JP2000029513A - プロセスデータ監視装置および監視方法 - Google Patents

プロセスデータ監視装置および監視方法

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JP2000029513A JP19437498A JP19437498A JP2000029513A JP 2000029513 A JP2000029513 A JP 2000029513A JP 19437498 A JP19437498 A JP 19437498A JP 19437498 A JP19437498 A JP 19437498A JP 2000029513 A JP2000029513 A JP 2000029513A
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義彦 鵜原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラントのプロセス量の長期的な特性に基づく
監視基準値を手間をかけずに比較的容易に設定可能な構
成を構築し、プラントの異常をその徴候段階で的確に検
知する。 【解決手段】プロセスデータ監視装置は、プラントのプ
ロセスデータを電気信号に変換して検出するセンサ1…
1と、この各センサ1…1により検出された電気信号を
デジタル化するA/D変換部2と、この変換部2により
変換されたプロセスデータの瞬時値を統計処理すること
で統計値データを作成する統計処理部4と、統計値及び
瞬時値を蓄積するデータ蓄積部3と、プロセス量監視用
の基準値を設定する基準値設定部8と、その基準値を格
納する基準値格納部6と、データ蓄積部3の瞬時値及び
統計値の内の少なくとも一方を含む監視対象量と基準値
格納部6に格納された基準値とを互いに比較してプロセ
ス量の変化状態を検知する監視部5と、この監視部5に
よる検知データを含む監視情報を画面に表示する表示部
7とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原子力発電プラ
ント等の大規模なプラントの温度、圧力、流量等のプロ
セスデータを用いてそのプラントプロセスを監視するプ
ロセスデータ監視装置および監視方法にかかり、とくに
プラントの異常をその徴候段階で検知できるデータ処理
・解析の工夫に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電プラントでは、その
各箇所に設置された各種のセンサからの温度、流量、圧
力等のプロセスデータに相当する検出信号の一部を中央
操作室に送ってその記録計や指示計に出力することによ
り、プラントプロセスの正常/異常等の状態を把握・監
視するようになっている。このようなプロセスデータ監
視に際し、記録計や指示計へのデータ出力のほか、重要
なプロセスデータについてその指示計に警報値を予め設
定し、その警報設定値までデータが変化したときに警報
を発生可能となっている。
【0003】最近の原子力発電プラントでは、重要なプ
ロセスデータを計算機に取り込んで表示装置の画面上に
表示したり、そのデータと予め入力された基準値との比
較処理を実行したりする監視装置も採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例のプロセスデータ監視装置は、通常、比較処理
で用いる基準値として設計上のものを入力する構成で、
その基準値が常に一定のものであるため、監視すべきプ
ロセスデータの変化等の特徴を必ずしも正確に反映した
ものではなく、特にプラントの異常事態をその徴候段階
で検知し、大事に至る前に事前対策を施すには必ずしも
適切なものとはなっていない。
【0005】例えば、プラントのプロセスデータは正常
状態であってもその運転状況、気温等の外部要因、複数
ある系統の切り替え等により変化する場合が多いため、
これらの変化を包含させた基準値を設定すれば、徴候段
階の異常検知としてはその精度が悪くなり、検知が遅れ
るといった不都合があった。
【0006】これを防止するためには、監視対象のプロ
セスデータの変化履歴やその過去の実績を考慮に入れて
基準値を設定する必要がある。しかしながら、現状の監
視装置はプロセスデータの瞬時値データのみを監視する
構成であり、過去のプロセスデータを長期的に蓄積する
ことを意識したものではないため、上記のようにデータ
の変化履歴やその過去の実績を考慮に入れて基準値を設
定するには記録計の読み取り等の膨大な作業が必要とな
り、このような逐一人間系で必要な基準値を決定するこ
とは事実上不可能であった。
【0007】この発明は、このような従来の問題を考慮
してなされたもので、プラントのプロセス量の長期的な
特性に基づく監視基準値を手間をかけずに比較的容易に
設定可能な構成を構築し、プラントの異常をその徴候段
階で的確に検知することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明にかかるプロセスデータ監視装
置は、プラントのプロセス量(例えば温度、圧力、流量
等)に関するデータを電気信号に変換して検出するセン
サと、このセンサにより検出された電気信号をデジタル
化して前記プロセス量の瞬時値データとして取り込む瞬
時値取込手段と、この瞬時値取込手段が取り込んだ瞬時
値データを統計処理することで統計値データを作成する
統計値作成手段と、この統計値作成手段が作成した統計
値データ及び前記瞬時値取込手段が取り込んだ瞬時値デ
ータを蓄積するデータ蓄積手段と、前記プロセス量の監
視に関する基準値データを設定する基準値設定手段と、
この基準値設定手段により設定された基準値データを格
納する基準値格納手段と、前記データ蓄積手段により蓄
積された瞬時値データ及び統計値データの内の少なくと
も一方を含む監視対象量データと前記基準値格納手段に
格納された基準値データとを互いに比較することにより
前記プロセス量の変化状態を検知する監視手段と、この
監視手段により検知された前記プロセス量の変化状態を
含む監視情報(例えばプロセスデータ、基準値、監視結
果等)を画面に表示する表示手段とを備えたことを特徴
とする。
【0009】この内、瞬時値取込手段は、好ましくはセ
ンサからの出力をデジタルに変換するA/D変換手段で
あるものとする。
【0010】データ蓄積手段は、好ましくはA/D変換
された瞬時値データを数日間蓄積する一方、統計処理手
段により瞬時値データから算出された統計値データを長
期間保存する手段を備えるものとする。
【0011】監視手段は、好ましくは瞬時値データまた
は統計量データに対して予め設定された時間間隔で基準
値との比較により監視する手段であり、特に好ましくは
基準値データを常に一定とし、プロセスデータの値その
ものを監視するレベル監視手段とプロセスデータの変化
にゆるやかに追従する基準値により監視対象の変化勾配
を監視する勾配監視手段とから構成されるトレンド監視
手段と、2種類のプロセスデータの相関関係を監視する
相関監視手段とを備えたものとする。
【0012】監視手段は、機器の切替えや人為外乱を検
知し、それらの要因で発生する変化に対しては監視対象
のデータ変動から除外する監視パイバス機能を備えるこ
とができる。
【0013】基準値設定手段は、好ましくはデータ蓄積
手段から過去の監視対象の瞬時値データまたは統計量デ
ータを抽出し、その抽出データから人為外乱データを除
外し、その外乱データが除外されたデータの分布形状に
基づいて監視手段、基準値の設定方法を選定し、基準値
を自動で設定する手段であるものとする。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記データ蓄積手段は、前記瞬時値デー
タを所定のデータ蓄積期間が経過後に消去するように格
納する瞬時値格納手段と、前記統計値データを前記デー
