JP2000025557A - 乗員検知システム及び乗員検知方法 - Google Patents

乗員検知システム及び乗員検知方法

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JP2000025557A JP10197668A JP19766898A JP2000025557A JP 2000025557 A JP2000025557 A JP 2000025557A JP 10197668 A JP10197668 A JP 10197668A JP 19766898 A JP19766898 A JP 19766898A JP 2000025557 A JP2000025557 A JP 2000025557A
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和則 甚野
Tsutomu Fukui
努 福井
Nobuhiro Oshiroda
信洋 小代田
Takashi Ino
隆 伊能
Kazumasa Isonaga
一誠 磯永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乗員のシ−トへの着席状況を的確に検知できる
上、この検知結果に基づいてサイドエアバッグ装置など
の作動の適否を制御可能な乗員検知システム及び乗員検
知方法を提供すること。 【解決手段】シ−ト1の背もたれ部1bに、それの中心
線1cに対して線対称となるように配置した複数のアン
テナ電極4と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生さ
せるために高周波低電圧を発生させる発生手段と、アン
テナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、この微弱電界に
基づいて流れる電流を検出する電流検出手段と、電流検
出手段からの出力信号に基づいて乗員のシ−トへの着席
状況を検知する制御回路と、衝突に基づいてドア側に配
置されたエアバッグを展開させる機能を有するサイドエ
アバッグ装置とを具備し、前記制御回路の検知結果に基
づくデ−タをサイドエアバッグ装置に送信し、エアバッ
グを展開可能又は展開不可能な状態のいずれか一方にセ
ットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は乗員検知システム
及び乗員検知方法に関し、特にサイドエアバッグ装置を
搭載した自動車の助手席などにおける乗員の着席状況に
応じて、サイドエアバッグ装置のエアバッグを展開可能
な状態又は展開不可能な状態に設定し得る乗員検知シス
テム及び乗員検知方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エアバッグ装置は、自動車の衝
突時に乗員が受ける衝撃を緩和する目的で、車内のダッ
シュボ−ド部分ないしハンドル部分などに配置されてお
り、自動車の安全性になくてはならないものになってお
り、近時、運転席のみならず、助手席にも設置されるよ
うになっている。
【0003】このエアバッグ装置は、例えば図14に示
すように、セ−フィングセンサSS1,スクイブSQ
1,電界効果形トランジスタなどのスイッチング素子S
W1の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路と、セ
−フィングセンサSS2,スクイブSQ2,電界効果形
トランジスタなどのスイッチング素子SW2よりなる助
手席側のスクイブ回路と、電子式加速度センサ(衝突検
出センサ)GSと、電子式加速度センサGSの出力信号
に基づいて衝突の有無を判断し、スイッチング素子SW
1,SW2のゲ−トに信号を供給する機能を有する制御
回路CCとから構成されている。
【0004】このエアバッグ装置によれば、何らかの原
因により自動車が正面衝突した場合、セ−フィングセン
サSS1,SS2はそのスイッチ接点が比較的に小さな
加速度に反応して閉成され、運転席側及び助手席側のス
クイブ回路が動作可能な状態になる。そして、電子式加
速度センサGSからの信号に基づいて制御回路CCが自
動車が確実に衝突したと判断すると、スイッチング素子
SW1,SW2のゲ−トに信号が供給され、スイッチン
グ素子SW1,SW2がON状態になる。これによっ
て、それぞれのスクイブ回路に電流が流れる結果、スク
イブSQ1,SQ2の発熱に起因して運転席側及び助手
席側のエアバッグが瞬時に展開され、乗員が衝突による
衝撃から保護される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車の衝
突モ−ドは、互いの自動車が正面で衝突するモ−ドのみ
ならず、一方の自動車が他方の自動車の側面に衝突した
り、一方の自動車が他方の自動車の背後に衝突したりす
るモ−ドなどがあり、近年、自動車の側面に衝突するモ
−ドによる乗員の保護のために、例えば図15に示すよ
うなエアバッグ装置が提案されている。
【0006】このエアバッグ装置は、図14に示すエア
バッグ装置にサイドエアバッグ装置SAを追加したもの
であり、その基本構成は例えば図14に示すエアバッグ
装置とほぼ同じである。このサイドエアバッグ装置SA
は、例えばセ−フィングセンサSS3,スクイブSQ
3,電界効果形トランジスタなどのスイッチング素子S
W3の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路と、セ
−フィングセンサSS4,スクイブSQ4,電界効果形
トランジスタなどのスイッチング素子SW4よりなる助
手席側のスクイブ回路とから構成されており、サイドエ
アバッグは例えば運転席及び助手席のドア側のシ−ト端
部などに配置されている。
【0007】このエアバッグ装置によれば、何らかの原
因に基づき自動車の運転席側又は助手席側のドアに他の
自動車が衝突した場合には、セ−フィングセンサSS3
又はSS4のスイッチ接点が比較的に小さな加速度に反
応して閉成され、運転席側又は助手席側のスクイブ回路
が動作可能な状態になる。そして、電子式加速度センサ
GSからの信号に基づいて制御回路CCが自動車が確実
に衝突したと判断すると、スイッチング素子SW3又は
