JP2000024461A - 排煙脱硫方法および排煙脱硫システム - Google Patents

排煙脱硫方法および排煙脱硫システム

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JP2000024461A
JP2000024461A JP10192686A JP19268698A JP2000024461A JP 2000024461 A JP2000024461 A JP 2000024461A JP 10192686 A JP10192686 A JP 10192686A JP 19268698 A JP19268698 A JP 19268698A JP 2000024461 A JP2000024461 A JP 2000024461A
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activated carbon
flue gas
gas desulfurization
exhaust gas
sulfuric acid
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JP10192686A
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English (en)
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Kazushige Kawamura
和茂 川村
Masaru Takeda
大 武田
Yoichi Umehara
洋一 梅原
Sachio Asaoka
佐知夫 浅岡
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化や動力消費の増大を招くことな
く、かつ排ガスから高い効率で亜硫酸ガスを除去するこ
とができる排煙脱硫方法およびこれに用いられる排煙脱
硫システムを提供する。 【解決手段】 亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む
排ガスを、排煙脱硫装置21において脱硫処理した後
に、複数の平板状の触媒30からなる触媒層22に導入
して、触媒30の表面に沿った方向に通過させることに
より、残留する亜硫酸ガスを接触酸化させ、生成した希
硫酸を上記排ガスから連続的に分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排ガス中に含まれる亜
硫酸ガス等を高い効率で当該排ガスから除去するための
排煙脱硫方法およびこれに用いられる排煙脱硫システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ボイラー、各種加熱炉あるい
は焼却炉等の排ガス中から亜硫酸ガス等の有害成分を除
去するための排煙脱硫システムの一種として、上記排ガ
ス中に含まれる亜硫酸ガス(SO2 )を、石灰石(Ca
CO3 )等のアルカリ成分を溶解または懸濁した水溶液
からなる吸収液と接触させて中和することにより、上記
吸収液中に吸収・除去するものが広く知られている。こ
の種の排煙脱硫装置によれば、上記排ガス中に含まれる
亜硫酸ガスのうちの概ね90〜95%を除去することが
できる。
【0003】ところが、上記排ガスは全体としての排出
量が極めて大きいために、5〜10%とは言え、その総
量を考慮すると、除去されずに大気に放出された上記亜
硫酸ガス量は少なくない。このため、近年においては、
酸性雨対策等の環境保全からの強い要請により、上記排
ガスからより一層の亜硫酸ガスを効果的に除去し得る排
煙脱硫システムの開発が望まれている。
【0004】そこで、本発明者等は、先に特願平6−6
0334号において、これまで専ら吸着剤として用いら
れていた活性炭を触媒として用いた排煙脱硫方法を提案
した。この排煙脱硫方法は、図9に示すように、排ガス
を供給管3から活性炭充填塔1内に導入して活性炭層2
を通過させることにより、活性炭層2における活性炭の
触媒作用によって、当該排ガス中に含まれる亜硫酸ガス
(SO2 )を活性炭表面において酸化して三酸化イオウ
(SO3 )とし、この三酸化イオウを活性炭表面で排ガ
ス中の水分によって、希硫酸を生成させて下方の収納部
5に流下させるとともに排出管6から塔外に排出し、他
方活性炭層2において亜硫酸ガスが除去されて無害化さ
れた被処理ガスを、排出管4から排気するものである。
【0005】このような排煙脱硫方法によれば、活性炭
を吸着剤としてではなく、触媒として用いているので、
再生を目的とした加熱還元除去や水洗、乾燥等の処理を
要することなく、亜硫酸ガスを含む被処理ガスから長時
間にわたって連続的に高い効率で当該亜硫酸ガスを除去
することができるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
排煙脱硫方法にあっては、活性炭層2における処理排ガ
スの通過断面積が小さいため、多量の排ガスと活性炭と
を充分に接触させるためには、いきおい活性炭層2の高
さ寸法を大きくする必要があり、この結果当該活性炭層
2における排ガスの圧力損失が大きくなって、上記排ガ
