JP3353816B2 - 乗員検知システム - Google Patents

乗員検知システム

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JP3353816B2
JP3353816B2 JP06720498A JP6720498A JP3353816B2 JP 3353816 B2 JP3353816 B2 JP 3353816B2 JP 06720498 A JP06720498 A JP 06720498A JP 6720498 A JP6720498 A JP 6720498A JP 3353816 B2 JP3353816 B2 JP 3353816B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は乗員検知システム
関し、特にエアバッグ装置を搭載した自動車の助手席
における乗員の着席状況などに応じて得られる情報に基
づいて、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態
又は展開不可能な状態に設定し得る乗員検知システムの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エアバッグ装置は自動車の衝突
時に乗員が受ける衝撃を緩和するための装置であって、
自動車の安全性になくてならないものになっており、近
時、運転席のみならず、助手席にも設置されるようにな
っている。
【0003】このエアバッグ装置は、例えば図16に示
すように、セ−フィングセンサSS1,スクイブSQ
1,電界効果形トランジスタなどの半導体スイッチング
素子SW1の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路
と、セ−フィングセンサSS2,スクイブSQ2,電界
効果形トランジスタなどの半導体スイッチング素子SW
2よりなる助手席側のスクイブ回路と、電子式加速度セ
ンサ(衝突検出センサ)GSと、電子式加速度センサG
Sの出力信号に基づいて衝突の有無を判断し、半導体ス
イッチング素子SW1,SW2のゲ−トに信号を供給す
る機能を有する制御回路CCとから構成されている。
【0004】このエアバッグ装置によれば、何らかの原
因に基づき自動車が衝突した場合、セ−フィングセンサ
SS1,SS2はそのスイッチ接点が比較的に小さな加
速度に反応して閉成され、運転席側及び助手席側のスク
イブ回路が動作可能な状態になる。そして、電子式加速
度センサGSからの信号に基づいて制御回路CCが自動
車が確実に衝突したと判断すると、半導体スイッチング
素子SW1,SW2のゲ−トに信号が供給され、同スイ
ッチング素子SW1,SW2がON状態になる。これに
よって、それぞれのスクイブ回路に電流が流れる結果、
スクイブSQ1,SQ2の発熱に起因して運転席側及び
助手席側のエアバッグが展開され、乗員が衝突による衝
撃から保護される。
【0005】ところで、このエアバッグ装置ではシ−ト
への乗員の着席の有無に関係なく、自動車の衝突によっ
てエアバッグが展開するように構成されているために、
例えば助手席に大人の乗員が着席している場合には衝突
時に上述のような乗員の保護効果が期待できるものであ
るが、乗員が子供の場合には大人に比べて座高が低いこ
とに伴って頭部位置も低いことから、エアバッグの展開
による子供への影響が懸念される。従って、乗員が子供
の場合には仮に自動車が衝突してもエアバッグは展開さ
せないことが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来において
は、このような問題に対応するために、例えば図17に
示すようなエアバッグ装置が提案されている。このエア
バッグ装置は、助手席に乗員が着席しているか否かを検
出するセンサSDを設置し、このセンサSDの検出信号
に基づいて制御回路CCが助手席への乗員の着席状況を
判断し、自動車が衝突した場合に、エアバッグを展開可
能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセット
するように構成されている。特に、センサSDとして
は、重量センサを用い、この重量センサにて測定した乗
員の重量に基づいて大人か子供かの判定を行うものと、
シ−トに着席している乗員をカメラで撮影して画像処理
により大人か子供かの判定を行うものとが提案されてい
る。
【0007】前者の方法によれば、乗員が大人か子供か
の大まかな判定は可能であり、この結果に基づいてエア
バッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれ
か一方にセットし、自動車の衝突時における不測の事態
を回避することができるものの、体重は個人差が大き
く、仮に子供でも大人より重い場合もあり得ることか
ら、正確性に欠けるという問題がある。
【0008】又、後者の方法によれば、乗員の着席状
況,乗員が大人か子供かの判断をかなり正確に行うこと
ができるものの、カメラで撮影した撮像デ−タを画像処
理し各種パタ−ンとの比較判断を行わなければならない
ために、処理装置が複雑かつ高価になるという問題があ
る。
【0009】それ故に、本発明の目的は、シートへの乗
が大人か子供かの着席状況などを的確にかつ単純・安
価に検知できる上、この検知結果に基づいてエアバッグ
装置を適切に制御可能な乗員検知システム及びアンテナ
電極を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、シートに複数のアンテナ電極
を離隔して配置し、該アンテナ電極に流れる電流に関連
する情報を検出し、この情報に基づいてシートへの乗員
の着席状況などを判断するように構成した乗員検知シス
テムであって、前記アンテナ電極それぞれは、少なくと
