JP2000030763A - 二次電池の短絡検査方法および当該検査方法を包含する二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池の短絡検査方法および当該検査方法を包含する二次電池の製造方法

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JP2000030763A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極および電解質を備えて電池として機能する
電池素子に対して適用でき、簡単で検査の作業能率が高
く、しかも、信頼性が高い、二次電池の短絡検査方法を
提供する。 【解決手段】正極および負極とそれらをイオン的に結合
する電解質とを備えた二次電池の電極間の短絡を検査す
る方法であって、初回充電前の二次電池の電極間に交流
信号を印加してそのインピーダンスを測定することによ
り短絡の有無を検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池の短絡検
査方法および当該検査方法を包含する二次電池の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR装置、オーデ
ィオ機器、携帯型コンピュータ、携帯電話など様々な機
器の小型化かつ軽量化が進んでおり、これら機器の電源
としての電池に対する高性能化要請が高まっている。特
に、機器本体の小型化に対応するため、電池の小型化と
容量の同時確保、すなわち、高エネルギー密度化が要求
され、特に、充電により繰り返し使用できる二次電池に
対する期待は高い。斯かる状況下、リチウム二次電池
は、高エネルギー密度の実現が可能であり、更に、高電
圧であることから、開発が盛んに行われている。
【0003】リチウム電池の電解質には、(1)リチウ
ム塩と非水系溶媒から成る非水系電解液、(2)ポリマ
ーに非水系電解液を含有させたゲル状電解質、(3)固
体状電解質が知られている。
【0004】従来実用化されているリチウム二次電池
は、正負の薄い電極板と電極板同士を相互に隔離するセ
パレータとを渦巻き状に巻いた筒形の構造を有する。そ
して、電極板としては、銅箔、アルミニウム箔などの導
体箔にリチウム化合物などの電極活物質を被着させたも
のが使用されている。この様な二次電池の組み立ては次
の様に行われる。
【0005】先ず、リールに夫々巻回されている正負の
電極板と2枚のセパレータとをリールから巻き戻しつ
つ、巻き取り機によりセパレータ、負電極板、セパレー
タ、正電極板の順序で渦巻き状に積層し、正負の電極板
にそれぞれ正極リード及び負極リードを電気的に接合
し、円筒形の電池素子を形成する。次いで、電池素子に
ついて短絡検査を施し、合格品のみ次の工程に送って缶
詰めし、電解液を注入して電池とする。
【0006】上記の様に、リチウム二次電池の短絡検査
は、電解液を注入する前の半完成品の電池素子に対し、
直流導通試験、交流導通試験、高電圧絶縁試験などを行
う方法であり、目的によって使い分けられている。
【0007】ところで、電池やその製造工程の構成によ
っては、電解液の注入などにより、電解質を備え、すな
わち、電池として機能する電池素子になった段階で短絡
検査を行う必要が生じる場合もある。特に、ゲル状電解
質や固体電解質を備えたリチウム二次電池では、電解質
に流動性がないため、注液による電解質供給工程は困難
であり、正極および負極が対向させられた段階で既に電
解質が具備させられている様な工程を採用する場合が多
い。
【0008】ところが、上記の様な場合、電池として機
能する電池素子になった段階で短絡検査を行うことにな
るが、上記の従来の短絡検査方法では対応できない。何
故ならば、直流導通試験による手法では、既に電解液が
注入され電池として機能する電池素子に対しては、観測
された導通が短絡によるものなのか、充電過程によるも
のなのか区別できない。交流導通試験においても、観測
された導通が短絡によるものなのか、電解質を伝導した
ものなのか区別できない。高電圧絶縁試験は、機能して
いる電池に対して高電圧を印加することになり、電池を
破壊する可能性すらあるため利用できない。
【0009】勿論、電池として既に機能する電池素子に
なっていることから、充電すること自体により、不良品
を検出しようとすることは可能である。しかしながら、
初期充電は通常1日以上かけて行うのが普通であり、更
に、短絡の程度によってはかなり充電が進んだ段階でよ
うやく異常挙動が現れることがある。従って、充電途上
における異常挙動から不良を判定する方法は、生産効率
が極めて低い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、電極および電解
質を備えて電池として機能する電池素子に対して適用で
き、簡単で検査の作業能率が高く、しかも、信頼性が高
い、二次電池の短絡検査方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、上記の検査方法を包含する二
次電池の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、正極および負極とそれらをイオン的に結合す
る電解質とを備えた二次電池の電極間の短絡を検査する
方法であって、初回充電前の二次電池の電極間に交流信
号を印加してそのインピーダンスを測定することにより
短絡の有無を検査することを特徴とする二次電池の短絡