タ蓄積期間よりも長い期間保存するように格納する統計
値格納手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記統計値作成手段は、前記データ蓄積
手段に蓄積された前記瞬時値データを一定の時間間隔毎
に抽出する瞬時値抽出手段と、この瞬時値抽出手段によ
り抽出された瞬時値データを用いて前記統計値データを
算出する統計値算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記監視手段は、前記瞬時値データをそ
のサンプリングで規定される時間間隔毎に前記基準値デ
ータと比較することにより前記プロセス量の変化状態を
検知する瞬時値監視手段と、前記統計値データを所定の
時間間隔毎に前記基準値データと比較することにより前
記プロセス量の変化状態を検知する統計値監視手段とを
備えたことを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記監視手段は、前記プロセス量の大き
さの変化を検知するレベル監視手段および前記プロセス
量の変化勾配を検知する勾配監視手段の少なくとも一方
を備えたトレンド監視手段と、前記プロセス量の内の互
いに異なる2つのプロセス量の相関関係を検知する相関
監視手段とを備え、この相関監視手段及び前記トレンド
監視手段の内の少なくとも一方を用いて前記プロセス量
の変化状態を検知する手段であることを特徴とする。
【0018】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記プラント内の機器の接点信号の変化
と前記機器のテスト運転や切り替え等の人為外乱との関
係に関するデータ、及び前記人為外乱とそれが波及する
プロセス量との関係に関するデータを予め保持する人為
外乱波及データベースと、前記機器の接点信号を取り込
む接点信号取り込み手段と、この接点信号取り込み手段
により取り込まれる接点信号に基づいて前記人為外乱の
有無を判断し、かつ、前記人為外乱波及データベース内
のデータを参照して前記人為外乱の波及に起因する人為
外乱波及信号を判断することによりその人為外乱波及信
号の監視を非実施とするように又は前記基準値データの
切り替えを実行するように前記監視手段に指示を与える
人為外乱判定手段とを更に備えたことを特徴とする。
【0019】請求項7記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記プラント内の機器の人為外乱とそれ
が波及するプロセス量との関係に関するデータを参照可
能に保持する人為外乱波及データベースと、前記機器の
運転予定に関するデータを参照可能に保持する運転予定
データベースと、前記統計値データを監視する場合に前
記運転予定データベース内のデータを参照して前記人為
外乱の有無を判断し、かつ、前記人為外乱波及データベ
ース内のデータを参照して人為外乱の波及に起因する人
為外乱波及信号を判断することによりその人為外乱波及
信号の監視をバイパスするように又は前記基準値データ
を切り替えるように前記監視手段に指示を与える人為外
乱判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】請求項8記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記基準値設定手段は、トレンド監視用
の基準値データを設定するトレンド監視基準値設定手段
と、相関監視用の基準値データを設定する相関監視基準
値設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】請求項9記載の発明では、請求項8記載の
発明において、前記トレンド監視基準値設定手段は、前
記データ蓄積手段から基準値設定用の過去の監視対象量
データを抽出するデータ抽出手段と、このデータ抽出手
段により抽出された監視対象量データから外乱データを
除外する外乱データ除外手段と、この外乱データ除外手
段により外乱データが除外された監視対象量データの分
布形状を判定する分布形状判定手段と、この分布形状判
定手段により判定された監視対象量データの分布形状に
基づいて前記監視対象量データの監視方法及び前記基準
値データの設定方法を選定する監視方法選定手段と、こ
の監視方法選定手段による選定結果に基づいて前記外乱
データを除いた監視対象量データから基準値データを算
出する基準値算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】請求項10記載の発明では、請求項9記載
の発明において、前記外乱データ除外手段は、前記基準
値設定用の監視対象量データの移動平均値を算出する移
動平均値算出手段と、この移動平均値算出手段により算
出された移動平均値とその監視対象量データとの残差を
算出する残差算出手段と、この残差算出手段により算出
された残差データの分布から外乱データを判定する外乱
データ判定手段とを備え、この外乱データ判定手段は、
前記残差データの内の互いに隣接する2つの残差データ
の差を最大残差で割ったときの値が予め設定した設定値
を超える場合にその2つの残差データの内の残差値の大
きい残差データ及びその残差値以上の残差データを前記
外乱データとして前記基準値設定用の監視対象量データ
から除外する手段であることを特徴とする。
【0023】請求項11記載の発明では、請求項9記載
の発明において、前記分布形状判定手段は、前記監視対
象量データの算術平均値を算出する算術平均値算出手段
と、前記監視対象量データの移動平均値を算出する移動
平均値算出手段と、前記2つの算出手段により算出され
る監視対象量データの算術平均値及び移動平均値の各々
からの残差を算出する残差算出手段と、この残差算出手
段により算出される残差の尖り度および歪み度を算出
し、かつ、その尖り度及び歪み度が予め設定した範囲内
にあるか否かを判断することにより前記残差の分布形状
を判定する残差分布判定手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0024】請求項12記載の発明では、請求項11記
載の発明において、前記監視方法選定手段は、前記分布
形状判定手段により判定された分布形状結果に基づい
て、前記算術平均値からの残差分布が正規分布となる場
合には、前記監視対象量データの監視方法としてレベル
監視を用いた方法を選定すると共に、前記基準値データ
の算出方法として前記算術平均値に残差の標準偏差の定
数倍を加算及び減算することで前記レベル監視用の基準
値データを算出する方法を選定し、前記算術平均値から
の残差の分布が非正規分布となり且つ前記移動平均値か
らの残差の分布が正規分布となる場合には、前記監視対
象量データの監視方法としてレベル監視及び勾配監視を
併用する方法を選択すると共に、前記基準値データの算
出方法として前記移動平均値からの残差の標準偏差の定
数倍とすることで前記勾配監視用の基準値データの基準
幅を算出し、かつ、前記算術平均値に算術平均値からの
最大残差の定数倍を加算及び減算することで前記レベル
監視用の基準値データを算出する方法を選定し、前記算
術平均値からの残差の分布及び前記移動平均値からの残
差の分布がそれぞれ非正規分布となる場合には、レベル
監視及び勾配監視を併用することを選択すると共に、前
記基準値データの算出方法として前記移動平均値からの
最大残差を定数倍とすることで前記勾配監視用の基準値
データの基準幅を算出し、かつ、前記算術平均値からの
最大残差の定数倍をその算術平均値に加算及び減算する
ことで前記レベル監視用の基準値データを算出する方法
を選定する手段であることを特徴とする。
【0025】請求項13記載の発明では、請求項8記載
の発明において、前記相関監視基準値設定手段は、前記
データ蓄積手段から基準値設定用の過去の監視対象量デ
ータを抽出するデータ抽出手段と、このデータ抽出手段