も、絶縁性のベース部材と、ベース部材に配置された導
電性を有するアンテナ電極部とから構成され、前記乗員
検知システムは、切替回路によって前記複数のアンテナ
電極の中から一つずつを順次選択することにより、それ
ぞれの前記アンテナ電極の周辺に電界を選択的に発生さ
せ、この電界に基づいて前記アンテナ電極それぞれに流
れる電流に関連する情報を検出し、この情報に基づいて
シートへの乗員の着席状況を判断するように構成される
ことを特徴とする。
【0011】又、本発明の上述したとは別の発明は、シ
ートに複数のアンテナ電極を離隔して配置し、該アンテ
ナ電極に流れる電流に関連する情報を検出し、この情報
に基づいてシートへの乗員の着席状況などを判断し、こ
の判断結果に基づいてエアバッグ装置のエアバッグを展
開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセ
ットするように構成した乗員検知システムであって、前
記アンテナ電極は、少なくとも、絶縁性のベース部材
と、ベース部材に配置された導電性を有するアンテナ電
極部と、アンテナ電極部より導出され、かつアンテナ電
極部と電気的な接続関係を有するリード線とから構成さ
れ、前記乗員検知システムは、切替回路によって前記複
数のアンテナ電極の中から一つずつを順次選択すること
により、それぞれの前記アンテナ電極の周辺に電界を選
択的に発生させ、この電界に基づいて前記アンテナ電極
それぞれに流れる電流に関連する情報を検出し、この情
報に基づいてシートへの乗員の着席状況を判断するよう
に構成されることを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の基本原理について
図1を参照して説明する。この発明にかかる乗員検知シ
ステムは、基本的にはシ−トに配置されたアンテナ電極
に発生させた微弱電界(Electric Field)の乱れを利
用するものである。まず、同図(a)に示すように、ア
ンテナ電極E1に発振回路OSCからの高周波低電圧を
印加することにより、アンテナ電極E1の周辺には微弱
電界が生ずる結果、アンテナ電極E1の側には電流Iが
流れる。この状態において、同図(b)に示すように、
アンテナ電極E1の近傍に物体OBを存在させると、電
界に乱れが生じてアンテナ電極E1の側には電流Iとは
異なった電流I1 が流れることになる。
【0015】従って、自動車のシ−トに物体OBが乗っ
ている場合と乗っていない場合とでは、アンテナ電極E
1の側に流れる電流に変化が生ずるものであり、この現
象を利用することにより、シ−トへの乗員の着席状況な
どを検知することができるものである。特に、アンテナ
電極を増加させることによって、シ−ト上の乗員などを
含む物体についての多くの情報を得ることが可能とな
り、シ−トへの乗員の着席状況などをより的確に検知す
ることができる。尚、シ−トに物体OBが乗っている場
合にはアンテナ電極E1の側に流れる電流が増加し、シ
−トに物体OBが乗っていない場合にはアンテナ電極E
1の側に流れる電流が減少する。
【0016】次に、この原理を利用した本発明にかかる
乗員検知システムの実施例について図2〜図7を参照し
て説明する。尚、図16〜図17に示す従来例と同一部
分には同一参照符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。図2〜図4は本発明にかかる助手席(運転席)のシ
−ト及びアンテナ電極の配置構成を示しており、シ−ト
1は主として着席部1aと背もたれ部1bとから構成さ
れている。着席部1aは、例えば前後にスライド可能な
ベ−ス2に固定されたシ−トフレ−ム3と、シ−トフレ
−ム3の上部に配置されたクッション材と、クッション
材を覆う外装材とから構成されており、背もたれ部1b
は、例えばシ−トフレ−ムの前面側にクッション材を配
置すると共に、クッション材を外装材で被覆して構成さ
れている。特に、着席部1aにはほぼ同一形状(例えば
角形)に形成された複数のアンテナ電極4(4a〜4
d)が互いに離隔して対称的に配置されている。尚、こ
のアンテナ電極4は外装材の内側の他、外側に配置した
り、或いは外装材自身に設けることもできる。又、シ−
トフレ−ム3ないしその近傍には後述する制御ユニット
10が配置されている。
【0017】このアンテナ電極4は、基本的には例えば
図3に示すように、少なくとも、不織布などのような絶
縁部材よりなるベ−ス部材5と、ベ−ス部材5の一方の
面に互いに離隔して対称的に配置された導電性を有する
アンテナ電極部4a〜4dとから構成されており、着席
部1aの外装材の内側に配置される。特にアンテナ電極
部4a〜4dは、例えば導電性の布地にて構成されてい
るが、糸状の金属線や導電性を有する繊維などをベ−ス
部材5に織り込んだり、着席部1aのシ−ト布面をベ−
ス部材と見做してこれに織り込んだり、布面に導電性ペ
イントを被着したり、肉厚の小さなフレキシビリティを
有する金属板などによって構成することもできる。これ
らのアンテナ電極部4a〜4dとベ−ス部材5との固定
は接着剤,熱可塑性又は熱硬化性樹脂の加熱による接
着、縫い付け、ホック,ボタン,フックなどによる結
合、マジックテ−プによる結合などによって行われる
が、接着による方法が推奨される。尚、図示例のアンテ
ナ電極4のアンテナ電極部4a〜4dは、例えばほぼ同
一サイズの角形に構成されている。又、以下、説明の都
合上、アンテナ電極部4a〜4dは実質的にアンテナ電
極4とほぼ同様の機能を有することから混同して用いる
ことがある。
【0018】上述のアンテナ電極4は実際面から図3
(a),(b)に示すように構成されている。即ち、ア
ンテナ電極部4a〜4dの一部にはシ−ルド線などのリ
−ド線6(6a〜6d)が、接続端子7,ラグ端子7A
