JP2000027099A - 凹凸成形体の製造方法 - Google Patents

凹凸成形体の製造方法

Info

Publication number
JP2000027099A
JP2000027099A JP10189410A JP18941098A JP2000027099A JP 2000027099 A JP2000027099 A JP 2000027099A JP 10189410 A JP10189410 A JP 10189410A JP 18941098 A JP18941098 A JP 18941098A JP 2000027099 A JP2000027099 A JP 2000027099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
mold
molded product
drying
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10189410A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Suenaga
浩 末永
Hisao Ishikawa
久夫 石川
Shunsuke Shioi
俊介 塩井
Koji Iwasaki
廣司 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oji Seitai Kaisha Ltd
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Seitai Kaisha Ltd
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Seitai Kaisha Ltd, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Seitai Kaisha Ltd
Priority to JP10189410A priority Critical patent/JP2000027099A/ja
Publication of JP2000027099A publication Critical patent/JP2000027099A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に優しいパルプ等の素材に対しても適用
可能な、高強度成形物が効率良く生産できる湿式成形方
法を提供する。凹凸成形体の製造方法。 【解決手段】 カナダ標準フリーネス(CSF)が55
0ml以上の組成物からなるスラリーを用いて、多数の
小孔11を有する成形型12の小孔から、スラリーの媒
体である水を除去することによって該成形型にスラリー
中の小孔不通過微細成分を堆積させて成形物16とし、
その後湿潤状態の該成形物を型内或いは型外にて堆積層
内を加熱エアーが流れるような条件で乾燥する。湿潤状
態の成形物を乾燥する際に、流量2リッター/cm
分以上で加熱エアーが堆積層内を流れるような条件で乾
燥し、続いて、加圧処理して加圧前の2倍以上に密度を
高めることで凹凸形状の高強度成形物を効率よく生産す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然パルプ等を原
料にして、高強度成形物が効率良く生産できる湿式成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への関心が高まるにつれ
て、生分解性を有し、プラスチックのように高温発生に
よる焼却炉の損傷等の問題のない天然パルプを主原料と
するパルプモールドが包装材料等の分野で注目されてい
る。
【0003】このパルプモールド法は、多数の小孔を有
する金型にスラリー中のパルプを吸引・脱水しながら堆
積させ、その後、得られた湿潤成形物を金型に入れたま
ま加熱乾燥する型内乾燥によって、或いは湿潤成形物を
金型から取り出して加熱乾燥する型外乾燥によって成形
物を得る湿式の成形方法であり、その製造原理からする
と、スラリーにして吸引・脱水出来るものであれば、天
然パルプ系以外の物、例えば、もみがら、ふすま、ビー
ル粕、等も原料として使うことが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにパルプモー
ルド法の原料としては種々のものを選択することが出来
るが、環境に優しい天然パルプを原料に強度のあるもの
を得ようとすると、繊維同士が絡みやすく水素結合が出
来やすいパルプを選択するのが一般的である。しかし、
かかる原料は濾水性が悪いために、金型へのパルプの堆
積が進むにつれてパルプ繊維同士の密着が進んで水抜け
が悪くなって堆積が遅くなり、そのために高強度を有す
る厚物の成形物を得ようとすると吸引・脱水工程に時間
を要し、生産効率を無視しない限り、重量物用の包装材
料として使用出来るレベルの堆積厚みが5mmを越える
ものを得ることが出来なかった。また、特殊な方法とし
て吸引・脱水時に、スラリーを加圧して送ることによっ
て強制的に脱水して、厚みが10mm前後のものを得る
方法があるが、この方法も脱水にかなりの時間を要す
る。さらに、かかる濾水性の悪い原料を使って得られた
湿潤成形物は乾燥性が劣り、中でも、成形物の厚さが厚
い場合には、内部の乾きが悪く、高性能の乾燥装置を用
いても乾燥速度が上がらないという問題を有していた。
又、乾燥性の悪い湿潤成形物を型内乾燥する場合には、
型内に止まる時間が特に長くなるために特殊で高価な金
型を多数用意しなければ生産性を上げることが出来ず、
モデルチェンジの早い業界や少ロット多品種の業界の商
品は安価に製造出来ない。特に厚物の場合にそれが特に
顕著となるという問題を有している 本発明の目的は、環境に優しいパルプ等の素材に対して
も適用可能な、高強度成形物が効率良く生産できる湿式
成形方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる現