により抽出された監視対象量データから外乱データを除
外する外乱データ除外手段と、この外乱データ除外手段
により外乱データが除外された抽出された前記監視対象
量の分布形状を判定する分布形状判定手段と、この分布
形状判定手段により判定された監視対象量データの分布
形状に基づいて基準値データの設定方法を選定する選定
手段と、この選定手段により選定された設定方法に基づ
いて前記基準値データを算出する基準値算出手段とを備
えたことを特徴とする。
【0026】請求項14記載の発明では、請求項13記
載の発明において、前記外乱データ除外手段は、最小2
乗法を用いて互いに異なる2種類のプロセス量のフィテ
ィング式を作成するフィティング式算定手段と、このフ
ィティング式算定手段により作成されたフィティング式
からの残差データを算出する残差算出手段と、この残差
算出手段により算出された残差データの分布から外乱デ
ータを判定する外乱データ判定手段とを備え、前記外乱
データ判定手段は、前記残差データの内の互いに隣り合
った2つの残差データの差を最大残差で割ったときの値
が予め設定した設定値を超える場合にその2つの残差デ
ータの内の残差値の大きい残差データ及びその残差値以
上の残差データを前記外乱データとして前記基準値設定
用の監視対象量データから除外する手段であることを特
徴とする。
【0027】請求項15記載の発明では、請求項13記
載の発明において、前記分布形状判定手段は、最小2乗
法を用いて互いに異なる2種類のプロセス量のフィティ
ング式を作成するフィティング式算定手段と、この算定
手段により算定されたフィティング式からの残差データ
を算出する残差算出手段と、この残差算出手段により算
出された残差データの尖り度およぴ歪み度を算出し且つ
その尖り度及び歪み度が予め設定した範囲内であるか否
かを判断することにより前記残差データの分布形状を判
定する残差分布判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0028】請求項16記載の発明では、請求項13記
載の発明において、前記選定手段は、前記分布形状判定
手段により判定された前記残差データの分布形状が正規
分布となる場合には前記フィティング式に残差データの
標準偏差の定数倍を加算及び減算した値を基準値データ
とする設定方法を選定する一方、前記フィティング式か
らの残差データの分布が非正規分布となる場合には前記
フィティング式にそのフィティング式と各データの残差
の内の最大残差の定数倍を加算及び減算した値を基準値
データとする設定方法を設定する手段であることを特徴
とする。
【0029】請求項17記載の発明では、請求項1記載
の発明において、前記基準値設定手段は、前記プラント
量の内の前記プラント内の機器の切り替え等により変化
するプロセス量が急激に変化した場合にその時点以前の
監視対象量データを最新の監視対象量データと置き換え
てその移動平均値を求め、かつ、その移動平均値に基づ
いて前記監視基準値データを算出する手段を備えたこと
を特徴とする。
【0030】請求項18記載にかかるプロセスデータ監
視方法は、プラントのプロセス量に関するデータを電気
信号に変換して検出するセンサにより検出された電気信
号をデジタル化して前記プロセス量の瞬時値データとし
て取り込む瞬時値取込工程と、この瞬時値取込手段が取
り込んだ瞬時値データを統計処理することで統計値デー
タを作成する統計値作成工程と、この統計値データ及び
前記瞬時値データを蓄積するデータ蓄積工程と、前記プ
ロセス量の監視に関する基準値データを設定する基準値
設定工程と、この設定された基準値データを格納する基
準値格納工程と、前記蓄積された瞬時値データ及び統計
値データの内の少なくとも一方を含む監視対象量データ
と前記格納された基準値データとを互いに比較すること
により前記プロセス量の変化状態を検知する監視工程
と、この監視工程において検知された前記プロセス量の
変化状態を含む監視情報を画面に表示する表示工程とを
備えたことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるプロセス
データ監視装置の実施の形態を図面を参照して説明す
る。
【0032】図1に示すプロセスデータ監視装置は、例
えば原子力発電プラントに適用されるもので、図示の如
く、プラントの温度、圧力、流量等のプロセス量を電気
信号に変換して検知する各種のセンサ1…1と、この各
センサ1…1からの電気信号をデジタル化してプロセス
量の瞬時値データとして取り込むA/D変換部(瞬時値
取り込み手段)2と、このA/D変換部2により取り込
まれる瞬時値データを含む監視対象量データを蓄積する
データ蓄積部(データ蓄積手段)3と、このデータ蓄積
部3の瞬時値データを統計処理し、その統計値(統計
量)データを監視対象量データの1つとしてデータ蓄積
部3内に蓄積させる統計処理部(統計値作成手段)4
と、監視対象量データと所定の基準値データとを互いに
比較することでその変化状態を検知する監視部(監視手
段)5と、この監視部5での比較処理用の基準値データ
を格納する基準値格納部(基準値格納手段)6と、この
基準値格納部6で格納される基準値データを算出して設
定する基準値設定部(基準値設定手段)8とを備えてい
る。
【0033】これらの各部はあくまで機能上のものであ
り、その機能が実現できる構成であれば、例えばCPU
の処理を主眼にした構成でもよく、その場合には既存の
コンピュータ・ハードウェア構成やデジタル回路等を適
用することも可能である。
【0034】このプロセスデータ監視装置は、その他の
構成要素として、プロセスデータ、基準値データ、監視
結果データ等の監視情報を画面に表示するCRTや液晶
等の表示部(表示手段)7及びユーザの要求を受けるた
めのキーボードやポインティング・デバイス等の入力部
9を装備している。
【0035】上記の構成においては、各センサ1…1か
らの各プロセス量を反映した電気信号がA/D変換部2
に導かれてデジタル化され、そのデジタル化された電気
信号が瞬時値データとしてデータ蓄積部3に蓄えられ
る。このデータ蓄積部3内に蓄積された瞬時値データは
統計処理部4にて所定の時間間隔毎にまとめて統計処理
され、その統計値データが瞬時値データと共に監視対象
量データとしてデータ蓄積部3に蓄積される。
【0036】また、データ蓄積部3に蓄積された過去の
データは、入力部9からのユーザ要求時に基準値設定部
8にて抽出され、その抽出データから所定の計算手法に
より基準値データが算出され、その基準値データが基準
値格納部6に格納される。
【0037】その結果、監視部5にてデータ蓄積部3に
蓄積された監視対象量データと基準値格納部6に格納さ
れた基準値データとが互いに比較され、これによりプロ
セスデータの変化状態が検知される。このような検知結
果は、監視対象量のグラフ、基準値データ、監視結果等
の必要な監視情報として表示部7の画面上に表示され
る。
【0038】次に、上記のプロセスデータ監視装置の各
部の構成例を具体的に説明する。
【0039】最初に、「データ蓄積部3」の構成例を図
2に基づいて説明する。
【0040】「データ蓄積部3」は、例えば磁気ディス
ク、光磁気ディスク、光ディスク等の記憶媒体でなり、
機能上、図2に示すように「瞬時値格納部3a」、「統
計値格納部3b」、及び「起動停止時データ格納部3
c」を備えている。以下、この機能上の各部の設定理由
を述べる。
【0041】まず、このプロセスデータ監視装置を用い
て長期的な変化を検知する場合を考えると、各センサ1
…1により検知された各プロセス量の変化履歴に基づく
監視が必要となる。しかしながら、サンプリングしたプ
ロセス量を全て長期間蓄積するとデータ蓄積部3に膨大
な記憶容量が必要となり現実的ではない。そこで、デー
タ蓄積部3の記憶容量削減を図るため、この発明ではサ
ンプリング・データに対して所定の時間間隔で統計処理