を介して独立して電気的に接続されており、リ−ド線6
(6a〜6d)の導出端にはコネクタ9が接続されてお
り、後述する制御ユニット10のコネクタ(或いは端
子)19a〜19dに接続されている。特に、接続端子
7は金属部材よりなる端子構成部材にてアンテナ電極部
を挟持することによって電気的な接続性を呈するように
構成されており、例えば黄銅などよりなるかしめ鋲,ホ
ックなどが利用できる。
【0019】上述のアンテナ電極4において、それぞれ
のアンテナ電極部4a〜4dとリ−ド線6(6a〜6
d)との接続構造はほぼ同一であるので、アンテナ電極
部4aとリ−ド線6aとの接続例を代表例として具体的
に説明する。接続端子7はアンテナ電極部4a及びベ−
ス部材5に予め形成された孔を貫通するようにかしめ固
定して設けられ、それのかしめ固定に先立ってラグ端子
7Aが装着されており、かしめと同時にラグ端子7Aは
接続端子7を介してアンテナ電極部4aに電気的機械的
に接続される。このラグ端子7Aにはリ−ド線6aが圧
着端子8などを用いて電気的機械的に接続されている。
【0020】又、アンテナ電極部4aとリ−ド線6aと
の接続は、例えば図3(c)及び図4に示すように行う
こともできる。前者は、アンテナ電極部4aの一部に延
在部4aaを形成し、この延在部4aaに接続端子7を
設けることによって行うものである。後者は、アンテナ
電極部4aの一端をベ−ス部材5の裏側に折り返し、こ
の折り返し部4ab,表側のアンテナ電極部4a,ベ−
ス部材5に共通の孔を形成し、この孔に接続端子7を貫
通・位置させた上でかしめ固定するものである。尚、ラ
グ端子7Aはかしめ固定前に予め接続端子7に挿通され
ている。
【0021】上述のシ−ト1のシ−トフレ−ム3ないし
その近傍には制御ユニット10が配置されており、この
制御ユニット10は、例えば図5に示すように、アンテ
ナ電極部4a〜4dの周辺に微弱電界を発生させるため
の電界発生手段(例えば発振回路)11と、発振回路1
1からアンテナ電極4への送信信号の電圧振幅をほぼ一
定に制御する振幅制御回路12と、送信信号の送信電流
に関連する情報を検出する情報検出回路(例えば電流検
出回路)15と、電流検出回路15の出力信号を直流に
変換するAC−DC変換回路16と、AC−DC変換回
路16の出力信号を増幅する増幅器17と、電流検出回
路15に接続され、かつ複数のスイッチング手段18a
〜18dを有するアンテナ電極部4a〜4dの切換回路
18と、切換回路18のスイッチング手段18a〜18
dに接続され、かつ制御ユニットのハウジングに配置さ
れたコネクタ19a〜19dと、電流検出回路15の振
幅制御回路側(発振回路側)及び切換回路側(アンテナ
電極側)に接続され、発振回路からの送信信号とアンテ
ナ電極への出力信号との位相差を検出する位相差検出回
路20と、位相差検出回路20の出力信号を増幅する増
幅器21と、CPUなどを含む制御回路22と、ハウジ
ングに配置され、図示しないバッテリ電源に接続される
コネクタ23と、コネクタ23と制御回路22などとの
間に接続された電源回路24とから構成されている。こ
の制御ユニット10の制御回路22には、例えば図7に
示す構成のエアバッグ装置30が接続されている。尚、
上述の発振回路11は、例えば周波数が120KHz程
度で電圧が5〜12V程度の高周波低電圧を発生するよ
うに構成されている。又、切換回路18におけるスイッ
チング手段18a〜18dの選択的な切換は制御回路2
2からの信号に基づいて行われる。
【0022】この制御ユニット10において、振幅制御
回路12は、例えば送信信号の電圧振幅を可変する振幅
可変回路13と、送信信号の電圧振幅を検出する振幅検
出回路14とから構成されている。そして、振幅可変回
路13は、例えばプログラマブルゲインアンプ(PG
A)よりなる振幅可変部13aから構成されており、振
幅検出回路14は、例えばオペアンプなどよりなる電圧
振幅の検出部14aと、検出部14aの出力信号を直流
に変換するAC−DC変換回路14bと、AC−DC変
換回路14bの出力信号を増幅する増幅器14cとから
構成されている。尚、増幅器14cの出力信号は制御回
路22に供給され、振幅可変部13aに対する振幅可変
信号は制御回路22から出力される。
【0023】又、この制御ユニット10において、電流
検出回路15は、例えば回路(送信信号系)に直列に接
続されたインピ−ダンス素子例えば抵抗15aと、抵抗
15aの端子電圧を増幅する差動増幅器などの増幅器1
5bとから構成されている。この電流検出回路15の出
力側はAC−DC変換回路16,増幅器17を介して制
御回路22に接続されている。そして、電流検出回路1
5における抵抗15aの出力側は切換回路18を介して
コネクタ19a〜19dに接続されている。
【0024】さらに、位相差検出回路20は、例えば図
6(a)に示すように、発振回路11からの送信信号及
びアンテナ電極4(4a〜4d)への出力信号を別々に
正弦波から方形波に波形整形する波形整形回路20a,
20aと、第1のフリップフロップ回路20b1と、第
2のフリップフロップ回路20b2と、積分回路20c
とから構成されており、しかも、波形整形回路20a
は、例えば同図(b)に示すように構成されている。
尚、発振回路11の出力たる高周波低電圧が、電源回路
24にて作られた例えば+5Vの単電源からスイッチン
グ操作などによって生成される場合(生成電圧の波形が
方形波の場合)には、波形整形回路20aは省略でき
る。
【0025】このように構成された乗員検知システム
は、次のように動作する。まず、発振回路11から高周
波低電圧が送信されると、それの電圧振幅が振幅検出回
路14の検出部14aにて検出され、その検出信号はA
C−DC変換回路14bにて直流に変換され、増幅器1
4cにて増幅されて制御回路22に入力される。制御回