SW4のゲ−トに信号が供給され、スイッチング素子S
W3又はSW4がON状態になる。これによって、いず
れかのスクイブ回路に電流が流れる結果、スクイブSQ
3又はSQ4の発熱に起因して運転席側又は助手席側の
サイドエアバッグが瞬時に展開され、乗員が側面衝突に
よる衝撃から保護される。
【0008】ところで、乗員のシ−トへの着席姿勢は様
々であり、例えば図16に示すように、大人の乗員Pが
シ−ト1に図示実線のように着席したり、子供の乗員S
Pがシ−ト1の中心線から図示点線のようにずれて着席
したり、中心線上に着席したりすることがある。従っ
て、乗員P,SPがシ−ト1の中央部分に着席している
時には、仮に自動車の側面に衝突が生じても、サイドエ
アバッグの展開によって乗員P,SPが衝突による衝撃
から保護される。しかしながら、子供の乗員SPの着席
姿勢が図示点線のようにシ−ト1におけるドアDr側の
端部にずれているような状態の時には、仮に自動車の側
面に衝突が生じてもサイドエアバッグを展開させないこ
とが望ましい場合がある。
【0009】それ故に、本発明の目的は、乗員のシ−ト
への着席状況を的確に検知できる上、この検知結果に基
づいてサイドエアバッグ装置などの作動の適否を制御可
能な乗員検知システム及び乗員検知方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、シ−トと、シ−トの背もたれ
部及び/又は着席部に、それの中心線に対してほぼ線対
称となるように配置した複数のアンテナ電極と、アンテ
ナ電極の周辺に微弱電界を発生させるために高周波低電
圧を発生させる発生手段と、アンテナ電極の周辺に微弱
電界を発生させ、この微弱電界に基づいて流れる電流を
検出する電流検出手段と、電流検出手段からの出力信号
に基づいて乗員のシ−トへの着席状況を検知する制御回
路とを具備したことを特徴とする。
【0011】又、本発明の第2の発明は、シ−トと、シ
−トの背もたれ部及び/又は着席部に、それの中心線に
対してほぼ線対称となるように配置した複数のアンテナ
電極と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるた
めに高周波低電圧を発生させる発生手段と、アンテナ電
極の周辺に微弱電界を発生させ、この微弱電界に基づい
て流れる電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段
からの出力信号に基づいて乗員のシ−トへの着席状況を
検知する制御回路と、衝突に基づいてドア側に配置され
たエアバッグを展開させる機能を有するサイドエアバッ
グ装置とを具備し、前記制御回路の検知結果に基づくデ
−タをサイドエアバッグ装置に送信し、サイドエアバッ
グ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な
状態のいずれか一方にセットすることを特徴とする。
【0012】又、本発明の第3の発明は、前記発生手
段,電流検出手段,制御回路を含み、かつこれを同一ハ
ウジングに収納して制御ユニットを構成し、この制御ユ
ニットをシ−トに配置したことを特徴とし、第4の発明
は、前記アンテナ電極と制御ユニットとをハ−ネスによ
って接続したことを特徴とし、第5の発明は、前記発生
手段を、高周波低電圧を発生させる発振回路にて構成し
たことを特徴とし、第6の発明は、前記発生手段を、制
御回路からの信号を利用して正電源のみでほぼ方形波の
高周波低電圧を発生させるように構成したことを特徴と
し、第7の発明は、前記制御回路には、予め、乗員のシ
−トへの着席状況に関連して、シ−トの中心線から左側
及び右側に位置するアンテナ電極群からの信号デ−タに
対するしきい値デ−タが記憶されており、この制御回路
はしきい値デ−タと、左側及び右側に位置するアンテナ
電極群に流れる電流に基づく乗員のシ−トへの現実の着
席姿勢に対応する信号デ−タとを比較することにより、
乗員が大人であるか否かを検知し、かつ左側及び右側に
位置するアンテナ電極群からの現実の信号デ−タを比較
することにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ず
れの有無を検知し得るように制御することを特徴とす
る。
【0013】さらに、本発明の第8の発明は、シ−トの
背もたれ部及び/又は着席部に複数のアンテナ電極を、
シ−トの中心線に対してほぼ線対称となるように配置
し、このアンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、微
弱電界に基づいて流れる電流を検出し、シ−トの中心線
の左側及び右側に位置するアンテナ電極に流れる電流に
対応する信号デ−タに基づいて乗員が大人であるか否か
及び乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの有無を検
知すると共に、この検知結果に基づくデ−タをサイドエ
アバッグ装置に送信し、サイドエアバッグ装置のエアバ
ッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか
一方にセットすることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の基本原理について
図1を参照して説明する。この発明にかかる乗員検知シ
ステム及び乗員検知方法は、基本的にはシ−トに配置さ
れたアンテナ電極に発生させた微弱電界(Electric F
ield)の乱れを利用するものである。まず、同図(a)
に示すように、アンテナ電極E1に発振回路OSCから
の高周波低電圧を印加することにより、アンテナ電極E
1の周辺には微弱電界が生じる結果、アンテナ電極E1
の側には電流(送信電流)Iが流れる。この状態におい
て、同図(b)に示すように、アンテナ電極E1の近傍
に物体OBを存在させると、電界に乱れが生じてアンテ
ナ電極E1の側には電流Iとは異なった電流I1が流れ
ることになる。
【0015】従って、自動車のシ−トに物体OBが乗っ
ている場合と乗っていない場合とでは、アンテナ電極E
1に流れる電流に変化が生ずるものであり、この現象を
利用することにより、シ−トへの乗員の着席状況を検知