スを送気するための送気ファンの大型化を招き、よって
装置全体の消費動力が増加してしまうという問題点があ
った。そこで、本発明者等は、特願平7−164546
号において、このような活性炭層を用いた排煙脱硫方法
が有する利点を生かし、かつ上述した課題を解決すべ
く、新規な排煙脱硫方法およびこれに用いられる活性炭
触媒反応装置を提案した。
【0007】この排煙脱硫方法は、図10に示すよう
に、活性炭10が充填され、それぞれの長手方向の側壁
を排ガスの流れ方向に沿わせて当該流れ方向と交差する
方向に複数配設されるとともに、隣接する上下端部間
に、交互に上部仕切板12および下部仕切板13が配設
されることにより、上記側壁と交差する厚さ方向に排ガ
スが通過するように設けられた活性炭触媒層11を用
い、酸素および水分とを含む排ガスを、活性炭触媒層1
1の側壁と交差する厚さ方向に通過させることにより、
活性炭触媒層11において亜硫酸ガスと酸素とを接触酸
化させるとともに、水分と反応させて希硫酸を生成さ
せ、得られた上記希硫酸を活性炭触媒層11から連続的
に分離するものである。
【0008】上記排煙脱硫方法によれば、排ガスを、活
性炭触媒層11の側壁と交差する厚さ方向に通過させて
いるので、狭いスペース内において大きな通過断面積を
確保することができ、よって装置の大型化を招来するこ
と無く排ガスと活性炭との接触作用を増大させることが
でき、かつ上記活性炭触媒層11の厚さ寸法を小さく設
定することにより、これまでの活性炭を密に充填した触
媒層と比較して、当該活性炭触媒層11を通過する際の
被処理ガスの圧力損失を低減化させることが可能になる
といった効果が得られる。
【0009】しかしながら、上記排煙脱硫方法にあって
は、排ガスを活性炭触媒層11の側壁から、その厚さ方
向に通過させているために、排ガスの流れが強制的に変
えられることになり、この結果圧力損失が発生し、かつ
排ガスの流れに偏流が生じ易いという問題点があった。
また、経時的に上記活性炭触媒層11が煤塵等によって
目詰まりを生じて、排ガスの通過に起因した圧力損失も
生じやすいために、当該活性炭触媒層11の前段に別途
除塵装置を配設する等、設置位置にも制約が生じるとい
う問題点があった。
【0010】加えて、比較的容量が小さく、かつ流量が
遅い排ガスの処理に適用した場合には、相応の上述した
効果が得られるものの、例えば大型の火力発電所のボイ
ラー等から排出されるような、容量が大きく、かつ流速
が早い排ガスの処理に適用しようとすると、強度上の要
請から活性炭触媒層11の厚さ寸法を大きくせざるを得
なくなる。この結果、活性炭触媒層11内に生成希硫酸
が保持されて、同様に排ガス流における圧力損失を増長
するとともに、活性炭の有効接触効率が低下して脱硫性
能の低下を招くという問題点もあった。
【0011】本発明は、上述した従来の排煙脱硫方法が
有する課題を有効に解決すべくなされたもので、装置の
大型化や動力消費の増大を招くことなく、かつ排ガスか
ら高い効率で亜硫酸ガスを除去することができる排煙脱
硫方法およびこれに用いられる排煙脱硫システムを提供
することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る排煙脱硫方法は、亜硫酸ガスと、酸素および水分
とを含む排ガスを、排煙脱硫装置において脱硫処理した
後に、複数の触媒からなる触媒層に導入して、上記触媒
の表面に沿った方向に通過させることにより、残留する
上記亜硫酸ガスを接触酸化させ、生成した希硫酸を上記
排ガスから連続的に分離することを特徴とするものであ
る。
【0013】この際に、請求項2に記載の発明は、上記
触媒として、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コール
タール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性
炭、石炭からの活性炭および活性コークスから選択され
る一種または複数種からなる平板状の活性炭触媒を用
い、排ガスを、上記活性炭触媒の表面に沿って通過させ
ることにより、活性炭触媒において亜硫酸ガスと酸素と
を接触酸化させて三酸化イオウに変換させるとともに、
この三酸化イオウを水分と反応させて希硫酸を生成さ
せ、得られた希硫酸を活性炭触媒から連続的に分離する
ことを特徴とするものであり、さらに請求項3に記載の
発明は、この活性炭触媒に、疎水化処理を施したことを
特徴とするものである。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
ないし3に記載の発明において、排ガスを、アルカリ成
分を含む吸収液と気液接触させる湿式の排煙脱硫装置に
おいて脱硫処理するとともに、上記希硫酸を回収し、上
記排煙脱硫装置におけるスケール生成箇所に供給して、
当該スケールの生成防止もしくは除去に用いることを特
徴とするものである。そして、請求項5に記載の発明
は、上記排煙脱硫装置として、石灰石膏法による湿式排
煙脱硫装置を用い、かつ上記希硫酸を当該排煙脱硫装置
における吸収液に導入することを特徴とするものであ
る。
【0015】さらに、請求項6に記載の発明は、上記触
媒層を、水、全溶解塩類濃度が30wt%以下の水溶液、