を施し、その時間間隔の全データを1点に集約し、それ
を数年間蓄積するための「統計値格納部3b」を採用し
た。
【0042】また異常の徴候を検知する場合を考える
と、原因の究明を行うためにサンプリングした全データ
が必要となることがある。そこで、この発明では統計計
算前の全瞬時値データを1週間程度の短期間の間のみ蓄
積し、一定期間が経過すると自動的に消去するための
「瞬時値格納部3a」を採用した。
【0043】さらにプラント起動時やその停止過程等で
は、プラントの状態が時々刻々変化しているため、この
発明では、起動停止時データとして数日分の瞬時値デー
タを長期間にわたって蓄積するための「起動停止時デー
タ格納部3c」を採用した。
【0044】次に、統計処理部4の構成例を図3及び図
4に基づいて説明する。この統計処理部4は、例えば予
め設定された統計処理用アルゴリズムを実行するコンピ
ュータ等でなり、機能上、図3に示すように「瞬時値抽
出部41」および「統計量算出部42」を備えている。
【0045】「瞬時値抽出部41」は、図4に示すよう
にデータ蓄積部3の瞬時値格納部3aからプロセスデー
タの瞬時値データを受け取り、所定の時刻毎に前回の統
計処理計算以降に蓄積された最新値までの瞬時値データ
を瞬時値格納部41から抽出し、その抽出データを統計
量算出部42に供給する。
【0046】「統計量算出部42」は、図4に示すよう
に瞬時値抽出部41からの瞬時値データに対して算術平
均値、標準偏差、最大値、最小値等を含む統計値データ
を算出し、その統計値データをデータ蓄積部3の統計値
格納部3bに供給する。
【0047】次に、監視部5の構成例を図5に基づいて
説明する。
【0048】監視部5は、例えば予め設定された監視用
アルゴリズムを実行するコンピュータ等でなり、機能
上、図5に示すように瞬時値データに対する監視を行う
「瞬時値監視部5a」と、統計値データに対する監視を
行う「統計値監視部5b」と、この2つの監視部5a、
5bで共通に採用される3つの監視方法をそれぞれ実行
するための各部として、「レベル監視部51」、「勾配
監視部52」、および「相関監視部53」とを備えてい
る。
【0049】「瞬時値監視部5a」は、図6に示すよう
に、監視開始の命令が入力されるとデータのサンプリン
グ毎にその瞬時値データに対して所定の基準値データと
の比較による監視を開始し、これを監視終了の命令が入
力されるまで継続する。この瞬時値監視部5aによる監
視を続けると監視装置の負荷が非常に高くなるため、例
えば統計値監視部5bによる監視で異常徴候が検出され
た信号に対してその後の監視強化のために使用したり、
プラント起動時等のプロセス値が時々刻々変化している
場合に使用したりすると効果的である。
【0050】「統計値監視部5b」は、図6に示すよう
に監視開始の命令が入力されると統計量データが算出さ
れる毎にその統計量データに対して予め設定された基準
値との比較による監視を行い、それ以降、監視停止の命
令が入力されるまで上記の時間間隔毎に監視を継続す
る。この統計値監視部5bによる監視を続けても、監視
装置の負荷が上記の瞬時値監視部5aの場合と比べると
それほど高くならないため、例えばサンプリングされる
全信号について実施することも可能である。
【0051】「レベル監視部51」は、図7に示すよう
に一定の基準値(上限値および下限値)に基づいて監視
対象量データの変化を監視する構成で、機能上、図8に
示すように「データ抽出部(データ入力部)511」、
「基準値抽出部(基準値入力)512」、「データ比較
部513」から構成される。このレベル監視部51で
は、その監視時に基準値抽出部512にて基準値格納部
6内の基準値データを抽出すると共に、データ入力部5
11にてデータ蓄積部3内の監視対象量データを入力
し、この監視対象量データと基準値データとの互いの大
小関係をデータ比較部513にて比較することで監視を
実行する。
【0052】「勾配監視部52」は、図9に示すように
監視対象量データの時間的な変化に緩やかに追従する移
動平均値に所定の余裕度を加算、減算した基準値に基づ
いて監視を行う構成で、機能上、図10に示すように
「データ抽出部521」、「移動平均算出部522」、
「移動平均基準値算出部523」、「データ比較部52
4」から構成される。
【0053】この勾配監視部52は、データ抽出部52
1にてデータ蓄積部3から前回の移動平均値及び最新の
データを抽出し、この抽出データを用いて移動平均算出
部522にて最新のデータまでの移動平均値を算出し、
この移動平均値を移動平均基準値算出部522及び比較
部523に渡すと共に、移動平均基準値算出部522に
て基準値格納部6から抽出した所定の余裕度データを加
算及び減算して基準値データを算出し、この基準値デー
タと監視対象量データとをデータ比較部523にて互い
に比較すること監視を実行する。
【0054】「相関監視部53」は、図11に示すよう
に予め設定した2つの監視対象量データ(プロセスX、
プロセスY)で定まる相関式に所定の余裕度データを加
算及び減算して基準値データを求め、これを用いて監視
するもので、機能上、図12に示すように「データ抽出
部531」、「相関値算出部532」、「相関基準値算
出部533」、及び「データ比較部534」から構成さ
れる。
【0055】この相関監視部53は、データ抽出部53
1にて相関監視を行うべき2つの監視対象量X、Yの最
新のデータをデータ蓄積部3から抽出し、この抽出デー
タを相関基準値算出部532及び比較部534に渡すと
共に、相関値算出部532にて基準値格納部6から上記
2つの監視対象量データの相関式を呼び出し、監視対象
量データXに対応する相関値Ysの値を「Ys=f
(X)」の演算式で算出し、その算出値を用いて相関基
準値算出部533にて相関値Ysに基準値格納部6から
抽出した所定の余裕度データを加算及び減算して基準値
データを算出し、この基準値データと監視対象量Yの値
とをデータ比較部534にて比較して監視を実行する。
【0056】上記のプロセスデータ監視装置では、図1
3又は図14に示す「監視バイパス部(監視バイパス手
段)50a、50b」を追加することも可能である。
【0057】図13に示す監視バイパス部50aは、機
器の運転、停止を示す接点信号を取り込むための「接点
信号取り込み部10」と、接点信号の変化と機器のサー
ベランス等の人為外乱との関係および人為外乱とそれが
波及するプロセス量との関係に関するデータを参照可能
に保持する「人為外乱波及データベース11」と、接点
信号に変化がある場合に人為外乱波及データベース11
を参照して、実施されたサーベランス及びその影響が現
れる信号を抽出し、これに該当する信号について監視を
行わないように監視部5に指示を与える「人為外乱判定
部12」とを備えている。
【0058】図14に示す監視バイパス部50bは、機
器のサーベランス等の人為外乱とそれが波及するプロセ
ス量との関係に関するデータを参照可能に保持する「人
為外乱波及データベース13」と、機器の運転予定に関
するデータを参照可能に保持する「運転予定データベー
ス14」と、この運転予定データベース14から運転操
作が実施されたと判断された場合には人為外乱波及デー
タベース13を参照して影響が現れる信号について監視
を行わないように監視部5に指示を与える「人為外乱判
定部15」とを備えている。この場合には、人為外乱が
発生した場合に限って基準値データを切り替えて対応す
ることも可能である。
【0059】次に、「基準値設定部8」の構成例を図1
5〜図25に基づいて説明する。
【0060】基準値設定部8は、機能上、データ蓄積部
3に蓄積された過去の監視対象量データの特性に基づい
て現在のデータのトレンド監視および相関監視における
監視方法およぴその基準値データを自動で設定する「ト
レンド監視基準値設定部8a」および「相関監視基準値
設定部8b」を備えている。