状に鑑み、効率良く高強度成形物が生産出来る湿式成形
方法について鋭意検討した結果、高強度成形物用の原料
としては従来選択することのなかった高濾水性のものを
原料として選択し、更に加工方法として従来採用されな
かった方法をとることによって、それを成しうることを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、カナダ標準フリーネス(CSF)が550ml以上
の組成物からなるスラリーを用いて、多数の小孔を有す
る成形型の小孔から、スラリーの媒体である水を除去す
ることによって該成形型にスラリー中の小孔不通過微細
成分を堆積させて成形物とし、その後湿潤状態の該成形
物を型内或いは型外にて堆積層内を加熱エアーが流量2
リッター/cm・分以上で流れるような条件で乾燥
し、続いて、加圧処理を施すことによって加圧前の2倍
以上に密度を高めることを特徴とする凹凸成形体の製造
方法である。本発明では、凹凸成形体が10mm以上の
厚みの部分を有することが好ましい。本発明では、加圧
処理中或いは処理後に、加熱処理が施されるのが好まし
い。本発明では、該スラリー組成物が、熱融着性成分を
含有するのが好ましい。本発明では、加圧処理前或いは
処理後に、成形物表面から接着剤を供給するのが好まし
い。本発明では、スラリー組成物の主成分がセルロース
系繊維であることが好ましい。中でも、該セルロース系
繊維が、撥水化、耐水化、硬化のいずれかの処理の少な
くとも一つを施した古紙繊維であることが好ましい。中
でも、該セルロース系繊維がカール状繊維であることが
好ましい。本発明では、スラリー組成物の主成分がセル
ロース系粗粉であることが好ましい。中でも、該セルロ
ース系粗粉が木材を機械的に粉砕して得られたものであ
ることが好ましい。
【0006】本発明の成功の第一の原因は、高強度品を
得ようとする場合に従来原料として使用していた、繊維
同士が絡みやすく水素結合が出来やすいが濾水性の悪い
ものに代えて、繊維同士が絡み難く水素結合が生じにく
いが濾水性の良いものをスラリーの原料に選択したこと
にあり、それによって、乾燥後も強度は強くないが厚み
のある成形物を中間生成物として効率良く生産したこと
にある。また、本発明の成功の第二の原因は、その原料
から得られる成形物のポーラス性を生かせる特定条件下
の通気乾燥を行うことによって、湿潤成形物の乾燥が極
めて速くなることを見出した点にある。また、本発明の
成功の第三の原因は、その乾燥後の成形物に加圧処理を
施し、密度を2倍以上に高めて組成物間の空隙を減少さ
せて互いの密着性を高めることによって、強度が大幅に
改善できることを見出した点にある。また、本発明の成
功の第四の原因は、上記の方法を組み合わせることによ
って、従来の方式では成しえなかった高強度成形物を、
極めて効率良く生産出来る方式となることを見出した点
にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、カナダ標準フリーネス
(CSF)が550ml以上の組成物からなるスラリー
を用いて、スラリーの媒体である水を除去することによ
って成形型にスラリー中の小孔不通過微細成分を堆積さ
せて湿潤成形物とし、その後湿潤状態の前記成形物を型
内或いは型外にて堆積層内を加熱エアーが流量2リッタ
ー/cm・分以上で流れるような条件で乾燥し、続い
て、加圧処理を施して加圧前の2倍以上に密度を高めて
高強度の凹凸成形体を得るものである。
【0008】本発明においては、組成物としてカナダ標
準フリーネス(CSF)が550ml以上のものが用い
られるが、中でも600ml以上のもの、取り分け62
0ml以上のものは本発明の効果が特に顕著なものとな
る。組成物の主原料には、カナダ標準フリーネス(CS
F)が550ml以上のもので、成形型の小孔に対して
大部分が不通過の微細物であれば如何なる素材も使用出
来るが、中でも環境に優しい素材である天然有機高分子
からなる繊維や粗粉・微粒子は、成形体の使用後の廃棄
が容易であり特に好ましい。原料の大きさは特に限定さ
れるものではないが、スラリーにする場合の分散性と、
成形時の原料歩留りを考慮して、通常0.1〜50mm
の範囲のものが使われる。かかる原料は2種以上併用し
てもかまわない。当然のことながら原料としてはリサイ
クル用として回収されたものも利用できる。原料として
より具体的には以下のものが挙げられる。
【0009】天然有機高分子繊維としては、例えば、パ
ルプ等のセルロース系繊維、ウールや絹糸やコラーゲン
繊維等の蛋白系繊維、キチン・キトサン繊維やアルギン
酸繊維等の複合糖鎖系繊維等が挙げられる。天然有機高
分子粗粉・微粒子としては、例えば、セルロース系粗粉
等が挙げられる。中でも、セルロース系繊維やセルロー
ス系粗粉等のセルロース系のものは原料調達が容易であ
り最も好ましい。中でも、木材を原料とする繊維或いは
粗粉は、原料調達が極めて容易である上に、強度等の物
性面で優れた成形体が得られるので特に好ましい。中で
も、製造工程の中で、少なくとも一度30〜200メッ
シュパス処理等の微細成分を除去する工程を経てフリー
ネスが高められたものは、成形体製造時の排水処理が簡
単で、成形体製造時の原料歩留りが良好であり好まし
い。
【0010】セルロース系繊維としては、具体的には、
針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイトパル
プ化、アルカリパルプ化等して得られる未晒又は晒化学
パルプ、或いはGP、TMP(サ−モメカニカルパル
プ)等の機械パルプ、或いはコットンパルプ、リンター
パルプ、液体アンモニア処理パルプ、マーセル化パル
プ、撥水化、耐水化、硬化の何れかの処理の少なくとも
1つを施したパルプ、カール処理の施されたパルプ、等
が挙げられる。中でも、カール処理を施した古紙繊維、
或いは撥水化、耐水化、硬化の何れかの処理の少なくと
も1つを施した古紙繊維、或いは更にカール処理を施し
たものは、濾水が速い上に、環境問題対応の面からも有