希硫酸、上記排煙脱硫装置の吸収液または当該吸収液か
ら固形物を除去した母液によって洗浄することを特徴と
するものである。
【0016】次いで、請求項7に記載の本発明に係る排
煙脱硫システムは、亜硫酸ガスと、酸素および水分とを
含む排ガスから上記亜硫酸ガスを除去するものであっ
て、排ガスの流路に沿って、順次排煙脱硫装置と、表面
が上記排ガスの流れ方向に沿う方向に延在する複数枚の
平板状の触媒からなる触媒層とを備えてなることを特徴
とするものである。ここで、複数枚の平板状の触媒から
なる触媒層の形状としては、平板状の触媒を互いに平行
に配設したもののほか、平板を波形に形成して互いに平
行に配設したもの、さらにはハニカム状や格子状のもの
等、各要素が平板状の触媒からなり、これら複数枚の触
媒が組み合わされ、あるいは一体化された各種の形状の
ものが含まれる。
【0017】また、請求項8に記載の発明は、上記触媒
層が、表面に、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コー
ルタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性
炭、石炭からの活性炭および活性コークスから選択され
る一種または複数種の活性炭を有し、かつ各表面が上記
排ガスの流れ方向に沿って配設された複数枚の平板状の
活性炭触媒からなる活性炭触媒層であることを特徴とす
るものである。
【0018】さらに、請求項9に記載の発明は、請求項
8に記載の活性炭触媒が、合成樹脂製の補強板に、粉末
活性炭を付着させて板状に形成されたものであることを
特徴とするものであり、請求項10に記載の発明は、上
記活性炭触媒が、合成樹脂製の補強板に、粉末活性炭と
疎水性物質とを混合して付着させて板状に形成されたも
のであることを特徴とするものである。ここで、補強板
に粉末活性炭等を付着させるとは、上記補強板に、粉末
活性炭等を接着、圧着あるいは添着させることにより、
当該補強板の少なくとも表面に上記粉末活性炭等の層が
一体的に形成されていることをいう。
【0019】そして、請求項11に記載の発明は、請求
項7〜10のいずれかに記載の排煙脱硫装置の下流側に
ミストエリミネータが配設され、かつ上記触媒層が、上
記排煙脱硫装置内、もしくは上記排煙脱硫装置とミスト
エリミネータとの間またはミストエリミネータの下流側
に配設されていることを特徴とするものである。
【0020】請求項1〜6のいずれかに記載の排煙脱硫
方法および請求項7〜11のいずれかに記載の排煙脱硫
システムによれば、亜硫酸ガスと、酸素および水分とを
含む排ガスを、先ず排煙脱硫装置において脱硫処理する
ことにより、当該排ガス中に含まれる亜硫酸ガスの大部
分が除去される。そしてさらに、これを触媒層における
触媒の表面に沿って通過させる。これにより、排ガスが
触媒の表面と接触し、残留する上記亜硫酸ガスが酸化さ
れて希硫酸が生成する。そこで、この希硫酸を排ガスか
ら連続的に分離することにより、上記排ガスから高い効
率で亜硫酸ガスを除去することが可能になる。
【0021】この際に、排ガスは、触媒の表面に沿って
流れるために、従来のように排ガス流の変化や触媒層内
における目詰まり等に起因して大きな圧力損失を生じた
り、あるいは排ガスの流れに偏流を生じたりすることが
ない。しかも、触媒の厚さ方向に排ガスが通過しないこ
とから、当該触媒を薄肉に形成することができ、よって
装置全体が軽量になるとともに、内部に希硫酸が保持さ
れて脱硫性能の低下を招くこともない。さらに、表面に
沿って流れる排ガスによって、触媒層との接触により生
成した希硫酸が容易に当該触媒層の表面から分離され
る。そして、この作用は、排ガスの流速が高い場合によ
り顕著になり、また当該流速が高い場合においても、上
述したように排ガスは表面を流れるために、触媒層とし
て厚肉のものを用いる必要がない。
【0022】さらに、排ガス中に煤塵やミスト分が含ま
れている状態においても、触媒層の目詰まりによる圧力
損失を考慮する必要がないために、その設置場所の自由
度が大幅に向上する。以上の結果、処理すべき排ガスの
容量が大きく、かつその流速の高い場合においても、軽
量かつコンパクトな装置によって、安定的に高い効率で
排ガスの脱硫処理を行うことが可能になる。
【0023】上記触媒としては、請求項2または請求項
8に記載の発明のように、ヤシ殻活性炭、木材からの活
性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチ
からの活性炭、石炭からの活性炭および活性コークスか
ら選択される一種または複数種からなる平板状の活性炭
触媒が好適である。また、平板状をなす活性炭触媒とし
ては、請求項3に記載の発明のように、合成樹脂製の補
強板、例えば板材やネット材等に粉末活性炭を付着させ
たものを使用することにより、軽量であってかつ所定の
強度を有する活性炭触媒層を構成することができる。
【0024】このような活性炭触媒の厚さ寸法として
は、0.5mm〜5mmのものが好ましく、またこれら
活性炭触媒によって活性炭触媒層を形成するに際して
は、複数枚の平板状の上記活性炭触媒を平行に配設して
もよく、特に格子状やハニカム状に構成すれば、コンパ