【0061】「トレンド監視基準値設定部8a」は、機
能上、図15に示すように「データ抽出部81」、「外
乱データ除外部82」、「分布形状判定部83」、「監
視方法選定部84」、および「基準値算出部85」から
構成される。
【0062】この内「データ抽出部81」は、基準値設
定用のプロセス量とその監視対象量データや、過去のデ
ータの範囲、データの条件等が入力部9でユーザーによ
り入力設定されると、データ蓄積部3から過去のデータ
を呼び出し、このデータを基準値設定用データとして外
乱データ除外部82に供給する。
【0063】「外乱データ除外部82」は、データ抽出
部81からの抽出データ中に人為外乱等の外乱データが
存在する場合にその外乱データの影響で非現実的な基準
値データが設定される恐れがあるため、そのようなノイ
ズ要因を回避するために基準算出前に予め監視対象量デ
ータから外乱データを除外して分布形状判定部83及び
基準値算出部85に供給する。
【0064】「分布形状判定部83」は、後述のように
外乱データを除いた監視対象量データの分布形状を判定
し、その判定結果を監視方法選定部84に送る。
【0065】「監視方法選定部84」は、分布形状判定
部83からの判断結果に基づいて監視対象量データの監
視方法及び基準値算出方法を選定し、その選定結果の指
示を基準値算出部85に与える。
【0066】「基準値算出部85」は、監視方法選定部
84より選定された監視方法及び基準値算出方法を用い
て外乱データ除外部82からの監視対象量データから基
準値データを算出し、これを基準値格納部6に供給す
る。
【0067】上記のトレンド監視における「外乱データ
除外部82」は、機能上、図16に示すように「移動平
均値算出部821」、「残差算出部822」、及び「外
乱判定部823」から構成される。
【0068】この内「移動平均値算出部821」は、図
17(a)に示すようにデータ抽出部81からのデータ
の移動平均値を算出し、それを残差算出部822に送
る。
【0069】「残差算出部822」は、図17(a)に
示すように移動平均値と実際の各々のデータの残差εi
を算出し、その算出残差εiを図17(b)に示すよう
に「+側」、「一側」の各々で絶対値の小さな順に整理
し、その結果を外乱判定部823に指示する。
【0070】「外乱判定部823」は、図17(b)に
示すように隣り合った各残差データの差δiを算出し、
この差δiを最大残差εmaxで割った値が予め設定し
た設定値を超える場合にその設定値を超えた残差データ
の差を算出した際の2つの隣接する残差データの内の大
きな方の残差データとその残差以上の残差データとを除
外データとして図17(c)に示すように移動平均値の
データ(プロセス値)から除外し、これを分布形状判定
部83に指示する。
【0071】上記のトレンド監視における「分布形状判
定部83」は、機能上、図18に示すように「算術平均
算出部831」、「移動平均算出部832」、「残差算
出部833」、「残差分布判定部834」から構成され
る。
【0072】この内「算術平均算出部831」は、図1
9に示すように外乱データを除外された基準値設定用の
監視対象量データから算術平均値を算出し、その結果を
残差算出部833に送る。
【0073】「残差算出部833」は、算術平均値と各
データとの残差を算出し、その各残差の算出結果を残差
分布判定部834に送る。
【0074】「残差分布判定部834」は、算術平均値
からの残差分布が正規分布となっているか否かを判定
し、正規分布であると判定される場合は「ケース1」と
判定し、その判定結果を監視方法選定部833に渡す。
【0075】ここで、正規分布か否かの判定に際し、算
術平均値からの残差分布の歪み度をS、尖り度をKとし
たとき、その歪み度S及び尖り度Kの各絶対値が所定値
a、b以下、すなわち「lSl<a、lKl<b」の条
件式を満たすときに残差分布が正規分布であると判定す
る方法を用いる。この判定方法で用いる尖り度S及び尖
り度Kは、算術平均値回りの残差の標準偏差をσとし、
算術平均値からの残差を(Xi−m)とし、データ個数
をNとし、残差が(×i−m)となるデータの個数をf
iとし、μk ={Σ(Xi−m)k ・fi}/Nとした
とき、それぞれ「S=μ3 /σ3 」および「K=μ4
σ4 −3」の算出式で求めることが可能である。
【0076】「移動平均算出部832」は、残差分布判
定部834にて算術平均値からの残差の分布が正規分布
とみなされない場合にその監視対象量の移動平均値を求
め、この移動平均値からの残差を算出し、その結果を残
差分布判定部834に指示する。ここで、移動平均算出
部832及び残差算出部833は、前記の外乱データ除
外部82中の移動平均算出部821及び残差算出部82
2を兼用する構成であってもよい。
【0077】「残差分布判定部834」は、前述した算
術平均値の残差分布の判定のほか、移動平均算出部83
2からの移動平均周りの残差が正規分布となっているか
否かを判定し、正規分布であると判定される場合は「ケ
ース2」、正規分布でないと判定される場合は「ケース
3」とし、その判定結果を監視方法選定部833に指示
する。この判定方法は、前述した算術平均値からの残差
の分布判定方法の場合と同様である。
【0078】上述した分布形状判定部83の各部の処理
は、図19に示す一連の処理ステップS1〜S9で総括
することができる。
【0079】分布形状判定部83は、以上の各部の処理
により監視対象量データの分布形状が「ケース1:算術
平均からの残差の分布が正規分布」、「ケース2:移動
平均からの残差の分布が正規分布」、及び「ケース3:
算術平均値及び移動平均値からの残差の分布がいずれも
非正規分布」のいずれの場合に相当するかを判定し、そ
の判定結果を監視方法選定部84に指示する。
【0080】「監視方法選定部84」は、分布形状判定
部83からの判定結果、すなわち「ケース1」〜「ケー
ス3」に基づいてトレンド監視または相関監視の監視方
法及び監視基準値の算出方法を選定し、その選定結果を
基準値算出部85に送る。以下、この監視方法選定部8
4の具体的な処理内容を「ケース1」〜「ケース3」の
場合に分けて説明する。
【0081】まず「ケース1」の場合は、監視方法とし
てレベル監視を用いた方法を選定する。このレベル監視
における基準値の算出方法としては、図20(a)及び
(b)に示すように監視対象量データの算術平均値m1
からの標準偏差σ1に特定の定数Nを乗算し、この乗算
値Nσ1に算術平均値m1を加算及び減算して上限基準
値及び下限基準値を基準値データとして求める方法を採
用する(基準値=ml±Nσ1)。この方法におけるN
の値は、ユーザーにより適宜に設定可能であり、例えば
通常の監視を実施する場合には3〜5の範囲内とし、そ
れよりも厳しい監視を実施する場合にはその範囲内より
も小さめの値を用いる。
【0082】「ケース2」の場合は、監視方法としてレ
ベル監視と勾配監視とを併用した方法を選定する。この
内、勾配監視における基準値算出方法としては、図21
(a)及び(b)に示すように監視対象量データの移動
平均値m2からの残差の標準偏差σ2に特定の定数を乗
算し、この乗算値Nσ2を移動平均値からの上限基準値
及び下限基準値の許容幅(=Nσ2)として基準値デー
タを求める方法を採用する。また、レベル監視における
基準値算出方法としては、図22(a)及び(b)に示
すように算術平均値m1からの残差分布が非正規分布と
なるため、算術平均値m1よりも大きい側の最大残差ε
+に特定の値Aを乗算し、この乗算値Aε+に算術平均
値m1に加算した値を上限下限値とし、算術平均値m1
よりも小さい側の最大残差ε−に特定の値Aを乗算し、
この乗算値Aε−から算術平均値m1を減算した値を下
限基準値として基準値データを求める方法を採用する。
この方法におけるAの値は、ユーザーにより適宜に設定
可能であり、例えば通常の監視を実施する場合には1.