することができるものである。特に、アンテナ電極を増
加させることによって、シ−ト上の乗員などを含む物体
についての多くの情報を得ることが可能となり、シ−ト
への乗員の着席状況をより的確に検知することができ
る。
【0016】次に、この原理を利用した本発明にかかる
乗員検知システムの実施例について図2〜図5を参照し
て説明する。尚、図14〜図16に示す従来例と同一部
分には同一参照符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。図2〜図3は本発明にかかる助手席(又は運転席)
のシ−トを示しており、このシ−ト1は主として着席部
1aと背もたれ部1bとから構成されている。着席部1
aは、例えば前後にスライド可能なベ−ス2に固定され
たシ−トフレ−ム3と、シ−トフレ−ム3の上部に配置
されたクッション材と、クッション材を覆う外装材とか
ら構成されており、背もたれ部1bは、例えばシ−トフ
レ−ムの前面側にクッション材を配置すると共に、クッ
ション材を外装材で被覆して構成されている。背もたれ
部1bには例えば複数の帯状のアンテナ電極4が、シ−
ト1の中心線1cに対して線対称となるように配置され
ている。具体的には、中心線1cの左側には第1(左
側)のアンテナ電極群41 (4a1 ,4b1 ・・・4f
1 )が、右側には第2(右側)のアンテナ電極群4
2 (4a2 ,4b2 ・・・4f2 )が互いにほぼ線対称
となり、かつほぼ水平状態で互いに上下方向に離隔する
ように配置されている。尚、このアンテナ電極4は外装
材の内側の他、外側に配置したり、或いは外装材自身に
設けることもできる。又、シ−トフレ−ム3ないしその
近傍(例えば背もたれ部1bの内部)には後述する制御
ユニット10が配置されている。
【0017】上述のアンテナ電極4は、例えば導電性の
布地にて構成されているが、糸状の金属を背もたれ部1
bのシ−ト布面に織り込んだり、布面に導電性ペイント
を被着したり、金属板を配置したりして構成することも
できる。このアンテナ電極4(4a1 ,4b1 ・・・4
1 ,4a2 ,4b2 ・・・4f2 )はほぼ同一サイズ
の帯状(例えば幅30mm,長さ150mm)に構成さ
れており、例えば図3(a)に示すように、絶縁部材よ
りなるベ−ス部材5の一方の面に、それの中心線1cの
左側には第1のアンテナ電極群41 (4a1 ,4b1
・・4f1 )が、右側には第2のアンテナ電極群4
2 (4a2 ,4b2 ・・・4f2 )がほぼ線対称となる
ように配置して一体化することによって構成されてお
り、背もたれ部1bの外装材の内側に配置することが推
奨される。これらのアンテナ電極4a1,4b1 ・・・
4f1 ,4a2 ,4b2 ・・・4f2 からは、例えば同
図(b),(c)に示すように、シ−ルド線よりなるハ
−ネス6(6a1 ,6b1 ・・・6f1 及び6a2 ,6
2 ・・・6f2 )が独立して導出されており、後述す
る制御ユニット10のコネクタ(或いは端子)19a,
19b・・・19lに接続されている。
【0018】上述のシ−ト1には制御ユニット10が配
置されている。制御ユニット10は、図4に示すよう
に、例えば周波数が100KHz程度で、電圧が5〜1
2V程度の高周波低電圧を発生させる発生手段(発振回
路)11と、発振回路11からの送信信号の電圧振幅を
ほぼ一定に制御する振幅制御回路12と、送信信号の送
信電流を検出する電流検出手段(電流検出回路)15
と、電流検出回路15の出力信号を直流に変換するAC
−DC変換回路16と、AC−DC変換回路16の出力
信号を増幅する増幅器17と、電流検出回路15に接続
され、かつ複数のスイッチング手段18a,18b・・
・18lを有する複数のアンテナ電極4a1〜4f1
び4a2 〜4f2 の切換回路18と、切換回路18のス
イッチング手段18a,18b・・・18lに接続さ
れ、かつ制御ユニット10のハウジングに配置されたコ
ネクタ19a,19b・・・19lと、MPUなどを含
む制御回路20と、ハウジングに配置され、図示しない
バッテリ電源に接続されるコネクタ21と、コネクタ2
1と制御回路20などとの間に接続された電源回路22
とから構成されている。尚、切換回路18におけるスイ
ッチング手段18a〜18lの選択的な切換は制御回路
20からの信号に基づいて行われる。
【0019】上述の制御ユニット10の制御回路20に
は、例えば図5に示す構成のエアバッグ装置30が接続
されている。このエアバッグ装置30は、例えば運転席
及び助手席の前方に配置されるメインのエアバッグ部M
Aと、運転席及び助手席のドア側に配置されるサイドエ
アバッグ部SAと、制御回路CCと、電子式加速度セン
サGSとから構成されている。尚、サイドエアバッグ部
SAのサイドエアバッグは運転席及び/又は助手席のド
ア側のシ−ト端部に配置される。
【0020】この制御ユニット10において、振幅制御
回路12は、例えば送信信号の電圧振幅を可変する振幅
可変回路13と、送信信号の電圧振幅を検出する振幅検
出回路14とから構成されている。そして、振幅可変回
路13は、例えばプログラマブルゲインアンプ(PG
A)よりなる振幅可変部13aから構成されており、振
幅検出回路14は、例えばオペアンプなどよりなる電圧
振幅の検出部14aと、検出部14aの出力信号を直流
に変換するAC−DC変換回路14bと、AC−DC変
換回路14bの出力信号を増幅する増幅器14cとから
構成されている。尚、増幅器14cの出力信号は制御回
路20に供給され、振幅可変部13aに対する振幅可変
信号は制御回路20から出力される。
【0021】又、この制御ユニット10における電流検
出回路15は、例えば回路(送信信号系)に直列に接続
されたインピ−ダンス素子例えば抵抗15aと、抵抗1
5aの端子電圧を増幅する差動増幅器などの増幅器15
bとから構成されている。この電流検出回路15の出力
側はAC−DC変換回路16,増幅器17を介して制御
回路20に接続されている。そして、電流検出回路15
における抵抗15aの出力側は切換回路18を介してコ
ネクタ19a,19b・・・19lに接続されている。
【0022】このように構成された乗員検知システム
は、次のように動作する。まず、発振回路11から高周
波低電圧が送信されると、それの電圧振幅が振幅検出回