クトな装置によって排ガスとの接触面積を大幅に増加さ
せることができて、一層好適である。
【0025】上記活性炭触媒の表面に沿って排ガスを通
過させることにより、当該活性炭触媒の表面において、
亜硫酸ガスと酸素とが接触酸化させて三酸化イオウに変
換され、さらにこの三酸化イオウが水分と反応して希硫
酸が生成する。この活性炭触媒の表面に生成した希硫酸
は、排ガスの流速によって当該表面から引き剥がされ、
活性炭触媒から分離されるが、この希硫酸をより円滑に
活性炭触媒の表面から分離させるため、請求項3または
9に記載の発明のように、当該活性炭触媒に疎水処理を
施すことが好ましい。
【0026】また、活性炭触媒において、効率的に亜硫
酸ガスを接触酸化させて希硫酸を生成させるためには、
排ガス中に十分な水分が含まれている必要がある。そこ
で、当該活性炭触媒の前段において亜硫酸ガスの除去を
行う排煙脱硫装置としては、請求項4に記載の発明のよ
うに、湿式の排煙脱硫装置を用いることが好ましい。上
記湿式の排煙脱硫装置においては、排ガスとNa系、M
g系あるいはCa系等のアルカリ成分を含む吸収液とが
気液接触されることにより、排ガス中に含まれる亜硫酸
ガスが中和されて、上記吸収液中に除去される。これと
並行して、排ガスに吸収液中の水分が加えられるため、
上記活性炭触媒層において希硫酸が生成し易くなり、し
かもその分離が円滑に行なわれる結果、脱硫性能も効果
的に向上する。
【0027】さらに、アルカリ成分を含む吸収液と排ガ
スとを気液接触させる排煙脱硫装置内においては、生成
されるエトリンガイト等の固化反応に起因して排ガスに
同伴した煤塵を含むスケールが発生する。さらに、石
膏、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウムなどのスケ
ールが発生する。加えて、これらに煤塵が付着すること
もある。これらのスケールは、酸によって溶解すること
が可能であるため、上記触媒層において生成した希硫酸
を回収して、上記スケール発生箇所に噴霧等することに
より、当該希硫酸をスケールの生成防止や、あるいは生
成したスケールの洗浄・除去に活用することが可能にな
る。
【0028】この際に、通常上記排煙脱硫装置におい
て、スケールの除去に用いた希硫酸は、そのまま吸収液
中に戻されることになるが、例えばこの吸収液として水
酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )を用いたものである
場合や、NaOH、Na2 CO 3 を用いた場合には、上
記希硫酸(H2 SO4 )を加えることにより無害な硫酸
マグネシウム(MgSO4 )等として固定されるため
に、いずれも海等へ放流処分することが可能となる。
【0029】さらに、請求項5に記載の発明のように、
上記吸収液が石灰石(CaCO3 )の水性スラリー液で
ある場合には、上記希硫酸を積極的に吸収液中に導入す
ることにより、石膏を生成させる。なお、上述したよう
に、触媒の表面に生成した希硫酸は、排ガスの流れによ
って触媒からの分離が促進されるが、請求項6に記載の
発明のように、さらに触媒層を水、全溶解塩類濃度が3
0wt%以下の水溶液、希硫酸、排煙脱硫装置の吸収液ま
たは当該吸収液から固形物を除去した母液によって積極
的に洗浄すれば、希硫酸の分離を早めて、接触酸化の効
率を高めることができるために、一層好ましい。
【0030】しかも、上記触媒層を洗浄することによ
り、排ガスに同伴して触媒層に捕集された固体微粒子も
洗浄液とともに排出することができる。さらに、希薄な
水溶液による洗浄は、脱硫性能を向上させる。特に、洗
浄液として、上記吸収液から石膏等の固形物を除去して
得られた母液と生成した希硫酸の混合液を用いれば、装
置全体の水バランスを損うこと無く上記触媒層の洗浄を
行なうことができる。また、上記触媒層の設置位置とし
ては、請求項11に記載の発明のように、排煙脱硫装置
内、もしくは排煙脱硫装置とミストエリミネータとの
間、またはミストエリミネータの下流側のいずれの位置
でもよい。この際に、特に排ガスの流れが上方から下方
に向けた流路において、上記触媒を上下方向に配設すれ
ば、生成した希硫酸が排ガスの流れと重力によって流下
して、容易に上記触媒表面から分離されるために好適で
ある。
【0031】
【発明の実施の形態1】図1〜図4は、本発明の排煙脱
硫システムの第1実施形態およびその変形例を示すもの
である。図1に示すように、この排煙脱硫システムにお
いては、ボイラー(図示せず)から排出された排ガスの
流路20が、スプレー方式による湿式の排煙脱硫装置2
1の下部に接続されており、さらにこの排煙脱硫装置2
1内の上部に、活性炭触媒層(触媒層)22が組み込ま
れている。そして、この活性炭触媒層22の上方に、排
ガスの出口ダクト27が接続されている。
【0032】上記排煙脱硫装置21は、底部にNa系、
Mg系あるいはCa系のアルカリ成分を含む吸収液23
が貯留されており、この吸収液23がポンプ24によっ
て抜出され、ライン25を介して上部のノズル26から
排ガスに向けて噴出するようになっている。また、活性
炭触媒層22は、排煙脱硫装置21において脱硫処理さ