検査方法に存する。
【0012】そして、本発明の第2の要旨は、正極およ
び負極を形成する電極形成工程、当該工程で得られた電
極間に電解質層を形成する電解質層形成工程、当該工程
で得られた電池素子をケースに収納するパッケージィン
グ工程とから主として構成される二次電池の製造方法で
あって、前記の電解質層形成工程以降において、初回充
電前の二次電池の電極間に交流信号を印加してそのイン
ピーダンスを測定することにより短絡検査を行う検査工
程を設けたことを特徴とする二次電池の製造方法に存す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。先ず、本発明の短絡検査方法について
説明する。図1(a)は、本発明の短絡検査方法が適用
される電池素子の一例の側面説明図、図1(b)は、図
1(a)に示す電池素子の上面説明図、図2は、本発明
の短絡検査方法で使用される短絡検査装置の一例の模式
的説明図、図3は、複素数平面に表した正常電池および
短絡電池のインピーダンスの測定例の説明図、図4は、
複素数平面に表したインピーダンスの測定結果より短絡
を判定する手法の一例の説明図、図5は、複素数平面に
表したインピーダンスの測定結果より短絡を判定する手
法の他の一例の説明図、図6は、複素数平面に表したイ
ンピーダンスの測定結果より短絡を判定する手法の更に
他の一例の説明図である。上記の各複素数平面におい
て、縦軸は複素数の虚部Z"、横軸は複素数の実部Z'を
表す。図7(a)は、本発明の製造方法で得られた積層
型二次電池の一例の一部断面側面説明図、図7(b)
は、図7(a)に示す積層型二次電池の一例(ケース蓋
を開放した状態)の平面説明図である。
【0014】本発明の短絡検査方法は、図1(a)及び
(b)に例示する様に、正極(1)及び負極(2)とそ
れらをイオン的に結合する電解質(3)とを備えた二次
電池に対して適用される。図1に例示した二次電池の場
合、電解質(3)は、ゲル状電解質または固体状電解質
で構成されているが、本発明の短絡検査方法は、電池と
して機能し得る状態になされている限り、正負の電極板
の間にセパレータを配置した構造体を缶詰めした後に電
解液を注入して構成される二次電池にも適用し得る。
【0015】上記の様な二次電池の具体例としては、リ
チウム二次電池、ニッケル・カドミウム二次電池、ニッ
ケル・水素二次電池などが挙げられる。特に、対向する
電極の面積が200cm2に満たない電池に対しては、
高精度、高速な検査が可能となる。そして、リチウム二
次電池における短絡は発火の危険性を伴うため、その短
絡検査は安全上においても重要である。なお、図1中の
符号(4)は正極(1)に接続された正極端子、符号
(5)は負極(2)に接続された負極端子を表す。
【0016】本発明において、短絡検査の対象は、上記
の様に電池として機能し得る状態となった初回充電前の
二次電池である。初回充電前の組立品は、電池に至る前
の電池素子(半製品)であるが、本発明においては、便
宜上、これらの半製品を含めて二次電池と称する。
【0017】すなわち、本発明において、検査の対象と
なる二次電池は、正極および負極とそれらをイオン的に
結合する電解質とを備えた電池素子がケースに収納され
た完成品の他、ケースに収納する前の電池素子自体など
であっても構わない。従って、本発明で言う二次電池に
は、単一の正極および負極とそれらをイオン的に結合す
る電解質との組合せから成り且つ電池機能を備えている
電池素子、一つの電池素子をケースに収納した二次電
池、複数枚の電池素子を積層してケースに収納した二次
電池などが含まれる。
【0018】本発明の短絡検査方法は、初回充電前の二
次電池の電極間に交流信号を印可してそのインピーダン
スを測定することより成る。ここで、インピーダンスZ
とは、周波数fの交流信号を電極間に印加した場合に測
定される位相成分を含んだ抵抗値であって、複素数表示
した測定電圧Vと測定電流Iから、Z=V/Iで求めら
れる値を意味する。複素数Zは、その実部Z'と虚部Z"
により、Z=Z'+iZ"と表される。iは−1の平方根
である。複素数平面は、x−y平面上のx軸に複素数の
実部Z'、y軸に複素数の虚部Z"をとって表され、測定
されたインピーダンス値Z=Z'+iZ"は、座標(x、
y)=(Z'、Z")に表すことが出来る。Z'及びZ"
は、電池の特性に関連した値であり、電池の状態の評価
に利用することが出来る。また、複数の周波数に対して
測定された(Z'、Z")の点が描く軌跡は、適当な解析
を行うことにより、静電容量や抵抗値を導出することが
出来る。
【0019】すなわち、電池のインピーダンスは、使用
された電極種類、電解質種類、電極面積、電極厚み、電
解質層厚み、温度などに応じて固有のインピーダンス軌
跡を示す。電極間が短絡していない場合、初回充電前の
状態のインピーダンスの軌跡は、低周波側において直線
的になり、特にZ"が発散していく挙動を示す。逆に、
電極間が短絡している場合、電池の等価回路において外
部抵抗抵抗Rを並列に接続したことになることからも分
かる様に、インピーダンスの軌跡は、低周波側で円弧を
描く傾向がある。正常な電池と短絡電池の軌跡の乖離は
低周波側にいくほど顕著になる。
【0020】本発明の短絡検査方法は、上記の事実に基
づき完成されたものであり、複素数平面に表した正常電
池および短絡電池のインピーダンスの測定結果の相違に
基づき電極間での短絡の有無を判定する方法である。な