2〜2の範囲内とし、それよりも厳しい監視を実施する
場合にはその範囲内よりも小さめの値を用いる。
【0083】「ケース3」の場合にも、監視方法として
勾配監視とレベル監視とを併用した方法を選定する。こ
の内、勾配監視における基準値算出方法としては、監視
対象量データの移動平均値m2よりも大きい側の最大残
差ε+に特定の値Aを乗算し、この乗算値Aε+を移動
平均値m2からの上限基準値の許容幅とする一方、移動
平均値m2よりも小さい側の最大残差ε−に特定の値A
を乗算し、この乗算値Aε−を移動平均値m2からの下
限基準値の許容幅として基準値データを求める方法を採
用する。この方法におけるAの値は、ユーザーにより適
宜に設定可能であり、例えば1.2〜2の範囲内とし、
厳しく監視を行うものについてはその範囲内よりも小さ
めの値を用いる。また、レベル監視における基準値算出
方法は、上記のケース2の場合と同様の方法を用いる。
【0084】なお、勾配監視における基準値算出方法と
しては、機器の切り替え等の要因で監視対象量データが
変化して算出誤差が大きくなる事態を回避するため、こ
れらの要因でデータが急激に変化した場合にはそれより
以前のデータを最新データと置き換えてその移動平均値
を算出し、この算出値に基づいて監視基準値データを算
出する方法を用いることができる。
【0085】監視方法選定部84は、上記の処理に基づ
いて監視方法およぴ基準値算出方法を選定し、基準値算
出方法を基準値算出部85に指示する。
【0086】基準値算出部85は、監視方法選定部84
により選定された基準値算出方法を用いて基準値データ
を算出する。
【0087】次に、「相関監視基準値設定部8b」の構
成例を図23〜図25に基づいて説明する。
【0088】「相関監視基準値設定部8b」は、機能上
では前述のトレンド監視基準値設定部8aの場合と同様
に「データ抽出部81」、「外乱データ除外部82」、
「分布形状判定部83」、「監視方法選定部84」、
「基準値算出部85」から構成される(図15参照)。
【0089】この内「データ抽出部81」は、相関監視
を行う2種類の監視対象量データを抽出し、その抽出デ
ータを外乱データ除外部82に供給する。
【0090】「外乱データ除外部82」は、機能上、図
23に示すように「フィティング式算定部824」、
「残差算出部822」、及び「外乱判定部823」から
構成される。この外乱データ除外部82は、フィティン
グ式算定部824にて図24に示すように2種類の監視
対象量データ(図中のプロセスX及びプロセスY)のフ
ィティング式を最小2乗法を用いて算出し、その算出フ
ィティング式とデータとの残差を残差算出部822にて
算出し、その残差を用いて外乱判定部823にて上記の
トレンド監視基準値設定部8aの場合と同様の手順で外
乱データを除外する処理を行い、その処理後のデータを
分布形状判定部83に供給する。
【0091】「分布形状判定部83」は、機能上、図2
5に示すように「フィティング式算定部835」、「残
差算出部833」、「残差分布判定部834」から構成
され、外乱データ除外部82にて外乱データを除外した
データについて再度フィティング式を作成し、そのフィ
ティング式とデータとの残差を残差算出部833にて算
出し、その残差の分布が正規分布であるか否かを残差分
布判定部834にて判定する。ここで、この分布形状判
定部83のフィティング式算定部835及び残差算出部
833は、上記の外乱データ除外部82のフィティング
式算定部824及び残差算出部822を用いることがで
きる。
【0092】「監視方法選定部84」は、分布形状判定
部83の判定により残差分布形状のばらつきが正規分布
の場合にはフィティング式からの標準偏差に特定の値を
乗算し、この乗算値をフィティング式に加算及び減算し
た値を上限基準値および下限基準値の基準値データとす
る一方、上記判定により残差分布形状が非正規分布の場
合にはフィティング式からの最大残差に特定の値を乗算
し、この乗算値をフィティング式に加算及び減算した値
を上限基準値および下限基準値の基準値データとし設定
する方法を選定し、この選定結果を基準値算出部85に
送る。
【0093】「基準値算出部85」は、監視方法選定部
85の選定結果に基づいて外乱データを除外した監視対
象量データから基準値データを算出する。
【0094】従って、この実施の形態によれば、各種の
プロセス量の瞬時値データを比較的短時間蓄積すると共
に、その瞬時値データを基に統計処理を行って統計値デ
ータとして蓄積する構成としたため、監視対象の長期的
な特性を考慮して監視することができる。また、各監視
対象の長期的な傾向からその特性を考慮した監視方法及
び基準値を自動で作成する構成であるため、比較的人手
をかけずに適切な監視基準値を設定でき、プラント状態
の異常をその徴候段階で的確に検知できる。
【0095】なお、基準値設定部には設定した値と実際
に設定に用いたデータとを出力装置上に出力することに
より、ユーザーの確認を得る基準値確認手段を設けるこ
とが可能である。また、出力装置に表示された基準値に
対して入力装置からの入力によりその基準値を変更した
り、基準値設定用のデータ及び除外データを各監視対象
毎に記憶させたりする構成を採用することも可能であ
る。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、各種のプロセス量の瞬時値データを比較的短時間蓄
積すると共に、その瞬時値データを基に統計処理を行っ
て統計値データとして蓄積可能な構成としたため、監視
対象の長期的な特性を考慮した監視が可能となる。ま
た、各監視対象の長期的な傾向からその特性を考慮した
監視方法及び基準値を自動で作成可能な構成としたた
め、比較的人手をかけずに適切な監視基準値を設定する
ことができ、プラント状態の異常をその徴候段階で的確
に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態にかかるプロセス
データ監視装置の全体構成を示す概略ブロック図。
【図2】データ蓄積部の構成例を示す概略ブロック図。
【図3】統計処理部の構成例を示す概略ブロック図。
【図4】統計処理部の動作タイミングを説明するグラ
フ。
【図5】監視部の構成例を示す概略ブロック図。
【図6】監視部の動作タイミングを説明するグラフ。
【図7】レベル監視方法を説明する概要図。
【図8】レベル監視部の構成例を説明する概略ブロック
図。
【図9】勾配監視方法を説明する概要図。
【図10】勾配監視部の構成例を説明する概略ブロック
図。
【図11】相関監視方法を説明する概要図。
【図12】相関監視部の構成例を説明する概要図。
【図13】監視バイパス部の構成例を説明する概要図。
【図14】監視バイパス部の他の構成例を説明する概要
図。
【図15】基準値設定部の構成例を説明する概略ブロッ
ク図。
【図16】外乱データ除外部の構成例を説明する概略ブ
ロック図。
【図17】(a)〜(c)は、外乱データ除外方法を説
明するグラフ。
【図18】分布形状判定部の構成例を説明する概略ブロ
ック図。
【図19】分布形状判定部の処理を説明する概略フロー
チャート。
【図20】(a)、(b)は算術平均値からの残差の分
布が正規分布の場合(ケース1)の基準値設定方法を説
明するグラフ。
【図21】(a)、(b)は移動平均値からの残差の分
布が正規分布の場合(ケース2)の勾配監視用の基準値
設定方法を説明するグラフ。
【図22】(a)、(b)はケース2の場合のレベル監
視用の基準値設定方法を説明するグラフ。
【図23】相関監視基準値設定部における外乱データ除
外部の構成例を説明する概略ブロック図。
【図24】相関監視基準値設定部におけるフィティング
式算定部の算出方法を説明するグラフ。
【図25】相関監視基準値設定部における分布形状判定
部の構成例を説明する概略ブロック図。
【符号の説明】