れた排ガス中に残存する亜硫酸ガスを、さらに除去する
ためのものであって、図2に示すように、複数枚の平板
状に形成された活性炭触媒(触媒)30が、その表面を
図中実線の矢印で示す排ガスの流れ方向に沿う方向に位
置させて、互いに等間隔を置いて一体的に組み立てられ
たものである。
【0033】ここで、各活性炭触媒30は、ポリプロピ
レン等の合成樹脂からなるネット材(補強板)に、粉末
活性炭をテフロン等の疎水性を有する樹脂の水溶液と混
錬して層状に付着させたものである。この活性炭粉末
は、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コールタール系
ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性炭、石炭か
らの活性炭および活性コークスから選択される一種また
は複数種から選択されたものである。そして、この活性
炭触媒30は、全体として厚さ寸法が0.5mm〜5m
mの板状に形成されており、また上記排ガスの流れ方向
の長さ寸法は、脱硫性能によって異なるが、通常0.5
m以上に形成されている。また、これら活性炭触媒30
は、好ましくは2mm〜50mmの間隔Lを置いて、互
いに平行に配設されている。
【0034】なお、上記排煙脱硫装置21内に組み込ま
れる活性炭触媒層としては、排ガスが触媒の表面に沿っ
た方向に通過できる構造であればよく、図3に示すよう
に、上記活性炭触媒30の間に、さらに帯板状の活性炭
触媒31を介装した活性炭触媒層32や、さらには図4
に示すように、複数枚の活性炭触媒33を組み合わせ
て、全体としてハニカム状に構成した活性炭触媒層34
を組み込んでもよく、さらには複数枚の平板状の活性炭
触媒を縦横方向に組み合わせた格子状の活性炭触媒層
(図示を略す)を用いてもよい。
【0035】次に、以上の構成からなる排煙脱硫システ
ムを用いた、本発明に係る排煙脱硫方法の第1の実施形
態について説明する。先ず、排煙脱硫装置21におい
て、ポンプ24を運転して吸収液23をライン25に送
り、ノズル26から連続的に噴出させる。この状態で、
ボイラーから排出された亜硫酸ガスと、酸素および水分
とを含む排ガスを、流路20からこの排煙脱硫装置21
内に導入する。すると、排ガスは、ノズル26から噴出
されるアルカリ成分を含む吸収液23と気液接触され、
上記亜硫酸ガスの大部分が中和されて吸収液23中に除
去される。
【0036】次いで、吸収液23との気液接触を経た排
ガスは、吸収液23との気液接触によりその水分が加え
られて、上方の活性炭触媒層22に流入し、図2中実線
矢印で示すように、平板状の活性炭触媒30の表面に沿
って上昇する。この際に、排ガスが活性炭触媒30の表
面と接触し、この表面において亜硫酸ガスと酸素とが接
触酸化させて三酸化イオウに変換されるとともに、さら
にこの三酸化イオウが水分と反応して希硫酸が生成す
る。このようにして生成した希硫酸は、活性炭触媒30
が疎水性を有するため、その表面から離脱して、下方の
吸収液中に連続的に流下する。
【0037】この際に、排煙脱硫装置21の内壁に沿っ
て流下する希硫酸によって、当該内壁が洗浄され、スケ
ールの生成が防止される。そして、吸収液23内に導入
された希硫酸によって、この吸収液23がアルカリ成分
としてMg(OH)2 、NaOHあるいはNa2 CO3
含む場合には、無害な硫酸マグネシウム(MgSO4
が生成することにより、別途排煙脱硫装置21から抜出
されて海等へ放流処分される。
【0038】また、上記吸収液23が石灰石の水性スラ
リー液である場合には、上記希硫酸によって、吸収液2
3と亜硫酸ガスとの中和物を酸化して石膏を生成させる
反応が促進される。そして、生成した石膏を含む吸収液
スラリーは、同様に排煙脱硫装置21から抜出され、固
液分離されて石膏が回収されるとともに、分離された母
液は、再び吸収液23中に戻される。他方、亜硫酸ガス
が除去された排ガスは、無害化されて出口ダクト27か
ら排気されて行く。
【0039】このように、上記構成からなる排煙脱硫シ
ステムを用いた排煙脱硫方法によれば、先ず排煙脱硫装
置21において排ガスに含まれる亜硫酸ガスの大部分を
除去した後に、さらに活性炭触媒層22に送って活性炭
触媒30により接触酸化させ、希硫酸として除去してい
るので、上記排ガスから高い効率で亜硫酸ガスを除去す
ることができる。この際に、排ガスを、活性炭触媒30
の表面に沿って通過させているために、従来のように排
ガス流の変化や触媒層内における目詰まり等に起因して
大きな圧力損失を生じたり、あるいは排ガスの流れに偏
流を生じたりすることがない。しかも、活性炭触媒30
を数mmといった薄肉に形成することができるために、
活性炭触媒層22が軽量になるとともに、内部に希硫酸
が保持されて脱硫性能の低下を招くこともない。
【0040】さらに、気液接触を経て相対湿度が高くな
った排ガスを、そのまま活性炭触媒層22に導入してい
るので、円滑に活性炭触媒30の表面に希硫酸が生成さ
れるとともに、この排煙脱硫装置21内における排ガス
流速が高く、かつ活性炭触媒30にテフロン等による疎
水処理が施されているため、上記活性炭触媒30の表面
に沿って流れる排ガスによって、当該表面に生成した希