路14の検出部14aにて検出され、その検出信号はA
C−DC変換回路14bにて直流に変換され、増幅器1
4cにて増幅されて制御回路20に入力される。制御回
路20では検出された電圧振幅が所定の振幅値になって
いるか否かを判断し、所定の電圧振幅に修正するための
振幅可変信号が振幅可変部13aに出力される。これに
よって、送信信号の電圧振幅は所定の振幅に修正され、
以後、振幅可変回路13及び振幅検出回路14の連携動
作により、一定の振幅に制御される。
【0023】電圧振幅が一定化された送信信号は電流検
出回路15,切換回路18,コネクタを介してアンテナ
電極4(4a1 〜4f1 及び4a2 〜4f2 )に供給さ
れ、その結果、アンテナ電極4の周辺には微弱電界が発
生される。この際に、切換回路18は制御回路20から
の信号によって開閉制御が行われ、最初にスイッチング
手段18aのみが閉成され、次にスイッチング手段18
bのみが閉成され、次にスイッチング手段18cのみが
閉成され、以下同様にして順次に特定のスイッチング手
段のみが閉成されると同時にその他のスイッチング手段
は開放されるように切換制御される。従って、特定のス
イッチング手段(18a〜18l)が閉成された場合に
は、電圧振幅が一定化された送信信号は電流検出回路1
5,特定のスイッチング手段(18a〜18l),特定
のコネクタ(19a〜19l)を介して特定のアンテナ
電極(4a1 〜4f1 及び4a2 〜4f2 )に供給さ
れ、その結果、特定のアンテナ電極(4a1 〜4f1
び4a2 〜4f2 )の周辺には微弱電界が発生され、シ
−ト1に着席している乗員の着席姿勢に応じた異なった
値の電流が流れる。即ち、乗員の背中,肩,首,頭部の
誘電率の違いに応じた電流が流れる。この電流は電流検
出回路15によって検出され、AC−DC変換回路16
にて直流に変換され、増幅器17にて増幅されて制御回
路20に次々と入力される。
【0024】この制御回路20には、予め、シ−ト1に
着席している乗員が大人であるか否かに関するしきい値
(しきい値デ−タ)が格納されている。具体的には、乗
員の識別(大人と子供の区別)に関するしきい値に関し
ては次のように設定されている。例えば図6(a),
(b)に示すように、シ−ト1の中央部分に大人の乗員
P又は子供の乗員SPが着席している場合には、乗員の
頭部,首,肩,背中における誘電率の違いによってそれ
ぞれのアンテナ電極(4a1 〜4f1 及び4a2〜4f
2 )への送信電流のレベルが異なり、肩から下の部位で
はアンテナ電極への送信電流のレベルが最も高く、次に
頭部であり、首は最も低いレベルとなる。従って、大人
の乗員Pの場合でも子供の乗員SPの場合でも、シ−ト
1の中心線1cの左側に位置するアンテナ電極4a1
4f1 に流れる電流の総和と右側に位置するアンテナ電
極4a2 〜4f2 に流れる電流の総和とはほぼ等しくな
るが、その総和のレベルは大人の乗員Pの場合と子供の
乗員SPの場合とでは異なることから、例えばその中間
的な値が左側及び右側のアンテナ電極群41 ,42 に関
するしきい値(THL ,THR )として個別に設定され
る。それ故に、現実の左側のデ−タがしきい値THL
り大きく、かつ現実の右側のデ−タがしきい値THR
り大きい場合にはシ−ト1に着席している乗員は大人P
であると判断される。又、現実の左側及び右側のデ−タ
がほぼ等しければ、乗員はシ−ト1の中央部分(中心線
1c)に正常に着席していると判断される。仮に、図6
(b)に示すように、子供の乗員SPが図示点線のよう
にドアDr側に位置ずれして着席している場合には、現
実の左側デ−タは現実の右側のデ−タより小さくなり、
ドアDr側に位置ずれしていると判断される。
【0025】従って、制御回路20に取り込まれた乗員
の着席状況に関する現実の信号デ−タは、予め制御回路
20に記憶されている乗員の識別に関するしきい値TH
L ,THR と比較され、乗員が大人であるか否かが判断
される。この判断結果に基づいて、図5に示すエアバッ
グ装置30におけるメインのエアバッグ部MAは制御回
路20からの送信信号によって、エアバッグが展開可能
又は展開不可能なるようにセットされる。特に、子供の
乗員SPと判断された場合、着席状況に関する現実の信
号デ−タにおいて、左側のデ−タと右側のデ−タとが比
較され、両者がほぼ等しければ、子供の乗員SPは図6
(b)において実線で示すようにシ−ト1の中心線1c
に沿って正規位置に着席していると判断され、例えば右
側のデ−タが左側のデ−タより大きければ、同図におい
て点線で示すようにドアDr側に位置ずれして着席して
いると判断される。この判断結果に基づいて、図5に示
すエアバッグ装置30におけるサイドエアバッグ部SA
は制御回路20からの送信信号によって、サイドエアバ
ッグが展開可能又は展開不可能なるようにセットされ
る。特に、後者のように位置ずれしていると判断された
場合には、自動車の側面衝突時に衝突側例えば助手席側
のスイッチング素子SW4にゲ−ト信号を供給しないよ
うにセットされ、サイドエアバッグは展開不可能とな
る。
【0026】次に、この乗員検知システムの処理フロ−
について図7〜図11を参照して説明する。まず、図7
に示すように、イグニッションスイッチをONにし、ス
タ−トする。ステップS1でイニシャライズし、ステッ
プS2に進む。ステップS2では制御回路20とエアバ
ッグ装置30との通信系にかかる初期診断を行う。ステ
ップS3ではエンジンがスタ−トしたか否かの判断を行
い、エンジンがスタ−トしていると判断した場合にはス
テップS4に進む。スタ−トしていないと判断された場
合には戻る。ステップS4では複数のアンテナ電極4の
うち、特定のアンテナ電極の周辺に発生させた微弱電界
に基づいてそれぞれ特定のアンテナ電極に流れる電流に
関連する信号デ−タの受信が行われる。ステップS5で
は、取り込んだそれぞれのデ−タに基づいて、シ−トへ
の乗員の着席の有無,乗員が大人か否か,乗員の着席姿
勢(中心線1cからの位置ずれ状況)が判定される。さ
らに、ステップS6ではステップS5の判定結果に基づ
き、エアバッグ装置(SRS)30との間でSRS通信
が行われる。ステップS6が終了すると、再びステップ