お、電池の電極間のインピーダンスを測定すること自体
は公知であるが、これ迄のインピーダンスの測定は、界
面抵抗、電荷二重層容量、電解質層のバルク抵抗などの
評価のため、あるいは、それらの経時変化からサイクル
劣化の挙動を解明ために行われており、本発明の様に、
電解質を有した電極間の短絡の有無を判断するためにイ
ンピーダンスの測定が行われた例はない。
【0021】本発明の短絡検査方法においては、電極間
に交流信号を印加し、電極間に流れる電流、電極間の電
圧および位相差を測定し、電極間のインピーダンスを測
定する装置であって、所謂LCRテスタと称される既知
の測定装置や所謂インピーダンスアナライザーと称され
る既知の測定装置を使用することが出来る。インピーダ
ンスアナライザーとしては、例えばソーラトロン製のモ
デル「SI1260/SI1267」が挙げられ、LC
Rテスタとしては、例えば日置電機(株)製のモデル
「3502Cハイテスタ」が挙げられる。
【0022】図2に示す短絡検査装置(30)は、イン
ピーダンスアナライザー(20)を使用している。そし
て、電池の正極端子(4)と電気的に接触できるように
された正極測定端子(8)及び(9)と、電池の負極端
子(5)と電気的に接触できるようにされた負極測定端
子(10)及び(11)と、正極端子(4)及び負極端
子(5)を夫々押圧する端子押さえ(6)及び(7)と
を備えている。上記の各測定端子(8)及び(9)と
(10)及び(11)は、それぞれ、リード線(12)
及び(13)と(14)及び(15)によってインピー
ダンスアナライザー(20)の装置側端子(16)及び
(17)と装置側端子(18)及び(19)に接続され
ている。但し、上記の装置側端子において、(16)及
び(19)は電圧測定用の装置側端子、(17)及び
(18)は電流測定用の装置側端子である。
【0023】以上の構成により、例えば、装置側端子
(16)と(19)間に周波数fの交流測定信号を印加
した場合、装置側端子(17)と(18)間を介して電
極間で流れる電流の強さと電圧に対する位相差を測定す
ることが出来、これによって更に電池の正負電極板間の
インピーダンスを測定することが出来る。インピーダン
スの測定精度を上げるため、被測定電池を含めた測定部
は定温に保たれていることが好ましい。なお、上述の例
では、電圧を印加して電流を測定しているが、逆に、電
流を印加して電圧を測定する場合も同様である。
【0024】本発明の短絡検査方法は、上記の様な短絡
検査装置(30)を使用し、次のステップ1〜4に示す
要領で行うことが出来る。
【0025】(ステップ1)正極端子(4)を端子押さ
え(6)上に、負極端子(5)を端子押さえ(7)上に
夫々位置決めし、短絡検査装置(30)に配置し、更
に、端子押さえ(6)及び(7)を作動させて各端子を
測定端子に接触させる。
【0026】(ステップ2)インピーダンスアナライザ
ー(20)の装置側端子(16)及び(19)間に交流
測定信号を印加し、必要ならば、複数の周波数において
電池の正負電極間のインピーダンスを測定する。
【0027】(ステップ3)インピーダンスの測定結果
が規定範囲外の場合は、電極間が短絡していると見な
し、検査した電池素子を不良品として排除する。
【0028】(ステップ4)インピーダンスの測定結果
が規定範囲内の場合、検査した電池素子を合格品として
次工程に送り、複数枚の電池素子の積層などを行う。
【0029】上記のインピーダンス測定による短絡の判
定は具体的には次の様に行うことが出来る。
【0030】図3に示す正常電池および短絡電池のイン
ピーダンスの測定例は、4個の充電前の電池B1〜B4
について1MHzから20mHzの範囲に亘るインピー
ダンスの測定を行い、得られた結果をインピーダンス複
素平面にプロットして得られたものである。実際に充電
を行って確認した結果、B1〜B3の電池は正常である
が、B4は短絡していることが確認された。この様にイ
ンピーダンス測定の結果をインピーダンス複素平面にプ
ロットした場合、短絡電池は極めて特徴的な軌跡を示す
ため、容易に識別できる。インピーダンスの測定結果よ
り短絡を判定する改良された手法は次の通りである。
【0031】(図4に示す短絡判定手法)この判定手法
は、測定される交流信号の周波数が単一であり、測定さ
れたインピーダンスの複素数平面上における測定点の位
置によって短絡の有無を判定する方法である。
【0032】すなわち、正常な電池のインピーダンスの
値は軌跡M上にあり(図3参照)、周波数F1で測定し
た測定値は領域A1の中にある。ところが、短絡電池で
は、例えば測定値がZ1に表される値となる。更に、短
絡の程度により、Z1aやZ1bなどに表される値とな
ることもある。本発明においては、周波数F1で測定し
たインピーダンスの測定値が領域A1の中にあることを
もってして電池に短絡が生じてないと判定する。更に簡
便には境界線Lを短絡の判定基準とし、Z"の値がZ"1
を超えていることによって判定することも出来る。この
場合、単一の数値の大小のみで判定できるため、装置が
簡略化される。領域A1又は境界線Lの場所は周波数に
よって変化し得るため、検査周波数によって正常とされ
る領域または値を再設定する。例えば周波数F2での測
定の場合、正常電池の測定値は領域A2の中にあり、短
絡電池では例えばZ2に表される値となる。更に、領域
A1又は境界線Lの場所は、被測定電池の構成によって
も変化し得るため、検査される電池の構成によって正常
とされる値を再設定する。