硫酸を容易に分離することができる。したがって、処理
すべき排ガスの容量が大きく、流速の高い場合において
も、軽量かつコンパクトな装置によって、安定的に高い
効率で排ガスの脱硫処理を行うことができる。また、活
性炭触媒層22を排煙脱硫装置21内に一体的に配設し
ているので、配管系統も含めて装置全体の大型化および
複雑化等を招く虞もない。
【0041】
【発明の実施の形態2】図5は、本発明の排煙脱硫シス
テムの第2実施形態を示すもので、図1〜図4に示した
ものと同一構成部分に付いては、同一符号を付してその
説明を簡略化する。図5に示すように、この排煙脱硫シ
ステムにおいては、排ガスの流路20に沿って、順次排
ガス中の亜硫酸ガスを除去するための湿式の排煙脱硫装
置21と、この排煙脱硫装置21を経た排ガスからミス
ト分を除去するミストエリミネータ35と、このミスト
エリミネータ35を経た排ガス中に残留する亜硫酸ガス
を除去するための上記活性炭触媒層(触媒層)22が組
み込まれた反応器36とが配設されている。なお、図中
符号28は、吸収液23中に酸化用空気を供給する供給
管であり、符号29aはアルカリ成分の補給ライン、2
9bは工業用水の供給ラインである。
【0042】ここで、上記活性炭触媒層22は、図2に
示したように、複数枚の平板状の活性炭触媒30から構
成されたものであり、第1の実施形態と同様に、図3あ
るいは図4に示したような活性炭触媒層32,34など
を採用してもよい。また、本実施形態においては、図5
に示すように、活性炭触媒層22の上方から下方に向け
て排ガスが導入されるようになっている。そして、反応
器36の下方には、当該反応器36の底部から排出管3
7によって抜出された希硫酸を一時蓄える希硫酸貯留槽
38が配設されている。
【0043】この希硫酸貯留槽38内の希硫酸39は、
ポンプ40によってその一部がライン41からミストエ
リミネータ35の洗浄用に供給され、他部がライン42
から、いずれもスケールを発生しやすい箇所である排煙
脱硫装置21への入口ダクト20aと排煙脱硫装置21
内の吸収液23の液面近傍箇所21aへと供給されてい
る。さらに、ライン41には、活性炭触媒層22を希硫
酸39によって洗浄するためのライン43が枝配管され
ている。
【0044】以上の構成からなる排煙脱硫システムを用
いた、本発明に係る排煙脱硫方法の第2の実施形態にお
いては、排煙脱硫装置21内において、ボイラーから排
出された亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む排ガス
が、ノズル26から噴出されるアルカリ成分を含む吸収
液23と気液接触され、上記亜硫酸ガスの大部分が中和
されて吸収液23中に除去され、さらにミストエリミネ
ータ35において同伴したミスト分が捕捉される。次い
で、排ガスは、反応器36に導入されて、活性炭触媒層
22における活性炭触媒30間を、図2に点線矢印で示
すように、上方から下方に向けて通過する。
【0045】この際に、同様に排ガスが活性炭触媒30
の表面と接触し、この表面において亜硫酸ガスと酸素と
が接触酸化させて希硫酸が生成し、排ガスの流れに伴っ
て疎水性を有する活性炭触媒30の表面から離脱し、反
応器36の底部へ連続的に流下する。このようにして、
残留した亜硫酸ガスについても除去されて無害化された
排ガスは、出口ダクト20bから排気されて行く。
【0046】他方、反応器36に流下した希硫酸は、排
出管37から希硫酸貯留槽38に一旦蓄えられ、ポンプ
40によって、ライン41からミストエリミネータ35
の洗浄用の一部もしくは全量として供給され、またライ
ン42からスケールの発生しやすい入口ダクト20aお
よび吸収液23の液面近傍箇所21aの洗浄用の一部も
しくは全量として供給される。
【0047】したがって、本実施形態によっても、第1
の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られるほ
か、さらにライン41から供給される希硫酸によって、
ミストエリミネータ35を洗浄することができるととも
に、当該希硫酸を、入口ダクト20aや排煙脱硫装置2
1内の液面近傍箇所21aに噴霧するなどして洗浄する
ことにより、当該箇所におけるスケールの生成を防止し
たり、あるいは生成したスケールを洗浄して除去するこ
とができる。なお、スケールの発生防止、洗浄除去に用
いる液は、酸性液(好ましくは、pH4.0以下)であ
ればよいので、当該希硫酸を、水、石膏スラリー吸収液
のろ液、吸収液などに添加したものを使用できる。
【0048】また、排ガスを活性炭触媒層22の上方か
ら下方に向けて通過させているので、活性炭触媒30の
表面に生成した希硫酸を、排ガスの流れと重力によって
円滑に活性炭触媒30の表面から分離して、反応器36
の底部に流下させることができる。
【0049】図6は、上記第2の実施形態における排煙
脱硫装置21、ミストエリミネータ35および活性炭触
媒層22等を、隔壁44aを間に介して一の塔内に組み
込んだ変形例を示すもので、図5と対応する構成には、
それぞれ同一符号を付してある。この一体化された塔の
底部には、堰板44bが設けられており、これによって
排煙脱硫装置21の底部には、吸収液23の貯留槽が形
