量部と、(B)オレフィン系樹脂が10〜99重量部、
好ましくは20〜90重量部、更に好ましくは40〜8
0重量部の組成比で組み合わされることにより、機械的
強度と柔軟性、加工性のバランスが改善され、好ましく
用いることができる。
【0017】本発明にて提供されるオレフィン系重合体
組成物は、その組成物を有機過酸化物等のラジカル開始
剤あるいはラジカル開始剤および架橋助剤により部分的
に架橋させることが必要である。これにより、耐摩耗性
や機械的強度、耐熱性等を向上させることが可能とな
る。ここで、好ましく使用されるラジカル開始剤の具体
的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオ
キシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t
−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシ
ケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロ
ピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,
5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチ
ルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オク
タノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘ
キサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよび
m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサ
イド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチル
パーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリ
レート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−
ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート、およびクミルパーオキシオクテ
ート等のパーオキシエステル類;ならびに、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオ
キサイドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルパ
ーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類を挙げるこ
とができる。
【0018】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
【0019】これらのラジカル開始剤は、(A)100
重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.05
〜1重量部の量で用いられる。0.02重量部未満では
架橋が不十分であり、3重量部を越えても組成物の物性
は向上せず好ましくない。更に、架橋助剤としては、ジ
ビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリア
リルシアヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、P
−キノンジオキシム、P,P'−ジベンゾイルキノンジ
オキシム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレー
ト、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリ
ルフタレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポ
リブタジエン等が好ましく用いられる。これらの架橋助
剤は複数のものを併用して用いてもよい。
【0020】これらの架橋助剤は、(A)100重量部
に対し0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部
の量で用いられる。0.1重量部未満では架橋が不十分
であり、5重量部を越えても組成物の物性は向上せず過
剰の架橋助剤が残存し、好ましくない。また、本発明の
オレフィン系重合体組成物には、その特徴を損ねない程
度に他の樹脂、エラストマーを添加しても良い。
【0021】特に、少なくとも1個のビニル芳香族化合
物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからな
るブロック共重合体、もしくはこのブロック共重合体を
水素添加してなるブロック共重合体が添加することによ
り、オイルの保持性を飛躍的に高めることが可能となり
望ましい。
【0022】本発明のブロック共重合体は、例えば、A
−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−
A、B−A−B−A−B、(A−B)4Si、(B−A
−B)4Si、(B−A−B)4Sn等の構造を有してい
る。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと
はビニル芳香族化合物を50重量%以上含有するビニル
芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロック
および/またはビニル芳香族化合物単独重合体ブロック
を示す。
【0023】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックとは共役ジエン化合物を50重量%以上含有する共