【0033】測定に使用される交流信号の周波数として
は、通常100Hzから0.1mHz、好ましくは10
Hzから10mHzである。周波数が高過ぎる場合は、
正常、短絡の判定が困難になり、低過ぎる場合は、測定
に時間がかかり検査の効率が低下する。測定に使用され
る交流信号の振幅電圧としては、通常100mVから1
μV、好ましくは50mVから100μVである。振幅
電圧が高過ぎる場合は、充電が進行するなどして検査の
精度が低下すると共に、電池に余分な電圧が加わり、低
過ぎる場合は、その測定精度の観点から短絡の判定精度
が低下する。
【0034】(図5に示す短絡判定手法)この判定手法
は、測定される交流信号の周波数が2点であり、インピ
ーダンス複素数平面上における2点の傾きによって短絡
の有無を判定する方法である。
【0035】すなわち、被測定電池に対し、周波数F3
とF4の2点においてインピーダンスを測定した場合、
正常電池のインピーダンスの値はZ3aとZ4bで表さ
れ、これらを結んだ直線Y1の傾きはS1となる。とこ
ろが、短絡電池では、例えば測定値がZ3bとZ4bに
表される値となり、これらを結んだ直線Y2の傾きはS
2となる。そこで、S1を中心とし且つ測定誤差を許容
した範囲の値を設定し、傾きがこの範囲にある場合は短
絡が生じていないと判定することが出来る。この場合2
つの測定点の相対的位置関係から判定がなされるため、
精度が高く、測定時間に対して確度の高い判定が可能と
なる。
【0036】(図6に示す短絡判定手法)この判定手法
は、測定される交流信号の周波数が3点以上であり、イ
ンピーダンス複素数平面上における3点以上の測定点か
ら近似される円弧によって短絡の有無を判定する方法で
ある。
【0037】すなわち、被測定電池に対し、周波数F
5、F6、F7、F8の4点においてインピーダンスを
測定した場合、正常電池のインピーダンスの値は、Z5
a、Z6a、Z7a、Z8aで表され、各点を円弧で近
似せんとた場合、近似不可能か、または、極めて半径の
大きな円弧S1となる。ところが、短絡電池では、例え
ば測定値がZ5b、Z6b、Z7b、Z8bに表される
値となり、円弧S2で良好に近似することが出来る。円
弧の半径は、短絡部の抵抗と相関した値が得られる。そ
こで、要求される検査精度によって基準値を設定し、近
似円弧の半径が基準値以上の場合は短絡が生じていない
と判定することが出来る。インピーダンスの測定点の数
は最小3点から可能であり、多い方が正確な判定が可能
となるが、多過ぎる場合は測定時間が長くなり効率が低
下する。
【0038】次に、本発明に係る二次電池の製造方法に
ついて説明する。本発明の製造方法は、正極および負極
を形成する電極形成工程、当該工程で得られた電極間に
電解質層を形成する電解質層形成工程、当該工程で得ら
れた電池素子をケースに収納するパッケージィング工程
とから主として構成される。そして、前記の電解質層形
成工程以降において、初回充電前の二次電池の電極間に
交流信号を印加し且つそのインピーダンスを測定するこ
とによって短絡検査を行う検査工程を設けたことを特徴
とする。
【0039】本発明の製造方法の特徴は、上記の検査工
程に存し、当該検査は、前述の通り、正極および負極が
対向させられた段階で既に電解質が具備させられている
様な製造工程を採用する二次電池に好適に適用し得る。
従って、本発明の製造方法は、電解質がゲル状電解質ま
たは固体状電解質で構成されている二次電池の製造に好
適に適用される。
【0040】そして、電解質がゲル状電解質または固体
状電解質で構成されている二次電池は何れも公知である
ため、以下の説明においては、代表例としてゲル状電解
質を使用したリチウム二次電池、例えば、正極および/
または負極が集電体上に設けられたリチウムイオンの吸
蔵放出可能な活物質含有層と当該層内に形成されるイオ
ン移動相とから構成され、当該イオン移動相と上記の電
解質層とがゲル状電解質で構成されて成るリチウム二次
電池を使用する。なお、上記の何れか一方の電極(通常
は負極)は、リチウム箔などの金属自体で構成すること
も出来る。
【0041】<電極形成工程>正極および/または負極
は、例えば、集電体上に設けられたリチウムイオンの吸
蔵放出可能な活物質含有層と当該層内に形成されるイオ
ン移動相とから構成される。斯かる電極は、空隙を有す
る正極活物質層および/または空隙を有する負極活物質
層を集電体上に形成し、活物質層表面にゲル状電解質形
成用の電解液を塗布して空隙中に含浸させた後にゲル状
電解質を形成する工程によって形成することが出来る。
ここに、ゲル状電解質とは、主として電解液とゲル化ポ
リマーから成り、電解液が高分子のネットワーク中に保
持され、全体としての流動性が著しく低下した物質であ
る。斯かるゲル状電解質の場合、イオン伝導性などの特
性は通常の電解液に近い特性を示すが、流動性や揮発性
などは著しく抑制されて安全性が高められる。
【0042】そして、上記の空隙を有する正極活物質層
および/または空隙を有する負極活物質層は、活物質、
バインダー及び溶剤を含有する電極用塗料を集電体上に
塗布して乾燥することにより形成することが出来る。ま
た、ゲル状電解質は、(1)冷却によってゲル化可能な
ポリマーが含有された電解液を加温状態で使用して常温
までポリマーを冷却する方法、または、(2)モノマー
が含有された電解液を使用してモノマーを重合させる方
法により、形成することが出来る。
【0043】集電体としては、通常、アルミ箔や銅箔な