意義であり、特に好ましい。カール処理に使われる機械
としては、繊維に形状的な変形を加えることができる機
械であればどの様なものでも使用可能であり、例えば、
ニーダー、リファイナー、フラッファー等の機械を挙げ
ることが出来る。撥水化、耐水化、硬化の処理に使われ
るものとしては、一般にセルロース繊維加工に使用され
ている、繊維素反応型試薬、撥水加工試薬、耐水加工試
薬、防水加工試薬等を挙げることができる。
【0011】繊維素反応型の試薬としては、米国特許
2,971,815号に記載されているような繊維架橋
剤等を挙げることができ、より具体的に示すならば、
イ.アルデヒド(ホルムアルデヒド及び、グリオキザー
ル、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド等)、ロ.N
−ヒドロキシメチル化合物(ホルムアルデヒドと、尿
素、環状尿素、トリアジン、アミド、アクリルアミド、
カルバメート等との反応生成物、例えばジメチロール尿
素、ジメチロールエチレン尿素、トリメチロールメラミ
ン、N−メチロールアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、エチレン−bis−N−メチロールカルバメート
等)、ハ.ジビニル化合物(ジビニルスルホン等)、
ニ.ハロゲン化合物(ジクロロアセトン、1,2−ジク
ロロプロパノール、2−クロロムコン酸、塩化シアヌ
ル、ジクロロ酢酸等)、ホ.エポキシ化合物(エピクロ
ルヒドリン等のハロヒドリン、ブタジエンジエポキシ
ド、ポリグリシジルエーテル等のポリエポキシド等)、
ヘ.アジリジニル化合物(Tris−(アジリジニル)ホス
フィンオキシド、Tris−(アジリジニル)ホスフィンス
ルフィド、カルボニル−bis-アジリジン等)、ト.多価
カルボン酸(マレイン酸、クエン酸、トリカルバリル
酸、メリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸
等)、チ.酸無水物(無水フタル酸、無水マレイン酸、
無水コハク酸等)、リ.多価イソシアネート(ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネー
ト等)、ヌ.第4級アンモニウム塩(Bis-クロロメチル
エーテルの第四級アンモニウム誘導体等)、等が挙げら
れる。
【0012】撥水加工、耐水加工、防水加工に使われる
試薬としては、例えば化学結合タイプ、接着タイプを挙
げることができ、化学結合タイプとしては、例えば酸ク
ロライド型撥水剤、イソシアネート型撥水剤、ケテンダ
イマー型撥水剤、ピリジン縮合型撥水剤、エチレン尿素
型撥水剤、メチロール化合物型撥水剤、エチレンオキサ
イド型撥水剤、珪素化合物型撥水剤、クロム錯化合物型
撥水剤、チタン含有化合物型撥水剤、ジルコニウム含有
化合物型撥水剤等を挙げることができる。接着タイプと
しては、例えばフッ素化合物型撥水剤、珪素化合物型撥
水剤、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、天然ゴム、合成
ゴム、炭化水素系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド系樹脂、油脂(植物
油、動物油、植物脂、動物脂)、高級脂肪族化合物(飽
和或いは不飽和の酸、アルコール、エステル、アミン、
アミド、塩類)、ワックス(植物系ワックス、動物系ワ
ックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、変性ワック
ス)等を挙げることができる。
【0013】上記処理剤は、単独で或いは適宜2種類以
上を組み合わせて用いることができる。また、これら
は、そのまま或いは溶融して、或いは媒体に溶解、混
和、乳化、分散した形で用いることができる。また、薬
品によっては更に変性して使用することができる。上記
処理剤の配合量は特に限定されるものではないが、通常
乾燥古紙100部に対して0.2〜50部(固形分)の
範囲で添加される。
【0014】撥水化、耐水化、硬化の処理は、解繊前或
いは解繊中或いは解繊後の何れかにおいて行われるが、
その処理は乾紙或いは湿紙状態の古紙或いは古紙解繊繊
維を上記の如き処理剤と接触させて反応させる或いは表
面に付着せしめる、更に必要によっては乾燥処理或いは
反応促進処理を施すことによって行われる。古紙或いは
古紙解繊繊維を処理剤と接触させる方法としては、例え
ば含浸、塗工、噴霧、混合等を用いることができる。そ
の際、撥水化、耐水化、硬化の処理工程の中で、古紙或
いは古紙解繊繊維が固形分濃度90%以上の乾燥状態に
少なくとも一度はなるようにして得られたものは、繊維
と処理剤の反応状態或いは付着状態が良好であり、特に
好ましい。
【0015】撥水化、耐水化、硬化の処理とカール処理
の両方を行う方法としては、解繊処理中或いは処理後の
古紙繊維に上記処理剤を添加しながら或いは添加した後
に、繊維を変形させる機械的攪拌を施し、次いでフラッ
フ化と加熱処理を施す等の方法を挙げることができる。
【0016】本発明において、古紙を原料にして得られ
た繊維を使用する場合、その繊維製造工程の中で、少な
くとも一度30〜200メッシュパス処理等の微細成分
を除去する工程を経てフリーネスが高められたものは、
成形体製造時の排水処理が簡単で、成形体製造時の原料
歩留りが良好であり好ましい。尚、原料となる古紙とし
ては、家庭または工場、事業場等から排出される新聞古
紙、段ボール古紙、雑誌古紙等当業界公知のものを挙げ
ることができる。
【0017】セルロース系粗粉としては、具体的には、
木材チップ、バカス、稲藁、籾殻等のセルロース系材料
を粗粉砕して得られるセルロース系粗粉、籾殻自体、お
が屑、ふすま、ビール粕、大豆粕等が挙げられる。中で
も、好ましいものは前記の通り木材チップを粗粉砕して
得られる粗粉で、例えばアスプルンド法等のファイバー
ボード業界公知の方法で得られるファイバーボード用原
料を挙げることができる。該粗粉の中でも、30〜20