路22では検出された電圧振幅が所定の振幅値になって
いるか否かを判断し、所定の電圧振幅に修正するための
振幅可変信号が振幅可変部13aに出力される。これに
よって、送信信号の電圧振幅は所定の振幅に修正され、
以後、振幅可変回路13及び振幅検出回路14の連携動
作により、一定の振幅に制御される。
【0026】電圧振幅が一定化された送信信号は電流検
出回路15,切換回路18(18a〜18d),コネク
タ19a〜19dを介してアンテナ電極4(4a〜4
d)に供給され、その結果、アンテナ電極4(4a〜4
d)の周辺には微弱電界が発生される。この際に、切換
回路18は制御回路22からの信号によって開閉制御が
行われ、最初にスイッチング手段18aのみが閉成さ
れ、次にスイッチング手段18bのみが閉成され、次に
スイッチング手段18cのみが閉成され、以下同様にし
て順次に特定のスイッチング手段のみが閉成されると同
時にその他のスイッチング手段は開放されるように切換
制御される。従って、特定のスイッチング手段(18a
〜18d)が閉成された場合には、電圧振幅が一定化さ
れた送信信号は電流検出回路15,特定のスイッチング
手段(18a〜18d),特定のコネクタ(19a〜1
9d)を介して特定のアンテナ電極(4a〜4d)に供
給され、その結果、特定のアンテナ電極(4a〜4d)
の周辺には微弱電界が発生され、シ−ト1に着席してい
る乗員の着席姿勢などに応じた異なった値の電流が流れ
る。この電流は電流検出回路15によって検出され、A
C−DC変換回路16にて直流に変換され、増幅器17
にて増幅されて制御回路22に次々と入力される。尚、
スイッチング手段(18a〜18d)の閉成順序は、ス
イッチング手段18d,18c・・・18aのように逆
の方向から行うこともできる。
【0027】一方、電流検出回路15の両端の信号(電
圧)、即ち振幅制御回路側における発振回路11からの
送信信号及び切換回路側(アンテナ電極側)におけるア
ンテナ電極4(4a〜4d)への出力信号が位相差検出
回路20に入力されると、正弦波信号は、図8(a)に
示すように、波形整形回路20aによって方形波に整形
され、第1,第2のフリップフロップ回路20b1,2
0b2に出力される。送信側の方形波出力の立ち上がり
エッジ(図示矢印)が第1のフリップフロップ回路20
b1の端子CKにて検出され、端子Qバ−はハイ(Hi
gh)出力となる。一方、受信側も、同図(b)に示す
ように、方形波出力の立ち上がりエッジ(図示矢印)が
第2のフリップフロップ回路20b2の端子Bにて検出
され、端子Qバ−からは一瞬だけロウ(Low)出力が
ワンショット出力される。この出力信号が第1のフリッ
プフロップ回路20b1の端子RESに入力されること
により、第1のフリップフロップ回路20b1の端子Q
バ−の出力は、同図(c)に示すように、ロウに反転さ
れる。この出力が位相量(位相差)となり、積分回路2
0cを通すことにより電圧に変換され、増幅器21を介
して制御回路22に入力される。尚、この位相量の検出
動作は、電流検出回路15による各アンテナ電極への送
信電流の検出動作に対応して順次に行われる。
【0028】この制御回路22には、予め、例えばシ−
ト1に着席している乗員の着席状況(着席の有無,大人
か子供かの識別)などに関するしきい値(しきい値デ−
タ),電流検出回路15への送信信号とアンテナ電極へ
の出力信号との位相差に関するしきい値(しきい値デ−
タ)などが格納されている。具体的には、乗員の着席の
有無に関するしきい値に関しては次のように設定され
る。例えば図9(a)及び(b)に示すように、シ−ト
1にそれぞれ大人の乗員P及び子供の乗員SPが着席し
ている場合には、それぞれのアンテナ電極に対向する面
積の違いによってそれぞれのアンテナ電極に流れる電流
のレベルが異なり、大人の乗員Pの場合には子供の乗員
SPの場合に比べて電流のレベルが高くなる。従って、
子供SPの場合の電流レベルより若干低いレベルが乗員
の着席の有無に関するしきい値として設定される。尚、
検出デ−タがこのしきい値より大きければ乗員が着席し
ていると判定され、小さければ着席していないと判定さ
れる。特に、このしきい値はそれぞれのアンテナ電極に
流れる電流の総和に対して設定することが望ましいが、
アンテナ電極毎に設定することも可能である。
【0029】又、乗員の識別に関するしきい値に関して
は次のように設定される。例えば図9(a)及び(b)
に示すように、シ−ト1にそれぞれ大人の乗員P及び子
供の乗員SPが着席している場合には、それぞれのアン
テナ電極に対向する面積の違いによってそれぞれのアン
テナ電極に流れる電流のレベルが異なり、大人の乗員P
の場合には子供の乗員SPの場合に比べて電流のレベル
が高くなる。従って、大人Pと子供SPとの中間的な電
流レベルを識別に関するしきい値として設定される。
尚、検出デ−タがこのしきい値より大きければ大人Pと
判定され、小さければ子供SPと判定される。特に、こ
のしきい値はそれぞれのアンテナ電極に流れる電流の総
和に対して設定することが望ましいが、アンテナ電極毎
に設定することも可能である。
【0030】一方、位相差に関しては、位相差検出回路
20によってシ−ト1に乗員が着席している時に検出さ
れる平均的な位相差と、人以外の存在によって検出され
る平均的な位相差との間の任意値が人が着席していると
判断するしきい値として設定される。尚、シ−トの状態
(例えば水濡れなど)によっては、しきい値に上限と下
限とを設定することもでき、その範囲内に位相差デ−タ
が存在する場合には人が着席していると判断される。従
って、制御回路22では、このような予め記憶された乗
員の着席などに関するしきい値デ−タ及び位相差に関す
るしきい値デ−タと、入力された電流に関連する着席デ
−タ及び位相差デ−タとが比較されることにより、シ−