S4に戻り、ステップS4からステップS6の処理が繰
り返し行われる。尚、ステップS3は省略することもで
きる。
【0027】図7における初期診断は、例えば図8に示
すように行われる。まず、ステップSA1では固定デ−
タを制御回路20からエアバッグ装置30の制御回路C
Cに送信する。ステップSA2ではエアバッグ装置30
からの送信デ−タを受信する。そして、ステップSA3
では制御回路20からエアバッグ装置30に送信した固
定デ−タとエアバッグ装置30からの受信デ−タとが一
致するか否かを判断する。それぞれのデ−タが一致する
と判断されると、処理フロ−が継続される。それぞれの
デ−タが一致しないと判断されると、通信系に異状があ
ると判断され、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警
告灯などが点灯される。尚、この初期診断はエアバッグ
装置30から制御回路20に固定デ−タを送信し、制御
回路20からの送信デ−タをエアバッグ装置30の制御
回路CCにて、その一致性について判断させるようにし
てもよい。
【0028】図7における信号受信は、例えば図9に示
すように行われる。まず、ステップSB1では、制御回
路20からの信号に基づいて、切換回路18のスイッチ
ング手段18a〜18lを、スイッチング手段18aの
み,スイッチング手段18bのみ,スイッチング手段1
8cのみ・・・のように特定のスイッチング手段のみを
順次に選択的に閉成し、第1(左側),第2(右側)の
アンテナ電極群41 ,42 の特定のアンテナ電極(4a
1 〜4f1 ,4a2 〜4f2 )が順次に選択されると共
に、ステップSB2に進む。ステップSB2では選択さ
れた特定のアンテナ電極に流れる電流に対応する信号デ
−タが制御回路20に取り込まれると共に、ステップS
B3に進む。ステップSB3では切換回路18のスイッ
チング手段18a〜18lの選択的な閉成に基づくアン
テナ電極群41 ,42 におけるアンテナ電極4a1 〜4
1 ,4a2 〜4f2 の切換がすべて終了したか否かが
判断される。切換がすべて終了したと判断されると、ス
テップSB4に進み、切換がすべて終了していないと判
断されると、ステップSB1に戻る。ステップSB4で
は左側のアンテナ電極群41 におけるアンテナ電極4a
1 〜4f1 に流れる電流に対応する信号デ−タと、右側
のアンテナ電極群42 におけるアンテナ電極4a2 〜4
2 に流れる電流に対応する信号デ−タとを別々に加算
し、その総和(以下、左側のアンテナ電極群41 による
デ−タを左デ−タ,右側のアンテナ電極群42 によるデ
−タを右デ−タと呼称する)を計算した後、乗員判定フ
ロ−に継続される。
【0029】図7における乗員判定は、例えば図10に
示すように行われる。まず、ステップSC1では現実の
左デ−タ及び右デ−タと制御回路20に予め記憶されて
いるしきい値デ−タTHL 及びTHR とが比較され、左
デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タTHL 及びTHR
より共に大きいか否かが判断される。左デ−タ及び右デ
−タがしきい値デ−タTHL 及びTHR より共に大きい
と判断された場合にはステップSC2に進み、小さいと
判断された場合には乗員が子供(小人)であると判定さ
れる。ステップSC2では左デ−タと右デ−タとが等し
いか否かが判断される。どちらの場合も乗員は大人であ
ると判定され、ステップSC3に進む。ステップSC3
ではエアバッグ装置30のサイドエアバッグを展開させ
るためのONデ−タがセットされると共に、SRS通信
フロ−に継続される。一方、乗員が子供であると判定さ
れると、ステップSC4に進み、左デ−タと右デ−タと
が等しいか否かが判断される。両デ−タが等しいと判断
されると、図6(b)において実線で示すように中心線
1cに沿った正規位置に着席していると判定され、ステ
ップSC3に進む。両デ−タが等しくないと判断される
と、ステップSC5に進む。ステップSC5では右デ−
タが左デ−タより大きいか否かが判断される。右デ−タ
が左デ−タより大きくないと判断されると、運転席側に
位置ずれしていると判定され、ステップSC3に進む。
又、右デ−タが左デ−タより大きいと判断されると、乗
員SPが図6(b)において点線で示すようにドアDr
側に位置ずれしていると判定され、ステップSC6に進
む。ステップSC6ではエアバッグ装置30のサイドエ
アバッグが展開しないようにするためのOFFデ−タが
セットされると共に、処理フロ−が継続される。尚、大
人の乗員Pについても着席時の位置ずれを検知する必要
のある場合には、左デ−タが右デ−タより大きいか否か
を判断することにより、左側ないし右側のいずれかに位
置ずれしていることを検知できるし、この判断結果をサ
イドエアバッグの展開の有無に関連させることも可能で
ある。
【0030】図7におけるSRSデ−タ通信は、例えば
図11に示すように行われる。まず、ステップSD1で
は乗員検知ユニット側(制御回路20)からエアバッグ
装置側(制御回路CC)に、エアバッグ装置30のエア
バッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にする
ためのONデ−タないしOFFデ−タ及びチェックデ−
タが送信される。ステップSD2ではエアバッグ装置側
からの、ONデ−タないしOFFデ−タに対するOKデ
−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タを受信し、ス
テップSD3に進む。ステップSD3では乗員検知ユニ
ット側からエアバッグ装置側に送信したON/OFFデ
−タ及びチェックデ−タが正常な状態で再びエアバッグ
装置側から乗員検知ユニット側に返信されたか否かが判
断される。正常(通信系に異状がない)と判断される
と、処理フロ−が継続される。通信系に異状があると判
断されると、ステップSD4に進み、フェ−ルセ−フタ
イマがゼロになったか否かが判断される。尚、この通信
系の異状検出は、例えば3回に設定されている。従っ
て、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断される