0メッシュパスして微細領域を除去してフリーネス値を
高めたものは、成形体製造時の排水処理が簡単で、しか
も成形体製造時の原料歩留りが良く好ましい。
【0018】上記の素材を原料にスラリーが調製される
が、素材によっては相互の結合力が弱くて成形型から成
形体を取り出す際に、破壊が生じるほど層間強度の不十
分なものになる場合もあるが、その場合には必要に応じ
て、層間強度を高める作用のある成分、例えば、接着
剤、繊維・微細繊維、熱融着性粒子等がスラリー中に添
加される。中でも、該成分が熱融着性を有する場合、乾
燥成形体の後工程で施される加圧処理中或いは処理後の
加熱処理で、強度向上が顕著となるので特に好ましい。
中でも、熱融着性の繊維・微細繊維の場合、強度向上の
効果が特に顕著となる上に、均一な強度の成形体が得や
すいので特に好ましい。尚、配合量は、通常組成物に対
して乾燥重量で2〜40%の範囲である。
【0019】接着剤としては、例えば、澱粉、加工澱
粉、植物ガム、ゼラチン、カゼイン、PVA、CMC、
ヒドロキシエチルセルロース、尿素ホルムアルデヒド樹
脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂、ケトン樹脂、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒド
リン樹脂、グリセロールポリグリシジルエーテル樹脂、
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、アクリル酸エステル樹
脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合エマル
ジョン、スチレン−ブタジエン共重合エマルジョン等が
挙げられる。
【0020】繊維・微細繊維としては、例えば、ポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン−ポリ
プロピレン鞘芯繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アク
リル繊維、レーヨン繊維、芳香族ポリエステル繊維、脂
肪族ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の合成高分子
繊維、アセチルセルロ−ス系繊維等の半合成高分子繊
維、或いはこれらの合成高分子繊維、半合成高分子繊
維、前記の天然高分子繊維を、媒体攪拌ミル、振動ミ
ル、高圧均質化装置、コロイドミル、叩解機等で湿式処
理して得られる繊維等を挙げることができる。尚、合成
高分子繊維或いは半合成高分子繊維の中でも、生分解性
を有する繊維或いは水溶性繊維は環境に優しい等のメリ
ットを有すため好ましい。又、カール等の変形処理を施
された合成高分子繊維或いは半合成高分子繊維は、スラ
リー組成物の濾水性を高める効果があり好ましい。
【0021】熱融着性粒子としては、例えば、ポリエチ
レンやポリスチレン、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、
アセチルセルロース等の樹脂粒子を挙げることができる
が、中でも生分解性或いは水溶性を有するものは環境に
優しく好ましい。
【0022】スラリー組成物には、必要に応じて他に適
宜、耐水化剤、撥水剤、サイズ剤、染料、顔料、歩留向
上剤、填料、PH調整剤、スライムコントロール剤、増
粘剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、殺鼠剤、防虫
剤、保湿剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、マイクロカプセ
ル、発泡性マイクロカプセル、発泡剤、界面活性剤、電
磁シールド材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤等
を選択し配合することができる。これらは複数種併用す
ることも出来る。配合量は、通常組成物に対して乾燥重
量で0〜20%の範囲である。
【0023】スラリーは、通常攪拌機を有する装置でバ
ッチ式或いは連続的に調製される。スラリー形成に用い
られる媒体としては通常水が使用されるが、他にアルコ
ール、アセトン、酢酸エチル、グリセリン等の有機溶
媒、或いは水とアルコール(メタノールあるいはエタノ
ール等)の混和液を使用することもできる。水とアルコ
ールの混和液を用いる場合、乾燥性が良くて生産性が上
がる、或いは乾燥時の成形物の寸法変化が少なく精度の
良いものが得られる等のメリットがある。また、媒体の
加温は乾燥速度を上げる効果がある。スラリーの濃度
は、通常乾燥固形分量が0.05〜10重量%の範囲に
調製されるが、分散状態の点で0.05〜3重量%の範
囲のものが好ましい。
【0024】成形型としては、通常のパルプモールド用
金型を使用することもできるが、表面と裏面の形状が異
なる成形物を得たい場合には、例えば、多数の小孔を有
する深底の容器(例えば円筒或いは角筒等の筒状容
器)、或いは割型容器が通常使われる。(以下、本発明
においては成形型を成形容器と称する)成形容器の小孔
は、円形、楕円形、正方形、長方形等如何なる形状のも
のでもかまわない。小孔の大きさはスラリーの媒体であ
る水以外の分散成分が殆ど洩れないレベルのものであれ
ば良く、通常直径が30μm〜3mmの範囲の円形のも
のが使われるが、本発明に於いては特に限定されるもの
ではない。通常不通過成分が大きい場合は大きめのもの
が使われ、小さい場合には小さめのものが使われる。パ
ルプモールドに使われる金型のように、比較的大きな孔
を有する成形容器壁に目の細かい金網(通常、30〜1
50メッシュのものが使われる)を張り付けたものも使
用できる。メッシュの異なる二枚の金網(40メッシュ
と100メッシュ)を重ねて張り付けたものも使用でき
る。また、小孔の大きさは成形容器の部分で変えること
もできる。又、小孔は必ずしも成形容器壁の全面に存在
させる必要はなく、筒状容器の場合には底部にのみ存在