どの金属箔が使用され、その厚さは適宜選択されるが、
通常1〜50μm、好ましくは1〜30μmである。
【0044】無機化合物から成る正極活物質としては、
遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、
遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属とし
ては、Fe、Co、Ni、Mn等が使用される。正極活
物質に使用される無機化合物の具体例としては、Mn
O、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物、ニ
ッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リ
チウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS
2、FeS、MoS2等の遷移金属硫化物が挙げられる。
有機化合物から成る正極活物質としては、例えば、ポリ
アニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系
化合物、ポリスルフィド系化合物、N―フルオロピリジ
ニウム塩などが挙げられる。正極活物質の粒径は、通常
1〜30μm、好ましくは1〜10μmとされる。
【0045】負極活物質としては、グラファイトやコー
クス等の炭素系活物質が挙げられる。また、負極活物質
としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル
等の酸化物や硫酸塩、金属リチウム、Li−Al、Li
−Bi−Cd,Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リ
チウム遷移金属窒化物、シリコン等も使用できる。負極
活物質の粒径は、通常1〜50μm、好ましくは15〜
30μmとされる。
【0046】バインダーとしては、シリケートやガラス
の様な無機化合物や各種の樹脂が挙げられる。バインダ
ー用樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリー1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系
ポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和
系ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリ
ビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を
有するポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル系ポ
リマー、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリアク
リロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有
ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等の
ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー、ポリアニ
リン等の導電性ポリマー等が挙げられる。これらの樹脂
の分子量は、通常10000〜3000,000、好ま
しくは100000〜1000000とされる。
【0047】電極中には、必要に応じ、導電材料、補強
材などの各種の機能を発現する添加剤を含有させること
が出来る。導電材料としては、活物質に適量混合して導
電性を付与できるものであれば特に制限されないが、通
常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛など
の炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられ
る。また、電池の安定性や寿命を高めるため、トリフル
オロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
カテコールカーボネート、1,6−Dioxaspir
o[4,4]nonane−2,7−dione、12
−クラウン−4−エーテル等が使用できる。更に、補強
材として、各種の無機および有機の球状、板状、棒状、
繊維状などのフィラーが使用できる。
【0048】電極用塗料の調製において、活物質100
重量部に対するバインダーの配合量は、通常0.1〜3
0重量部、好ましくは1〜20重量部とされる。使用す
る溶剤の一例としては、N−メチルピロリドンが挙げら
れる。また、電極用塗料の調製には、ボールミル、サン
ドミル、二軸混練機などが使用される。
【0049】電解液は、主として、リチウム塩と溶媒か
ら成る。リチウム塩としては、LiPF6又はLiCl
4が好適である。溶媒としては、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル
メチルカーボネート等の非環状カーボネート類から選ば
れた1種または2種以上の混合液が好適である。電解液
中のリチウム塩の濃度は、通常0.5〜2.5mol/
Lとされる。
【0050】電解液には、電池の安定性、性能、寿命を
高めるため、例えば、トリフルオロプロピレンカーボネ