と、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが
点灯される。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになって
いないと判断されると、ステップSD5に進み、フェ−
ルセ−フタイマのカウントが行われ、処理フロ−が継続
される。
【0031】一方、ステップSE1ではエアバッグ装置
側(制御回路CC)が乗員検知ユニット側(制御回路2
0)から、エアバッグ装置30のエアバッグを展開可能
な状態ないし展開不可能な状態にするためのONデ−タ
ないしOFFデ−タ及びチェックデ−タを受信する。そ
して、ステップSE2では受信デ−タのチェックが行わ
れ、受信デ−タが正常に受信できているか否かが判断さ
れる。いずれに判断されてもステップSE3に進み、O
Kデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タが乗員検
知ユニット側に送信される。ステップSE2で通信系に
異状がないと判断されると、ステップSE3のOKデ−
タ送信ステップを経てステップSE4に進む。このステ
ップSE4ではOKデ−タに基づいてエアバッグ装置側
のデ−タが更新される。これによって、エアバッグは展
開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に
更新セットされる。又、ステップSE2で通信系に異状
があると判断されると、ステップSE3のNGデ−タ送
信ステップを経てステップSE5に進む。このステップ
SE5ではフェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否か
が判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3
回に設定されている。従って、フェ−ルセ−フタイマが
ゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行
われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ
−フタイマがゼロになっていないと判断されると、ステ
ップSE6に進み、フェ−ルセ−フタイマのカウントが
行われ、処理フロ−が継続される。
【0032】この実施例によれば、シ−ト1の背もたれ
部1bには第1(左側),第2(右側)のアンテナ電極
群41 (4a1 〜4f1 ),42 (4a2 〜4f2
が、シ−ト1の中心線1cに対して線対称となるように
配置されているために、乗員がシ−ト1に着席している
場合、左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タTHL
びTHR より大きいか否かの判断によって、乗員が大人
Pであるか子供SPであるかを簡単かつ容易に判定でき
る。従って、例えば左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ
−タTHL 及びTHR より共に大きい場合には、乗員は
大人Pであるとの判定を的確に行うことができる。
【0033】その上、例えば助手席において、左デ−タ
と右デ−タとの大きさを比較し、両デ−タがほぼ等しけ
れば、図6(b)において実線で示すように、乗員がシ
−ト1の中央部分の正規位置に着席していると判断でき
るし、又、両デ−タが等しくなく、右デ−タが左デ−タ
より大きければ、同図において点線で示すように、乗員
がドアDr側に位置ずれしていると判断できる。従っ
て、その乗員が子供SPである場合にはエアバッグ装置
30のサイドエアバッグ部SAが展開不可能な状態にセ
ットされる関係で、仮に自動車が側面衝突したとして
も、サイドエアバッグは展開されないために、サイドエ
アバッグの展開に起因する不具合の発生を未然に防止で
きる。
【0034】又、制御ユニット10はシ−ト1に配置さ
れているために、それぞれのアンテナ電極4a1 〜4f
1 ,4a2 〜4f2 との接続長さを極力短くでき、外来
ノイズの影響を軽減できる上、乗員の着席姿勢に基づい
てサイドエアバッグの展開・非展開を制御可能な車種と
このような機能を有しない車種とを混合生産する場合、
シ−ト単位で区別できる関係で、生産性を高めることが
できる。
【0035】又、制御ユニット10において、電源回路
22による単電源をシステム電源として利用すると共
に、発振回路11を正電源のみでほぼ方形波の高周波低
電圧が生成されるように構成すれば、電源回路22,発
振回路11は勿論のこと、ユニットの回路構成が簡略化
でき、システムのコストをも大幅に低減できる。
【0036】さらには、アンテナ電極4(4a1 〜4f
1 ,4a2 〜4f2 )に送信される送信信号の電圧振幅
は振幅制御回路12にてほぼ一定になるように制御され
るために、電流検出回路15にて検出された電流に関連
するデ−タと制御回路20に記憶されている乗員の識別
に関するしきい値デ−タとの比較・判断が容易になり、
信頼性,精度の高い検知が可能となる。
【0037】図12は本発明にかかるシ−トの他の実施
例を示すものであって、基本的な構成は図2〜図3に示
す実施例と同じである。異なる点は、シ−ト1における
背もたれ部1bに4列のアンテナ電極群よりなるアンテ
ナ電極4Aを配置したことであり、具体的には、第1,
第2のアンテナ電極群41 ,42 (4a1 〜4i1 ,4
2 〜4i2 )と第3,第4のアンテナ電極群43 ,4
4 (4a3 〜4i3 ,4a4 〜4i4 )とが中心線1c
に対してほぼ線対称になるように配置したことである。
【0038】この実施例によれば、アンテナ電極群及び
アンテナ電極の配置数が上述の実施例に比較して大幅に
増加するために、乗員が着席した際の情報量が増加し、
着席姿勢などをより一層に的確に判断できる。
【0039】図13は本発明にかかるシ−トのさらに異
なった実施例を示すものであって、基本的な構成は図2
〜図3に示す実施例と同じである。異なる点は、シ−ト
1における着席部1aにアンテナ電極4Bを配置したこ
とであり、具体的には、第1のアンテナ電極群41 (4
1 〜4d1 )と第2のアンテナ電極群42 (4a2
4d2 )とが中心線1cに対してほぼ線対称になるよう