させてもよい。しかし、脱水効率等を考慮すると、成形
容器の壁の50%以上の部分に小孔を存在せしめること
が好ましく、より好ましくは80%以上である。小孔が
存在する部分に於ける小孔の数はcm当たり1個以上
存在せしめることが好ましく、より好ましくはcm
たり4個以上である。
【0025】成形容器へのスラリーの注入は、筒状容器
の場合、開放口が上向きの成形容器に開放口からポン
プでスラリーを注入する、通常のパルプモールドのよ
うに開放口を下向きにしてスラリータンクに浸し、小孔
より吸引することによって下向きの開放口よりスラリー
を成形容器中に吸い込ませる、開放口を上向きにして
成形容器をスラリータンク中に沈めながら吸引し、開放
口よりスラリーを成形容器中に吸い込ませる、等の方法
をとることができる。また割型容器の場合、成形容器中
にスラリー注入管を使って圧入する、等の方法をとるこ
とができる。スラリーの媒体を小孔から除去する方法と
しては、吸引脱水法、ガス加圧脱水法、機械加圧脱水
法、電気浸透脱水法等があり、これらを組合せることも
できる。
【0026】吸引脱水して得られた湿潤状態の成形物に
は、必要に応じてウォータージェット等の水流等を用い
て形や面を整えることができる。
【0027】湿潤成形物の乾燥には、例えば熱風乾燥、
赤外線乾燥、マイクロウェーブ乾燥等、公知の方法をと
ることが出来るが、2リッター/cm・分以上の流量
で、加熱エアーを堆積層内に流す手段としては、例え
ば、加熱エアーを堆積層内に加圧注入する、成形物
の反対側から加熱エアーを常圧或いは加圧で供給しなが
ら、堆積層内のエアーを吸引する、成形物に赤外線或
いはマイクロウェーブを当てながら、堆積層内のエアー
を吸引する、成形物に赤外線或いはマイクロウェーブ
を当てながら、常温エアー或いは加熱エアーを堆積層内
に加圧注入する(場合によっては更に、堆積層内のエア
ー吸引をする)等の手段を挙げることができる。中で
も、乾燥効率の点で加熱エアーの加圧供給を伴う方式が
好ましい。その際の加圧条件としては、1kg/cm
以上が好ましく、2kg/cm以上が特に好ましく、
取り分け4kg/cm以上が好ましい。加圧の仕方と
しては、一挙に上げると成形体の密度が上昇するので、
徐々に上げていくのが好ましい。乾燥条件として、エア
ーの流量2リッター/cm・分以上で十分効果がある
が、中でも流量5リッター/cm・分以上が好まし
い。取り分け、流量10リッター/cm・分以上が好
ましい。乾燥効率を上げる手段として他には、成形物に
貫通或いは非貫通の孔を開けてエアーの流れを良くする
方法が有効である。孔へのエアーの注入は特に効果的
で、注入の際に小孔を壁に有する先細りの筒状突起を該
孔に差し込み、その小孔から熱風を成形体に吹き込む方
法等が有効である。加熱エアーとしては通常100℃以
上のものが使われるが、乾燥効率の点で150℃以上の
ものが好ましい。乾燥には、エアー以外に窒素ガス,加
熱水蒸気等も用いることができるが、乾燥効率やコスト
の面でエアーが最も好ましい。
【0028】成形物に貫通或いは非貫通の孔を開ける手
段としては、成形型内或いは外の湿潤状態の成形体
に、押型加圧機や切削機やウォータージェットやエアー
ジェット等を用いて後加工する方法、突起を有する成
形容器を用いて成形と同時にその形状を成形物に付与す
る方法、等が挙げられる。該突起としては、成形物が容
器から取り出し易いように、先細り構造とすることが望
ましい。成形物の乾燥には、成形型内で乾燥させる型内
乾燥と、成形型から取り出して乾燥させる型外乾燥があ
るが、寸法精度の良い成形物が得られる点で型内乾燥が
好ましい。
【0029】乾燥成形物の加圧処理は、通常成形に使わ
れた型或いは別の型を使って行われ、成形物の密度が処
理前の2倍以上になるように行われる。この処理によっ
て、組成物間の空隙が減少して密着性が高まり成形体の
強度が向上するが、効果の点では3倍以上の密度にする
のがより好ましい。特に好ましくは4倍以上である。ま
た、更に効果を高めるには、加圧処理中或いは処理後
に、該成形物に加熱処理を施すのが好ましい。特に、熱
融着性成分を含有せしめた系の場合、強度向上の効果が
特に顕著である。
【0030】成形体の加熱方式としては、熱風注入、型
加熱、赤外線、マイクロウェーブ等の公知の方法を挙げ
ることができるが、加圧処理直前の熱風注入、加圧処理
を低速で行いながらの熱風注入が最も効果的である。加
熱温度は、通常80〜250℃の範囲で行われる。
【0031】成形体の強度向上には、他に加圧処理前或
いは処理後において、成形体表面から接着剤を供給する
手段が、スラリー組成物中に接着成分を予め含有せしめ
ておく上記の方法より生産効率の面では劣るものの有効
である。使用される接着剤としては、例えば、澱粉、加
工澱粉、植物ガム、ゼラチン、カゼイン、PVA、CM
C、ヒドロキシエチルセルロース、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド尿
素ホルムアルデヒド樹脂、ケトン樹脂、ポリアミドエピ
クロルヒドリン樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロル
ヒドリン樹脂、グリセロールポリグリシジルエーテル樹
脂、SBR樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ロジ
ン系樹脂、テルペン系樹脂、天然ゴム、合成ゴム、その
他にUV或いはEB硬化樹脂等を挙げることができ、こ
れらは単独或いは組み合わせて用いることができる。こ
れらは、通常水或いは溶剤に溶解して、或いはエマルジ
ョンとして、或いは液体の場合にはそのまま塗布され
る。中でも、作業環境上水性系の使用が好ましい。塗布
は通常スプレーによる噴霧や刷毛塗りや含浸等によって
行われる。塗布量は通常乾燥重量で5〜50g/m
(成形体の表面に対して)である。塗布後、必要に応
じて熱風、赤外線、マイクロウェーブ、紫外線、電子線
等を使って乾燥、硬化の処理が施される。