ト1に着席している乗員が大人であるか子供であるか或
いはシ−トが水濡れ状態にあるか否かなどが精度よく判
断される。
【0031】従って、制御回路22に取り込まれた乗員
の着席状況などに関する信号デ−タは、予め制御回路2
2に記憶されている乗員の着席状況などに関するしきい
値デ−タと比較され、例えば図9(a)に示すように、
すべてのアンテナ電極4a〜4dの電流レベルが高い場
合には、シ−ト1に乗員が着席しており、その乗員は大
人Pであると判断される。これによって、図7に示すエ
アバッグ装置30は制御回路22からの送信信号によっ
て、エアバッグが展開可能なるようにセットされる。逆
に、図9(b)に示すように、すべてのアンテナ電極4
a〜4dの電流レベルが低く、かつ着席の有無のしきい
値より低い場合には、シ−ト1に乗員が着席しており、
その乗員は子供SPであると判断される。これによっ
て、図7に示すエアバッグ装置30は制御回路22から
の送信信号によって、エアバッグが展開不可能なるよう
にセットされる。即ち、制御回路22からの送信信号は
エアバッグ装置30の制御回路CCに入力され、後者の
場合には自動車の衝突時に助手席側の半導体スイッチン
グ素子SW2にゲ−ト信号を供給しないようにセットさ
れる。尚、運転席側の半導体スイッチング素子SW1に
はゲ−ト信号が供給される。前者の場合には半導体スイ
ッチング素子SW1,SW2にゲ−ト信号が供給される
ようにセットされる。
【0032】次に、この乗員検知システムの処理フロ−
について図10〜図14を参照して説明する。まず、図
10に示すように、イグニッションスイッチをONに
し、スタ−トする。ステップS1でイニシャライズし、
ステップS2に進む。ステップS2では制御回路22と
エアバッグ装置30との通信系にかかる初期診断を行
う。ステップS3ではエンジンがスタ−トしたか否かの
判断を行い、エンジンがスタ−トしていると判断した場
合にはステップS4に進む。スタ−トしていないと判断
された場合には戻る。ステップS4では複数のアンテナ
電極4a〜4dのうち、特定のアンテナ電極の周辺に発
生させた微弱電界に基づいてそれぞれ特定のアンテナ電
極に流れる電流に関連する信号デ−タ及びシ−ト1への
乗員の着席に関連する位相差デ−タの受信が行われる。
ステップS5では、取り込んだそれぞれのデ−タに基づ
いて、シ−トへの乗員の着席の有無,乗員が大人か子供
かなどが判定される。さらに、ステップS6ではステッ
プS5の判定結果に基づき、エアバッグ装置(SRS)
30との間でSRS通信が行われる。ステップS6が終
了すると、再びステップS4に戻り、ステップS4から
ステップS6の処理が繰り返し行われる。尚、ステップ
S3は省略することもできる。
【0033】図10における初期診断は、例えば図11
に示すように行われる。まず、ステップSA1では固定
デ−タを制御回路22からエアバッグ装置30の制御回
路CCに送信する。ステップSA2ではエアバッグ装置
30からの送信デ−タを受信する。そして、ステップS
A3では制御回路22からエアバッグ装置30に送信し
た固定デ−タとエアバッグ装置30からの受信デ−タと
が一致するか否かを判断する。それぞれのデ−タが一致
すると判断されると、処理フロ−が継続される。それぞ
れのデ−タが一致しないと判断されると、通信系に異状
があると判断され、フェ−ルセイフ処理が行われ、例え
ば警告灯などが点灯される。尚、この初期診断はエアバ
ッグ装置30から制御回路22に固定デ−タを送信し、
制御回路22からの送信デ−タをエアバッグ装置30の
制御回路CCにて、その一致性について判断させるよう
にしてもよい。
【0034】図10における信号受信は、例えば図12
に示すように行われる。まず、ステップSB1では制御
回路22からの信号に基づいて切換回路18のスイッチ
ング手段18a〜18dを、スイッチング手段18aの
み,スイッチング手段18bのみ・・・のように特定の
スイッチング手段のみを順次に選択的に閉成し、特定の
アンテナ電極(4a〜4d)が順次に選択される。そし
て、ステップSB2ではそれぞれのアンテナ電極への送
信信号デ−タ及び位相差デ−タが制御回路22に取り込
まれる。さらに、ステップSB3では切換回路18のス
イッチング手段18a〜18dの選択的な閉成に基づく
アンテナ電極4a〜4dの切換がすべて終了したか否か
が判断される。切換がすべて終了したと判断されると、
乗員判定フロ−に継続される。切換がすべて終了してい
ないと判断されると、ステップSB1に戻る。
【0035】図10における乗員判定は、例えば図13
に示すように行われる。まず、ステップSC1ではすべ
てのアンテナ電極4a〜4dに流れる電流に関する信号
デ−タと乗員の着席状況などに関するしきい値とを比較
し、現実の信号デ−タがしきい値より大きいか否かが判
断される。現実の信号デ−タがしきい値より大きいと判
断されるとステップSC2に進み、大きくないと判断さ
れるとステップSC3に進む。ステップSC2におい
て、シ−トに着席している乗員が大人であると判定され
ると、ステップSC4に進み、エアバッグ装置30のエ
アバッグを展開させるためのONデ−タがセットされる
と共に、SRSデ−タ通信フロ−に継続される。又、ス
テップSC3において、シ−トに着席している乗員が子
供SPであると判定されると、ステップSC5に進み、
エアバッグ装置30のエアバッグが展開しないようにす
るためのOFFデ−タがセットされると共に、処理フロ
−が継続される。
【0036】図10におけるSRSデ−タ通信は、例え
ば図14に示すように行われる。まず、ステップSD1
では乗員検知ユニット側(制御回路22)からエアバッ
グ装置側(制御回路CC)に、エアバッグ装置30のエ
アバッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にす