に配置したことである。尚、これらのアンテナ電極は、
極力、着席部1aの幅方向(中心線1cに対する直角方
向)に長くなるように配置されている。
【0040】この実施例によれば、上述のそれぞれの実
施例と同様に、乗員が大人であるか否か,着席部1aに
位置ずれした状態で着席しているか否かを簡単かつ容易
に検知できる。この実施例に図12に示すアンテナ電極
構造を適用すれば、情報量を増加でき、より一層に的確
な判断が期待できる。
【0041】尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約
されることなく、例えばアンテナ電極はシ−トの背もた
れ部又は着席部に配置する他、背もたれ部及び着席部の
両方に配置することもできるし、シ−トにシ−トサポ−
ト部を有する場合にはアンテナ電極をシ−トサポ−ト部
に配置することも可能である。これらのアンテナ電極の
配置数は適宜に増減できるし、その形状も適宜に変更で
きる。又、高周波低電圧の発生手段は発振回路の他、制
御回路からのクロック信号などの送出信号によるスイッ
チング素子のON・OFF制御を利用して正電源のみで
ほぼ方形波の高周波低電圧を発生させるように構成する
こともできるし、それの出力周波数も車室内などの状況
などに応じて100KHz以外に設定することもできる
し、その電圧も5〜12Vの範囲外でも使用できる。
又、電流検出手段は図示例以外の電流検出回路を適用す
ることもできる。さらには、振幅制御回路はシステム電
源の精度,システムに期待される機能などによっては省
略することもできる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シ−ト
の着席部及び/又は背もたれ部には左側及び右側のアン
テナ電極群が、シ−トの中心線に対してほぼ線対称とな
るように配置されているために、乗員がシ−トに着席し
ている場合、それぞれのアンテナ電極群から得られる左
デ−タ及び右デ−タと制御回路に予め記憶されているし
きい値デ−タとを比較することによって、乗員が大人で
あるか子供であるかを簡単かつ容易に判定できる。従っ
て、例えば左デ−タ及び右デ−タがしきい値デ−タより
共に大きい場合には、乗員は大人であるとの判定を的確
に行うことができる。
【0043】その上、例えば助手席において、左デ−タ
と右デ−タとの大きさを比較し、両デ−タがほぼ等しけ
れば、乗員がシ−トの中央部分の正規位置に着席してい
ると判断できるし、又、両デ−タが等しくなく、右デ−
タが左デ−タより大きければ、乗員がドア側に位置ずれ
していると判断できる。従って、その乗員が子供である
場合にはエアバッグ装置のサイドエアバッグ部が展開不
可能な状態にセットされる関係で、仮に自動車が側面衝
突したとしても、サイドエアバッグは展開されないため
に、乗員に対しより適切なサイドエアバッグの制御を行
うことができる。
【0044】又、制御ユニットをシ−トに配置すれば、
それぞれのアンテナ電極と制御ユニットとの接続長さを
短くでき、外来ノイズの影響を軽減できるのみならず、
乗員の着席姿勢に基づいてサイドエアバッグの展開・非
展開を制御可能な車種とこのような機能を有しない車種
とを混合生産する場合、シ−ト単位で区別できる関係
で、生産性を高めることができる。
【0045】さらには、制御ユニットにおいて、電源回
路による単電源をシステム電源として利用すると共に、
発振回路を正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧が生
成されるように構成すれば、電源回路,発振回路は勿論
のこと、ユニットの回路構成が簡略化でき、システムの
コストをも大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる乗員検知システムの基本動作を
説明するための図であって、同図(a)はアンテナ電極
の周辺の電界分布を示す図、同図(b)はアンテナ電極
の近傍に物体が存在した時の電界分布を示す図。
【図2】本発明にかかる乗員検知システムの車室内部分
を示す図であって、同図(a)はシ−トへのアンテナ電
極の配置状態を示す側面図、同図(b)は同図(a)の
正面図。
【図3】図2に示すアンテナ電極の具体的構成図であっ
て、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)にお
ける第1のアンテナ電極群部分の断面図、同図(c)は
同図(a)における第2のアンテナ電極群部分の断面
図。
【図4】本発明にかかる乗員検知システムの回路ブロッ
ク図。
【図5】図4に示すエアバッグ装置の回路ブロック図。
【図6】シ−トにおける乗員の着席状態を説明するため
の図であって、同図(a)は大人の着席状態を示す正面
図、同図(b)は子供の着席状態を示す正面図。
【図7】本発明にかかる乗員検知システムによる乗員検
知のフロ−チャ−ト。
【図8】図7に示す初期診断のフロ−チャ−ト。
【図9】図7に示す信号受信のフロ−チャ−ト。
【図10】図7に示す乗員判定のフロ−チャ−ト。
【図11】図7に示すSRS通信のフロ−チャ−ト。
【図12】アンテナ電極のシ−トの背もたれ部への他の
配置例を示す正面図。
【図13】アンテナ電極のシ−トの着席部への配置例を
示す平面図。
【図14】従来例にかかるエアバッグ装置の回路ブロッ
ク図。
【図15】従来例にかかる改良されたエアバッグ装置の
回路ブロック図。
【図16】シ−トにおける乗員の着席状態を説明するた
めの正面図。
【符号の説明】
1 シ−ト 1a 着席部 1b 背もたれ部 1c シ−トの中心線 4(4a1 〜4i1 ,4a2 〜4i2 ,4a3 〜4