ート、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネー
ト、1,6−Dioxaspiro[4,4]nona
ne−2,7−dione、12−クラウン−4−エー
テル等の添加剤を加えてもよい。
【0051】ゲル状電解質を形成するゲル化ポリマーの
分子量は、通常10000〜5000000、好ましく
は100000〜1000000の範囲とされる。
【0052】ゲル状電解質の形成に使用するゲル化可能
なポリマーの具体例としては、ポリビニルピリジン、ポ
リ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリ
メタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアク
リル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポ
リアクリルアミド等のアクリル誘導体系ポリマー、ポリ
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹
脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等
のCN基含有ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマ
ーが挙げられる。
【0053】ゲル状電解質の形成に使用するモノマーと
しては、反応性不飽和基含有モノマーが好適に使用さ
れ、その具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレー
ト、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエ
チルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリ
レート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチ
ルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、
N、Nジエチルアミノエチルアクリレート、N、Nジメ
チルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、アリルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニ
ルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート等が挙げられる。
【0054】上記のモノマーの重合方法としては、熱、
紫外線、電子線などによる方法が挙げられるが、生産性
の観点から紫外線による方法が好ましい。この場合、反
応を効果的に進行させるため、電解液に紫外線に反応す
る重合開始剤を配合することも出来る。紫外線重合開始
剤としては、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾ
イルパーオキザイド等が挙げられる。一方、熱重合おい
ては、反応制御のため、重合開始剤を使用することが出
来る。熱重合開始剤としては、1,1−ジ(ターシャル
ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、2,2−ビス−[4,4−ジ(ターシャルブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン]、1,1−ジ
(ターシャルブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、タ
ーシャリブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘ
キサノネート、ターシャリブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノネート、ジベンゾイルパーオキサイド等が挙
げられる。
【0055】ゲル状電解質中の高分子の比率は、通常
0.1〜80重量%、好ましくは1〜50重量%であ
る。溶媒に対するポリマーの割合は、通常0.1〜50
重量%、好ましくは1〜30重量%とされる。
【0056】<電解質層形成工程>電解質層は、前記の
ゲル状電解質形成用の電解液をゲル化することにより得
られる。そして、電極間における電解質層の形成は、
(1)前記の(A)工程において、空隙を有する活物質
層表面にゲル状電解質形成用の電解液を塗布する際、空
隙中に含浸させると共にゲル状電解質層を形成するのに
十分な量存在させた後にゲル化を行い、次いで、電極上
に形成された電解質層を介して正極と負極とを積層する
方法、または、(2)電極間に前記の(A)工程とは別
個に形成したゲル状電解質シートを挟み込む方法によっ
て行うことが出来る。特に、上記(1)の方法は、正極
および負極の少なくとも一方のゲル状電解質と電解質層
を構成するゲル状電解質の少なくとも一部とが連続して
いるという特徴を有する。正極および/または負極のゲ
ル状電解質と連続する電解質層を構成するゲル状電解質
の厚さは、通常1〜100μm、好ましくは5〜50μ
mとされる。正極と電解質層と負極とは平板的に積層さ
れるのが好ましい。
【0057】<パッケージィング工程>ケースとして
は、柔軟性、屈曲性、可撓性などを有する形状可変性の
ケースが好適に使用される。その材質としては、プラス