成され、活性炭触媒層22の下方には、上記貯留槽から
オーバーフローしたろ液と活性炭触媒層22から流下し
た希硫酸との混合液の貯留槽が形成されている。そし
て、この希硫酸とろ液との混合液が、ポンプ40によっ
てミストエリミネータ35および/または活性炭触媒層
22の洗浄用として供給されている。このような排煙脱
硫システムによっても、第2の実施形態に示したものと
同様の作用効果を得ることができる。
【0050】なお、上記第1および第2の実施形態にお
いては、活性炭触媒層22を、排煙脱硫装置21の内部
またはミストエリミネータ35の下流側に配設した場合
について説明したが、本発明はこれに限るものではな
く、例えば図7に示す第3の実施形態のように、活性炭
触媒層45を、排煙脱硫装置21の出口側の排ガス流路
20内であって、かつミストエリミネータ35の上流側
に配設してもよく、また、活性炭触媒層45を構成する
平板状の活性炭触媒46についても、表面が排ガスの流
れ方向に沿って湾曲するように形成してもよい。
【0051】さらに、図8に示す変形例のように、表面
が波状に形成された活性炭触媒46からなる2組の活性
炭触媒層45を、各々の活性炭触媒46が流れ方向に傾
斜するように排ガス流路20内にV字状に配設してもよ
く、このように配置することにより、排ガスの流速が速
い排ガス流路20内においても、当該排ガスは図中点線
で示すように流れる結果、その流速を遅くすることがで
き、よって活性炭触媒層45を通過する排ガスの圧力損
失を小さくすることが可能になる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6のい
ずれかに記載の排煙脱硫方法および請求項7〜11のい
ずれかに記載の排煙脱硫システムによれば、亜硫酸ガス
と、酸素および水分とを含む排ガスを、排煙脱硫装置に
おいて脱硫処理した後に、さらに触媒層を通過させて残
留した亜硫酸ガスを除去しているので、当該排ガスから
高い効率で亜硫酸ガスを除去することができるととも
に、さらに排ガスを触媒層における触媒の表面に沿って
通過させているので、排ガスの流れにおける圧力損失を
大幅に低減化させることができ、かつ通過する排ガスに
よって生成した希硫酸を効果的に触媒層表面から分離す
ることができる結果、処理すべき排ガスの容量が大き
く、かつその流速の高い場合においても、軽量かつコン
パクトな装置によって、安定的に高い効率で排ガスの脱
硫処理を行うことが可能になる。
【0053】また、特に請求項4に記載の発明によれ
ば、上記触媒層において生成した希硫酸を回収して、ス
ケール発生箇所に噴霧等することにより、当該希硫酸を
スケールの生成防止や、あるいは生成したスケールの洗
浄・除去に活用することができ、さらに請求項5に記載
の発明のように、上記希硫酸を排煙脱硫装置の吸収液中
に戻すようにすれば、吸収液中のアルカリ成分による亜
硫酸ガスの中和物を、無害な硫酸塩として固定したり、
あるいは吸収液と亜硫酸ガスとの中和物を酸化して石膏
を生成させる反応を促進することができるといった効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排煙脱硫システムの第1の実施形
態を示す概略構成図である。
【図2】図1の活性炭触媒層を示す要部の斜視図であ
る。
【図3】図2の活性炭触媒層の変形例を示す要部の斜視
図である。
【図4】図2の活性炭触媒層の他の変形例を示す要部の
斜視図である。
【図5】本発明に係る排煙脱硫システムの第2の実施形
態を示す概略構成図である。
【図6】第2の実施形態の変形例を示す概略構成図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す要部の一部切り
欠いた斜視図である。
【図8】第3の実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図9】従来の排煙脱硫システムを示す概略構成図であ
る。
【図10】従来の他の排煙脱硫システムにおける活性炭
触媒層を示す要部の斜視図である。
【符号の説明】
20 排ガスの流路 21 湿式の排煙脱硫装置) 20a 入口ダクト(スケール生成箇所) 21a 液面近傍箇所(スケール生成箇所) 22、32、34、45 活性炭触媒層(触媒層) 23 吸収液 26 ノズル 30、31、33、46 活性炭触媒(触媒) 35 ミストエリミネータ 36 反応器 38 希硫酸貯留槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/36 K (72)発明者 梅原 洋一 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 浅岡 佐知夫 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AB01 AC01 AC04 BA02 BA05 BA16 CA01 CA07 CA11 CA13 DA02 DA05 DA06 DA12 DA16 DA41 EA02 EA03 EA09 EA13 FA03 FA08 GB12 HA05 4D048 AA02 AB01 AC10 BA05X BA13X BA50X BB02 BB03 BB04 BB17 BD05 BD06 CA03 CA04 CA07 CD02 CD03 CD08 4G069 AA01 AA03 AA08 AA10 AA12 BA08A BA08B BA22A BA22B CA02 CA07 CA12 DA06 EA14 EA19 EA21 EA22 EB14Y EB15Y EC28 ED01 FA06 FB15 GA11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む