3 ,4a4 〜4i4 )アンテナ電極 41 ,42 ,43 ,44 アンテナ電極群 10 制御ユニット 11 発生手段(発振回路) 15 電流検出手段(電流検出回路) 16 AC−DC変換回路 17 増幅器 18(18a,18b・・・18l) 切換回路 19a,19b・・・19l コネクタ(端子) 20 制御回路 22 電源回路 30 エアバッグ装置 MA メインのエアバッグ部 SA サイドエアバッグ部 SS1〜SS4 セ−フィングセンサ SQ1〜SQ4 スクイブ SW1〜SW4 スイッチング素子 Dr ドア CC 制御回路 GS 電子式加速度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 努 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小代田 信洋 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 伊能 隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 磯永 一誠 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3B088 QA05 QA06 3D054 AA02 AA03 AA07 AA17 EE11 EE20 EE56 EE60

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シ−トと、シ−トの背もたれ部及び/又
    は着席部に、それの中心線に対してほぼ線対称となるよ
    うに配置した複数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周
    辺に微弱電界を発生させるために高周波低電圧を発生さ
    せる発生手段と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生
    させ、この微弱電界に基づいて流れる電流を検出する電
    流検出手段と、電流検出手段からの出力信号に基づいて
    乗員のシ−トへの着席状況を検知する制御回路とを具備
    したことを特徴とする乗員検知システム。
  2. 【請求項2】 シ−トと、シ−トの背もたれ部及び/又
    は着席部に、それの中心線に対してほぼ線対称となるよ
    うに配置した複数のアンテナ電極と、アンテナ電極の周
    辺に微弱電界を発生させるために高周波低電圧を発生さ
    せる発生手段と、アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生
    させ、この微弱電界に基づいて流れる電流を検出する電
    流検出手段と、電流検出手段からの出力信号に基づいて
    乗員のシ−トへの着席状況を検知する制御回路と、衝突
    に基づいてドア側に配置されたエアバッグを展開させる
    機能を有するサイドエアバッグ装置とを具備し、前記制
    御回路の検知結果に基づくデ−タをサイドエアバッグ装
    置に送信し、サイドエアバッグ装置のエアバッグを展開
    可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセッ
    トすることを特徴とする乗員検知システム。
  3. 【請求項3】 前記発生手段,電流検出手段,制御回路
    を含み、かつこれを同一ハウジングに収納して制御ユニ
    ットを構成し、この制御ユニットをシ−トに配置したこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の乗員検知システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記アンテナ電極と制御ユニットとをハ
    −ネスによって接続したことを特徴とする請求項3に記
    載の乗員検知システム。
  5. 【請求項5】 前記発生手段を、高周波低電圧を発生さ
    せる発振回路にて構成したことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の乗員検知システム。
  6. 【請求項6】 前記発生手段を、制御回路からの信号を
    利用して正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧を発生
    させるように構成したことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の乗員検知システム。
  7. 【請求項7】 前記制御回路には、予め、乗員のシ−ト
    への着席状況に関連して、シ−トの中心線から左側及び
    右側に位置するアンテナ電極群からの信号デ−タに対す
    るしきい値デ−タが記憶されており、この制御回路はし
    きい値デ−タと、左側及び右側に位置するアンテナ電極
    群に流れる電流に基づく乗員のシ−トへの現実の着席姿
    勢に対応する信号デ−タとを比較することにより、乗員
    が大人であるか否かを検知し、かつ左側及び右側に位置
    するアンテナ電極群からの現実の信号デ−タを比較する
    ことにより、乗員のシ−トの中心線に対する着席ずれの
    有無を検知し得るように制御することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の乗員検知システム。
  8. 【請求項8】 シ−トの背もたれ部及び/又は着席部に
    複数のアンテナ電極を、シ−トの中心線に対してほぼ線
    対称となるように配置し、このアンテナ電極の周辺に微
    弱電界を発生させ、微弱電界に基づいて流れる電流を検
    出し、シ−トの中心線の左側及び右側に位置するアンテ
    ナ電極に流れる電流に対応する信号デ−タに基づいて乗
    員が大人であるか否か及び乗員のシ−トの中心線に対す
    る着席ずれの有無を検知すると共に、この検知結果に基
    づくデ−タをサイドエアバッグ装置に送信し、サイドエ
    アバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不
    可能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とす
    る乗員検知方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011095267A (ja) * 2008-09-19 2011-05-12 Denso Corp 静電式乗員検知装置

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