1 センサ 2 A/D変換部 3 データ蓄積部 3a 瞬時値格納部 3b 統計値格納部 3c 起動停止時データ格納部 4 統計処理部 41 瞬時値抽出部 42 統計量算出部 5 監視部 5a 瞬時値監視部 5b 統計値監視部 50a、50b 監視バイパス部 51 レベル監視部 511 データ抽出部 512 データ比較部 513 基準値抽出部 52 勾配監視部 521 データ抽出部 522 移動平均算出部 523 移動平均基準値算出部 524 データ比較部 53 相関監視部 531 データ抽出部 532 相関平均算出部 533 移動平均基準値算出部 534 データ比較部 6 基準値格納部 7 表示部(出力部) 8 基準値設定部 81 データ抽出部 82 外乱データ除外部 821 移動平均算出部 822 残差算出部 823 外乱判定部 824 フィティング式算定部 83 分布形状判定部 831 算術平均算出部 832 移動平均算出部 833 残差算出部 834 分布判定部 835 フィティング式算定部 84 監視方法選定部 85 基準値算出部 9 入力部 10 接点信号取り込み部 11、13 人為外乱データベース 12、14 人為外乱判定部 15 運転予定データベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日隈 幸治 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5H223 AA03 BB02 CC08 DD03 DD09 EE06 FF03

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラントのプロセス量に関するデータを
    電気信号に変換して検出するセンサと、このセンサによ
    り検出された電気信号をデジタル化して前記プロセス量
    の瞬時値データとして取り込む瞬時値取込手段と、この
    瞬時値取込手段が取り込んだ瞬時値データを統計処理す
    ることで統計値データを作成する統計値作成手段と、こ
    の統計値作成手段が作成した統計値データ及び前記瞬時
    値取込手段が取り込んだ瞬時値データを蓄積するデータ
    蓄積手段と、前記プロセス量の監視に関する基準値デー
    タを設定する基準値設定手段と、この基準値設定手段に
    より設定された基準値データを格納する基準値格納手段
    と、前記データ蓄積手段により蓄積された瞬時値データ
    及び統計値データの内の少なくとも一方を含む監視対象
    量データと前記基準値格納手段に格納された基準値デー
    タとを互いに比較することにより前記プロセス量の変化
    状態を検知する監視手段と、この監視手段により検知さ
    れた前記プロセス量の変化状態を含む監視情報を画面に
    表示する表示手段とを備えたことを特徴とするプロセス
    データ監視装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、前記デー
    タ蓄積手段は、前記瞬時値データを所定のデータ蓄積期
    間が経過後に消去するように格納する瞬時値格納手段
    と、前記統計値データを前記データ蓄積期間よりも長い
    期間保存するように格納する統計値格納手段とを備えた
    ことを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発明において、前記統計
    値作成手段は、前記データ蓄積手段に蓄積された前記瞬
    時値データを一定の時間間隔毎に抽出する瞬時値抽出手
    段と、この瞬時値抽出手段により抽出された瞬時値デー
    タを用いて前記統計値データを算出する統計値算出手段
    とを備えたことを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明において、前記監視
    手段は、前記瞬時値データをそのサンプリングで規定さ
    れる時間間隔毎に前記基準値データと比較することによ
    り前記プロセス量の変化状態を検知する瞬時値監視手段
    と、前記統計値データを所定の時間間隔毎に前記基準値
    データと比較することにより前記プロセス量の変化状態
    を検知する統計値監視手段とを備えたことを特徴とする
    プロセスデータ監視装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の発明において、前記監視
    手段は、前記プロセス量の大きさの変化を検知するレベ
    ル監視手段および前記プロセス量の変化勾配を検知する
    勾配監視手段の少なくとも一方を備えたトレンド監視手
    段と、前記プロセス量の内の互いに異なる2つのプロセ
    ス量の相関関係を検知する相関監視手段とを備え、この
    相関監視手段及び前記トレンド監視手段の内の少なくと
    も一方を用いて前記プロセス量の変化状態を検知する手
    段であることを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の発明において、前記プラ
    ント内の機器の接点信号の変化と前記機器のテスト運転
    や切り替え等の人為外乱との関係に関するデータ、及び
    前記人為外乱とそれが波及するプロセス量との関係に関
    するデータを予め保持する人為外乱波及データベース
    と、前記機器の接点信号を取り込む接点信号取り込み手
    段と、この接点信号取り込み手段により取り込まれる接
    点信号に基づいて前記人為外乱の有無を判断し、かつ、
    前記人為外乱波及データベース内のデータを参照して前
    記人為外乱の波及に起因する人為外乱波及信号を判断す
    ることによりその人為外乱波及信号の監視を非実施とす
    るように又は前記基準値データの切り替えを実行するよ
    うに前記監視手段に指示を与える人為外乱判定手段とを
    更に備えたことを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の発明において、前記プラ
    ント内の機器の人為外乱とそれが波及するプロセス量と
    の関係に関するデータを参照可能に保持する人為外乱波
    及データベースと、前記機器の運転予定に関するデータ
    を参照可能に保持する運転予定データベースと、前記統
    計値データを監視する場合に前記運転予定データベース
    内のデータを参照して前記人為外乱の有無を判断し、か
    つ、前記人為外乱波及データベース内のデータを参照し
    て人為外乱の波及に起因する人為外乱波及信号を判断す
    ることによりその人為外乱波及信号の監視をバイパスす
    るように又は前記基準値データを切り替えるように前記
    監視手段に指示を与える人為外乱判定手段とを備えたこ
    とを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の発明において、前記基準
    値設定手段は、トレンド監視用の基準値データを設定す
    るトレンド監視基準値設定手段と、相関監視用の基準値
    データを設定する相関監視基準値設定手段とを備えたこ
    とを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の発明において、前記トレ
    ンド監視基準値設定手段は、前記データ蓄積手段から基
    準値設定用の過去の監視対象量データを抽出するデータ
    抽出手段と、このデータ抽出手段により抽出された監視
    対象量データから外乱データを除外する外乱データ除外
    手段と、この外乱データ除外手段により外乱データが除
    外された監視対象量データの分布形状を判定する分布形
    状判定手段と、この分布形状判定手段により判定された
    監視対象量データの分布形状に基づいて前記監視対象量
    データの監視方法及び前記基準値データの設定方法を選
    定する監視方法選定手段と、この監視方法選定手段によ
    る選定結果に基づいて前記外乱データを除いた監視対象
    量データから基準値データを算出する基準値算出手段と
    を備えたことを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の発明において、前記外
    乱データ除外手段は、前記基準値設定用の監視対象量デ
    ータの移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、こ
    の移動平均値算出手段により算出された移動平均値とそ
    の監視対象量データとの残差を算出する残差算出手段
    と、この残差算出手段により算出された残差データの分
    布から外乱データを判定する外乱データ判定手段とを備
    え、この外乱データ判定手段は、前記残差データの内の