るためのONデ−タないしOFFデ−タ及びチェックデ
−タが送信される。ステップSD2ではエアバッグ装置
側からの、ONデ−タないしOFFデ−タに対するOK
デ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タを受信し、
ステップSD3に進む。ステップSD3では乗員検知ユ
ニット側からエアバッグ装置側に送信したON/OFF
デ−タ及びチェックデ−タが正常な状態で再びエアバッ
グ装置側から乗員検知ユニット側に返信されたか否かが
判断される。正常(通信系に異状がない)と判断される
と、処理フロ−が継続される。通信系に異状があると判
断されると、ステップSD4に進み、フェ−ルセ−フタ
イマがゼロになったか否かが判断される。尚、この通信
系の異状検出は、例えば3回に設定されている。従っ
て、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断される
と、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが
点灯される。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになって
いないと判断されると、ステップSD5に進み、フェ−
ルセ−フタイマのカウントが行われ、処理フロ−が継続
される。
【0037】一方、ステップSE1ではエアバッグ装置
側(制御回路CC)が乗員検知ユニット側(制御回路2
2)から、エアバッグ装置30のエアバッグを展開可能
な状態ないし展開不可能な状態にするためのONデ−タ
ないしOFFデ−タ及びチェックデ−タを受信する。そ
して、ステップSE2では受信デ−タのチェックが行わ
れ、受信デ−タが正常に受信できているか否かが判断さ
れる。いずれに判断されてもステップSE3に進み、O
Kデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タが乗員検
知ユニット側に送信される。ステップSE2で通信系に
異状がないと判断されると、ステップSE3のOKデ−
タ送信ステップを経てステップSE4に進む。このステ
ップSE4ではOKデ−タに基づいてエアバッグ装置側
のデ−タが更新される。これによって、エアバッグは展
開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に
更新セットされる。又、ステップSE2で通信系に異状
があると判断されると、ステップSE3のNGデ−タ送
信ステップを経てステップSE5に進む。このステップ
SE5ではフェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否か
が判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3
回に設定されている。従って、フェ−ルセ−フタイマが
ゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行
われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ
−フタイマがゼロになっていないと判断されると、ステ
ップSE6に進み、フェ−ルセ−フタイマのカウントが
行われ、処理フロ−が継続される。
【0038】この実施例によれば、シ−ト1の着席部1
aに配置されたアンテナ電極4は絶縁性のベ−ス部材5
に複数のアンテナ電極部4a〜4dを相互に離隔して配
置・固定して構成されているために、単にシ−ト外装材
とクッション部材との間に介在させるだけで何らの調整
を行うことなくアンテナ電極部間を所定の間隔に設定で
きるのみならず、配置後におけるアンテナ電極部の位置
ずれも防止できる。従って、アンテナ電極部4a〜4d
の周辺に発生させた電界に伴って流れる電流に関連する
情報の信頼性が高く、この情報に基づいて判断される乗
員の着席状況などの精度も向上する。
【0039】尚、アンテナ電極部4a〜4dをベ−ス部
材5に配置することなく、それぞれ個別にシ−ト外装材
とクッション部材との間に配置する場合にはアンテナ電
極部4a〜4dの間隔を所定の間隔に調整する作業が面
倒となるのみならず、配置後に、シ−トへの乗員の着席
動作などによってシ−ト外装材とクッション部材との間
でアンテナ電極部が位置ずれし易くなり情報の信頼性が
低くなるという問題がある。
【0040】又、アンテナ電極部4a〜4dからはリ−
ド線6a〜6dが導出されているために、制御ユニット
10(例えばコネクタ19a〜19d)との接続を容易
に行うことができる。特に、リ−ド線6a〜6dの導出
端にコネクタ9を設ければ、制御ユニット10との接続
を一層に簡単かつ迅速に行うことができ、組立作業性を
向上できる。
【0041】又、アンテナ電極部4a〜4dからのリ−
ド線6a〜6dの導出はアンテナ電極部4a〜4dに、
それを挟持するように設けられた接続端子7を利用して
行われるために、アンテナ電極部4a〜4dとリ−ド線
6a〜6dとの電気的な接続を確実に行うことができ
る。
【0042】その上、シ−ト1の着席部1aには複数の
アンテナ電極4(4a〜4d)が互いに離隔して配置さ
れており、それぞれのアンテナ電極には切換回路18の
スイッチング手段18a〜18dによる切換によって順
番に発振回路11に接続され、高周波低電圧の印加によ
り微弱電界が発生されるために、シ−ト1に着席してい
る乗員に対向するアンテナ電極4(4a〜4d)にはそ
の対向面積などに応じた電流が流れる。従って、これら
の電流を検出することによって、シ−トへの乗員の着席
の有無,シ−トに着席している乗員が大人であるか子供
であるかなどを容易に検知することができる。
【0043】しかも、電流検出回路15の発振回路側及