役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロ
ックおよび/または共役ジエン化合物単独重合体ブロッ
クを示す。ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化
合物としては、スチレン、メチルスチレン、1,3−ジ
メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の中
から1種もしくは2種以上を使用できる。中でもスチレ
ンが好ましい。
【0024】ブロック共重合体を構成する共役ジエン化
合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の
中から1種もしくは2種以上を使用できる。中でもブタ
ジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好まし
い。これらのブロック共重合体の製造方法としては、公
知のいかなる方法でもよく、例えば、炭化水素溶剤中で
有機リチウム化合物等の重合開始剤を用い、ビニル芳香
族化合物と共役ジエン化合物をブロック重合する方法で
ある水素添加してなるブロック共重合体は上記ブロック
共重合体に、水素添加反応を施すことにより得ることが
できる。水素添加反応の方法としては、公知のいかなる
方法でもよく、例えば、不活性溶剤中で水素添加触媒存
在下で水素添加させることができる。水素添加するため
の反応条件は、共役ジエン化合物の少なくとも80%、
好ましくは90%以上が水素添加され、一方ビニル芳香
族化合物の20%未満、好ましくは10%未満が水素添
加されるように選択される。
【0025】上記構造を有するブロック共重合体の数平
均分子量は20000〜300000、好ましくは30
000〜200000の範囲である。これらのブロック
共重合体は、エラストマーとしての機械的特性を持ち、
オイル保持能力が高くかつラジカル開始剤により架橋す
る特性を有している。従ってブロック共重合体を一成分
として有することにより、本発明の組成物は多量のゴム
用オイルを保持することが可能となり、低硬度組成物を
得ることが容易になる。また、動的架橋反応の際には、
(A)共重合体とともに架橋性エラストマー成分として
も機能する。
【0026】ブロック共重合体は上記(A)と(B)の
合計100重量部に対して、0〜100重量部の組成比
で用いられる。100重量部を越えると組成物の架橋性
が低下し望ましくない。また、本発明のオレフィン系重
合体組成物には、その特徴を損ねない程度に無機フィラ
ーおよび可塑剤を含有することが可能である。ここで用
いる無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、ガラス
繊維、酸化チタン、クレー、マイカ、タルク、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。ま
た、可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ジオクチルフタレート(DOP)等のフタル酸エス
テル等が挙げられる。また、その他の添加剤、例えば、
有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッ
キング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用
される。
【0027】本発明のオレフィン系重合体組成物の製造
には、通常の樹脂組成物、エラストマー組成物の製造に
用いられるバンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出
機、2軸押出機、等の一般的な方法を採用することが可
能である。とりわけ効率的に動的架橋を達成するために
は2軸押出機が好ましく用いられる。2軸押出機は、
(A)エチレン・αーオレフィン共重合体エラストマー
と(B)オレフィン系樹脂とを均一かつ微細に分散さ
せ、さらに他の成分を分散させて、架橋反応を生じせし
め、本発明の組成物を連続的に製造するのに、より適し
ている。
【0028】この場合において、(A)及び(B)の形
態はペレット、パウダー、クラム等の細分化された形態
が好ましい。本発明のオレフィン系重合体組成物は、具
体例として、次のような加工工程を経由して製造するこ
とができる。すなわち、(A)と(B)とをよく混合
し、押出機のホッパーに投入する。ラジカル開始剤、架
橋助剤は、(A)と(B)とともに当初から添加しても
よいし、押出機の途中から添加してもよい。またオイル
は押出機の途中から添加してもよいし、当初と途中とに
分けて添加してもよい。(A)と(B)は一部を押出機
の途中から添加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練
される際に、前記(A)とラジカル開始剤および架橋助
剤とが架橋反応し、さらにオイル等を添加して溶融混練
することにより架橋反応と混練分散が充分に達成され
る。
【0029】本発明のオレフィン系重合体組成物の架橋
度は、30%以上が望ましい。30%未満では架橋が不
十分であるため、圧縮永久歪み等の耐熱性、反撥弾性等
の物性が低下する。なお、本発明のオレフィン系重合体
組成物0.5gを、キシレン200ml中で4時間リフ
ラックスさせ、溶液を定量用濾紙で濾過し、濾紙上の残
査を真空乾燥後定量し、組成物中の(A)の重量に対す
る残査の重量の比率(%)を組成物の架橋性の尺度とし
ての架橋度と定義する。
【0030】こうして得られたオレフィン系重合体組成
物は任意の成形方法で各種成型品の製造が可能である。
射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダ
ー成形、発泡成形等が好ましく用いられる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例、比較例に
より更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、これら実施例および比較例にお