チック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金
属板などが挙げられる。ケースの具体例としては、ビニ
ール袋の様な高分子フィルムから成る袋、高分子フィル
ムから成る真空包装用袋もしくは真空パック、金属箔と
高分子フィルムのラミネート素材から成る真空包装用袋
もしくは真空パック、プラスチックで形成された缶、ま
たは、プラスチック板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ
込み等で固定したケース等が挙げられる。
【0058】<検査工程>短絡有無の検査は、前述の通
り、初回充電前の二次電池の電極間に交流信号を印加し
てそのインピーダンスを測定することによって行われ
る。そして、正極および負極とそれらをイオン的に結合
する電解質とを備えた二次電池に対して適用され、従っ
て、検査工程は、前記の電解質層形成工程以降、すなわ
ち、ケースに電池素子を収納するパッケージィング工程
の前または後に行われる。
【0059】ところで、前記の各工程は次の環境下に行
われる。すなわち、電極形成工程の前半工程(空隙を有
する活物質層を集電体上に形成する工程)は、電解液を
含んでなく、後の乾燥工程によって水分除去が行われた
め、水分管理の必要がなく、通常の雰囲気下で行うこと
が出来る。そして、その他の工程は、除湿管理された室
内(ドライルーム)にて行う。
【0060】従って、パッケージィング工程の前に検査
工程を行う場合、当該検査工程はドライルームにて行わ
れる。そして、この場合、検査工程において、短絡無し
と判断された合格品と短絡有りと判断された不合格品と
の仕分けが行われ、合格品のみがパッケージィング工程
に供給される。従って、不合格品を早期に製造工程から
排除できる利点が生じ生産性が向上する。特に、正極、
電解質層、負極から成る電池素子が複数枚積層された構
造を有する二次電池の場合は、電池素子の検査工程を行
った後に、積層およびパッケージィング工程を行って二
次電池を形成するのが好ましい。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。使用した原料は、予め
次の様な前処理を施した。すなわち、粉体は240℃で
24時間真空乾燥し、樹脂およびリチウム塩は110℃
で4時間乾燥し、モノマーはモレキュラーシーブにて脱
水処理した。また、電解液としてはリチウム電池用に予
め脱水された電解液を使用した。なお、以下の諸例中、
「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0062】実施例1 <電極用塗料の調製>以下に示す組成に従って8時間ボ
ールミルで混練・分散処理し、正極用塗料と負極用塗料
を調製した。
【0063】
【表1】(正極用塗料組成) LiCoO2(活物質) : 90.0部 アセチレンブラック(導電材) : 5.0部 ポリフッ化ビニリデン(バインダー): 5.0部 Nメチルピロリドン(溶剤) :100.0部
【0064】
【表2】(負極用塗料組成) グラファイト(活物質) : 90.0部 ポリフッ化ビニリデン(バインダー): 10.0部 Nメチルピロリドン(溶剤) :150.0部
【0065】<電解液の調製>電解液の調製に使用した
原料は次の通りである。そして、以下に示す組成に従っ
て110℃で溶解し、均一な電解液を調製した。
【0066】
【表3】 (電解液組成) プロピレンカーボネート(PC)(電解液) :40.8部 エチレンカーボネート(EC)(電解液) :40.8部 LiClO4(支持電解質) :10.4部 ポリアクリロニトリル(分子量150、000) : 8.0部
【0067】<電極形成工程および電解質層形成工程>
先ず、ドクターブレードにより、厚さ20μmのアルミ
箔上に膜厚が100μmになる様に正極用塗料を塗布し
て乾燥し、空隙を有する正極活物質層が形成されたシー
トを得た。その後、カレンダー処理し、最終的な層厚を
約80μmとした。上記と同様に、厚さ20μmの銅箔
上に膜厚が100μmになる様に負極用塗料を塗布して
乾燥し、空隙を有する負極活物質層を形成されたシート
を得た。その後、カレンダー処理し、最終的な層厚を約
70μmとした。ここまでの工程は、全て通常の環境下
で行った。その後、塗膜の再乾燥を120℃で行った
後、所定の形状に打ち抜いた。
【0068】次いで、ドクターブレードにより、上記の
各シート上に90℃に加温した電解液を塗布して含浸さ
せた。その際、通常より大きくブレードギャップを設定
することにより、空隙が充填される分量より過剰な量を
塗布し、表面に電解液を存在させた。その後、0℃に冷
却し、含浸させた電解液および表面に存在する電解液を
ゲル化し、活物質層内の空隙と電解質層に連続したゲル
状電解質を形成し、正極および負極を得た。
【0069】<検査工程>次いで、電解質層側を内側に
して正極および負極を積層し、正極、電解質層、負極か
ら成る電池素子となし、当該電池素子の短絡の有無の検
査を次の要領で行った。すなわち、図1(a)及び
(b)に示す様に、正極および負極に正極端子(4)及
び負極端子(5)を夫々接続し、図2に示す短絡検査装
置(30)のインピーダンスアナライザー(20)にセ
ットし、初回充電前の電極間に交流信号(周波数:1H
z、振幅電圧:10mV)を印加してインピーダンスを
測定し、図4に示す短絡判定手法に従い、短絡無しの合
格品と短絡有りの不合格品とに仕分けした。