びアンテナ電極側における発振回路からの送信信号とア
ンテナ電極4への出力信号との位相差はシ−ト1に存在
する物体によって異なる。特に、その物体が人の場合に
はそれ以外の物体に比較して識別可能な程度のレベル差
の位相差を有する。従って、位相差検出回路20にて位
相差を検出することによって、検出電流に基づく乗員の
識別に関連する信号デ−タとの判断と相俟って乗員のシ
−ト1への着席の有無を的確に検知することができる。
【0044】特に、エアバッグ装置30のエアバッグ
は、乗員が大人か子供かなどの判断に基づいて、展開可
能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に設定
される。例えば検出電流のレベルが低いことから乗員が
子供SPであると判断されると、エアバッグ装置30の
エアバッグは展開不可能な状態に設定される。従って、
仮に自動車が衝突しても、エアバッグは展開されないた
めに、子供がエアバッグによって二次的な損傷を受ける
ことを回避できる。
【0045】又、制御ユット10において、電源回路2
4による単電源をシステム電源として利用すると共に、
発振回路11を正電源のみでほぼ方形波の高周波低電圧
が生成されるように構成すれば、電源回路24,発振回
路11は勿論のこと、ユニットの回路構成が簡略化で
き、システムのコストをも大幅に低減できる。
【0046】さらには、アンテナ電極4(4a〜4d)
に送信される送信信号の電圧振幅は振幅制御回路12に
てほぼ一定になるように制御されるために、電流検出回
路15にて検出された電流に関連するデ−タと制御回路
22に記憶されている乗員の着席状況などに関するしき
い値デ−タとの比較・判断が容易になり、信頼性,精度
の高い検知が可能となる。
【0047】図15は本発明にかかる乗員検知システム
の他の実施例を示すものであって、基本的には上記実施
例と同じである。異なる点は、シ−ト1の背もたれ部1
bに複数のアンテナ電極4(4a〜4d)を離隔して対
称的に配置し、着席部1aにはアンテナ電極4を配置し
ないことである。
【0048】この実施例によれば、同図(a)に示すよ
うに、すべてのアンテナ電極4a〜4dとの対向面積が
広く、検出電流も大きい場合にはシ−トに着席している
乗員は大人Pであると判定されるし、又、同図(b)に
示すように、それぞれのアンテナ電極4a〜4dとの対
向面積が小さく、検出電流のレベルも低い場合には乗員
は子供SPであると容易に判定される。
【0049】尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約
されることなく、例えばシ−トへのアンテナ電極(アン
テナ電極部)の配置数は適宜に増減できるし、その形態
も角形の他、矩形状,帯状などにも形成できるし、ベ−
ス部材に配置されたアンテナ電極部を絶縁性のカバ−部
材によって覆うこともできる。又、電界発生手段は発振
回路の他、正電源を制御回路のクロック信号を利用した
スイッチング操作によってほぼ方形波の高周波低電圧を
発生させるように構成することもできるし、制御回路の
クロック信号を適宜に分周して発生させるように構成す
ることもできるし、それの出力周波数も車室内などの状
況などに応じて120KHz以外に設定することもでき
るし、その電圧も5〜12Vの範囲外でも使用できる。
又、振幅制御回路,位相差検出回路はシステム電源の精
度,システムに期待される機能などによっては省略する
こともできる。又、情報検出回路は直接的にアンテナ電
極に流れる電流を検出する電流検出回路は勿論のこと、
流れる電流に関連性を有する電圧,電力,波形などの情
報に基づいて間接的に検出する回路も含まれる。さらに
は、乗員判定は予め制御回路に格納されているしきい値
と現実のアンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−
タとの比較の他に、乗員のシ−トへの各種着席パタ−
ン,着席姿勢などに関するデ−タを予め格納しておき、
これとの比較によって、乗員の着席の有無,乗員が大人
であるか否かなどの判定を行うこともできる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アンテ
ナ電極は絶縁性のベ−ス部材にアンテナ電極部を配置し
て構成されているために、例えばシ−ト外装材とクッシ
ョン部材との間に単に介在させるだけでも、乗員の着席
動作などによるアンテナ電極部の位置ずれを防止でき
る。従って、アンテナ電極部の周辺に発生させた電界に
伴って流れる電流に関連する情報の信頼性が高く、この
情報に基づいて判断される乗員の着席状況などの精度も
向上する。
【0051】特に、絶縁性のベ−ス部材に複数のアンテ
ナ電極部を離隔して配置する場合には、ほぼ平坦なベ−
ス部材の一方の面にアンテナ電極部を所定の間隔に配置
し固定すればよいので、それぞれの間隔を所望の間隔に
設定し易い。従って、シ−トへの配置が容易になるのみ
ならず、シ−トへの配置後のアンテナ電極部間の間隔調
整が不要になるし、位置ずれも防止できる。
【0052】又、アンテナ電極部からリ−ド線を導出し
たり、その導出端にコネクタを設けたりすれば、制御ユ
ニットとの接続を簡単かつ迅速に行うことができ、組立
作業性の向上が期待できる。
【0053】さらには、アンテナ電極部に挟持機能を有
する接続端子を設け、この接続端子を利用すれば、アン
テナ電極部とリ−ド線との電気的な接続を簡単かつ確実
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる乗員検知システムの基本動作を
説明するための図であって、同図(a)はアンテナ電極
の周辺の電界分布を示す図、同図(b)はアンテナ電極
の近傍に物体が存在した時の電界分布を示す図。
【図2】本発明にかかる乗員検知システムの車室内部分