    排ガスを、排煙脱硫装置において脱硫処理した後に、複
    数の触媒からなる触媒層に導入して、上記触媒の表面に
    沿った方向に通過させることにより、残留する上記亜硫
    酸ガスを接触酸化させ、生成した希硫酸を上記排ガスか
    ら連続的に分離することを特徴とする排煙脱硫方法。
  2. 【請求項2】 上記触媒として、ヤシ殻活性炭、木材か
    らの活性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油
    ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭および活性コー
    クスから選択される一種または複数種からなる平板状の
    活性炭触媒を用い、上記排ガスを、上記活性炭触媒の表
    面に沿って通過させることにより、上記活性炭触媒にお
    いて亜硫酸ガスと酸素とを接触酸化させて三酸化イオウ
    に変換させるとともに、この三酸化イオウを水分と反応
    させて希硫酸を生成させ、得られた上記希硫酸を上記活
    性炭触媒から連続的に分離することを特徴とする請求項
    1に記載の排煙脱硫方法。
  3. 【請求項3】 上記活性炭触媒は、疎水化処理が施され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の排煙脱硫方
    法。
  4. 【請求項4】 上記排ガスを、アルカリ成分を含む吸収
    液と上記排ガスとを気液接触させる湿式の上記排煙脱硫
    装置において脱硫処理するとともに、上記希硫酸を回収
    し、上記排煙脱硫装置におけるスケール生成箇所に供給
    して、当該スケールの生成防止もしくは除去に用いるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の排
    煙脱硫方法。
  5. 【請求項5】 上記排煙脱硫装置として、石灰石膏法に
    よる湿式排煙脱硫装置を用い、かつ上記希硫酸を当該排
    煙脱硫装置における上記吸収液に導入することを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の排煙脱硫方
    法。
  6. 【請求項6】 上記触媒層を、水、全溶解塩類濃度が3
    0wt%以下の水溶液、希硫酸、上記排煙脱硫装置の吸収
    液または当該吸収液から固形物を除去した母液によって
    洗浄することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の排煙脱硫方法。
  7. 【請求項7】 亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む
    排ガスから上記亜硫酸ガスを除去する排煙脱硫システム
    であって、上記排ガスの流路に沿って、順次上記排煙脱
    硫装置と、表面が上記排ガスの流れ方向に沿う方向に延
    在する複数枚の平板状の触媒からなる触媒層とを備えて
    なることを特徴とする排煙脱硫システム。
  8. 【請求項8】 上記触媒層は、表面に、ヤシ殻活性炭、
    木材からの活性炭、コールタール系ピッチからの活性
    炭、石油ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭および
    活性コークスから選択される一種または複数種の活性炭
    を有し、かつ当該表面が上記排ガスの流れ方向に沿って
    配設された複数枚の平板状の活性炭触媒からなる活性炭
    触媒層であることを特徴とする請求項7に記載の排煙脱
    硫システム。
  9. 【請求項9】 上記活性炭触媒は、合成樹脂製の補強板
    に、粉末活性炭を付着させた板状に形成されていること
    を特徴とする請求項8に記載の排煙脱硫システム。
  10. 【請求項10】 上記活性炭触媒は、合成樹脂製の補強
    板に、粉末活性炭と疎水性物質とを混合して付着させた
    板状に形成されていることを特徴とする請求項8に記載
    の排煙脱硫システム。
  11. 【請求項11】 上記排煙脱硫装置の下流側にミストエ
    リミネータが配設され、かつ上記触媒層が、上記排煙脱
    硫装置内、もしくは上記排煙脱硫装置と上記ミストエリ
    ミネータとの間、または上記ミストエリミネータの下流
    側に配設されていることを特徴とする請求項7ないし1
    0のいずれかに記載の排煙脱硫システム。
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