【0032】更に、本発明の成形体には、加圧処理前或
いは処後において、成形体表面から必要に応じて適宜、
耐水化剤、撥水剤、染料、顔料、填料、防腐剤、防黴
剤、抗菌剤、難燃剤、殺鼠剤、防虫剤、保湿剤、帯電防
止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤等を供給することができ
る。これらは上記接着剤と一緒に塗布することもでき
る。また、複数種併用することも出来る。
【0033】尚、本発明の製造方法は堆積層の薄いもの
にも適用できるが、本発明の生産性の良さが最も顕著に
現れるのは、堆積層の厚みが10mm以上の部分を有す
る成形体の場合である。
【0034】以下に示す図1〜図4は、本発明の実施態
様の一例を断面図で示したものであるが、本発明はこれ
に限定されるものではない。また、ここでは、スラリー
として濾水性良好なパルプと熱融着性繊維の混合スラリ
ーを用いて説明するが、本発明の原料はこれに限定され
るものではない。成形容器10は、図1に示すように、
上部開放型の比較的浅めの二重壁容器で、側壁の内縁か
ら所定深さに下げた位置に、多数の脱水用小孔11を有
し、かつ底部に凹凸形状の下型(雄型)12を設けたも
ので、この下型(雄型)12と外壁とで吸引室13が形
成され、外壁底部には吸引口14が取付けられている。
図1は、成形容器10を、容器の開放面を上向きの状態
にして、混合スラリー槽(図示省略)中に沈め、下部の
吸引口14から吸引脱水することにより、下型12上に
パルプと熱融着性繊維の混合層を厚く堆積させた状態を
示している。15は吸引によって滲みだした水滴を示
し、16は湿潤状態の堆積層を示す。
【0035】図2は、図1によって湿潤状態の堆積層1
6を形成させた下型12の上にプレス機上型17を重ね
た状態を示す。すなわち、底面が凹凸形状で該底面に多
数の小孔18を有するプレス機上型17で軽く圧縮して
堆積層16の表面を平滑に整えた後に、上型17の熱風
注入口19から熱風を送り込んで乾燥している状態を示
している。その際、吸引口14から吸引を行うとより効
率的に乾燥が進む。図3は、図2のような熱風送り込み
によって乾燥した成形物16aに対し、更に熱風注入口
19から熱風を送り込んで熱融着性繊維を溶融させなが
ら、プレス機上型17で強く圧縮して成形物の密度を2
倍以上に高めた状態を示している。図4は、その後に成
形容器10から取り出して得られた最終成形物20を示
している。
【0036】本発明の方法によって得られた成形体は、
単独或いは他の素材と組み合わせて、梱包資材、建材、
自動車用部材等に広く応用できる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げてより具体的に説明する
が、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において「部」及び「%」とある
のは特に断らない限り「固形分重量部」及び「重量%」
を示す。
【0038】<実施例1>叩解処理を施していない針葉
樹晒クラフトパルプ絶乾100gに、非ホルマリン系架
橋剤(商品名:スミテックスNF−500K、住友化学
工業社製)とその架橋助剤(商品名:スミテックスAC
CELERATER MX、住友化学工業社製)をそれ
ぞれ有効成分換算で5g、2g含有する水溶液100g
を加え、よく混合した。この架橋剤含浸処理パルプを湿
潤状態のまま容量1リットルの双腕型ニーダー(型式:
S1−1、森山製作所製)にいれ、室温にて双腕をそれ
ぞれ60rpmと100rpmで回転させ、40分間ニ
ーディング処理を施した。次いで、このニーディング処
理済みパルプを、湿潤状態のままワーブルグブレンダー
に入れ、繊維状に解繊させた。さらに、この繊維を袋か
ら取り出し、ステンレス製のバットに入れて、150℃
の送風乾燥器中で30分間加熱して架橋反応を完結させ
て、カール状繊維を得た。このカール状繊維のカナダ標
準フリーネス(以下、フリーネスと略す)を測定したと
ころ753mlであった。また、固形分濃度1%の広葉
樹晒クラフトパルプの水スラリーを、平均粒径2mmφ
のガラスビーズを80%充填した1.5リットル容のダ
イノミル(型式:KDL−PILOT型、シンマル・エ
ンタープライゼス社製)装置に350ml/分で導入
し、通過させることにより数平均繊維長0.28mmの
微細繊維を得た。以上のようにして得られたカール状繊
維65部と、微細繊維5部と、繊維長1.3mmのポリ
エチレン繊維(商品名:SWP,E−600、三井化学
製)30部及び水を加えて固形分濃度1%となるように
原料スラリーを調整した。尚、この三種類の混合繊維の
フリーネスは703mlであった。上記スラリー槽中
に、容器の開放面を上向きの状態にして成形容器10を
沈め、図1の様にして〔下部の吸引口14から吸引脱水
して〕、下型12上に堆積層の平均の厚さ40mmの成
形物16を形成させた。その後、下部から真空ポンプを
取り外して風量計を取り付けた状態で、図2の様にして
〔底面が凹凸形状で該底面に多数の小孔18を有するプ
レス機上型17で軽く圧縮して成形物の表面を平滑に整
えた後に、上型17の熱風注入口19から、コンプレッ
サーにて2kg/cmの圧力で加圧しながら180℃
の熱風を送り込んで〕、成形体を乾燥させた。完全に乾
燥するまでに要した時間は9.4分間であった。また、
乾燥直前の熱風流量は4.3リットル/cm・分であ
った。得られた成形体の物性を測定したところ、厚さ4
1mm、密度0.12g/cmであった。次に、図3
の様にして〔乾燥した成形物に更に熱風注入口19から
熱風を送り込んで熱融着性繊維であるポリエチレン繊維
を溶融させながら、プレス機上型17で強く圧縮して成
形物の密度を高めて〕、厚さ10mm、密度0.49g
/cmの最終成形物20を得た。
【0039】<実施例2>新聞古紙100g(絶乾重
量)を予め3cm角程度の小片とした後、非ホルマリン
系架橋剤(商品名:スミテックスNF−500K、住友
化学工業社製)とその架橋助剤(商品名:スミテックス