を示す図であって、同図(a)はシ−トへのアンテナ電
極の配置状態を示す側面図、同図(b)は同図(a)の
正面図。
【図3】図2に示すアンテナ電極の具体的構成図であっ
て、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の要
部断面図、同図(c)は同図(a)の異なった実施例を
示す要部平面図。
【図4】図3(b)に示すアンテナ電極への接続端子の
結合状態の他の実施態様を示す要部断面図。
【図5】本発明にかかる乗員検知システムの回路ブロッ
ク図。
【図6】同図(a)は図5に示す位相差検出回路の具体
例な回路ブロック図、同図(b)は波形整形回路の回路
ブロック図。
【図7】図5に示すエアバッグ装置の回路ブロック図。
【図8】図6に示す位相差検出回路の動作を説明するた
めの図であって、同図(a)は送信信号及び第1のフリ
ップフロップ回路の出力信号の波形図、同図(b)は出
力信号及び第2のフリップフロップ回路の出力信号の波
形図、同図(c)は第1,第2のフリップフロップ回路
の出力信号から位相量の検出状態を示す図。
【図9】シ−トにおける乗員の着席状態を説明するため
の図であって、同図(a)は大人の着席状態を示す図、
同図(b)は子供の着席状態を示す図。
【図10】本発明にかかる乗員検知システムによる乗員
検知のフロ−チャ−ト。
【図11】図10に示す初期診断のフロ−チャ−ト。
【図12】図10に示す信号受信のフロ−チャ−ト。
【図13】図10に示す乗員判定のフロ−チャ−ト。
【図14】図10に示すSRS通信のフロ−チャ−ト。
【図15】本発明にかかるシ−トへのアンテナ電極の配
置状態を示す他の実施例であって、同図(a)はそのシ
−トに大人が着席している状態の正面図、同図(b)は
子供が着席している状態の正面図。
【図16】従来例にかかるエアバッグ装置の回路ブロッ
ク図。
【図17】従来例にかかる改良されたエアバッグ装置の
回路ブロック図。
【符号の説明】
1 シ−ト 1a 着席部 1b 背もたれ部 4(4a〜4d) アンテナ電極 5 ベ−ス部材 6(6a〜6d) リ−ド線 7 接続端子 7A ラグ端子 8 圧着端子 9 コネクタ 10 制御ユニット 11 電界発生手段(発振回路) 12 振幅制御回路 13 振幅可変回路 14 振幅検出回路 15 情報検出回路(電流検出回路) 16 AC−DC変換回路 17,21 増幅器 18(18a〜18d) 切換回路 19a〜19d コネクタ(端子) 20 位相差検出回路 22 制御回路 24 電源回路 30 エアバッグ装置 SS1,SS2 セ−フィングセンサ SQ1,SQ2 スクイブ SW1,SW2 半導体スイッチング素子 CC 制御回路 GS 電子式加速度センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−207644(JP,A) 特開 平9−127258(JP,A) 特開 平3−233391(JP,A) 特開 平7−270541(JP,A) 特開 平5−291924(JP,A) 特開 平5−291925(JP,A) 特開 平11−281748(JP,A) 特開 平11−281749(JP,A) 特開 平11−271462(JP,A) 実開 平3−110966(JP,U) 特表 平9−509118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/32 G01V 3/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートに複数のアンテナ電極を離隔して
    配置し、該アンテナ電極に流れる電流に関連する情報を
    検出し、この情報に基づいてシートへの乗員の着席状況
    などを判断するように構成した乗員検知システムであっ
    て、前記アンテナ電極それぞれは、少なくとも、絶縁性
    のベース部材と、ベース部材に配置された導電性を有す
    るアンテナ電極部とから構成され、前記乗員検知システ
    ムは、切替回路によって前記複数のアンテナ電極の中か
    ら一つずつを順次選択することにより、それぞれの前記
    アンテナ電極の周辺に電界を選択的に発生させ、この電
    界に基づいて前記アンテナ電極それぞれに流れる電流に
    関連する情報を検出し、この情報に基づいてシートへの
    乗員の着席状況を判断するように構成されることを特徴
    とする乗員検知システム。
  2. 【請求項2】 シートに複数のアンテナ電極を離隔して
    配置し、該アンテナ電極に流れる電流に関連する情報を
    検出し、この情報に基づいてシートへの乗員の着席状況
    などを判断し、この判断結果に基づいてエアバッグ装置
    のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態の
    いずれか一方にセットするように構成した乗員検知シス
    テムであって、前記アンテナ電極は、少なくとも、絶縁
    性のベース部材と、ベース部材に配置された導電性を有
    するアンテナ電極部と、アンテナ電極部より導出され、
    かつアンテナ電極部と電気的な接続関係を有するリード
    線とから構成され、前記乗員検知システムは、切替回路
    によって前記複数のアンテナ電極の中から一つずつを順
    次選択することにより、それぞれの前記アンテナ電極の
    周辺に電界を選択的に発生させ、この電界に基づいて前
    記アンテナ電極それぞれに流れる電流に関連する情報を
    検出し、この情報に基づいてシートへの乗員の着席状況
    を判断するように構成されることを特徴とする乗員検知
    システム。
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