    互いに隣接する2つの残差データの差を最大残差で割っ
    たときの値が予め設定した設定値を超える場合にその2
    つの残差データの内の残差値の大きい残差データ及びそ
    の残差値以上の残差データを前記外乱データとして前記
    基準値設定用の監視対象量データから除外する手段であ
    ることを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の発明において、前記分
    布形状判定手段は、前記監視対象量データの算術平均値
    を算出する算術平均値算出手段と、前記監視対象量デー
    タの移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、前記
    2つの算出手段により算出される監視対象量データの算
    術平均値及び移動平均値の各々からの残差を算出する残
    差算出手段と、この残差算出手段により算出される残差
    の尖り度および歪み度を算出し、かつ、その尖り度及び
    歪み度が予め設定した範囲内にあるか否かを判断するこ
    とにより前記残差の分布形状を判定する残差分布判定手
    段とを備えたことを特徴とするプロセスデータ監視装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の発明において、前記
    監視方法選定手段は、前記分布形状判定手段により判定
    された分布形状結果に基づいて、 前記算術平均値からの残差分布が正規分布となる場合に
    は、前記監視対象量データの監視方法としてレベル監視
    を用いた方法を選定すると共に、前記基準値データの算
    出方法として前記算術平均値に残差の標準偏差の定数倍
    を加算及び減算することで前記レベル監視用の基準値デ
    ータを算出する方法を選定し、 前記算術平均値からの残差の分布が非正規分布となり且
    つ前記移動平均値からの残差の分布が正規分布となる場
    合には、前記監視対象量データの監視方法としてレベル
    監視及び勾配監視を併用する方法を選択すると共に、前
    記基準値データの算出方法として前記移動平均値からの
    残差の標準偏差の定数倍とすることで前記勾配監視用の
    基準値データの基準幅を算出し、かつ、前記算術平均値
    に算術平均値からの最大残差の定数倍を加算及び減算す
    ることで前記レベル監視用の基準値データを算出する方
    法を選定し、 前記算術平均値からの残差の分布及び前記移動平均値か
    らの残差の分布がそれぞれ非正規分布となる場合には、
    レベル監視及び勾配監視を併用することを選択すると共
    に、前記基準値データの算出方法として前記移動平均値
    からの最大残差を定数倍とすることで前記勾配監視用の
    基準値データの基準幅を算出し、かつ、前記算術平均値
    からの最大残差の定数倍をその算術平均値に加算及び減
    算することで前記レベル監視用の基準値データを算出す
    る方法を選定する手段であることを特徴とするプロセス
    データ監視装置。
  13. 【請求項13】 請求項8記載の発明において、前記相
    関監視基準値設定手段は、前記データ蓄積手段から基準
    値設定用の過去の監視対象量データを抽出するデータ抽
    出手段と、このデータ抽出手段により抽出された監視対
    象量データから外乱データを除外する外乱データ除外手
    段と、この外乱データ除外手段により外乱データが除外
    された抽出された前記監視対象量の分布形状を判定する
    分布形状判定手段と、この分布形状判定手段により判定
    された監視対象量データの分布形状に基づいて基準値デ
    ータの設定方法を選定する選定手段と、この選定手段に
    より選定された設定方法に基づいて前記基準値データを
    算出する基準値算出手段とを備えたことを特徴とするプ
    ロセスデータ監視装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の発明において、前記
    外乱データ除外手段は、最小2乗法を用いて互いに異な
    る2種類のプロセス量のフィティング式を作成するフィ
    ティング式算定手段と、このフィティング式算定手段に
    より作成されたフィティング式からの残差データを算出
    する残差算出手段と、この残差算出手段により算出され
    た残差データの分布から外乱データを判定する外乱デー
    タ判定手段とを備え、前記外乱データ判定手段は、前記
    残差データの内の互いに隣り合う2つの残差データの差
    を最大残差で割ったときの値が予め設定した設定値を超
    える場合にその2つの残差データの内の残差値の大きい
    残差データ及びその残差値以上の残差データを前記外乱
    データとして前記基準値設定用の監視対象量データから
    除外する手段であることを特徴とするプロセスデータ監
    視装置。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の発明において、前記
    分布形状判定手段は、最小2乗法を用いて互いに異なる
    2種類のプロセス量のフィティング式を作成するフィテ
    ィング式算定手段と、この算定手段により算定されたフ
    ィティング式からの残差データを算出する残差算出手段
    と、この残差算出手段により算出された残差データの尖
    り度およぴ歪み度を算出し且つその尖り度及び歪み度が
    予め設定した範囲内であるか否かを判断することにより
    前記残差データの分布形状を判定する残差分布判定手段
    とを備えたことを特徴とするプロセスデータ監視装置。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の発明において、前記
    選定手段は、前記分布形状判定手段により判定された前
    記残差データの分布形状が正規分布となる場合には前記
    フィティング式に残差データの標準偏差の定数倍を加算
    及び減算した値を基準値データとする設定方法を選定す
    る一方、前記フィティング式からの残差データの分布が
    非正規分布となる場合には前記フィティング式にそのフ
    ィティング式と各データの残差の内の最大残差の定数倍
    を加算及び減算した値を基準値データとする設定方法を
    設定する手段であることを特徴とするプロセスデータ監
    視装置。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の発明において、前記基
    準値設定手段は、前記プラント量の内の前記プラント内
    の機器の切り替え等により変化するプロセス量が急激に
    変化した場合にその時点以前の監視対象量データを最新
    の監視対象量データと置き換えてその移動平均値を求
    め、かつ、その移動平均値に基づいて前記監視基準値デ
    ータを算出する手段を備えたことを特徴とするプロセス
    データ監視装置。
  18. 【請求項18】 プラントのプロセス量に関するデータ
    を電気信号に変換して検出するセンサにより検出された
    電気信号をデジタル化して前記プロセス量の瞬時値デー
    タとして取り込む瞬時値取込工程と、この瞬時値取込手
    段が取り込んだ瞬時値データを統計処理することで統計
    値データを作成する統計値作成工程と、この統計値デー
    タ及び前記瞬時値データを蓄積するデータ蓄積工程と、
    前記プロセス量の監視に関する基準値データを設定する
    基準値設定工程と、この設定された基準値データを格納
    する基準値格納工程と、前記蓄積された瞬時値データ及
    び統計値データの内の少なくとも一方を含む監視対象量
    データと前記格納された基準値データとを互いに比較す
    ることにより前記プロセス量の変化状態を検知する監視
    工程と、この監視工程において検知された前記プロセス
    量の変化状態を含む監視情報を画面に表示する表示工程
    とを備えたことを特徴とするプロセスデータ監視方法。
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