ACCELERATER MX、住友化学工業社製)を
それぞれ有効成分換算で5g、2g含有する水溶液10
0gを加え、よく混合した。この架橋剤含浸処理新聞古
紙を容量1リットルの双腕型ニーダー(型式:S1−
1、森山製作所製)にいれ、室温にて双腕をそれぞれ6
0rpmと100rpmで回転させ、40分間ニーディ
ング処理を施した。次いで、このニーディング処理済み
新聞古紙を、湿潤状態のままワーブルグブレンダーに入
れ、繊維状に解繊させた。さらに、この繊維を袋から取
り出し、ステンレス製のバットに入れて、150℃の送
風乾燥器中で30分間加熱して架橋反応を完結させて、
架橋処理済みカール状新聞古紙を得た。この古紙繊維の
フリーネスを測定したところ720mlであった。以上
のようにして得られた架橋処理済みカール状新聞古紙7
0部と、実施例1で使用した微細繊維5部、繊維長0.
9mmのポリエチレン繊維(商品名:SWP,E−40
0、三井化学製)25部及び水を加えて固形分濃度1%
となるように原料スラリーを調整した。尚、この三種類
の混合繊維のフリーネスは689mlであった。上記ス
ラリー槽中に、容器の開放面を上向きの状態にして成形
容器10を沈め、図1の様にして〔下部の吸引口14か
ら吸引脱水して〕、下型12上に堆積層の平均の厚さ4
1mmの成形物を形成させた。その後、下部から真空ポ
ンプを取り外して風量計を取り付けた状態で、図2の様
にして〔底面が凹凸形状で該底面に多数の小孔18を有
するプレス機上型17で軽く圧縮して成形物の表面を平
滑に整えた後に、上型17の熱風注入口19から、コン
プレッサーにて4kg/cmの圧力で加圧しながら1
80℃の熱風を送り込んで〕、成形体を乾燥させた。完
全に乾燥するまでに要した時間は3.9分間であった。
また、乾燥直前の熱風流量は7.8リットル/cm
分であった。得られた成形体の物性を測定したところ、
厚さ41mm、密度0.13g/cmであった。次
に、図3の様にして〔乾燥した成形物に更に熱風注入口
19から熱風を送り込んでポリエチレン繊維を溶融させ
ながら、プレス機上型17で強く圧縮して成形物の密度
を高めて〕、厚さ10mm、密度0.53g/cm
最終成形物20を得た。
【0040】実施例1、2に示すように、適切なフリー
ネスを有する原料を選択するとともに、熱風を流量2リ
ッター/cm・分以上の条件で堆積層内に流すことに
よって、効率的に成形体を乾燥でき、更に圧縮すること
によって高密度成形体にすることができる。
【0041】
【発明の効果】上記のように本発明は、多数の脱水用小
孔を有する成形型にスラリーを注入し、スラリー中の小
孔不通過微細成分を堆積させて成型物とし、その後湿潤
状態の該成形物を型内或いは型外乾燥して得られる成形
体を製造する際に、流量2リッター/cm・分以上で
加熱エアーが堆積層内を流れるような条件で乾燥し、続
いて、加圧処理して密度を高めたものであるから、生産
効率が良く、高強度の成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示す断面図で、成形
容器の下型上に湿潤状態の堆積層を厚く堆積させた状態
を示している。
【図2】図1によって湿潤状態の堆積層を形成させた下
型12の上にプレス機上型17を重ね堆積層の表面を平
滑に整えた後に、熱風を送り込んで乾燥している状態の
断面図である。
【図3】図2によって乾燥した成形物に対し、熱風注入
口から熱風を送り込んで熱融着性繊維を溶融させなが
ら、プレス機上型で強く圧縮している状態の断面図であ
る。
【図4】最終成形物20の断面図である。
【符号の説明】
10 成形容器 11、18 脱水用小孔 12 下型 13 吸引室 14 吸引口 15 水滴 16 湿潤状態の堆積層 17 プレス機上型 19 熱風注入口 20 最終成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 久夫 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 塩井 俊介 東京都中央区銀座四丁目7番5号 王子製 紙株式会社内 (72)発明者 岩崎 廣司 東京都千代田区外神田三丁目6番4号 王 子製袋株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AA11 AC09 AF09 AF16 AF44 AF46 AG46 AG59 AG63 AG77 AG82 AG96 AH23 AH37 AH50 BF07 BF08 EA05 EA25 EA26 FA13 FA19 FA20 FA22 FA30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カナダ標準フリーネス(CSF)が55
    0ml以上の組成物からなるスラリーを用いて、多数の
    小孔を有する成形型の小孔から、スラリーの媒体である
    水を除去することによって該成形型にスラリー中の小孔
    不通過微細成分を堆積させて成形物とし、その後湿潤状
    態の該成形物を型内或いは型外にて堆積層内を加熱エア
    ーが流量2リッター/cm・分以上で流れるような条
    件で乾燥し、続いて、加圧処理を施すことによって加圧
    前の2倍以上に密度を高めることを特徴とする凹凸成形
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 加圧処理中或いは処理後に、加熱処理が
    施される請求項1に記載の凹凸成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 該スラリー組成物が、熱融着性成分を含
    有する請求項1に記載の凹凸成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 スラリー組成物の主成分がセルロース系
    繊維である請求項1に記載の凹凸成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 該セルロース系繊維が、撥水化、耐水