いて、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通りであ
る。 (1)オクルージョン構造の因子:M/(M+R) 組成物を−60℃以下に静置後、ミクロトームにて、7
5nmの厚みにスライスして切片を作製した。この切片
を三塩化ルテニウム0.1gと次亜塩素酸ナトリウム溶
液5mlを加えて発生蒸気中に1晩放置して、切片の染
色操作を行った。次いで透過型電子顕微鏡で切片の場所
を変えて、倍率3万倍の写真を5枚撮影し、(A)共重
合体部分の総面積[R]と(A)共重合体に含まれるオ
クルージョン部分の総面積[M]を求め、5カ所の撮影
場所の平均値をもってM/(M+R)を算出した。 (2)アイゾット衝撃強度 ASTMーD256に準拠した方法でー30℃で測定
し、衝撃強度の指標とした。(1/4インチ試験片、V
ノッチ)[kgcm/cm] 実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いた。 (イ)エチレン・αーオレフィン共重合体エラストマー エチレンとオクテン−1との共重合体 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。
【0032】得られた共重合体エラストマーのエチレン
/オクテンー1の組成比は、75/25(重量比)であ
る。密度;0.87g/cm3、MFR;0.5(19
0℃×2.16kg)、Mw/Mn=2.3、長鎖分岐
を有する、融点;53℃ エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重
合体(EPDMと称する) チーグラー系触媒を用いた方法により製造した。プロピ
レン含有量;28重量%、ヨウ素価15、密度:0.8
7g/cm3、MFR;0.5(190℃×2.16k
g)、ビカット軟化点60℃以下 (ロ)オレフィン系樹脂 日本ポリオレフィン(株)製の各種MFRのホモアイソ
タクチックポリプロピレン[MFR1〜30(190℃
×2.16kg)]を用いた。 (ハ)スチレンブロックとイソプレンブロックからなる
共重合体を水素添加してなるブロック共重合体(HSR
と称する) A−B−Aの構造を有し、スチレン量30重量%、ポリ
イソプレン部の水素添加率が99%のスチレン−イソプ
レンブロック共重合体、密度:0.92g/cm 3 、M
FR0.05(230℃×2.16kg)、ビカット軟
化点60℃以下 (ニ)軟化剤 パラフィン系オイル(MOと称する) ダイアナプロセスオイル PW−380(出光興産
(株)製) (ホ)ラジカル発生剤(POXと称する) 2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、半減期が1時間となるときの分解温度;
138℃ (ヘ)架橋助剤 ジビニルベンゼン(DVBと称する)
【0033】
【実施例1〜14、比較例1〜4】押出機として、バレ
ル中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L
/D=47)を用いた。スクリューとしては注入口の前
後に混練部を有した2条スクリューを用いた。表1に記
載した組成比でMO以外を混合したのち2軸押出機(シ
リンダー温度220℃)に導入し、引き続き、押出機の
中央部にある注入口より所定量のMOをポンプにより注
入し、溶融押出を行った。
【0034】このようにして得られたエラストマー組成
物から200℃にて圧縮成形により2mm厚のシートを
作成し、衝撃強度を評価した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1によると、本願の本発明の要件のオク
ルージョン構造を有する組成物は、卓越した衝撃強度が
発現することが分かる。その理由として、(A)エチレ
ン・αーオレフィン共重合体エラストマーの中でも、エ
チレンとオクテン−1との共重合体は、エチレン−プロ
ピレン−エチリデンノルボルネン共重合体(EPDM)
に比較して、オレフィン系樹脂に対する相溶性が高く、
またオレフィン系樹脂の中でも流動性(MFR)が高い
方が相反転時により多くのオレフィン系樹脂を(A)に
抱き込むためにオクルージョン構造を形成しやすい。
【0037】
【発明の効果】本発明のオレフィン系重合体組成物は、
優れた衝撃強度を有している。本発明のオレフィン系重
合体組成物は、自動車用部品、自動車用内装材、エアバ
ッグカバー、機械部品、電気部品、ケーブル、ホース、
ベルト、玩具、雑貨、日用品、建材、シート、フィルム
等を始めとする用途に幅広く使用可能であり、産業界に
果たす役割は大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンと炭素数4〜20のα−
    オレフィンからなるエチレン・αーオレフィン共重合体
    エラストマー 1〜90重量部と(B)オレフィン系樹
    脂 10〜99重量部[(A)と(B)の合計量が10
    0重量部]とからなる部分的または完全に架橋されたオ
    レフィン系重合体組成物であって、該組成物を透過型電
    子顕微鏡でその断面を観察した時に(A)共重合体部分
    の総面積[R]と該(A)共重合体に含まれるオクルー
    ジョン部分の総面積[M]との間に下記式が満足される
    ことを特徴とするオレフィン系重合体組成物。 0.01≦M/(M+R)≦0.90
  2. 【請求項2】(A)がメタロセン系触媒を用いて製造さ
    れたエチレン・αーオレフィン共重合体エラストマーで
    ある請求項1記載のオレフィン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】更に軟化剤(C)5〜250重量部を添加
    してなる請求項1または2記載のオレフィン系重合体組
    成物。
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