【0070】<パッケージィング工程>次いで、上記の
合格品の電池素子3個を同極同士が重なる様に積層し、
各正極端子および各負極端子にそれぞれ集合正極端子お
よび集合負極端子を取り付けた後、蓋付真空パックに封
入し、積層型リチウム二次電池を作成した(図7参
照)。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、電池として機能する電
池素子に対して適用でき、簡単で検査の作業能率が高
く、しかも、信頼性が高い、二次電池の短絡検査方法が
提供される。その結果、本発明によれば、特に、(1)
ゲル状電解質や固体電解質を使用した二次電池、(2)
正極および負極とそれらをイオン的に結合する電解質と
を備えた電池素子が積層された構造を有する二次電池に
対し、検査の効率が高められ、生産性および収率が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の短絡検査方法が適用される電
池素子の一例の側面説明図、(b)は(a)に示す電池
素子の上面説明図である。
【図2】短絡検査装置の一例の模式的説明図
【図3】インピーダンスの複素数平面に表した正常電池
および短絡電池の測定例の説明図
【図4】複素数平面に表したインピーダンスの測定結果
より短絡を判定する手法の一例の説明図
【図5】複素数平面に表したインピーダンスの測定結果
より短絡を判定する手法の他の一例の説明図
【図6】複素数平面に表したインピーダンスの測定結果
より短絡を判定する手法の更に他の一例の説明図
【図7】(a)は本発明の製造方法で得られた積層型二
次電池の一例の一部断面側面説明図、(b)は(a)に
示す積層型二次電池の一例(ケース蓋を開放した状態)
の平面説明図である。
【符号の説明】
1:正極 2:負極 3:電解質層 4:正極端子 5:負極端子 6、7:端子押さえ 8、9、10、11:測定端子 12、13、14、15:リード線 16、17、18、19:装置側端子 20:インピーダンスアナライザー 30:短絡検査装置 40:集合正極端子 50:集合負極端子 60:ケース 61:ケース蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽我 巌 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2G016 CA00 CB00 CB05 CC01 5H029 AJ12 AK02 AK03 AK05 AK15 AL02 AL06 AL11 AM02 AM07 DJ08 EJ11 5H030 AA06 AA10 AS11 FF41 FF51

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極および負極とそれらをイオン的に結
    合する電解質とを備えた二次電池の電極間の短絡を検査
    する方法であって、初回充電前の二次電池の電極間に交
    流信号を印加してそのインピーダンスを測定することに
    より短絡の有無を検査することを特徴とする二次電池の
    短絡検査方法。
  2. 【請求項2】 複素数平面に表した正常電池および短絡
    電池のインピーダンスの測定結果の相違に基づき電極間
    での短絡の有無を判定する請求項1に記載の検査方法。
  3. 【請求項3】 測定される交流信号の周波数が単一であ
    り、測定されたインピーダンスの複素数平面上における
    測定点の位置によって短絡の有無を判定する請求項1に
    記載の検査方法。
  4. 【請求項4】 測定される交流信号の周波数が2点であ
    り、インピーダンス複素数平面上における2点の傾きに
    よって短絡の有無を判定する請求項1に記載の検査方
    法。
  5. 【請求項5】 測定される交流信号の周波数が3点以上
    であり、インピーダンス複素数平面上における3点以上
    の測定点から近似される円弧によって短絡の有無を判定
    する請求項1に記載の検査方法。
  6. 【請求項6】 測定される交流信号の周波数の少なくと
    も一点が10Hz以下である請求項1〜5の何れかに記
    載の検査方法。
  7. 【請求項7】 前記電池がゲル状電解質または固体電解
    質を使用したリチウム二次電池である請求項1〜6の何
    れかに記載の検査方法。
  8. 【請求項8】 前記電池が正極、電解質層、負極を平板
    的に積層した構造を持つ請求項1〜7の何れかに記載の
    検査方法。
  9. 【請求項9】 正極、電解質層、負極から成る電池素子
    が複数枚積層されたた構造を有する二次電池において、
    上記の電池素子の短絡検査を行った後に電池素子の積層
    を行う請求項1〜8の何れかに記載の検査方法。
  10. 【請求項10】正極および負極を形成する電極形成工
    程、当該工程で得られた電極間に電解質層を形成する電
    解質層形成工程、当該工程で得られた電池素子をケース
    に収納するパッケージィング工程とから主として構成さ
    れる二次電池の製造方法であって、前記の電解質層形成
    工程以降において、初回充電前の二次電池の電極間に交
    流信号を印加してそのインピーダンスを測定することに
    より短絡検査を行う検査工程を設けたことを特徴とする
    二次電池の製造方法。
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