    化、硬化のいずれかの処理の少なくとも一つを施した古
    紙繊維である請求項4に記載の凹凸成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 スラリー組成物の主成分がセルロース系
    粗粉である請求項1に記載の凹凸成形体の製造方法。
JP10189410A 1998-07-03 1998-07-03 凹凸成形体の製造方法 Pending JP2000027099A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10189410A JP2000027099A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 凹凸成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10189410A JP2000027099A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 凹凸成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000027099A true JP2000027099A (ja) 2000-01-25

Family

ID=16240813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10189410A Pending JP2000027099A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 凹凸成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000027099A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005053510A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Kyoraku Co Ltd 生分解性容器
JP2006045711A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Kao Corp 繊維成形体の製造方法及び装置
JP2009030210A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Katsuyama Technos:Kk 抗菌性部材
JP2018062718A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 大王製紙株式会社 セルロースナノファイバー成形体の製造方法
WO2018207945A1 (ja) * 2017-05-12 2018-11-15 中越パルプ工業株式会社 Cnf成形装置及びcnf成形方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005053510A (ja) * 2003-07-31 2005-03-03 Kyoraku Co Ltd 生分解性容器
JP2006045711A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Kao Corp 繊維成形体の製造方法及び装置
JP2009030210A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Katsuyama Technos:Kk 抗菌性部材
JP2018062718A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 大王製紙株式会社 セルロースナノファイバー成形体の製造方法
WO2018207945A1 (ja) * 2017-05-12 2018-11-15 中越パルプ工業株式会社 Cnf成形装置及びcnf成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1207106C (zh) 在片材上喷涂添加剂组合物
CN107709663B (zh) 包括两亲性聚合物的膜产品或膜的制造方法
EP2994279B1 (en) Method for the manufacturing of composite material
JP2000027099A (ja) 凹凸成形体の製造方法
JPH10245792A (ja) 低密度体
JPH11222794A (ja) 低密度成形体
JP2000232821A (ja) 植物育苗・成育用成形培地
JP2000054300A (ja) 断熱容器の製造方法
JPH11229289A (ja) 古紙を原料とする低密度体
JP2000129600A (ja) 成形体の製造方法
JP2012149355A (ja) 微細植物繊維の製造方法ならびに微細植物繊維含有シート
JPH11323800A (ja) 成形体の製造方法
JP2000119999A (ja) 古紙を原料とする低密度体
JP2000220099A (ja) 古紙を原料とするボード及びその製造方法
JPH11227075A (ja) 成形体の製造方法
JP2001123400A (ja) パルプモールドの製造方法
JP2000211672A (ja) 紙箱用シ―ト
JP2000192400A (ja) パルプモールドの製造方法
JP2000178894A (ja) 麻繊維を原料とする低密度体
JP2001049596A (ja) 成形体の製造方法
JPH1193100A (ja) 成形体の製造方法
JPH10219585A (ja) 耐水性低密度構造体
JP2000120000A (ja) 古紙を原料とする低密度体
JP2000238853A (ja) 耐水性の保温保冷箱或いは箱用部材
JP2000224934A (ja) 水耕栽培用マット